JPH0627475Y2 - 床マットおよびカーペットの固定構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は自動車等の床に敷かれるカーペットと床マット
とを共に床上に固定する構造に関するものである。

〔考案の背景〕

自動車等の床にはカーペットが敷かれ、該カーペットの
所定個所には床マットが載置固定される。該床マットは
該カーペットを汚染や摩耗から保護するものである。

このような床マットをカーペット上に固定するには従来
は第６図イに示すようにカーペット(1)表面と床マット
(2)裏面とにマジックファスナー(3),(4)を取付け、該床
マット(2)をカーペット(1)に該マジックファスナー(3),
(4)を介して固定するか、あるいは第６図ロに示すよう
にカーペット(1)A表面にボタン(3)Aを取付け、該床マッ
ト(2)Aにはボタン孔(4)Aを設け、該カーペット(1)Aのボ
タン(3)Aを該床マット(2)Aのボタン孔(4)Aに嵌合するこ
とによって該床マット(2)Aをカーペット(1)Aに固定する
構成が提供されていた。

しかし第６図イに示すようなマジックファスナー(3),
(4)による固定手段では、マジックファスナー(3),(4)の
表面に泥等が付着するとマジックファスナー(3),(4)相
互の固着力が低下して床マット(2)が固定されずずれ易
くなるし、第６図ロに示すようなボタン(3)Aによる固定
手段ではボタン(3)Aとカーペット(1)Aとの間に小石等が
挟まると、小石が邪魔になって床マット(2)Aのボタン孔
(4)Aにカーペット(1)Aのボタン(3)Aが嵌合出来なくなる
し、床マット(2)Aの厚み即ちボタン孔(4)Aの深さの相違
にボタン(3)Aの突出長が対応出来ないと云う問題点があ
った。

〔従来の技術〕

そこで上記問題点を解決するための手段として第７図に
示すようにシート(5)Bの前脚部(51)Bからフック(3)Bを
差出し、該フック(3)Bに床マット(2)Bの係合孔(4)Bを係
合する構成が提供されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記構成にあっては普通の乗用車では第７図に示すよう
にフック(3)Bがシート(5)Bの下部に位置して該シート
(5)Bにより覆われており、乗客の邪魔にならないが、第
８図に示すようにキャブオーバー車ではシート(5)Cはバ
ルクヘッド(6)C上に設置されているから、床マット(2)C
の係合孔(4)Cに係合するフック(3)Cをバルクヘッド(6)C
の直前に配置しても、該フック(3)Cはシート(5)Cより前
へ露出し、乗客の足に干渉すると云う不具合があった。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は上記従来の課題を解決するための手段として、
床(7)Dの所定位置にクリップ孔(71)Dを設け、該床(7)D
上に孔部(11)Dを設けたカーペット(1)Dを敷いて該床(7)
Dのクリップ孔(71)Dと該カーペット(1)Dの孔部(11)Dと
を重ね合わせ、該クリップ孔(71)Dにはクリップ(31)Dを
有するおねじまたはめねじ部材(3)Dのクリップ(31)Dを
該カーペット(1)Dの孔部(11)Dを介して係合することに
よって該カーペット(1)Dを床(7)D上に固定し、更に孔部
(21)Dを設けた軟質な床マット(2)Dを該カーペット(1)D
を上に載置して該カーペット(1)Dの孔部(11)Dと該床マ
ット(2)Dの孔部(21)Dとを重ね合わせ、その上からめね
じまたはおねじ部(42)Dを設けたキャップ(4)Dを該床(7)
D側のおねじまたはめねじ部材(3)Dに螺着締付して該キ
ャップ(4)Dを該床マット(2)Dを介して該カーペット(1)D
の立毛層(12)Dに食い込ませることによって該床マット
(2)Dを該カーペット(1)Dを上に固定し、該キャップ(4)D
の螺着締付け状態において該キャップ(4)D上面が該床マ
ット(2)D表面から突出しないように、該キャップ(4)Dの
めねじまたはおねじ部(42)Dと該おねじまたはめねじ部
材(3)Dとの螺入度を調節した床マット(2)Dおよびカーペ
ット(1)Dの固定構造を提供するものである。

〔作用〕

床(7)D側のクリップ孔(71)Dにカーペット(1)Dの孔部(1
1)Dを介しておねじまたはめねじ部材(3)Dのクリップ(3
1)Dを係合することによって該カーペット(1)Dを床(7)D
上に固定する。更に該カーペット(1)D上には軟質な床マ
ット(2)Dを重ね合わせ、該床マット(2)Dの孔部(21)Dを
該おねじまたはめねじ部材(3)D上に位置させる。そして
その上からキャップ(4)Dを被着し、該キャップ(4)Dのめ
ねじまたはおねじ部(42)Dを床(7)D側のおねじまたはめ
ねじ部材(3)Dに螺着締付けて該キャップ(4)Dを該床マッ
ト(2)Dを介して該カーペット(1)Dの立毛層(12)Dに食い
込ませる。このようにして該床マット(2)Dは該床マット
(2)Dの孔部(21)Dとキャップ(4)Dのめねじまたはおねじ
部(42)Dと床(7)D側のおねじまたはめねじ部材(3)Dとの
係合によりカーペット(1)D上に固定されずれを阻止され
る。またキャップ(4)Dのめねじまたはおねじ部(42)Dお
よび床(7)D側のおねじまたはめねじ部材(3)Dとの螺合度
を該床マット(2)Dおよびカーペット(1)Dの立毛層(12)D
の厚みに応じて調節すればキャップ(4)Dが該床マット
(2)Dの表面から突出しないようにすることが出来る。

〔考案の効果〕

本考案は上記したようにカーペットと軟質な床マットと
を共に床上に固定出来、該床マットおよびカーペットの
立毛層の厚みに応じてキャップを該床マット表面から突
出しないようにすることが出来るので、固定構造がシー
トより露出していても乗客の足に干渉することがない。
また該床側のおねじまたはめねじ部材はクリップを介し
て床の孔部に取付けられるので、床自体におねじまたは
めねじ部材を設けるよりも床構造が簡単化される。

〔実施例〕

本考案を第１図〜第３図に示す一実施例によって説明す
れば、床である床パネル(7)Dにはクリップ孔(71)Dが設
けられ、該床パネル(7)D上には立毛層(12)Dを有し孔部
(11)Dが設けられているカーペット(1)Dが敷設され、該
床パネル(7)Dのクリップ孔(71)Dと該カーペット(1)Dの
孔部(11)Dとは重ね合わせられる。(3)Dはおねじ部材で
あり、該おねじ部材(3)Dはダイヤモンド形のクリップ(3
1)Dと、該クリップ(31)D上端に配置される当板(32)D
と、該当板(32)Dから立設されるおねじ突起(33)Dとから
なり、該部材(3)Dのクリップ(31)Dを該カーペット(1)D
の孔部(11)Dを介して床パネル(7)Dのクリップ孔(71)Dに
係合することによって該カーペット(1)Dを床パネル(7)D
上に固定する。バルクヘッド(6)Dの直前において、該カ
ーペット(1)D上には軟質な床マット(2)Dが載置される
が、該床マット(2)Dの孔部(21)Dにはグロメット(22)Dが
嵌着されている。そして該床マット(2)Dの孔部(21)Dは
該床パネル(7)D側の部材(3)Dの位置に合わせる。(4)Dは
キャップであり、該キャップ(4)Dは蓋部(41)Dと該蓋部
(41)Dから垂設されるめねじ部(42)Dとからなり、該蓋部
(41)Dの上面にはつまみ(43)Dが形成されて第２図に示す
ように指で該つまみ(43)Dをつまむことによって該キャ
ップ(4)Dを回すことが容易になる。該蓋部(41)Dの径は
該床マット(2)Dの孔部(21)Dの径よりも大きくされ、該
めねじ部(42)Dの径は該床マット(2)D、カーペット(1)D
の孔部(21)D,(11)Dの径と略等しいか若干小さくされ
る。そして該キャップ(4)Dを該床マット(2)Dの上から被
着してめねじ部(42)Dを該床マット(2)Dとカーペット(1)
Dの孔部((21)D,(11)Dに挿入し、キャップ(4)Dの蓋部(4
1)Dのつまみ(43)Dを指でつまんでキャップ(4)Dを回すこ
とによって床パネル(7)Dに取付けた部材(3)Dのおねじ突
起(33)Dに螺合締付ける。この場合該キャップ(4)Dは該
床マット(2)Dを介して該カーペット(1)Dの立毛層(12)D
に食い込んで行く。そしてキャップ(4)Dの蓋部(41)Dが
第３図に示すように該床マット(21)Dの表面から突出し
ないように該床マット(2)Dおよびカーペット(1)Dの立毛
層(12)Dの厚みに応じて該キャップ(4)Dのめねじ部(42)D
と該部材(3)Dのおねじ突起(33)Dとの螺合度を調節す
る。

かくしてキャップ(4)Dは如何なる厚みの床マット(2)Dお
よびカーペット(1)Dに対しても該床マット(2)D表面から
突出せず、したがって乗客の足に干渉することがなく、
また該床マット(2)Dの孔部(21)Dにキャップ(4)Dのめね
じ部(42)Dと部材(3)Dのおねじ突起(33)Dとが係合し、か
つ該床マット(2)Dの孔部(21)Dの周縁をキャップ(4)Dの
蓋部(41)Dが押圧することにより、該床マット(2)Dはカ
ーペット(1)D上でずれを確実に防止される。該床マット
(2)Dを取はずして洗滌等する場合にはキャップ(4)Dの蓋
部(41)Dのつまみ(43)Dを指でつまんでキャップ(4)Dを逆
回しすると該キャップ(4)Dは部材(3)Dのおねじ突起(33)
Dから容易にはずすことが出来る。

第４図および第５図には本考案の他の実施例が示され
る。本実施例においては、床パネル(7)E上に立毛層(12)
Eを有するカーペット(1)Eを敷設し、軟質な床マット(2)
Eをパルクヘッド直前に載置するが、該床マット(2)E、
カーペット(1)Eには夫々孔部(21)E,(11)Eを設け、床パ
ネル(7)Eにはクリップ孔(71)Eを設け、該床パネル(7)E
のクリップ孔(71)Eにはクリップ(31)E、当板(32)Eおよ
びめねじ孔(33)Eとからなるめねじ部材(3)Eのクリップ
(31)Eを係合し、該床マット(2)Eの孔部(21)Eの周縁には
グロメット(22)Eを嵌着し、その上から蓋部(41)Eと、お
ねじ部(42)Eと、ガスケット部(43)Eと、該ガスケット部
(43)Eと蓋部(41)Eとを連絡するベルト部(44)Eとからな
るキャップ(4)Eを被着するが、この際、ガスケット部(4
3)Eは該床マット(2)Eの下側に配置される。そして該ガ
スケット部(43)Eには孔部(45)Eと該孔部(44)Eの周縁か
ら放射状に切目(46)Eとが設けられている。該キャップ
(4)Eのおねじ部(42)Eは該床マット(2)Eの孔部(21)Eとカ
ーペット(1)Eの孔部(11)Eとを貫通して該部材(3)Eのめ
ねじ部(33)Eに螺合されるが、該キャップ(4)Eは該床マ
ット(2)Eを介してカーペット(1)Eの立毛層(12)Eに食い
込み、該キャップ(4)Eの蓋部(41)Eが該床マット(2)E表
面から突出しないように該キャップ(4)Eのおねじ部(42)
Eと該部材(3)Eのめねじ孔(33)Eとの螺合度を該床マット
(2)Eおよびカーペット(1)Eの立毛層(12)Eの厚みに応じ
て調節する。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は本考案の一実施例を示すものであり、
第１図は固定構造部分分解斜視図、第２図はキャップの
斜視図、第３図は固定構造部分断面図、第４図および第
５図は本考案の他の実施例を示すものであり、第４図は
固定構造部分分解斜視図、第５図は固定構造部分断面
図、第６図は従来例を示し、イはマジックファスナーを
用いた説明図、ロはボタンを用いた説明図、第７図は従
来改良例の説明斜視図、第８図は従来改良例をキャブオ
ーバー車に適用した説明斜視図である。 図中、(1)D,(1)E……カーペット (11)D,(11)E,(21)D,(21)E……孔部 (12)D、(12)E……立毛層 (2)D,(2)E……軟質な床マット (3)D……おねじ部材 (31)D,(31)E……クリップ (33)D……おねじ突起 (3)E……めねじ部材 (33)E……めねじ孔 (4)D,(4)E……キャップ (42)D……めねじ部 (42)E……おねじ部 (7)D,(7)E……床パネル（床） (71)D,(71)E……クリップ孔

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭60−47637（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭50−113133（ＪＰ，Ｕ) 実願 昭55−158067号（実開 昭57− 80333号）の願書に添付した明細書及び図 面の内容を撮影したマイクロフィルム（Ｊ Ｐ，Ｕ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】床の所定位置にクリップ孔を設け、該床上
   に孔部を設けたカーペットを敷いて該床のクリップ孔と
   該カーペットの孔部とを重ね合わせ、該クリップ孔には
   クリップを有するおねじまたはめねじ部材のクリップを
   該カーペットの孔部を介して係合することによって該カ
   ーペットを床上に固定し、更に孔部を設けた軟質な床マ
   ットを該カーペット上に載置して該カーペットの孔部と
   該床マットの孔部とを重ね合わせ、その上からめねじま
   たはおねじ部を設けたキャップを該床側のおねじまたは
   めねじ部材に螺着締付して該キャップを該床マットを介
   して該カーペットの立毛層に食い込ませることによって
   該床マットを該カーペット上に固定し、該キャップの螺
   着締付け状態において該キャップ上面が該床マット表面
   から突出しないように、該キャップのめねじまたはおね
   じ部と該おねじまたはめねじ部材との螺入度を調節した
   ことを特徴とする床マットおよびカーペットの固定構造