JPH0627404B2 - 地山の補強工法 - Google Patents
地山の補強工法Info
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- JPH0627404B2 JPH0627404B2 JP2152076A JP15207690A JPH0627404B2 JP H0627404 B2 JPH0627404 B2 JP H0627404B2 JP 2152076 A JP2152076 A JP 2152076A JP 15207690 A JP15207690 A JP 15207690A JP H0627404 B2 JPH0627404 B2 JP H0627404B2
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- JP
- Japan
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- hole
- sheath tube
- reinforcing material
- ground
- reinforcing
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- Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、自然斜面や、のり面等の崩壊を未然に防止
する地山の補強工法に関する。
する地山の補強工法に関する。
従来技術 地山ののり面等は、雨水の浸食作用および強度低下等に
よって、自然崩壊し易いものである。したがって、これ
を防止するには、のり面等の状況に応じた方法によって
人工的に地山を補強する必要がある。
よって、自然崩壊し易いものである。したがって、これ
を防止するには、のり面等の状況に応じた方法によって
人工的に地山を補強する必要がある。
地山の崩壊に対しては、単に地山ののり面にコンクリー
トを吹き付ける等の表面的な工法による補強では足り
ず、想定すべり面に達する長さの補強材を挿入する補強
工法が有効であることが知られている。
トを吹き付ける等の表面的な工法による補強では足り
ず、想定すべり面に達する長さの補強材を挿入する補強
工法が有効であることが知られている。
この補強工法は、まず、地山を調査して、たとえば、層
理の有無やその方向、地質が変化する不連続面の位置等
から崩壊するおそれのあるすべりの厚さを予測し、この
調査結果に基づいて一定の安定計算を行ない、すべりの
崩壊を未然に防ぐのに必要な補強材の長さと本数とを求
めた上で実施される。また、補強材の挿入は、のり面の
所定位置に所定深度の孔を削孔して行ない、孔内にグラ
ウトを低圧注入または自然流下によって注入し、補強材
の定着と防錆とを図るのが普通である。ただし、地質に
よって、孔の孔壁の乱れが著しい場合には、先にグラウ
トの注入を行ない、その硬化前に補強材を挿入すること
もある。
理の有無やその方向、地質が変化する不連続面の位置等
から崩壊するおそれのあるすべりの厚さを予測し、この
調査結果に基づいて一定の安定計算を行ない、すべりの
崩壊を未然に防ぐのに必要な補強材の長さと本数とを求
めた上で実施される。また、補強材の挿入は、のり面の
所定位置に所定深度の孔を削孔して行ない、孔内にグラ
ウトを低圧注入または自然流下によって注入し、補強材
の定着と防錆とを図るのが普通である。ただし、地質に
よって、孔の孔壁の乱れが著しい場合には、先にグラウ
トの注入を行ない、その硬化前に補強材を挿入すること
もある。
発明が解決しようとする課題 かかる従来技術によれば、補強材の挿入に先行して削孔
を行なうので、地山の固結度が低く、地盤が軟弱である
場合には、削孔によって形成した孔の孔壁部分が崩れ、
これが周囲に波及して地山が全体的に緩み、地山崩壊の
誘因となるおそれがあった。
を行なうので、地山の固結度が低く、地盤が軟弱である
場合には、削孔によって形成した孔の孔壁部分が崩れ、
これが周囲に波及して地山が全体的に緩み、地山崩壊の
誘因となるおそれがあった。
また、孔は、補強材の周囲にグラウトを注入するため
に、補強材の直径より大径に削孔されるが、補強材は、
単純に孔内に挿入されるだけであり、これを孔の中心部
に積極的に位置決めすることができないので、補強材の
周囲に形成されるグラウトの被覆層の厚さが不均一とな
り、さらに、孔内には、削孔時のスライムや、孔壁の崩
れ等による土砂が残留していることが多く、これらがグ
ラウトに混入するために、補強材に対する腐食防止機能
が十分に発揮できなかったり、地山に対する補強材の定
着強度が弱く、所定の補強効果が実現されなかったりす
るおそれがあるという問題もあった。
に、補強材の直径より大径に削孔されるが、補強材は、
単純に孔内に挿入されるだけであり、これを孔の中心部
に積極的に位置決めすることができないので、補強材の
周囲に形成されるグラウトの被覆層の厚さが不均一とな
り、さらに、孔内には、削孔時のスライムや、孔壁の崩
れ等による土砂が残留していることが多く、これらがグ
ラウトに混入するために、補強材に対する腐食防止機能
が十分に発揮できなかったり、地山に対する補強材の定
着強度が弱く、所定の補強効果が実現されなかったりす
るおそれがあるという問題もあった。
そこで、この発明の目的は、補強材の他に、拡張したと
きに孔の内径相当の管体を形成する縦割りの鞘管を用
い、これを縮径した状態で補強材とともに孔内に挿入
し、その後、スペーサを圧入して鞘管を拡張することに
よって、地山の緩みを防ぐとともに、スペーサによって
補強材を孔の中心部に位置決めし、補強材の周囲に均質
で均一な厚さのグラウトの被覆層を形成することができ
る地山の補強工法を提供することにある。
きに孔の内径相当の管体を形成する縦割りの鞘管を用
い、これを縮径した状態で補強材とともに孔内に挿入
し、その後、スペーサを圧入して鞘管を拡張することに
よって、地山の緩みを防ぐとともに、スペーサによって
補強材を孔の中心部に位置決めし、補強材の周囲に均質
で均一な厚さのグラウトの被覆層を形成することができ
る地山の補強工法を提供することにある。
課題を解決するための手段 かかる目的を達成するためのこの発明の構成は、地山の
のり面に所定径の孔を所定深度に削孔し、この孔に対
し、補強材と、縦割り分割することによって補強材を囲
むように縮径させた鞘管とを挿入し、補強材と鞘管との
間にスペーサを圧入して鞘管を拡張し、補強材と鞘管と
の間の空隙にグラウトを注入することをその要旨とす
る。
のり面に所定径の孔を所定深度に削孔し、この孔に対
し、補強材と、縦割り分割することによって補強材を囲
むように縮径させた鞘管とを挿入し、補強材と鞘管との
間にスペーサを圧入して鞘管を拡張し、補強材と鞘管と
の間の空隙にグラウトを注入することをその要旨とす
る。
なお、グラウトは、注入パイプを介して、孔の孔底側か
ら充填するができる。
ら充填するができる。
鞘管の分割片は、ヒンジを介して連結してもよい。
また、鞘管には、透孔を設けることができ、さらに、そ
の外周面を凹凸に形成してもよい。
の外周面を凹凸に形成してもよい。
なお、鞘管の頭部は、錐台形の栓体によって塞ぐことが
できる。
できる。
作用 かかる構成によれば、鞘管は、縦割り分割され、補強材
を中心に、補強材を取り囲むようにして縮径することに
より、孔の内径に対して十分小さくすることができるの
で、孔の孔壁に多少の乱れがある場合においても、補強
材と鞘管とを組み合わせた状態にものを極めて簡単に孔
底にまで挿入することができる。
を中心に、補強材を取り囲むようにして縮径することに
より、孔の内径に対して十分小さくすることができるの
で、孔の孔壁に多少の乱れがある場合においても、補強
材と鞘管とを組み合わせた状態にものを極めて簡単に孔
底にまで挿入することができる。
次いで、補強材と鞘管との間にスペーサを圧入すること
によって、鞘管を孔内において所定の直径にまで拡張す
るが、このとき、鞘管は、孔内に挿入後拡張するので、
孔壁の乱れによる土砂等を孔壁側に押し戻し、孔壁の復
元を図ることができ、鞘管の内部に土塊やスライム等が
入り込む余地がない。また、補強材は、スペーサによっ
て位置決めされるので、鞘管内における偏りがなく、孔
の中心部に積極的に保持することができる。したがっ
て、補強材の周囲には、孔の開口部から孔底に至るま
で、スペーサの厚み相当の均一な空隙が形成され、この
空隙にグラウトを注入することにより、補強材の周囲に
は、混入物のない均一な被覆層を形成することができ
る。
によって、鞘管を孔内において所定の直径にまで拡張す
るが、このとき、鞘管は、孔内に挿入後拡張するので、
孔壁の乱れによる土砂等を孔壁側に押し戻し、孔壁の復
元を図ることができ、鞘管の内部に土塊やスライム等が
入り込む余地がない。また、補強材は、スペーサによっ
て位置決めされるので、鞘管内における偏りがなく、孔
の中心部に積極的に保持することができる。したがっ
て、補強材の周囲には、孔の開口部から孔底に至るま
で、スペーサの厚み相当の均一な空隙が形成され、この
空隙にグラウトを注入することにより、補強材の周囲に
は、混入物のない均一な被覆層を形成することができ
る。
注入パイプを介して孔底側からグラウトを充填すれば、
注入されたグラウトにより孔内にエアが封じ込められる
ようなことがないので、グラウトの完全な充填を期する
ことができる。
注入されたグラウトにより孔内にエアが封じ込められる
ようなことがないので、グラウトの完全な充填を期する
ことができる。
鞘管の分割片をヒンジを介して連結するときは、鞘管
は、その縮径・拡張機能を維持しながら、しかも、各分
割片が分離しないので、孔内への挿入が容易である上、
これを拡張した際にも、各分割片の相対位置を適正に維
持することが可能である。
は、その縮径・拡張機能を維持しながら、しかも、各分
割片が分離しないので、孔内への挿入が容易である上、
これを拡張した際にも、各分割片の相対位置を適正に維
持することが可能である。
また、鞘管に透孔を設ければ、その内部に注入されたグ
ラウトは、透孔を介して鞘管の外部にまでまわり易く、
したがって、地山に対する補強材の定着強度を向上する
ことができる。
ラウトは、透孔を介して鞘管の外部にまでまわり易く、
したがって、地山に対する補強材の定着強度を向上する
ことができる。
鞘管の外周面を凹凸に形成すれば、地山と鞘管との定着
性を一層高めることができる。
性を一層高めることができる。
なお、鞘管の頭部を錐台形の栓体で塞ぐときは、栓体を
打ち込むことによって、頭部をさらに拡張することがで
きるので、空積み擁壁等において、積み石を緊張させる
ことによって全体を一体化して補強し、また、積み石の
経時的な緩みを補修することもできる。
打ち込むことによって、頭部をさらに拡張することがで
きるので、空積み擁壁等において、積み石を緊張させる
ことによって全体を一体化して補強し、また、積み石の
経時的な緩みを補修することもできる。
実施例 以下、図面を以って実施例を説明する。
地山の補強工法は、耐力部材としての補強材11の他
に、長手方向に縦割り分割した鞘管20を用いる(第1
図)。
に、長手方向に縦割り分割した鞘管20を用いる(第1
図)。
補強材11は、外周部にねじを形成したねじ付き異形鉄
筋であり、専用のナット12と螺合可能である。なお、
補強材11の長さ、直径は、安定計算結果や経験値等に
応じて決定するものとする。
筋であり、専用のナット12と螺合可能である。なお、
補強材11の長さ、直径は、安定計算結果や経験値等に
応じて決定するものとする。
鞘管20は、断面弧状に曲面構成した4枚の分割片2
1、21…からなり、全体として1本の管体を形成する
ことができる。各分割片21は、その中央部に、長孔状
の透孔21h、21h…が形成されている。なお、鞘管
20の長さは、補強材11よりも短く、その全体直径
は、補強材11の直径より一回り大径に設定されてい
る。
1、21…からなり、全体として1本の管体を形成する
ことができる。各分割片21は、その中央部に、長孔状
の透孔21h、21h…が形成されている。なお、鞘管
20の長さは、補強材11よりも短く、その全体直径
は、補強材11の直径より一回り大径に設定されてい
る。
補強材11と鞘管20とは、複数個のスペーサ22、2
2…を介して組み合わせることができる。各スペーサ2
2は、補強材11を挿通するための中心孔22sを中央
部に有し、鞘管20の内径相当の外径を有する環状体で
あり、その2箇所には、透孔22h、22hが設けられ
ている。スペーサ22、22…は、中心孔22s、22
s…に補強材11を挿通した状態でほぼ等間隔に配設さ
れ、その外周部に鞘管20の分割片21、21…が配置
されている。したがって、全体としては、スペーサ2
2、22…を介し、鞘管20の中心部に補強材11を挿
入した状態となる。なお、スペーサ22、22…は、透
孔22h、22h…が一直線状になるように配設され、
その一方の側の透孔22h、22h…には、注入パイプ
23が挿通される。
2…を介して組み合わせることができる。各スペーサ2
2は、補強材11を挿通するための中心孔22sを中央
部に有し、鞘管20の内径相当の外径を有する環状体で
あり、その2箇所には、透孔22h、22hが設けられ
ている。スペーサ22、22…は、中心孔22s、22
s…に補強材11を挿通した状態でほぼ等間隔に配設さ
れ、その外周部に鞘管20の分割片21、21…が配置
されている。したがって、全体としては、スペーサ2
2、22…を介し、鞘管20の中心部に補強材11を挿
入した状態となる。なお、スペーサ22、22…は、透
孔22h、22h…が一直線状になるように配設され、
その一方の側の透孔22h、22h…には、注入パイプ
23が挿通される。
注入パイプ23の先端部は、補強材11の先端に近い位
置において、固定バンド23aによって固定されてい
る。また、他端側は、鞘管20の外部に引き出されてい
る。
置において、固定バンド23aによって固定されてい
る。また、他端側は、鞘管20の外部に引き出されてい
る。
鞘管20には、その頭部を塞ぐための蓋板24が付属し
ている。蓋板24は、鞘管20の直径に対して十分大き
いものとし、その中央部には、補強材11を通すための
丸孔24sが設けられている。蓋板24は、鞘管20の
頭部を塞いだ後、ナット12によって固定することがで
きる。
ている。蓋板24は、鞘管20の直径に対して十分大き
いものとし、その中央部には、補強材11を通すための
丸孔24sが設けられている。蓋板24は、鞘管20の
頭部を塞いだ後、ナット12によって固定することがで
きる。
これらの各部材は、地山ののり面に形成した孔Hの内部
において組み立てる(第2図)。なお、孔Hの深度は、
地質調査に基づく安定計算等によって、地山の崩壊を防
ぐに十分な深さに定めるものとし、補強材11の長さ
は、孔Hの孔底H3にまで達する長さに決定される。ま
た、孔Hは、現場の状況に従い、さく岩機、ボーリング
マシンや、簡易なオーガボーリング等によって削孔する
ものとする。
において組み立てる(第2図)。なお、孔Hの深度は、
地質調査に基づく安定計算等によって、地山の崩壊を防
ぐに十分な深さに定めるものとし、補強材11の長さ
は、孔Hの孔底H3にまで達する長さに決定される。ま
た、孔Hは、現場の状況に従い、さく岩機、ボーリング
マシンや、簡易なオーガボーリング等によって削孔する
ものとする。
鞘管20は、縦割り構造となっているので、分割片2
1、21…を部分的に重ね合わせることにより、補強材
11を囲むようにして縮径することができる(第3
図)。ただし、鞘管20は、これを拡張したときに、孔
Hの内径相当の直径を有する管体に形成することができ
るものとする。また、縮径に際しては、鞘管20の内部
に予め補強材11と注入パイプ23とを配設し、これら
を各分割片21によって包み込むようにして組み合わせ
るものとする。なお、注入パイプ23の先端部は、この
時点で、補強材11に固定しておく。
1、21…を部分的に重ね合わせることにより、補強材
11を囲むようにして縮径することができる(第3
図)。ただし、鞘管20は、これを拡張したときに、孔
Hの内径相当の直径を有する管体に形成することができ
るものとする。また、縮径に際しては、鞘管20の内部
に予め補強材11と注入パイプ23とを配設し、これら
を各分割片21によって包み込むようにして組み合わせ
るものとする。なお、注入パイプ23の先端部は、この
時点で、補強材11に固定しておく。
鞘管20を縮径することにより、鞘管20と孔Hの孔壁
H2との間には、十分な間隙を確保することができる。
したがって、土質によって孔Hの孔壁H2に乱れがある
ときでも、鞘管20は、補強材11等とともに容易に孔
底H3にまで挿入することができる。
H2との間には、十分な間隙を確保することができる。
したがって、土質によって孔Hの孔壁H2に乱れがある
ときでも、鞘管20は、補強材11等とともに容易に孔
底H3にまで挿入することができる。
鞘管20の挿入が完了したら、孔Hの開口部H1側にお
いて、分割片21、21…の位置を整えた上、1個目の
スペーサ22を補強材11と鞘管20との間に挿入する
(第4図)。スペーサ22の挿入は、その一方の透孔2
2hに注入パイプ23を挿通し、その中心孔22sに補
強材11を通して行なう。
いて、分割片21、21…の位置を整えた上、1個目の
スペーサ22を補強材11と鞘管20との間に挿入する
(第4図)。スペーサ22の挿入は、その一方の透孔2
2hに注入パイプ23を挿通し、その中心孔22sに補
強材11を通して行なう。
スペーサ22は、パイプ状のジグPによって孔底H3に
向けて圧入する(第5図)。このとき、鞘管20は、ス
ペーサ22の移動に伴って、その径方向に拡張するが
(第6図)、スペーサ22は、拡張後の鞘管20の分割
片21、21…相互間に僅かの隙間G、G…が生じるよ
うに、その直径を選択してあるものとする。また、スペ
ーサ22を圧入するためのジグPには、注入パイプ23
と干渉しないように、スリットP1が形成されている。
向けて圧入する(第5図)。このとき、鞘管20は、ス
ペーサ22の移動に伴って、その径方向に拡張するが
(第6図)、スペーサ22は、拡張後の鞘管20の分割
片21、21…相互間に僅かの隙間G、G…が生じるよ
うに、その直径を選択してあるものとする。また、スペ
ーサ22を圧入するためのジグPには、注入パイプ23
と干渉しないように、スリットP1が形成されている。
つづいて、第2、第3のスペーサ22、22を補強材1
1と鞘管20との間に圧入し、鞘管20全体を均一に拡
張する(第7図)。この際、孔H内のスライム等は、拡
張する鞘管20によって孔壁H2に向けて押し戻される
ので、孔壁H2の周囲の地盤を適度に緊張させることが
でき、削孔作業による地山の緩みを回復することができ
る。なお、スペーサ22、22…の個数は、鞘管20の
長さによって適当に決定するものとする。
1と鞘管20との間に圧入し、鞘管20全体を均一に拡
張する(第7図)。この際、孔H内のスライム等は、拡
張する鞘管20によって孔壁H2に向けて押し戻される
ので、孔壁H2の周囲の地盤を適度に緊張させることが
でき、削孔作業による地山の緩みを回復することができ
る。なお、スペーサ22、22…の個数は、鞘管20の
長さによって適当に決定するものとする。
スペーサ22、22…の圧入後、注入パイプ23を介し
てグラウトを注入する。ここで、注入パイプ23の先端
部は、孔底H3付近に位置しているので、グラウトは、
孔底H3側から充填されることになり、孔H内のエア
は、スペーサ22、22…の透孔22h、22h…を介
して外部に排出することができる。注入されたグラウト
は、分割片21、21…相互間の隙間G、G…や、各分
割片21の透孔21h、21h…を介して鞘管20の外
部にまわり、周囲の地盤に浸潤しながら、孔H内に充填
される。なお、グラウトの充填完了は、グラウトが孔H
の開口部H1に溢れ出ることによって確認することがで
きる。
てグラウトを注入する。ここで、注入パイプ23の先端
部は、孔底H3付近に位置しているので、グラウトは、
孔底H3側から充填されることになり、孔H内のエア
は、スペーサ22、22…の透孔22h、22h…を介
して外部に排出することができる。注入されたグラウト
は、分割片21、21…相互間の隙間G、G…や、各分
割片21の透孔21h、21h…を介して鞘管20の外
部にまわり、周囲の地盤に浸潤しながら、孔H内に充填
される。なお、グラウトの充填完了は、グラウトが孔H
の開口部H1に溢れ出ることによって確認することがで
きる。
グラウトの注入後、注入パイプ23を切断する。つづい
て、グラウトの硬化後、蓋板24によって鞘管20の頭
部を塞ぐとともに、孔Hの開口部H1周辺の地盤を押さ
えて安定させる。蓋板24は、ナット12によって簡単
に固定することができる。
て、グラウトの硬化後、蓋板24によって鞘管20の頭
部を塞ぐとともに、孔Hの開口部H1周辺の地盤を押さ
えて安定させる。蓋板24は、ナット12によって簡単
に固定することができる。
補強材11は、スペーサ22、22…によって、拡張さ
れた鞘管20の中心部に位置決めされているため、その
周囲に均一な厚さのグラウトの被覆層を形成することが
できる。しかも、この被覆層には、スライム等の異物が
混入しないので、長期間に亘り安定に補強材11を保護
し、その腐食等を防止することができる。
れた鞘管20の中心部に位置決めされているため、その
周囲に均一な厚さのグラウトの被覆層を形成することが
できる。しかも、この被覆層には、スライム等の異物が
混入しないので、長期間に亘り安定に補強材11を保護
し、その腐食等を防止することができる。
他の実施例 分割片21、21…は、ヒンジ21j、21j…によっ
て連結してもよい(第8図)。連結は、隣接する分割片
21、21間で行なうが、少なくともその1箇所は開放
のままとする。また、ヒンジ21j、21j…は、スペ
ーサ22の挿入に対して障害とならないように、分割片
21、21…の外周面側に固定されている。各分割片2
1には、透孔21h、21h…が形成されるとともに、
2枚の分割片21、21の外周面は、横方向のリブ21
t、21t…が形成されて凹凸に形成されている。
て連結してもよい(第8図)。連結は、隣接する分割片
21、21間で行なうが、少なくともその1箇所は開放
のままとする。また、ヒンジ21j、21j…は、スペ
ーサ22の挿入に対して障害とならないように、分割片
21、21…の外周面側に固定されている。各分割片2
1には、透孔21h、21h…が形成されるとともに、
2枚の分割片21、21の外周面は、横方向のリブ21
t、21t…が形成されて凹凸に形成されている。
このような鞘管20は、各分割片21を補強材11に巻
き付けるようにして縮径することができる(第9図)。
しかも、分割片21、21…は、長手方向に相対移動す
ることがなく、孔Hに対する挿入が容易である。また、
拡張後は、リブ21t、21t…により、孔壁H2に対
する定着性を増すことができる。なお、リブ21t、2
1t…を形成する分割片21、21…は、その枚数を任
意に定めてよく、そのすべてにリブ21t、21t…を
形成し、または、そのすべてに形成しないようにしても
よい。
き付けるようにして縮径することができる(第9図)。
しかも、分割片21、21…は、長手方向に相対移動す
ることがなく、孔Hに対する挿入が容易である。また、
拡張後は、リブ21t、21t…により、孔壁H2に対
する定着性を増すことができる。なお、リブ21t、2
1t…を形成する分割片21、21…は、その枚数を任
意に定めてよく、そのすべてにリブ21t、21t…を
形成し、または、そのすべてに形成しないようにしても
よい。
鞘管20の頭部は、錐台形の栓体25によって塞ぐこと
ができる(第10図)。栓体25の中心部には、補強材
11を挿通するための貫通孔25hが設けられており、
栓体25は、その中心部に補強材11を通した状態で、
鞘管20に打ち込むことができる。栓体25を打ち込む
ことによって、鞘管20の頭部付近を拡張することがで
きるので、周囲の積み石S、S…を緊張させ、一体化さ
せることができる。なお、栓体25の上面は、蓋板2
4、ナット12を介して締付け固定する。
ができる(第10図)。栓体25の中心部には、補強材
11を挿通するための貫通孔25hが設けられており、
栓体25は、その中心部に補強材11を通した状態で、
鞘管20に打ち込むことができる。栓体25を打ち込む
ことによって、鞘管20の頭部付近を拡張することがで
きるので、周囲の積み石S、S…を緊張させ、一体化さ
せることができる。なお、栓体25の上面は、蓋板2
4、ナット12を介して締付け固定する。
大径の注入パイプ23を用いる場合には、スペーサ22
の一部を切り欠くことができる(第11図)。この切欠
き部分を利用して、注入パイプ23を後から挿入するこ
ともできる。なお、透孔22h、22h…は、その個数
を任意に定めてよく、それを全く設けないようにしても
よい。
の一部を切り欠くことができる(第11図)。この切欠
き部分を利用して、注入パイプ23を後から挿入するこ
ともできる。なお、透孔22h、22h…は、その個数
を任意に定めてよく、それを全く設けないようにしても
よい。
補強材11は、中空鉄筋を用いてもよい(第12図)。
補強材11の先端部には、中空鉄筋の内孔に連通する透
孔11b、11b…を設け、補強材11の内孔にグラウ
トを注入することにより、グラウトは、透孔11b、1
1b…を介して鞘管20の内部に流出し、充填される。
注入パイプ23の取付けや挿入作業を省略することがで
き、作業全体を著るしく簡略化することができる。
補強材11の先端部には、中空鉄筋の内孔に連通する透
孔11b、11b…を設け、補強材11の内孔にグラウ
トを注入することにより、グラウトは、透孔11b、1
1b…を介して鞘管20の内部に流出し、充填される。
注入パイプ23の取付けや挿入作業を省略することがで
き、作業全体を著るしく簡略化することができる。
以上の説明において、鞘管20は、所定の縮径と拡張と
が可能な限り、分割片21、21…の枚数は任意に定め
ることができる。また、補強材11としては、ねじ付き
異形鉄筋の他、普通鉄筋を用いてもよいことは勿論であ
り、さらに、所要の強度を有する丸棒材やパイプ材を用
いることもできる。ただし、その場合は、少なくとも孔
Hから突出する部分に、ナット12を螺合するための雄
ねじ部を設けるものとする。
が可能な限り、分割片21、21…の枚数は任意に定め
ることができる。また、補強材11としては、ねじ付き
異形鉄筋の他、普通鉄筋を用いてもよいことは勿論であ
り、さらに、所要の強度を有する丸棒材やパイプ材を用
いることもできる。ただし、その場合は、少なくとも孔
Hから突出する部分に、ナット12を螺合するための雄
ねじ部を設けるものとする。
発明の効果 以上説明したように、この発明によれば、地山ののり面
に削孔した孔内に、補強材と、縦割り分割によって補強
材を囲むようにして縮径させた鞘管とを挿入し、補強材
と鞘管との間にスペーサを圧入して鞘管を拡張し、補強
材と鞘管との間に均一な空隙を形成し、この空隙にグラ
ウトを注入することによって、補強材の周囲に均一な厚
さのグラウトによる被覆層を形成することができる上、
鞘管の外部を含む孔内の全体にグラウトを充填すること
ができるので、この被覆層によって補強材の腐食を長期
間に亘って防止するとともに、地山に対する補強効果を
確実に発揮させ、しかも、それを長期間継続的に維持す
ることができるという優れた効果がある。
に削孔した孔内に、補強材と、縦割り分割によって補強
材を囲むようにして縮径させた鞘管とを挿入し、補強材
と鞘管との間にスペーサを圧入して鞘管を拡張し、補強
材と鞘管との間に均一な空隙を形成し、この空隙にグラ
ウトを注入することによって、補強材の周囲に均一な厚
さのグラウトによる被覆層を形成することができる上、
鞘管の外部を含む孔内の全体にグラウトを充填すること
ができるので、この被覆層によって補強材の腐食を長期
間に亘って防止するとともに、地山に対する補強効果を
確実に発揮させ、しかも、それを長期間継続的に維持す
ることができるという優れた効果がある。
また、鞘管は、縮径した状態で孔内に挿入するので、孔
の径は、必要最小限で済み、削孔による地山の緩みを最
少に抑えることができる上、鞘管は、挿入後、孔内にお
いて拡張させるので、孔内の土砂やスライム等を孔壁側
に押し戻し、孔壁の復元を図ることができ、したがっ
て、地山の補強効果が一層高く、グラウトの被覆層も、
スライム等の混入がなく、極めて均質にすることができ
るという優れた効果もある。
の径は、必要最小限で済み、削孔による地山の緩みを最
少に抑えることができる上、鞘管は、挿入後、孔内にお
いて拡張させるので、孔内の土砂やスライム等を孔壁側
に押し戻し、孔壁の復元を図ることができ、したがっ
て、地山の補強効果が一層高く、グラウトの被覆層も、
スライム等の混入がなく、極めて均質にすることができ
るという優れた効果もある。
第1図ないし第7図は実施例を示し、第1図は使用部材
の全体構成斜視説明図、第2図ないし第3図は工程説明
図である。ただし、第3図は第2図のX−X線矢視断面
図、第6図は第5図のY−Y線矢視断面図である。 第8図と第9図は他の実施例を示し、第8図は鞘管の要
部展開斜視図、第9図は第3図相当の断面図である。 第10図ないし第12図は、それぞれ別の実施例を示
し、第10図は要部断面図、第11図は第6図相当図、
第12図は要部断面図である。 H…孔 H3…孔底 11…補強材 20…鞘管 21…分割片 21h…透孔 21j…ヒンジ 22…スペーサ 23…注入パイプ 25…栓体
の全体構成斜視説明図、第2図ないし第3図は工程説明
図である。ただし、第3図は第2図のX−X線矢視断面
図、第6図は第5図のY−Y線矢視断面図である。 第8図と第9図は他の実施例を示し、第8図は鞘管の要
部展開斜視図、第9図は第3図相当の断面図である。 第10図ないし第12図は、それぞれ別の実施例を示
し、第10図は要部断面図、第11図は第6図相当図、
第12図は要部断面図である。 H…孔 H3…孔底 11…補強材 20…鞘管 21…分割片 21h…透孔 21j…ヒンジ 22…スペーサ 23…注入パイプ 25…栓体
Claims (6)
- 【請求項1】地山ののり面に所定径の孔を所定深度に削
孔し、前記孔に対し、補強材と、縦割り分割することに
よって前記補強材を囲むように縮径させた鞘管とを挿入
し、前記補強材と鞘管との間にスペーサを圧入して前記
鞘管を拡張し、前記補強材と鞘管との間の空隙にグラウ
トを注入することを特徴とする地山の補強工法。 - 【請求項2】前記グラウトは、注入パイプを介し、前記
孔の孔底側から充填することを特徴とする特許請求の範
囲第1項記載の地山の補強工法。 - 【請求項3】前記鞘管の分割片は、ヒンジを介して連結
することを特徴とする特許請求の範囲第1項または第2
項記載の地山の補強工法。 - 【請求項4】前記鞘管は、透孔を有することを特徴とす
る特許請求の範囲第1項ないし第3項のいずれか記載の
地山の補強工法。 - 【請求項5】前記鞘管は、外周面を凹凸に形成すること
を特徴とする特許請求の範囲第1項ないし第4項のいず
れか記載の地山の補強工法。 - 【請求項6】前記鞘管の頭部を錐台形の栓体によって塞
ぐことを特徴とする特許請求の範囲第1項ないし第5項
のいずれか記載の地山の補強工法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2152076A JPH0627404B2 (ja) | 1990-06-11 | 1990-06-11 | 地山の補強工法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2152076A JPH0627404B2 (ja) | 1990-06-11 | 1990-06-11 | 地山の補強工法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0444517A JPH0444517A (ja) | 1992-02-14 |
JPH0627404B2 true JPH0627404B2 (ja) | 1994-04-13 |
Family
ID=15532531
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2152076A Expired - Lifetime JPH0627404B2 (ja) | 1990-06-11 | 1990-06-11 | 地山の補強工法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0627404B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100986668B1 (ko) * | 2010-06-03 | 2010-10-08 | (주)대우건설 | 터널 막장 보강용 조립 분리식 강관 구조물 |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001262557A (ja) * | 2000-03-17 | 2001-09-26 | Nisshinbo Ind Inc | 地山注入用部材 |
KR102015467B1 (ko) * | 2017-08-29 | 2019-08-28 | (주)건설표준시험원 | 강관 다단 그라우팅용 강관구조체 |
JP7195223B2 (ja) * | 2019-06-24 | 2022-12-23 | 鹿島建設株式会社 | 線状体設置方法及び線状体設置用ユニット |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59179927A (ja) * | 1983-03-31 | 1984-10-12 | Sumitomo Kensetsu Kk | ア−スアンカ−棒 |
JPS63167807A (ja) * | 1986-12-27 | 1988-07-11 | Nippon Soiru Kogyo Kk | 永久アンカ−構造体 |
-
1990
- 1990-06-11 JP JP2152076A patent/JPH0627404B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100986668B1 (ko) * | 2010-06-03 | 2010-10-08 | (주)대우건설 | 터널 막장 보강용 조립 분리식 강관 구조물 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0444517A (ja) | 1992-02-14 |
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