JPH06273938A - 感光性平版印刷版の現像処理廃液の pH低下方法 - Google Patents

感光性平版印刷版の現像処理廃液の pH低下方法

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JPH06273938A
JPH06273938A JP5901593A JP5901593A JPH06273938A JP H06273938 A JPH06273938 A JP H06273938A JP 5901593 A JP5901593 A JP 5901593A JP 5901593 A JP5901593 A JP 5901593A JP H06273938 A JPH06273938 A JP H06273938A
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JP5901593A
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Tadao Toyama
忠夫 登山
Hiroshi Misu
寛 三須
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 1.0重量%の水溶液の pHが6.0から11.5
の範囲の少なくとも一つの水素原子を有する水素塩を含
有することを特徴とする、感光性平版印刷版の現像処理
廃液の pH低下方法。 【効果】 ケイ酸塩のゲル化やポリマーの析出によるカ
スが発生しにくく、安定に pHを下げることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感光性平版印刷版の現像
処理液の廃液処理方法に関するものである。
【0002】
【従来技術およびその問題点】従来より、広く使用され
ているポジ型感光性平版印刷版は支持体としてのアルミ
ニウム板上にo−キノンジアジド化合物からなる感光層
を設けたものである。o−キノンジアジド化合物は紫外
線露光によりカルボン酸に変化することが知られてお
り、従って、これをアルカリ水溶液で現像すると当該感
光層の露光部のみが除去されて支持体表面が露出する。
アルミニウム支持体の表面は親水性なので現像で支持体
の表面が露出された部分(非画像部)は水を保持して油
性インキを反発する。一方、現像によって感光層の除去
されなかった領域(画像部)は、親油性なので水を反発
し、インキを受け付ける。かかるポジ型感光性平版印刷
版の現像液として使用されるアルカリ水溶液は、種々の
ものが知られているが、最も好ましいのは珪酸ナトリウ
ム、珪酸カリウム等の珪酸塩水溶液である。その理由は
珪酸塩の成分である酸化珪素SiO2 とアルカリ金属酸
化物M2 Oの比率(一般に〔SiO2 〕/〔M2 O〕の
モル比で表す)と濃度によってある程度現像性の調節が
可能とされるためである。近年、製版・印刷業界では製
版作業の合理化および標準化のため、感光性平版印刷版
用の自動現像機が広く用いられている。この自動現像機
は、一般に感光性平版印刷版を搬送する装置と、現像液
槽およびスプレー装置からなり、露光済みの感光性平版
印刷版を水平に搬送しながら、ポンプで汲み上げた現像
液をスプレーノズルから吹き付けて現像処理するもので
ある。また、最近は現像液で満たされた現像処理槽中に
液中ガイドロールなどによって感光性平版印刷版を浸漬
搬送させて現像処理する方法も知られている。
【0003】かかる自動現像機を用いて、ポジ型感光性
平版印刷版を現像する場合に、現像液としてSiO2
Na2 Oのモル比が1.0〜1.5(即ち〔SiO2 〕/
〔Na 2 O〕が1.0〜1.5)であって、SiO2 の含有
量が1〜4重量%のケイ酸ナトリウムの水溶液を使用
し、しかもポジ型感光性平版印刷版の処理量に応じて連
続的または断続的にSiO2 /Na2 Oのモル比が0.5
〜1.5(即ち〔SiO2 〕/〔Na2 O〕が0.5〜1.
5)の珪酸ナトリウム水溶液(補充液)を現像液に加え
ることによって、長時間タンク中の現像液を交換する事
なく、多量のポジ型感光性平版印刷版を処理することが
できる旨、特開昭54−62004号公報に開示されて
いる。また、特公昭57−7427号公報は、〔SiO
2 〕/〔M〕が0.5〜0.75(即ち〔SiO2 〕/〔M
2 O〕が1.0〜1.5)であって、SiO2 の濃度が1〜
4重量%であるアルカリ金属珪酸塩の現像液を用い、補
充液として用いるアルカリ金属ケイ酸塩の〔SiO2
/〔M〕が0.25〜0.75(即ち〔SiO2 〕/〔M2
O〕が0.5〜1.5)であり、かつ該現像液および該補充
液のいずれもがその中に存在する全アルカリ金属のグラ
ム原子を基準にして少なくとも20%のカリウムを含有
していることからなる現像方法を開示している。
【0004】一方、これらのケイ酸塩は上述のポジ型感
光性平版印刷版だけでなく、特公昭56−14970号
公報記載のo−キノンジアジド感光層を用いた反転型ネ
ガ型感光性平版印刷版や、アルカリ可溶性ジアゾニウム
塩を感光層に用いたネガ型感光性平版印刷版の現像液お
よびジメチルマレイミド基を側鎖に含む樹脂を光架橋剤
とする感光層を用いたネガ型感光性平版印刷版の現像液
としても好ましく用いられている。特に近年、省スペー
スや省資源および省力化の目的でネガ型とポジ型の感光
性平版印刷版を一台の自動現像機で共通処理することが
行われている。その好ましい例として、o−キノンジア
ミド感光層を用いたポジ型感光性平版印刷版と、ジメチ
ルマレイミド基を側鎖に含む樹脂を光架橋剤とする感光
層を用いたネガ型感光性平版印刷版を従来の珪酸塩を主
成分とするポジ型感光性平版印刷版用現像液で共通処理
する例が挙げられる。しかしながら、これらのケイ酸塩
からなる現像液は一般に pHが12.5以上の強アルカリ
でありその廃液は金属容器の腐食等の問題を有してい
た。この問題を解決するためにケイ酸塩現像廃液を硫酸
や塩酸などの鉱酸で中和処理する方法が一部で行われて
いるが、中和処理時に局部的に pHが下がるとケイ酸塩
のゲル化や現像液に溶出した感光層ポリマーの析出が起
こり好ましくなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、ケイ酸塩のゲル化やポリマーの析出によるカスが発
生しにくく、安定して、確実に pHを下げることができ
る感光性平版印刷版の現像処理廃液の pH低下方法を提
供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成すべく鋭意検討を重ねた結果、 pH低下剤として通
常用いられている硫酸や塩酸のような強酸ではなく、炭
酸水素ナトリウムのような、その水溶液が特定の pH値
を示すような塩を使用して pHを低下させることにより
上記の目的が達成されることを見いだし本発明を成すに
至ったものである。即ち本発明は、感光性平版印刷版の
現像処理廃液に、1.0重量%の水溶液の pHが6.0から
11.5の範囲を示す少なくとも一つの水素原子を有する
水素塩を添加することを特徴とする現像処理廃液の pH
低下方法である。以下に本発明に使用する現像処理廃液
の pH低下剤について詳しく述べる。本発明に用いられ
る pH低下剤の有効成分は1.0重量%の水溶液の pHが
6.0から11.5の範囲を示す少なくとも一つの水素原子
を有する水素塩である。このような水素塩としては、炭
酸水素ナトリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素カリウ
ム、炭酸水素アンモニウム、リン酸水素二ナトリウム、
リン酸水素二リチウム、リン酸水素二カリウム、リン酸
水素二アンモニウム、クエン酸水素二ナトリウム、クエ
ン酸水素二リチウム、クエン酸水素二カリウムおよびク
エン酸水素二アンモニウムなどが挙げられる。1.0重量
%の水溶液の pHが6.0より小さい pH低下剤では、現
像処理廃液に加えた場合、カス・ヘドロが発生しやす
く、また pH11.5以上のものでは十分な pH低下効果
が得られない。これらの pH低下剤は固体または水溶液
で現像処理廃液に加えられる。
【0007】本発明が対象とする現像処理廃液とは手現
像および自動現像機を用いて感光性平版印刷版を現像し
た際に排出される現像液および後処理廃液とを含む。特
に自動現像機を用いる現像処理方法においては現像液の
活性度の低下を現像補充液で補償する方法が一般的であ
り、補充方式としては例えば、特開昭55−11503
9号公報記載のPS版の処理および経時による現像性の
劣化を連続または間欠的に補充する方法、特開昭58−
95349号公報記載の現像ゾーンの途中で感光層の溶
出度をセンサーで検出し、溶出度の低下に応じて補充液
を補充する方法、特開昭64−21451号、特願昭6
3−4560号記載の測定した現像液のインピーダンス
値をコンピューター処理し、検出された現像液の劣化に
応じて補充する方法などが挙げられる。この際、補充量
に応じてオーバーフロー廃液が排出される。補充は現像
液だけでなく、その後の水洗やフィニッシング工程にお
いても感光性平版印刷版の処理量に対応して補充がなさ
れ、それに応じて廃液が排出される。より好ましい形態
は現像廃液に現像工程後の処理工程で使用された処理液
の廃液、例えば水洗水廃液、フィニッシャー廃液などの
後処理廃液を混合してから本発明の pH低下剤を加える
ことである。現像廃液のみの pHを下げる場合よりも少
量の pH低下剤で効率よく pHを下げることができる。
さらに好ましい方法としてはフィニッシング液に pH低
下剤を加えて溶解し、この溶液を現像廃液と混合する方
法が挙げられる。この方法によれば固体の pH低下剤を
使用することが可能であり、廃液量を増やすことなく p
Hの低下が可能になる。また、フィニッシングのオーバ
ーフロー廃液タンクに予め pH低下剤を入れておいても
よい。更には、 pH低下剤の粉末または水溶液を感光性
平版印刷版の処理量または現像廃液排出量に応じて自動
的に廃液へ添加する方法も有利である。
【0008】本発明が対象とする現像液および現像補充
液に用いられる珪酸アルカリ金属塩としては珪酸ナトリ
ウム、珪酸カリウム、珪酸リチウムがあり、それらを単
独または組み合わせて用いることができる。珪酸アルカ
リ金属塩のSiO2 /M2 Oモル比(Mはアルカリ金属
を示す)は0.3〜2.0が好ましく、0.6〜1.5の範囲が
特に好ましい。上記のモル比が大きくなると現像性(特
にネガ型PS版の現像性)が低下する傾向にあり、モル
比2.0以上は好ましくない。また、モル比が小さくなる
につれてアルカリ強度が高まり、PS版の支持体として
汎用されているアルミニウム板などの金属が侵される。
モル比0.3以下では特にその傾向が著しい。現像液中の
珪酸アルカリ金属塩の濃度は1〜10重量%が好まし
く、1.5〜5重量%が特に好ましい。10重量%より高
くなると沈澱や結晶が生成しやくすくなり、また、廃液
時の中和に際して多量のシリカゲルが生ずるので廃液処
理がしにくくなり好ましくない。また、1重量%より低
くなると現像力、処理能力が低くなる。
【0009】本発明が対象とする現像液および補充液に
は珪酸アルカリ金属塩以外のアルカリ剤を併用すること
ができる。その例として、第3リン酸ナトリウム、同カ
リウム、同アンモニウム、第二リン酸ナトリウム、同カ
リウム、同アンモニウム、炭酸ナトリウム、同カリウ
ム、同アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、同カリウ
ム、同アンモニウム、ほう酸ナトリウム、同カリウム、
同アンモニウム、水酸化ナトリウム、同カリウム、同ア
ンモニウムおよび同リチウムなどの無機アルカリ剤が挙
げられる。また、モノメチルアミン、ジメチルアミン、
トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミ
ン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイ
ソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチ
ルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミ
ン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチ
レンジアミン、ピリジンなどの有機アルカリ剤も用いら
れる。これらのアルカリ剤は単独もしくは二種以上を組
み合わせて併用できる。
【0010】本発明が対象とする現像液および補充液に
は、現像性の促進や現像カスの分散および印刷版画像部
の親インキ性を高める目的で必要に応じて種々界面活性
剤や有機溶剤を添加できる。好ましい界面活性剤として
は、アニオン系、カチオン系、ノニオン系および両性界
面活性剤が挙げられる。
【0011】界面活性剤の好ましい例としては、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリ
スチリルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリ
オキシプロピレンアルキルエーテル類、グリセリン脂肪
酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、
ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレ
ングリコールモノ脂肪酸エステル類、しょ糖脂肪酸部分
エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分
エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部
分エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル
類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシ
エチレン化ひまし油類、ポリオキシエチレングリセリン
脂肪酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、
N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリ
オキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン
脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオキシドなどの非
イオン性界面活性剤、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、
ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン
酸塩類、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩類、直鎖ア
ルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼ
ンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩
類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルス
ルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェ
ニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリン
ナトリウム塩、N−アルキルスルホ琥珀酸モノアミド二
ナトリウム塩、石油スルホン酸塩類、硫酸化牛脂油、脂
肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫
酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル
硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル
塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫
酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニル
エーテル硫酸エステル塩類、アルキルリン酸エステル塩
類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステ
ル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル
リン酸エステル塩類、スチレン/無水マレイン酸共重合
物の部分鹸化物類、オレフィン/無水マレイン酸共重合
物の部分鹸化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン
縮合物類などのアニオン界面活性剤、アルキルアミン塩
類、第四級アンモニウム塩類、ポリオキシエチレンアル
キルアミン塩類、ポリエチレンポリアミン誘導体などの
カチオン性界面活性剤、カルボキシべタイン類、アミノ
カルボン酸類、スルホベタイン類、アミノ硫酸エステル
類、イミダゾリン類などの両性界面活性剤が挙げられ
る。以上挙げた界面活性剤の中でポリオキシエチレンと
あるものは、ポリオキシメチレン、ポリオキシプロピレ
ン、ポリオキシブチレンなどのポリオキシアルキレンに
読み替えることもでき、それらの界面活性剤もまた包含
される。
【0012】更に好ましい界面活性剤は分子内にパーフ
ルオロアルキル基を含有するフッ素系の界面活性剤であ
る。かかるフッ素系界面活性剤としては、パーフルオロ
アルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン
酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステルなどのアニ
オン型、パーフルオロアルキルべタインなどの両性型、
パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩などの
カチオン型およびパーフルオロアルキルアミンオキサイ
ド、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パ
ーフルオロアルキル基および親水性基含有オリゴマー、
パーフルオロアルキル基および親油性基含有オリゴマ
ー、パーフルオロアルキル基、親水性基および親油性基
含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基および親油性
基含有ウレタンなどの非イオン型が挙げられる。上記の
界面活性剤は、単独もしくは2種以上を組み合わせて使
用することができる。現像液中に0.001〜10重量
%、より好ましくは0.01〜5重量%の範囲で添加され
る。
【0013】本発明が対象とする現像液および現像補充
液には、水酸基を4以上有する糖アルコールに5モル以
上のエチレンオキシドを付加して得られる化合物も用い
られる。糖アルコールの具体的な例としては、D,L−
トレイット、エリトリット、D,L−アラビット、リビ
ット、キシリット、D,L−ソルビット、D,L−マン
ニット、D,L−イジット、D,L−タリット、ズルシ
ット、アロズルシットなどであり、更に糖アルコールを
縮合したジ、トリ、テトラ、ペンタおよびヘキサグリセ
リンなども挙げられる。これらのエチレンオキシド化合
物には必要に応じてプロピレンオキシドを溶解性が許容
できる範囲でブロック共重合させてもよい。これらの水
溶性エチレンオキシド付加化合物の添加量は現像液(使
用液)に対して0.0001〜5重量%が適しており、よ
り好ましくは0.001〜2重量%である。
【0014】本発明が対象とする現像液および補充液に
は場合により有機溶剤を添加することができる。有機溶
剤としては、水に対する溶解度が約10重量%以下のも
のが適しており、好ましくは5重量%以下のものから選
ばれる。例えば、1−フェニルエタノール、2−フェニ
ルエタノール、3−フェニル−1−プロパノール、4−
フェニル−1−ブタノール、4−フェニル−2−ブタノ
ール、2−フェニル−1−ブタノール、2−フェノキシ
エタノール、2−ベンジルオキシエタノール、o−メト
キシベンジルアルコール、m−メトキシベンジルアルコ
ール、p−メトキシベンジルアルコール、ベンジルアル
コール、シクロヘキサノール、、2−メチルシクロヘキ
サノール、3−メチルシクロヘキサノールおよび4−メ
チルシクロヘキサノール、N−フェニルエタノールアミ
ンおよびN−フェニルジエタノールアミンなどを挙げる
ことができる。有機溶剤の含有量は使用液の総重量に対
して0.1〜5重量%である。その使用量は界面活性剤の
使用量と密接な関係があり、有機溶剤の量が増すにつ
れ、界面活性剤の量は増加させることが好ましい。これ
は界面活性剤の量が少なく、有機溶剤の量を多く用いる
と有機溶剤が完全に溶解せず、従って、良好な現像性の
確保が期待できなくなるからである。
【0015】本発明が対象とする現像液および補充液に
は更に還元剤が加えられる。これは印刷版の汚れを防止
するものであり、特に感光性ジアゾニウム塩化合物を含
むネガ型感光性平版印刷版を現像する際に有効である。
好ましい有機還元剤としては、チオサリチル酸、ハイド
ロキノン、メトール、メトキシキノン、レゾルシン、2
−メチルレゾルシンなどのフェノール化合物、フェニレ
ンジアミン、フェニルヒドラジンなどのアミン化合物が
挙げられる。更に好ましい無機の還元剤としては、亜硫
酸、亜硫酸水素酸、亜リン酸、亜リン酸水素酸、亜リン
酸二水素酸、チオ硫酸および亜ジチオン酸などの無機酸
のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩などを挙
げることができる。これらの還元剤のうち汚れ防止効果
が特に優れているのは亜硫酸塩である。これらの還元剤
は使用時の現像液に対して好ましくは、0.05〜5重量
%の範囲で含有される。
【0016】本発明が対象とする現像液および補充液に
は更に有機カルボン酸を加えることもできる。好ましい
有機カルボン酸は炭素原子数6〜20の脂肪族カルボン
酸および芳香族カルボン酸である。脂肪族カルボン酸の
具体的な例としては、カプロン酸、エナンチル酸、カプ
リル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸およ
びステアリン酸などがあり、特に好ましいのは炭素数8
〜12のアルカン酸である。また炭素鎖中に二重結合を
有する不飽和脂肪酸でも、枝分かれした炭素鎖のもので
もよい。芳香族カルボン酸としてはベンゼン環、ナフタ
レン環、アントラセン環などにカルボキシル基が置換さ
れた化合物で、具体的には、o−クロロ安息香酸、p−
クロロ安息香酸、o−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロ
キシ安息香酸、o−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香
酸、p−iso プロピル安息香酸、p−ter ブチル安息香
酸、p−sec ブチル安息香酸、p−nブチル安息香酸、
2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ
安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、2,3−ジ
ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、
没食子酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒド
ロキシ−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−1−ナフト
エ酸、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸などがあるがヒ
ドロキシナフトエ酸は特に有効である。上記脂肪族およ
び芳香族カルボン酸は水溶性を高めるためにナトリウム
塩やカリウム塩またはアンモニウム塩として用いるのが
好ましい。本発明で用いる現像液の有機カルボン酸の含
有量は格別な制限はないが、0.1重量%より低いと効果
が十分でなく、また10重量%以上ではそれ以上の効果
の改善が計れないばかりが、別の添加剤を併用する時に
溶解を妨げることがある。従って、好ましい添加量は使
用時の現像液に対して0.1〜10重量%であり、より好
ましくは0.5〜4重量%である。
【0017】本発明が対象とする現像液および補充液に
は、更に必要に応じて、消泡剤および硬水軟化剤などを
含有させることもできる。硬水軟化剤としては例えば、
ポリリン酸およびそのナトリウム塩、カリウム塩および
アンモニウム塩、エチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチ
レントリアミンペンタ酢酸、トリエチレンテトラミンヘ
キサ酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢
酸、ニトリロトリ酢酸、1,2−ジアミノシクロヘキサ
ンテトラ酢酸および1,3−ジアミノ−2−プロパノー
ルテトラ酢酸などのアミノポリカルボン酸およびそれら
のナトリウム塩、カリウム塩およびアンモニウム塩、ア
ミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテ
トラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペ
ンタ(メチレンホスホン酸)、トリエチレンテトラミン
ヘキサ(メチレンホスホン酸)、ヒドロキシエチルエチ
レンジアミントリ(メチレンホスホン酸)および1−ヒ
ドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸やそれらのナト
リウム塩、カリウム塩およびアンモニウム塩を挙げるこ
とができる。このような硬水軟化剤はそのキレート化力
と使用される硬水の硬度および硬水の量によって最適値
が変化するが、一般的な使用量を示せば、使用時の現像
液に0.01〜5重量%、より好ましくは0.01〜0.5重
量%の範囲である。この範囲より少ない添加量では所期
の目的が十分に達成されず、添加量がこの範囲より多い
場合は、色抜けなど、画像部への悪影響がでてくる。
【0018】本発明が対象とする現像液および補充液の
残余の成分は水であるが、更に必要に応じて当業界で知
られた種々の添加剤を含有させることができる。例え
ば、特開昭58−75152号公報記載のNaCl,K
Cl,KBrなどの中性塩、特開昭58−121336
号公報記載の〔Co(NH3)6 〕Cl3 などの錯体、特
開昭55−25100号公報記載の周期律表第IIa族、
第IIIa族またはIIIb族の元素のイオン化可能な化合物、
米国特許第4,374,920 号公報記載のテトラメチルデシン
ジオール、特開昭60−213943号公報記載の非イ
オン性界面活性剤、特開昭55−95946号公報記載
のp−ジメチルアミノメチルポリスチレンのメチルクロ
ライド4級化合物などのカチオニックポリマー、特開昭
56−142528号公報記載のビニルベンジルトリメ
チルアンモニウムクロライドとアクリル酸ソーダの共重
合体などの両性高分子電解質、特開昭57−19295
2号公報記載のチオサリチル酸、システイン、チオジグ
リコール酸などのアルカリ可溶性メルカプト化合物また
はチオエーテル化合物、特開昭58−59444号公報
記載の塩化リチウムなどの無機リチウム化合物、特公昭
50−34442号公報記載の安息香酸リチウムなどの
有機リチウム化合物、特開昭59−75255号公報記
載のSi,Tiなどを含む有機金属界面活性剤、特開昭
59−84241号公報記載の有機ほう素化合物、ヨー
ロッパ特許101010号公報記載のテトラアルキルア
ンモニウムオキサイドなどの4級アンモニウム塩、特開
昭63−226657号公報記載のデヒドロ酢酸ナトリ
ウムなどの殺菌剤などが挙げられる。
【0019】本発明が対象とする現像液および補充液が
好適に用いられるPS版としてはo−キノンジアジド化
合物を感光剤として含有するポジ型(場合により反転し
てネガ型としても用いられる)感光層を有するPS版や
各種光硬化型感光層を有するネガ型のPS版が挙げられ
る。特に本発明の現像液および補充液はポジ型とネガ型
のPS版を共通処理する場合においても、ネガ型PS版
で十分な現像速度が得られる点で特に好ましい。以下に
好ましく適用できるPS版について詳しく述べる。
【0020】
【支持体】本発明が対象とするPS版に使用される支持
体は、寸度的に安定な板状物である。かかる支持体とし
ては、紙、プラスチックス(例えば、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリスチレンなど)がラミネートされた
紙、例えば、アルミニウム(アルミニウム合金も含
む)、亜鉛、鉄、銅などの金属板などが用いられるが、
特にアルミニウム板などの金属板が好ましい。好適なア
ルミニウム板は、純アルミニウム板およびアルミニウム
を主成分とし、微量の異元素を含む合金板であり、更に
アルミニウムがラミネートもしくは蒸着されたプラスチ
ックフィルムでもよい。アルミニウム合金に含まれる異
元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、
クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタンなどがあ
る。合金中の異元素の含有量は高々10重量%以下であ
る。好適なアルミニウムは、純アルミニウムであるが、
完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であ
るので、僅かに異元素を含有するものでもよい。このよ
うに本発明に適用されるアルミニウム板は、その組成が
特定されるものではなく、従来より公知公用の素材のも
のを適宜利用することが出来る。本発明に用いられるア
ルミニウム板の厚みは、およそ0.1mm〜0.6mm程度であ
る。
【0021】アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所
望により、表面の圧延油を除去するための例えば界面活
性剤、有機溶剤またはアルカリ性水溶液などによる脱脂
処理が行われる。まず、アルミニウム板の表面は粗面化
処理されるが、その方法としては、機械的に粗面化する
方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法および化
学的に表面を選択溶解させる方法がある。機械的方法と
しては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨
法、バフ研磨法などと称せられる公知の方法を用いるこ
とが出来る。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸
または硝酸電解液中で交流または直流により行う方法が
ある。また、特開昭54−63902号公報に開示され
ているように両者を組み合わせた方法も利用することが
出来る。
【0022】このように粗面化されたアルミニウム板
は、必要に応じてアルカリエッチング処理及び中和処理
された後、所望により表面の保水性や耐摩耗性を高める
ために陽極酸化処理が施される。アルミニウム板の陽極
酸化処理に用いられる電解質としては多孔質酸化皮膜を
形成するものならばいかなるものでも使用することがで
き、一般には硫酸、リン酸、蓚酸、クロム酸あるいはそ
れらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解
質の種類によって適宜決められる。陽極酸化の処理条件
は用いる電解質により種々変わるので一概に特定し得な
いが、一般的には電解質の濃度が1〜80重量%溶液、
液温は5〜70℃、電流密度5〜60A/dm2 、電圧1
〜100V、電解時間10秒〜5分の範囲にあれば適当
である。陽極酸化皮膜の量は1.0g/m2以上が好適であ
るが、より好ましくは2.0〜6.0g/m2の範囲である。
陽極酸化皮膜が1.0g/m2より少ないと耐刷性が不十分
であったり、平版印刷版の非画像部に傷が付き易くなっ
て、印刷時に傷の部分にインキが付着するいわゆる「傷
汚れ」が生じ易くなる。陽極酸化処理を施された後、ア
ルミニウム表面は必要により親水化処理が施される。本
発明に使用される親水化処理としては、米国特許第 2,7
14,066号、第 3,181,461号、第 3,280,734号および第
3,902,734号に開示されているようなアルカリ金属シリ
ケート(例えばケイ酸ナトリウム水溶液)法がある。こ
の方法に於いては、支持体がケイ酸ナトリウム水溶液中
で浸漬処理されるかまたは電解処理される。他に、特公
昭36−22063号公報に開示されている弗化ジルコ
ン酸カリウムおよび米国特許第 3,276,868号、第 4,15
3,461号および第 4,689,272号に開示されているような
ポリビニルホスホン酸で処理する方法などが用いられ
る。
【0023】
【有機下塗層】アルミニウム板は、感光層を塗設する前
に必要に応じて有機下塗層が設けられる。この有機下塗
層に用いられる有機化合物としては例えば、カルボキシ
メチルセルロース、デキストリン、アラビアガム、2−
アミノエチルホスホン酸などのアミノ基を有するホスホ
ン酸類、置換基を有してもよいフェニルホスホン酸、ナ
フチルホスホン酸、アルキルホスホン酸グリセロホスホ
ン酸、メチレンジホスホン酸およびエチレンジホスホン
酸などの有機ホスホン酸、置換基を有してもよいフェニ
ルリン酸、ナフチルリン酸、アルキルリン酸およびグリ
セロリン酸などの有機リン酸、置換基を有してもよいフ
ェニルホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、アルキル
ホスフィン酸およびグリセロホスフィン酸などの有機ホ
スフィン酸、グリシンやβ−アラニンなどのアミノ酸
類、およびトリエタノールアミンの塩酸塩などのヒドロ
キシル基を有するアミンの塩酸塩などから選ばれるが、
二種以上混合して用いてもよい。
【0024】この有機下塗層は次のような方法で設ける
ことが出来る。即ち、水またはメタノール、エタノー
ル、メチルエチルケトンなどの有機溶剤もしくはそれら
の混合溶剤に上記の有機化合物を溶解させた溶液をアル
ミニウム板上に塗布、乾燥して設ける方法と、水または
メタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有
機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に上記の有機化合物を
溶解させた溶液に、アルミニウム板を浸漬して上記有機
化合物を吸着させ、しかる後、水などによって洗浄、乾
燥して有機下塗層を設ける方法である。前者の方法で
は、上記の有機化合物の0.005〜10重量%の濃度の
溶液を種々の方法で塗布できる。例えば、バーコーター
塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布などいず
れの方法を用いてもよい。また、後者の方法では、溶液
の濃度は0.01〜20重量%、好ましくは0.05〜5重
量%であり、浸漬温度は20〜90℃、好ましくは25
〜50℃であり、浸漬時間は0.1秒〜20分、好ましく
は2秒〜1分である。これに用いる溶液は、アンモニ
ア、トリエチルアミン、水酸化カリウムなどの塩基性物
質や、塩酸、リン酸などの酸性物質によりpHを調節し、
pH1〜12の範囲で使用することもできる。また、感光
性平版印刷版の調子再現性改良のために黄色染料を添加
することもできる。有機下塗層の乾燥後の被覆量は、2
〜200mg/m2が適当であり、好ましくは5〜100mg
/m2である。上記の被覆量が2mg/m2より少ないと十分
な耐刷性能が得られない。また、200mg/m2より大き
くても同様である。
【0025】
【バックコート層】本発明が対象とする現像液では裏面
からの酸化アルミニウムの溶出を抑えるためにバックコ
ート層を有するPS版が好ましく用いられる。このよう
なバックコート層としては、例えば特願平3−2069
64号、特願平4−57902号および特願平4−57
903号に詳しく記載されているものを用いることがで
きる。
【0026】
【感光層】このようにして得られた親水性表面を有する
アルミニウム板上に、公知の感光性組成物よりなる感光
層を設けて、感光性平版印刷版を得る。感光性組成物と
しては、o−キノンジアジド化合物を主成分とするポジ
型、ジアゾニウム塩、アルカリ可溶性ジアゾニウム塩、
不飽和二重結合含有モノマーを主成分とする光重合性化
合物および桂皮酸やジメチルマレイミド基を含む光架橋
性化合物などを感光物とするネガ型のものが用いられ
る。
【0027】
【ポジ型感光層】このうちポジ型の感光性組成物として
用いられるo−ナフトキノンジアジド化合物としては、
特公昭43−28403号公報に記載されている1,2
−ジアゾナフトキノンスルホン酸とピロガロール・アセ
トン樹脂とのエステルが好ましい。その他の好適なオル
トキノンジアジド化合物としては例えば、米国特許第
3,046,120号および同第 3,188,210号明細書に記載され
ている1,2−ジアゾナフトキノン−5−スルホン酸と
フェノール−ホルムアルデヒド樹脂とのエステルがあ
り、特開平2−96163号公報、特開平2−9616
5号公報および特開平2−96761号公報に記載され
ている1,2−ジアゾナフトキノン−4−スルホン酸と
フェノール−ホルムアルデヒド樹脂とのエステルがあ
る。その他の有用なo−ナフトキノンジアジド化合物と
しては、数多くの特許等で公知のものが挙げられる。例
えば、特開昭47−5303号、同48−63802
号、同48−63803号、同48−96575号、同
49−38701号、同48−13854号、特公昭3
7−18015号、同41−11222号、同45−9
610号、同49−17481号公報、米国特許第 2,7
97,213号、同第 3,454,400号、同第 3,544,323号、同第
3,573,917号、同第 3,674,495号、同第 3,785,825号、
英国特許第 1,227,602号、同第 1,251,345号、同第 1,2
67,005号、同第 1,329,888号、同第 1,330,932号、ドイ
ツ特許第 854,890号などの各明細書中に記載されている
ものを挙げることができる。
【0028】特に好ましい、o−ナフトキノンジアジド
化合物は、分子量1,000以下のポリヒドロキシ化合
物と1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸との反応に
より得られる化合物である。このような化合物の具体例
は、特開昭51−139402号、同58−15094
8号、同58−203434号、同59−165053
号、同60−121445号、同60−134235
号、同60−163043号、同61−118744
号、同62−10645号、同62−10646号、同
62−153950号、同62−178562号、同6
4−76047号、米国特許第 3,102,809号、同第 3,1
26,281号、同第 3,130,047号、同第 3,148,983号、同第
3,184,310号、同第 3,188,210号、同第 4,639,406号な
どの各公報または明細書に記載されているものを挙げる
ことができる。
【0029】これらのo−ナフトキノンジアジド化合物
を合成する際は、ポリヒドロキシ化合物のヒドロキシル
基に対して1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸クロ
リドを0.2〜1.2当量反応させることが好ましく、0.3
〜1.0当量反応させることが更に好ましい。1,2−ジ
アゾナフトキノンスルホン酸クロリドとしては、1,2
−ジアゾナフトキノン−5−スルホン酸クロリドまた
は、1,2−ジアゾナフトキノン−4−スルホン酸クロ
リドを用いることができる。また、得られるo−ナフト
キノンジアジド化合物は、1,2−ジアゾナフトキノン
スルホン酸エステル基の位置および導入量の種々異なる
ものの混合物となるが、ヒドロキシル基の全てが1,2
−ジアゾナフトキノンスルホン酸エステル化された化合
物が、この混合物中に占める割合(完全にエステル化さ
れた化合物の含有率)は5モル%以上であることが好ま
しく、更に好ましくは20〜99モル%である。
【0030】本発明で用いられる感光性組成物中に占め
るこれらのポジ型に作用する感光性化合物(上記のよう
な組合せを含む)の量は10〜50重量%が適当であ
り、より好ましくは15〜40重量%である。o−キノ
ンジアジド化合物は単独でも感光層を構成することがで
きるが、アルカリ水に可溶な樹脂を結合剤(バインダ
ー)として併用することが好ましい。この様なアルカリ
水に可溶な樹脂としては、ノボラック型の樹脂があり、
例えばフェノールホルムアルデヒド樹脂、o−、m−お
よびp−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、m/p−混
合クレゾールホルムアルデヒド樹脂、フェノール/クレ
ゾール(o−、m−、p−、m/p−およびo/m−混
合のいずれでもよい)混合ホルムアルデヒド樹脂などが
挙げられる。また、フェノール変性キシレン樹脂、ポリ
ヒドロキシスチレン、ポリハロゲン化ヒドロキシスチレ
ン、特開昭51−34711号公報に開示されているよ
うなフェノール性水酸基を含有するアクリル系樹脂も用
いることができる。
【0031】その他の好適なバインダーとして以下
(1)〜(13)に示すモノマーをその構成単位とする
通常1万〜20万の分子量を持つ共重合体を挙げること
ができる。 (1)芳香族水酸基を有するアクリルアミド類、メタク
リルアミド類、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エ
ステル類およびヒドロキシスチレン類、例えばN−(4
−ヒドロキシフェニル)アクリルアミドまたはN−(4
−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、o−、m−
およびp−ヒドロキシスチレン、o−、m−およびp−
ヒドロキシフェニルアクリレートまたはメタクリレー
ト、(2)脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類
およびメタクリル酸エステル類、例えば、2−ヒドロキ
シエチルアクリレートまたは2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート、(3)アクリル酸、メタクリル酸、無水マ
レイン酸、メタコン酸などの不飽和カルボン酸、(4)
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロ
ピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル
酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸オ
クチル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、ア
クリル酸−2−クロロエチル、アクリル酸4−ヒドロキ
シブチル、グリシジルアクリレート、N−ジメチルアミ
ノエチルアクリレートなどの(置換)アクリル酸エステ
ル、(5)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリ
ル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シク
ロヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸フェ
ニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロ
ロエチル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル、グリシ
ジルメタクリレート、N−ジメチルアミノエチルメタク
リレートなどの(置換)メタクリル酸エステル、
【0032】(6)アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメ
タクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−エチ
ルメタクリルアミド、N−ヘキシルアクリルアミド、N
−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアク
リルアミド、N−シクロヘキシルメタクリルアミド、N
−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエ
チルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N
−フェニルメタクリルアミド、N−ベンジルアクリルア
ミド、N−ベンジルメタクリルアミド、N−ニトロフェ
ニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルメタクリルア
ミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミドおよび
N−エチル−N−フェニルメタクリルアミドなどのアク
リルアミドもしくはメタクリルアミド、(7)エチルビ
ニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒド
ロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテ
ル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、
フェニルビニルエーテルなどのビニルエーテル類、
(7)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビ
ニルブチレート、安息香酸ビニルなどのビニルエステル
類、(9)スチレン、メチルスチレン、クロロメチルス
チレンなどのスチレン類、(10)メチルビニルケト
ン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェ
ニルビニルケトンなどのビニルケトン類、(11)エチ
レン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプ
レンなどのオレフィン類、(12)N−ビニルピロリド
ン、N−ビニルカルバゾール、4−ビニルピリジン、ア
クリロニトリル、メタクリロニトリルなど、
【0033】(13)N−(o−アミノスルホニルフェ
ニル)アクリルアミド、N−(m−アミノスルホニルフ
ェニル)アクリルアミド、N−(p−アミノスルホニル
フェニル)アクリルアミド、N−〔1−(3−アミノス
ルホニル)ナフチル〕アクリルアミド、N−(2−アミ
ノスルホニルエチル)アクリルアミドなどのアクリルア
ミド類、N−(o−アミノスルホニルフェニル)メタク
リルアミド、N−(m−アミノスルホニルフェニル)メ
タクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニ
ル)メタクリルアミド、N−〔1−(3−アミノスルホ
ニル)ナフチル〕メタクリルアミド、N−(2−アミノ
スルホニルエチル)メタクリルアミドなどのメタクリル
アミド類、また、o−アミノスルホニルフェニルアクリ
レート、m−アミノスルホニルフェニルアクリレート、
p−アミノスルホニルフェニルアクリレート、1−(3
−アミノスルホニルフェニルナフチル)アクリレートな
どのアクリル酸エステル類などの不飽和スルホンアミ
ド、o−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、m
−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、p−アミ
ノスルホニルフェニルメタクリレート、1−(3−アミ
ノスルホニルフェニルナフチル)メタクリレートなどの
メタクリル酸エステル類などの不飽和スルホンアミド。
【0034】更に、上記モノマーと共重合し得るモノマ
ーを共重合させてもよい。また、上記モノマーの共重合
によって得られる共重合体を例えば、グリシジルアクリ
レート、グリシジルメタクリレートなどによって修飾し
たものも含まれるがこれらに限られるものではない。上
記共重合体には(3)に掲げた不飽和カルボン酸を含有
することが好ましく、その共重合体の好ましい酸価は0
〜10meq /g、より好ましくは0.2〜5.0meq /gで
ある。上記共重合体の好ましい分子量は1万〜10万で
ある。また、上記共重合体には必要に応じて、ポリビニ
ルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂
およびエポキシ樹脂を添加してもよい。このようなアル
カリ可溶性の高分子化合物は1種類あるいは2種類以上
組み合わせることができ、全感光性組成物の80重量%
以下の添加量で用いられる。
【0035】更に、米国特許第 4,123,279号明細書に記
載されているように、t−ブチルフェノールホルムアル
デヒド樹脂、オクチルフェノールホルムアルデヒド樹脂
のような炭素数3〜8のアルキル基を置換基として有す
るフェノールとホルムアルデヒドとの縮合物を併用する
ことは画像の感脂性を向上させる上で好ましい。本発明
に用いられる感光性組成物中には、感度を高めるために
環状酸無水物類、フェノール類、有機酸類を添加するこ
とが好ましい。環状酸無水物としては米国特許第 4,11
5,128号明細書に記載されている無水フタル酸、テトラ
ヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3,
6−エントオキシ−Δ4 −テトラヒドロ無水フタル酸、
テトラクロル無水フタル酸、無水マレイン酸、クロル無
水マレイン酸、α−フェニル無水マレイン酸、無水コハ
ク酸、無水ピロメリット酸などが使用できる。
【0036】フェノール類としては、ビスフェノール
A、p−ニトロフェノール、p−エトキシフェノール、
2,4,4′−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,
3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロキ
シベンゾフェノン、4,4′,4″−トリヒドロキシ−
トリフェニルメタン、4,4′,3″,4″−テトラヒ
ドロキシ−3,5,3′,5′−テトラメチルトリフェ
ニルメタンなどが挙げられる。更に、有機酸類として
は、特開昭60−88942号、特開平2−96755
号公報などに記載されいてる、スルホン酸類、スルフィ
ン酸類、アルキル硫酸類、ホスホン酸類、リン酸エステ
ル類およびカルボン酸類などがあり、具体的には、p−
トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、p
−トルエンスルフィン酸、エチル硫酸、フェニルホスホ
ン酸、フェニルホスフィン酸、リン酸フェニル、リン酸
ジフェニル、安息香酸、イソフタル酸、アジピン酸、p
−トルイル酸、3,4−ジメトキシ安息香酸、フタル
酸、テレフタル酸、1,4−シクロヘキセン−2,2−
ジカルボン酸、エルカ酸、ラウリン酸、n−ウンデカン
酸、アスコルビン酸などが挙げられる。
【0037】上記の環状酸無水物類、フェノール類およ
び有機酸類の感光性組成物中に占める割合は、0.05〜
15重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5重量%
である。また、本発明に用いられる感光性組成物中に
は、現像条件に対する処理の安定性(いわゆる現像ラチ
チュード)を広げるため、特開昭62−251740号
公報や特願平2−188号明細書に記載されているよう
な非イオン界面活性剤、特開昭59−121044号公
報、特願平2−115992号明細書に記載されている
ような両性界面活性剤を添加することができる。非イオ
ン界面活性剤の具体例としては、ソルビタントリステア
レート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタントリ
オレート、ステアリン酸モノグリセリド、ポリオキシエ
チレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンノ
ニルフェニルエーテルなとが挙げられる。両性界面活性
剤の具体例としては、アルキルジ(アミノエチル)グリ
シン、アルキルポリアミノエチルグリシン塩酸塩、2−
アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチ
ルイミダゾリニウムベタインやN−テトラデシル−N,
N−ベタイン型(例えば、商品名アモーゲンK、第一工
業(株)製)およびアルキルイミダゾリン系(例えば、
商品名レボン15、三洋化成(株)製)などが挙げられ
る。
【0038】上記非イオン界面活性剤および両性界面活
性剤の感光性組成物中に占める割合は、0.05〜15重
量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5重量%であ
る。本発明における感光性組成物中には、露光後直ちに
可視像を得るための焼き出し剤や、画像着色剤としての
染料や顔料を加えることができる。焼き出し剤として
は、露光によって酸を放出する化合物(光酸放出剤)と
塩を形成し得る有機染料の組合せを代表として挙げるこ
とができる。具体的には、特開昭50−36209号、
同53−8128号の各公報に記載されているo−ナフ
トキノンジアジド−4−スルホン酸ハロゲニドと塩形成
性有機染料の組合せや、特開昭53−36223号、同
54−74728号、同60−3626号、同61−1
43748号、同61−151644号および同63−
58440号の各公報に記載されているトリハロメチル
化合物と塩形成性有機染料の組合せを挙げることができ
る。かかるトリハロメチル化合物としては、オキサゾー
ル系化合物とトリアジン系化合物とがあり、どちらも経
時安定性に優れ、明瞭な焼き出し画像を与える。
【0039】画像の着色剤としては、前述の塩形成性有
機染料以外に他の染料を用いることができる。塩形成性
有機染料も含めて、好適な染料として油溶性染料と塩基
性染料を挙げることができる。具体的には、オイルイエ
ロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク
#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、
オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブ
ラックBS、オイルブラックT−505(以上、オリエ
ント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、ク
リスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイ
オレット(CI42535)、エチルバイオレット、ロ
ーダミンB(CI145170B)、マラカイトグリー
ン(CI42000)、メチレンブルー(CI5201
5)などを挙げることができる。また、特開昭62−2
93247号公報に記載されている染料は特に好まし
い。本発明に用いられる感光性組成物は、上記各成分を
溶解する溶媒に溶かして支持体のアルミニウム板上に塗
布される。ここで使用される溶媒としては、特開昭62
−251739号公報に記載されているような有機溶剤
が単独あるいは混合して用いられる。本発明の感光性組
成物は、2〜50重量%の固形分濃度で溶解、分散さ
れ、支持体上に塗布・乾燥される。
【0040】支持体上に塗設される感光性組成物の層
(感光層)の塗布量は用途により異なるが、一般的に
は、乾燥後の重量にして0.3〜4.0g/m2が好ましい。
塗布量が小さくなるにつれて画像を得るための露光量は
小さくて済むが、膜強度は低下する。塗布量が大きくな
るにつれ、露光量を必要とするが感光膜は強くなり、例
えば、印刷版として用いた場合、印刷可能枚数の高い
(高耐刷の)印刷版が得られる。本発明に用いられる感
光性組成物中には、塗布面質を向上するための界面活性
剤、例えば、特開昭62−170950号公報に記載さ
れているようなフッ素系界面活性剤を添加することがで
きる。好ましい添加量は、全感光性組成物の0.001〜
1.0重量%であり、更に好ましくは0.005〜0.5重量
%である。
【0041】
【ネガ型感光層】次に本発明に用いられるネガ型のPS
版の感光性組成物としては、感光性ジアゾ化合物を含む
感光層、光重合性感光層、光架橋性感光層などを有する
ものが挙げられるが、このうち感光性ジアゾ化合物から
なる光硬化性感光性複写材料について例を挙げて詳しく
説明する。本発明が適用できるPS版に用いられる感光
性ジアゾ化合物としては、芳香族ジアゾニウム塩と反応
性カルボニル基含有有機縮合剤、特にホルムアルデヒ
ド、アセトアルデヒドなどのアルデヒド類またはアセタ
ール類とを酸性媒体中で縮合したジアゾ樹脂が好適に用
いられる。その最も代表的なものにP−ジアゾフェニル
アミンとホルムアルデヒドとの縮合物がある。これらの
ジアゾ樹脂の合成法は、例えば、米国特許第 2,679,498
号、同第 3,050,502号、同第 3,311,605号および同第
3,277,074号の明細書に記載されている。更に、感光性
ジアゾ化合物としては、特公昭49−48,001号公
報記載の芳香族ジアゾニウム塩とジアゾニウム基を含ま
ない置換芳香族化合物との共縮合ジアゾ化合物が好適に
用いられ、中でもカルボキシル基や水酸基のようなアル
カリ可溶基で置換された芳香族化合物との共縮合ジアゾ
化合物が好ましい。更には、特願平1−130,493
号、同2−321,823および同2−299,551
号明細書記載のアルカリ可溶性基を持つ反応性カルボニ
ル化合物で芳香族ジアゾニウム塩を縮合した感光性ジア
ゾ化合物も好適に用いられる。
【0042】これらのジアゾニウム塩の対アニオンとし
て塩酸、臭化水素酸、硫酸およびリン酸などの鉱酸また
は塩化亜鉛との複塩などの無機アニオンを用いたジアゾ
樹脂があるが、実質的に水不溶性で有機溶剤可溶性のジ
アゾ樹脂の方が特に好ましい。かかる好ましいジアゾ樹
脂は特公昭47−1167号、米国特許第 3,300,309号
公報に詳しく記載されている。更には特開昭54−98
613号、同56−121031号公報に記載されてい
るようなテトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸
などのハロゲン化ルイス酸および過塩素酸、過ヨウ素酸
などの過ハロゲン酸を対アニオンとしたジアゾ樹脂が好
適に用いられる。また、特開昭58−209733号、
同62−175731号、同63−262643号公報
に記載されている長鎖のアルキル基を有するスルホン酸
を対アニオンとしたジアゾ樹脂も好適に用いられる。
【0043】感光性ジアゾ化合物は感光層中に5〜50
重量%、好ましくは8〜20重量%の範囲で含有させら
れる。本発明で用いられる感光性ジアゾ化合物は、アル
カリ水に可溶性もしくは膨潤性の親油性高分子化合物を
結合剤(バインダー)として併用することが好ましい。
この様な親油性高分子化合物としては、先に述べたポジ
型感光性組成物で用いたのと同様の前記(1)〜(1
3)に示すモノマーをその構成単位とする通常1万〜2
0万の分子量を持つ共重合体を挙げることができるが、
更に以下(14)、(15)に示したモノマーを構成単
位として共重合した高分子化合物も使用できる。(1
4)マレイミド、N−アクリロイルアクリルアミド、N
−アセチルアクリルアミド、N−プロピオニルアクリル
アミド、N−(p−クロロベンゾイル)アクリルアミ
ド、N−アセチルアクリルアミド、N−アクリロイルメ
タクリルアミド、N−アセチルメタクリルアミド、N−
プロピオニルメタクリルアミド、N−(p−クロロベン
ゾイル)メタクリルアミドなどの不飽和イミド、(1
5)N−〔2−(アクリロイルオキシ)−エチル〕−
2,3−ジメチルマレイミド、N−〔2−(メタクリロ
イルオキシ)−エチル〕−2,3−ジメチルマレイミ
ド、ビニルシンナメートなどの側鎖に架橋性基を有する
不飽和モノマー。
【0044】更に、上記モノマーと共重合し得るモノマ
ーを共重合させてもよい。また、上記モノマーの共重合
によって得られる共重合体を例えば、グリシジルアクリ
レート、グリシジルメタクリレートなどによって修飾し
たものも含まれるがこれらに限られるものではない。上
記共重合体には(3)に掲げた不飽和カルボン酸を含有
することが好ましく、その共重合体の好ましい酸価は0
〜10meq /g、より好ましくは0.2〜5.0meq /gで
ある。上記共重合体の好ましい分子量は1万〜10万で
ある。また、上記共重合体には必要に応じて、ポリビニ
ルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂
およびエポキシ樹脂を添加してもよい。また、ノボラッ
ク型の樹脂、フェノール変性キシレン樹脂、ポリヒドロ
キシスチレン、ポリハロゲン化ヒドロキシスチレン、特
開昭51−34711号公報に開示されているようなフ
ェノール性水酸基を含有するアルカリ可溶性樹脂も用い
ることができる。このようなアルカリ可溶性の高分子化
合物は1種類あるいは2種類以上組み合わせることがで
き、全感光性組成物の固形分中に通常40〜95重量%
の範囲で含有させられる。本発明に用いられる感光性組
成物中には、画像の感脂性を向上させるための感脂化剤
(例えば、特開昭55−527号公報記載のスチレン−
無水マレイン酸共重合体のアルコールによるハーフエス
テル化物、ノボラック樹脂、p−ヒドロキシスチレンの
50%脂肪酸エステルなど)が加えられる。
【0045】
【発明の効果】ケイ酸塩のゲル化やポリマーの析出によ
るカスが発生しにくく、安定して確実に pHを下げるこ
とができる。
【0046】
【実施例】以下実施例をもって本発明を詳細に説明す
る。 実施例1 厚さ0.30mmのアルミニウム板をナイロンブラシと40
0メッシュのパミストンの水懸濁液を用いその表面を砂
目立てした後、よく水で洗浄した。10%水酸化ナトリ
ウム水溶液に70℃で60秒間浸漬してエッチングした
後、流水で水洗後20%のHNO3 水溶液で中和洗浄、
水洗した。これをVA =12.7Vの条件下で正弦波の交
番波形電流を用いて1%硝酸水溶液中で160クーロン
/dm2 の陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。その
表面粗さを測定したところ0.6μ(Ra表示)であっ
た。ひきつづいて30%のH2 SO4 水溶液中に浸漬し
55℃で2分間デスマットした後、20%H2 SO4
溶液中で、砂目立てした面に陰極を配置して、電流密度
2A/dm2 において厚さが2.7g/m2 になるように陽
極酸化し、基板を作製した。尚、この時の裏面の陽極酸
化皮膜はアルミニウム板の中央部で約0.2g/m2 、端
部で約0.5g/m2 であった。続いて、上記の基板の表
面の下記感光液Iを塗布し、乾燥後の塗布重量が2.5g
/m2 となるように感光層を設けた。
【0047】 感光液I 1,2−ジアゾナフトキノン−5− スルホニルクロリドとピロガロール −アセトン樹脂とのエステル化物 (米国特許第3,635,709 号明細書の 実施例1に記載されているもの) 45重量部 クレゾールホルムアルデヒドノボラック 樹脂 110重量部 2−(p−メトキシフェニル)−4,6 −ビス(トリクロロメチル)−s−ト リアジン 2重量部 オイルブルー#603 (オリエント化学工業(株)製) 1重量部 メガファック F−177 (大日本インキ化学工業(株)製 フッ素系界面活性剤) 0.4重量部 メチルエチルケトン 1000重量部 プロピレングリコールモノメチル エーテル 1000重量部
【0048】このようにして作製した感光層の表面に下
記の様にしてマット層形成用樹脂液を吹き付けてマット
層を設けたPS版を得た。マット層形成用樹脂液として
メチルメタクリレート/エチルアクリレート/アクリル
酸(仕込重量比65:20:15)が共重合体の一部を
ナトリウム塩とした12%水溶液を準備し、回転霧化静
電塗布機で霧化頭回転数25,000rpm 、樹脂液の送液
量は40ml /分、霧化頭への印加電圧は−90kv 、
塗布時の周囲温度は25℃、相対湿度は50%とし、塗
布後2.5秒で塗布面に蒸気を吹き付けて湿潤させ、つい
で湿潤した3秒後に温度60℃、湿度10%の温風を5
秒間吹き付けて乾燥させた。マットの高さは平均約6μ
m、大きさは平均約30μm、塗布量は150mg/m
2 であった。このようにして得られたPS版を、1,00
3mm×800mmの大きさに裁断したものを多数枚用意
し、これらに原稿フィルムを通して1mの距離から3k
w のメタルハライドランプを用いて、60秒間露光し
た。続いて浸漬型現像槽を有する市販の自動現像機PS
−900D(富士写真フィルム(株)製)の現像槽に、
現像液DP−4(富士写真フィルム(株)製)を水道水
で9倍に希釈した現像液を22リットル仕込んだ。別
に、現像補充液原液供給タンクには現像補充液DP−4
R(富士写真フィルム(株)製)5リットルを入れた。
また第2浴には水洗水を8リットル、第3浴にはリンス
液FR−3(富士写真フィルム(株)製)の8倍希釈液
8リットルを仕込んだ。
【0049】この様な条件の下で、前述の露光済みのP
S版を、1日当り170版づつ処理した。尚、この間、
PS版の処理および空気中の炭酸ガスによる現像液活性
度の低下をPS−900Dに内蔵されている電導度セン
サーで検出し、コンピューターによるフィードバック方
式により、現像補充液DP−4R原液1に対して水5の
比率で現像補充液を補充することにより現像液の活性度
を一定に保った。活性度チェックはステップタブレット
(1段の光学濃度差が0.15で15段のもの)を用いて
段階的に光量を変化させて前記PS版に焼き付けたもの
を現像し、その版上の光量に対応して残った画像の段数
を読み取り、処理開始時の段数と比較することによって
行った。更に第2浴には水洗水を40ml /m2 、第3
浴にはリンス液FR−3原液1に対して水26の比率で
希釈したリンス液を40ml /m2 の割合で補充した。
現像液の補充により現像槽から排出されるオーバーフロ
ー廃液の pHは13.2であった。同様に水洗廃液とリン
ス廃液の pHは12.2および9.0であった。これらのオ
ーバーフロー廃液を20リットルのポリタンクに集めた
ところ一日の処理で約14.5リットルになり、その pH
は12.8であった。このオーバーフロー廃液タンクに、
別に100gの炭酸水素ナトリウム(重曹)を1.2リッ
トルの水に溶解した水溶液を加えたところ、 pHは11.
8まで下がり、廃液の安全性が向上した。またこの廃液
処理によってカスやヘドロが発生することはなかった。
【0050】実施例2 実施例1でオーバーフロー廃液を一つのポリタンクに集
める代わりに現像と水洗のオーバーフロー廃液を20リ
ットルのポリタンクに一緒に集めたところ一日の処理で
およそ10リットルの廃液が集まった。他方、リンスオ
ーバーフロー廃液を別の20リットルポリタンクに集め
たところ一日の処理で約4.5リットルの廃液が出た。こ
のリンスオーバーフロー廃液ポリタンクに重曹粉末10
0gを加え蓋をして約30秒間振って溶解した。この重
曹を溶解したリンス廃液を先の現像廃液と水洗廃液が入
ったポリタンクに移し、蓋をして10秒間振った。廃液
の pHは11.8であった。またこの処理によってカスや
ヘドロが発生することはなかった。 比較例1 実施例1で重曹の水溶液の代わりに1N硫酸を用いた他
は同様の処理を行ったところ、部分的に pHが下がった
ため、廃液タンクの上層部にカス・ヘドロが多量に発生
し、その後の廃液処理に支障があった。
【0051】実施例3 厚さ0.2mmのアルミニウム板をナイロンブラシと400
メッシュのパミストンの水懸濁液を用いてその表面を砂
目立てした後、良く水で洗浄した。10%水酸化ナトリ
ウム水溶液に70℃で60秒間浸漬してエッチングした
後、流水で水洗後、これをVA =12.7Vの条件下で正
弦波の交番波形電流を用いて1%硝酸水溶液中で160
クーロン/dm2 の陽極時電気量で電解粗面化処理を行っ
た。引き続いて30%の硫酸水溶液に浸漬して、55℃
で2分間デスマットした後、20%硫酸水溶液中、電流
密度2A/dm2 において厚さが1.5g/m2 になるよう
に陽極酸化し、その後、70℃、2%の3号ケイ酸ナト
リウム水溶液で親水化処理を行った。次に、下記感光液
IIを準備し、先の砂目立てした基板上に乾燥後の重量に
して、1.5g/m2 となるように塗布し、80℃で2分
間乾燥することによりネガ型PS版を得た。
【0052】 感光液II メチルメタクリレート/N−〔6−(メタクリロイル オキシ)ヘキシル〕−2,3−ジメチルマレイミド /メタクリル酸=10/60/30(モル比)共重 合体〔Mw=3.5×104 (GPC)Tg=約40 ℃(DSC)〕 5 重量部 3−エトキシカルボニル−7−メチル−チオキサント ン 重量部 4−ジアゾフェニルアミントフェノキシ酢酸のホルム アルデヒド共重合物のドデシルベンゼンスルホン酸 塩 0.20重量部 プロピレングリコールモノメチルエーテル 50重量部 メチルエチルケトン 50重量部 メガファックF−177 (大日本インキ化学(株)製、フッ素系ノニオン 界面活性剤) 0.03重量部 ビクトリアピュアブルーBOH(保土谷化学製) 0.10重量部
【0053】このようにして得られたネガ型PS版を、
1,003mm×800mmの大きさに裁断したものを多数枚
用意し、これらに原稿フィルムを通して1mの距離から
3kwのメタルハライドランプを用いて、40秒間露光
した。続いて浸漬型現像槽を有する市販の自動現像機P
S−900NP(富士写真フィルム(株)製)の現像槽
に、現像液DP−4W(富士写真フィルム(株)製)を
水道水で9倍に希釈した現像液を22リットル仕込ん
だ。別に、現像補充液原液供給タンクには現像補充液D
P−4RW(富士写真フィルム(株)製)5リットルを
入れた。また第2浴には水洗水を8リットル、第3浴に
はリンス液FR−3(富士写真フィルム(株)製)の8
倍希釈液8リットルを仕込んだ。この様な条件の下で、
上述のネガ型PS版を、一日50版および実施例1の露
光済みのポジ型PS版を、1日当り120版づつ処理し
た。尚、この間、PS版の処理および空気中の炭酸ガス
による現像液活性度の低下をPS−900Dに内蔵され
ている電導度センサーで検出し、コンピューターによる
フィードバック方式により、現像補充液DP−4RW原
液1に対して水5の比率で現像補充液を補充することに
より現像液の活性度を一定に保った。活性度チェックは
ステップタブレット(1段の光学濃度差が0.15で15
段のもの)を用いて段階的に光量を変化させて前記PS
版に焼き付けたものを現像し、その版上の光量に対応し
て残った画像の段数を読み取り、処理開始時の段数と比
較することによって行った。更に第2浴には水洗水を4
0ml /m2 、第3浴にはリンス液FR−3原液1に対
して水26の比率で希釈したリンス液を40ml /m2
の割合で補充した。現像液の補充により現像槽からオー
バーフロー廃液の pHは13.2であった。同様に水洗廃
液とリンス廃液の pHは12.2および8.7であった。こ
れらのオーバーフロー廃液を20リットルのポリタンク
に集めたところ一日の処理で約18.5リットルになり、
その pHは12.8であった。このオーバーフロー廃液タ
ンクに、別に80gの炭酸水素ナトリウム(重曹)を1
リットルの水に溶解した水溶液を加えたところ、 pHは
11.6まで下がり、廃液の安全性が向上した。またこの
廃液処理によってカスやヘドロが発生することはなかっ
た。
【0054】実施例4 リンスオーバーフロー廃液用の20リットルポリタンク
にリンスオーバーフロー廃液回収後重曹粉末100gを
加える代わりに、このポリタンクに予め重曹100gを
入れておくこと以外は実施例2と全く同様の処理を行っ
た。廃液の pHは最終的に11.8であった。またこの処
理によってカスやヘドロが発生することはなかった。 実施例5 実施例1で重曹水溶液を後から加える代わりに、同じ現
像、水洗およびリンス廃液を集めた20リットルポリタ
ンクに、100gの重曹を1.2リットルの水に溶解した
水溶液を、PS版5m2 処理する毎に45mlポンプで
自動的に加えた以外は実施例1と全く同様の処理を行っ
た。ポリタンクが満杯になった時点で、pHは11.8に
なり、廃液の安全性が向上した。またこの廃液処理によ
ってカスやヘドロが発生することはなかった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感光性平版印刷版の現像処理廃液に、1.
    0重量%の水溶液のpHが6.0から11.5の範囲を示す
    少なくとも一つの水素原子を有する水素塩を添加するこ
    とを特徴とする現像処理廃液の pH低下方法。
JP5901593A 1993-03-18 1993-03-18 感光性平版印刷版の現像処理廃液の pH低下方法 Pending JPH06273938A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6623615B1 (en) 1996-08-27 2003-09-23 Nihon Trim Co., Ltd. Electrolytic hydrogen dissolved water and method and apparatus of production thereof
US11926541B2 (en) 2015-05-15 2024-03-12 G Water Llc Process of making alkaline and acidic water

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6623615B1 (en) 1996-08-27 2003-09-23 Nihon Trim Co., Ltd. Electrolytic hydrogen dissolved water and method and apparatus of production thereof
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