JPH06272920A - 換気装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 昼夜ともに安定して確実に換気し、屋内換気
効率を向上させる。 【構成】 屋根面２に設置される太陽電池４を備えた換
気装置１において、強制換気口６と自然換気口７を設
け、かつ強制換気口に太陽電池駆動の換気ファン５を配
設する。そして、昼間は換気ファン５による強制換気を
行い、夜間は自然換気口７から自然換気を行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、換気装置に関するも
のである。さらに詳しくは、この発明は、昼夜ともに安
定して確実に換気することができ、屋内換気効率を向上
させることのできる、太陽電池利用の換気装置に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、太陽電池の開発とその応用拡
大への期待から、換気装置の電力供給源として太陽電池
を利用することが検討されてきている。この換気装置へ
の利用については、たとえば図７に示したように、住宅
等の屋根面（ア）に設置した太陽電池瓦（イ）からの電
力を、屋内換気のための換気装置（ウ）のファン（エ）
の駆動用電源として利用するシステムが知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、たとえ
ばこの図７に示したような従来の換気システムにおいて
は、強制換気を行う換気装置（ウ）のファン（エ）の駆
動源として太陽電池を採用しているため、昼間は太陽光
を受け作動し、図中に示した矢印方向の住宅等の屋内換
気が可能となるものの、夜間になると、日射がないため
に太陽電池の起電力が得られず、ファン（エ）は作動し
ない。したがって、夜間には、換気装置（ウ）による強
制換気は行うことができないという基本的な問題があ
る。この欠点を解消するために、夜間には換気装置
（ウ）の強制換気に用いられる換気口から自然換気を行
うことが考えられもするが、この自然換気の通気路は、
換気口とファン（エ）との間に制限されるため、開口面
積が小さく、換気能力は不十分であり、事実上自然換気
はほとんど不可能である。一方、換気装置（ウ）を大型
にすることも考えられるが、この場合には、ファン
（エ）は、換気口の開口面積を考慮すればさほど大きく
することができないため、強制換気の換気能力が低下し
てしまう。

【０００４】この発明は、以上の通りの事情に鑑みてな
されたものであり、従来の太陽電池利用の換気システム
の欠点を解消し、昼夜ともに安定して確実に換気するこ
とができ、屋内換気効率を向上させることのできる、改
善された太陽電池利用の換気装置を提供することを目的
としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、屋根面に設置される太陽電池を
備えた換気装置であって、この換気装置は強制換気口と
自然換気口とを有し、かつ強制換気口には太陽電池駆動
の換気ファンを設けてなることを特徴とする換気装置を
提供する。

【０００６】またこの発明においては、強制換気口から
の通気路の近傍に自然換気口を設け、強制換気口からの
気流吸引力によるエジェクタ効果を発現させることを好
ましい態様の一つとしている。その場合の一態様とし
て、強制換気口の外側に自然排気口を、それぞれ同軸円
筒状となるように設けることが例示される。

【０００７】

【作 用】この発明の換気装置においては、太陽電池駆
動の換気ファンを設けた強制換気口と自然換気口を別々
に配備するため、昼間は太陽電池からの電力を電源とし
て換気ファンによる強制換気を行い、夜間は自然換気口
からの自然換気を確実に行うことができる。強制換気と
自然換気を昼夜で交互に行うことができ、住宅等の屋内
換気効率が向上する。

【０００８】

【実施例】以下、図面に沿って実施例を示し、この発明
の換気装置についてさらに詳しく説明する。図１は、こ
の発明の換気装置の一実施例を示した断面図である。た
とえばこの図１に例示したように、換気装置（１）は、
住宅等の屋根面の野地板（２）および瓦（３）の設置面
に設置される。換気装置（１）の頂部には、太陽電池
（４）を設けており、この太陽電池（４）の起電力を受
けて作動する換気ファン（５）が換気装置（１）底部に
設けた強制換気口（６）の下端部に配設されている。

【０００９】またこの例においては、強制換気口（６）
に隣接させて自然換気口（７）を設けるとともに、換気
装置（１）の側部に排気口部（８）を配置してもいる。
たとえば以上の構成とすることにより、昼間は太陽光を
受けて太陽電池（４）に電力が発生し、これを駆動電源
として強制換気口（６）下端部に設けた換気ファン
（５）を作動させ、屋内排気を強制換気口（６）より吸
い上げ、排気口部（８）から強制的に排出することがで
きる。一方、夜間には、換気ファン（５）の作動が停止
するものの、充分な開口面積を有する自然換気口（７）
より屋内排気を排気口部（８）から屋外に排出すること
ができる。昼夜を問わず安定したしかも確実な換気が得
られ、屋内換気の効率が向上する。このように、この発
明の換気装置では、換気ファンによる強制換気と自然換
気を昼夜で交互に繰り返し行うことができる。

【００１０】一方、換気装置（１）に、強制換気口
（６）と自然換気口（７）とを別々に設ける場合には、
図２に例示したように、気流にショートパスが発生する
こともあり、この場合には、換気ファン（５）で排出し
た屋内排気の一部が自然換気口（７）から吸引されて循
環してしまうことがある。その結果、換気ファン（５）
による強制換気時に換気風量が低下する恐れがある。こ
のショートパスの発生を防止するためには、自然換気口
（７）に蓋を設け、強制換気時に蓋を閉めるようにする
ことが考えられる。しかしながら、この場合、蓋を設け
ることにより、かえって換気装置（１）の構造が複雑化
するきらいもあるため、この発明においては、たとえば
図３に示したような構造を採用することができる。

【００１１】この図３の例においては、換気ファン
（５）を強制換気口（６）からの通気路（９）と自然換
気口（７）からの通気路（１０）との中間に配置してい
る。また、通気路（１０）の断面積を排気口部（８）へ
向かって漸減させてもいる。こうすることによって、太
陽電池（４）からの電力により換気ファン（５）を作動
させ、強制換気する際に、自然換気口（７）近傍の通気
路（１０）内に気流吸引力を生じさせることができる。
その結果、エジェクタ効果が得られ、自然換気口（７）
からも屋内排気が取り込まれる。図２に例示したショー
トパスの発生が防止され、しかも強制換気時の換気量が
増大する。より効果的な屋内換気が実現される。

【００１２】図４は、この発明のさらにまた別の例を示
した断面図である。この例においては、下端部に太陽電
池駆動の換気ファン（５）を備えた強制換気口（６）の
外側に自然換気口（７）をその強制換気口（６）と同軸
状に配設している。このような換気口構成は、たとえば
図５のａおよびｂに示した構造により実現することがで
きる。たとえば内径の異なる大小２つの円筒（１１）
（１２）を同軸状に接続したユニットにより、強制換気
口（６）に連続させてその外側に自然換気口（７）を設
けることができる。このため、強制換気口（６）からの
通気路近傍に自然換気口（７）が配置され、図３の例と
同様にエジェクタ効果を実現することができる。自然換
気口（７）を強制換気口（６）と別に設けることによる
気流のショートパスの発生が防止され、安定した充分な
風量が得られる。また、換気装置（１）に設ける強制換
気口（６）および自然換気口（７）用の開口部が円筒
（１１）（１２）からなるユニット１つ分で済むため、
構造が単純となり、その施工とともに換気装置の製造が
簡便かつ容易となる。また、図４に例示したように、強
制換気口（６）および自然換気口（７）を複数も受ける
ことも容易であり、換気効率のさらに向上した換気装置
が可能となる。

【００１３】実際、この発明の換気装置と夜間の自然換
気が不可能な従来装置とにより比較実験を行ったとこ
ろ、図６に示した結果が得られた。図中のＡは、この発
明の換気装置による露点温度の変化で、Ｂは従来装置に
よるもの、Ｃは野地板温度をそれぞれ示している。この
図６からも明らかなように、この発明の換気装置の場合
には、昼夜ともに露点温度が下げられており、効率のよ
い安定した換気を行うことができることが確認される。

【００１４】もちろんこの発明は、以上の例によって限
定されるものではない。太陽電池の構成および構造等の
細部については様々な態様が可能であることはいうまで
もない。

【００１５】

【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明によ
って、昼夜で強制換気と自然換気を交互に切り替えて換
気することができ、太陽電池利用の換気装置の換気効率
を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の換気装置の一実施例を示した断面図
である。

【図２】図１の換気装置における強制換気時の状態を例
示した要部断面図である。

【図３】この発明の換気装置の別の例を示した断面図で
ある。

【図４】この発明のさらにまた別の例を示した断面図で
ある。

【図５】ａおよびｂは、各々、図４の例の強制換気口と
自然換気口の構成を例示した平面図および断面図であ
る。

【図６】露点温度の変化を示した相関図である。

【図７】従来の太陽電池利用の換気システムを示した断
面図である。

【符号の説明】

１ 換気装置 ２ 野地板 ３ 瓦 ４ 太陽電池 ５ 換気ファン ６ 強制換気口 ７ 自然換気口 ８ 排気口部 ９，１０ 通気路 １１，１２ 円筒

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷口 英二 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 屋根面に設置される太陽電池を備えた換
   気装置であって、この換気装置は強制換気口と自然換気
   口とを有し、かつ強制換気口には太陽電池駆動の換気フ
   ァンを設けてなることを特徴とする換気装置。
2. 【請求項２】 強制換気口からの通気路の近傍に自然換
   気口を設け、強制換気口からの気流吸引力によるエジェ
   クタ効果を発現させてなる請求項１の換気装置。
3. 【請求項３】 強制換気口とその外側の自然排気口を同
   軸円筒状に設けてなる請求項２の換気装置。