JPH06272394A - 仮設屋根 - Google Patents

仮設屋根

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JPH06272394A
JPH06272394A JP5713793A JP5713793A JPH06272394A JP H06272394 A JPH06272394 A JP H06272394A JP 5713793 A JP5713793 A JP 5713793A JP 5713793 A JP5713793 A JP 5713793A JP H06272394 A JPH06272394 A JP H06272394A
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rope
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pulley
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Yoshinobu Ishino
欣延 石野
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ISHINO KAWARA KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 屋根葺き工事等において利用する仮設屋根と
して、屋根用シートを張設するためのワイヤーロープ等
の索条を複数の滑車を利用して張設することにより、そ
の組立て作業がきわめて容易に行なえ、かつ強風にも十
分に耐えるものを提供する。 【構成】 建物90の屋根91の横方向所要間隔毎に、
屋根前後の軒先やや外方に軒支持材1を立設して、軒先
93と略同高さ位置もしくは軒先93より上方の位置に
滑車6を設けるとともに、屋根の棟92に棟支持材2を
立設して滑車7を設け、シート支持用のワイヤーロープ
3等の索条を、前記棟部および両軒先部の滑車6,7を
通して建物前後の一方側から他方側へ架け通し、その両
端部31,31を、それぞれ建物前後の地盤に緊張状態
で連結して張設し、この索条に屋根構成用のシート4,
5を係止し張設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新築家屋の屋根葺き工
事あるいは既存の屋根の葺き替え工事の際に利用する仮
設屋根に関するものである。
【0002】
【従来の技術】屋根葺き工事や葺き替え工事等の際に
は、雨天時等の雨、風に対する防御の目的で、建物の屋
根の上に、これらの屋根の全体を覆う仮設屋根を設ける
ことが行なわれている。
【0003】従来、この仮設屋根としては、従来より使
用されている足場材、例えば形鋼材等の鉄骨やパイプ材
で、建物の周囲に足場を兼ねる枠組を組み、さらに屋根
の棟等に立設した支持材との間に屋根勾配方向のタルキ
材を架渡して、その上にシート等の屋根材を敷設してい
た。
【0004】しかし、前記の架設屋根は、重い鉄骨やパ
イブ材を多数使用するために、その組立て作業に時間が
係り面倒で、不経済である等の問題があった。
【0005】そのため近年、建物の屋根の軒先と略平行
に足場材を利用して軒支線を張り、さらに屋根の棟に棟
金具を間隔を隔てて立設して該棟金具に棟支線を架け渡
して固定し、この棟支線から軒支線まで複数のロープを
張り渡して、その上にシートを張設するようにした仮設
屋根が提案されている(特開昭62−170664号公
報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
仮設屋根による場合、シート張設用のロープは、建物の
前後において前記棟支線と足場材による軒支線との間に
張り渡するものであるため、該ロープの張り渡し作業が
高所で行なわれることもあって、その張り渡し作業が容
易でなく手数がかかる上、その作業上それほど強く緊張
した状態で張り渡すことができないものである。
【0007】そのため、ロープの緊張度合が不均一にな
ったり緩みが生じたりし易く、またこのロープの上に張
設されたシートにも弛みが生じて、不安定で不体裁にな
り易いもので、強風に対して十分な強度が得られない欠
点があり、あま実用化されていない。
【0008】特に、支線に連結した控えロープを張って
アンカーで地盤に固定して補強するにしても、前記のよ
うにロープ自体をそれほど強く緊張できないために、強
風に対して充分でなく、また建物周囲の隣接家屋あるい
は隣接地との間に充分な余裕がない場合には、その控え
ロープによる補強も行なえないことになる。
【0009】本発明は、上記に鑑みて、屋根葺き工事等
において利用する仮設屋根として、屋根用シートを張設
するためのワイヤーロープ等の索条を複数の滑車を利用
して張設することにより、その組立て作業がきわめて容
易に行なえ、しかも強風にも十分に耐える仮設屋根を提
供することとしたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決する本
発明の仮設屋根は、建物の屋根の横方向所要間隔毎に、
屋根前後の軒先やや外方に軒支持材を立設して軒先と略
同高さ位置もしくは軒先より上方の位置に滑車を設ける
とともに、屋根の棟に棟支持材を立設して棟上方に滑車
を設け、シート支持用のワイヤーロープ等の索条を、前
記棟部および両軒先部の滑車を通して建物前後の一方側
から他方側へ架け通すとともに、軒先部の滑車を通って
下方に延びる索条の両端部をそれぞれ建物前後の地盤に
緊張状態で連結して張設し、この索条に屋根構成用のシ
ートを係止し張設してなることを特徴とする。
【0011】前記において、索条を地盤に連結する手段
としては、二つの滑車を並設してなる連結用滑車部材の
一方の滑車にワイヤーロープ等の補助索条を架け回し
て、その両端を左右に間隔を隔ててそれぞれ地盤に固定
されたアンカーに連結し、該滑車部材の他方の滑車に、
軒先部の滑車から下方に延びた索条の端部を架け回して
折返すとともに、該索条を緊張状態にして折返し端部を
索条主体部に固定しておくのが、実施上特に好適であ
る。
【0012】また前記の軒支持材としては、パイフ材等
により建物側が斜状をなしかつ建物とは反対側が略直立
状をなす側面略直角三角状に形成し、その上端部に軒先
部の滑車を設けるとともに、地盤に連結された引張用の
ワイヤーロープ等の索条で下方向きに引張しておくのが
好ましい。
【0013】さらに、棟支持材としては、その支持主体
が側面よりみて上部で二股状をなすように形成し、その
上端部における屋根の棟センターを中心とする前後対称
位置に二つの滑車を配しておくのが好ましい。
【0014】
【作用】上記した本発明の仮設屋根によれば、屋根構成
用のシートを張設して支持するためのワイヤーロープ等
の索条は、棟部および両軒先部の滑車を介して建物前後
の一方側から他方側へ架け通して、緊張した状態でその
両端部をそれぞれ地盤に連結して張設するものであるか
ら、建物前後の一方側における地上に近い所で、特にワ
イヤーロープ用等の緊張治具を用いて緊張することがで
きる。こうして緊張される索条は、滑車を通してその全
長に渡って均等な緊張状態で張設されることになる。
【0015】したがって、索条の緊張作業を容易にかつ
安全に行なえるとともに、引張耐力の強い索条であるこ
ともあって、従来よりも強い力で緊張して張設すること
ができる。しかも索条の端部が地盤に連結されて固定さ
れているために、一旦緊張して張設されると、その緊張
状態が緩んだりするおそれがなく、所定の緊張状態を良
好に保持できる。それゆえ、この索条に係止され張設さ
れた屋根構成用のシートを安定性のよい張設状態に保持
できる。
【0016】特に、請求項3の構成による場合、軒先部
の滑車を通って下方に延びる前記索条の端部は、二つの
滑車が並設された連結用滑車部材、および該滑車部材の
一方の滑車に架け回されてその両端が地盤に固定された
アンカーに連結されている補助索条を介して、二股状に
分離して地盤に連結されて、張設状態に保持される。
【0017】それゆえ、前記のシート張設用のワイヤー
ロープの緊張力が大きくても、補助の索条の部分では前
記緊張力が二股状の両端部分に略2分されて作用し、地
盤に固定されたアンカーに対する力も前記緊張力の略1
/2になり、しかもアンカーは左右に間隔を隔てて固定
されているため、その力は該アンカーの抜け出し方向に
対し交叉方向になる。そのためアンカーが緩んだり、抜
け出したりするおそれがなく、索条を緊張状態に良好に
保持できる。
【0018】また、軒支持材が、請求項4のように、建
物側が斜状をなす側面略直角三角状をなし、かつ引張用
の索条で下方向きに引張して地盤に固定したものである
と、建物周囲の隣接家屋との間あるいは隣接地との間が
狭くても、該軒支持材を立設して実施できるとともに、
該軒支持材に設けられた滑車に架けられた索条の緊張に
よって該軒支持材に内方向きの力が作用しても、その力
に十分に耐え、略直立状の外方側が浮き上ったり傾倒し
たりするおそれがない。
【0019】さらに、棟支持材を、請求項5のように、
その支持主体が側面よりみて上部で二股状に形成し、そ
の上端部における屋根の棟センターを中心とする前後対
称位置に二つの滑車を配してある場合、索条の緊張によ
る力が該棟支持材の前後部双方に作用して、該棟支持材
の倒れを防止でき、索条の緊張状態を一層良好に保持で
きる。
【0020】
【実施例】次に本発明の1実施例を図面に基いて説明す
る。
【0021】図1および図2は、本発明に係る仮設屋根
全体の索条(主にワイヤーロープ)の張設状態を略示す
る正面図と側面図である。
【0022】図における(90)は建物、(91)は建
物の屋根、(92)は建物の棟、(93)は建物の軒先
である。(1)は軒支持材、(2)は棟支持材、(3)
は屋根構成用のシート(4)(5)を張設状態に支持す
るための索条としてのワイヤーロープを示している。
【0023】軒支持材(1)は、図3および図4に拡大
して示すように、主として足場等に使用されるパイプ材
により組立て構成されてなるもので、直立状をなす支持
柱(11)と、該支持柱(11)の上端部近傍位置に連
結されて斜めに延びる斜状支持柱(12)と、これら両
支持柱(11)(12)を連結する横材(13)とによ
って、側面略直角三角形状に形成されている。(14)
は前記各構成部分を連結するパイプクランプ等の連結手
段である。
【0024】この軒支持材(1)は、図示するように建
物(90)の前後両側において、斜状支持材(12)を
建物側に向けて軒先(93)の下方に位置させるように
して建物(90)の横方向所要間隔おきに立設される。
これらの軒支持材(1)は、図3のように足場材や繋ぎ
材等の横架材(15)により連結しておくのが望まし
い。足場材を用いて各支持材(1)を連結することによ
り、足場を兼ねる構成とすることができる。
【0025】図の場合、軒支持材(1)の直立状の支持
柱(11)の所要高さ位置に、パイプクランプ等の連結
手段(16)により両側に斜めに延びる側部支持材(1
7)(17)が連設され、各軒支持材(1)をそれぞれ
単独で立設しておけるようになっている。この側部支持
材(17)利用することにより、軒支持材(1)の立設
作業が容易になる。前記のように各軒支持材(1)
(1)同士を連結する場合、前記の側部支持材(17)
を省略することも可能である。前記の側部支持材(1
7)は連結手段(15)で回動可能に連設して、不使用
の際に支持柱(11)に沿わせて嵩低くしておけるよう
に構成しておくのが望ましい。
【0026】また軒支持材(1)の立設状態において、
後述するワイヤーロープ(3)の張設による傾倒および
浮き上りを防止するために、例えば、図4に示すように
地盤に連結された引張用のワイヤーロープ(18)で下
方向きに引張しておくのがよい。
【0027】この引張手段として、図の場合は、横材
(13)に取付けられた滑車(19)に係止されたワイ
ヤーロープ(18)の一端部が、地盤に打ち込まれたア
ンカー(81)に連結されるとともに、他端部が別のア
ンカー(82)に取付けられた滑車(83)を回って折
返されて、緊張状態にして該折返し端部(18a)がワ
イヤーロープ主体部と結合されて、引張状態に保持され
ている。
【0028】そして、前記の用に立設される各軒支持材
(1)の上端部、すなわち直立状の支持柱(11)の上
端部に、滑車(6)が特に軸心を横方向水平にして取付
けられている。
【0029】この滑車(6)は、屋根(91)の軒先
(93)のやや外方において、軒先(93)と略同高
さ、もしくは該軒先(93)より上方に位置するよう
に、前記各軒支持材(1)に付設されている。
【0030】また、棟支持材(2)は、屋根(91)の
棟(92)に、特に上記軒支持材(1)の立設間隔に対
応する所要間隔を存して立設されるものであり、図5お
よび図6に拡大して示すように、後述する滑車を取付け
る支持主体(21)と、該支持主体(21)を立設状態
に支持する支持金具(22)とからなる。
【0031】支持金具(22)は、棟前後の野地面の傾
斜に対応した角度に折曲形成された取付基板(23)の
上方に開口した支持管部(24)が立設されており、野
地面に対し釘打ち手段等により固定される。また支持主
体(21)は、パイプ材等により形成され、側面よりみ
て図のような略Y字状あるいは略U字状の二股状をなし
ており、下端部の直立部分(21a)が前記の支持金具
(22)の支持管部(24)に嵌挿されて、立設状態に
支持される。
【0032】支持主体(21)の二股状の両側部分(2
1b)(21b)の上端部一側部には、前後方向の横材
(25)が付設され、該横材(25)の両端部における
棟センターを中心とする前後対称位置にそれぞれ滑車
(7)(7)が軸心を横方向水平にして取付けられてい
る。
【0033】図の(26)は後述するワイヤーロープ
(3)の張設による棟支持材(2)の一側方への傾倒を
防止するための補強材である。この補強材(26)は、
前記棟支持材(2)の滑車取付け側において横材(2
5)に斜めに連設され、その下端部が前記支持主体(2
1)の支持金具(22)と同様に野地面に固定された支
持金具(27)に嵌挿され支持されている。
【0034】棟部の滑車としては、棟センター上方に一
つの滑車を棟支持材により設けて実施することもてきる
が、ワイヤーロープ張設の安定性の点からは、上記のよ
うにして二つの滑車(7)(7)を設けておくのがよ
い。
【0035】こうして、建物(90)の横方向所要間隔
毎に、屋根前後の軒先(93)やや外方に軒支持材
(1)を立設して滑車(6)を設けるとともに、屋根の
棟(92)に棟支持材(2)を立設して滑車(7)を設
けておいて、これらの滑車(6)(7)を利用して、シ
ート支持用のワイヤーロープ(3)を図1〜図4に示す
ように張設する。
【0036】すなわち、ワイヤーロープ(3)を、前記
滑車(6)(7)を通して、建物前後の一方側から他方
側へ架け通し、さらに軒先部の滑車(6)を通って下方
に延びる該ワイヤーロープ(3)の両端部(31)(3
1)を、それぞれ建物(90)前後の地盤に緊張状態で
連結することにより張設する。
【0037】図示する実施例の場合は、ワイヤーロープ
(3)を緊張した状態でその両端部を地盤に連結する手
段として、二つの滑車(32a)(32b)を並設した
連結用滑車部材(33)を利用しており、この滑車部材
(33)の一方の滑車(32a)に補助のワイヤーロー
プ(34)を架け回して、その両端をそれぞれ左右に間
隔を隔てて地盤に打ち込み固定された杭等のアンカー
(84)に適当な結合手段あるいは係止手段により連結
しておく。
【0038】そして、軒先部の滑車(6)から下方に延
びたワイヤーロープ(3)の両端部を、それぞれ前記滑
車部材(33)の他方の滑車(32)に架け回して折返
し、該折返し端部(31a)をロープ主体部にワイヤー
ロープ用のクリップ手段等を用いて結合し固定するが、
この際、ワイヤーロープ(3)の一方側の端部におい
て、該ワイヤーロープ(3)を緊張治具等により、例え
ば1トン程度の強い引張力により緊張した状態にして、
前記の折返し端部(31a)をロープ主体部に結合し固
定する。緊張されるワイヤーロープ(3)は滑車(6)
(7)を通して自由移動できるため、その全長に渡って
略均等な強い力で緊張される。
【0039】これにより、ワイヤーロープ(3)は、滑
車部材(33)および補助のワイヤーロープ(34)を
介して、二股状に分離して地盤に固定されたアンカー
(84)に連結されて、張設状態に保持される。
【0040】特に、前記のワイヤーロープ(3)の緊張
力が大きくても、補助のワイヤーロープ(34)の部分
では前記緊張力が二股状の両端部分に略2分されて作用
し、地盤に固定されたアンカー(84)に対する力も前
記緊張力の略1/2になる。しかもアンカー(84)は
左右に間隔を隔てて固定されているため、その力は該ア
ンカー(84)の抜け出し方向に対して交叉方向にな
る。そのためアンカー(84)が緩んだり、抜け出した
りするおそれがなく、ワイヤーロープ(3)を緊張状態
に良好に保持できる。
【0041】前記において、滑車部材(33)を介して
連結されるワイヤーロープ(3)と補助ワイヤーロープ
(34)の両端側部分とがなす角度が略同格度となるよ
うに、補助ワイヤーロープ(34)の長さ、両アンカー
(84)(84)の間隔を設定しておくのが好ましい。
【0042】なお、実際の施工においては、屋根(9
1)の棟(92)の長さ方向両端よりやや外方位置に
は、足場等の支持材(8)を利用して、あるいは該支持
材(8)上に棟支持材(2)を設けておいて、棟部の滑
車(7)と同高さ位置に棟部用の滑車(7a)を配設し
ておいて、該滑車(7a)と軒支持材(1)に設けられ
た滑車(6)とを利用して、上記同様にワイヤーロープ
(3)を張設する。
【0043】このように、ワイヤーロープ(3)を張設
した後、該ワイヤーロープ(3)に屋根構成用シート
(4)(5)を係止し張設する。
【0044】図7は、屋根構成用シートのうちの比較的
縦長の屋根面用のシート(4)を示し、図8は棟用のシ
ート(5)を示している。
【0045】屋根面用のシート(4)は、両側辺部にお
ける長手方向所要間隔毎に、バネ作用によって開口部を
閉鎖できる閉止片を有するC形リング等の係止部材(4
2)が、それぞれ紐体(43)により取着されており、
この両側の係止部材(42)を上記のように張設された
ワイヤーロープ(3)に係止することにより(図9)、
張設できるようになっている。緊張状態に張設すれば、
勾配方向の滑りを防止できるが、他の滑り止め手段等を
設けておくこともできる。
【0046】係止部材(42)は、本体部(41)に直
接係着しておくこともできるが、図のように、ゴム紐等
の伸縮性紐あるいは非伸縮性紐その他の紐体(43)に
より連結しておくほうが、ワイヤーロープ(3)への係
止操作が容易になり、またシートを張設状態に保持し易
くなる。
【0047】前記のようにワイヤーロープ(3)に係止
部材(42)で係止してシート(4)を張設することと
した場合、図9に示すようにワイヤーロープ(3)を中
心として、両側のシート(4)(4)間に間隔が生じ
る。
【0048】そのため、前記のシート(4)の本体部
(41)の一方側辺部の裏面に、本体部(41)より側
方に延びた樋用補助片(44)を連接して、その端縁部
に上記同様のCリング等よりなる係止部材(45)を設
けるとともに、他方側辺部の裏面やや内方位置に前記係
止部材(45)を係止できる係止孔(47)を有する連
結片(46)を連設しておいて、図9のように、係止部
材(45)により樋用補助片(44)を隣接するシート
(4)の連結片(46)に係止し連結することにより、
両シート(4)(4)間の下方に、湾曲した樋用補助片
(44)により排水用樋を構成するようにしている。こ
れにより両シート(4)(4)間の間隔部分からの雨漏
りを防止できる。
【0049】前記の樋用補助片(44)と連結片(4
6)との連結手段としては、上記の係止部材(45)以
外の係止手段、例えば面ファスナーを利用した係合手段
等の利用することもできる。
【0050】また棟用のシート(5)は、上記シート
(4)と同様にその両側辺部に係止部材(52)がそれ
ぞれ紐体(53)により取着され、この係止部材(5
2)をワイヤーロープ(3)に係止することにより、張
設できるようになっている。
【0051】この棟用のシート(5)を張設した状態に
おいても、図10に示すようにワイヤーロープ(3)を
中心として、その両側のシート(5)(5)間に間隔が
生じる。また、棟支持材(2)に設けた滑車(7)によ
るワイヤーロープ(3)の張設位置の関係で、前記間隔
部分から棟支持材(2)の上端部が上方に臨出すること
になる。
【0052】そのため、この棟用シート(5)の場合に
は、本体部(51)の一方側辺部の表面に、本体部(5
1)より側方に延びた覆用補助片(54)を連接して、
その端縁部に係止部材(55)を設けるとともに、他方
側辺部の表面やや内方位置に係止孔(57)を有する連
結片(56)を連設して、図10のように、覆用補助片
(54)を隣接するシート(5)の連結片(56)に係
止し連結することにより、両シート(5)(5)間の間
隔部分と棟支持材(2)を覆い、雨が入り込まないよう
にしている。
【0053】また上記のように張設される屋根面用シー
ト(4)と棟用シート(5)とは、図10に示すよう
に、シート(5)の端部(58)をシート(4)の上に
約50cm程度を重ねるようにして、雨が侵入しないよ
うにする。また屋根勾配方向のシート(4)(4)同士
のつなぎ部分においても、同様に所要長さを重ねて張設
する。
【0054】さらに前記棟用シート(5)の端部(5
8)は、ワイヤーロープ(3)に対しゴム紐(59)に
より係止するか、あるいは脱着可能に係止して、強風時
等の場合に、仮設屋根の下に侵入した風が外部に排出す
る開口を形成できるようにして、シート(4)(5)が
風に煽られないようにする。またシート端部をたぐるよ
うにして開口させることもできる。
【0055】このようにして、滑車(6)(7)を利用
して、建物(90)の一方側から他方側へ強く張り渡し
たワイヤーロープ(3)に対し、シート(4)(5)を
張設することにより、風速30m程度の強風に対して耐
え得る強固な仮設屋根を組立て構成できる。
【0056】なお、上記の実施例では、張設したワイヤ
ーロープ(3)に対し、屋根構成用のシート(4)
(5)をそれぞれ係止部材により係止して張設する場合
を示したが、このほか、ワイヤーロープ(3)の上で、
シート同士を直接連結するようにして張設することも可
能である。
【0057】さらに、上記で使用した各ワイヤーロープ
に替えて、引張強度の高い合成樹脂製ロープや、ワイヤ
ーで補強したロープ等の索条を用いることができる。
【0058】
【発明の効果】上記したようにように本発明によれば、
屋根構成用のシートを張設するためのワイヤーロープ等
の索条を、軒先部と棟部に配した滑車を利用して、建物
前後の一方側から他方側へ架け通して、強く緊張した状
態で張設できるので、これにシートを係止し張設するこ
とにより、容易に弛みやグラつきが生じるおそれがな
く、強風に対しても充分な強度を持った、きわめて安全
かつ強固な仮設屋根を提供できる。
【0059】また、ワイヤーロープ等の索条の緊張作
業、連結作業等を地上に近い所で行なうことができ、そ
の組立て作業を容易に行なうことができる。特に請求項
2の構成による場合、索条の緊張および地盤への連結作
業を一層容易に行なえ、特にワイヤーロープ使用するこ
とにより、まったく緩みのおそれがない。
【0060】さらに請求項3,4の軒支持材や棟支持材
を使用することにより、その組立て作業を一層容易に能
率よく安全に行なうことができ、また場所をとらないた
め、隣接地との間が狭くても実施できることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例を示すシート張設前の略示正
面図である。
【図2】同上の略示側面図である。
【図3】軒支持材部分の拡大正面図である。
【図4】軒支持材部分の拡大側面図である。
【図5】棟支持材部分の拡大正面図である。
【図6】棟支持材部分の拡大側面図である。
【図7】屋根用シートの表面図(a)と裏面図(b)で
ある。
【図8】棟用シートの表面図(a)と裏面図(b)であ
る。
【図9】屋根面部のシート張設状態を示す一部の拡大断
面斜視図である。
【図10】棟部のシート張設状態を示す一部の拡大斜視
図である。
【符号の説明】
(1) 軒支持材 (11) 直立状の支持柱 (12) 斜状支持柱 (18) 引張用のワイヤーロープ (19) 滑車 (2) 棟支持材 (21) 支持主体 (22) 支持金具 (26) 補強材 (3) ワイヤーロープ (31) 端部 (32a)(32b) 滑車 (33) 連結用滑車部材 (34) 補助のワイヤーロープ (4)(5) 屋根構成用のシート (6) 軒先部の滑車 (7) 棟部の滑車 (81)(84) アンカー (90) 建物 (91) 屋根 (92) 棟 (93) 軒先
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】前記において、索条を地盤に連結する手段
としては、連結用滑車部材にワイヤーロープ等の補助索
条を架け回して、その両端を左右に間隔を隔ててそれぞ
れ地盤に固定されたアンカーに連結し、該滑車部材の滑
車に、軒先部の滑車から下方に延びた索条の端部を架け
回して折返すとともに、該索条を緊張状態にして折返し
端部を索条主体部に固定しておくのが、実施上特に好適
である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】特に、請求項の構成による場合、軒先部
の滑車を通って下方に延びる前記索条の端部は、連結用
滑車部材、および該滑車部材に架け回されてその両端が
地盤に固定されたアンカーに連結されている補助索条を
介して、二股状に分離して地盤に連結されて、張設状態
に保持される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】また、軒支持材が、請求項のように、建
物側が斜状をなす側面略直角三角状をなし、かつ引張用
の索条で下方向きに引張して地盤に固定したものである
と、建物周囲の隣接家屋との間あるいは隣接地との間が
狭くても、該軒支持材を立設して実施できるとともに、
該軒支持材に設けられた滑車に架けられた索条の緊張に
よって該軒支持材に内方向きの力が作用しても、その力
に十分に耐え、略直立状の外方側が浮き上ったり傾倒し
たりするおそれがない。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】さらに、棟支持材を、請求項のように、
その支持主体が側面よりみて上部で二股状に形成し、そ
の上端部における屋根の棟センターを中心とする前後対
称位置に二つの滑車を配してある場合、索条の緊張によ
る力が該棟支持材の前後部双方に作用して、該棟支持材
の倒れを防止でき、索条の緊張状態を一層良好に保持で
きる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】建物の屋根の横方向所要間隔毎に、屋根前
    後の軒先やや外方に軒支持材を立設して軒先と略同高さ
    位置もしくは軒先より上方の位置に滑車を設けるととも
    に、屋根の棟に棟支持材を立設して滑車を設け、シート
    支持用のワイヤーロープ等の索条を、前記棟部および両
    軒先部の滑車を通して建物前後の一方側から他方側へ架
    け通すとともに、軒先部の滑車を通って下方に延びる前
    記索条の両端部をそれぞれ建物前後の地盤に緊張状態で
    連結して張設し、この索条に屋根構成用のシートを係止
    し張設してなることを特徴とする仮設屋根。
  2. 【請求項2】索条を地盤に連結する手段として、二つの
    滑車を並設してなる連結用滑車部材の一方の滑車にワイ
    ヤーロープ等の補助索条を架け回して、その両端を左右
    に間隔を隔ててそれぞれ地盤に固定されたアンカーに連
    結し、該滑車部材の他方の滑車に、軒先部の滑車から下
    方に延びた索条の端部を架け回して折返すとともに、該
    索条を緊張状態にして折返し端部を索条主体部に固定し
    てなることを特徴とする請求項1に記載の仮設屋根。
  3. 【請求項3】軒支持材は、パイフ材等により建物側が斜
    状をなしかつ建物とは反対側が略直立状をなす側面略直
    角三角状に形成し、その上端部に軒先部の滑車を設ける
    とともに、地盤に連結された引張用のワイヤーロープ等
    の索条で下方向きに引張してなることを特徴とする請求
    項1または2に記載の仮設屋根。
  4. 【請求項4】棟支持材は、その支持主体が側面よりみて
    上部で二股状をなすように形成し、その上端部における
    屋根の棟センターを中心とする前後対称位置に二つの滑
    車を配してなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の架
    設屋根。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108278003A (zh) * 2017-11-24 2018-07-13 浙江交工集团股份有限公司 一种自行式双层叠合屋盖养生房
CN110040636A (zh) * 2019-04-22 2019-07-23 中国十九冶集团有限公司 干熄焦系统余热锅炉部件安装装置

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CN108278003A (zh) * 2017-11-24 2018-07-13 浙江交工集团股份有限公司 一种自行式双层叠合屋盖养生房
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