JPH06271923A - 極低炭素高マンガン鋼の溶製方法 - Google Patents

極低炭素高マンガン鋼の溶製方法

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JPH06271923A
JPH06271923A JP8246593A JP8246593A JPH06271923A JP H06271923 A JPH06271923 A JP H06271923A JP 8246593 A JP8246593 A JP 8246593A JP 8246593 A JP8246593 A JP 8246593A JP H06271923 A JPH06271923 A JP H06271923A
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manganese
low carbon
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molten steel
steel
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JP8246593A
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Jun Hirama
潤 平間
Fumio Kurita
文男 栗田
Yoshihiro Murakami
義弘 村上
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
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Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 真空脱ガス装置を用いて極低炭素高マンガン
鋼を安価に溶製できる方法を提供する。 【構成】 真空脱ガス装置の脱ガス槽内の雰囲気圧を5
000Pa以上40000Pa以下に保持し、酸素を9
5vol%以下含む不活性ガスとの混合ガスを脱ガス槽内
に供給して炭素濃度が300〜500ppmになるまで
脱炭を行い、その後、脱ガス槽内の雰囲気圧を1000
0Pa以下に保持して脱ガス処理を行い、マンガン濃度
が1mass%以上の極低炭素高マンガン鋼を溶製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、真空脱ガス装置を用い
て極低炭素高マンガン鋼を溶製する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車などの軽量化を図るため、
加工性に優れしかも高張力である鋼板の開発が要求され
ている。マンガンの添加は鋼板の高張力化に有効であ
り、また、極低炭素鋼とすることにより鋼板の加工性が
向上する。このことから極低炭素高マンガン鋼の需要は
年々高まっている。極低炭素鋼の溶製は転炉出鋼後の溶
鋼を真空脱ガス装置により減圧処理して行われるのが一
般的である。しかし、極低炭素高マンガン鋼の溶製を同
様に真空処理で実施しようとすると、マンガン濃度が高
いことから以下の2点の問題が生じる。
【0003】先ず、マンガンの蒸気圧が高いために、真
空脱ガス装置における通常の雰囲気圧(30〜100P
a、Paはパスカル)で高マンガンの溶鋼を減圧処理す
ると溶鋼中のマンガンが急速に蒸発・損失してしまうと
いった問題がある。このようなマンガンの蒸発速度を低
下させるためには、脱ガス槽内の雰囲気圧を5000P
a以上に保つ必要があるが、そうすると平衡CO分圧
(以下Pcoと表す)を十分に低くできなくなり、極低炭
素域まで脱炭を行うのが困難になる。また、マンガンは
酸化されやすく、従来のRH−OB法のように、真空脱
ガス装置における減圧処理中に低炭素域から脱炭を促進
する目的で溶鋼に酸素を供給すると、その際に多くのマ
ンガンが酸化して、スラグ中に失われるといった問題が
ある。従って、これら蒸発・酸化といった2つの問題か
ら、従来の極低炭素高マンガン鋼の溶製は、マンガン源
を脱炭処理後に添加するようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、溶製コストを
低くおさえるには安価なフェロマンガンを使用すること
が望ましいが、フェロマンガンは高炭素であり、溶鋼へ
の炭素のピックアップがはげしいため脱炭の妨げとな
る。従って、従来の溶製方法では、脱炭処理後に添加す
るマンガン源として炭素含有量の少ない高価な金属マン
ガンを用いる必要があり、溶製のコストが増大するとい
う問題があった。本発明の目的は、以上のような課題を
解決し、極低炭素高マンガン鋼の安価な溶製方法を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、マンガン濃度が
1mass%以上の極低炭素高マンガン鋼を真空脱ガス装置
で脱炭処理しながら溶製するに際し、脱ガス槽内の雰囲
気圧を5000Pa以上40000Pa以下に保持しな
がら、不活性ガスと95vol%以下の酸素との混合ガス
を脱ガス槽内に供給して炭素濃度が300〜500pp
mになるまで脱炭を行い、その後、脱ガス槽内の雰囲気
圧を10000Pa以下に保持して脱ガス処理を行うよ
うにした。そして、酸素と不活性ガスの混合ガスは真空
脱ガス装置の上吹きランスから溶鋼表面に供給すること
とし、転炉出鋼時における溶鋼の炭素濃度(脱炭処理に
供する溶鋼の初期炭素濃度)を0.10mass%以上0.2
5mass%以下の範囲として極低炭素高マンガン鋼を溶製
する。
【0006】
【作用】真空脱ガス装置によって極低炭素域まで脱炭す
るためには、脱ガス槽内におけるPcoを低下させなけれ
ばならない。その方法として、脱ガス槽内を減圧する方
法と、不活性ガスによってCOガスを希釈する方法があ
る。図1に示したRH真空脱ガス装置を説明すると、脱
ガス槽1を取鍋2の溶鋼3に浸漬し、還流ガス羽口4か
らArガスなどの不活性ガスを供給することによって、
連続的に溶鋼3を脱ガス槽1内に吸い上げて脱ガスする
ようになっている。そして、上吹きランス5から溶鋼3
の表面に不活性ガスと酸素の混合ガスを供給することに
より脱炭を行うものである。
【0007】以上のような真空脱ガス装置において、本
発明者らは、脱ガス槽の内部を5000Pa以上に保ち
ながら、上吹きランスより不活性ガスと酸素の混合ガス
を供給することにより、溶鋼からのマンガンの蒸発・酸
化による損失を抑えることができ、炭素を優先的に酸化
・除去できるといった知見を既に得ている。しかし、炭
素濃度(以下[C]と記す)が300〜500ppm程
度まで脱炭が進行した低炭素域でさらに酸素を含有する
混合ガスを供給し続けると、鉄やマンガンの酸化損失が
著しくなるといった問題が生じてくる。そこで、[C]
が300〜500ppmとなった後は、脱ガス槽内の雰
囲気圧を10000Pa以下の高真空に保持することに
よって脱ガス処理を行い、溶鋼表面のPcoを低減させ
て、さらに極低炭素域まで脱炭を進行させる構成を採用
した。
【0008】なお、脱ガス槽内部の雰囲気圧の上限は4
0000Paとした。これは、それ以上の圧力とする
と、脱ガス槽内に溶鋼が実質的に環流しなくなり、ま
た、脱ガス槽内で爆発の危険性が生じることによるもの
である。また、上吹きランスから溶鋼の表面に吹き付け
られる混合ガスの酸素濃度が95%を越えると、Arに
よる希釈の効果がほとんど達成されず、マンガンと鉄の
酸化が著しくなって、純酸素を吹き付けた場合と精錬効
果が変わらない結果となる。そこで、上吹きランスから
の供給混合ガスの酸素濃度範囲は95vol%以下に保持
することとした。
【0009】そして、[C]が500ppm付近である
低炭素域から極低炭素域まで短時間で脱炭するために
は、脱ガス槽内をできるだけ高真空にして脱炭速度を向
上するとよい。このように脱ガス槽内を高真空とする
と、既に述べたように、蒸発によるマンガンの損失が問
題となるが、真空度を高くして脱炭速度を上げることに
より迅速な脱炭が行えるようになるので、処理時間を短
くでき、マンガンの蒸発損失量を実質的に少なくするこ
とが可能になる。
【0010】また、転炉出鋼時における溶鋼の[C]を
0.1mass%以上にすることによって、転炉吹錬末期に
おけるマンガンの酸化ロスをおさえることが可能にな
り、製鋼工程全体のコストを大幅に低減できるといった
特徴がある。
【0011】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。転炉出
鋼後の入鍋時において、炭素濃度[C]とマンガン濃度
[Mn]がそれぞれ0.215mass%と1.84mass%で
あった溶鋼90tをRH法真空脱ガス装置によって溶製
し、極低炭素高マンガン鋼を製造した。表1に示すごと
く、脱ガス槽内の圧力を5700Paとし、酸素33vo
l%残りArの混合ガスを上吹きランスから溶鋼表面に
吹き付けて11分間脱炭処理した。上吹きした混合ガス
の流量は3000Nm3/hである。こうして、[C]
が400ppmになるまで混合ガスを上吹きして脱炭を
行い、その後、脱ガス槽内の圧力を70Pa以下まで減
圧して、さらに12分間の脱ガス処理を行った。
【0012】
【表1】
【0013】また比較のために、転炉出鋼後の入鍋時に
おいて[C]と[Mn]がそれぞれ0.221mass%と
1.91mass%であった溶鋼を取鍋に入れ、脱ガス槽内
の圧力を6000Paとして上吹きランスから流量10
00Nm3/hで純酸素ガスを8.3分間溶鋼の表面に吹
き付けて脱炭し、その後、脱ガス槽内の圧力を70Pa
以下に低減して、さらに12.7分間の脱ガス処理を行
った。
【0014】以上の実施例と比較例における[C]と
[Mn]の変化とそれぞれの処理時間を表2に示した。
また、[C]と[Mn]の時間的変化はそれぞれ図2、
図3のようになった。
【0015】
【表2】
【0016】実施例、比較例とも比較的高い炭素濃度で
ある0.2mass%以上から50ppm前後の極低炭素濃
度域まで20分強の処理時間で迅速に脱炭することがで
きた。マンガンの減少量は比較例に比べて実施例の方が
かなり少なくすることができた。先ず、上吹き中におけ
るマンガンの損失量は、溶鋼の表面に純酸素を吹き付け
た比較例では0.26mass%とかなりの損失となったの
に比べて、酸素33vol%残りArの混合ガスを吹き付
けた本発明実施例にあっては、0.05mass%しかマン
ガンを損失せず、酸化損失量をはるかに低減することが
できた。
【0017】また、上吹き終了後の高真空処理時におい
ても、実施例、比較例とも同程度の雰囲気圧で処理した
にもかかわらず、比較例のマンガン損失量が0.09mas
s%となったのに対して、本発明実施例においては、0.
07mass%と比較例よりも少ない損失におさえることが
できた。これは、比較例は酸素上吹き時に鉄とマンガン
を多く損失するため、トップスラグ中のT.Feが上が
り、これが酸素源となって溶鋼中のマンガンを酸化した
からと考えられる。
【0018】しかして、真空脱ガス処理全体において、
比較例は0.37mass%のマンガンを失ったのに対し
て、本発明実施例のマンガンの減少量は0.12mass%
となり、比較例の約1/3とかなり少なくすることがで
きた。一方、脱炭速度は純酸素上吹きを行った比較例と
さほど変わりがない結果となり、効率的に劣ることがな
く、処理時間は延長しないことを確認した。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、溶鋼中のマンガンの損
失を極力少なくして極低炭素域まで脱炭することが可能
になる。従って、従来の溶製方法のように脱炭処理後に
おいて高価な金属マンガンを溶鋼に添加する必要がなく
なり、極低炭素高マンガン鋼の溶製のコストを低減でき
るといった特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】RH脱ガス装置の概略図
【図2】実施例と比較例における溶鋼中の炭素の経時変
化を示すグラフ
【図3】実施例と比較例における溶鋼中のマンガンの経
時変化を示すグラフ
【符号の説明】
1 脱ガス槽 2 取鍋 3 溶鋼 4 環流ガス羽口 5 上吹きランス

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マンガン濃度が1mass%以上の極低炭素
    高マンガン鋼を真空脱ガス装置で脱炭処理しながら溶製
    するに際し、脱ガス槽内の雰囲気圧を5000Pa以上
    40000Pa以下に保持しながら、不活性ガスと95
    vol%以下の酸素との混合ガスを脱ガス槽内に供給して
    炭素濃度が300〜500ppmになるまで脱炭を行
    い、その後、脱ガス槽内の雰囲気圧を10000Pa以
    下に保持して脱ガス処理を行うことを特徴とする極低炭
    素高マンガン鋼の溶製方法。
  2. 【請求項2】 混合ガスは上吹きランスから溶鋼表面に
    供給される請求項1に記載の極低炭素高マンガン鋼の溶
    製方法。
  3. 【請求項3】 脱炭処理に供される溶鋼の初期炭素濃度
    は0.10mass%以上0.25mass%以下である請求項1
    または2に記載の極低炭素高マンガン鋼の溶製方法。
JP8246593A 1993-03-18 1993-03-18 極低炭素高マンガン鋼の溶製方法 Withdrawn JPH06271923A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006152368A (ja) * 2004-11-29 2006-06-15 Jfe Steel Kk 低炭素高マンガン鋼の溶製方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006152368A (ja) * 2004-11-29 2006-06-15 Jfe Steel Kk 低炭素高マンガン鋼の溶製方法
JP4534734B2 (ja) * 2004-11-29 2010-09-01 Jfeスチール株式会社 低炭素高マンガン鋼の溶製方法

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