JPH06271353A - 耐火物製造用素材 - Google Patents

耐火物製造用素材

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JPH06271353A
JPH06271353A JP5082502A JP8250293A JPH06271353A JP H06271353 A JPH06271353 A JP H06271353A JP 5082502 A JP5082502 A JP 5082502A JP 8250293 A JP8250293 A JP 8250293A JP H06271353 A JPH06271353 A JP H06271353A
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JP
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refractory
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zro
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JP5082502A
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English (en)
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Hatsuo Taira
初雄 平
Shinichi Tamura
信一 田村
Atsushi Nakao
淳 中尾
Takeshi Matsui
剛 松井
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は製鉄プロセスの中で、DH,RH等
の溶鋼脱ガス処理炉に用いられ高耐食性を有する耐火物
製造用素材に関するものである。 【構成】 マグネシア、クロマイトからなる耐火原料
に、Cr成分を含有する金属を添加した素材において、
前記素材に対してCaO、MgO、Y23の1種または
2種以上を固溶する第IVa族金属酸化物を外掛で3〜
20容量%添加した耐火物製造用素材。第IVa族金属
酸化物としては、ZrO2及びまたはHfO2からなるこ
とを特徴とする耐火物製造用素材。 【効果】 本発明の耐火物素材は、低気孔率で緻密な高
耐食性のマグネシア・クロム質耐火物が安定的に製造で
き従来よりも25%以上の高耐食性化が可能で、これに
より鉄鋼の安定製造と製造コストの削減が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は製鉄プロセスの中で、D
H,RH等の溶鋼の脱ガス処理炉に用いられる耐火物素
材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より製鉄プロセスでは、転炉で精錬
した後、溶鋼中の不純物除去のために、DH,RH設備
等の真空容器で脱ガス処理を行っている。これら真空容
器の内張り材には、真空下で特に安定な材質が使用され
ている。マグネシア・クロマイト質の耐火物はこれらの
環境下で安定であり、溶鋼流に対する耐摩耗性にも優れ
ているため、一般的に使用されている。ところで、耐火
物の耐食性を左右する因子の一つとして気孔率がある。
すなわち、れんが組織内の気孔を介してスラグ・溶鋼等
の外来成分がれんが内に侵入し、更にれんが成分と反応
することによって、れんがが容易に損耗するため、気孔
率が小さい程、この現象を抑制でき、高耐食性となる。
【0003】マグネシア・クロマイト質れんがの場合、
低気孔率を得るための手段としては、従来より配合原料
を最密充填となる粒度に調整し、高圧プレスによって充
填成形し、これを超高温で焼成するのが普通である。こ
れらの耐火物素材以外に、鉄とクロムの合金であるフェ
ロクロムを添加した耐火物素材(特公昭44−1873
8号公報)や金属クロムと酸化クロムの混合物を添加し
た耐火物素材(特開昭62−207757号公報)やフ
ェロクロムと酸化クロムを添加した耐火物素材(特開平
03−48191号公報)等があり、これらはいずれも
添加された金属が酸化するとともに周囲のマグネシアと
反応してマグネシオクロマイトを生成して体積膨張し、
気孔を充填する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の耐火物素材によれば、添加金属の耐火物内部での反応
による組織の緻密化によって耐食性の向上が認められる
ものの、成形厚が100mm以上と成形体サイズが大き
くなると、焼成段階での成形体外表面の緻密化により、
添加した金属を酸化させるのに充分な酸素が外部から供
給されずに耐火物内部で金属の酸化が起こらない部分が
発生し、結果として金属の酸化による緻密化が起こら
ず、多孔質な組織が生成し、この多孔質部分では耐食性
が急激に低下するという問題点を抱えている。本発明で
は、添加した金属を耐火物素材の厚さに関係なく充分に
酸化させ組織の不均質を生成させない耐火物素材を提供
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するため、マグネシア、クロマイトからなる耐火原
料に、Cr成分を含有する金属を添加した素材におい
て、前記素材に対してCaO、MgO、Y23の1種ま
たは2種以上を固溶する第IVa族金属酸化物を外掛で
3〜20容量%添加することを特徴とし、そして第IV
a族金属酸化物としては、ZrO2及びまたはHfO2
あることを特徴とした耐火物製造用素材である。
【0006】
【実施例】本発明の実施例について、作用とともに以下
に説明する。 〔実施例1〕まず第1にCaOに固溶したZrO2 の作
用について、これを添加した素材を成形して焼成し、焼
成耐火物とする場合を例にとって説明する。
【0007】耐火原料として粒径0.1μm〜5mmの
粒度分布のMgO及びクロマイトを50重量%ずつ最密
充填になるように粒度配合をし、更に金属種として、粒
径100μmのフェロクロム粒子(金属Cr含有量65
重量%)に内掛を6重量%になるように添加した配合原
料を得た。この配合原料に、CaOを8重量%固溶させ
たZrO2(以下ZrO2−8wt%CaOと称する)を
外掛で0〜25容量%まで添加し、得られた原料を、1
ton/cm2 の圧力で一軸成形し、150×150×
150mmの耐火物製造用素材を得た。ついでこの素材
を昇温速度2℃/minの条件で大気雰囲気中1850
℃で4時間焼成し、得られた焼結体の気孔率及び断面観
察による組織の均質性を調査した。結果を表1に示す。
【0008】
【表1】
【0009】表1の結果からも明かなように、本発明の
組成であるZrO2 −8wt%CaOを3容量%添加し
た試料(No.1)〜20容量%添加した試料(No.
5)までは、気孔率が最大でも12.5%と低くかつ組
織の不均質も認められなかった。一方、比較例となるZ
rO2 −8wt%CaOを添加していない試料(No.
6)や、ZrO2 −8wt%CaOを25容量%添加し
た試料(No.7)では気孔率も14.5%以上と高く
また、ZrO2 −8wt%CaOを添加していなた試料
(No.6)には組織の不均質が認められた。
【0010】まず、これらの実験より組織の不均質に関
してはZrO2 −8wt%CaOを3容量%以上添加す
ると消滅した。これは耐火物の外表面が緻密化しても、
耐火物外部が曝されている酸素分圧と耐火物内部の酸素
分圧の差により、添加したZrO2−8wt%CaOが
酸素導電体として作動し、ZrO2−8wt%CaOが
3容量%以上存在することで耐火物内部に酸素を供給す
るネットワークがつくられたためである。その結果、組
織が均質になった。ところが、ZrO2 −8wt%Ca
Oが25容量%になると、この添加したZrO2 −8w
t%CaOとMgOやクロマイトとの熱膨潤差起因で、
焼成後の冷却段階で耐火物内部に空隙が生じるため、気
孔率が増大したものと考えられる。これらの結果よりZ
rO2 −8wt%CaOを3〜20容量%添加した試料
では、組織が均質となりまた添加した金属の酸化による
緻密化を達成した。
【0011】〔実施例2〕次に、MgOを固溶したZr
2 を用いた実施例を説明する。添加する金属種として
粒径80μmのステレンス鋼粒子(SUS310S相当
品)を用いた。用いたステンレス鋼粒子の代表的組成と
しては、Crを25重量%、Niを22重量%含んでい
る。耐火原料として粒径0.1μm〜5mmの粒度分布
のMgO及びクロマイトを50重量%ずつ最密充填にな
るように粒度配合をし、更に前述のステンレス鋼粒子を
内掛で4重量%になるように添加した配合原料を得た。
この配合原料に、MgOを10重量%固溶したZrO2
(以下ZrO2−10wt%MgOと称する)を外掛で
0〜25容量%まで添加し、得られた原料を、1ton
/cm2 の圧力で一軸成形し、150×150×150
mmの耐火物製造用素材を得た。ついでこの素材を昇温
速度2℃/minの条件で大気雰囲気中1850℃で4
時間焼成し、得られた焼結体の気孔率及び断面観察によ
る組織の均質性を調査した。結果を表2に示す。
【0012】
【表2】
【0013】表2の結果からも明かなように、本発明の
組成であるZrO2 −10wt%MgOを3容量%添加
した試料(No.8)〜20容量%添加した試料(N
o.12)までは、気孔率が最大でも12.7%と低く
かつ組織の不均質も認められなかった。一方、比較例と
なるZrO2 −10wt%MgOを添加していない試料
(No.13)や、ZrO2 −10wt%MgOを25
容量%添加した試料(No.14)では気孔率も14.
8%以上と高くまた、ZrO2 −10wt%MgOを添
加していない試料(No.13)には組織の不均質が認
められた。
【0014】まず、これらの実験より組織の不均質に関
してはZrO2 −10wt%MgOを3容量%以上添加
すると消滅した。これは耐火物の外表面が緻密化して
も、耐火物外部が曝されている酸素分圧と耐火物内部の
酸素分圧の差により、添加したZrO2 −10wt%M
gOが酸素導電体として作動し、ZrO2 −10wt%
MgOが3容量%以上存在することで耐火物内部に酸素
を供給するネットワークがつくられたためである。その
結果、組織が均質になった。ところが、ZrO2−10
wt%MgOが25容量%になると、この添加したZr
2 −10wt%MgOとMgOやクロマイトとの熱膨
潤差起因で、焼成後の冷却段階で耐火物内部に空隙が生
じるため、気孔率が増大した。これらの結果よりZrO
2 −10wt%MgOを3〜20容量%添加した試料で
は、組織が均質となりまた添加した金属の酸化による緻
密化を達成した。
【0015】〔実施例3〕次に、Y23を固溶したZr
2 の実施例を説明する。添加する金属種として粒径1
00μmの金属Cr粒子(Cr純度98%)を用いた。
耐火原料として粒径0.1μm〜5mmの粒度分布のM
gO及びクロマイトを50重量%ずつ最密充填になるよ
うに粒度配合をし、更に前述の金属Cr粒子を内掛で5
重量%になるように添加した配合原料を得た。この配合
原料に、Y23を8重量%固溶したZrO2 (以下Zr
2 −8wt%Y23と称する)を外掛で0〜25容量
%まで添加し、得られた原料を、1ton/cm2 の圧
力で一軸成形し、150×150×150mmの耐火物
製造用素材を得た。ついでこの素材を昇温速度2℃/m
inの条件で大気雰囲気中1850℃で4時間焼成し、
得られた焼結体の気孔率及び断面観察による組織の均質
性を調査した。結果を表3に示す。
【0016】
【表3】
【0017】表3の結果からも明かなように、本発明の
組成であるZrO2 −8wt%Y23 を3容量%添加
した試料(No.15)〜20容量%添加した試料(N
o.19)までは、気孔率が最大でも11.5%と低く
かつ組織の不均質も認められなかった。一方、比較例と
なるZrO2 −8wt%Y23を添加していない試料
(No.20)や、ZrO2 −8wt%Y23を25容
量%添加した試料(No.21)では気孔率も13.9
%以上と高くまた、ZrO2 −8wt%Y23を添加し
ていない試料(No.20)には組織の不均質が認めら
れた。
【0018】まず、これらの実験より組織の不均質に関
してはZrO2 −8wt%Y23を3容量%以上添加す
ると消滅した。これは耐火物の外表面が緻密化しても、
耐火物外部が曝されている酸素分圧と耐火物内部の酸素
分圧の差により、添加したZrO2 −8wt%Y23
酸素導電体として作動し、ZrO2 −8wt%Y23
3容量%以上存在することで耐火物内部に酸素を供給す
るネットワークがつくられる。その結果、組織が均質に
なった。ところが、ZrO2 −8wt%Y23が25容
量%になると、この添加したZrO2 −8wt%Y23
とMgOやクロマイトとの熱膨潤差起因で、焼成後の冷
却段階で耐火物内部に空隙が生じるため、気孔率が増大
した。これらの結果よりZrO2 −8wt%Y23を3
〜20容量%添加した試料では、組織が均質となりまた
添加した金属の酸化による緻密化を達成した。以上説明
してきたように、CaO、MgO、Y23等で安定化さ
れた酸素導伝機能を有するZrO2 を3〜20容量%添
加することにより、組織は均質化し、緻密な焼結体が得
られた。
【0019】〔実施例4〕次に、CaOを固溶したHf
2 の実施例を説明する。耐火原料として粒径0.1μ
m〜5mmの粒度分布のMgOを60重量%、クロマイ
トを40重量%の比率で最密充填になるように粒度配合
をし、更に金属種として、粒径100μmのフェロクロ
ム粒子(金属Cr含有量65重量%)を内掛で4重量%
になるように添加した配合原料を得た。この配合原料
に、CaOを8重量%固溶したHfO2 (以下HfO2
−8wt%CaOと称する)を外掛で0〜25容量%ま
で添加し、得られた原料を、1ton/cm2 の圧力で
一軸成形し、150×150×150mmの耐火物製造
用素材を得た。ついでこの素材を昇温速度2℃/min
の条件で大気雰囲気中1850℃で4時間焼成し、得ら
れた焼結体の気孔率及び断面観察による組織の均質性を
調査した。結果を表4に示す。
【0020】
【表4】
【0021】表4の結果からも明かなように、本発明の
組成であるHfO2 −8wt%CaOを3容量%添加し
た試料(No.22)〜20容量%添加した試料(N
o.26)までは、気孔率が最大でも12.0%と低く
かつ組織の不均質も認められなかった。一方、比較例と
なるHfO2 −8wt%CaOを添加していない試料
(No.5)や、HfO2 −8wt%CaOを25容量
%添加した試料(No.28)では気孔率も14.9%
以上と高くまた、HfO2 −8wt%CaOを添加して
いない試料(No.27)には組織の不均質が認められ
た。
【0022】まず、これらの実験より組織の不均質に関
してはHfO2 −8wt%CaOを3容量%以上添加す
ると消滅した。これは耐火物の外表面が緻密化しても、
耐火物外部が曝されている酸素分圧と耐火物内部の酸素
分圧の差により、添加したHfO2 −8wt%CaOが
酸素導電体として作動し、HfO2 −8wt%CaOが
3容量%以上存在することで耐火物内部に酸素を供給す
るネットワークがつくられた。その結果、組織が均質に
なった。ところが、HfO2 −8wt%CaOが25容
量%になると、この添加したHfO2 −8wt%CaO
とMgOやクロマイトとの熱膨潤差起因で、焼成後の冷
却段階で耐火物内部に空隙が生じるため、気孔率が増大
した。これらの結果よりHfO2 −8wt%CaOを3
〜20容量%添加した試料では、組織が均質となりまた
添加した金属の酸化による緻密化を達成した。
【0023】〔実施例5〕次に、MgOを固溶したHf
2 の実施例を説明する。添加する金属種として粒径8
0μmのステンレス鋼粒子(SUS310S相当)を用
いた。用いたステンレス鋼粒子の代表的組成としては、
Crを25重量%、Niを22重量%含んでいる。次
に、耐火原料として粒径0.1μm〜5mmの粒度分布
のMgOを60重量%、クロマイトを40重量%の比率
で最密充填になるように粒度配合をし、更に前述のステ
ンレス鋼粒子を内掛で4重量%になるように添加した配
合原料を得た。この配合原料に、MgOを10重量%固
溶したHfO2 (以下HfO2−10wt%MgOと称
する)を外掛で0〜25容量%まで添加し、得られた原
料を、1ton/cm2 の圧力で一軸成形し、150×
150×150mmの耐火物製造用素材を得た。ついで
この素材を昇温速度2℃/minの条件で大気雰囲気中
1850℃で4時間焼成し、得られた焼結体の気孔率及
び断面観察による組織の均質性を調査した。結果を表5
に示す。
【0024】
【表5】
【0025】表5の結果からも明かなように、本発明の
組成であるHfO2 −10wt%MgOを3容量%添加
した試料(No.29)〜20容量%添加した試料(N
o.33)までは、気孔率が最大でも12.0%と低く
かつ組織の不均質も認められなかった。一方、比較例と
なるHfO2 −10wt%MgOを添加していない試料
(No.34)や、HfO2 −10wt%MgOを25
容量%添加した試料(No.35)では気孔率も15.
1%以上と高くまた、HfO2 −10wt%MgOを添
加していない試料(No.34)には組織の不均質が認
められた。
【0026】まず、これらの実験より組織の不均質に関
してはHfO2 −10wt%MgOを3容量%以上添加
すると消滅した。これは耐火物の外表面が緻密化して
も、耐火物外部が曝されている酸素分圧と耐火物内部の
酸素分圧の差により、添加したHfO2 −10wt%M
gOが酸素導電体として作動し、HfO2 −10wt%
MgOが3容量%以上存在することで耐火物内部に酸素
を供給するネットワークがつくられたためである。その
結果、組織が均質になった。ところが、HfO2−10
wt%MgOが25容量%になると、この添加したHf
2 −10wt%MgOとMgOやクロマイトとの熱膨
潤差起因で、焼成後の冷却段階で耐火物内部に空隙が生
じるため、気孔率が増大した。これらの結果よりHfO
2 −10wt%MgOを3〜20容量%添加した試料で
は、組織が均質となりまた添加した金属の酸化による緻
密化を達成した。
【0027】〔実施例6〕次に、Y23を固溶したHf
2 の実施例を説明する。添加する金属種として粒径1
00μmの金属Cr粒子(Cr純度98%)を用いた。
耐火原料として粒径0.1μm〜5mmの粒度分布のM
gOを60重量%、クロマイトを40重量%の比率で最
密充填になるように粒度配合をし、更に前述の金属Cr
粒子を内掛で4重量%になるように添加した配合原料を
得た。この配合原料に、Y23を8重量%固溶したHf
2 (以下HfO2 −8wt%Y23と称する)を外掛
で0〜25容量%まで添加し、得られた原料を、1to
n/cm2 の圧力で一軸成形し、150×150×15
0mmの耐火物製造用素材を得た。ついでこの素材を昇
温速度2℃/minの条件で大気雰囲気中1850℃で
4時間焼成し、得られた焼結体の気孔率及び断面観察に
よる組織の均質性を調査した。結果を表6に示す。
【0028】
【表6】
【0029】表6の結果からも明かなように、本発明の
組成であるHfO2−8wt%Y23 を3容量%添加し
た試料(No.36)〜20容量%添加した試料(N
o.40)までは、気孔率が最大でも11.2%と低く
かつ組織の不均質も認められなかった。一方、比較例と
なるHfO2 −8wt%Y23を添加していない試料
(No.41)や、HfO2 −8wt%Y23を25容
量%添加した試料(No.42)では気孔率も15.3
%以上と高くまた、HfO2 −8wt%Y23を添加し
ていない試料(No.41)には組織の不均質が認めら
れた。
【0030】まず、これらの実験より組織の不均質に関
してはHfO2 −8wt%Y23を3容量%以上添加す
ると消滅した。これは耐火物の外表面が緻密化しても、
耐火物外部が曝されている酸素分圧と耐火物内部の酸素
分圧の差により、添加したHfO2 −8wt%Y23
酸素導電体として作動し、HfO2 −8wt%Y23
3容量%以上存在することで耐火物内部に酸素を供給す
るネットワークがつくられたためである。その結果、組
織が均質になった。ところが、HfO2 −8wt%Y2
3が25容量%になると、この添加したHfO2 −8
wt%Y23とMgOやクロマイトとの熱膨潤差起因
で、焼成後の冷却段階で耐火物内部に空隙が生じるた
め、気孔率が増大した。これらの結果よりHfO2 −8
wt%Y23を5〜20容量%添加した試料では、組織
が均質となりまた添加した金属の酸化による緻密化を達
成した。
【0031】〔実施例7〕次にMgOを固溶したZrO
2 とY23を固溶したHfO2 を同時に添加した実施例
を説明する。添加する金属種として粒径100μmの金
属Cr粒子(Cr純度98%)を用いた。耐火原料とし
て粒径0.1μm〜5mmの粒度分布のMgOを60重
量%、クロマイトを40重量%の比率で最密充填になる
ように粒度配合をし、更に前述の金属Cr粒子を内掛で
4重量%になるように添加した配合原料を得た。この配
合原料に、ZrO2 −10wt%MgOとHfO2 −8
wt%Y23の合量を外掛で0〜25容量%まで添加
し、得られた原料を、1ton/cm2 の圧力で一軸成
形し、150×150×150mmの耐火物製造用素材
を得た。ついでこの素材を昇温速度2℃/minの条件
で大気雰囲気中1850℃で4時間焼成し、得られた焼
結体の気孔率及び断面観察による組織の均質性を調査し
た。結果を表7に示す。
【0032】
【表7】
【0033】表7の結果からも明かなように、本発明の
組成であるZrO2 −10wt%MgOとHfO2 −8
wt%Y23を合量で3容量%添加した試料(No.4
3、44)〜同様にZrO2 −10wt%MgOとHf
2 −8wt%Y23を合量で20容量%添加した試料
(No.46、47)までは、気孔率が最大でも11.
0%と低くかつ組織の不均質も認められなかった。一
方、比較例となるZrO2 −10wt%MgOやHfO
2 −8wt%Y23を添加していない試料(No.4
1)や、ZrO2 −10wt%MgOとHfO2 −8w
t%Y23を合量で25容量%添加した試料(No.4
8、49、50)では気孔率も15.0%以上と高くま
た、ZrO2 −10wt%MgOやHfO2 −8wt%
23を添加していない試料(No.41)には組織の
不均質が認められた。
【0034】まず、これらの実験より組織の不均質に関
してはZrO2 −10wt%MgOとHfO2 −8wt
%Y23を合量で3容量%以上添加すると消滅した。こ
れは耐火物の外表面が緻密化しても、耐火物外部が曝さ
れている酸素分圧と耐火物内部の酸素分圧の差により、
添加したZrO2 −10wt%MgOやHfO2 −8w
t%Y23が酸素導電体として作動し、ZrO2 −10
wt%MgOとHfO2 −8wt%Y23の合量が3容
量%以上存在することで耐火物内部に酸素を供給するネ
ットワークがつくられたためである。その結果、組織が
均質になった。ところが、ZrO2 −10wt%MgO
とHfO2 −8wt%Y23の合量が25容量%になる
と、この添加したHfO2 −8wt%Y23とMgOや
クロマイトとの熱膨潤差起因で、焼成後の冷却段階で耐
火物内部に空隙が生じるため、気孔率が増大した。これ
らの結果よりZrO2 −10wt%MgOとHfO2
8wt%Y23を5〜20容量%添加した試料では、組
織が均質となりまた添加した金属の酸化による緻密化を
達成した。
【0035】〔実施例8〕耐火原料として粒径0.1μ
m〜5mmの粒度分布のMgO及びクロマイトを50重
量%ずつ最密充填になるように粒度配合をし、更に金属
種として、粒径100μmのフェロクロム粒子(金属C
r含有量65重量%)を内掛で6重量%になるように添
加した配合原料を得た。この配合原料に、ZrO2 −8
wt%CaOを外掛で5容量%添加した原料、及び添加
していない原料を、1ton/cm2の圧力で一軸成形
し、150×150×150mmの耐火物製造用素材を
得た。
【0036】ついでこの素材を昇温速度2℃/minの
条件で大気雰囲気中1850℃で4時間焼成し、真空溶
解炉のスラグラインの内張り材として使用し、その損耗
速度を比較した。得られた結果を表8に示す。本発明に
よる素材を使用したれんがは、ZrO2 −8wt%Ca
Oを添加していないれんがに比べて溶損速度が25%小
さく、高耐食性を示した。
【0037】
【表8】
【0038】以上説明してきたように、CaO、Mg
O、Y23等で安定化されたHfO2を3〜20容量%
添加することにより、組織は均質化し、緻密な焼結体を
得られた。本発明に使用できる酸素導伝体としては、こ
の他、Yb23、Gd23、Nd23、Sc29で安定
化されたZrO2 やHfO2 、または、La1-xSrx
lO3-x/2 等もあり、本発明に供し得る(「エレクトロ
セラミックス」、1984年11月10日発行、技報堂
出版、頁29〜頁30)。
【0039】
【発明の効果】本発明の耐火物素材は、低気孔率で緻密
な高耐食性のマグネシア・クロム質耐火物が安定的に製
造でき、従来よりも25%以上の高耐食性化が可能で、
これにより鉄鋼の安定製造と製造コストの削減が可能と
なる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松井 剛 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マグネシア、クロマイトからなる耐火原
    料に、Cr成分を含有する金属を添加した耐火物製造用
    素材において、該耐火物製造用素材に対してCaO、M
    gO、Y23の1種または2種以上を固溶する第IVa
    族金属酸化物を外掛で3〜20容量%添加することを特
    徴とする耐火物製造用素材。
  2. 【請求項2】 第IVa族金属酸化物は、ZrO2及び
    またはHfO2であることを特徴とする請求範囲第1項
    記載の耐火物製造用素材。
JP5082502A 1993-03-18 1993-03-18 耐火物製造用素材 Withdrawn JPH06271353A (ja)

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