JPH06270548A - 写真陶磁器とその製造方法 - Google Patents

写真陶磁器とその製造方法

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JPH06270548A
JPH06270548A JP5056878A JP5687893A JPH06270548A JP H06270548 A JPH06270548 A JP H06270548A JP 5056878 A JP5056878 A JP 5056878A JP 5687893 A JP5687893 A JP 5687893A JP H06270548 A JPH06270548 A JP H06270548A
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JP
Japan
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heat
pigment
transfer film
transfer
ink
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JP5056878A
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Toshiaki Aono
俊明 青野
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】陶磁器上に、写真様の画像を形成する方法及び
それにより画像の形成された陶磁器を提供する。 【構成】絵付け用顔料を含有する熱溶融性インキ層を少
なくとも一層有する熱転写インクシートの該熱溶融性イ
ンク層塗布面と、該熱溶融性インキに対して感熱接着性
のある転写フイルム表面を重ね合わせ、該熱転写インク
シート側から画像情報に対応したレーザー光を照射し、
該熱転写インクシート及び/又は該転写フイルム中で光
を熱に変換し、此の熱により該熱溶融性インクを溶融
し、該転写フイルム上に顔料像を転写する工程と、該転
写フィルムを陶磁器上に接着する工程と、該陶磁器を焼
成し、上記転写フィルムを蒸発または焼却により除去す
るとともに絵付け用顔料を陶磁器表面に焼結する工程と
を有することを特徴とする写真陶磁器の製造方法および
それにより得られた陶磁器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は板状および曲面を有する
陶磁器あるいはガラス製品などのセラミックス材料上
に、黒白およびカラーの絵付け用の顔料像を焼結により
形成する写真陶磁器の製造方法と該方法により製造され
た写真陶磁器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】陶磁器板に写真様の黒白およびカラー画
像を形成する方法としては、通常の黒白またはカラー画
像の形成された印画紙の紙部を除去して陶磁器表面に接
着し、この表面を紫外線硬化樹脂によりラミネートし、
写真を保護する方法が取られているが、耐光性、耐熱性
の点で不十分であった。また、特開平2−252683
記載の方法、即ち、陶磁器の表面に感光性のフィルムを
付着させ、色分解されたリスフィルム通して網点露光し
た後このフィルムを現像し、現れた画像に応じて順次絵
付け用無機顔料を載せて焼成する方法が提案されてい
る。あるいは、上記感光性フィルムの代わりに感光性ポ
リマーを直接陶磁器上に塗設し、網点露光した後現像処
理し、上記と同様に顔料像の形成、焼成をする方法が特
開昭62−246887により提案されている。これら
の方法により形成された画像(陶磁器写真)は保存性が
極めて優れており半永久的である。しかし、これらの方
法は、カラー原稿を色分解したリスフィルムを数枚作製
しなければならない。また、現像処理された感光性フィ
ルムの表面に付着させる顔料の微妙な量のコイントロー
ルが難しく、再現性が乏しいために、作製を繰りかえさ
なければならないことが多い。更に、各顔料層の形成及
び焼成をそれぞれ繰り返し行なわなければならない。従
って、製造コストも高いという問題があった。更に、ス
クリーン印刷、あるいはグラビア印刷の手法で転写紙上
に絵付け用顔料を主体とするインクで印刷を行い、その
転写紙を陶磁器上に接着し焼成する方法が提案されてい
る。此の方法により形成された画像も上記と同様に画像
は半永久的の耐久性を有しているが、上記と同様にカラ
ー原稿を色分解したリスフィルムを数枚作製しなければ
ならず、顔料像の形成、焼成を繰り返さなければならな
い。更に、絵付け用顔料により網目の目詰まりを生じる
ためにスクリーンの網目を十分小さくすることができな
いために、解像力にすぐれた鮮明な写真様の再現は難し
いという問題があった。
【0003】更に、溶融型感熱転写方式を利用して絵付
け用顔料像を形成し、それをセラミックス部材上に固定
し焼成して陶磁器写真を製造する方法について特開平2
−192482および特開平3−47798に開示され
ている。特開平2−192482には、セラミック部材
に直接顔料像を形成できない場合、一旦紙あるいはプラ
スチックスシートなどのベースに水性の糊剤をコートし
て、その表面に顔料像を形成し、更にその表面に非水溶
性樹脂をオーバーコートしたのち、水に浸して前記ベー
スを除去し樹脂層を画像と共にセラミック部材に糊剤な
どにより仮固定し、焼成して陶磁器写真を作製する方法
が示されている。又、特開平3−47798には、熱ペ
ン、アイロン、サーマルプリンター及びサーマルファク
シミリなどのサーマル印字システムにより、有機フイル
ム上に絵付け用の無機顔料を含む溶融型感熱転写インク
層を所定の図柄に基づいて転写して、顔料像(モノカラ
ー)を有する陶磁器用転写紙の作製方法について開示し
ている。しかしながら、上記熱転写方法おいては、階調
を有する画像を形成するためは、インク層をドット状に
転写し、そのどっとの大きさあるいは数等を調節して各
画素の濃度を表すことが必要となる、即ち面積階調で写
真用の画像を表現することが必要となるが、上記のごと
きサーマルヘッドなどによる印字では、その画素の大き
さに限界があり、写真様の十分な階調表現、解像度が必
ずしも得られないという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、簡易な工程により、陶磁器上に、階調表現及び解像
度に優れた写真様の画像を形成する方法及びその方法に
よって画像の形成された陶磁器(写真陶磁器)を提供す
ることにある。本発明の第2の目的は、製造コストの安
い写真陶磁器及びその製造方法を提供することにある。
本発明の第3の目的は、色合わせが容易で、再現性の優
れた写真陶磁器及びその製造方法を提供することにあ
る。本発明の第4の目的は、解像力の優れた鮮明な写真
陶磁器及びその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、絵付け用
顔料を含有する熱溶融性インキ層を少なくとも一層有す
る熱転写インクシートの該熱溶融性インク層塗布面と、
該熱溶融性インキに対して感熱接着性のある転写フイル
ム表面を重ね合わせ、該熱転写インクシート側から画像
情報に対応したレーザー光を照射し、該熱転写インクシ
ート及び/又は該転写フイルム中で光を熱に変換し、此
の熱により該熱溶融性インクを溶融し、該転写フイルム
上に顔料像を転写する工程と、該転写フィルムを陶磁器
上に接着する工程と、該陶磁器を焼成し、上記転写フィ
ルムを蒸発または焼却により除去するとともに絵付け用
顔料を陶磁器表面に焼結する工程とを有することを特徴
とする写真陶磁器の製造方法及び該方法より製造された
写真陶磁器により達成された。
【0006】以下本発明について詳しく説明する。本発
明の陶磁器上に作製する画像としては、電子画像に変換
出来るものならどの様なものでも適用することができ
る。即ち、黒白及びカラー写真、印刷物、絵画等はスキ
ャナーにより読み取り電気信号に変換する。この時、画
像がカラーの場合、色分解して読み取る。電子スチルカ
メラ、ビデオカメラ等で撮影した画像やコンピューター
により作製した画像(CG)なども適用できる。
【0007】本発明においては、先ず、絵付け用顔料を
含有する熱溶融性インキ層を少なくとも一層有する熱転
写インクシートの該熱溶融性インク層塗布面と、該熱溶
融性インキに対して感熱接着性のある転写フイルム表面
を重ね合わせ、該熱転写インクシート側から画像情報に
対応したレーザー光を照射し、該熱転写インクシート及
び/又は該転写フイルム中で光を熱に変換し、此の熱に
より該熱溶融性インクを溶融し、該転写フイルム上に顔
料像を転写する。
【0008】本発明に使用するレーザーは、該熱溶融性
インク層の吸収する波長範囲で発光する市販のレーザー
装置が選択され用いられる。例えば、442nmに発振
波長を有するHe−Cdレーザー、488nm及び51
5nmに発振波長を有するアルゴンレーザー、510n
m及び578nmに発振波長を有する銅蒸気レーザー、
543nm及び632nmに発振波長を有するHe−N
eレーザー、694nmに発振波長を有するルビーレー
ザー、647nmに発振波長を有するクリプトンレーザ
ー、628nmに発振波長を有する金蒸気レーザー、6
60nmに発振波長を有するAlGaInP 半導体レーザー、
750〜870nmの赤外光領域で発振するガリウム−
ヒ素のような半導体レーザーなどが有効に用いられる。
また、色素レーザーをもちいれば、レーザーに色素を適
当に選べば、それぞれのインク層の吸収に合った発振波
長のレーザーを用いることができる。また、赤、緑、青
光の3つの波長のレーザー光を発振するいわゆる白色レ
ーザーを用いることもできる。しかしながら、実用的に
は、小型、低コスト、安定性、信頼性、耐久性及び変調
の容易さ等の点で半導体レーザーが有利である。また、
レーザー光の波長を変換する素子(有機または/および
無機の非線形光学素子)とレーザー発振装置を組み合わ
せて適当な波長のレーザー光を得ることもできる。これ
らの材料については例えば“有機非線形光学材料”(梅
垣真佑著、ぶんしん出版 1990)に記載されてい
る。
【0009】本発明に用いる該絵付け用顔料を含む熱溶
融性インク層を有する熱転写インクシートは、バック層
として耐熱滑性層を有する支持体上に少なくとも一層の
絵付け用顔料を含む熱溶融性インク層を有する。本発明
に用いる溶融型熱転写インクシートの熱溶融性インク層
は、微分散された絵付け用顔料とビヒクルとからなり、
必要に応じて種々の添加剤を加えることができる。
【0010】本発明に用いる絵付け用顔料は、シアン、
イエロー、マゼンタ(又は特色赤)の他に、場合によっ
ては黒の無機系の顔料も用いることができるが、更に顔
料にガラス(融剤)を加えてもよい。
【0011】ビヒクルとしては、天然及び合成のワック
スを主成分とし、その他乾性油、樹脂、鉱油、セルロー
ス及びゴムの誘導体等の単独又はそれらの混合物が用い
られる。該ワックスとしては、例えば、パラフィンワッ
クス、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワック
ス、キャンデリラワックス、ライスワックス、フィッシ
ャートロプシュワックス、蜜蝋、木蝋、鯨蝋、イボタロ
ウ、羊毛ロウ、セラックワックス、ベトロラクタム、ポ
リエステルワックス、ラノリン、低分子量ポリエチレン
ワックス、アミドワックス、エステルワックス、酸化ポ
リエチレンワックス、ロジン、ロジンメチロール化アマ
イド、エステルガム、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステ
ル、高級アルコール、エポキシ樹脂ステアリン酸エステ
ル等を挙げることができる。また、本発明の熱溶融性イ
ンク層には、比較的低融点の熱可塑性樹脂、例えば、低
分子量の石油樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステ
ル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、
スチレン−マレイン酸−アクリル酸エステル共重合体、
ポリアミド樹脂、低Tgのポリエステル樹脂、各種のオ
リゴマー等を添加してインクの転写紙への接着性を向上
させることができる。
【0012】本発明に用いる溶融型熱転写インクシート
の熱溶融性インク層に用いる添加剤としては、酸化防止
剤、分散剤、滑剤、可塑剤、防黴剤、マット剤、各種界
面活性剤等を必要に応じて適当量添加することができ
る。
【0013】本発明に用いる溶融型熱転写インクシート
の支持体としては、従来公知のものがいずれも使用でき
る。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミ
ド、ポリカーボネート、グラシン紙、セルロースエステ
ル、フッ素ポリマー、ポリエーテル、ポリアセタール、
ポリオレフィン、ポリイミド、ポリフェニレンサルファ
イド、ポリプロピレン、ポリスルフォン、セロファン、
ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。本発明に用
いる溶融型熱転写インクシートの支持体の厚みとして
は、一般に2〜30μmである。必要に応じて下塗り層
を付与してもよい。
【0014】本発明に用いる溶融型熱転写インクシート
上に塗布される熱溶融性インク層と支持体との間に、熱
溶融性剥離層を設けることもできる。該熱溶融性剥離層
としては、上記熱溶融性インク層に用い得るワックス類
を用いることができ、さらに上記熱可塑性樹脂を添加し
てもよい。
【0015】本発明の陶磁器上に作製する画像がカラー
の場合、その顔料像を転写フィルム上に作製する溶融転
写用熱転写インクシートは、シアン、イエロー、マゼン
タ(または特色赤)、場合によりブラックの絵付け用顔
料が分散された熱溶融性インク層がそれぞれ面順次に塗
設されたものを用いる。
【0016】上記の如く作製された溶融転写用熱転写イ
ンクシートを用い、感熱転写用プリンターにより、色分
解されたシアン、マゼンタ、イエロー(場合により更に
ブラック)の画像の電気信号に基づいて、それぞれに対
応した顔料層を転写フィルムに転写する。
【0017】本発明に用いる転写フィルムは、通常、吸
水性の紙支持体上に塗設された水可溶性の接着剤層を介
して塗布又はラミネートによって設けられるが、溶融転
写用熱転写インクシート用として挙げた上記各種樹脂か
らなる薄層フィルムを直接用いることもできる。該水可
溶性の接着剤としては、アラビアゴム、デキストリン、
デンプン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルア
ルコール、高分子量のポリエチレンオキサイドなどの水
溶性樹脂、あるいは水溶性基を有するシリコーン樹脂等
が用いられる。水可溶性の接着剤層の膜厚としては0.
1〜10μm、好ましくは0.5〜5μmである。該転
写フィルムとしては、耐水性、耐熱性且つ上記熱溶融性
インクが付着し易く、更に焼成温度以下で分解燃焼ある
いは蒸発する樹脂が用いられる。例えば、アクリル系樹
脂、ウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、酢酸ビニル系
樹脂が好ましく用いられる。該転写フィルムとして適し
たフィルムの膜厚は、一般に1〜30μm、好ましくは
2〜20μm、特に好ましくは3〜15μmである。水
溶性の接着剤層を介して紙支持体上に設けられた転写フ
ィルム表面に顔料像を形成後、水等に漬けて転写フィル
ムを紙支持体より剥離して用いる。
【0018】本発明の陶磁器上に作製する画像が多色の
カラー画像の場合、同一の転写フィルム上に複数色の顔
料像を形成してもよし、あるいはそれぞれ別の転写フィ
ルム上に顔料像を作製し、一色ずつ陶磁器に接着、焼成
を繰り返すか、或いは転写フィルムを複数枚重ねて一度
に焼成することもできる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の具体例に基づいて更に詳しく
説明する。
【0020】実施例1 (溶融転写用熱転写インクシートの作製)厚さ25μ
m、幅95mmのポリエステルフィルムを支持体とし、こ
の支持体の耐熱滑層を設けた側と反対側の面に、墨版用
グラビアインクにて20mm長の検知マークと下記組成の
熱溶融性剥離層を100℃で溶融し塗布量1g/m2とな
るように塗布した。 熱溶融性剥離層塗布液組成 カルナバワックス 19重量部 エチレン酢酸ビニル共重合体 1重量部 イソプロパノール 60重量部 水 100重量部
【0021】次に下記熱溶融性インク層インク組成物を
65℃に保温してコロイドミルで一晩分散後、固形塗布
量が4g/m2となるようにホットラッカーグラビアコー
ト法により長さ170mmで面順次に塗布して溶融型熱転
写インクシートAを得た。 熱溶融性インク層形成用シアンインク組成物 絵付け用シアン顔料(ツバメ印上絵具緑青) 60重量部 パラフィンワックス 135 融点58℃(日本製蝋製) 18重量部 エチレン−酢酸ビニル共重合体 4重量部 カルナバワックス 18重量部 キシレン 30重量部 イソプロパノール 6重量部 熱溶融性インク層形成用イエローインク組成物 絵付け用イエロー顔料(ツバメ印上絵具中黄) 60重量部 パラフィンワックス 135 融点58℃(日本製蝋製) 18重量部 エチレン−アクリレート共重合体 4重量部 カルナバワックス 18重量部 キシレン 30重量部 イソプロパノール 6重量部 熱溶融性インク層形成用マゼンタインク組成物 絵付け用マゼンタ顔料(ツバメ印上絵具ピンク) 60重量部 パラフィンワックス 135 融点58℃(日本製蝋製) 18重量部 エチレン−アクリレート共重合体 4重量部 カルナバワックス 18重量部 キシレン 30重量部 イソプロパノール 6重量部
【0022】(転写フィルムの作製)アラビヤゴムが
1.5g/m2塗設された坪量100gの紙支持体上に、
陶磁器用のメタクリル系樹脂を主成分とするオバーコー
トラッカー(プラスサイズ LO−170:互応化学工
業株式会社製)を乾燥膜厚15μmとなるように塗布、
乾燥して転写紙Bを作製した。
【0023】(顔料像の転写及び焼成)上記のようにし
て作製した溶融型熱転写インクシートと転写紙Bとを用
いて、それぞれ熱溶融性インク層と転写フイルム層とが
接するように重ね合わせ、スキャナーで読み取ったシア
ン、イエロー、マゼンタに色分解されたカラー写真の画
像情報に基づいて、該溶融型熱転写インクシートの支持
体側からスポット径5μm(画素サイズ80μm:25
6階調)、露光時間1msecの条件でレーザー光を照射
し、色順次に、該熱溶融性インク層を該溶融型熱転写イ
ンクシートから該転写紙Bに転写して、該転写フイルム
層上に絵付け用顔料のカラー画像を形成した。用いたレ
ーザーは松下電子製の半導体レーザーLN9880(発
振波長830nm)から発生させたもので、出力は4m
Wであった。顔料像の転写された転写紙Bを水に漬け
て、紙支持体を剥離除去し、転写フィルムを白タイル上
に接着し、これを200℃で120分、300℃で12
0分更に800℃で30分間焼成してカラーの写真陶磁
器を作製した。
【0024】この様にして作製したカラーの写真陶磁器
は階調性及び解像度の優れた鮮明なものであった。
【0025】実施例2 (溶融転写用熱転写インクシートの作製)厚さ6μmの
ポリエステルフィルムを支持体上に、墨版用グラビアイ
ンクにて20mm長の検知マークと下記組成の熱溶融性イ
ンク層インク組成物を120℃で保温しコロイドミルで
一晩分散後、溶融状態で、ワイヤーバーを用いて固形塗
布量が4g/m2となるように面順次に塗布して溶融型熱
転写インクシートCを得た。 熱溶融性インク層形成用イエローインク組成物 絵付け用イエロー顔料(ツバメ印上絵具中黄) 60重量部 パラフィンワックス 135 融点58℃(日本製蝋製) 18重量部 エチレン−アクリレート共重合体 4重量部 カルナバワックス 18重量部 熱溶融性インク層形成用マゼンタインク組成物 絵付け用マゼンタ顔料(ツバメ印上絵具正円子) 60重量部 パラフィンワックス 135 融点58℃(日本製蝋製) 18重量部 エチレン−アクリレート共重合体 4重量部 カルナバワックス 18重量部 熱溶融性インク層形成用シアンインク組成物 絵付け用シアン顔料(ツバメ印上絵具緑青) 60重量部 パラフィンワックス 135 融点58℃(日本製蝋製) 18重量部 エチレン−アクリレート共重合体 4重量部 カルナバワックス 18重量部 熱溶融性インク層形成用ブラックインク組成物 絵付け用ブラック顔料(ツバメ印上絵具艶黒) 60重量部 パラフィンワックス 135 融点58℃(日本製蝋製) 18重量部 エチレン−アクリレート共重合体 4重量部 カルナバワックス 18重量部
【0026】(顔料像の転写及び焼成)実施例1で作製
した転写紙Bと上記溶融型熱転写インクシートCを用
い、スキャナーで読み取ったカラー写真の画像をコンピ
ューターで、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラック
に色分解し、実施例1と同様な条件でレーザー光により
転写を行った。用いたレーザーは870nm発光の半導
体レーザーである。顔料像の転写された転写紙Bを水に
漬けて、紙支持体を剥離除去し、転写フィルムを白タイ
ル上に接着し、これを実施例1と同様な条件で焼成して
カラーの写真陶磁器を作製した。
【0027】この様にして作製したカラーの写真陶磁器
は階調性及び解像度の優れた鮮明なものであった。
【0028】
【発明の効果】本発明は、絵付け用顔料を含有する熱溶
融性インキ層を有する熱転写インクシートと、該熱溶融
性インキに対して感熱接着性のある転写フイルム表面を
重ね合わせ、該熱転写インクシート側から画像情報に対
応したレーザー光を照射し、該熱転写インクシート及び
/又は該転写フイルム中で光を熱に変換し、此の熱によ
り該熱溶融性インクを溶融し、該転写フイルム上に顔料
像を転写する工程と、該陶磁器用転写フィルムを陶磁器
上に接着する工程と、該陶磁器を焼成し、上記転写フィ
ルムを蒸発または焼却により除去するするとともに絵付
け用顔料を陶磁器表面に焼結する工程とを有することを
特徴とする写真陶磁器の製造方法であり、特に陶磁器上
に顔料画像を形成する方法として、溶融転写型感熱転写
方式を用いているので、従来のリスフィルムを通して感
光性ポリマーを露光現像処理した後顔料を付着させて形
成する方法に比べ、極めて短時間に且つ容易に顔料像を
形成できるようになった。更に、加熱方法として、レー
ザー光を用いることにより解像度を大幅にアップし、且
つ階調性に優れた陶磁器写真を作製擦ることができるよ
うになった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絵付け用顔料を含有する熱溶融性インキ
    層を少なくとも一層有する熱転写インクシートの該熱溶
    融性インク層塗布面と、該熱溶融性インキに対して感熱
    接着性のある転写フイルム表面を重ね合わせ、該熱転写
    インクシート側から画像情報に対応したレーザー光を照
    射し、該熱転写インクシート及び/又は該転写フイルム
    中で光を熱に変換し、此の熱により該熱溶融性インクを
    溶融し、該転写フイルム上に顔料像を転写する工程と、
    該転写フィルムを陶磁器上に接着する工程と、該陶磁器
    を焼成し、上記転写フィルムを蒸発または焼却により除
    去するとともに絵付け用顔料を陶磁器表面に焼結する工
    程とを有することを特徴とする写真陶磁器の製造方法。
  2. 【請求項2】 互いに色相の異なる複数種の絵付け用顔
    料を含有する熱溶融性インキ層を面順次に少なくとも2
    層有する熱転写インクシートの該熱溶融性インク層塗布
    面と、該熱溶融性インキに対して感熱接着性のある転写
    フイルム表面を重ね合わせ、該熱転写インクシート側か
    ら該熱溶融性インクの色とカラー画像情報に対応させて
    レーザー光を照射し、該熱転写インクシート及び/又は
    該転写フイルム中で光を熱に変換し、此の熱により該熱
    溶融性インクを溶融し、該転写フイルム上に顔料像を転
    写する工程と、該転写フィルムを陶磁器上に接着する工
    程と、該陶磁器を焼成し、上記転写フィルムを蒸発また
    は焼却により除去するとともに絵付け用顔料を陶磁器表
    面に焼結する工程とを有することを特徴とする写真陶磁
    器の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2の写真陶磁器の製
    造方法により製造された写真陶磁器。
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