JPH06270054A - ラップ盤の異常検出装置 - Google Patents

ラップ盤の異常検出装置

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JPH06270054A
JPH06270054A JP9081493A JP9081493A JPH06270054A JP H06270054 A JPH06270054 A JP H06270054A JP 9081493 A JP9081493 A JP 9081493A JP 9081493 A JP9081493 A JP 9081493A JP H06270054 A JPH06270054 A JP H06270054A
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lapping machine
plate
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Seiji Iyama
清司 井山
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ワークの割れや欠けの発生の可能性を自動的に
かつ正確に検出できるラップ盤の異常検出装置を提供す
ること。 【構成】上定盤の上下方向の変位を検出するセンサと、
このセンサの出力からラップ盤の回転周波数に対応する
変位信号を取り出すバンドパスフィルタと、このフィル
タから出力される変位信号が基準値を越えた時に異常と
判定する異常判定手段とを備える。異常と判定されれ
ば、ラップ盤を即座に停止させ、ワークの割れやキャリ
ヤ,上下定盤の損傷を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はワークと上下の定盤とを
摺動させることによりワークを研磨するラップ盤、特に
ワークの割れや欠けを検出する異常検出装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来より、圧電セラミック基板等のワー
クの表面を研磨するため、ラップ盤と呼ばれる浮遊砥粒
式研磨装置が用いられている。このラップ盤は、上下の
定盤の間にキャリヤと呼ばれる円板状の遊星ギヤを配置
するとともに、ワークを遊星ギヤの保持穴に貫通保持
し、遊星ギヤに噛み合う太陽ギヤとリングギヤとを相互
に回転させることにより、遊星ギヤを自転または自転・
公転させ、上下定盤とワークとの摺動によってワークの
上下面を同時に研磨するものである。この場合、上下定
盤とワークとの間に研磨材を水またはオイルと混合して
液化させたスラリー状砥粒を供給し、研磨材の持つ切刃
でワークから必要量の取り代を取り除き、上下定盤の持
つ平面度をワークに転写している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この種のラップ盤で薄
板状のワークを研磨する場合、ワークがキャリヤの保持
穴に正しくセットされていない時、ワークに反りや歪み
があり、キャリヤから外れかかっている時、さらにはラ
ップ盤の中にワークの破片が残っている時には、そのま
ま研磨を行うと負荷が大きくなり、ワークの割れやキャ
リヤおよび上下定盤の損傷等が発生する。そのため、従
来では研磨の開始前に上定盤やリングギヤを手で回し、
その抵抗の大小により割れが発生するかどうかを判定し
ていた。しかしながら、手で回した時の抵抗で割れが発
生するか否かを判定するのは非常に難しく、熟練や勘を
必要とする。特に、減圧ラップを行う場合には、上定盤
の押圧力が軽くなるため、割れの発生は一層判定しにく
い。そこで、本発明の目的は、ワークの割れや欠けの発
生の可能性を自動的にかつ正確に検出できるラップ盤の
異常検出装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、上定盤の上下方向の変位を検出するセン
サと、このセンサの出力からラップ盤の回転周波数に対
応する変位信号を取り出す周波数弁別手段と、この周波
数弁別手段から出力される変位信号が基準値を越えた時
に異常と判定する異常判定手段とを備えたものである。
【0005】
【作用】まず、センサが研磨中における上定盤の上下方
向の変位を検出し、その変位信号から周波数弁別手段が
ラップ盤の回転周波数に対応した変位量を取り出す。こ
の変位量は、ラップ盤が回転することによる上定盤の上
下方向の変位量であり、もしワークがキャリヤの保持穴
に正しくセットされていなかったり、ワークに反りや歪
みがあれば、上定盤が周期的に波打つことになるので、
上記変位量も大きくなる。上定盤の変位量が基準値を越
えると、異常判定手段がワークに割れや欠けが発生する
恐れがあると判定し、異常信号を出力する。この異常信
号に基づいてラップ盤を停止させれば、ワークの割れや
キャリヤ,上下定盤の損傷を防止できる。また、実際に
ワークに割れが発生していても、それ以上の被害を食い
止めることができる。一般に、ワークの割れや欠けは研
磨の開始直後に起こることが多いので、研磨開始から一
定時間だけ低速回転させ、この間にワークの割れや欠け
が発生する恐れがあるか否かを判定するのが望ましい。
また、初期回転時にワークの割れを極力防止するため、
上定盤の押圧力を低く制御する減圧ラップを行うのが望
ましい。
【0006】本発明では、上定盤の周期的な変位量によ
って、割れや欠けが発生するか否かを判別しているが、
その理由は次の通りである。即ち、センサの変位信号か
らそのまま異常を判別しようとすると、ワークの初期厚
みのバラツキや、上下定盤の摩耗等により、センサと上
定盤との距離が変化して基準となる初期の出力電圧も変
化してしまう。この場合には、検出のための基準値を設
定するのが困難になる。これに対し、本発明では周期的
に変化する変位量を基準にすることで、簡単に基準値を
設定することができる。
【0007】
【実施例】図1,図2は本発明にかかるラップ盤の一例
を示す。上下の定盤1,2の間には、複数個のキャリヤ
(遊星ギヤ)3が回転自在に配置されており、これらキ
ャリヤ3は定盤1,2の中心部に配置された太陽ギヤ4
に噛み合っている。キャリヤ3には複数の保持穴3aが
形成されており、これら保持穴3aにはキャリヤ3より
厚みの大きなワークWが貫通保持されている。定盤1,
2の外周部にはリングギヤ5が配置され、上記キャリヤ
3はこのリングギヤ5にも噛み合っている。上記太陽ギ
ヤ4とリングギヤ5は駆動装置6によって駆動され、キ
ャリヤ3は太陽ギヤ4の回りを自転しつつ公転する。そ
のため、保持穴3aに保持されたワークWの上下両面が
定盤1,2と摺動し、研磨される。なお、研磨に際して
上下定盤1,2の間にはスラリー状砥粒が注入される。
【0008】上定盤1の上面には検出板7が固定されて
おり、この検出板7に対向してセンサ8が配置されてい
る。このセンサ8は検出板7の上下方向の動きを検出す
るセンサであり、渦電流式変位センサなどの公知の変位
センサが用いられる。センサ8の出力はアンプ9で増幅
され、周波数弁別手段の一例であるバンドパスフィルタ
(BPF)10に入力される。バンドパスフィルタ10
は、センサ出力からラップ盤の回転周波数に対応した上
定盤1の上下変位量を取り出すものであり、図3のよう
な減衰特性を有している。即ち、バンドパスフィルタ1
0は、ラップ盤の回転と同期した信号(例えば1Hzの
信号)を取り出すため、例えば0.5Hz〜1.5Hz
の帯域通過特性を有しており、0.5Hz以下のワーク
の厚みの変化信号や1.5Hz以上の不要なノイズを除
去する。
【0009】バンドパスフィルタ10の出力はコンパレ
ータ等よりなる異常判定回路11へ入力され、ここで基
準値と比較される。そして、出力が基準値を越えた時、
即ち上定盤1の変位量が基準値より大きくなった時、異
常判定回路11は異常信号をラップ盤制御回路12へ出
力する。制御回路12は上記駆動装置6を制御するもの
であり、異常信号が入力されると駆動装置6を即座に停
止させ、ワークのそれ以上の割れや欠けを防止するとと
もに、キャリヤ3や上下定盤1,2の損傷を防止する。
【0010】ここで、上記構成のラップ盤の動作を説明
する。まず、ラップ盤が研磨を開始すると、図4(A)
のように開始から一定時間(ΔT)だけ低速回転を行
う。研磨の開始と共に、センサ8の出力信号は図4
(B)のように変化する。そのため、バンドパスフィル
タ10は図4(C)のようにセンサ8の出力信号の中の
ラップ盤の回転周波数に対応した周波数成分のみを出力
する。バンドパスフィルタ10の出力が破線で示すよう
に基準値Rを越えると、上定盤1が上下に大きく振れ
た、換言するとワークWに割れや欠けが発生したと判断
し、ラップ盤を停止させる。もし、上記低速回転時間Δ
T内において異常が発生しなければ、図4(A)のよう
に回転速度を徐々に上昇させ、最高速度に到達すると、
その速度を所定時間維持し、ワークWを研磨する。
【0011】なお、上記実施例では、太陽ギヤとリング
ギヤとが回転する2ウエイ型のラップ盤について説明し
たが、太陽ギヤまたはリングギヤの一方のみが回転する
方式や、太陽ギヤとリングギヤの他に上下定盤も回転す
る4ウエイ型を用いてもよい。上定盤が回転する方式の
場合には、検出板7を円板状に形成するのが望ましい。
また、本発明における周波数弁別手段としては、バンド
パスフィルタに限らず、多少のノイズはあってもハイパ
スフィルタで代用することが可能であり、ラップ盤の回
転周波数に対応した変位信号を取り出すことができるも
のであれば、如何なるものでもよい。
【0012】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、ラップ盤の回転周波数に対応した上定盤の上下
変位量によりワークの割れや欠けの可能性を検出するよ
うにしたので、従来のような上定盤やリングギヤを手で
回した時の抵抗により判別する方法に比べて、自動的に
異常を検出できるとともに、勘に頼ることなく正確な検
出が可能となる。また、上定盤の変位によって異常を検
出するため、減圧ラップを行う場合でも支障なく検出で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるラップ盤の異常検出装置の全体
図である。
【図2】上定盤を取り外した状態のラップ盤の拡大平面
図である。
【図3】バンドパスフィルタの帯域通過特性図である。
【図4】回転速度とセンサ出力とバンドパスフィルタ出
力の時間変化図である。
【符号の説明】
W ワーク 1 上定盤 2 下定盤 3 キャリヤ(遊星ギヤ) 3a 保持穴 4 太陽ギヤ 5 リングギヤ 8 センサ 10 バンドパスフィルタ(周波数弁別手段) 11 異常判定回路 12 ラップ盤制御回路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上下の定盤と、これら定盤の間に配置さ
    れ、ワークを保持する保持穴を設けた遊星ギヤと、遊星
    ギヤと噛み合う太陽ギヤおよびリングギヤとを備え、太
    陽ギヤまたはリングギヤの少なくとも一方を回転させる
    ことにより、遊星ギヤを自転または自転・公転させ、ワ
    ークと上下の定盤とを摺動させることによりワークを研
    磨するラップ盤において、 上定盤の上下方向の変位を検出するセンサと、このセン
    サの出力からラップ盤の回転周波数に対応する変位信号
    を取り出す周波数弁別手段と、この周波数弁別手段から
    出力される変位信号が基準値を越えた時に異常と判定す
    る異常判定手段とを備えたことを特徴とするラップ盤。
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