JPH06269773A - 有機物含有排水の紫外線照射による処理方法とその装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 たとえば半導体や液晶工場における排水等の
ように、有機物を低濃度含有する排水を紫外線によって
処理するための処理方法とその装置に関し、過酸化水素
の不用意な分解を防止し、その有効利用を図ることを目
的とする。 【構成】 有機物含有排水を原水として紫外線照射処理
装置に通水し、紫外線を照射するとともに酸化剤を注入
して前記排水中の有機物を分解処理する処理方法，装置
において、紫外線照射処理装置の原水入口部を含む複数
個所から酸化剤を注入して処理することにある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、有機物含有排水の紫外
線照射による処理方法とその装置、さらに詳しくは、た
とえば半導体や液晶工場における排水等のように、有機
物を低濃度含有する排水を処理するための処理方法とそ
の装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、半導体や液晶工場におけるＴ
ＯＣ（全有機炭素）を数mg／Ｌ含有する排水等からＴＯ
Ｃを除去する方法として、紫外線照射により有機物を分
解除去する方法が広く採用されている。

【０００３】この場合、大量の排水を効率よく処理する
には、紫外線照射に加えて酸化剤として過酸化水素を添
加する方法が採用されているが、その添加は、理論所要
値の数倍の量を原水入口にて一度に加えることによって
行われている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、このような方
法によると、有機物の分解と同時に過酸化水素も紫外線
の照射により併発的に分解されることとなり、処理の後
半では過酸化水素が十分に残留しておらず、その結果、
過酸化水素が無駄に使用されることになるという問題点
があった。

【０００５】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたもので、上記のような過酸化水素の不用意
な分解を防止し、その有効利用を図ることを課題とする
ものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、このような課
題を解決するために、有機物含有排水の紫外線照射によ
る処理方法とその装置としてなされたもので、処理方法
としての特徴は、有機物含有排水を原水として紫外線照
射処理装置に通水し、紫外線を照射するとともに酸化剤
を注入して前記排水中の有機物を分解処理する処理方法
において、前記紫外線照射処理装置の原水入口部を含む
複数個所から酸化剤を注入して処理することにある。

【０００７】また、処理装置としての特徴は、有機物含
有排水を原水として通水し、紫外線を照射するとともに
酸化剤を注入して前記排水中の有機物を分解処理する処
理装置において、前記紫外線照射処理装置の原水入口部
を含む複数個所に、酸化剤を注入するための注入口6a，
…を設けたことにある。

【０００８】

【作用】すなわち、上記のように紫外線照射処理装置の
原水入口部を含む複数個所から酸化剤を注入することに
よって、必要な酸化剤が装置内全体にむらなく分散さ
れ、その結果、装置内の全体における酸化剤の必要な濃
度が維持でき、反応効率が良好となるのである。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例について、先ず処理装
置の構成について図面に従って説明する。

【００１０】図１は、処理装置の概略断面図である。

【００１１】図１において、１は処理装置本体で、その
前側には原水を流入させるための流入用パイプが接続さ
れている。

【００１２】3a,3b,3cは、前記装置本体１内を区画する
ための仕切体で、この仕切体3a,3b,3cによって、該装置
本体１が４つの隔室4a,4b,4c,4d に区画されている。

【００１３】尚、仕切体3a,3c は、その下部に空間部5
a,5c がそれぞれ形成されるように設けられ、また仕切
体3bは、その上部に空間部5bが形成されるように設けら
れている。

【００１４】6a,6b,6c,6d は、酸化剤である過酸化水素
を注入するための注入口で、注入口6aは、流入用パイプ
２の装置本体１の入口部手前側に接続され、また注入口
6b,6c,6dは、隔室4b,4c,4dに連通するよう接続されてい
る。

【００１５】7a,7b,7c,7d は、紫外線照射用のランプ
で、各隔室4a,4b,4c,4d 内にそれぞれ１個ずつ設けられ
ている。

【００１６】８は、前記装置本体１の上部に設置した蓋
体を示す。

【００１７】次に、上記のような有機物含有排水の紫外
線照射による処理装置を用いて含有有機物を分解処理す
る方法について説明する。

【００１８】先ず、上記装置本体１内に、有機物含有排
水の原水を流入する。

【００１９】次に、紫外線照射用ランプ7a,7b,7c,7d を
発光させて紫外線を原水に照射する。

【００２０】また、入口近辺の流入用パイプ２に接続さ
れた注入口6aから過酸化水素を注入するとともに、各隔
室4b,4c,4dに接続された注入口6b,6c,6dからも過酸化水
素を注入する。

【００２１】このように、装置本体１の入口部のみなら
ず、各隔室4b,4c,4d毎に過酸化水素を注入すると、過酸
化水素が装置内全体にむらなく分散され、装置内の全体
における過酸化水素の濃度が維持できる。従って、過酸
化水素が無駄に消費されることもないのである。

【００２２】尚、上記実施例では、酸化剤として過酸化
水素を用いたが、過酸化水素以外の酸化剤について本発
明を適用することも可能である。

【００２３】また、紫外線を照射する手段も該実施例の
ような紫外線ランプ7a,7b,7c,7d のようなものに限定さ
れるものではなく、その照射手段も問わない。

【００２４】さらに、該実施例では、１つの注入口6a
は、注入口流入用パイプ２の装置本体１の入口部手前側
に接続され、他の注入口6b,6c,6dは、隔室4b,4c,4d毎に
設けられているが、酸化剤の注入口を設ける位置も問う
ものではなく、要は原水入口部を含む装置本体の複数個
所に設けられていればよいのである。

【００２５】さらに、本発明に用いられる有機物含有排
水の種類も半導体や液晶工場における排水等の他、地下
水や侵出水、その他各種の産業排水に適用することも可
能であり、その含有される有機物の種類も問うものでは
ない。

【００２６】

【発明の効果】叙上のように、本発明は、紫外線照射処
理装置の原水入口部を含む複数個所から酸化剤を注入し
て処理するため、必要な酸化剤が装置内全体にむらなく
分散され、従って有機物の分解と同時に酸化剤が紫外線
の照射により併発的に分解しても、酸化剤をある程度残
存させることができ、よって装置内の全体における酸化
剤の必要な濃度が維持でき、反応効率が良好となる。

【００２７】この結果、酸化剤が無駄に消費されること
もなく、その有効利用を図ることができるという効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】一実施例としての有機物含有排水の紫外線照射
による処理装置の概略断面図。

【符号の説明】

１…装置本体 6a,6b,6c,6d …注入口

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 有機物含有排水を原水として紫外線照射
   処理装置に通水し、紫外線を照射するとともに酸化剤を
   注入して前記含有水中の有機物を分解処理する処理方法
   において、前記紫外線照射処理装置の原水入口部を含む
   複数個所から酸化剤を注入して処理することを特徴とす
   る有機物含有排水の紫外線照射による処理方法。
2. 【請求項２】 前記酸化剤が過酸化水素である請求項１
   記載の有機物含有排水の紫外線照射による処理方法。
3. 【請求項３】 有機物含有排水の原水を通水し、紫外線
   を照射するとともに酸化剤を注入して前記排水中の有機
   物を分解処理する処理装置において、前記紫外線照射処
   理装置の原水入口部を含む複数個所に、酸化剤を注入す
   るための注入口6a，…を設けたことを特徴とする有機物
   含有排水の紫外線照射による処理装置。