JP2001149964A - 水処理方法 - Google Patents

水処理方法

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JP2001149964A
JP2001149964A JP33951099A JP33951099A JP2001149964A JP 2001149964 A JP2001149964 A JP 2001149964A JP 33951099 A JP33951099 A JP 33951099A JP 33951099 A JP33951099 A JP 33951099A JP 2001149964 A JP2001149964 A JP 2001149964A
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Japan
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ozone
water
treated
concentration
volatile harmful
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JP33951099A
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English (en)
Inventor
Junichi Uno
淳一 宇野
Hatsuo Yotsumoto
初男 四元
Satoru Shiono
悟 塩野
Noriaki Akoin
憲彰 安居院
Junji Hirotsuji
淳二 廣辻
Seiji Furukawa
誠司 古川
Nozomi Yasunaga
望 安永
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被処理流体中の揮発性有害物質を大気中に揮
発させることなく、人体に無害な物質にまで分解する水
処理法方を提供すること。 【解決手段】 この発明に係る水処理方法は、揮発性有
害物質を含有する被処理流体に、オゾンガスを注入する
とともに、過酸化水素の注入または/及び紫外線の照射
を行い、上記揮発性有害物質を分解処理する水処理方法
において、上記オゾンガスのオゾン注入率を上記揮発性
有害物質の濃度の半等量以上にするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、揮発性有害物質を
含有する被処理流体にオゾンガスを注入するとともに、
過酸化水素の注入または/及び紫外線の照射を行い被処
理流体に含まれる揮発性有害物質を分解処理する水処理
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】トリクロロエチレン等の揮発性有害物質
が排水に混じると、長時間に人体に入り込んで健康を害
することが、近年問題となっている。これらの揮発性有
害物質を含有した水の処理方法としては、従来、活性
炭、シクロデキストリンにより吸着除去する方法、酢酸
セルロース膜を使った加圧逆浸透による分離方法、汚染
水を空気曝気する方法等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の水処理方法は、
上記のようになされていたので、これらの方法では、ト
リクロロエチレンを被処理流体から物理的に分離するの
みで分離されたトリクロロエチレンは排水中で濃縮され
たり、大気中に放散されてしまい、二次的な汚染を引き
起こすという問題点があった。特に大気中へ揮散したト
リクロロエチレンは、人体へ悪影響をもたらすという問
題点があった。
【0004】また、特開平3−38297号公報には、
被処理流体にオゾンのみを混合、添加して被処理流体に
含有されるトリクロロエチレンを分解処理する手法が開
示されているが、この手法では、トリクロロエチレンの
分解処理時間が長いため、この期間中にトリクロロエチ
レンが揮発してしまい、上記と同様に大気中に揮散した
トリクロロエチレンが人体に悪影響をもたらすという問
題点があった。
【0005】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、被処理流体中の揮発性有害物質
が大気中に揮発するのを充分抑制するとともに、人体に
無害な物質にまで分解する水処理方法を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る水処理方法
は、揮発性有害物質を含有する被処理流体に、オゾンガ
スを注入するとともに、過酸化水素の注入または/及び
紫外線の照射を行い、上記揮発性有害物質を分解処理す
る水処理方法において、上記オゾンガスのオゾン注入率
を上記揮発性有害物質の濃度の半等量以上にするもので
ある。
【0007】揮発性有害物質としては、トリクロロエチ
レン、テトラクロロエチレン、トルエン、キシレン、四
塩化炭素、ジクロロメタン、ジクロロエチレン等が挙げ
られ、なかでも、オゾンガスの注入とともに、過酸化水
素の注入または紫外線の照射を行う水処理方法において
は、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンの分解
能力が高くなる。
【0008】オゾンガスのオゾン注入率は、揮発性有害
物質の濃度の半等量〜5倍等量にすればよく、ほぼ完全
に揮発性有害物質を分解させるには0.7倍等量〜5倍
等量にするのが好ましい。さらに、地下水のように、揮
発性有害物質以外の共存物質、例えばアルカリ度や鉄イ
オンなどのラジカルスカベンジャの影響がある被処理流
体の場合には、揮発性有害物質濃度の等量〜5倍等量に
するのが好ましい。
【0009】また、オゾン注入率を揮発性有害物質濃度
の4倍等量より大きくするにはオゾン発生装置が大規模
になるので、揮発性有害物質の濃度の半等量〜4倍等
量、ほぼ完全に揮発性有害物質を分解させるには0.7
倍等量〜4倍等量、ラジカルスカベンジャの影響がある
場合には、等量〜4倍等量のオゾン注入率にするのがよ
り好ましい。
【0010】また、オゾンガスの注入とともに過酸化水
素の注入及び紫外線の照射の両方を行うようにすると、
より揮発性有害物質の分解速度が向上する。
【0011】また、本発明に係る水処理方法は、揮発性
有害物質を含有する被処理流体に、オゾンガスを注入す
るとともに、過酸化水素の注入または/及び紫外線の照
射を行い、上記揮発性有害物質を分解処理する水処理方
法において、上記オゾンガスのオゾン濃度を上記揮発性
有害物質の濃度の半等量以上にするものである。
【0012】オゾンガスのオゾン濃度は、揮発性有害物
質の濃度の半等量〜15倍等量にすればよく、ほぼ完全
に揮発性有害物質を分解させるには0.7倍等量〜15
倍等量にするのが好ましい。さらに、揮発性有害物質以
外の共存物質、例えばアルカリ度や鉄イオンなどのラジ
カルスカベンジャの影響がある被処理流体の場合には、
揮発性有害物質濃度の等量〜15倍等量のオゾン濃度に
するのが好ましい。
【0013】また、オゾン濃度を揮発性有害物質濃度の
10倍等量より大きくするにはオゾン発生装置が大規模
になるので、揮発性有害物質の濃度の半等量〜10倍等
量、ほぼ完全に揮発性有害物質を分解させるには0.7
倍等量〜10倍等量、ラジカルスカベンジャの影響があ
る場合には等量〜10倍等量のオゾン濃度にするのがよ
り好ましい。
【0014】また、過酸化水素を注入する場合の過酸化
水素の注入率はオゾンガスの注入率の少なくとも10%
以上にすればよいが、OHラジカルと過酸化水素との反
応が進行して揮発性有害物質の分解効率を十分にするに
は、好ましくは10%〜50%にするのがよい。さら
に、OHラジカルの生成量を十分にし、かつ揮発性有害
物質の分解を十分に行うには、より好ましくは22%〜
40%にするのがよい。
【0015】さらに、オゾンガスの供給量Gを被処理流
体の流量Lで除した値(G/L)は少なくとも0.01
〜1にすればよいが、好ましくは0.01〜0.5、よ
り好ましくは0.05〜0.4にするのがよい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。本発明者らは、文献(“Reac
tions of Hydroxyl Radicals with Hydrogen Peroxide
at Ambient and Elevated Temperatures”(J.Phys.Che
m. ,86, 55−68,1982))に記載されたラジカル反応モ
デルを簡略化した動力学モデルに基づいて、計算機シミ
ュレーションを繰り返し行い、揮発性有害物質の分解除
去効率が良好となる過酸化水素(紫外線照射)とオゾン
を併用した水処理方法を研究した結果、いくつかの重要
な現象を発見し、この発明に想到した。
【0017】図1は計算機シミュレーションに用いた水
処理装置を示すフロー図である。図において、1はトリ
クロロエチレン等の揮発性有害物質を含有する被処理水
を一時的に貯留しておくための被処理水槽、2は過酸化
水素が貯留されている過酸化水素タンクであり、タンク
2中の過酸化水素は過酸化水素注入ポンプ3によりオゾ
ンガスが注入される前に被処理水へ注入される。
【0018】4は過酸化水素が注入された被処理水を送
水するための原水供給ポンプ、5はポンプ4より送出さ
れる被処理水の流量を調整するための流量調整弁、6は
流量調節弁5を介して送出される被処理水の流量を計測
する流量計である。7はオゾンを発生するオゾン発生装
置、12はオゾンガスと過酸化水素が注入された被処理
水を反応させる反応塔である。
【0019】図2は計算機シミュレーションに用いた反
応モデル及び反応モデルにおける反応式を示す図で、図
2(a)は反応モデルを示す図で、図2(b)は反応モ
デルにおける反応式を示す図である。図1に示す水処理
装置において、トリクロロエチレンを含有する被処理水
に過酸化水素を添加、混合し、さらに、オゾンガスを添
加、混合することにより、図2に示した反応式(1)〜
(7)の反応を生じさせ、揮発性有害物質(R)である
トリクロロエチレンを分解処理させた。
【0020】また、シミュレーションにおいては、オゾ
ンガス注入によるトリクロロエチレンの揮発の影響をも
考慮してシミュレーションを行った。すなわち、気層オ
ゾンの液層への溶解モデルと同様にして、実験で求めた
トリクロロエチレンの液層から気層への移動速度KL、
分配係数(HTCE)を用いて表現した。なお、分配係
数(HTCE)の値には、文献(V.lINEK, J.SINKULE a
nd V.JANDA "DESIGN OF PACKED AERATION TOWERS TO ST
RIP VOLATILE ORGANIC CONTAMINANTS FROM WATER", Wa
t. Res. Vol. 32, No.4, pp.1264-1270)に示された値
3.29を使用した。
【0021】上記シミュレーションの条件を表1に示
す。
【0022】
【表1】
【0023】また、オゾン注入率、オゾン吸収率、オゾ
ン消費量は下記のように定義される。
【0024】 (オゾン注入率)=(供給オゾン濃度)×{(供給オゾンガス流量)/(被処理 流体流量)} =(供給オゾン濃度)×G/L …(8) ただし、単位は、オゾン注入率:mg/L(ミリグラム
/リットル)、供給オゾン濃度:g/m3、供給オゾン
ガス流量および被処理流体流量:L/minである。
【0025】 (オゾン吸収率)=(排オゾン濃度)/(供給オゾン濃度)×100 …(9) ただし、単位は、オゾン吸収率:%、排オゾン濃度:g
/m3である。
【0026】 (オゾン消費量)=(オゾン注入率)×(オゾン吸収率)/100−(溶存オゾ ン濃度) …(10) ただし、単位は、オゾン消費量:mg/L、溶存オゾン
濃度:mg/Lである。
【0027】なお、オゾン水と過酸化水素を併用した処
理法の場合やオゾンと紫外線を併用した場合には、一般
に溶存オゾン濃度は0.1mg/L未満となり十分無視
できる。従って、以上の式を整理すると以下のようにな
る。 (オゾン消費量)≒(オゾン注入率)×(オゾン吸収率)/100 …(11) ≒(供給オゾン濃度)×G/L×(オゾン吸収率)/100 …(12)
【0028】次に、上記シミュレーションの結果を説明
する。図3は消費オゾン量とトリクロロエチレンの分解
量及び消費オゾン量と揮発量との関係を示す図である。
図からわかるように、消費オゾン量が0〜5mg/L付
近までは、消費オゾン量に応じて分解されるトリクロロ
エチレン量は急激に増加していく。そして、消費オゾン
量が5mg/L付近で99%前後のトリクロロエチレン
が分解された後は、分解されるトリクロロエチレン量の
割合は減少し、さらに、消費オゾン量を増加させた7m
g/Lでトリクロロエチレンのほとんどが分解されるこ
とになる。
【0029】一方、消費オゾン量の増加に応じて揮発量
は減少していき、消費オゾン量が6mg/Lで揮発量は
ほとんどなくなる。詳細には、図からわかるように、消
費オゾン量が0〜3mg/Lまでは揮発量の減少する割
合は高く、3mg/L以上では揮発量の減少の割合は小
さくなる。
【0030】従って、10mg/Lのトリクロロエチレ
ンの99%以上を分解するには、消費オゾン量を5mg
/L以上にする必要があるので、注入したオゾンが全て
トリクロロエチレンの分解に使われた(オゾンの吸収率
が100%)として、式(11)より、オゾン注入率を
5mg/L以上にする必要がある。実際には、オゾン吸
収率は100%未満であるから、少なくともトリクロロ
エチレンの濃度の半等量以上のオゾン注入率が必要とな
る。
【0031】さらに、ほとんどのトリクロロエチレンを
分解させるには、消費オゾン量を7mg/L以上にする
必要があるので、トリクロロエチレンの濃度の0.7倍
等量以上のオゾン注入率が必要となる。
【0032】さらに、被処理流体が、トリクロロエチレ
ン以外の共存物質、例えばアルカリ度や鉄イオンなどの
ラジカルスカベンジャの影響が一般的な汚染された地下
水と同等と考えられる場合、トリクロロエチレン濃度の
等量〜5倍等量のオゾン注入率が必要である。
【0033】また、トリクロロエチレンの濃度の4倍等
量以上のオゾン注入率にするには、供給するオゾンガス
の発生量の関係上、オゾン発生装置が大規模になるた
め、オゾン注入率はトリクロロエチレンの濃度の半等量
〜4倍等量、ほぼ完全に揮発性有害物質を分解させるに
は0.7倍等量〜4倍等量、ラジカルスカベンジャの影
響がある場合には等量〜4倍等量にするのがより好まし
い。
【0034】また、10mg/Lのトリクロロエチレン
の99%以上を分解するには、消費オゾン量を5mg/
L以上にする必要があるので、注入したオゾンが全てト
リクロロエチレンの分解に使われた(オゾンの吸収率が
100%)として、式(12)より、(オゾン濃度×G
/L)を5mg/L以上にする必要がある。実際には、
オゾン吸収率は100%未満であるから、少なくともト
リクロロエチレンの濃度の半等量以上の(オゾン濃度×
G/L)が必要となる。ここで、一般に、G/Lは1以
下であるので、少なくともトリクロロエチレンの濃度の
半等量以上のオゾン濃度が必要となる。
【0035】さらに、ほとんどのトリクロロエチレンを
分解させるには、消費オゾン量を7mg/L以上にする
必要があるので、トリクロロエチレンの濃度の0.7倍
等量以上のオゾン濃度が必要となる。
【0036】さらに、被処理流体が、トリクロロエチレ
ン以外の共存物質、例えばアルカリ度や鉄イオンなどの
ラジカルスカベンジャの影響が一般的な汚染された地下
水と同等と考えられる場合、トリクロロエチレン濃度の
等量〜15倍等量の注入オゾン濃度が必要である。
【0037】また、トリクロロエチレンの濃度の10倍
等量以上の注入オゾン濃度にするには、供給するオゾン
ガスの発生量の関係上、オゾン発生装置が大規模になる
ため、オゾン濃度はトリクロロエチレンの濃度の半等量
〜10倍等量、ほぼ完全に揮発性有害物質を分解させる
には0.7倍等量〜10倍等量、ラジカルスカベンジャ
の影響がある場合には等量〜10倍等量にするのがより
好ましい。
【0038】図4は過酸化水素消費量/オゾン注入率と
トリクロロエチレン分解量との関係を示す図である。図
4からわかるように、トリクロロエチレン分解量はオゾ
ン注入率に対する過酸化水素消費用の割合に応じて変化
する。詳細には、この割合が10%までは急激に分解量
が増加していき、10%からは分解量の増加量は小さく
なり、22%でほとんどのトリクロロエチレンが分解さ
れることになる。
【0039】従って、被処理流体中のトリクロロエチレ
ンを十分に分解させるには、少なくともオゾン注入率の
10%以上、さらに、ほぼ全て分解させるためには、2
2%以上にする必要がある。一方、過酸化水素の注入率
が50%を越えると、トリクロロエチレンの分解率が低
下するおそれがあるので、少なくとも50%以下にする
のが好ましい。より好適には、22〜40%に設定する
のがよい。
【0040】図5はG/Lとトリクロロエチレン分解量
及びG/Lと揮発量との関係を示す図である。なお、縦
軸にトリクロロエチレン分解量および揮発量、横軸をG
/Lで計算した値を示している。図からわかるように、
揮発するトリクロロエチレン量を1割未満に抑えるに
は、G/Lを1以下にする必要がある。
【0041】また、図5ではオゾン注入率を一定に保っ
たまま、供給オゾンガス流量を変えることによりG/L
の値を変えるようにしている。これにより供給オゾンガ
ス濃度を高めてガス流量を抑えるようにしている。すな
わち、G/Lを小さく保つことにより揮発するトリクロ
ロエチレン量を抑えることができる。これはガス流量を
抑えることにより、トリクロロエチレンの揮発速度が低
下した結果と考えれられる。よって、トリクロロエチレ
ンの揮発を抑えるためには、G/Lを0.01〜1、好
ましくは、G/Lを0.01〜0.5、より好ましくは
0.01〜0.4にすればよい。
【0042】実施の形態1.図6はこの実施の形態1の
水処理装置を示すフロー図である。図において、1はト
リクロロエチレン等の揮発性有害物質を含有する被処理
水を一時的に貯留しておくための被処理水槽、2は過酸
化水素が貯留されている過酸化水素タンクであり、タン
ク2中の過酸化水素は過酸化水素注入ポンプ3によりオ
ゾンガスが注入される前に被処理水へ注入される。
【0043】4は過酸化水素が注入された被処理水を送
水するためのポンプ、5はポンプ4より送出される被処
理水の流量を調整するための流量調整弁、6は流量調節
弁5を介して送出される被処理水の流量を計測する流量
計である。
【0044】7はオゾンを発生するオゾン発生装置、8
は流量計を介して送出される過酸化水素が注入された被
処理水とオゾン発生装置7で発生したオゾンガスとを添
加・混合するエジェクタである。9はエジェクタ8で被
処理水に溶融しなかったオゾンガス(以下、排オゾンガ
スという)を被処理水と分離させる気液分離塔、10は
気液分離塔9から放出された排オゾンガスを酸素に分解
させる排オゾン分解塔である。
【0045】次に、図6に示した水処理装置の動作を説
明する。被処理水槽1内から送出されるトリクロロエチ
レンを含有した被処理水は、過酸化水素注入ポンプ3に
て過酸化水素タンク2から圧送された過酸化水素と混合
され、ポンプ4によりエジェクタ8に送水される。な
お、このとき送水される過酸化水素を含有した被処理水
の流量は、流量計6の値に応じて流量調整弁5により調
整されている。
【0046】一方、オゾン発生装置7で発生されたオゾ
ンガスもエジェクタ8に送られ、このエジェクタ8にお
いて、過酸化水素を含んだ被処理水とオゾンガスとが添
加、混合される。添加、混合された過酸化水素とオゾン
によってエジェクタ8近傍でOHラジカルが生成され、
このOHラジカルによって気液分離塔9の上流付近でト
リクロロエチレン(CHCl−CCl2)がH2Oと微量
のCO2と微量のHClとに分解される。この分解され
た処理水は気液分離塔9に送水され、未溶解の排オゾン
ガスは気液分離塔9で気液分離された後、オゾン分解塔
10で酸素に還元されて大気中に放出される。
【0047】ここで、オゾン注入率と揮発性有害物質濃
度の関係、オゾンガス濃度と揮発性有害物質濃度の関
係、G/Lの値、過酸化水素の注入率とオゾン注入率の
関係は、下記条件を満たすようにする。
【0048】条件1 オゾン注入率を揮発性有害物質濃
度の半等量〜5倍等量、ほぼ完全に揮発性有害物質を分
解させるには0.7倍等量〜5倍等量、ラジカルスカベ
ンジャの影響がある場合は等量〜5倍等量、また、オゾ
ン発生装置の規模を小さくして実現する場合には、上記
各上限値を4倍等量にする。 条件2 供給オゾンガス濃度を揮発性有害物質濃度の半
等量〜15倍等量、ほぼ完全に揮発性有害物質を分解さ
せるには0.7倍等量〜15倍等量、ラジカルスカベン
ジャの影響がある場合は等量〜15倍等量、また、オゾ
ン発生装置の規模を小さくして実現する場合には、上記
各上限値を10倍等量にする。 条件3 G/L(供給オゾンガス流量を被処理流体流量
で除した値)を0.01〜1、好ましくは0.01〜
0.5、より好ましくは0.05〜0.4にする。 条件4 過酸化水素の注入率をオゾン注入率の10%以
上、好ましくは、10〜50%、より好ましくは22〜
40%にする。
【0049】この実施の形態では、上記図6に示した水
処理装置で、オゾンガス濃度を60g/m3、オゾンガ
ス流量Gを25m3/日、トリクロロエチレンを含む被
処理水の液流量Lを100m3/日、すなわち、G/L
を0.25(=25/100)、オゾン注入率を15m
g/L(=60×0.25)とし、トリクロロエチレン
濃度を10mg/L、過酸化水素注入率を2mg/L、
水温を15℃、原水pHを7、オゾン反応塔滞留時間を
10分の条件で水処理をさせた結果、トリクロロエチレ
ンをほとんど揮発させることなく、99%以上のトリク
ロロエチレンが分解された。
【0050】また、上記条件に代えて、オゾン注入率を
100mg/Lにした場合、過酸化水素注入率を60m
g/Lにした場合、注入オゾンガス流量を60m3/日
にしG/Lを0.60にした場合、注入オゾン濃度を1
67g/m3にした場合の条件で、各々水処理させた場
合にも、上記と同様にトリクロロエチレンをほとんど揮
発させることなく、99%以上のトリクロロエチレンが
分解された。
【0051】上記実施の形態1では条件1〜4全てを満
たす場合を説明したが、条件1〜4のうちのすくなくと
も1つを満たしても、ほぼ同等の効果を奏する。
【0052】この実施の形態では、オゾン注入率を揮発
性有害物質濃度の半等量以上にしているので、被処理流
体中の揮発性有害物質を大気中に揮発させることなく、
人体に無害な物質にまで分解することができる。
【0053】また、この実施の形態では、供給オゾンガ
ス濃度を揮発性有害物質濃度の半等量以上にしているの
で、被処理流体中の揮発性有害物質を大気中に揮発させ
ることなく、人体に無害な物質にまで分解することがで
きる。
【0054】さらに、この実施の形態では、G/L(供
給オゾンガス流量を被処理流体流量で除した値)を1以
下にしているので、揮発性有害物質が大気中に揮発する
のを抑制することができる。
【0055】さらに、この実施の形態では、過酸化水素
の注入率をオゾン注入率の10%以上にしているので、
揮発する揮発性有害物質の量を1割未満に抑えることが
できる。
【0056】実施の形態2.実施の形態1では、揮発性
有害物質を含有する被処理水にオゾンガスと過酸化水素
を添加、混合することにより被処理水の揮発性有害物質
を分解しているが、この実施の形態2では、被処理水に
オゾンガスを添加、混合し、過酸化水素を注入する代わ
りに、紫外線を照射して揮発性有害物質を分解するよう
にしたものである。
【0057】図7はこの実施の形態2の水処理装置を示
すフロー図である。図において、11はエジェクタ8か
ら送水される被処理水に紫外線を照射する紫外線ランプ
である。その他、被処理水に過酸化水素を注入していな
い点を除いては実施の形態1と同様であるの説明を省略
する。
【0058】次に、図7に示した水処理装置の動作を説
明する。被処理水槽1内から送出されるトリクロロエチ
レンを含有した被処理水は、ポンプ4によりエジェクタ
8に送水される。なお、このとき送水される被処理水の
流量は、流量計6の値に応じて流量調整弁5により調整
されている。
【0059】一方、オゾン発生装置7で発生されたオゾ
ンガスもエジェクタ8に送られ、このエジェクタ8にお
いて、被処理水とオゾンガスとが添加、混合されオゾン
水が生成される。この生成されたオゾン水と紫外線ラン
プ11より照射される紫外線とが反応して、紫外線ラン
プ11部分及び紫外線ランプ11の下流側近傍でOHラ
ジカルが生成される。そして、このOHラジカルによっ
て気液分離塔9の上流付近でトリクロロエチレン(CH
Cl−CCl2)がH2Oと微量のCO2と微量のHCl
とに分解される。この分解された処理水は気液分離塔9
に送水され、未溶解の排オゾンガスは気液分離塔9で気
液分離された後、オゾン分解塔10で酸素に還元されて
大気中に放出される。
【0060】ここで、実施の形態1と同様に、オゾン注
入率と揮発性有害物質濃度の関係、オゾンガス濃度と揮
発性有害物質濃度の関係、G/Lの値は、上記条件1〜
3の条件を満たすようにする。
【0061】この実施の形態では、上記図7に示した水
処理装置で、オゾンガス濃度を60g/m3、オゾンガ
ス流量Gを25m3/日、トリクロロエチレンを含む被
処理水の液流量Lを100m3/日、すなわち、G/L
を0.25(=25/100)、オゾン注入率を15m
g/L(=60×0.25)とし、トリクロロエチレン
濃度を10mg/L、水温を15℃、原水pHを7、オ
ゾン反応塔滞留時間を10分、紫外線の強度を80Wの
条件で水処理をさせた結果、トリクロロエチレンをほと
んど揮発させることなく、99%以上のトリクロロエチ
レンが分解された。
【0062】また、上記条件に代えて、オゾン注入率を
100mg/Lにした場合、注入オゾンガス流量を60
3/日にしG/Lを0.60にした場合、注入オゾン
濃度を167g/m3にした場合の条件で、各々水処理
させた場合にも、上記と同様にトリクロロエチレンをほ
とんど揮発させることなく、99%以上のトリクロロエ
チレンが分解された。
【0063】上記実施の形態2では条件1〜3の条件を
全て満たす場合を説明したが、条件1〜3のうちのすく
なくとも1つを満たしても、ほぼ同等の効果を奏する。
【0064】この実施の形態では、オゾン注入率を揮発
性有害物質濃度の半等量以上にしているので、被処理流
体中の揮発性有害物質を大気中に揮発させることなく、
人体に無害な物質にまで分解することができる。
【0065】また、この実施の形態では、供給オゾンガ
ス濃度を揮発性有害物質濃度の半等量以上にしているの
で、被処理流体中の揮発性有害物質を大気中に揮発させ
ることなく、人体に無害な物質にまで分解することがで
きる。
【0066】さらに、この実施の形態では、G/L(供
給オゾンガス流量を被処理流体流量で除した値)を1以
下にしているので、揮発性有害物質が大気中に揮発する
のを抑制することができる。
【0067】実施の形態3.実施の形態1、2では、揮
発性有害物質を含有する被処理水にオゾンガスを添加、
混合するとともに、過酸化水素の注入、または紫外線の
照射を行い被処理水の揮発性有害物質を分解している
が、この実施の形態3では、被処理水にオゾンガスを添
加、混合するとともに、過酸化水素の注入、及び紫外線
の照射を行い、揮発性有害物質を分解するようにしたも
のである。
【0068】図8はこの実施の形態3の水処理装置を示
すフロー図である。実施の形態1の図6のエジェクタ8
と気液分離塔9の間に紫外線を照射する紫外線ランプ1
1を設けた以外は実施の形態1と同様であるので説明は
省略する。
【0069】次に、実施の形態3の動作について説明す
る。実施の形態1と同様に、エジェクタ8において、過
酸化水素とオゾンが反応するによってエジェクタ8近傍
でOHラジカルが生成され、このOHラジカルによって
エジェクタ8の下流域でトリクロロエチレンの一部が分
解される。そして、トリクロロエチレンが一部分解され
た被処理水が紫外線ランプ11より照射される紫外線と
反応して、紫外線ランプ11部分及び紫外線ランプ11
の下流側近傍でさらにOHラジカルが生成される。そし
て、このOHラジカルによって気液分離塔9の上流付近
で先に分解されなかったトリクロロエチレン(CHCl
−CCl2)がH2Oと微量のCO2と微量のHClとに
分解される。なお、その後の動作は実施の形態1と同様
であるので説明は省略する。
【0070】ここで、実施の形態1と同様に、オゾン注
入率と揮発性有害物質濃度の関係、オゾンガス濃度と揮
発性有害物質濃度の関係、G/Lの値、過酸化水素の注
入率とオゾン注入率の関係は、上記条件1〜4の条件を
満たすようにする。
【0071】この実施の形態では、上記図8に示した水
処理装置で、オゾンガス濃度を60g/m3、オゾンガ
ス流量Gを25m3/日、トリクロロエチレンを含む被
処理水の液流量Lを100m3/日、すなわち、G/L
を0.25(=25/100)、オゾン注入率を15m
g/L(=60×0.25)とし、トリクロロエチレン
濃度を10mg/L、過酸化水素注入率を2mg/L、
水温を15℃、原水pHを7、オゾン反応塔滞留時間を
10分、紫外線の強度を80Wの条件で水処理をさせた
結果、トリクロロエチレンをほとんど揮発させることな
く、99%以上のトリクロロエチレンが分解された。
【0072】また、上記条件に代えて、オゾン注入率を
100mg/Lにした場合、酸化水素注入率を60mg
/Lにした場合、注入オゾンガス流量を60m3/日に
しG/Lを0.60にした場合、注入オゾン濃度を16
7g/m3にした場合の条件で、各々水処理させた場合
にも、上記と同様にトリクロロエチレンをほとんど揮発
させることなく、99%以上のトリクロロエチレンが分
解された。
【0073】上記実施の形態3では条件1〜4全てを満
たす場合を説明したが、条件1〜4のうちの少なくとも
1つを満たしても、上記実施の形態1とほぼ同等の効果
を奏する。なお、この実施の形態が上記実施の形態1、
2と同様の効果を奏することは言うまでもない。
【0074】実施の形態4.実施の形態1では、エジェ
クタでオゾンガスを被処理水と反応させるようにしてい
るが、この実施の形態4では、オゾン反応槽でオゾンガ
スを被処理水と反応させるようにしたものである。
【0075】図9はこの実施の形態4の水処理装置を示
すフロー図である。図において、12は散気管13を介
して注入されるオゾンガスと被処理水とを反応させるオ
ゾン反応槽で、このオゾン反応槽は、同時に被処理水に
溶解しなかった排オゾンガスを被処理水と分離させる気
液分離塔も兼ねている。その他は実施の形態1と同様で
あるので説明は省略する。
【0076】次に、上記実施の形態4の動作について説
明する。なお、被処理水とオゾンガスとをオゾン反応槽
12で反応させる点以外は、実施の形態1と同様である
ので説明は省略する。
【0077】過酸化水素が注入された被処理水とオゾン
発生装置7で発生されたオゾンガスはそれぞれオゾン反
応槽12に送られ、OHラジカルが生成され、このOH
ラジカルによりトリクロロエチレン(CHCl−CCl
2)が分解される。
【0078】ここで、実施の形態1と同様に、オゾン注
入率と揮発性有害物質濃度の関係、オゾンガス濃度と揮
発性有害物質濃度の関係、G/Lの値、過酸化水素の注
入率とオゾン注入率の関係は、上記条件1〜4の条件を
満たすようにする。
【0079】この実施の形態では、上記図9に示した水
処理装置で、実施の形態1と同様の条件で水処理をさせ
た結果、トリクロロエチレンをほとんど揮発させること
なく、99%以上のトリクロロエチレンが分解された。
【0080】上記実施の形態4では条件1〜4全てを満
たす場合を説明したが、条件1〜4のうちの少なくとも
1つを満たしても、上記実施の形態1とほぼ同等の効果
を奏する。なお、この実施の形態では、上記1〜4の条
件を満たすので、実施の形態1と同様の効果を奏する。
【0081】実施の形態5.実施の形態2では、エジェ
クタでオゾンガスを被処理水と反応させるようにしてい
るが、この実施の形態5では、オゾン反応槽でオゾンガ
スを被処理水と反応させるようにしたものである。
【0082】図10はこの実施の形態5の水処理装置を
示すフロー図である。図において、11はオゾン反応槽
12内に設けられた紫外線ランプ、12は散気管13を
介して注入されるオゾンガスと被処理水とを反応させる
オゾン反応槽である。その他は実施の形態2と同様であ
るので説明を省略する。
【0083】次に、図10に示した水処理装置の動作を
説明する。なお、被処理水とオゾンガスとをオゾン反応
槽12で反応させ、さらに紫外線を照射して分解処理を
する点以外は、実施の形態2と同様であるので説明は省
略する。
【0084】被処理水がオゾン反応槽12に送られると
ともに、オゾン発生装置7で発生されたオゾンガスが散
気管13によりオゾン反応槽12に送られ被処理水に添
加、混合される。さらに、オゾン反応槽12では、紫外
線ランプ11によりオゾンガスが混合された被処理水に
紫外線が照射され、溶解したオゾンと紫外線との反応に
より生成されたOHラジカルによりトリクロロエチレン
(CHCl−CCl2)が分解される。
【0085】ここで、実施の形態2と同様に、オゾン注
入率と揮発性有害物質濃度の関係、オゾンガス濃度と揮
発性有害物質濃度の関係、G/Lの値は、上記条件1〜
3の条件を満たすようにする。
【0086】この実施の形態では、上記図10に示した
水処理装置で、実施の形態2と同様の条件で水処理をさ
せた結果、トリクロロエチレンをほとんど揮発させるこ
となく、99%以上のトリクロロエチレンが分解され
た。
【0087】上記実施の形態5では条件1〜3全てを満
たす場合を説明したが、条件1〜3のうちのすくなくと
も1つを満たしても、上記実施の形態2とほぼ同等の効
果を奏する。なお、この実施の形態では、上記1〜3の
条件を満たすので、実施の形態2と同様の効果を奏す
る。
【0088】実施の形態6.実施の形態3では、エジェ
クタでオゾンガスを被処理水と反応させるようにしてい
るが、この実施の形態6では、オゾン反応槽でオゾンガ
スを被処理水と反応させるようにしたものである。
【0089】図11はこの実施の形態6の水処理装置を
示すフロー図である。図において、11はオゾン反応槽
12内に設けられた紫外線ランプ、12は散気管13を
介して注入されるオゾンガスと被処理水とを反応させる
オゾン反応槽である。その他は実施の形態3と同様であ
るの説明を省略する。
【0090】次に、実施の形態6の動作について説明す
る。なお、オゾン反応槽12で過酸化水素を含む被処理
水とオゾンガスとを反応させ、さらに紫外線を照射して
分解処理をする点以外は、実施の形態4と同様であるの
で説明は省略する。
【0091】過酸化水素を含む被処理水がオゾン反応槽
12に送られるとともに、オゾン発生装置7で発生され
たオゾンガスは散気管13によりオゾン反応槽12で被
処理水に添加、混合される。さらに、オゾン反応槽12
では、紫外線ランプ11によりオゾンガスが混合された
被処理水に紫外線が照射され、溶解したオゾン、過酸化
水素、紫外線が反応して生成したOHラジカルによりト
リクロロエチレン(CHCl−CCl2)が分解され
る。
【0092】ここで、実施の形態3と同様に、オゾン注
入率と揮発性有害物質濃度の関係、オゾンガス濃度と揮
発性有害物質濃度の関係、G/Lの値、過酸化水素の注
入率とオゾン注入率の関係は、上記条件1〜4の条件を
満たすようにする。
【0093】この実施の形態では、上記図11に示した
水処理装置で、実施の形態3と同様の条件で水処理をさ
せた結果、トリクロロエチレンをほとんど揮発させるこ
となく、99%以上のトリクロロエチレンが分解され
た。
【0094】上記実施の形態6では条件1〜4全てを満
たす場合を説明したが、条件1〜4のうちのすくなくと
も1つを満たしても、上記実施の形態3とほぼ同等の効
果を奏する。なお、この実施の形態では、上記1〜4の
条件を満たすので、実施の形態3と同様の効果を奏す
る。
【0095】実施の形態7.この実施の形態は、実施の
形態1の水処理装置において、気液分離塔から排出され
る処理水の一部を循環ラインを介してポンプ吸入口前に
戻すようにしたものである。
【0096】図12はこの実施の形態7の水処理装置を
示すフロー図である。図において、14は気液分解塔9
から排出される処理水の一部をポンプ2の吸入口前に戻
すための循環ライン、15は循環水量を調節するための
循環水流調整弁、16は循環ライン14を流れる処理水
の流量を計測する循環水流量計である。その他は、実施
の形態1と同様であるので説明は省略する。
【0097】次に、実施の形態7の動作について説明す
る。なお、循環ライン14を介して処理水が循環するこ
と以外は実施の形態1と同様であるので他の説明は省略
する。すなわち、気液分離塔9から排出された処理水の
一部は循環ライン14を通って、ポンプ2の吸入口前に
戻される。なお、このときの循環水量は循環水流量計1
6の値に応じて循環水流量調整弁16を調整することで
調節される。
【0098】ここで、実施の形態1と同様に、オゾン注
入率と揮発性有害物質濃度の関係、オゾンガス濃度と揮
発性有害物質濃度の関係、G/Lの値、過酸化水素の注
入率とオゾン注入率の関係は、上記条件1〜4の条件を
満たすようにする。
【0099】この実施の形態では、上記図12に示した
水処理装置で、実施の形態1と同様の条件で水処理をさ
せた結果、トリクロロエチレンをほとんど揮発させるこ
となく、99%以上のトリクロロエチレンが分解され
た。
【0100】上記実施の形態7では条件1〜4全てを満
たす場合を説明したが、条件1〜4のうちのすくなくと
も1つを満たしても、上記実施の形態1とほぼ同等の効
果を奏する。なお、この実施の形態では、上記1〜4の
条件を満たすので、実施の形態1と同様の効果を奏す
る。
【0101】実施の形態8.この実施の形態は、実施の
形態2の水処理装置において、気液分離塔から排出され
る処理水の一部を循環ラインを介してポンプ吸入口前に
戻すようにしたものである。
【0102】図13はこの実施の形態8を示す水処理装
置のフロー図である。図において、14は気液分解塔9
から排出される処理水の一部をポンプ2の吸入口前に戻
すための循環ライン、15は循環水量を調節するための
調整弁、16は循環ライン14を流れる処理水の流量を
計測する流量計である。その他は、実施の形態2と同様
であるので説明は省略する。
【0103】なお、実施の形態8の動作については、循
環ライン14を介して処理水が循環すること以外は実施
の形態2と同様であり、かつ、循環ライン14を介して
水が循環する動作は実施の形態7と同様であるので説明
は省略する。
【0104】ここで、実施の形態2と同様に、オゾン注
入率と揮発性有害物質濃度の関係、オゾンガス濃度と揮
発性有害物質濃度の関係、G/Lの値は、上記条件1〜
3の条件を満たすようにする。
【0105】この実施の形態では、上記図13に示した
水処理装置で、実施の形態2と同様の条件で水処理をさ
せた結果、トリクロロエチレンをほとんど揮発させるこ
となく、99%以上のトリクロロエチレンが分解され
た。
【0106】上記実施の形態8では条件1〜3全てを満
たす場合を説明したが、条件1〜3のうちのすくなくと
も1つを満たしても、上記実施の形態2とほぼ同等の効
果を奏する。なお、この実施の形態では、上記1〜3の
条件を満たすので、実施の形態2と同様の効果を奏す
る。
【0107】実施の形態9.この実施の形態は、実施の
形態3の水処理装置において、気液分離塔から排出され
る処理水の一部を循環ラインを介してポンプ吸入口前に
戻すようにしたものである。
【0108】図14はこの実施の形態9を示す水処理装
置のフロー図である。図において、14は気液分解塔9
から排出される処理水の一部をポンプ2の吸入口前に戻
すための循環ライン、15は循環水量を調節するための
調整弁、16は循環ライン14を流れる処理水の流量を
計測する流量計である。その他は、実施の形態3と同様
であるので説明は省略する。
【0109】なお、実施の形態9の動作については、循
環ライン14を介して処理水が循環すること以外は実施
の形態3と同様であり、かつ、循環ライン14を介して
水が循環する動作は実施の形態7と同様であるので説明
は省略する。
【0110】ここで、実施の形態3と同様に、オゾン注
入率と揮発性有害物質濃度の関係、オゾンガス濃度と揮
発性有害物質濃度の関係、G/Lの値、過酸化水素の注
入率とオゾン注入率の関係は、上記条件1〜4の条件を
満たすようにする。
【0111】この実施の形態では、上記図14に示した
水処理装置で、実施の形態3と同様の条件で水処理をさ
せた結果、トリクロロエチレンをほとんど揮発させるこ
となく、99%以上のトリクロロエチレンが分解され
た。
【0112】上記実施の形態9では条件1〜4全てを満
たす場合を説明したが、条件1〜4のうちのすくなくと
も1つを満たしても、上記実施の形態3とほぼ同等の効
果を奏する。なお、この実施の形態では、上記1〜4の
条件を満たすので、実施の形態3と同様の効果を奏す
る。
【0113】以上は揮発性有害物質として、トリクロロ
エチレンについて述べたが、これは特に限定するもので
はなく、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、
トルエン、キシレン、四塩化炭素、ジクロロメタン、ジ
クロロエチレン等の揮発性有害物質に対しても同様のこ
とが言える。なお、これらのなかでも、特にトリクロロ
エチレン、テトラクロロエチレンの分解能力が高く、よ
り効果的である。
【0114】
【発明の効果】本発明に係る水処理方法は、揮発性有害
物質を含有する被処理流体に、オゾンガスを注入すると
ともに、過酸化水素の注入または/及び紫外線の照射を
行い、上記揮発性有害物質を分解処理する水処理方法に
おいて、上記オゾンガスのオゾン注入率を上記揮発性有
害物質の濃度の半等量以上にしているので、被処理流体
中の揮発性有害物質が大気中に揮発するのを充分抑制す
るとともに、人体に無害な物質にまで分解することがで
きる。
【0115】また、本発明に係る水処理方法は、揮発性
有害物質を含有する被処理流体に、オゾンガスを注入す
るとともに、過酸化水素の注入または/及び紫外線の照
射を行い、上記揮発性有害物質を分解処理する水処理方
法において、上記オゾンガスのオゾン濃度を上記揮発性
有害物質の濃度の半等量以上にしているので、被処理流
体中の揮発性有害物質が大気中に揮発するのを充分抑制
するとともに、人体に無害な物質にまで分解することが
できる。
【0116】また、揮発性有害物質を含有する被処理流
体に注入される過酸化水素の注入率をオゾンガスの注入
率の10%以上にした場合には、揮発する揮発性有害物
質の量の1割未満に抑えることができる。
【0117】さらに、オゾンガスの供給量Gを被処理流
体の流量Lで除した値(G/L)を1以下にした場合に
は、揮発性有害物質が大気中に揮発するのを抑制するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 計算機シミュレーションに用いた水処理装置
を示すフロー図である。
【図2】 計算機シミュレーションに用いた反応モデル
及び反応式を示す図である。
【図3】 消費オゾン量とトリクロロエチレンの分解量
及び消費オゾン量と揮発量との関係を示す図である。
【図4】 過酸化水素消費量とオゾン消費量との関係を
示す図である。
【図5】 G/Lとトリクロロエチレン分解量及びG/
Lと揮発量との関係を示す図である。
【図6】 本発明の実施の形態1の水処理装置を示すフ
ロー図である。
【図7】 本発明の実施の形態2の水処理装置を示すフ
ロー図である。
【図8】 本発明の実施の形態3の水処理装置を示すフ
ロー図である。
【図9】 本発明の実施の形態4の水処理装置を示すフ
ロー図である。
【図10】 本発明の実施の形態5の水処理装置を示す
フロー図である。
【図11】 本発明の実施の形態6の水処理装置を示す
フロー図である。
【図12】 本発明の実施の形態7の水処理装置を示す
フロー図である。
【図13】 本発明の実施の形態8の水処理装置を示す
フロー図である。
【図14】 本発明の実施の形態9の水処理装置を示す
フロー図である。
【符号の説明】
1 被処理水槽 2 過酸化水素タンク 3 過酸化水素注入ポンプ 4 ポンプ 5 流量調整弁 6 流量計 7 オゾン発生装置 8 エジェクタ 9 気液分離塔 10 オゾン分解塔 11 紫外線ランプ 12 オゾン反応槽 13 散気管 14 循環ライン 15 循環水流量調整弁 16 循環水流量計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塩野 悟 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 安居院 憲彰 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 廣辻 淳二 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 古川 誠司 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 安永 望 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 4D037 AA01 AA11 AB14 AB16 BA18 BB02 BB03 BB09 CA12 4D050 AA01 AA12 AB12 AB19 BB02 BB09 BC09 BD02 BD03 BD04 BD06 BD08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 揮発性有害物質を含有する被処理流体
    に、オゾンガスを注入するとともに、過酸化水素の注入
    または/及び紫外線の照射を行い、上記揮発性有害物質
    を分解処理する水処理方法において、 上記オゾンガスのオゾン注入率を上記揮発性有害物質の
    濃度の半等量以上にすることを特徴とする水処理方法。
  2. 【請求項2】 揮発性有害物質を含有する被処理流体
    に、オゾンガスを注入するとともに、過酸化水素の注入
    または/及び紫外線の照射を行い、上記揮発性有害物質
    を分解処理する水処理方法において、 上記オゾンガスのオゾン濃度を上記揮発性有害物質の濃
    度の半等量以上にすることを特徴とする水処理方法。
  3. 【請求項3】 揮発性有害物質を含有する被処理流体に
    注入される過酸化水素の注入率をオゾンガスの注入率の
    10%以上にすることを特徴とする請求項1または請求
    項2に記載の水処理方法。
  4. 【請求項4】 オゾンガスの供給量Gを被処理流体の流
    量Lで除した値(G/L)を1以下にすることを特徴と
    する請求項1または請求項2に記載の水処理方法。
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