JP4040788B2 - 廃水処理方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃水処理方法及び装置に関し、より詳細には、オゾン分解処理と紫外線照射を併用して廃水中の有機物を分解処理する廃水処理方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
廃水中の有機塩素系化合物などの有機物を分解処理する方法として、オゾンの酸化力を利用したオゾン分解処理法が知られているが、環境中の難分解性有機物の増加が深刻な問題となっている現在、特に紫外線照射を併用した紫外線照射オゾン分解処理法が注目されている。
【0003】
この処理法は、廃水中の溶存オゾンに紫外線を照射してより酸化力の強いヒドロキシラジカルを生成し、この酸化力を利用してオゾン分解単独の場合よりも少ないオゾン量で廃水中の難分解性有機物等の分解処理を効率的に行おうとするものである(第7回日本オゾン協会年次研究講演会論文集P149〜152、「オゾン/紫外線併用処理プロセスによる下水2次処理水の高度処理」、河野孝ら、1998年3月4日発行)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、一般に、酸素原料を用いて生成されるオゾンガスは大半が酸素であって低濃度にしか生成することができず、また、オゾンは水に対して難溶解性を示すため、廃水中に十分なオゾンを溶解させるのは非常に困難である。
【0005】
従って、従来の単純に紫外線照射を併用したオゾン分解処理であっても、廃水中に十分高濃度でオゾンを溶解させることができず、廃水中の有機物の除去性能が未だ十分なものではなかった。この対策として、廃水をオゾン供給・紫外線照射間で循環してオゾン供給量を増やす方法が採られるが、廃水中のオゾン溶解濃度が少ないほど循環流量を増やさなければならず、流量増加により紫外線照射装置における水の滞留時間が減少し、廃水中のオゾンのラジカル化が不十分になるという問題が生じていた。これに対し、ラジカル化を促進すべく紫外線照射装置を増設する方法も考えられるが、設備が大規模なものとなってコストの上昇を招くという問題があった。
【0006】
そこで本発明は、廃水中にオゾンを十分に溶解させると共に、溶解したオゾンを効率よくヒドロキシラジカルに転化させることを可能とし、紫外線照射装置を増設することなく廃水中の有機物を十分に除去することができる廃水処理方法及び装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、酸性の強いpH領域では廃水中のオゾンのラジカル化が極端に低下するが、オゾンの溶解濃度が大幅に高くなることに着目した。そして、オゾンのラジカル化低下の問題は、オゾン供給後に廃水のpHを上昇させることで解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明の廃水処理方法は、有機物を含んだ廃水に酸を供給する酸供給工程と、酸が供給された廃水にオゾンを供給するオゾン供給工程と、オゾンが供給された廃水にアルカリを供給するアルカリ供給工程と、アルカリが供給された廃水に紫外線を照射する紫外線照射工程とを含み、酸供給工程においては、廃水のpHが4以下になるように酸を供給してpH調整を行い、アルカリ供給工程においては、廃水のpHが4.5〜8の間になるようにアルカリを供給してpH調整を行うことを特徴とする。
【0008】
また本発明の廃水処理装置は、有機物を含んだ廃水を貯留するための貯留槽と、貯留槽に貯留された廃水に酸を供給するための酸供給装置と、一端が貯留槽に接続されており、廃水を輸送するための輸送ラインと、輸送ラインの他端が接続されており、廃水に紫外線を照射するための紫外線照射装置と、輸送ラインに接続されており、廃水にオゾンを供給するためのオゾン供給装置と、オゾン供給装置と紫外線照射装置との間で輸送ラインに接続されており、廃水にアルカリを供給するためのアルカリ供給装置とを備え、酸供給装置は、廃水のpHが4以下になるように酸を供給してpH調整を行い、アルカリ供給装置は、廃水のpHが4.5〜8の間になるようにアルカリを供給してpH調整を行うことを特徴とする。
【0009】
かかる方法及び装置によれば、酸供給工程において酸供給装置より廃水中に酸を供給してpHを下げることで、廃水中に高濃度でオゾンを溶解させることができる。また、高濃度にオゾンが溶解した廃水にアルカリ供給工程においてアルカリ供給装置よりアルカリを供給してpHを上げることで、紫外線照射装置における紫外線照射により高濃度に溶解したオゾンのラジカル化を促進することができる。その結果、廃水中において有機物分解に必要なヒドロキシラジカルが十分に生成され、十分量のヒドロキシラジカルによって廃水中の有機物を効率的に処理することができる。しかも、ラジカル化を促進するための紫外線照射装置を増設する必要がないので、設備コストの上昇を抑制することができる。
【0010】
上記廃水処理方法において、酸供給工程においては、廃水のpHが4以下、より好ましくはpHが3〜1.5の間、になるように酸を供給してpH調整を行い、アルカリ供給工程においては、廃水のpHが4.5〜8の間、より好ましくはpHが4.5〜5.5の間、になるようにアルカリを供給してpH調整を行う。これは、酸供給工程における廃水のpHが4より大きい状態であれば、オゾン供給工程において有機物の分解処理に必要なオゾンを廃水中に十分に溶解させることができない傾向があるからである。また、アルカリ供給工程における廃水のpHが4.5より小さい状態では、紫外線供給工程において紫外線照射による廃水中のオゾンのラジカル化が極端に低下する傾向があり、廃水のpHが8より大きくなれば、廃水中のオゾンの自己分解が速やかに進行し、紫外線供給工程において紫外線を照射する前に廃水中の溶存オゾンが極端に減少する傾向があるからである。
また、同様の理由により、上記廃水処理装置においては、酸供給装置は、廃水のpHが4以下、より好ましくはpHが3〜1.5の間、になるように酸を供給してpH調整を行い、アルカリ供給装置は、廃水のpHが4.5〜8の間、より好ましくはpHが4.5〜5.5の間、になるようにアルカリを供給してpH調整を行う。
【0011】
また、本発明の廃水処理方法は、酸供給工程において酸が供給された廃水中にガスを散気する散気工程を更に含むことを特徴としてもよい。また、本発明の廃水処理装置は、貯留槽に貯留された廃水中にガスを散気する散気装置を更に備えたことを特徴としてもよい。
【0012】
かかる方法及び装置によれば、散気工程において散気装置により廃水中にガスを散気させることで、廃水中から二酸化炭素に転化した炭酸根を効率よく放散除去することができる。特に本発明では、酸供給工程において酸供給装置により廃水中に酸を供給して廃水のpHを下げているため、廃水に含有される炭酸イオンや重炭酸イオン等の炭酸根の二酸化炭素への転化が促進されている。従って、廃水中にガスを散気させることで、廃水中から多くの炭酸根を二酸化炭素として放散除去することができる。その結果、紫外線照射装置内でヒドロキシラジカルと反応し、ヒドロキシラジカルの一部を有機物分解に寄与することなく消費せしめてしまう炭酸根を十分に除去することができる。
【0013】
また、本発明の廃水処理装置は、貯留槽内の廃水のpHを検知する第1の検知手段と、紫外線照射装置内の廃水のpHを検知する第2の検知手段と、第1及び第2の検知手段、酸供給装置及びアルカリ供給装置に接続されており、第1及び第2の検知手段により検知されたpHに基づいて酸供給装置より供給される酸の量およびアルカリ供給装置より供給されるアルカリの量を調整する制御手段とを更に備えたことを特徴としてもよい。このようにすれば、第1の検知手段により検知されたpHに基づいて、酸供給装置より廃水中に供給される酸の量を自動的に調節し、また第2の検知手段により検知されたpHに基づいて、アルカリ供給装置より廃水中に供給されるアルカリの量を自動的に調節することによって、廃水のpH調整の自動化を図ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0015】
図1は、本発明の好適な実施形態にかかる廃水処理装置を概略的に示すフローシートである。図1に示す廃水処理装置10は、埋め立て地浸出水などの廃水から有機塩素系化合物などの有機物を除去する装置である。ここで、有機塩素系化合物としては、例えばクロロベンゼン類、クロロフェノール類等のダイオキシン類の前駆物質や、ポリ塩化ダイベンゾダイオキシン、ポリ塩化ジベンゾフラン、ポリ塩化ビフェニール等のダイオキシン類が挙げられる。
【0016】
図1に示すように、廃水処理装置10は、原水(廃水)を被処理水11として貯留してpH調整を行うための貯留槽12を備えている。貯留槽12には、原水源(図示しない)から延びるラインL0が接続され、ラインL0を通して原水が貯留槽12内に導入されるようになっている。
【0017】
また、貯留槽12には散気ガスラインL1が接続されている。散気ガスラインL1の一端はガスを収容するガス源(図示しない)に接続され、他端は貯留槽12の下方側面を貫通して貯留槽12内の散気管13に接続されている。そして、散気ガスラインL1の途中に設けられたブロワ14を作動させることにより貯留槽12内の被処理水11にガスが散気されるようになっている。このガスは、被処理水11中の炭酸根(炭酸イオン、重炭酸イオン等)が転化して生成された二酸化炭素を気相へ放散させることができるものならいずれのものでもよく、例えば空気や窒素ガスが挙げられる。
【0018】
また、貯留槽12には、酸供給ラインL2を介して酸供給装置15が接続されている。この酸供給装置15より被処理水11に供給される酸とは、被処理水11のpHを下げることができる酸性薬剤を指し、例えば塩酸や硫酸が挙げられる。
【0019】
また、貯留槽12の下部からは輸送ラインL3が延設され、紫外線照射装置(以下、「UV照射装置」という。)16と接続されている。輸送ラインL3の途中には吸引ポンプ17が配設されており、その吸引力によりpH調整された被処理水11が貯留槽12からUV照射装置16に向けて輸送されるようになっている。
【0020】
また、輸送ラインL3の貯留槽12側には、オゾンガス供給ラインL4を介してオゾンガス供給装置18が接続されている。オゾンガス供給装置18は、貯留槽12より排出された被処理水11にオゾンガスを給気するためのものであり、気液を混合しつつオゾンを溶解させるようになっている。なお、酸素原料を用いるオゾンガスは無声放電方式で10万ppm程度が発生濃度の限界であるが、高濃度ではオゾン発生の電力効率が低下するため、通常5万ppm程度を上限として使用される。
【0021】
また、輸送ラインL3のUV照射装置16側には、アルカリ供給ラインL5を介してアルカリ供給装置19が接続されている。このアルカリ供給装置19より被処理水11に供給されるアルカリとは、被処理水11のpHを上げることができるアルカリ性薬剤のことを指し、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが挙げられる。
【0022】
また、輸送ラインL3とUV照射装置16との接続部にはラインミキサ20が設けられている。このラインミキサ20は、アルカリが供給された被処理水11をミキシングするためのものであり、これによって被処理水11のpHの均一化が図られるようになっている。
【0023】
なお、水中の溶存オゾンの自己分解は、pHが高くなるにつれて進行し易くなる。本実施形態では、UV照射装置16に被処理水11を注入する直前にアルカリを供給して被処理水11のpHを上昇させているため、溶存オゾンが自己分解する前にUV照射装置16に被処理水11を注入して直ちにラジカル化させることが好ましい。従って、アルカリ供給装置19はラインミキサ20の直前に設けることが望ましく、また、被処理水11がアルカリ供給装置19によってアルカリ供給されてからUV照射装置16に達するまでの時間は、約0.5秒〜10秒の範囲とすることが好ましい。
【0024】
UV照射装置16は、ラインミキサ20から注入される被処理水11に紫外線を照射し、溶解したオゾンをラジカル化させて被処理水11中の有機物を効率よく分解処理するためのものである。このUV照射装置16の上部からは排出ラインL6が延設されており、UV照射装置16内で分解処理された被処理水11が処理水として系外へ排出されるようになっている。
【0025】
また、廃水処理装置10にはコントローラ21(制御手段)が設けられている。コントローラ21は、貯留槽12内に浸漬されたpHメータ22(第1の検知手段)と、UV照射装置16内に浸漬されたpHメータ23(第2の検知手段)と、酸供給装置15と、アルカリ供給装置19とに接続されている。そして、pHメータ22及びpHメータ23によって検知されたpH情報に基づいて、酸供給装置15及びアルカリ供給装置19を制御するようになっている。また、コントローラ21は、オゾン供給装置18やポンプ17、ブロワ14とも接続されており、オゾン供給装置18やポンプ17、ブロワ14を制御してオゾン供給量や通水量及び散気量を調整するようになっている。
【0026】
次に、前述した構成の廃水処理装置10を用いた廃水処理方法について説明する。
【0027】
有機物を含んだ原水は、ラインL0を通して貯留槽12に導入され、被処理水11として収容される。ここで、コントローラ21からの指令に基づき、酸供給装置15より酸供給ラインL2を通して塩酸等の酸が供給され、被処理水11のpH調整が行われる(酸供給工程)。このとき、被処理水11のpHは4以下、より好ましくはpHが3〜1.5の間、になるように調整することが望ましい。pHが4より大きければ、有機物の分解処理に必要なオゾンを被処理水11中に十分に溶解させることができない傾向があるからである。
【0028】
次に、ブロワ14を作動させて散気ガス供給ラインL1より空気等のガスを散気管13から被処理水11中に散気させる(散気工程)。これにより被処理水11から炭酸根が大気中に放散除去される。なお、本実施形態では貯留槽12内で酸を供給することにより被処理水11のpHを下げているため、被処理水11に含有される炭酸イオンや重炭酸イオン等の炭酸根の二酸化炭素への転化が促進されている。従って、被処理水11中に空気等のガスを散気させることで、被処理水11中から多くの炭酸根を二酸化炭素として大気中に効率よく放散除去することができる。その結果、UV照射装置16内でヒドロキシラジカルと反応し、ヒドロキシラジカルの一部を有機物分解に寄与することなく消費せしめてしまう炭酸根を十分に除去することができる。
【0029】
炭酸根が除去された被処理水11は、吸引ポンプ17により輸送ラインL3を通して貯留槽12からUV照射装置16へ向けて輸送される。
【0030】
輸送ラインL3では、まずオゾン供給装置18からオゾン供給ラインL4を通して被処理水11にオゾンが供給される(オゾン供給工程)。このとき、貯留槽12内で酸を供給することにより被処理水11のpHを下げているため、被処理水11中に高濃度にオゾンを溶解させることができる。次に、コントローラ21からの指令に基づき、アルカリ供給装置19からアルカリ供給ラインL5を通して被処理水11に水酸化ナトリウム等のアルカリが供給され、被処理水11のpH調整が行われる(アルカリ供給工程)。このとき、被処理水11のpHは4.5〜8の間、より好ましくはpHが4.5〜5.5の間、になるように調整することが望ましい。pHが4.5より小さければ紫外線照射による被処理水11中のオゾンのラジカル化が極端に低下する傾向があり、pHが8より大きければ被処理水11中のオゾンの自己分解が速やかに進行して、紫外線を照射する前に被処理水11中の溶存オゾンが極端に減少する傾向があるからである。
【0031】
アルカリが供給された被処理水11は、ラインミキサ20においてミキシングされ、pHの均一化が図られた後、UV照射装置16内に注入される。
【0032】
そして、UV照射装置16内において被処理水11に紫外線が照射され、溶解したオゾンのラジカル化が行われる(紫外線照射工程)。このとき、アルカリを供給することにより被処理水11のpHを上げているため、被処理水11中の溶存オゾンのラジカル化が促進され、有機物分解に必要なヒドロキシラジカルが十分に生成される。従って、被処理水11中の有機物を十分量のヒドロキシラジカルによって極めて効率よく分解処理することができる。また、溶存オゾンのラジカル化を促進させるためのUV照射装置16を増設する必要がないため、設備コストの上昇が抑制されるばかりでなく、逆にUV照射装置16を小規模化することができる。
【0033】
有機物が分解処理された被処理水11は、排出ラインL6を通して処理水として系外へ排出される。このとき、処理水は必要に応じて中性のpHに戻して系外に排出される。
【0034】
なお、1パスでの給気操作でオゾンの必要量が満たせない場合は、図2に示すように、UV照射装置16より排出される処理水の一部を排出ラインL6の途中より分岐し、返送ラインL7を通して貯留槽12に戻して循環させてもよい。この場合は、オゾン必要量=(オゾン溶解濃度×UV照射装置への通水量)となるように通水量を設定する。このようにすれば、被処理水11中の有機物量が多いときでも十分に処理することができる。
【0035】
以下、実施例により本発明の内容を具体的に説明する。
【0036】
【実施例】
(実施例1)
図1に示すような廃水処理装置10で原水を処理した。原水としては、浸出水処理水に2mg/Lの1,2,3-トリクロロベンゼンを添加したものを用いた。そして、貯留槽12にて被処理水11として貯留されている原水に酸供給装置15よりHClを供給してpHを3とした後、散気管13より空気を散気して脱炭酸を行った。なお、輸送ラインL3における被処理水11の通水量は10L/min、オゾン供給装置18による供給オゾンガス濃度は100g/Nm3とした。さらに、UV照射装置16の水流容積は9Lで、紫外線出力は50W(波長は254nm)とした。
【0037】
そして、アルカリ供給装置19よりNaOHを添加し、ラインミキサ20の出口でのpHが5となるように調整した。
【0038】
そして、UV照射装置16の入口と出口での1,2,3-トリクロロベンゼンの量を測定したところ、それぞれ1.9mg/L、0.07mg/Lであった。このため、被処理水11のpH調整を行うことで、被処理水11中から1,2,3-トリクロロベンゼンを極めて効率よく除去できることが分かった。
【0039】
(比較例1)
実施例1と同一の装置を用い、実施例1と同様の原水に酸供給装置15よりHClを供給してpHを3とし、実施例1と同一の脱炭酸処理を行った。さらに、実施例1と同一の条件でオゾンガスを供給した後、アルカリ供給装置19からはアルカリを添加することなく被処理水11をUV照射装置16に導き、実施例1と同一の条件で紫外線照射を行って被処理水11の処理を行った。
【0040】
そして、UV照射装置16の入口と出口で1,2,3-トリクロロベンゼンの量を測定したところ、それぞれ1.9mg/L、1.7mg/Lであった。このため、アルカリを添加せずに、pHが3で酸性の強いままの被処理水11に紫外線照射を行っても、オゾンのラジカル化が極端に低下するため、被処理水11中の1,2,3-トリクロロベンゼンをほとんど除去できないことが分かった。
【0041】
(比較例2)
実施例1と同一の装置を用い、実施例1と同様の原水に酸供給装置15よりHClを供給してpHを3とし、実施例1と同一の脱炭酸処理を行った。さらに、貯留槽12において被処理水11にNaOHを添加してpHを5とし、その後実施例1と同一の条件でオゾンガスを供給した後、アルカリ供給装置19からはアルカリを添加することなく被処理水11をUV照射装置16に導き、実施例1と同一の条件で紫外線照射を行って被処理水11の処理を行った。
【0042】
そして、UV照射装置16の入口と出口で1,2,3-トリクロロベンゼンの量を測定したところ、それぞれ1.9mg/L、0.8mg/Lであった。このため、pH5の弱酸性領域でオゾン供給を行っても、被処理水11中に十分にオゾンを溶解させることができないため、被処理水11中の1,2,3-トリクロロベンゼンを大幅には除去できないことが分かった。
【0043】
上記、実施例1、比較例1及び2の結果から明らかなように、本発明によれば有機塩素系化合物の一つであるトリクロロベンゼンを極めて効率よく除去できることが確認された。なお、トリクロロベンゼンはダイオキシン類の前駆物質の一つでもあり、本発明は微量有害塩素化合物の処理に有効な効果をもたらすものと言える。
【0044】
(参考例1)
浸出水処理水をろ過した後、実施例1と同一の装置を用い、貯留槽12にてHClを供給してろ液のpHを3とし、実施例1と同一の脱炭酸処理を行った。そして、貯留槽12において必要に応じてNaOHを添加してろ液のpHを3,4,5,6に調整した後、実施例1と同一の条件でオゾンガスを供給した。その後、アルカリ供給装置19からはアルカリを添加することなくろ液をUV照射装置16に導き、実施例1と同一の条件で紫外線照射を行った。このときのUV照射装置16の入口と出口での溶存オゾン濃度の測定結果を図3に示す。
【0045】
図示のとおり、オゾンの溶解と分解、及びラジカル化は、ろ液のpHに依存していることが分かる。pH3では、UV照射装置16の入口でのオゾンの溶解濃度は非常に高くなるが、オゾンのラジカル化が極端に低くなる。一方、pH6では、UV照射装置16の入口でのオゾン濃度が非常に低くなり、UV照射装置16の入口に達するまでに給気したオゾンが自己分解してしまったものと考えられる。UV照射装置16の入口と出口でのオゾン濃度の差は、pH5付近で最も大きくなる。
【0046】
即ち、pHが高いほどオゾンの自己分解速度が大きくなってオゾンの溶解濃度が低くなり、また、pHが低いほどUV照射装置16入口における溶解濃度は顕著に大きくなるが、紫外線照射によるラジカル化が極端に低下する。従って、pHを下げて高濃度でオゾンを溶解させた場合であっても、溶存オゾンのラジカル化を促進するためにはpHを高める必要があることが分かる。
【0047】
本発明は、参考例1の実験結果に基づいてなされたものであり、オゾンを高濃度に溶解させることと、溶存オゾンに紫外線を照射してヒドロキシラジカルの生成を促進させることを同時に実現し、廃水の効率的な処理が図られている。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、廃水中にオゾンを十分に溶解させると共に、溶解したオゾンを効率よくヒドロキシラジカルに転化させることを可能とし、紫外線照射装置を増設することなく廃水中の有機物を十分に除去することができる。即ち、廃水中に酸を供給してpHを下げることで廃水中に高濃度でオゾンを溶解させることができ、その後アルカリを供給してpHを上げることで紫外線照射により高濃度に溶解したオゾンのラジカル化を促進することができる。従って、廃水中の有機物を分解処理するのに必要なヒドロキシラジカルが十分に生成され、十分量のヒドロキシラジカルによって廃水中の有機物を効率的に処理することができる。しかも、オゾンのラジカル化を促進するための紫外線照射装置を増設する必要がないので、設備コストの上昇を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の廃水処理装置の一実施形態を示すフローシートである。
【図2】本発明の廃水処理装置の別形態を示すフローシートである。
【図3】廃水中におけるオゾンの溶解と分解、及びラジカル化のpH依存性を示すグラフである。
【符号の説明】
10…廃水処理装置、11…被処理水、12…貯留槽、13…散気管、14…ブロワ、15…酸供給装置、16…紫外線照射装置、18…オゾン供給装置、19…アルカリ供給装置、21…コントローラ、22,23…pHメータ、L1…散気ガスライン、L3…輸送ライン。

Claims (5)

  1. 有機物を含んだ廃水に酸を供給する酸供給工程と、
    酸が供給された前記廃水にオゾンを供給するオゾン供給工程と、
    オゾンが供給された前記廃水にアルカリを供給するアルカリ供給工程と、
    アルカリが供給された前記廃水に紫外線を照射する紫外線照射工程と、
    を含み、
    前記酸供給工程においては、前記廃水のpHが4以下になるように酸を供給してpH調整を行い、
    前記アルカリ供給工程においては、前記廃水のpHが4.5〜8の間になるようにアルカリを供給してpH調整を行う廃水処理方法。
  2. 前記酸供給工程において酸が供給された前記廃水中にガスを散気する散気工程を更に含む請求項に記載の廃水処理方法。
  3. 有機物を含んだ廃水を貯留するための貯留槽と、
    前記貯留槽に貯留された前記廃水に酸を供給するための酸供給装置と、
    一端が前記貯留槽に接続されており、前記廃水を輸送するための輸送ラインと、
    前記輸送ラインの他端が接続されており、前記廃水に紫外線を照射するための紫外線照射装置と、
    前記輸送ラインに接続されており、前記廃水にオゾンを供給するためのオゾン供給装置と、
    前記オゾン供給装置と前記紫外線照射装置との間で前記輸送ラインに接続されており、前記廃水にアルカリを供給するためのアルカリ供給装置と、
    を備え、
    前記酸供給装置は、前記廃水のpHが4以下になるように酸を供給してpH調整を行い、
    前記アルカリ供給装置は、前記廃水のpHが4.5〜8の間になるようにアルカリを供給してpH調整を行う廃水処理装置。
  4. 前記貯留槽に貯留された前記廃水中にガスを散気する散気装置を更に備えた請求項に記載の廃水処理装置。
  5. 前記貯留槽内の廃水のpHを検知する第1の検知手段と、前記紫外線照射装置内の廃水のpHを検知する第2の検知手段と、前記第1及び第2の検知手段、前記酸供給装置及び前記アルカリ供給装置に接続されており、前記第1及び第2の検知手段により検知されたpHに基づいて前記酸供給装置より供給される酸の量および前記アルカリ供給装置より供給されるアルカリの量を調整する制御手段とを更に備えた請求項または請求項に記載の廃水処理装置。
JP07773899A 1999-03-23 1999-03-23 廃水処理方法及び装置 Expired - Fee Related JP4040788B2 (ja)

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