JPH062687B2 - エチレングリコールを精製する方法 - Google Patents

エチレングリコールを精製する方法

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JPH062687B2
JPH062687B2 JP63310291A JP31029188A JPH062687B2 JP H062687 B2 JPH062687 B2 JP H062687B2 JP 63310291 A JP63310291 A JP 63310291A JP 31029188 A JP31029188 A JP 31029188A JP H062687 B2 JPH062687 B2 JP H062687B2
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【発明の詳細な説明】 〔発明の概要〕 1.発明の分野 本発明はジアルキルオキザレートの水素添加(水添)に
より得られる生成物混合物などの粗エチレングリコール
からポリエステル級エチレングリコールを回収する方法
に関する。
2.関連技術の説明 エチレングリコールの製造はこの化合物の様々な用途の
ため、化学工業には特に興味深いものである。エチレン
グリコールの特に重要な用途はポリエステル繊維の製造
である。ポリエステル繊維の製造に使用されるエチレン
グリコールは一般に、非常に高い純度のものでなければ
ならない。何故なら、少量の不純物でさえも、生じたポ
リエステル繊維に悪影響を及ぼしてしまうからである。
また、エチレングリコールは防氷流体、不凍液、液圧流
体としての用途や、アルキド樹脂及び溶媒の製造におけ
る用途もある。
エチレングリコールはジアルキルオキザレートの気相接
触水添によって製造し得る。この反応は下記式に示すよ
うに表わすことができる。
ジアルキルオキザレートの水添は実際には下記の2つの
式に従って段階的に進行する。
(II) (COOR)2+2H2→HOCH2COOR+ROH (III) HOCH2COOR+2H2→HOCH2CH2OH+ROH ここでは、ジアルキルオキザレート反応物としてジメチ
ルオキザレート(DMO)を使用することについてたびた
び触れる。DMOの水添は、ある程度詳しく研究されてき
たので、下記説明の多くはDMOの水添に関して水添反応
の挙動および水添生成物の後処理についてである。しか
し、下記の説明はDMO水添により形成されるエチレング
リコールの回収に限定するものではない。
エチレングリコール生成物の純度を高めることができる
ことが特に重要である。何故なら、不純物が少量でも、
エチレングリコールはポリエステル繊維の製造に適して
いないものとなるからである。エチレングリコールが少
量の不純物を含有しているときでも、繊維染着特性、繊
維強度、繊維色等の生成ポリエステルの特性が一般に悪
影響されるからである。ポリエステル繊維の製造に使用
するのに適している高純度のエチレングリコールをポリ
エステル級エチレングリコールと称する。ポリエステル
級繊維の製造に使用するのに適していない実質的に純粋
なエチレングリコールを一般に不凍液級エチレングリコ
ールと称する。
ジアルキルオキザレートの水添からの生成物混合物は、
未反応ジアルキルオキザレート、部分水添ジアルキルオ
キザレート、すなわち、グリコレート(HOCH2COOR)、ア
ルコール、エチレングリコールおよびその他の不純物を
含有する。例えば、DMO水添の場合、生成物混合物はエ
チレングリコール、メタノール、未反応DMO、メチルグ
リコレート(MGA)、水、1,2-ブタンジオール(1,2-BD)、
エチレングリコールの沸点より低い標準沸点を有する種
々の不純物、およびエチレングリコールの沸点より高い
標準沸点を有する他の種々の不純物(ここでは重質物と
称する)を含有する。
DMO水添生成物混合物からエチレングリコールを回収す
るための比較的簡単な方法は3塔式精製装置を用い、こ
の精製装置では、第1分留塔でメタノールなどの最も低
い沸点の物質を塔頂留出物として除去し、第2分留塔で
残留物を処理し、MGA,DMO,水および1,2−BDなどの中
間沸点の物質を塔頂留出物として除去する。最後に、第
3分留塔で第2分留塔の残留物を処理することによって
エチレングリコールを回収する。この第3分留塔では、
不凍液級エチレングリコールを塔頂留出物中に回収する
ことができ、ポリエステル級エチレングリコールを側流
中に回収することができ、そして重質物よりなる残留流
を塔の底部から取り出す。
エチレングリコールの試料がポリエステル級エチレング
リコールとして適しているためには、この試料は厳しい
紫外線透過率試験に合格しなければならない。この試験
はエチレングリコールの試料及び蒸留水の試料を通る指
定波長での紫外線の透過率を比較することによって行な
われる。厚さ1cmのエチレングリコールの試料を透過し
た紫外線の量を、同じ厚さの蒸留水の試料を透過した紫
外線の量で割ってパーセントに換算すると、エチレング
リコール試料の透過率(パーセント)が得られる。現在
の市販繊維級のエチレングリコールの紫外線透過率の規
格値を以下に挙げる。
紫外線波長(ナノメートル) 透過率(パーセント) 220 70 275 90 350 98 語「UV吸収体」とは、試料中に存在するときに、試料
を通る紫外線の透過率を下げる物質を指して言う。従っ
て、工程流中にUV吸収体が形成すると、そのUV透過
率が減小する。
一般に、エチレングリコール試料のUV透過率が大きけ
れば大きいほど、そのエチレングリコールの値は大きく
なる。従って、回収したエチレングリコールが上記のU
V透過率標準を満たすだけではなく、そのUV透過率が
出来るだけ高いことが好ましい。運悪く、上記の3塔式
精製装置は典型的には、DMO及びMGAなどのジアルキルオ
キザレート、アルキルグリコレートおよびその他の不純
物を可成りの量含有する粗グリコール流からポリエステ
ル級エチレングリコールを回収するのに適しているとは
わからなかった。
本発明は粗エチレングリコールからポリエステル級エチ
レングリコールを回収する方法に関するものである。本
発明の好ましい特長は、ジアルキルオキザレートの水素
化により得られた生成混合物、即ちエチレングリコー
ル、部分水素化ジアルキルオキザレート即ちアルキルグ
リコレート、未反応ジアルキルオキザレート、の多量、
及び他の不純物を、典型的に含む混合物からポリエステ
ル級エチレングリコールを回収する方法に存する。
本発明によれば、エチレングリコールの沸点以下の標準
沸点を有し、エチレングリコールの存在下紫外線吸収体
を形成し得る少なくとも1種の化合物を含有する粗エチ
レングリコール流からポリエステル級エチレングリコー
ルを回収する方法が提供される。特に、本発明はジアル
キルオキザレートの水添から得られる生成物混合物より
なる粗エチレングリコール流からポリエステル級エチレ
ングリコールを回収するのに適用できる。このような水
添精成物としては、エチレングリコール、部分水添ジア
ルキルオキザレート(アルキルグリコレート)および未
反応ジアルキルオキザレートがある。他の不純物も存在
することもある。
ジアルキルオギザレートの水添から回収される粗エチレ
ングリコールに存在する前駆物質からの或るUV吸収体
の形成は水溶液中で塩基として作用する成分の有無によ
り影響されることが確認された。詳細には、粗エチレン
グリコールは、ポリエステル級エチレングリコールを回
収しようとするなら、水溶液中で約7.5未満のpHを示す
べきであるとわかった。かくして、本発明の一面による
方法は (1)約7.5より低い測定pHを有する粗エチレングリコール
流をエチレングリコール蒸留系に供給し、 (2)上記粗エチレングリコール流、及び上記蒸留系から
の回収ポリエステル級エチレングリコールを精留する ことを特徴とする。
粗エチレングリコール流のpHを測定するためには、まず
水を添加して水溶液を形成しなければならない。一般
に、粗エチレングリコールはそのpHを直接測定するのに
十分には水を含有しておらず、むしろ分析手順の一部と
して水を添加して粗エチレングリコール生成物にpHを指
定しなければならない。本発明によれば、「測定pH」
は、粗エチレングリコール流を使用して形成され、水50
重量%を含有する水溶液のpHである。このような水溶液
中で約7.5未満のpHを示す粗エチレングリコール流を以
後、酸性またはほぼ中性のエチレングリコールと称す
る。
また、グリコール精製中の高温は、特にDMOおよびMGAな
どの或る物質の存在下では下流で回収されたエチレング
リコールのUV(紫外線)吸収規格値に有害な或るUV
吸収体の形成を助長(すなわち促進)する。
第1分留塔から取り出されるガス状塔頂留出物、および
エチレングリコールと、DMOと,MGAとよりなる実質的に
メタノールを含有しない残留混合物により粗エチレング
リコールからメタノールを除去し、エチレングリコール
からDMOおよび/またはMGAを分離するのに比較的高温を
必要とする第2分留塔に上記メタノールを供給する上記
3塔式精製装置では、かかるUV吸収体の形成は望まし
くない程度まで進んでしまう。
回収されたエチレングリコール中の不適格のUV吸収規
格値に寄与することに加えて、この3塔式蒸留装置は副
反応によりエチレングリコールを可成り損失する。本発
明の回収方法はこれらの問題を回避するかあるいは減
じ、かくしてポリエステル級エチレングリコールの回収
を高めることができる。
従って、本発明の他の面によれば、エチレングリコール
の沸点より低い標準沸点を有し、エチレングリコールの
存在下紫外線吸収体を形成し得る少なくとも1種の成分
を含有する粗エチレングリコールからポリエステル級エ
チレングリコールを回収する方法において、 (a)粗エチレングリコールを、上部,下部および中間部
を有する分別蒸留帯域に供給し、 (b)少なくともエチレングリコール、上記の少なくとも
1種の成分、及びこの成分の沸点より低い標準沸点を有
し、且つ上記中間部で少なくとも部分的に液相状態であ
ることが可能な希釈剤が存在する分別蒸留帯域の中間部
において、希釈剤をこの中間部でのUV吸収体の形成を
減少させるのに十分な濃度を維持し、 (c)実質的に上記の少なくとも1種の成分を含まないエ
チレングリコールを分別蒸留帯域から取り出す、 ことを特徴とするポリエステル級エチレングリコールの
回収方法が提供される。
この方法は図面を参照してよく理解されるであろう。第
1図を参照して説明すると、管路21を通してジアルキル
オキザレートを水添反応帯域10に供給する。好ましく
は、管路22を通して水素ガスを管路21に供給し、この管
路21で水素ガスを水添反応帯域10に入る前にジアルキル
オキザレートと混合する。変更例として、点線23で示す
ように水素ガスを別々の供給流として水添反応帯域10に
直接供給してもよい。
一般に、水素は、反応Iによる化学量論上過剰の量、す
なわち、ジアルキルオキザレートに対して4:1より大
きい、好ましくは約20:1と135:1との間、最も好ま
しくは約30:1と70:1との間の量で用いる。また、メ
タン又は窒素などのバラストガスを供給してもよい。
好ましくは、ジアルキルオキザレートを蒸気として水素
と共に水添反応帯域10に供給する。また、水添反応帯域
10は、好ましくは、反応が気相で起り、かつジアルキル
オキザレートまたは生成物エチレングリコールの凝縮を
防ぐような温度および圧力の条件下に保つ。例えは、水
添反応帯域10は、代表的には、約140℃〜約300℃、好ま
しくは約170℃〜約260℃、より好ましくは約180℃〜約2
40℃の温度に保つ。反応圧力は代表的には約0.1気圧か
ら約200気圧まで変化することができるが、好ましくは
約1〜約40気圧の範囲である。このような条件下では、
帯域10についてのガスの代表的な空間時速は約180hr-1
〜約360000hr-1、好ましくは約720hr-1〜約18000hr-1
範囲である。任意の適当な水添触媒、例えば、亜クロム
酸銅、亜クロム酸銅亜鉛、亜クロム酸バリウム、亜クロ
ム酸銅アルミニウム、亜クロム酸亜鉛、ラニーニッケ
ル、亜クロム酸マンガンまたは亜クロム酸マグネシウム
を帯域10に用いることができる。他の適当な触媒として
は、すず、カドミウム、ルテニウム、亜鉛または鉛の組
成物およびこれらの金属のクロム酸化物がある。一般
に、銅をその元素状態または酸素との化合状態で含有す
る水添触媒、ならびにしばしば銅と併用される他の水添
用金属酸化物を担持状態又は非担持状態で使用し得る。
好ましい触媒は水酸化バリウムまたはナトリウムで促進
し得る還元亜クロム酸銅−亜鉛触媒である。
他の代表的な水添触媒としては、少なくともいくらかの
量の固形銅含有触媒が存在するかぎり、亜クロム酸亜
鉛、銅、カドミウム触媒、亜クロム酸アルミニウム銅及
び酸化クロム亜鉛を用いることができる。多くの適当な
銅含有水添触媒、例えば、亜クロム酸銅−亜鉛触媒、亜
クロム酸バリウム銅触媒、水酸化ナトリウム促進亜クロ
ム酸銅触媒および亜クロム酸銅触媒が市販されている。
触媒は固定床または流動床で使用することができ、反応
はバッチ式または連続式のいずれかで行うことができる
が、好ましくは連続流管状反応器などの任意の反応器の
設計を用いて連続式で行うのがよい。気相水添反応は発
熱反応であるので、好ましくは反応器を冷却して温度を
制御する。また、触媒を活性炭、アルミナ、シリカ、ケ
イソウ土、軽石、ゼオライトまたはモレキュラシーブな
どの担体に担持するのがよい。
ガス状水添流出物を水添反応帯域10から管路24を通して
取り出す。流出流24は一般にエチレングリコール、アル
カノール、未反応水素、部分水添および未反応ジアルキ
ルオキザレート、および不純物ならびにバラスト(用い
ている場合)の混合物よりなる。好ましいジアルキルオ
キザレートはジメチルオキサレート(DMO)およびジエチ
ルオキザレートである。水添反応生成物混合物の精製方
法の説明を簡単にするために、本発明の残りの部分をDM
Oの水添から得られる水添流出流について述べる。しか
し、本発明はそのように限定されるものではない。ジエ
チルオキザレートを水添することによって得られる生成
物混合物をDMO水添生成物混合物について後述する方法
と同様に処理することができる。
ジメチルオキザレートの水添からの不純物としては、未
反応DMO、メチルグリコレール(MGA)、すなわち部分水添
DMOY、2−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキザレー
ト(HMD)、1,2−ブタンジオール(1,2-BD)、水、エ
チレングリコールより高い沸点を有し、ここでは重質物
と称する化合物およびエチレングリコールより低い沸点
を有する化合物のうちの1種またはそれ以上である他の
不純物がある。
好ましくは、水添流出流24を冷却してコンデンサ11でそ
のエチレングリコールのほとんどを凝縮する。代表的に
はエチレングリコール、DMO、MGAおよび他の不純物を含
有する凝縮物を管路25を経てフラッシュタンク12に送
り、そこで圧力を下げて(約20psiaの圧力が適当であ
る)メタノールと、少量のエチレングリコールを含有し
ている蒸気流26と、代表的にはエチレングリコール、DM
O、MGAおよび他の不純物を含有している液状流27とを生
じる。流れ26を第1メタノール塔13に送り、流れ27を塔
14に供給する。
コンデンサ11から取り出されるガス状の流れ28は代表的
にはメタノール、水素、およびバラストなどの他の低沸
点物質を含有している。ガス状の流れ28を更らに冷却し
て第2コンデンサ15に送り、そこでバラスト(用いた場
合)とともに水素よりなる蒸気流29と、代表的にはメタ
ノールおよびこれより揮発性でない諸物質よりなる液状
流30を取り出す。好ましくは、水素流29をジアルキルオ
キザレート水添反応帯域10に再循環する。メタノール流
30をメタノールフラッシュポット16に送り、そこで例え
ば約20psiaまで減圧し、大気に排出することができる種
々の低沸点物質よりなるガス状流31を、代表的にはメタ
ノールと少量の種々の他の揮発性のより低い物質とより
なる液状流32から分離する。
流れ32を、好ましくは蒸気流26を供給する位置より上方
の箇所で第1メタノール塔13に導入する。高純度のメタ
ノール生成物33を第1メタノール塔13の頂部から取り出
し、代表的にはメタノールと少量のエチレングリコー
ル、DMO、MGA、エタノールおよび他の不純物とよりなる
液状流34を底部から取り出す。次いで、塔底流出流34
を、好ましくは液状流27の供給位置より上方の箇所で塔
14に供給する。
残留流34および液状流27は、ともに塔14に供給される粗
エチレングリコール流よりなる。別の実施例では、第1
図に点線24Aで示すように、水添流出流24をコンデンサ
100で冷却して部分凝縮を行い、そして塔14に直接供給
してもよい。
本発明によれば、塔14に供給される粗エチレングリコー
ル流は酸性か、あるいはほぼ中性であるべきである。上
述のように、粗エチレングリコールの精留中に粗エチレ
ングリコール流に存在する前駆物質からUV吸収体が形
成するのを回避するには、粗エチレングリコールが約7.
5未満の測定pHを示すべきであるということがわかっ
た。好ましくは、粗エチレングリコールの測定pHは約4.
0〜約7.5より好ましくは約5.5〜約7.0の範囲である。
一般に、粗エチレングリコール流中の未反応ジアルキル
オキザレートおよび部分水添ジアルキルオキザレートの
量が増えると、この粗エチレングリコール流の測定pHが
低下し、すなわち、この流れがより酸性になる。逆に、
未反応および部分反応ジアルキルオキザレートの量が減
ると、この流れの測定pHは上昇し、すなわち、この流れ
は一層アルカリ性になる。
本発明のためには、ジメチルオキザレートを水添するこ
とにより得られる粗エチレングリコール生成物混合物中
のDMOおよびMGAの重量パーセントの合計を水添不足度と
称する。かくして、水添生成物中のDMOおよびMGAの重量
%の合計が0.05未満になるように、DMOを実質的に完全
に水添すると水添不足度は0.05またはそれ以下である。
水50重量%を含有するこのような粗エチレングリコール
流の測定pHは代表的には約7.5より大きい。
約7.5より高い測定pHを有する粗エチレングリコール
(以後、アルカリ性エチレングリコールと称する)流か
ら、上記UV透過率標準値を満たすポリエステル級エチ
レングリコールを回収するのは中性または酸性の粗エチ
レングリコール流から回収するより非常に困難である。
いずれの特定の理論にも限定しようとするものではない
が、或るUV吸収体およびUV吸収体前駆物質はより揮
発性であり、従ってアルカリ性環境におけるよりも酸性
環境における方がエチレングリコールから容易に分離さ
れると思われる。
従って、本発明の一面は、回収される粗エチレングリコ
ール流が酸性またはほぼ中性であるように、ジメチルオ
キザレートの水添程度または水添不足度を制御する方法
よりなる。水添不足度は好ましくは少なくとも約0.05で
あるが、約1.0より大きくなく、より好ましくは約0.06
〜約0.5の範囲である。このように、過度にアルカリ性
の粗エチレングリコール流に伴う悪影響を回避すること
ができる。本発明の他の面では、リン酸などの酸を粗グ
リコールに添加することによりアルカリ性粗エチレング
リコール流のpHを約7.5未満まで低下させることができ
る。
以下第2図を参照すると、 酸性粗エチレングリコール流を精製するための本発明に
よる蒸留装置が示されている。塔14は、トレー、パッキ
ンあるいはトレーとパッキンの組合せを備えている、粗
エチレングリコール流を蒸留する概ね円筒形の塔よりな
る。
本発明によれば、以下のようにして塔14を運転する。
(1)低沸点および中間沸点の化合物、例えばメタノー
ル、MGAおよびDMOを1つの塔でエチレングリコールから
分離し、それによりメタノールの存在下、DMOおよび/
またはMGAとエチレングリコールとの接触を最小限にす
ることによってDMOおよび/またはMGAとの反応によるエ
チレングリコールの消費を低減し、 (2)DMOおよびMGAを、好ましくはエチレングリコールが
少ない側流として塔から取り出し、それによりエチレン
グリコールとDMOおよび/またはMGAとよりなる流れが高
温に出合うような塔の底部から取出される状況を回避す
ることによってUV吸収体の形成を減じ、 (3)希釈剤、好ましくはメタノールと塔内で高い濃度に
保って、DMOおよび/またはMGAとともにエチレングリコ
ールが存在する塔の部分を、希釈剤をより低い濃度に保
った場合の温度よりも低い濃度で運転する。
上述のように、塔14では、粗エチレングリコール流を、
エチレングリコール、DMOおよびMGAを実質的に含まない
が、いくらかのエタノールおよび水を含有するガス状の
塔頂留出メタノール流41と、DMOおよびMGAを実質的に含
まず、エチレングリコールおよび1,2−BDや重質物であ
る不純物を含有する残留液流43とに分離する。部分コン
デンサ18でガス状塔頂留出流36を部分的に凝縮し、液状
メタノール還流液流40を塔14の頂部に戻すことによって
還流液を塔14に供給する。部分コンデンサ18から塔頂留
出流41を取出す。液状残留物35の一部37をリボイラ17で
蒸発させることによって蒸気処理量を発生させる。残留
流35の残部、すなわち、蒸発しないものは残留液流43よ
りなる。
塔14は、代表的には約300〜約800トル(torr)、好ましく
は約400トルの圧力で運転する。これらの圧力および適
当な還流レベル下では、塔14の底部での温度は代表的に
は約160〜約210℃、一般には約180℃〜200℃であり、塔
14の頂部での温度は代表的には約50〜約70℃、一般には
約55℃〜65℃である。
メタノールおよび他の不純物とともにDMOおよびMGAを含
有する液状側部流出物38を供給トレーより上の塔の位置
で塔14から取出す。好ましくは、液状側部流出物の位置
は、エチレングリコールを非常にわずか、好ましくは20
重量%未満、より好ましくは10重量%未満含有するよう
に選択する。液状側部流出物38の大部分39を、好ましく
は液状側部流出物38の取り出し位置より下の1つのトレ
ーのところで塔14に戻す。液状側部流出物38の残り部、
すなわち、塔14へ戻されない流れは液状側流42よりな
る。この構成により、塔14からDMOおよびMGAを除去する
ための少量のパージ流、すなわち側流42を塔14から除去
するのが容易になる。
塔14は、希釈剤とともにUV吸収体形成物質を含有し、
かつ実質的にエチレングリコールを含まない流れを塔か
ら取り出すことができるように運転する。換言すると、
低沸点希釈剤を高濃度で塔内に保ちながら、中間沸点物
質とともに低沸点物質よりなる「ディープカット(deep
cut)」を塔から取り出す。第2図の実施例では、メタノ
ール還流レベルを適切に調整することによって、粗エチ
レングリコール流とともに塔14に導入されたDMOおよびM
GAの実質的にすべてを少量のパージ流42として塔14の側
部から取り出すことができる。
ジメチルオキザレートの水添で生じたメタノールは好ま
しい希釈剤である。メタノールを希釈剤として用いる場
合、このメタノールを粗エチレングリコール流を介して
別々の還流物の流れとして塔14に供給する。塔14内の希
釈剤の濃度は好ましくは塔における還流比を調整するこ
とによって高濃度に維持する。液状エタノールの還流に
より、エチレングリコールを液状側部流出流38の取出し
位置まで上昇しないようにするとともに、塔内のより低
い温度分布を達成することができる。上述のように、U
V吸収体の形成を回避するためにエチレングリコールと
DMOおよび/またはMGAとの両方が存在する塔の部分にお
ける温度をより低く保つことが特に重要である。好まし
くは、塔の運転圧力および還流比を適切に選択すること
によって塔のかかる領域における温度を約160℃より低
く、より好ましくは約150℃より低く保つ。
粗エチレングリコールを介して塔14供給されたDMOおよ
びMGAは一般に塔14内を下方に移動して漸高温度に出合
い、ついには蒸発し、その後上昇蒸気ととも塔内を上方
に移動する。同時に、液状希釈剤、好ましくはメタノー
ルは塔14の頂部から液相で下方に移動している。液状希
釈剤は塔内を下方に移動して、上方に移動しているガス
状DMOおよびMGAと接触してこれらを冷却する。ガス状DM
OおよびMGAは上方に移動して漸低温度に出合い、ついに
は好ましくは液状側部流出物38の取出し位置より上の位
置で凝縮する。液状希釈剤は塔14内を下方に移動して漸
高温度に出合い、ついには蒸発する。可成りの量の液状
希釈剤が液状側部流出物38の取り出し位置の下を通るよ
うに内部還流条件を保つことが好ましい。かくして、可
成りの量のガス状希釈剤、好ましくは、メタノールも液
状側部流出物38の取出し位置を通って上方に流れてその
位置で液状DMOおよびMGAを冷却し、それによりUV吸収
体の形成を減じる。
塔14のR/D比(還流物対留出物の比)、すなわち、液状
還流物の流れ40の容量流量をガス状塔頂留出流41の容量
流量で割った値は好ましくは約0.2〜約3.0の範囲であ
る。
塔14のD/F比(留出物対供給物の比)、すなわち、ガス
状塔頂留出流41の容量流量を塔14に供給された粗エチレ
ングリコール流の容量流量で割った値は好ましくは約0.
1〜約0.8の範囲である。
塔14のIR/LSS比(内部還流物対液状側流の比)、すなわ
ち、管路39を通る内部還流物の容量流量を液状側流42の
容量流量で割った値は好ましくは約1〜約50の範囲であ
る。
塔14のLSS/F比(液状側流対供給物の比)、すなわち、
液状側流42の容量流量を塔14に供給された粗エチレング
リコール流の容量流量で割った値は好ましくは約0.01〜
約0.5の範囲である。
第2図の塔14から取出された流れを処理する2つの装置
を第3図および第4図に示してある。まず第3図を参照
して説明すると、塔14の流出流を処理する装置は第2メ
タノール塔80、トッピング塔81および精製塔82を備えて
いる。
ほぼ大気圧で運転されている第2メタノール塔80にガス
状塔頂留出流41を供給する。流れ41を精留して実質的に
純粋なメタノールよりなる塔頂留出流44Bと、エタノー
ルおよび水よりなる残留流45Bとを生じる。塔頂留出流
44を部分的に凝縮して凝縮物を流れ44Aで塔80の頂部に
戻すことによって塔80用の還流物を供給する。残留流45
の一部45Aを蒸発させることによって熱を塔に供給す
る。
第3図の実施例では、DMO、MGA及び他の不純物よりなる
液状側流42を任意の適当な方法で処理するだけでよい。
エチレングリコールと、1,2−BDおよび重質物である不
純物とよりなる残留流43をトッピング塔81に供給する。
エチレングリコールおよび1,2−BDは400トルで約55モー
ルパーセントの1,2−BDを含有する最小沸点の共沸混合
物を形成する。このように、トッピング塔81に供給され
た1,2-BDを塔頂留出物として除去するとき、トッピング
塔81に供給されたエチレングリコールの一部がどうして
も1,2−BDとともに除去されてしまう。塔81から取出さ
れた液状残留流47Bはエチレングリコールと重質物とよ
りなる。残留液47の一部を再沸騰することによって熱を
供給しながら、塔頂留出共沸混合物46を一部凝縮するこ
とによって塔81用の還流物を供給する。
塔81から除去された残留流47Bを精製塔82に供給する。
精製塔82を運転して不凍液級エチレングリコールよりな
る塔頂留出流48と、ポリエステル級エチレングリコール
よりなる液状側流49と、重質物よりなる液状残留流50と
を生じる。好ましくは、液状側流49を液状残留流47Bの
塔82への供給位置より上の位置から取出す。塔頂留出流
48の一部を一部凝縮することによって還流物を塔82に供
給する一方、液状残留流50の一部を蒸発させることによ
って熱を加える。
通常、種々の蒸留塔を出来るだけ熱的に一体化する。例
えば、トッピング塔81から取出されるガス状塔頂留出流
46および/または精製塔82から取出されるガス状塔頂留
出流48を使用して熱を第二メタノール塔80のカランドリ
アに供給すればよい。
塔14のガス状塔頂留出流41、液状側流42および残留流43
を処理する第2装置を第4図に示してある。第4図を参
照して説明すると、メタノール、エタノールおよび水よ
りなるガス状塔頂留出流41を第2メタノール塔83に供給
し、DMO、MGAおよび他の不純物よりなる液状側流42をDM
O/MGA回収塔84に供給する。メタノール、エタノールお
よび水よりなるガス状塔頂留出流51BがDMO、MGAおよび
他の不純物よりなる液状残留流74Bから分離されるよう
にDMO/MGA回収塔84内の条件を維持する。塔84を通る塔
頂留出還流物および蒸気の流れは公知の方法で供給す
る。
第2メタノール塔83は第3図と関連して上述した第2メ
タノール塔80に実質的に同様に構成され、運転される。
かくして、メタノール源として有用な実質的に純粋なメ
タノールよりなるガス状塔頂留出流52Bを簡単に処理す
ることができるエタノールおよび水よりなる液状残留流
53から分離する。
塔14から取出された残留流43をトッピング塔85に供給す
る。トッピング塔85は第3図の装置と関連して上述した
トッピング塔81と実質的に同様に構成され、運転され
る。かくして、1,2−BDおよびエチレングリコールより
なるガス状塔頂留出流54Bをエチレングリコールおよび
重質物よりなる液状残留流55から分離する。液状残留流
55Bを精製塔86に供給する。
精製塔86は第3図の装置と関連して上述した精製塔82と
実質的に同様に構成され、運転される。かくして、不凍
液級エチレングリコールよりなるガス状塔頂留出流56B
を、ポリエステル級エチレングリコールよりなる液状側
流57Bおよび簡単に処理することができる重質物よりな
る液状残留流58Bから分離する。
また、熱的一体化を使用する場合、トッピング塔85のガ
ス状塔頂留出流54および精製塔86から取出されたガス状
塔頂留出流56を使用して熱を第2メタノール塔83のカラ
ンドリアに供給すればよい。
粗エチレングリコール流を処理する他の装置を第5図に
示してある。第5図を参照して説明すると、塔87は代表
的には概ね円筒形のトレー付き塔よりなるか、あるいは
パッキン又はパッキンとトレーとの組合せを有してい
る。この実施例では、塔87を運転して、実質的にDMOお
よびMGAを含まず、エチレングリコール、1,2−BDおよび
重質物よりなる液状残留物59Bをメタノール、MGA、DMO
および他の不純物よりなるガス状塔頂留出流64Bから分
離する。言い換えると、第2図〜第4図の塔14とは対照
的に、DMOおよびMGAを粗グリコール塔87のメタノールを
主とする塔頂留出流を追いやる。
塔87から回収されたガス状塔頂留出流64Bと、第2メタ
ノール塔88に供給する。第2メタノール塔88は、メタノ
ール源として有用な実質的に純粋なメタノールよりなる
ガス状塔頂留出液状65BがMGA、DMOおよび他の不純物よ
りなる液状残留流66から分離されるように運転する。
塔87から回収された液状残留流59Bをトッピング塔89に
供給する。トッピング塔89は一般に、第3図の装置と関
連して上述したトッピング塔81と実質的に同様に構成さ
れ、運転される。かくして、1,2−BDとエチレングリコ
ールの共沸混合物よりなるガス状塔頂留出流69Bを、精
製塔90に供給し、エチレングリコールおよび重質物より
なる液状残留流70Bから分離する。
精製塔90は第3図と関連して上述した精製塔82と実質的
に同様に構成され、運転される。かくして、(1)不凍液
級エチレングリコールよりなるガス状塔頂留出流71Bを
塔90の頂部から取り出し、(2)ポリエステル級エチレン
グリコールよりなる液状側流72Bを塔90の中間位置から
取出し、(3)重質物よりなる液状残留流73Bを精製塔90
の底部から取り出す。
前記諸実施例におけるように、構成を熱的に一体化する
ためには、トッピング塔89から取り出されたガス状塔頂
留出流69および/または精製塔90から取り出されたガス
状塔頂留出流71を使用して熱を第2メタノール塔88のカ
ランドリアに供給すればよい。
粗エチレングリコール流24Aまたは27および34を処理す
る第4装置を第6図に示してある。
第6図の塔91は、DMOおよびMGAを実質的に含まず、エチ
レングリコールおよび重質物よりなる液状残留流75Bが
メタノール、DMO、MGAおよび他の不純物よりなるガス状
塔頂留出流76Bから分離されるように、第5図の塔87と
同様に運転される。ガス状塔頂留出流76Bを第2メタノ
ール塔94に供給し、そこで実質的に純粋なメタノールよ
りなるガス状塔頂留出流77Bと、MGA、DMOおよび他の不
純物よりなる液状残留流78Bとに分離する。
液状残留流75Bを直接、精製塔95に供給する、精製塔95
は一般に、第3図に示す装置と関連して上述した精製塔
82と実質的に同様に構成され、運転される。かくして、
不凍液級エチレングリコールよりなるガス状塔頂留出流
96Bを精製塔95の頂部から取り出し、ポリエステル級エ
チレングリコールよりなる液状側流97Bを精製塔95の中
間位置から取り出し、重質物よりなる液状残留流98Bを
精製塔95の底部から取り出す。
下記の例(これらの例は例示のためのものであって限定
するものではない)について本発明を説明する。
下記の例すべてにおいて、流れの試料の組成を「シリー
ズ」塔(無水)でガスクロマトグラィにより分析した。
各成分の結果を得、試料中の成分の相対重量パーセント
を良好に示す領域パーセントとして報告する。水含有量
は別の分析で得た。
例 下記例1〜6において、塔14、トッピング塔81または85
および精製塔82または86を備え、第3図および第4図に
示す装置と同様な分離装置を運転していくつかの粗エチ
レングリコール流の分離を調べた。3つの塔を同時に運
転したが、塔14およびトッピング塔81/85は互いに直接
連結していなかった。むしろ、塔14からの残留流を手動
で目盛付き供給タンクに移送し、その後、このタンクか
らトッピング塔に圧送した。トッピング塔および精製塔
の運転圧力の差により、トッピング塔からの残留流をタ
イマで操作されるインライン電磁弁を介して精製塔に供
給した。すべてのタンクを窒素でおおった。精製塔から
の液状側流試料を窒素ブランケット下で採取した。
塔14は各々が1インチ間隔の55個のオルダシャウ(Older
shaw)トレーを備えた50mm直径の塔よりなっていた。塔1
4には、還流制御用のタイマで操作される液体分割ヘッ
ドを備えた。液状側流をトレー50からタイマで操作され
るインライン電磁弁を介して取り出した。下記例のうち
のこの例およびすべてにおいてトレーには、塔の底部か
らその頂部まで番号を付してある。別段示さない限り、
R/D比を約0.5、LSS/F比を約0.02に保った。ケトルは残
留物除去用の誘導管およびインライン電磁弁を備えてい
た。供給位置はトレー30であり、流れ予熱器を使用して
供給物を塔14に入る前に制御可能に予熱した。供給物は
約95℃の温度で塔14に流入した。塔14の頂部で測定した
塔圧は約300トルであった。塔内で測定した温度は頂部
で約55℃、トレー50で145℃、トレー30で158℃および底
部で181℃であった。
トッピング塔は直径がほぼ2インチで、高さが78インチ
であり、0.24インチのPRO-PAK(商標)パッキンを充填
してあった。塔14からの液状残留流を目盛付き供給タン
クから蒸気予熱器を通して圧送し、約130℃の温度でケ
トルより約52インチ上方の位置でトッピンク塔に供給し
た。トッピング塔の頂部および底部で測定した圧力は夫
々約400トルおよび約408トルであった。トッピング塔内
の温度は頂部で約169℃、ケトルより52インチ上方の位
置で177℃および底部で178℃であった。
トッピング塔には、還流制御用のタイマで操作される液
体分割ヘッドを備えてあった。別段示さない限り、トッ
ピング塔のR/D比を約15にした。残留物をインライン電
磁弁を介して除去し、2つの蒸留器間の差圧を保つこと
によって精製塔に直接供給した。
この精製塔は35個のオルダシャウトレーを備えていた。
トッピング塔からの液状残留流を約168℃の温度で精製
塔の10番目のトレーに供給した。ガス状塔頂留出物およ
び液状側流を除去するために液体分割ヘッド(還流制御
用タイマで操作される)をトレー35およびトレー25に位
置決めした。供給箇所より下の10個のトレーは1インチ
間隔で直径が50mmであり、塔の残部には、28mm直径のト
レーを1インチ間隔で備えていた。ケトルは液状残留流
を除去するための誘導管および電磁弁を備えていた。
精製塔内で測定した圧力は頂部で約200トル、底部で235
トルであり、温度は頂部で約156℃、トレー25で158℃、
トレー10で161℃および底部で235℃であった。別段示さ
ない限り、精製塔を約10.0のR/D比、約0.1のD/F比、約
1.0のIR/LSS比、約0.8のLSS/F比で運転した。
例1〜4では、ジメチルオキザレート水添反応生成物よ
りなる4つの粗エチレングリコール原料流を塔14に供給
した。水添反応器における水添程度すなわち水添不足度
を変えることによって種々の原料流のpHを固定した。例
5、6では、例4の原料流のpHを夫々、酸および塩基の
添加により変えた。
蒸留装置の実験質運転は代表的には8時間の交代時間に
制限した。諸塔を直列にし、次いで調時運転を行い、試
料を採取し、許量して分析した。調時運転の作動期間は
概ね1時間または2時間であった。
例2と例3とも、塔を17時間、連続して運転した。これ
らの長期運転は、装置の安定性を試験して長い運転時間
にわたって不純物が形成したかどうかを確かめるために
行った。各6時間の交代時間中、3つの3時間調時運転
を行った。例2および例3は、6時間の交代時間で3時
間調時運転を行った。
16時間の運転中、塔は非常に円滑に作動し、操作者の注
意は非常にわずかで済んだ。また、調時運転中に採取し
た試料には不純物の異常な形成はみられなかった。
例 1 種々の所定の流れの組成を下記表1に挙げてある。原料
流中のMGAおよびDMOの重量パーセントは夫々0.04および
ごくわずかであり、水添不足度が0.04であることを示し
ている。原料流の測定pHは8.7であった。精製塔からの
液状側流のUV透過率は350、275および220ナノメート
ルの波長で夫々、99.3、88.4および63.6であった。すな
わち、生成物エチレングリコール流は275nmまたは220nm
の波長ではポリエステル級エチレングリコールのUV透
過率規格値を満たしていなかった。
例2 例2では、例1で使用したものと同じ実験室装置を使用
した。この装置は塔14の頂部で測定した塔圧が約400ト
ルであり、塔14およびトッピング塔におけるR/D比が夫
々約1.0および120であった以外は、例1と実質的に同様
に運転した。
例2における種々の流れの組成を下記表2に挙げてあ
る。原料流中のMGAおよびDMOの重量パーセントは夫々0.
015およびごくわずかであり、0.15の水添不足度を示し
た。原料流の測定pHは6.57であった。精製塔からの液状
側流のUV透過率は350、275および220ナノメートルの
波長で夫々100.8、96.1および74.5パーセントであっ
た。すなわち、生成物エチレングリコール流はポリエス
テル級エチレングリコールのUV透過率規格値を満たし
ていた。
例3 例3では、トッピング塔におけるR/D比が約30.0であっ
た以外は、例2と実質的に同じように実験室装置を運転
した。
例3における種々の流れの組成を下記表3に挙げてあ
る。原料流中のMGAおよびDMOの重量パーセントは夫々0.
40および0.03であり、0.43の水添不足度を示した。原料
流の測定pHは4.55であった。精製塔からの液状側流のU
V透過率は350、275および220ナノメートルの波長で夫
々100.2、96.4および76.6パーセントであった。すなわ
ち、生成物エチレングリコール流はポリエステル級エチ
レングリコールのUV透過率規格値を満たしていた。
例4〜6 例4〜6では、例1における装置と同じ実験室装置を使
用した。例4〜6において、トッピング塔のR/D比が約6
0であった以外は、例2と実質的に同様に装置を運転し
た。
例4における原料流は水添反応生成物の一部よりなり、
他の部分をpH調整して例5および例6の原料として使用
した。例4の原料流のpHは約7.3であった。例5では、
例4の原料流の一部をリン酸の添加によって7.3から4.5
にpH調整し、例6では、例4の原料流の一部を水酸化ナ
トリウム水溶液の添加によって7.3から9.1にpH調整し
た。
例4〜6における原料流およびエチレングリコール流の
組成を表4に挙げてある。例4の精製塔からの液状側流
のUV透過率は350、275および220ナノメートルの波長
で夫々100.1、95.2および81.2パーセントであった。す
なわち、例4の生成物エチレングリコール流はポリエス
テル級エチレングリコールのUV透過率規格値を満たし
ていた。例5の精製塔からの液状側流のUV透過率は35
0、275および220ナノメートルの波長で夫々100.2、96.3
および76.4パーセントであった。すなわち、例5の生成
物エチレングリコール流はポリエステル酸エチレングリ
コールのUV透過率規格値を満たしていた。例6の精製
塔からの液状側のUV透過率は350、275および22ナノメ
ートルの波長で夫々100.0、92.4および69.4パーセント
であった。すなわち、例6の生成物エチレングリコール
流はポリエステル級エチレングリコールのUV透過率規
格値を満たしておらず、例4および例5の生成物より明
らかに劣っていた。
例 7 35個のオルダシャウトレーを備え、ガス状塔頂留出流お
よび液状側流の除去用の液体分割ヘッドをトレー35およ
びトレー25に位置決めした本発明による第2図に示す種
類の塔を試験した。供給個所はトレー15であった。
この塔を約210℃の基部温度および約67℃の頭部温度で
運転した。塔の頂部で測定した塔圧は約760トルであっ
た。原料流の温度は約25℃であった。トレー15およびト
レー25での温度を測定したところ、夫々約163℃および1
01℃であった。約1.0のR/D比、約0.55のD/F比、約10.0
のIR/LSS比および約0.06のLSS/F比で塔を運転した。こ
れらの比は容量比として測定した。
ジメチルオキザレート3パーセントを含有する合成原料
を使用して粗エチレングリコール流の類似物とした。こ
の合成原料の組成を下記表5に示してある。また、表5
は第2図のガス状塔頂留出流41、液状側流42および液状
残留流43に夫々相当するガス状塔頂留出流、液状側流お
よび液状残留流の組成をも示している。
塔14から取出された液状残留物を採取し、約195トルの
頭部圧力で稼動している35個のトレー付き仕上げ塔に試
料476mlを充填することによりバッチ蒸留した。この仕
上げ塔を2分の1時間の全体還流で運転し、次いで、48
mlのガス状塔頂留出物(充填量の約10%)を約10.0のR/
D比で稼動している仕上げ塔の頂部から除去した。次い
で、ガス状塔頂留出物の生成を止め、約3.0のIR/LSS比
で運転しながら、各々がほぼ50mlよりなる液状側流の試
料(表6の1〜4)をトレー25のところで仕上げ塔から
取出した。ガス状塔頂留出物(凝縮後の)および表6に
おける試料1〜6として示す4つの液状側流試料の各々
について紫外線(UV)透過率の測定を行った。これら
のUV透過率の測定値を表6に挙げてある。
表6に示すように、4つの液状側流試料のすべてがポリ
エステル級エチレングリコールのUV透過率試験を合格
した。この例は本発明により運転される装置がかなり純
粋でない水添生成物を処理することができ、そのうえ、
高品質のポリエステル級エチレングリコールを回収する
ことができる。また、塔14への原料中に存在するジメチ
ルオキザレートの約80パーセントを塔から取出した液状
側流中に回収した。
例8 この例では、合成原料はジメチルオキザレートおよびメ
チルグリコールの両方を含有していた(表7を参照せ
よ)。例8でも、例7で使用した塔を使用した。この例
では、頭部温度を約66℃に保ち、D/F容量比を約0.57、L
SS/F容量比を約0.07とした以外は、例7における条件と
同様な条件下で塔を運転した。
この試験は、メチルグリコレートの本質的にすべておよ
びジメチルオキザレートの84パーセントを塔の液状側流
中に回収したので、成功であるとわかった。
例9 この例では、40個のオルダシャウトレーを有する第2図
の塔14に実質的に相当する塔に粗エチレングリコール流
を供給した。塔14をほぼ大気圧で運転した。ガス状塔頂
留出流および液状側流を夫々除去するために液体分割ヘ
ッドをトレー40およびトレー30のところに位置決めし
た。原料流をトレー10のところで塔に導入した。ジメチ
ルオキザレート水添生成物を表わす原料流はジメチルオ
キザレート8.93%およびメチルグリコレート7.08%を含
有していた。
塔14を約204℃の底部温度および約65℃の塔頂温度で運
転した。原料温度は約25℃であった。R/D比を約1.0に保
った。IR/LSS比で調整してトレー30のところの温度をほ
ぼ118℃トレー17のところの温度を119℃およびトレー10
のところの温度を160℃に保った。IR/LSS比を約2.2に保
ち、D/FおよびLSS/F比を夫々約0.42および0.19に保っ
た。
(a) ガス状塔頂留出流中および液状側流中のエチレン
グリコールの量を最小にするように、また(b)ジメチル
オキザレートおよびメチルグリコレートのほとんどをい
くらかのメタノールとともに液状側流により確実に除去
するように塔内の条件を維持した。
塔から取出された流れの組成、すなわち、ガス状塔頂留
出流、液状側流および液状残留流の組成を表8に示して
ある。これらの結果が示すように、原料流中に含有して
いたメチルグリレートの99.3%およびジメチルオキザレ
ートの60%が液状側流中に回収された。
例10 この例では、原料混合物は表9に流れAとして示すよう
にほぼ同じ組成を有するジメチルオキザレート水添生成
物よりなっていた。この水添生成物をコンデンサに供給
し、そこで水添生成物混合物の一部を凝縮した。主とし
てメタノールよりなる蒸気流をコンデンサから取出して
処理した。コンデンサから取出した液状流を粗エチレン
グリコール流として実質的に第6図の塔91に相当する塔
に供給した。塔を実質的に第6図の精製塔95に相当する
精製塔に連結してこの精製塔と一体的に運転した。
この装置を数日間運転したが、この間、(分析のため以
外は)残留物を精製塔から除去しなかった。諸塔をライ
ンアウト後に、4時間の調時稼働で運転した。
塔91にPRO-PAK(商標)の突出パッキンを充填して理論
板60個を収容したものとみなした。粗エチレングリコー
ル流を理論板40あたりのところで導入した。塔を約178
℃の底部温度、約67℃の頭部温度および約400トルの圧
力で運転した。塔に流入する粗エチレングリコールの温
度は約100℃であった。還流を調整することによって塔
全体にわたって温度を制御して供給箇所で約158℃の温
度を維持した。R/D比は約1.5であった。
第6図におけるガス状塔頂留出流76Bに相当するガス状
塔頂留出流(表9における流れB)および第6図におけ
る液状残留流75Bに相当する液状残留流(表9における
流れC)を塔から取り出した。
精製塔は35個のオルダシャトレーを備え、第6図のガス
状塔頂留出流(表9における流れD)に相当し、不凍液
級エチレングリコールよりなるガス状塔頂留出流(表9
における流れD)、および第6図の液状側流97Bに相当
し、ポリエステル級エチレングリコールよりなる液状側
流(表9における流れE)を除去するためにトレー35お
よびトレー25に液体分割ヘッドを備えていた。精製塔へ
の供給物は塔91からの残留物よりなり、これを約160℃
の温度で精製塔のトレー15のところで導入した。精製塔
を約172℃の底部温度、約165℃の頭部温度、および塔の
頂部での測定で約200トルの塔圧で運転した。温度をト
レー25のところで約166℃、トレー15のところで約168℃
に保った。R/D比を約20.0とし、IR/LSS比を約1.0とし
た。
流れA、DおよびEの紫外線透過率試験を表10に挙げて
ある。
例11 この例では、「発明の背景」のところで述べた装置のよ
うな段階式3塔型装置を試験した。水添生成物(表11に
おける流れA)を、50個のオルダシャウトレーを備えた
第1蒸留塔に供給した。この第1蒸留塔を約161℃の基
部温度、約62℃の頭部温度、および塔の頂部での測定で
約760トルの塔圧で運転した。R/D比を約2.0に保った。
トレー20のところで第1蒸留塔に流入する原料流の温度
は約25℃であった。トレー20のところの第1蒸留塔内の
温度を約68℃に保った。D/F質量比は約0.51であった。
メタノールよりなる第1塔頂留出流を第1蒸留塔から取
出し、エチレングリコール、水エタノール、および他の
不純物よりなる第1残留流(表11における流れB)を塔
の底部から取出す。
第2蒸留塔は約60個の理論板を有する充填塔よりなるも
のであった。第1残留流を約150℃の温度で理論板40の
あたりで第2蒸留塔に導入した。第2蒸留塔を約177℃
の基部温度、約141℃の頭部温度、および約400トルの圧
力で運転した。R/D比を約15.0に保った。理論板40のと
ころの第2蒸留塔内の温度を約158℃に保った。不純
物、中間体およびいくらかのエチレングリコールよりな
る第2塔頂留出流を第2蒸留塔の頂部から取出した。エ
チレングリコールおよび重質物よりなる第2残留流を第
2蒸留塔の底部から取出した。この第2残留流を第3蒸
留塔に導入した。
第3蒸留塔は35個のオルダシャウトレーを有しており、
この第3蒸留塔を約172℃の基部温度、約166℃の頭部温
度および塔の頂部での測定で約200トルの塔圧で運転し
た。第2残留流を約170℃の温度でトレー15のところで
第3蒸留塔に導入した。液体分割ヘッドをトレー35、25
のところに位置決めして塔頂留出エチレングリコール流
(表11における流れD)およびポリエステル級エチレン
グリコール側流(表11における流れE)を夫々除去し
た。トレー15、25のところの温度を夫々約168℃および1
67℃に保った。R/D比およびIR/LSS比を夫々約10.0およ
び1.0に保った。
また、第3残留流を第3蒸留塔の底部から取出した。
表11における流れEすなわちポリエステル級エチレング
リコール流についての紫外線透過率試験を表12に示して
ある。生成物は先に述べた透過率標準値を満たしていな
い。
例12 この例では、実質的に、第3図に示す装置に相当し、塔
14、トッピング塔81および精製塔82を有する装置を用い
た。塔14は55個のオルダシャウトレーを備えていた。ガ
ス状塔頂留出流および液状側流を夫々除去するためにト
レー55、50のところに液体分割ヘッドを位置決めした。
供給箇所はトレー30であった。塔14を約181℃の基部温
度、約57℃の頭部温度および塔の頂部での測定で約400
トルの塔圧で運転した。塔14に流入する原料の温度は約
100℃であった。塔のトレー30のところの温度を約160℃
に保ち、塔のトレー50のところの温度を約142℃に保っ
た。この塔では、約1.0のR/D比、比0.23のD/F比および
約0.027のLSS/Fの比を保った。
塔14に供給された物質の組成を流れAとして表13に挙げ
てある。第3図におけるガス状塔頂留出流41、液状側流
42および残留流43に夫々相当する主としてメタノールよ
りなるガス状塔頂留流、液状側流(表13における流れ
B)および残留流(表13における流れC)を塔から取出
した。
トッピング塔は約60個の理論板と同等の充填塔よりな
る。トッピング塔の基部温度を約179℃に保ち、頭部温
度を約150℃に保ち、理論板40のところの温度を約175℃
に保った。塔14からの残留流を約100℃の温度でトッピ
ング塔の理論板40附近に供給した。トッピング塔をその
頂部での測定で約400トルの圧力で運転した。トッピン
グ塔におけるR/D比およびD/F比を夫々約150および0.014
に保った。第3図のガス状塔頂留出流46Bに相当するガ
ス状塔頂留出流および第3図の液状残留流47Bに相当す
る液状残留流(表13における流れD)をトッピング塔か
ら取出した。
精製塔は35個のトレーを備え、かつ第3図のガス状塔頂
留出流48Bに相当する不凍液級エチレングリコールのガ
ス状塔頂留出流、および第3図の液状側流49Bに相当す
る液状側流(表13における流れE)を夫々取り出すため
にトレー35および25のところに液体分割ヘッドを有して
いた。トッピング塔からの液状残留流を約170℃の温度
でトレー10のところで精製塔に供給した。精製塔を約16
5℃の基部温度、約156℃の頭部温度および塔の頂部での
測定で約200トルの塔圧で運転した。トレー25および10
のところで夫々158℃および161℃の温度を保った。この
精製塔において、約10.0のR/D比、約1.0のIR/LSS比、約
0.10のD/F比および約0.68のLSS/F比を保った。
精製塔からの液状側流(表13における流れEすなわちポ
リエステル級エチレングリコール流)についての紫外線
透過率測定値を下記表14に示してある。
本発明のいくつかの実施例を詳細に述べてきたが、添付
の特許請求の範囲に記載の本発明の範囲内であるような
他の実施例も開示特徴の変更例とともに意図しているこ
とはわかるであろう。
次に、本発明の実施態様を総括して示す。
1.エチレングリコールの沸点以下の標準沸点を有し、エ
チレングリコールの存在下紫外線吸収体を形成し得る少
くとも1種の成分を含有する粗エチレングリコールか
ら、ポリエステル級エチレングリコールを回収する方法
において、 (a)約7.5より低い測定pHを有する粗エチレングリコール
流をエチレングリコール蒸留系に供給し、 (b)該粗エチレングリコール流、及び該蒸留系からの回
収ポリエステル級エチレングリコールを精留する、 ことを特徴とするポリエステル級エチレングリコールの
回収方法。
2.少くとも1種の成分が、ジアルキルオキザレート、ア
ルキルグリコレート又はそれらの混合物であることを特
徴とする態様項1記載の方法。
3.少くとも1種の成分が、ジメチルオキザレート、メチ
ルグリコレート又はそれらの混合物であることを特徴と
する態様項1記載の方法。
4.粗エチレングリコール流中におけるジメチルオキザレ
ート及びメチルグリコレートの重量百分率の合計が、少
くとも約0.05%である態様項3記載の方法。
5.測定pHが約4.0乃至約7.5の範囲である態様項2記載の
方法。
6.粗エチレングリコール流のエチレングリコール蒸留系
への供給に先立って、粗エチレングリコールに酸を添加
することを特徴とする態様項1記載の方法。
7.酸がリン酸を含むことを特徴とする態様項6記載の方
法。
8.ジメチルオキザレート、メチルグリコレート又はそれ
らの混合物を含有する粗エチレングリコールから、ポリ
エステル級エチレングリコールを回収する方法におい
て、 (a)該粗エチレングリコール流中におけるジメチルオキ
ザレート及びメチルグリコレートの重量百分率の合計
が、少くとも約0.05%である如く粗エチレングリコール
流をエチレングリコール蒸留系に供給し、 (b)該蒸留系からポリエステル級エチレングリコールを
回収する、 ことを特徴とするポリエステル級エチレングリコールの
回収方法。
9.エチレングリコールの沸点より低い標準沸点を有し、
エチレングリコールの存在下紫外線吸収体を形成し得
る、少くとも1種の成分を含有する粗エチレングリコー
ルから、ポリエステル級エチレングリコールを回収する
方法において、 (a)該粗エチレングリコールを、上部、下部及び中間部
を具えた分別蒸留帯域に供給し、 (b)少くともエチレングリコール、該少くとも1種の成
分、及び該1種の成分以下の標準沸点を有し且つ該中間
部内において少くとも部分的に液相で存在し得る希釈剤
がその中に存在する該分別蒸留帯域の該中間部におい
て、該希釈剤を該中間部における紫外線吸収体の形成を
減少させるのに充分な濃度に維持し、 (c)該分別蒸留帯域の下部からの最初の流れを回収し、
この場合該最初の流れはエチレングリコールを含むもの
であって、且つ該少くとも1種の成分を実質的に含まな
い、 ことを特徴とするポリエステル級エチレングリコールの
回収方法。
10.該希釈剤がメタロールを含むものであることを特徴
とする態様項9記載の方法。
11.少くとも1種の成分がジメチルオキザレート、メチ
ルグリコレート又はそれらの混合物であることを特徴と
する態様項10記載の方法。
12.第2の流れを分別蒸留帯域から回収し、この場合該
第2の流れが少くとも1種の成分を含むことを特徴とす
る態様項11記載の方法。
13.第3の流れを分別蒸留帯域の上部から回収し、この
場合該第3の流れが該希釈剤を含むことを特徴とする態
様項9記載の方法。
14.メタノール希釈剤を含む第3の流れを分別蒸留帯域
の上部から回収することを特徴とする態様項12記載の方
法。
15.第3の流れの少くとも一部分を濃縮し、分別蒸留帯
域に戻すことを特徴とする態様項14記載の方法。
16.メタノール及び、エチレングリコールの沸点よりも
低い標準沸点を有し、エチレングリコールの存在下、紫
外線吸収体を形成し得る少くとも1種の成分を含有する
粗エチレングリコールからポリエステル級エチレングリ
コールを回収する方法において、 (a)該粗エチレングリコールを、上部、下部及び中間部
を具えた分別蒸留帯域に供給し、 (b)該中間部内における紫外線吸収体の形成を減少させ
るのに充分な量を液体メタノール還流を該上部に供給
し、 (c)該少くとも1種の成分を実質的に含まないエチレン
グリコールを該分別蒸留帯域の下部から回収し、 (d)分別蒸留帯域の該中間部から該少くとも1種の成分
を含有する流れを回収する、 ことを特徴とするポリエステル酸エチレングリコールの
回収方法。
17.少くとも1種の成分がジメチルオキザレート、メチ
ルグリコレート又はそれらの混合物であることを特徴と
する態様項16記載の方法。
18.該分別蒸留帯域の上部からメタノール蒸気を回収す
ることを特徴とする態様項17.記載の方法。
19.メタノール蒸気の少くとも1種の成分を濃縮し、該
メタノール還流として該分別蒸留帯域に戻すことを特徴
とする態様項18記載の方法。
20.粗エチレングリコールが水溶液として約7.5より低い
pHを有することを特徴とする態様項17記載の方法。
21.メタノール及びジメチルオギザレート、メチルグリ
コレート又はそれらの混合物を含有する粗エチレングリ
コールからポリエステル級エチレングリコールを回収す
る方法において、 (a) 上部及び下部を具えた第1分別蒸留帯域に該粗エ
チレングリコールを供給し、 (b) 該分別蒸留帯域の下部から、ジメチルオキザレー
ト及びメチルグリコレートを実質的に含まないエチレン
グリコールを回収し、 (c) 上部から、メタノール及びジメチルオキザレー
ト、メチルグリコレールトはそれらの混合物を含有する
流れを回収し、 (d)該蒸留帯域における紫外線吸収体の形成を減少させ
るために充分な量の還流液を蒸留帯域の上部に供給す
る、 ことを特徴とするポリエステル酸エチレングリコールの
回収方法。
22.粗エチレングリコールが水溶液として約7.5より低い
pHを有することを特徴とする態様項21記載の方法。
【図面の簡単な説明】
図1は、ジアルキルオキザレート水素化反応帯域及びジ
アルキルオキザレート水素化生成物処理システム部分の
簡略流れ図である。 図2は、本発明のエチレングリコール蒸留系において有
用な精留塔(分別蒸留帯域)の簡略図である。 図3は、粗エチレングリコール流又は図2の塔をその系
に含む流れ処理用第1システムの簡略流れ図である。 図4は、粗エチレングリコール流又は図2の塔をその系
に含む流れ処理用第2システムの簡略流れ図である。 図5は、粗エチレングリコール流又は同精留系流れ処理
用第3システムの簡略流れ図あでる。 図6は、粗エチレングリコール流及び同精留系流れ処理
用第4システムの簡略流れ図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−101907(JP,A) 特開 昭56−104829(JP,A) 特開 平1−121227(JP,A) 特公 昭33−5629(JP,B1) 特公 昭36−1775(JP,B1) 特公 昭45−9926(JP,B2) 特公 昭45−10324(JP,B2)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレングリコールの沸点以下の標準沸点
    を有し、エチレングリコールの存在下紫外線吸収体を形
    成し得る少くとも1種の成分を含有する粗エチレングリ
    コールから、ポリエステル級エチレングリコールを回収
    する方法において、 (a)約7.5より低い測定pHを有する粗エチレングリコール
    流をエチレングリコール蒸留系に供給し、 (b)該粗エチレングリコール流、及び該蒸留系からの回
    収ポリエステル級エチレングリコールを精留する、 ことを特徴とするポリエステル級エチレングリコールの
    回収方法。
  2. 【請求項2】ジメチルオキザレート、メチルグリコレー
    ト又はそれらの混合物を含有する粗エチレングリコール
    から、ポリエステル級エチレングリコールを回収する方
    法において、 (a)該粗エチレングリコール流中におけるジメチルオキ
    ザレート及びメチルグリコレートの重量百分率の合計
    が、少くとも約0.05%である如く粗エチレングリコール
    流をエチレングリコール蒸留系に供給し、 (b)該蒸留系からポリエステル級エチレングリコールを
    回収する、 ことを特徴とするポリエステル級エチレングリコールの
    回収方法。
  3. 【請求項3】エチレングリコールの沸点より低い標準沸
    点を有し、エチレングリコールの存在下紫外線吸収体を
    形成し得る、少くとも1種の成分を含有する粗エチレン
    グリコールから、ポリエステル級エチレングリコールを
    回収する方法において、 (a)該粗エチレングリコールを、上部、下部及び中間部
    を具えた分別蒸留帯域に供給し、 (b)少くともエチレングリコール、該少くとも1種の成
    分、及び該1種の成分以下の標準沸点を有し且つ該中間
    部内において少くとも部分的に液相で存在し得る希釈剤
    がその中に存在する該分別蒸留帯域の該中間部におい
    て、該希釈剤を該中間部における紫外線吸収体の形成を
    減少させるのに充分な濃度に維持し、 (c)該分別蒸留帯域の下部からの最初の流れを回収し、
    この場合該最初の流れはエチレングリコールを含むもの
    であって、且つ該少くとも1種の成分を実質的に含まな
    い、 ことを特徴とするポリエステル級エチレングリコールの
    回収方法。
  4. 【請求項4】メタノール及び、エチレングリコールの沸
    点よりも低い標準沸点を有し、エチレングリコールの存
    在下、紫外線吸収体を形成し得る少くとも1種の成分を
    含有する粗エチレングリコールからポリエステル級エチ
    レングリコールを回収する方法において、 (a)該粗エチレングリコールを、上部、下部及び中間部
    を具えた分別蒸留帯域に供給し、 (b)該中間部内における紫外線吸収体の形成を減少させ
    るのに充分な量を液体メタノール還流を該上部に供給
    し、 (c)該少くとも1種の成分を実質的に含まないエチレン
    グリコールを該分別蒸留帯域の下部から回収し、 (d)分別蒸留帯域の該中間部から該少くとも1種の成分
    を含有する流れを回収する、 ことを特徴とするポリエステル級エチレングリコールの
    回収方法。
  5. 【請求項5】メタノール及びジメチルオキザレート、メ
    チルグリコレート又はそれらの混合物を含有する粗エチ
    レングリコールからポリエステル級エチレングリコール
    を回収する方法において、 (a)上部及び下部を具えた第1分別蒸留帯域に粗該エチ
    レングリコールを供給し、 (b)該分別蒸留帯域の下部から、ジメチルオキザレート
    及びメチルグリコレートを実質的に含まないエチレング
    リコールを回収し、 (c)上部から、メタノール及びジメチルオキザレート、
    メチルグリコール又はそれらの混合物を含有する流れを
    回収し、 (d)該蒸留帯域における紫外線吸収体の形成を減少させ
    るために充分な量の還流液を蒸留帯域の上部に供給す
    る、 ことを特徴とするポリエステル級エチレングリコールの
    回収方法。
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