JPH06267717A - 磁性粉末、磁気記録媒体および磁気記録方法 - Google Patents

磁性粉末、磁気記録媒体および磁気記録方法

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JPH06267717A
JPH06267717A JP5080040A JP8004093A JPH06267717A JP H06267717 A JPH06267717 A JP H06267717A JP 5080040 A JP5080040 A JP 5080040A JP 8004093 A JP8004093 A JP 8004093A JP H06267717 A JPH06267717 A JP H06267717A
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JP
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magnetic
thermomagnetic
particles
magnetic recording
magnetic powder
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JP5080040A
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English (en)
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Tetsuto Yoneyama
哲人 米山
Tomomi Yamamoto
智実 山本
Shohei Mimura
升平 三村
Haruyuki Takahashi
東幸 高橋
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TDK Corp
Toppan Infomedia Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Magnetic Printing Co Ltd
TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 キュリー温度が低く熱磁気記録や熱磁気転写
に使用可能であり、しかも、熱磁気記録特性や熱磁気転
写特性が良好でその経時劣化も少ない磁性粉末と、この
磁性粉末を用いた磁気記録媒体と、この磁気記録媒体に
熱磁気記録および熱磁気転写を行なう方法とを提供す
る。 【構成】 R(ただし、Rは希土類元素から選択される
1種以上の元素であり、Smを必須元素として含む)を
5〜15原子%、Mnを15〜45原子%、Nを0.5
〜25原子%含有し、残部がT(ただし、TはFe、ま
たはFeおよびCoである)である磁性粉末を用いる。
Mnを所定量含有するためキュリー温度が低く、Nを含
有するため耐食性が良好である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Sm−Fe−N系でキ
ュリー温度の低い磁性粉末と、これを用いた磁気記録媒
体と、この磁気記録媒体に熱磁気記録および熱磁気転写
を行なう方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】磁気テープの接触転写法として熱磁気転
写法が知られている(例えば昭和46年度通信学会全国
大会S9−7、IEEE TRANSACTION ON MAGNETICS, VOL.
MAG-20. NO.1, JANUARY 1984 P19-23 等)。
【0003】熱磁気転写法では、マスターテープとして
γ−Fe23 テープ等を用い、これとCrO2 テープ
とを高速度で接触走行させながら、CrO2 のキュリー
点以上の150℃程度に加熱し、冷却時に信号を転写す
る。
【0004】しかし、従来用いられているCrO2 テー
プは、キュリー点は低いが保磁力が低いため、外部磁界
の影響を受け易く、記録情報の安定性に問題があった。
また、保磁力が低いために転写信号の周波数特性が平坦
ではなく、マスターテープの記録時に、エンファシスを
ほどこす必要がある。
【0005】このような事情から、本発明者らは、希土
類元素および遷移元素を含む保磁力の高い磁性材料や、
このような磁性材料を用いた磁気記録媒体を提案してい
る(特開平2−134721号公報、同2−27012
1号公報、同2−270122号公報)。
【0006】しかし、S/N等の向上のためには、さら
に残留磁化が高い磁性材料が望まれる。また、希土類元
素および遷移元素を含有する磁性材料は酸化され易く、
保磁力や角形比などが経時劣化しやすい。特に、上記各
公報に記載されているような熱磁気記録や熱磁気転写に
際しては、空気中で加熱されるために磁性粒子の酸化が
進み易い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような事
情からなされたものであり、キュリー温度が低く熱磁気
記録や熱磁気転写に使用可能であり、しかも、熱磁気記
録特性や熱磁気転写特性が良好でその経時劣化も少ない
磁性粉末と、この磁性粉末を用いた磁気記録媒体と、こ
の磁気記録媒体に熱磁気記録および熱磁気転写を行なう
方法とを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(7)の本発明により達成される。 (1)R(ただし、Rは希土類元素から選択される1種
以上の元素であり、Smを必須元素として含む)を5〜
15原子%、Mnを15〜45原子%、Nを0.5〜2
5原子%含有し、残部がT(ただし、TはFe、または
FeおよびCoである)であることを特徴とする磁性粉
末。 (2)R中においてSmが50原子%以上を占める上記
(1)の磁性粉末。 (3)キュリー温度が100〜300℃である上記
(1)または(2)の磁性粉末。 (4)表面の窒素原子濃度と中心の窒素原子濃度の比率
が0.80以上である窒化粒子を粉砕して製造された磁
性粒子を含む上記(1)ないし(3)のいずれかの磁性
粉末。 (5)上記(1)ないし(4)のいずれかの磁性粉末を
含有する磁性層を有することを特徴とする磁気記録媒
体。 (6)上記(5)の磁気記録媒体に熱磁気記録を行なう
ことを特徴とする磁気記録方法。 (7)上記(5)の磁気記録媒体に熱磁気転写を行なう
ことを特徴とする磁気記録方法。
【0009】
【作用および効果】Sm2 (Fe,Co)17系の合金粒
子に窒素(N)を含有させたSm2 (Fe,Co)17
N系の磁性粒子は、Nを含有することにより高い飽和磁
化が得られ、異方性エネルギーも向上して高い保磁力が
得られる。本発明では、このSm2(Fe,Co)17
N系を中心とした組成にMnを所定量添加することによ
りキュリー温度を低下させる。組成によって異なるがS
2 (Fe,Co)17−N系材料のキュリー温度は43
0〜650℃程度であるが、Mn添加によりキュリー温
度を100〜300℃の範囲にまで低下させることがで
きるため、熱磁気記録や熱磁気転写が容易となる。ま
た、N含有により耐食性が向上するため、熱磁気記録や
熱磁気転写を繰り返したときの経時劣化が少ない。ま
た、CrO2 などに比べ磁化が高いため、高出力が得ら
れる。
【0010】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成を詳細に説明
する。
【0011】<磁性粉末>本発明の磁性粉末に含まれる
磁性粒子は、R、Mn、NおよびTを含有する。
【0012】Rは、Sm単独、あるいはSmおよびその
他の希土類元素の1種以上である。Sm以外の希土類元
素としては、例えばY、La、Ce、Pr、Nd、E
u、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu
等が挙げられる。Sm以外の希土類元素が多すぎると結
晶磁気異方性が低下するため、SmはR全体の50原子
%以上とすることが好ましい。Rの含有率は、5〜15
原子%、好ましくは7〜14原子%とする。Rの含有率
が前記範囲未満であると保磁力が低下し、前記範囲を超
えると残留磁化が低下してしまう。
【0013】Mnはキュリー温度を低下させるために含
有される。Mnの含有量は15〜45原子%、好ましく
は20〜40原子%とする。Mnの含有量が前記範囲未
満であるとキュリー温度が十分に下がらず、含有量が前
記範囲を超えると結晶磁気異方性が低下してしまう。
【0014】Nの含有率は、0.5〜25原子%、好ま
しくは5〜20原子%とする。本発明では、Nの一部に
換えてCおよび/またはSiを含有する構成としてもよ
い。この場合、Nの含有率は0.5原子%以上であり、
N、CおよびSiの合計含有率は25原子%以下であ
る。Nの含有率が前記範囲未満となると、飽和磁化の向
上が不十分であり、N、CおよびSiの合計含有率が前
記範囲を超えると残留磁化が低下する。Nの一部に換え
て含有されるCおよび/またはSiは、飽和磁化、保磁
力向上効果を示す。CおよびSiの合計含有率の下限は
特にないが、合計含有率が0.25原子%以上であれ
ば、前記した効果は十分に発揮される。
【0015】なお、磁性粒子のキュリー温度は組成によ
って異なり、Coの含有量が多い場合には高くなるが、
Mn添加により100〜300℃程度とすることができ
る。
【0016】TはFe、またはFeおよびCoであり、
T中のFeの含有率は20原子%以上、特に30原子%
以上であることが好ましい。T中のFeの含有率が前記
範囲未満となると残留磁化が低下する。なお、T中のF
e含有率の上限は特にないが、80原子%を超えると残
留磁化が低下する傾向にある。
【0017】磁性粒子中には、Ni、Zn等の上記以外
の元素が含有されていてもよい。これらの元素の含有率
は3重量%以下とすることが好ましい。また、B、O、
P、S等の元素が含有されていてもよいが、これらの元
素の含有率は2重量%以下とすることが好ましい。
【0018】なお、磁性粒子は、主としてTh2 Zn17
型の菱面体晶系の結晶構造を有し、R2 (T,Mn)17
−Nからなる主相を有する。
【0019】<製造方法>本発明の磁性粉末の製造方法
は特に限定されないが、好ましくは以下のようにして製
造する。
【0020】まず、R、MnおよびTを含有する合金粒
子を得、次いで、この合金粒子に窒化処理を施して窒化
粒子とし、この窒化粒子を微粉砕して磁性粒子とする。
【0021】合金粒子の製造方法 各原料金属や合金を混合し、次いで混合物を溶解、鋳造
することにより母合金インゴットを製造し、さらに母合
金インゴットを粗粉砕して合金粒子を製造する。母合金
インゴットの組成は、上記組成の磁性粒子が得られるよ
うに適宜選択すればよい。
【0022】母合金インゴットの結晶粒径は特に限定さ
れず、後述する微粉砕により単結晶粒子が得られるよう
な寸法とすることが好ましい。
【0023】次に、必要に応じて母合金インゴットに溶
体化処理を施す。溶体化処理は、異相を消してインゴッ
トの均質性を向上させるために施される。溶体化処理の
条件は特に限定されないが、通常、処理温度は850〜
1200℃、特に900〜1100℃、処理時間は0.
5〜60時間程度とすることが好ましい。なお、溶体化
処理は種々の雰囲気中で行なうことができるが、不活性
ガス雰囲気等の非酸化性雰囲気、還元性雰囲気、真空中
等で行なうことが好ましい。
【0024】次いで、母合金インゴットを粗粉砕して合
金粒子とする。合金粒子の平均粒子径は特に限定されな
いが、十分な耐酸化性を得るためには、合金粒子の平均
粒子径を好ましくは2μm 以上、より好ましくは10μ
m 以上、さらに好ましくは15μm 以上とすることがよ
く、1000μm 程度以下、特に200μm 以下とする
ことが好ましい。
【0025】粉砕手段は特に限定されず、通常の各種粉
砕機を用いればよい。
【0026】なお、本発明において平均粒子径とは、篩
別により求められた重量平均粒子径D50を意味する。重
量平均粒子径D50は、径の小さな粒子から重量を加算し
ていって、その合計重量が全粒子の合計重量の50%と
なったときの粒子径である。
【0027】窒化粒子の製造方法 次いで、合金粒子に窒化処理を施してNを固溶させ、窒
化粒子とする。この窒化処理は窒素雰囲気中で合金粒子
に熱処理を施すものであり、これにより合金粒子には窒
素が吸収される。上記したようにNを固溶させるために
は、窒化処理を下記の条件にて行なうことが好ましい。
保持温度は300〜600℃、特に350〜550℃程
度とすることが好ましい。温度保持時間は、0.5〜2
00時間、特に2〜100時間程度とすることが好まし
い。
【0028】なお、母合金インゴットに水素を吸蔵させ
て粉砕またはクラックを生じさせ、さらに合金粒子を大
気にさらすことなく窒化処理工程に供すれば、粒子表面
の酸化膜の発生を抑えることができるので、窒化処理の
際に高い反応性が得られる。
【0029】また、合金に水素を吸蔵させることによ
り、合金中に微細なガス通路が形成され、続く窒化処理
の際に、このガス通路を通って窒素が合金の深部まで侵
入するため、Nを容易に固溶させることが可能となる。
また、このため、寸法の大きな合金粒子を窒化すること
が可能となり、合金粒子や窒化粒子の耐酸化性を向上さ
せることができる。例えば、表面までの距離が0.25
mm以上、さらには5mm以上である領域が存在するような
合金粒子であっても窒化することが可能となる。ただ
し、均質に窒化するためには、表面からの距離が15mm
を超える部分が存在しないような寸法および形状の合金
粒子を用いることが好ましい。
【0030】水素吸蔵処理は、水素ガス雰囲気中で熱処
理することにより合金に水素を吸蔵させるものであり、
このときの熱処理温度は350℃以下、特に100〜3
00℃とすることが好ましく、温度保持時間は0.5〜
24時間、特に1〜10時間とすることが好ましい。ま
た、水素ガスの圧力は、0.1〜10気圧、特に0.5
〜2気圧とすることが好ましい。
【0031】水素吸蔵の際の雰囲気は、水素ガスだけに
限らず、水素ガスと不活性ガスとの混合雰囲気であって
もよい。この場合の不活性ガスとしては、例えばHeま
たはAr、あるいはこれらの混合ガスが好ましい。
【0032】窒化処理の前に水素吸蔵処理を行なった場
合、窒化処理の際の保持温度を低くすることができ、3
00〜550℃、特に300〜500℃にて窒化が可能
である。ただし、この際の温度は水素吸蔵処理の温度よ
りも高いことが好ましい。
【0033】なお、生産性を高くするために、水素吸蔵
処理後、合金から水素を放出させずに続いて窒化処理を
施すことが好ましい。この場合、合金中の水素は窒化処
理の際の加熱により合金から放出されるので、窒化粒子
中に水素は実質的に含まれない。
【0034】ただし、水素吸蔵処理後、合金から水素を
放出させ、次いで窒化処理を施してもよい。この場合、
水素を吸蔵している合金に減圧雰囲気中で熱処理を施す
ことにより、合金から水素を放出させることができる。
この場合の熱処理温度は200〜400℃とすることが
好ましく、温度保持時間は0.5〜2時間とすることが
好ましい。また、圧力は1×10-2Torr以下、特に1×
10-3Torr以下とすることが好ましく、Arガス雰囲気
中で熱処理することが好ましい。
【0035】窒化粒子内の窒素原子分布を均一化するた
めに、Ar雰囲気等の非酸化性雰囲気中で窒化粒子に熱
処理を施すことが好ましい。この熱処理の際の温度は、
合金粒子を窒化処理したときの温度と同等以上とするこ
とが好ましい。具体的には、窒化処理時の温度と同等以
上でかつ分解反応が進行しないように550℃程度以下
とすることが好ましい。また、窒素原子分布をより均一
にするためには、実効表面(窒素原子が侵入可能な表
面)からの距離が30μm を超える領域の存在しない窒
化粒子を用いることが好ましい。このような条件で熱処
理を施すことにより、表面の窒素原子濃度と中心の窒素
原子濃度の比率が0.80程度以上である窒化粒子とす
ることができる。なお、窒化粒子中の窒素原子分布は、
EPMA等により確認することができる。
【0036】磁性粒子は窒化粒子を粉砕して製造される
ので、窒化粒子の窒素原子分布を均一化することによ
り、窒素含有量の揃った磁性粒子、すなわち、保磁力の
揃った磁性粒子が得られ、その結果、角形比の高い磁性
粉末が実現する。
【0037】磁性粒子の製造方法 次に、窒化粒子を粉砕して、ほぼ単結晶の磁性粒子とす
る。粉砕手段は特に限定されず、乾式粉砕を用いても湿
式粉砕を用いてもよいが、粉砕後に磁性粒子に残留歪が
生じないように弱い粉砕を行なうことが好ましい。この
場合の弱い粉砕とは、窒化粒子に作用する破断力が比較
的小さくなるような粉砕を意味する。
【0038】弱い粉砕を行なうための粉砕方法として
は、湿式粉砕法が好ましい。湿式粉砕法における溶媒と
しては、非水系溶媒を用いる。湿式粉砕の際に磁性粒子
が気体と接触することがある場合には、非酸化性雰囲気
中で湿式粉砕を行なうことが好ましい。
【0039】微粉砕により得られる磁性粒子の平均粒子
径は特に限定されず、所望の保磁力が得られるように用
途に応じて適宜決定すればよいが、磁気記録媒体に適用
する場合には、単磁区となる程度の粒子径、例えば0.
2〜5μm 程度にまで粉砕することが好ましい。
【0040】<磁気記録媒体>本発明の磁気記録媒体
は、上記した磁性粒子を含む磁性粉末を含有する磁性層
を基板上に有する。磁性層中では、通常、磁性粉末はバ
インダ中に分散されている。このような磁性層は可撓性
が良好であるため、取扱いが容易である。
【0041】バインダとしては公知の各種熱可塑性樹
脂、熱硬化性樹脂、放射線硬化性樹脂、反応性樹脂等が
使用可能である。熱磁気記録や熱磁気転写の際には、磁
性粉末のキュリー温度に応じて磁性層が加熱されるた
め、この加熱時の温度に対応する耐熱性をもつバインダ
を選択する。バインダと磁性粉末とは、重量比でバイン
ダ:磁性粉末=9:1〜0.4:9.6程度、特に、
3:1〜0.6:9.4程度の量比で磁性層中に含有さ
れることが好ましい。なお、バインダは2種以上用いて
もよく、また、磁性粉末も組成の相異なる2種以上を用
いてもよい。また、磁性層には、公知の分散剤、研磨
剤、着色剤、潤滑剤等が含有されていてもよい。
【0042】磁性層の厚さは0.5〜30μm 程度でよ
く、磁性層は複数積層してもよい。
【0043】基板としては、公知の各種樹脂、金属、ガ
ラス等が適用可能であり、熱磁気記録や熱磁気転写に使
用する場合には、バインダと同様に所定の耐熱性を有す
るものを選択する。なお、媒体の用途に応じ、各種下地
層、表面層、中間層、裏面層が形成されていてもよい。
【0044】本発明の磁気記録媒体は、通常の磁気記録
も可能であるが、特に熱磁気記録や熱磁気転写に好適で
ある。
【0045】熱磁気記録の際には、磁性層を例えばレー
ザー光などにより上記磁性粉末のキュリー温度近傍まで
加熱し、所望の低保磁力となったときに磁気記録を行え
ばよい。
【0046】また、熱磁気転写の際には、マスタ用の信
号を担持するγ−Fe23 等の磁性層と接触させた状
態で加熱して低保磁力とし、磁気信号を転写すればよ
い。
【0047】熱磁気記録や熱磁気転写では、空気中で加
熱されるため磁性粒子が酸化して磁気特性が劣化し易い
ので、本発明は特に優れた効果を発揮する。
【0048】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を挙げる。
【0049】<磁性粉末の製造>下記表1に示す磁性粉
末を以下のようにして製造した。
【0050】まず、高周波誘導加熱により母合金インゴ
ットを作製した。母合金インゴットはTh2 Zn17型の
菱面体晶構造の結晶粒を有し、平均結晶粒径は約200
μmであった。なお、結晶構造はX線回折法により確認
した。
【0051】次に、母合金インゴットに溶体化処理を施
した。溶体化処理は、Arガス雰囲気中にて900〜1
000℃で16時間行なった。
【0052】溶体化処理後、母合金インゴットを平均粒
子径50μm まで粉砕し、合金粒子とした。
【0053】次に、合金粒子に窒化処理を施し、窒化粒
子を製造した。窒化処理は、N2 ガス雰囲気中にて35
0℃で90時間熱処理することにより行なった。
【0054】窒化処理後、窒化粒子内の窒素原子分布を
均一化するために、Ar雰囲気中で熱処理を施した。処
理温度は400℃とし、この温度に2時間保持した。こ
の熱処理後に、EPMAにより窒化粒子の窒素原子分布
を測定したところ、表面の窒素原子濃度と中心の窒素原
子濃度の比率が0.96であり、粒子中において窒素が
ほぼ一様に分布していることが確認された。なお、この
熱処理を施さなかった場合は、前記比率が0.75であ
った。
【0055】この熱処理後の窒化粒子の組成を表1に示
す。
【0056】次に、窒化粒子をキシレンと混合し、これ
をアトリッションミル(三井三池工業社製アトライタ)
に入れて平均粒子径3μm まで湿式粉砕し、磁性粉末を
得た。
【0057】これらの磁性粉末について、キュリー温度
(Tc )および磁気特性を測定した。結果を表1に示
す。
【0058】
【表1】
【0059】表1に示される結果から、本発明の磁性粉
末が、キュリー温度が低いため熱磁気記録や熱磁気転写
に好適であり、また、磁気特性が高いことが明らかであ
る。
【0060】<磁気テープの製造>上記磁性粉末No. 2
を用いて磁気テープを作製した。まず、 磁性粉末No. 2 200重量部 カーボンブラック 6重量部 レシチン 2重量部 硝化綿〔H−1/2秒 15重量部 イソプロピルアルコール30%を塩酢ビ共重合体(UC
C社製VAGH)30%で置換した硝化綿70%のチッ
プ〕 メチルエチルケトン 50重量部 メチルイソブチルケトン 50重量部 を用意し、これらのうち硝化綿チップ、レシチン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトンを攪拌機で良
く溶解した後、磁性粉末およびカーボンブラックと共に
ボールミル中に投入して3時間混合し、良く湿潤させ
た。
【0061】次に、 ポリウレタン樹脂 15重量部 (ビイ・エフ・グッドリッチ社製エステン5701) メチルエチルケトン 200重量部 テトラヒドロフラン 100重量部 潤滑剤(ミリスチン酸ブチル) 3重量部 を用意し、これらを混合溶解させた後、前記ボールミル
中に投入し、再び42時間混合分散して磁性塗料とし
た。
【0062】分散後、磁性塗料中のバインダの水酸基を
主体とした官能基と反応し架橋し得るイソシアネート化
合物(バイエル社のデスモジュールL)を5重量部ボー
ルミル中に添加し、20分間混合した。
【0063】このようにして得られた磁性塗料を、20
μm 厚のポリエステルフィルム上に塗布し、表面加工を
行なった後、80℃で48時間保持して磁性塗膜を熱硬
化し、磁性層とした。磁性層の膜厚は10μm とした。
さらにこれをスリッタで切断し、磁気テープNo. 1とし
た。また、磁性材料としてCrO2 を用いた比較用の磁
気テープサンプルNo. 2も作製した。このCrO2 は、
平均粒径0.5μm 、Hc 0.4kOe 、σm 80emu/g
、σr 50emu/g 、キュリー温度Tc 120℃であっ
た。
【0064】次に、市販のγ−Fe23 オーディオテ
ープ(TDK株式会社製)をマスターテープとして信号
を記録し、このマスターテープと上記各磁気テープとを
2.5m/s の速度で接触走行させながら200℃まで加
熱して、冷却時に熱磁気転写した。マスターテープの出
力に対する各磁気テープの出力の比を、下記表2に示
す。なお、マスターテープへの記録は100Hz〜10kH
z において出力が平坦となるように行ない、マスターテ
ープの出力に対する各磁気テープの100Hzの出力を0
dBとして、各周波数における出力比を算出した。
【0065】
【表2】
【0066】表2に示される結果から、本発明の磁気テ
ープは周波数特性の良好な熱磁気転写ができることが明
らかである。
【0067】また、磁気テープNo. 1に50回繰り返し
て熱磁気転写を行なったところ出力低下は殆ど認められ
ず、耐食性が良好であることが確認された。
【0068】また、磁気テープNo. 1に対し、センダス
トの磁気ヘッドをもつオーディオテープレコーダを用い
て150℃まで加熱して熱磁気記録を行なったところ、
十分な出力が得られた。なお、加熱しない場合には記録
が不可能であった。
【0069】以上の実施例の結果から、本発明の効果が
明らかである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01F 1/053 (72)発明者 三村 升平 東京都台東区台東1丁目5番1号 東京磁 気印刷株式会社内 (72)発明者 高橋 東幸 東京都台東区台東1丁目5番1号 東京磁 気印刷株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 R(ただし、Rは希土類元素から選択さ
    れる1種以上の元素であり、Smを必須元素として含
    む)を5〜15原子%、Mnを15〜45原子%、Nを
    0.5〜25原子%含有し、残部がT(ただし、TはF
    e、またはFeおよびCoである)であることを特徴と
    する磁性粉末。
  2. 【請求項2】 R中においてSmが50原子%以上を占
    める請求項1の磁性粉末。
  3. 【請求項3】 キュリー温度が100〜300℃である
    請求項1または2の磁性粉末。
  4. 【請求項4】 表面の窒素原子濃度と中心の窒素原子濃
    度の比率が0.80以上である窒化粒子を粉砕して製造
    された磁性粒子を含む請求項1ないし3のいずれかの磁
    性粉末。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかの磁性粉末
    を含有する磁性層を有することを特徴とする磁気記録媒
    体。
  6. 【請求項6】 請求項5の磁気記録媒体に熱磁気記録を
    行なうことを特徴とする磁気記録方法。
  7. 【請求項7】 請求項5の磁気記録媒体に熱磁気転写を
    行なうことを特徴とする磁気記録方法。
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