JPH0626639Y2 - バキューム方式のセグメントグリップ装置 - Google Patents

バキューム方式のセグメントグリップ装置

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JPH0626639Y2
JPH0626639Y2 JP1988131346U JP13134688U JPH0626639Y2 JP H0626639 Y2 JPH0626639 Y2 JP H0626639Y2 JP 1988131346 U JP1988131346 U JP 1988131346U JP 13134688 U JP13134688 U JP 13134688U JP H0626639 Y2 JPH0626639 Y2 JP H0626639Y2
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【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、エレクターのセグメントグリップ(把持)
装置に係り、更に詳しくは、セグメントを迅速・確実に
把持しうるバキューム方式のセグメントグリップ装置に
関する。
〔従来の技術〕
トンネル掘削機の一つであるシールド掘進機によって掘
削されたトンネル周壁にセグメントリングを構築する場
合、台車やホイスト等で搬送されてきたセグメントをチ
ャッキング装置(本考案のセグメントグリップ装置に相
当)で把持して受取り、旋回輪や吊りビーム等を連動操
作してトンネル周壁の所定位置に一つ一つ搬送してリン
グ状に組み立て、既設のセグメントリングに組み付けて
いく。
従来、例えば、実公昭61-11356号公報や実開昭60-58698
号公報に開示されているセグメントのチャッキング装置
は、第18図に示すように、セグメント把持用のアイボル
ト62を手作業によりセグメントSに螺着させた後、ピン
63によりチャッキング装置61本体に連結する形式のもの
である。
しかし、この方法では狭いトンネル内における手作業と
なるから、作業に時間が掛かり迅速なセグメント組立の
支障となっていた。そこで、これを改善すべく実開昭60
-195400号公報ないし実開昭62-50300号公報に記載され
ているようなセグメントチャッキング装置が提案されて
いる。これによれば、第16図及び第17図に示すように、
シールドフレーム51内周壁に沿って回動自在な旋回輪52
に吊りビーム53が設けられており、その中央部に枢着さ
れたバランサ54、55にセグメントSを把持するためのチ
ャッキング装置56が設けられている。このチャッキング
装置56は、バランサ55から径方向に外方に突出した把持
軸57と、この先端部にT字状のフック部を形成した係合
フック58からなっている。この構成において、セグメン
トSを把持する場合、チャッキング装置56及びバランサ
54、55を含む吊りビーム53全体を径方向に進出させ、係
合フック58をセグメントSの中央部の係合孔60に嵌挿さ
せた後、係合フック58を駆動モータ(図示略)により90
°回転させて係合状態にする。この後、数箇所に設けら
れた振止め用のジャッキ59を伸長させ、その作用端をセ
グメントSに押し付けてセグメントSを固定する。この
ようにしてセグメントSを把持(一点把持)固定した状
態で所定の位置に搬送し、既設のセグメントに組み付け
ていく。
〔考案が解決しようとする課題〕
しかしながら、この従来のチャッキング装置56は、次の
ような欠点がある。すなわち、 係合フック58は把持軸57の端部に取着され、バランサ
55より突出して形成されているから、その突出分だけ有
効中空径が減少する。
セグメントS側に係合孔60を形成するために特殊な係
合金物を取着して細工する必要がある。この係合金物に
は一点把持方式のためセグメントの荷重が集中するから
強度を充分なものとしておく必要がある。
係合フック58を、係合孔60に嵌入して回転させて係合
した後、セグメントSを一点で把持する関係上、この振
れ止めのためにジャッキ59を作動させてセグメントを数
箇所にわたって固定する必要がある。従って、セグメン
トを把持固定するための動作が複雑で時間が掛かり、セ
グメント組立が迅速にできない上、装置も複雑化する。
更に、この一点把持形式の場合は、最後に組み付けさ
れるキーセグメントをシールド掘進機の軸方向からノー
マルセグメント間に嵌挿していく際、セグメントが不安
定になり易く、また、把持軸57に剪断力が集中するため
強度上問題となる。
そこで、本考案はかかる従来技術の欠点に鑑み、セグメ
ント保持板にパッドを包囲状に設けてバキュームパッド
を形成し、真空作用でセグメントを迅速に吸着把持でき
るようにしたバキューム方式のセグメントグリップ装置
を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的達成のため、本考案にかかるセグメントグリッ
プ装置は、トンネル掘進機に装備されているエレクター
の吊りビームに摺動ロッドを水平方向に突設し、該摺動
ロッドに該トンネル掘削機の軸方向に移動可能にスライ
ド部材を設け、該スライド部材に支持されたセグメント
保持板を有するセグメントグリップ装置において、前記
セグメント保持板を複数分割して形成し、それぞれの保
持板の外面側にパッドを包囲状に固着してバキュームパ
ッドを形成し、該バキュームパッド空間に真空パイプを
連通してセグメントをバキュームにより吸着把持可能に
構成する一方、該セグメントの姿勢制御用ジャッキを該
セグメント保持板の内面側に設けたことを特徴とする。
また、上記構成において、複数に分割された保持板のう
ちの一つにキーセグメント用ジャッキを設けて他の保持
板から独立して突出するようにしたことを特徴とする。
また、上記構成において、セグメント保持板の片側又は
両側にセグメントの横ずれ防止のためのセフティジャッ
キを設けたことを特徴とし、更にまた、セグメント保持
板の中央部はスライド部材に球面軸受を介して支持する
と共に、その両端部は該スライド部材との間に設けた球
面座を有する弾性ピンで支承したことを特徴とする。
〔作用〕
上記構成において、セグメント保持板のバキュームパッ
ド面をセグメント面に当接してバキュームパッド空間を
真空状態にすると、セグメントはその吸引力により吸着
把持される。一方、真空状態を解除するとセグメントは
離脱する。
また、セグメント保持板を分割形成して、キーセグメン
ト用ジャッキを作動させると、キーセグメント用の保持
板が他の保持板面より突出し、ノーマルセグメントの干
渉を受けずキーセグメントをノーマルセグメント間に嵌
挿できる。
更に、セフティジャッキを設けて、これをセグメントの
所定の嵌合孔に嵌入すれば、セグメントの旋回搬送時の
横ずれ防止の作用をする。
また、スライド部材とセグメント保持板間を球面座を有
する弾性ピンで支承すると、球面軸受の作用と相俟って
セグメント保持板のバキュームパッド面の3次元的動き
が許容され、常にセグメントの吸着面に沿わせることが
できる。
〔実施例〕
以下、本考案の一実施例を図面を参照しながら説明す
る。
第1図は本考案に係るセグメントグリップ装置の斜視
図、第2図は同一部切断平面図、第3図は同一部切断正
面図である。
まず、第13図乃至第15図において、本考案に係るセグメ
ントグリップ装置を有するダブルエレクターを装備した
トンネル掘削機の構成について説明する。ここに、第13
図は本考案のセグメントグリップ装置を具備したダブル
エレクターの斜視図、第14図はこのダブルエレクターを
具備したトンネル掘削機の側断面図、第15図は同背面図
を示す。
図において、トンネル掘削機のシールドフレーム31内に
はその内周壁に沿ってシールドフレーム31の補強を兼ね
た支持リング32が設けられている。この支持リング32の
内周壁に左右一対の支柱33、33が設けられており、この
各々の支柱33、33に一端が固定された片持ちのガイドビ
ーム34、34がトンネル掘削機の軸方向に略水平に延びて
設けられている。この各ガイドビーム34、34は、断面が
ボックス状をなしており、その上下面には軸方向に案内
溝34a、34aが刻設されている。
上記ガイドビーム34、34に支持されたリング状のドラム3
5がシールドフレーム31に同心状に設けられている。す
なわち、ドラム35の左右両側にはガイドビーム34、34の
案内溝34a、34aに係合する凸部を有する上下一対のガイ
ドアーム35a、35bが取着されている。そして、下方のガ
イドアーム35b、35bとガイドビーム34、34の間には、ドラ
ム35をガイドビーム34、34に沿ってトンネル掘削機軸方
向に移動自在に構成するための移動ジャッキ38、38がガ
イドビーム34、34に沿って設けられている。この移動機
能によりテールシールTsの交換等が容易となる。
上記ドラム35には二つのエレクター(ダブルエレクタ
ー)36A、36が配装されている。図中、前エレクター36A
に対するものには、符号に添字「A」を付して示す。
ドラム35の前後に対称的に設けられた前エレクター36
A、後エレクター36は、それぞれ旋回輪37A、37、支持ア
ーム41A、41、吊りビーム44A、44、及び本考案に係るセグ
メントグリップ装置1、1A等から構成されている。
以下、便宜上、後エレクター36の構成について詳述する
が、前エレクター36Aの構成も特記以外は同じである。
上記ドラム35の後端に設けられた旋回輪37は、ベアリン
グ40を介してドラム35に回動自在に支持されている。こ
の回動手段たる駆動モータ39は、各エレクターにつき4
箇所配備されている。この駆動モータ39は、通常、油圧
モータが採用され、図示しない油圧ポンプユニットから
油圧ラインが導設され、接続されている。なお、図示は
していないが、旋回輪37は従来と同様ラック&ピニオン
方式で駆動されようになっている。
上記旋回輪37の外周には、左右一対の支持アーム41、41
が半径方向に突出して形成されており、この両支持アー
ム41、41の頂部間に旋回輪37の外周面上をアーチ状の吊
りビーム44が架設されている。この吊りビーム44の両端
部には伸縮ロッド42(第15図)が突設され、支持アーム
41に摺動自在に嵌挿されている。すなわち、吊りビーム
44と支持アーム41の間に伸縮ジャッキ43が設けてあり、
この伸縮ジャッキ43の伸縮により、伸縮ロッド42が支持
アーム41にガイドされつつ、吊りビーム44が半径方向に
移動するようになっている。
上記吊りビーム44には一対の摺動ロッド45、45がドラム3
5の外周面の上方にオーバハングして、トンネル前方に
突設されている。一方、前エレクター36Aの吊りビーム4
4Aにも同様に一対の摺動ロッド45A、45Aがドラム35上
方、トンネル後方に突設されているから、前エレクター
36Aの摺動ロッド45A、45Aと後エレクター36の摺動ロッド
45、45とは、第15図に示すように、相対向した格好で、
ドラム35周面上同一旋回範囲を旋回移動するようになっ
ている。従って、両エレクター36、36Aを同時使用してセ
グメント組立作業を行う際、セグメント同士の衝突が起
こらないように近接スイッチとストライカーにより構成
される干渉防止装置(図示略)がケーブル/ホースリー
ル47、47Aに配設されている。
上記摺動ロッド45、45には、これに摺動自在に装着され
ている摺動部材8a、8aとこの摺動部材8a、8a間に架設され
た桁枠8bとからなるスライド部材8が設けられている。
このスライド部材8(桁枠8b)に本考案に係るセグメン
トグリップ装置1が球面軸受12を介して支持されてい
る。すなわち、第4図(第3図のA−A矢視断面図)に
示すように、セグメントグリップ装置1側に取着されて
いる取付ブロック10が、下向きコの字形の桁枠8b内に突
出して設けてあり、この取付ブロック10に支持杆11が球
面軸受12を介在させて挿通され、スライド部材8(桁枠
8b)側に取着されている。これにより、セグメントグリ
ップ装置1は3次元的な動きが可能となっている。ま
た、吊りビーム44と摺動部材8aの間には摺動ジャッキ4
6、46が設けられていて、その伸縮によりスライド部材8
とともにセグメントグリップ装置1が摺動ロッド45、45
に沿ってトンネル掘削機の軸方向に移動できるようにな
っている。
次に、本考案に係るセグメントグリップ装置1について
詳述する。
第1図乃至第3図において、弧状に形成されたセグメン
ト保持板(以下、単に「保持板」ともいう)2の背面
(内側)には、セグメント組立時、セグメントの姿勢制
御のために作動されるポジショニングジャッキ3とロー
タリジャッキ4及び、キーセグメント用ジャッキ5が桁
枠8b内に設けられている取付ブロック10に内蔵されてい
る。また、弾性ピン6、セフティジャッキ7等が配装さ
れている。そして、保持板2の外面(セグメント吸着
側)には、セグメント吸着のためのバキュームパッドを
形成するため、パッド9が包囲状に設けてある(第9
図)。このセグメント保持板2は、3分割されており、
中央部保持板2Bはキーセグメント吸着時に単独に働くよ
うになっている。中央部保持板2Bの両側にある側部保持
板2A、2Aは取付ブロック10が取着されている連結板13を
介して結合されている。そして、この連結板13の下部に
中央部保持板2Bが格納され(第4図)、側部保持板2A、2
Aと面一になるようになっている(第3図)。なお、連
結板13、側部保持板2Aの一側端には、セグメントとの位
置合わせ用の当接板13aが設けてある。
第9図は、セグメント保持板2の外面に取着されるパッ
ド配置を示す。すなわち、パッド9を包囲状に設けるこ
とにより、中央前部(図上において中央部上方)に横に
細長いバキュームパッドV1が形成され、中央後部に縦長
のバキュームパッドV2が形成されている。これらは、ノ
ーマルセグメント及びキーセグメント吸着時に単独に働
く。そして、この両側に矩形状の大きいバキュームパッ
ドV3、V4が形成されており、ノーマルセグメント吸着用
に働く。このパッド9は、第10図に示すように、略コの
字形挟持部材14に保持されており、この挟持部材14に固
着された取付板15が保持板2にボルト16で固定されるこ
とにより取着されている。この取付板15を省略して挟持
部材14を直接保持板2に固着するようにしてもよい。そ
して、各バキュームパッドに連通する真空パイプ(ホー
ス)17が、各バキュームパッドに1箇所保持板2に挿着
されている(第9図、第11図参照)。
第12図は、各バキュームパッド空間を真空にするための
真空装置の系統図を示す。トンネル内に配備されている
台車(図示略)に真空タンク18が設けてあり、これにフ
ィルタ19、チェック弁19aを介して真空ポンプPが接続
されている。なお、Mはモータ、20は圧力スイッチ、20
a圧力計である。そして、真空タンク18から真空パイプ
(ホース)17が導設され、ホースリール45(45A)を介し
てエレクター6(6A)に導設された後、2つに分岐して一
方は止弁21aを介してノーマルセグメント用の電磁切換
弁21へ接続され、もう一方は同じく止弁22aを介してキ
ーセグメント用の電磁切換弁22に連結されている。そし
てこれら電磁切換弁21、22からそれぞれノーマルセグメ
ント用バキュームパッドV3、V4及びキーセグメント用バ
キュームパッドV1、V2に配管されている。なお、上記電
磁切換弁21、22はいずれも、3方弁であり、弁の切り換
えによって大気にも通じるようになっている。
上記真空ポンプPは常時運転されていて、常に一定の真
空度を保持するようになっているが、真空度が75%以下
になり圧力スイッチ20が働いた場合或いは電源が切れた
場合には非常用のポンプユニット(図示略)が作動する
ようになっている。
そこで、ノーマルセグメントの吸着把持は、ノーマル及
びキーセグメント用の電磁切換弁21、22をともに真空タ
ンク18側と連通させることにより行い、離脱は両電磁切
換弁21、22を大気側に連通することにより行う。このよ
うに、バキュームパッドV1〜V4の空間を真空状態にする
ことによりノーマルセグメントが吸着把持されるように
なっている。
一方、キーセグメントの吸着把持はノーマルセグメント
用電磁切換弁21は大気側に連通させ、キーセグメント用
電磁切換弁22を真空タンク18側に連通することにより行
い、離脱はキーセグメント用電磁切換弁22も大気側に連
通することにより行う。吸着の確認は保持板2の近くに
設けた圧力計23により真空度(80%以上)を確認して行
うようにしているが、これに代えて圧力スイッチを設け
て確認するようにしてもよい。
上記ポジショニングジャッキ3は、キーセグメント用の
中央部保持板2Bを挟んで両側に2個づつ側部保持板2Aに
立設された取付ブロック10に並設されている(第1図〜
第3図)。すなわち、第5図(第3図のD−D矢視断面
図)に示すように、各ポジショニングジャッキ3の下端
(ロッド側)は取付ブロック10側にピン3aで枢着され、
上部(シリンダ側)は、取付ブロック10内を摺動可能に
なっており、その頭部が球面状に形成されて桁枠8b内面
のストローク調整板3bに当接している。
そして、動作上、4つのポジショニングジャッキ3のう
ち対角位置にあるものが対をなすよう油圧ラインが接続
されている。つまり、1つのポジショニングジャッキ3
を伸長させると、これと対角位置にあるポジショニング
ジャッキ3は短縮するような動作をし、球面軸受12を支
点としてセグメント保持板2が上下に自由に揺動し、セ
グメントの姿勢制御ができるようになっている。
このポジショニングジャッキ3に近接して左右一対のロ
ータリジャッキ4が設けられている(第1図〜第3
図)。すなわち、第6図(第3図のC−C矢視断面図)
に示すように、ロータリジャッキ4は、そのシリンダ側
が上記取付ブロック10に水平に内装され、自由端である
ロッド側が桁枠8bの側壁に螺着された螺体4aに当接して
いる。従って、ロータリジャッキ4の伸縮により球面軸
受12を支点としてセグメント保持板2が平面上左右に回
動するようになっている。なお、螺体4aを回転させるこ
とにより、ロータリジャッキ4のストロークを微調整で
きる。
このロータリジャッキ4に近傍に左右一対のキーセグメ
ント用ジャッキ5が取付ブロック10に内装されている
(第1図〜第3図)。すなわち、第7図(第3図のB−
B矢視断面図)に示すように、取付ブロック10内を摺動
自在な突出部材5aが中央部保持板2Bに固着されており、
この突出部材5aにキーセグメント用ジャッキ5のロッド
側が止着され、シリンダ側が取付ブロック10にピン5bに
より枢着されている。従って、左右一対のキーセグメン
ト用ジャッキ5を伸長させると、キーセグメント用の中
央部保持板2Bが径方向に突出していくようになってお
り、これにより、キーセグメントをノーマルセグメント
間に嵌挿することが容易となる。
他方、スライド部材8の摺動部材8a側面にはサポートピ
ン6aとコイルバネ26からなる弾性ピン6が設けられてい
る。すなわち、第8図(第3図のE−E矢視断面図)に
示すように、スライド部材8(摺動部材8a)に固着され
た保持部材24内にはサポートピン6aが左右一対設けてあ
る。これらサポートピン6aは相互に少し傾斜して設けて
あり、先端は球面座6bを形成している。各サポートピン
6aには、コイルバネ26が装着されている。このコイルバ
ネ26は、保持部材24の水平板24aと上記球面座6b間に装
着されており、サポートピン6aの球面座6bが保持板2に
固着された傾斜板25に押接するようになっている。かく
して、セグメント保持板2がポジショニングジャッキ3
等により動きが規制されていない時は、球面軸受12の作
用と相俟って、バキュームパッド面が常にセグメント吸
着面に沿うように支承される。これにより、セグメント
の吸着把持が確実になされる。
なお、保持部材24は、長孔24bにより摺動部材8aに取付
位置調整可能となっており、これによりコイルバネ26の
弾発力を調整できるようになっている。27はその反力支
持用の螺子である。
セグメント保持板2の両端部にはセフティジャッキ7が
立設されている。セフティジャッキ7は、セグメント保
持板2に立設されたケーシング7bと、このケーシング7b
内を摺動自在なセフティピン7aからなる(第3図)。セ
フティジャッキ7は、セグメントを把持する時の位置決
め及びセグメントを所定位置に旋回搬送する時にセフテ
ィピン7aをセグメント側の嵌合孔に嵌入して係止し、セ
グメントの横ずれを防止するために働く。
これにより、旋回中のセグメントの横ずれによるバキュ
ームパッドの損傷やバキュームパッド面からのはみ出し
を防止してセグメントの脱落を防ぐことができる。
上記セフティピン7aの断面形状は円形でも矩形でもよ
く、その先端は嵌入を容易にするためテーパ(楔)状に
形成されており、所定位置まで嵌入したことの確認のた
めケーシング7bにインジケータ(セフティピン7aに連動
するピン)7cが設けてある。セフティピン7aの嵌入は油
圧ジャッキ方式で遠隔操作により行えるようになってお
り、誤操作によるセグメントの脱落防止のため油圧ジャ
ッキの推力をバキュームパッドV1〜V4の吸着力以下に設
定している。
なお、セフティジャッキ7は片側にだけ設けてもよく、
その本数は1本又は2本以上の複数本とする。また、セ
フティピン7aの嵌入角度はセグメントの中心線に対し放
射状か平行又は斜めでもよい。
次に、上記セグメントグリップ装置1(1A)の動作につい
て説明する。セグメントSを把持して所定位置に搬送す
る場合、まず、セグメント受取位置まで旋回輪37(37A)
を旋回させる。そして、セグメント保持板2のバキュー
ムパッドV1〜V4面を所定のセグメント面に当接させる。
そして、電磁切換弁21、22の操作により所定のバキュー
ムパッド空間を真空状態にしてセグメントを吸着把持す
る。この後、セフティジャッキ7を作動させてセフティ
ピン7aがセグメントSに嵌入したのを確認してから、旋
回輪37(37A)を所定の方向に旋回させてセグメントSを
組立位置まで搬送する。組立位置では、必要に応じてポ
ジショニングジャッキ3やロータリジャッキ4を作動さ
せてセグメントSの姿勢制御を行う。同時に伸縮ジャッ
キ43(43A)を伸長させて吊りビーム44(44A)を径方向に移
動させ、セグメントSをトンネル周面まで持って行く。
そこで、既設セグメントS′に締結した後、電磁切換弁
21、22を作動させて真空状態を解除してセグメントSを
離脱させる。
ノーマルセグメントが組立られた後、最後にキーセグメ
ントが組立られる。この場合、キーセグメント用の保持
板2BのバキュームパッドV1、V2空間のみを真空状態にし
てセグメントSを吸着し、キーセグメント用ジャッキ7
を伸長して他の保持板2Aより少し突出させ、上記と同要
領で組立を行う。キーセグメントをトンネル軸方向から
挿入していくセグメント組立方式では、摺動ジャッキ46
(46A)を作動させて一旦キーセグメントをトンネル前方
に移動させた後(第14図参照)、再び摺動ジャッキ46(4
6A)を作動させてキーセグメントをトンネル後方に移動
させてノーマルセグメント間に嵌挿していき、最後はシ
ールドジャッキ48も協働させて押し込んでいく。このよ
うにして新たなセグメントリングが構築される。
〔考案の効果〕
以上説明したように、本考案によれば、次のような効果
を奏する。すなわち、 (1)バキュームパッド空間を真空/非真空状態にしてセ
グメントを吸着把持、離脱する方式なので、セグメント
把持が簡便で迅速に行え、セグメントの自動組立に最適
な方式とすることができる。
(2)セグメント保持板よりバキュームパッドが少し突出
するだけなので、シールドフレームの有効中空径が大き
くとれる。
(3)従来のようにセグメントを一箇所で把持するのでは
なく、吸着把持面積が大きいから、セグメントの振れ止
め用のジャッキが不要となり、装置全体が簡素化でき
る。
(4)セフティジャッキを設ければ、セグメント旋回搬送
時のセグメントの横ずれ防止を図ることができ、より安
全確実なセグメント組立が可能となる。
(5)キーセグメント用ジャッキを設けることにより、ノ
ーマルセグメントに干渉するおそれなく、キーセグメン
トを容易かつ迅速に組み立てることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第15図は、本考案の実施例を説明するための図
面であって、第1図は本考案に係るセグメントグリップ
装置の斜視図、第2図は同一部切断平面図、第3図は同
一部切断正面図、第4図は第3図におけるA−A矢視断
面図、第5図は同D−D矢視断面図、第6図は同C−C
矢視断面図、第7図は同B−B矢視断面図、第8図は同
E−E矢視断面図、第9図はバキュームパッド配置図、
第10図は第9図におけるF−F矢視断面図、第11図は同
G−G矢視断面図、第12図は真空装置の系統図、第13図
は本考案のセグメントグリップ装置を有するダブルエレ
クターの斜視図、第14図はそのダブルエレクターを装備
したトンネル掘削機の側断面図、第15図は同背面図をそ
れぞれ示す。 第16図、第17図及び第18図は従来のセグメントのチャッ
キング(把持)装置の説明図である。 1、1A…セグメントグリップ装置、 2…セグメント保持板、3…ポジショニングジャッキ、
4…ロータリジャッキ、5…キーセグメント用ジャッ
キ、6…弾性ピン、7…セフティジャッキ、8…スライ
ド部材、8a…摺動部材、8b…桁枠、9…パッド、10…取
付ブロック、12…球面軸受、13…連結板、17…真空パイ
プ(ホース)、21、22…電磁切換弁、31…シールドフレ
ーム、36A…前エレクター、36…後エレクター、37、37A
…旋回輪、45、45A…摺動ロッド、46、46A…摺動ジャッ
キ、V1〜V4…バキュームパッド、S…(ノーマル又はキ
ー)セグメント、S′…既設セグメント。

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】トンネル掘進機に装備されているエレクタ
    ーの吊りビームに摺動ロッドを水平方向に突設し、該摺
    動ロッドに該トンネル掘削機の軸方向に移動可能にスラ
    イド部材を設け、該スライド部材に支持されたセグメン
    ト保持板を有するセグメントグリップ装置において、 前記セグメント保持板を複数分割して形成し、それぞれ
    の保持板の外面側にパッドを包囲状に固着してバキュー
    ムパッドを形成し、該バキュームパッド空間に真空パイ
    プを連通してセグメントをバキュームにより吸着把持可
    能に構成する一方、該セグメントの姿勢制御用ジャッキ
    を該セグメント保持板の内面側に設けたことを特徴とす
    るバキューム方式のセグメントグリップ装置。
  2. 【請求項2】複数に分割された保持板のうちの一つにキ
    ーセグメント用ジャッキを設けて他の保持板から独立し
    て突出するようにしたことを特徴とする請求項1記載の
    バキューム方式のセグメントグリップ装置。
  3. 【請求項3】セグメント保持板の片側又は両側にセグメ
    ントの横ずれ防止のためのセフティジャッキを設けたこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載のバキューム方式の
    セグメントグリップ装置。
  4. 【請求項4】セグメント保持板の中央部はスライド部材
    に球面軸受を介して支持すると共に、その両端部は該ス
    ライド部材との間に設けた球面座を有する弾性ピンで支
    承したことを特徴とする請求項1、2又は3記載のバキ
    ューム方式のセグメントグリップ装置。
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