JPH06265989A - フィルム給送機構 - Google Patents

フィルム給送機構

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JPH06265989A
JPH06265989A JP5582093A JP5582093A JPH06265989A JP H06265989 A JPH06265989 A JP H06265989A JP 5582093 A JP5582093 A JP 5582093A JP 5582093 A JP5582093 A JP 5582093A JP H06265989 A JPH06265989 A JP H06265989A
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JP
Japan
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gear
clutch
spool
sun
meshes
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JP5582093A
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English (en)
Inventor
Ryoji Okuno
奥野良治
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Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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  • Details Of Cameras Including Film Mechanisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来のフィルム給送機構では、スプールギア
と遊星ギアとの間に数段の減速ギアがあり、動力伝達効
率が悪く、また、遊星ギアが長い軸長に構成されている
ので質量が大きく、従ってギア倒れが起きやすい、とい
う欠点があった。本発明の目的は、従来の機構よりも動
力伝達効率がよく、小型かつ軽量で、遊星ギアのギア倒
れが生じることのないフィルム給送機構を提供すること
である。 【構成】 本発明のフィルム給送機構では、太陽ギア5
が段車状に構成され、遊星ギア7が太陽ギア5のギア部
5bと中間ギア9とに噛み合う軸長となっており、第1
遊星ギア7から直接にスプールギア8aが駆動されるよ
うになっている。従って、従来の機構よりも第1遊星ギ
ア7の軸長(歯幅)が短かいため遊星ギアのギア倒れが
起きず、また、スプールギアへの動力伝達効率が向上
し、フィルム巻戻し時のスプール側負荷が減少し、全体
の体積及び重量が減少する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカメラ等に搭載するフィ
ルム給送機構に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、カメラのフィルム給送機構とし
て、例えば特開平3−186830号公報には図7に示
すような構成のものが提案されている。以下には、この
フィルム給送機構について同図を参照しつつ、該機構を
説明する。
【0003】図7において、30はフィルム巻上げ用ス
プールであり、その外周面にはフィルムFのパーフォレ
ーションFaに係合する突部30bが設けられるととも
に後述のギアに噛み合うスプールギア30aが形成され
ている。31は該スプール30の中に収容されているフ
ィルム給送用モータ、32は該モータ31の軸に固定さ
れたピニオン、33はピニオン32に噛み合う第1減速
ギア、34はギア33に噛み合う第2減速ギア、35は
ギア34と同軸上に固定されたギア、36は遊星歯車機
構を構成する太陽ギアであってギア35と常に噛み合っ
ている。37はギア36の軸36aに所定の摩擦力で取
付けられたアームで、太陽ギア36の回転方向に応じて
軸36aを中心として回動される。38は該アーム37
の先端に回転可能に支持されるとともに常に太陽ギア3
6に噛み合い且つアーム37に対して所定の摩擦力で支
持されている遊星ギアである。37は太陽ギア36が正
転時(図において時計方向、つまり、図7において実線
矢印Aの方向に回転している時)に遊星ギア38に噛み
合って駆動力を伝達されるスプール駆動系ギア列の第1
ギア、40はギア39に噛み合っているスプール駆動系
第2ギア、41はギア40とスプールギア30aとに噛
み合っているスプール駆動系最終ギア、である。また、
42は太陽ギア36の正転時に遊星ギア38にギア39
とともに同時に噛み合うパトローネスプール駆動系(フ
ォーク駆動系)の第1中間ギア、43は太陽ギア36の
逆転時(図7において太陽ギア36が反時計方向、すな
わち点線の矢印B方向に回転された時)に遊星ギア38
に噛み合わされて動力伝達をするパトローネスプール駆
動系の第2中間ギア、44は一方向クラッチ45の一端
側に固定されてギア42と噛み合っている第1クラッチ
ギア、46は該一方向クラッチ45の他端に固定されて
ギア43に噛み合っている第2クラッチギア、47は第
2クラッチギア46とギア47とに噛み合っているギ
ア、48は公知のフォーク軸49に固定されてギア47
に噛み合っているフォークギア、である。同図におい
て、ピニオン32が反時計方向に回転駆動されると、ギ
ア33、34、35が夫々実線矢印方向に回転され、太
陽ギア36も実線矢印方向Aに回転される。この時には
遊星歯車機構のアーム37も軸36aを中心として時計
方向に回転されるので遊星ギア38がギア39及びギア
42に同時に噛み合わされた図示の状態となり、その時
には遊星ギア38が反時計方向に回転駆動されているた
め、ギア39及びギ42はそれぞれ実線矢印方向に回転
駆動される。従って、ギア40、ギア41、ギア44、
ギア47、がそれぞれ実線矢印方向に回転駆動され、ス
プールギア30aが実線矢印方向すなわちフィルム巻上
げ方向に回転駆動されてフィルム巻上げが行なわれる。
なお、この場合、第1クラッチギア44が実線矢印方向
に回転されると、一方向クラッチ45はこの方向の回転
のみを伝達するように構成されているため、第2クラッ
チギア46もギア44と一体になって実線矢印方向に回
転し、該ギア44に噛み合っているギア47を実線矢印
方向に回転させる。従って、フォーク軸49が実線矢印
方向に回転駆動されるのでパトローネPからフィルムF
がトローネスプールの強制駆動により巻き出される。な
お、この場合、スプール30の周速度はパトローネPか
ら巻き出されるフィルムの速度よりも大となるように設
計されているのでフィルムFには張力がかけられ、フォ
ーク軸49は更に早い速度で回転駆動されるようにフィ
ルムから駆動力を受けるが、一方向クラッチ45が滑る
ため、この速度差が該クラッチ45により吸収される。
【0004】フィルム巻戻し時にはピニオン32が時計
方向に回転駆動され、これに従ってギア33、34、3
5も点線矢印方向に回転される。このため、太陽ギア3
6も点線矢印B方向に回転駆動されるので、アーム37
は軸36aを中心として図示の位置から反時計方向に回
動され、遊星ギア38はそれまで噛み合っていたギア3
8及び42から離れてギア43に噛み合わされる。そし
て、太陽ギア36が反時計方向に回転しているため遊星
ギア38は時計方向に回転駆動され、その結果、ギア4
3は図示のように、点線矢印の方向すなわち反時計方向
に回転され、該ギア43と噛み合っている第2クラッチ
46は点線矢印方向すなわち時計方向に回転される。こ
の場合、一方向クラッチ45はこの回転を第1クラッチ
ギア44に伝達しないので該ギア44が回転駆動されな
いことは言うまでもない。ギア46が点線矢印方向に回
転駆動されるとギア47も点線矢印方向に回転され、フ
ォークギア48が点線矢印方向に回転されることにより
フォーク軸49が点線矢印方向に回転されてフィルムF
がパトローネP中に巻戻されていく。この場合、スプー
ル駆動系のギア列にはモータ31の動力が全く伝達され
ないのでスプール30はフィルムFの張力により回転駆
動される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述の公知のフィルム
給送機構には次のような欠点があった。
【0006】(1)軸線方向位置が互いにかなり離れて
いる2個の中間ギア42及び43に遊星ギア38を噛み
合わせなければならないので遊星ギア38の歯幅すなわ
ち軸方向長さをかなり大きくしなければならないため、
遊星ギア38が大型になるとともに大重量となり、力学
的に片持梁になっているアーム37には大きな曲げモー
メントが加えられることになり、たわみを生じやすい。
また、遊星ギア38と噛み合うギア39及び42はいず
れも遊星ギアよりも歯幅がかなり小さいので、噛み合い
状態において遊星ギア38に曲げモーメントが加えら
れ、このため一層、アーム37にたわみを生じやすくな
る。その結果、動力伝達時に遊星ギア38の軸線が太陽
ギア36の軸線に対して傾斜し、いわゆるギア倒れが起
こり、ギアの噛み合い精度が低下し、動力伝達効率が悪
くなり、騒音が発生し、摩耗が進行し、ギア機構の寿命
が著しく短縮してしまう。
【0007】(2)遊星ギア38の質量が大きいので、
給送方向切換え時にアーム37の慣性力が大きくなり、
アーム37の回転始動に大きなトルクを要し、また、遊
星ギア38がギア39,42,43に大きな力で衝突す
ることになり、ギア機構の精度の劣化や損傷を招きやす
くなる。
【0008】(3)遊星ギア38からスプールギア30
aまでの間に3個ものギアが介在しているためスプール
30の駆動力が小さくなるばかりでなく、フィルム巻戻
し時の負荷が大きくなって大出力モータを必要とし、ま
た、エネルギー効率が低い上、カメラ搭載電池の使用寿
命が短くなる。しかも、ギア数が多いのでフィルム給送
機構全体の体積が大きくなり、カメラの大型化を招き、
また、部品数が多いので組立て工数も多くなり、製造コ
ストが高いものとなっている。
【0009】本発明の目的は、前述の欠点を有しない、
改良されたフィルム給送機構を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】前述の公知技術の欠点を
有しないフィルム給送機構を実現するために、本発明で
は、次のような基本構想に基ずいたフィルム給送機構を
設計することにした。
【0011】遊星ギアの軸長を短くして該ギアの質量
を減じ、該ギアのギア倒れの危険性を減少する。また、
遊星ギアの軸長及び質量を減ずることによりアームの慣
性力の減少と遊星ギアと噛み合うギアの損傷の恐れを少
なくする。
【0012】フィルム巻戻し時のスプール側負荷を少
なくするために、且つ、フィルム巻上げ時の動力伝達率
を向上するために、スプール駆動系のギアをできるだけ
少なくし、遊星ギアからスプールギアを直接駆動するよ
うに構成する。
【0013】遊星ギア機構の太陽ギアに減速ギアの機
能をもたせ、複数個の減速ギアの噛み合いによる伝達効
率の低下を防止し、全体の動力伝達効率の向上を図る。
【0014】
【作用】前記基本構想に基ずいて構成された本発明のフ
ィルム給送機構では、(I)遊星ギアが前記太陽ギアの
第2・第3ギア部の両方に噛み合う必要のない長さ(す
なわち一方向クラッチ45と第1クラッチギア44と第
2クラッチギア46の合計軸長よりも充分に短い長さ)
になっているので前述したギア倒れが生じる恐れが少な
く、また、遊星ギアの質量が小さいので遊星アーム系の
慣性力も小さいため、高速動作ができ、しかもギアを損
傷する危険性もない、(II)遊星ギアからスプールギ
アまでの減速ギア列を廃止して遊星ギアにより直接にス
プールギアを駆動するように構成したので、フィルム巻
戻し時の負荷が大幅に減少し、また、フィルム巻上げ時
の動力伝達効率が向上してスプール駆動力が増大する、
(III)全体のギア数が減少するので全体積が小さく
なり小型化し、しかも部品数の低減と組立て工数の減少
により製造コストの減少が実現する、(IV)動力伝達
効率の向上により、従来よりも小出力のモータで駆動で
きるので、カメラ搭載電池の使用寿命を長くできる、等
の効果が得られる。
【0015】
【実施例】以下に、図1乃至図6を参照して本発明によ
るフィルム給送機構の実施例について説明する。
【0016】図1は本発明の第1実施例のフィルム給送
機構とその1部分を分解した斜視図の概略図である。図
2は本発明の第1の実施例のフィルム給送機構の1部の
横視図である。同図において、1は不図示のモータの軸
に固定されたピニオン、2は段車状に構成された第1減
速ギア、3は段車状に構成された第2減速ギア、4はギ
ア3に噛み合う第3減速ギア、である。5は三段に構成
された段車状の太陽ギアで、その最大径のギア部5bが
ギア4と噛み合うとともに第1遊星ギア7に噛み合って
いる。第1遊星ギア7を所定の摩擦力で回転可能になる
ように担持している遊星アーム6aは太陽ギア5の軸5
dに回動可能に支持されている。第1遊星ギア7は、太
陽ギア5の正転時(図1において時計方向に回転する
時)にはスプールギア8a(スプール8は図示を省略し
てある)に直接に噛み合うようになっている。太陽ギア
5の逆転時には第1遊星ギア7が太陽ギア5のギア5b
上を回動しながらスプールギア8aから切り離され、遊
星ギアアーム6aが遊星ギアアームストッパ6cに当た
り回動運動を止める。太陽ギア5の最上段の第2ギア部
5aは前記従来例の第1中間ギア42に相当する中間ギ
ア9に噛み合っており、太陽ギア5の最下段のギア5c
は従来例の第2中間ギア43に相当する第2遊星ギア1
0に噛み合っている。第2遊星ギア10を所定の摩擦力
で回転可能になるよう担持している遊星アーム6bは太
陽ギア5の軸5dに回動可能に支持されている。第2遊
星ギア10は、太陽ギア5の逆転時(図1において反時
計方向に回転する時)には、第2クラッチギア12に直
接に噛み合うようになっている。太陽ギア5の正転時に
は第2遊星ギア10が太陽ギア5のギア5c上を回動し
ながら第2クラッチギア12から切り離され遊星ギアア
ーム6bが遊星ギアアームストッパ6dに当たり回動運
動をやめる。中間ギア9は従来例と同じく、一方向クラ
ッチ13の一端側を形成する第1クラッチギア11に噛
み合っている。そして、該第2クラッチギア12はギア
14と噛み合い、ギア14の回転はギア15、16、1
7を順次介してフォークギア18に伝達され、これによ
りフォーク軸19が回転されるようになっている。
【0017】図1及び図2は本実施例のフィルム給送機
構がフィルム巻上げ動作になっている状態を示してい
る。フィルム巻上げ時にはモータによりピニオン1が図
1の実線矢印方向に回転され、これによりギア2、ギア
3、ギア4が同じく実線矢印方向に回転される。従っ
て、太陽ギア5が実線矢印方向に回転されると、遊星ア
ーム6が軸5dを中心として図1で時計方向に回動さ
れ、遊星ギア7がスプールギア8aに噛み合わされた
後、太陽ギア5の時計方向回転により遊星ギア7は実線
矢印方向(すなわち反時計方向)に回転駆動され、スプ
ールギア8aは時計方向(図1において実線矢印方向)
へ回転され、その結果、フィルムが該スプール8の外周
面に巻き付けられてフィルム巻上げが行なわれる。フィ
ルムが該不図示スプール8に完全に巻付くまでの間は、
太陽ギア5のギア部5aに噛み合っている中間ギア9は
反時計方向に回転し、中間ギア9と噛み合っている第1
クラッチギア11のみが時計方向に回転させられる。こ
の時、一方向クラッチ13は、動力を伝達される側とな
る第2クラッチギアが停止している状態においては、こ
の時計方向の回転時にクラッチがつながるようになって
いるので、ギア11の動力はギア12に伝達されギア1
1とギア12の回転数は等しくなる。クラッチギア12
が時計方向に回転すると、ギア14及びギア15、ギア
16、ギア17及びフォークギア18がそれぞれ実線矢
印方向に回転され、フォーク軸19によりパトローネ内
のスプールが回転されてフィルムがパトローネから巻き
出されている。しかしながら、一旦フィルムがスプール
に巻付くと、フィルムの巻上げ動力源をフォーク軸19
からスプールへ切替えるためにスプールの巻上げ出力減
速比をフォークでの巻出し出力減速比より小さくしてい
る場合、フィルムの張力によりパトローネ内スプールが
引張られフォーク軸がさらに回転数を上げ第2クラッチ
ギア12が第1クラッチギアに対し回転数が早まりクラ
ッチ13が解け、第1クラッチギア11から第2クラッ
チギア12への動力伝達がなくなる。つまり、フィルム
は不図示スプール8の回転力によってのみ巻き上げられ
るようになる。
【0018】フィルムを巻き戻す場合には、モータは逆
転され、ピニオン1は図1において点線矢印の方向へ回
転される。すると、ギア2、ギア3、ギア4も点線矢印
方向に回転され、太陽ギア5も点線矢印方向に回転され
る。従って、遊星ギア7を担持している遊星アーム6も
軸5dを中心として図1の位置から反時計方向に回動さ
れるので、それまでスプールギア8aに噛み合っていた
遊星ギア7は太陽ギア5のギア部5bの周上を転動しな
がら遊星アーム6aとともに反時計方向へ旋回し、最終
的に遊星アームストッパ6cに遊星アーム6aが止めら
れた位置で遊星アーム6aの反時計方向回動が停止す
る。このため、遊星ギア7とスプールギア8aとの噛み
合いが外れた時点においてスプールギア8aに対してギ
ア列の連結は切離され、スプール8は無負荷状態とな
る。
【0019】一方、第1クラッチギア11と中間ギア9
とは常に噛み合っているので、太陽ギア5のギア部5a
により中間ギア9は時計方向に回転されるので第1クラ
ッチギア11は図1において点線矢印の方向に回転駆動
される。また第2遊星ギア10は遊星アームストッパ6
dに突当たった太陽ギア5以外の全てのギアと連結して
いない状態から、太陽ギア5のギア5c周上を転動しな
がら遊星アーム6bとともに時計方向へ旋回し、最終的
に第2クラッチギアと噛み合った位置で遊星アーム6b
の反時計方向回動が停止する。このため第2遊星ギア1
0の時計方向回転力は、第2クラッチギア12に反時計
方向回転(図1における点線矢印方向の回転)力として
伝達される。なおこの場合第1クラッチギア11と第2
クラッチギア12との回転方向は点線矢印のように反時
計方向回転で同じとなるが、第1クラッチギア11より
第2クラッチギア12の方が回転数が遅いために、一方
向クラッチ13は滑り第2クラッチギア12に第1クラ
ッチギア11の回転力を伝達しないようになっている。
故に第2クラッチギア12は第2遊星ギア10から伝達
されるトルクのみにより反時計方向に回転駆動される。
従ってギア14、15、16、17も点線方向に回転さ
れ、フォークギア18は点線方向に回転駆動されるので
フォーク19によりパトローネ内のスプールがフィルム
をパトローネ内に巻戻す。この際、スプール8の側には
何の負荷も連結されていないのでフィルム巻戻しは小動
力で行なうことができる。
【0020】図3及び図4は本発明の第2実施例のフィ
ルム給送機構を示した概略図である。なお、図3及び図
4において図1及び図2において説明した構成要素と同
じ構成要素については図1及び図2と同じ符号で表示さ
れており、この同じ構成要素についての説明は省略す
る。
【0021】本実施例では遊星ギア機構を構成する太陽
ギア20が減速ギア列の最終段のギア4に噛み合う大径
の第1ギア部20aと該ギア部よりも小径の第2ギア部
20bとから成る二段型の段車形状に構成されており、
太陽ギア20の軸21には2本の遊星アーム22及び2
4が所定の摩擦力で取付けられている。そして、第1の
遊星アーム22の先端には大径のギア部20aに常に噛
み合うとともに太陽ギア20の正転時(図3において時
計方向回転をする時)においてスプールギア8aに噛み
合う第1の遊星ギア23が回転可能に取付けられてお
り、第2の遊星アーム24の先端には太陽ギア20の小
径ギア部20bに常に噛み合うとともに太陽ギア20の
正転時には後述の第1クラッチギア26に噛み合う第2
遊星ギア25が取付けられている。なお、第1遊星ギア
23は太陽ギア20の逆転時(すなわち、図3において
太陽ギア20が反時計方向に回転される時)には第2ク
ラッチギア27に噛み合わされ、第2遊星ギア25は太
陽ギア20の逆転時には第1クラッチギア26から離れ
て不図示のストッパーに突き当てられて他のギアとは噛
み合わない状態に保持される。
【0022】フォーク軸19の駆動系ギア列のギア14
と太陽ギア20との間に配置された第1クラッチギア2
6及び第2クラッチギア27は一方向の回転のみを伝達
する一方向クラッチを内蔵しており、該クラッチギア2
6が時計方向に回転された時該第2クラッチギア27に
他に動力が伝達されていない場合にのみ、その回転を第
2クラッチギア27に伝達する。
【0023】図3及び図4は該フィルム給送機構がフィ
ルム巻上げ動作を行なっている状態を示したものであ
る。すなわち、ピニオン1は実線矢印方向に回転され、
ギア2、ギア3、ギア4もそれぞれ実線矢印方向に回転
される。このため、ギア4に噛み合っているギア部20
aを有している太陽ギア20が同じく実線矢印方向すな
わち時計方向に回転されるので遊星アーム22は図示の
位置までに回転されており、第1遊星ギア23はスプー
ルギア8aに噛み合わされ、太陽ギア20により反時計
方向に回転駆動される。このため、スプールギア8aは
遊星ギア23によりフィルム巻上げ方向に駆動されてフ
ィルムの巻上げが行なわれる。一方、第2遊星アーム2
4は軸21を中心として太陽ギア20から時計方向の回
転力を受けているため第2遊星ギア25は第1クラッチ
ギア26に噛み合わされるとともに太陽ギア20により
実線矢印方向すなわち反時計方向に回転駆動されている
ので、第1クラッチギア26は実線矢印方向すなわち時
計方向に回転されている。この場合、該ギアに内蔵され
ている一方向クラッチはこの回転のみを第2クラッチギ
ア27に伝達するので第2クラッチギア27も時計方向
に回転され、従って、ギア14、ギア15、ギア16、
ギア17がそれぞれ実線矢印方向に回転され、フォーク
ギア18が実線矢印方向に回転されてパトローネ中から
フィルムが巻出される。
【0024】フィルム巻戻しを行なう時には図3及び図
4の状態からモータが逆転され、ピニオン1が図3にお
いて点線矢印方向に回転される。このため、ギア2、ギ
ア3、ギア4もそれぞれ点線矢印方向に回転され、太陽
ギア20も点線矢印方向に回転される。
【0025】太陽ギア20が点線矢印方向に回転される
と遊星アーム22及び24も軸21を中心として反時計
方向に回動されるので遊星ギア23はそれまで噛み合っ
ていたスプールギア8aから離れて太陽ギア20のギア
部20aの周面に沿って反時計方向に転動し、第2クラ
ッチギア28に噛み合わされる。一方、第2遊星ギア2
5は第1クラッチギア26から離れて不図示のストッパ
ーに遊星アーム24が突き当たった所で停止する。第2
クラッチギア27に噛み合わされた第1遊星ギア23は
太陽ギア20の大径ギア部20aにより時計方向に回転
駆動されているので第2クラッチギア27は反時計方向
に回転され、従ってギア14は点線矢印方向に回転され
る。この場合、該ギア27に内蔵されている一方向クラ
ッチは該ギア27が反時計方向に回転された時には滑る
ため、該ギア7の回転を第1クラッチギア26に伝達し
ないため、理論上該ギア26は回転しない(また部品間
摩擦力で該27と同方向に回転したとしても該26ギア
と噛み合うギアはなく機構上問題無い)。ギア14が時
計方向に回転されるとギア15及び16が反時計方向
(点線矢印方向)に回転し、ギア17及びフォークギア
18も点線矢印方向に回転するのでフォーク軸19は点
線矢印方向に回転され、従ってパトローネ中にフィルム
が巻き戻される。この場合、スプール側の負荷はスプー
ルだけなのでフィルム巻戻し時の負荷は非常に少ない。
【0026】図5は図3及び図4に示した実施例におい
て使用されるクラッチギア及び一方向クラッチの一実施
例を示す分解断面斜視図である。本実施例のクラッチギ
アは一方向クラッチが2個のギアに完全に内蔵された構
造になっていることを特徴とするものである。すなわ
ち、クラッチの機構は図5のようなボールとカムを用い
たり図6のような抱き締まりバネ等用いてもかまわな
い。図5において、26は前記第1クラッチギアであ
り、二方取りされた軸26aが固定されている。28a
は一方向クラッチ28を構成する浅鍋型の部材であり、
軸26aに嵌合する孔28dが中心に貫設されており、
ギア26と回転可能に一体化されている。該部材28a
の筒状部の端面には軸方向に突出する2個の突起28c
が設けられており、該突起は後述の第2クラッチギア2
7の円周方向溝に所定角度のみ回動可能に挿入されると
ともに後述の小球に係合するようになっている。
【0027】第2クラッチギア27の一方の端面には前
記突起28cが挿入される円周方向溝27bが刻設され
るとともに該溝27bの内側には軸方向に突出する円柱
部27aが設けられており、該二方取りされた軸26a
の軸にはカム板28bが二方取り勘合により固定されて
いる。カム板28の外周縁には周方向に沿って等間隔毎
に3個の突部28eが形成されており、該突部28eに
係合する小球29が該円柱部27aの端面上を転動する
ように配置されている。前記部材28aの内部壁面と該
カム板28bの突部28eとの間に該小球29が挟まれ
て、該部材28aが時計方向に回転駆動される時に第2
クラッチギア27に他からの動力が伝わっていなければ
第1クラッチギア27と第2クラッチギア27とが一体
になって回転し、第2クラッチギア27が時計方向に回
転駆動される時に第1クラッチギア26に他からの動力
が伝わってなければ一方向クラッチ28が滑って第1ク
ラッチギア26には回転が伝達されないようになってい
る。
【0028】なお、第2クラッチギア27の中心に貫設
された孔27cと浅鍋型部材28aに貫設された孔28
dとは第1クラッチギア26の二方取りされた軸26a
の直径よりも大きいので、第2クラッチギア27と浅鍋
型部材28aとは第1クラッチギア26とは相対回転可
能になっている。
【0029】以上に説明した本実施例のクラッチギアで
は、第1クラッチギアと第2クラッチギアとにクラッチ
機構が完全に内蔵されているので従来のクラッチギア機
構よりも軸方向長さを短くすることができる。
【0030】また第2の実施例の構成をとると、巻戻し
時クラッチギア26が自由回転になるので第1の実施例
の構成よりもフィルムの巻戻し時間をはるかに短縮でき
る。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のフィルム
給送機構によれば、次のような効果を得ることができ
る。
【0032】(1)遊星ギア機構の遊星ギアから直接に
スプールギアを回転駆動するようにしたので、フィルム
巻上げ動作の時の動力伝達効率が向上し、また、フィル
ム巻戻し動作の時の負荷が著しく減少するのでフィルム
巻戻し時の動力を小さくでき、且つ、巻戻し速度を高く
することもできる。
【0033】(2)スプール駆動系のギアが従来構造よ
りも少なくなるので、フィルム給送機構を小型化及び軽
量化できるとともに、製造コストを低減できる。
【0034】(3)遊星ギアを第1クラッチギアと第2
クラッチギアの双方に噛み合わせる必要がないので、遊
星ギアの軸長すなわち歯幅を従来技術のものよりも短く
でき、従って、遊星ギアの質量を小さくできるため、遊
星アームのたわみ等に基ずく遊星ギアのギア倒れが生じ
る危険性がなくなる上、遊星アームの回動時の慣性力が
減少するため、ギアの損傷の危険性がなくなり、また遊
星アームの回動速度を向上でき、遊星アームの回動に要
する動力を低減できる。
【0035】(4)太陽ギアを段車状に構成したもの
で、太陽ギア自身に減速ギア列の機能を持たせることが
でき、しかも、伝達効率の低下しない減速ギア機構を構
成でき、また、全体のギア機構の体積を小さくできる。
しかも、数段の減速ギア列を設けるよりも部品数及び組
立て工数を低減できるので製造コストを著しく低減でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフィルム給送機構の第1実施例の概略
構造を示し、(a)は斜視図、(b)は一部分解斜視
図。
【図2】図1に示した機構のフィルム巻上げ動作時にお
けるギア噛み合い状態を示す断面図。
【図3】本発明の第2実施例のフィルム給送機構のフィ
ルム巻上げ動作中の状態を示す斜視図。
【図4】図3に示した機構のギア噛み合い状態を示す断
面図。
【図5】第2実施例において使用されるクラッチ機構の
一実施例を示す分解断面斜視図。
【図6】第2実施例において使用される抱き締まりバネ
クラッチ機構の一実施例を示す分解断面斜視図。
【図7】従来のフィルム給送機構の一例を示す斜視図。
【符号の説明】
1…ピニオン 2,3,4…減速ギア 5,20…太陽ギア 6a,6b,22,
24…遊星アーム 6c,6d…遊星アームストッパ 7,10,23,25…遊星ギア 9…中間ギア 11,26…第1クラッチギア 12,27…第2ク
ラッチギア 13…一方向クラッチ 18…フォークギア 19…フォーク軸 30…スプール 30a,8a…スプールギア 31…モータ 32…ピニオン 33,34,35,39,40,41…減速ギア 36…太陽ギア 37…遊星アーム 38…遊星ギア 42,43…中間ギ
ア 44…第1クラッチギア 46…第2クラッチ
ギア 45…一方向クラッチ 48…フォークギア 49…フォーク軸

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原動軸に連結された減速ギア列と、該減
    速ギア列の最終段ギアと噛み合う第1ギア部と該第1ギ
    ア部より小径の第2ギア部及び第3ギア部とを有して段
    車形状に構成された太陽ギアと、該太陽ギアの該第1ギ
    ア部に噛み合って該太陽ギアの正転時にはフィルム巻上
    げ用スプールのスプールギアに噛み合う第1遊星ギア
    と、該太陽ギアの該第2ギア部に常に噛み合っている中
    間ギアと、該太陽ギアの該第3ギア部に噛み合っている
    第2遊星ギアと、一方向クラッチの一端側を形成し、か
    つ該中間ギアに常に噛み合う第1クラッチギアと、該一
    方向クラッチの他端を形成し、かつ該太陽ギアの逆転時
    には該第2遊星ギアと噛み合うとともにパトローネスプ
    ール駆動用のギアに噛み合っている第2クラッチギア
    と、を有して成るフィルム給送機構。
  2. 【請求項2】 原動軸に連結された減速ギア列と、該減
    速ギア列の最終段ギアと噛み合う第1ギア部と該第1ギ
    ア部よりも小径の第2ギア部とを有して段車形状に構成
    された太陽ギアと、該太陽ギアの該第1ギア部に噛み合
    あうとともに該太陽ギアの正転時にはフィルム巻上げ用
    スプールのスプールギアに噛み合わされていて該太陽ギ
    アの逆転時には一方向クラッチを形成する第1クラッチ
    ギアに噛み合わされる第1遊星ギアと、該太陽ギアの該
    第2ギア部に噛み合うとともに該太陽ギアの正転時には
    該第1クラッチギアに噛み合わされ、該太陽ギアの逆転
    時には該第1クラッチギアから退避する第2遊星ギア
    と、該第1クラッチギアと該一方向クラッチを介して結
    合されるとともにパトローネスプール駆動用ギアに噛み
    合っている第2クラッチギアと、を有して成るフィルム
    給送機構。
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