JPH06265522A - ジルコニア酸素センサの活性化処理方法 - Google Patents

ジルコニア酸素センサの活性化処理方法

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JPH06265522A
JPH06265522A JP5349589A JP34958993A JPH06265522A JP H06265522 A JPH06265522 A JP H06265522A JP 5349589 A JP5349589 A JP 5349589A JP 34958993 A JP34958993 A JP 34958993A JP H06265522 A JPH06265522 A JP H06265522A
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zirconia
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尊 川合
Nobuhiro Hayakawa
暢博 早川
Tetsumasa Yamada
哲正 山田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 センサ素子にブラックニング等の物理的な構
造変化を発生させることなく、ジルコニア酸素センサを
活性化させる処理方法を提供する。 【構成】 センサの一対の電極間に、温度範囲500℃
〜800℃の条件下で、センサの電極−ジルコニア界面
での酸素分圧値がジルコニアがブラックニングを生じる
ことのない限界酸素分圧値(10-34 atm)以上にな
処理電圧を、交番に印加することによって、ジルコニ
ア酸素センサの活性化処理を行なう。この結果、センサ
に流れる処理電流を常に限界電流以下に制限することが
でき、ジルコニア素子にブラックニングを発生させるこ
となくセンサを活性化させることができる。また、内燃
機関の空燃比制御装置等において、制御の実行中又は実
行前後に、センサを活性化処理することにより、センサ
を常に活性化させることもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジルコニアからなる酸
素イオン伝導性固体電解質の両面に多孔質電極を形成し
たジルコニア素子を用いて周囲雰囲気中の酸素濃度を検
出するジルコニア酸素センサの活性化処理方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ジルコニア酸素センサに使用されるセン
サ素子は、部分安定化ジルコニア,安定化ジルコニア等
からなるセンサ本体を板状に形成し、その両面に白金等
からなる電極を積層して、これを所定温度の炉内で焼く
ことにより作製される。そして、このように作製された
焼成後のセンサ素子においては、電極に酸素が結合し
て、その内部抵抗が大きくなっているため、そのままで
は使えない。そこで従来では、例えば、特開平3−15
6361号公報に開示されている如く、センサ素子の電
極間に交番電流を流す活性化処理によって、焼成後のセ
ンサ素子の内部抵抗を低下させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の活
性化処理は、ジルコニア酸素センサに、限界電流の1〜
5倍の交番電流を流し込んで、電極を構成する金属粒子
の表面を微細化させることにより、センサ素子の内部抵
抗を低下させるものであるため、センサ素子の内部抵抗
を低下させることはできるものの、活性化処理中にジル
コニアにブラックニングが発生して、センサ素子の耐久
性が低下するといった問題があった。
【0004】すなわち、まず、従来のように、限界電流
の1〜5倍の交番電流を流してセンサ素子に活性化処理
を施した場合、その活性化処理中に、ジルコニア−電極
界面での酸素濃度が極めて低くなるため、ジルコニア表
面にてZrO2 →Zr+O2の反応が起こり、その部分
の構造組織が破壊して黒色に脆化する、ブラックニング
が発生してしまう。
【0005】また、このように活性化処理中にブラック
ニングが発生した場合、活性化処理後もブラックニング
を確認できれば、検査工程等でブラックニングの発生を
検出できるので問題ないが、従来では、交番電流を与え
ることに加えて、例えば処理電流が比較的小さく処理温
度が比較的高いというように、活性化処理の実行条件如
何によっては、活性化処理中に一旦ブラックニングが発
生したにもかかわらず大部分が消失されてしまい、活性
化処理後に実質的なブラックニングの発生を確認できな
いことがあり、このような場合には、そのまま正常なセ
ンサ素子として使用されることとなる。
【0006】ところが、一度ブラックニングが発生した
ジルコニアは、内部組織が劣化されてしまっているた
め、例えば、センサ活性化のために、使用中にも定期的
に活性化処理を行おうとすると、劣化が進行して耐久性
が低下し、その使用可能期間が著しく低下してしまうの
である。
【0007】なお、活性化処理後にブラックニングの発
生を確認できなくなるのは、活性化処理後のみならず、
処理後の使用中にも、ブラックニングが生じたジルコニ
ア表面にて、周囲雰囲気中の酸素によりZr+O2 →Z
rO2 の反応が起こり、一旦黒色に脆化したジルコニア
表面が元の色(白色)に戻ってしまうことも起因すると
考えられる。
【0008】本発明は、こうした問題に鑑みなされたも
ので、たとえ活性化処理中だけであっても、ジルコニア
にブラックニング等の物理的な構造変化を発生させるこ
となく、センサ素子を良好に活性化することのできるジ
ルコニア酸素センサの活性化処理方法を提供することを
目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた請求項1に記載の発明は、ジルコニアから
なる板状の酸素イオン伝導性固体電解質の両面に少なく
とも一対の多孔質電極を形成してなるセンサ素子を備え
たジルコニア酸素センサの活性化処理方法であって、温
度500℃〜800℃の条件下で、上記センサ素子の電
極−固体電解質界面での酸素分圧値が上記固体電解質が
ブラックニングを生じる限界酸素分圧値よりも大きい酸
素分圧値となる大きさの所定電圧を、上記電極間に交番
に印加することを特徴としている。
【0010】また、請求項2に記載の発明は、上記請求
項1に記載のジルコニア酸素センサの活性化処理方法に
おいて、上記活性化処理を行うセンサ素子と同じジルコ
ニアからなる板状の酸素イオン伝導性固体電解質の両面
に一対の多孔質電極を形成し、更に該一対の電極の一方
を外界雰囲気に対して略気密的に閉塞してなる測定用素
子を用いて、所定の雰囲気下で該測定用素子の一対の電
極間に上記閉塞側電極を陰極として直流電圧を充分な時
間印加することにより上記センサ素子の所定雰囲気下で
の限界起電力値を測定し、該測定した限界起電力値に基
づき、上記センサ素子の電極間に交番に印加する電圧値
を設定することを特徴としている。
【0011】また次に、請求項3に記載の発明は、上記
請求項2に記載のジルコニア酸素センサの活性化処理方
法において、上記測定用素子を用いて測定した所定雰囲
気下での限界起電力値と、該測定時の周囲雰囲気の酸素
分圧値とから、上記陰極側電極における限界酸素分圧値
を算出し、該算出した限界酸素分圧値に基づき、上記セ
ンサ素子の電極間に交番に印加する電圧値を設定するこ
とを特徴としている。
【0012】また更に、請求項4に記載の発明は、上記
請求項3に記載のジルコニア酸素センサの活性化処理方
法において、上記活性化処理を行う際の上記センサ素子
の外界雰囲気が、大気又は空気過剰率λ>1の燃料混合
気を燃焼させて得られる酸素を含んだ燃焼ガス雰囲気で
あるとき、上記外界雰囲気又は外界雰囲気より酸素濃度
の低い雰囲気での熱力学的平衡状態下の酸素分圧値を算
出すると共に、該算出した酸素分圧値と上記算出した限
界酸素分圧値とに基づきネルンストの式を用いて限界起
電力値を算出し、該算出した限界起電力値に基づき、上
記センサ素子の電極間に交番に印加する電圧値を設定す
ることを特徴としている。
【0013】また、請求項5に記載の発明は、上記請求
項3に記載のジルコニア酸素センサの活性化処理方法に
おいて、上記活性化処理を行う際の上記センサ素子の外
界雰囲気が、空気過剰率λ≦1の燃料混合気を燃焼させ
て得られる酸素化合物を含んだ燃焼ガス雰囲気であると
き、上記外界雰囲気又は外界雰囲気より酸素化合物濃度
の低い雰囲気での熱力学的平衡状態下の酸素分圧値を算
出すると共に、該算出した酸素分圧値と上記算出した限
界酸素分圧値とに基づきネルンストの式を用いて限界起
電力値を算出し、該算出した限界起電力値に基づき、上
記センサ素子の電極間に交番に印加する電圧値を設定す
ることを特徴としている。
【0014】一方、請求項6に記載の発明は、上記請求
項1に記載のジルコニア酸素センサの活性化処理方法に
おいて、上記活性化処理を行う条件下で、予め作製した
測定用のセンサ素子に直流電圧を充分な時間印加して、
該センサ素子の電極−固体電解質界面での酸素分圧値が
上記固体電解質がブラックニングを生じる限界酸素分圧
値となる限界電圧値を求め、活性化処理の際に上記セン
サ素子の電極間に交番に印加する電圧値を該限界電圧値
より小さい値に設定することを特徴としている。
【0015】また、請求項7に記載の発明は、上記請求
項1乃至請求項6いずれか記載のジルコニア酸素センサ
の活性化処理方法において、上記センサ素子の電極間に
交番に印加する電圧が0.4V以上であることを特徴と
している。また次に、請求項8に記載の発明は、上記請
求項1乃至請求項7いずれか記載のジルコニア酸素セン
サの活性化処理方法において、上記センサ素子の電極間
への上記所定電圧の印加周波数が0.5Hz以下である
ことを特徴としている。
【0016】また更に、請求項9に記載の発明は、上記
請求項1乃至請求項8いずれか記載のジルコニア酸素セ
ンサの活性化処理方法において、上記活性化処理を、上
記ジルコニア酸素センサの作動中或は作動前後に、定期
的又は必要に応じて行なうことを特徴としている。
【0017】
【作用及び発明の効果】まず、センサ素子の電極間に電
圧を印加した場合、センサ素子に電流が流れ、その電流
とは逆方向に、つまり電圧印加によって低電位となる電
極(陰極)側から高電位となる電極(正極)側へと、酸
素が移動する。
【0018】そして、センサ素子に流れる電流が大きく
なると、陰極側から酸素を取り込むことができなくなっ
て、その電極側のジルコニア−電極界面(以下、三相界
面という)の酸素分圧が著しく低下し、陰極側のジルコ
ニア表面において、ZrO2→Zr+O2 の反応が生
じ、ジルコニアにブラックニングが発生する。
【0019】そこで、本発明の活性化処理方法では、セ
ンサ素子に交番に電流を流してセンサ素子の内部抵抗を
低下させるとともに、その通電中に、たとえ一時的であ
っても、三相界面の酸素分圧がジルコニアにブラックニ
ングが生じる限界酸素分圧以下になることのないように
される。
【0020】すなわち、請求項1に記載のジルコニア酸
素センサの活性化処理方法においては、温度500℃〜
800℃の条件下で、センサ素子の電極−固体電解質界
面での酸素分圧値が、固体電解質(つまりジルコニア)
がブラックニングを生じる限界酸素分圧値よりも大きい
酸素分圧値となる大きさの所定電圧を、センサ素子の電
極間に交番に印加することにより、活性化処理中にブラ
ックニングが発生するのを防止するようにしている。
【0021】つまり、従来では、センサ素子に対して、
その電極表面を微細化する程の大電流(限界電流の1〜
5倍)を流すことによって、センサ素子の内部抵抗を低
下させていたため、その活性化処理中には、ジルコニア
に必ずブラックニングが発生することになるが、本発明
では、たとえ活性化処理中だけであっても、ジルコニア
にブラックニングが発生することのないように、センサ
素子に交番に印加する電圧値を上記のように制限して活
性化処理が行われるのである。
【0022】このため、本発明によれば、活性化処理中
に、たとえ活性化処理後に消滅してしまうような比較的
軽度なブラックニングであっても、発生させることはな
く、しかも活性化処理が行え、センサ素子の耐久性を向
上させることができる。なお、ジルコニアにブラックニ
ングが発生する限界酸素分圧は、センサ素子の構造,材
質,温度条件等によって異なり、一義的に求めることは
できないが、実験等から大凡の値は知ることができるた
め、その値から限界酸素分圧を想定すれば、処理電圧を
以下の通り設定することができる。
【0023】すなわち、センサ素子の電極間には、各電
極側の三相界面の酸素濃度に応じて、ネルンスト(Ner
nst )の式として周知の次式(1) で表わされる起電力E
MFが生じるため、 EMF=(RT/nF)×ln(PO1/PO2) …(1) 但し、R:ガス定数 T:絶対温度 n:酸素の価数
F:ファラデー定数 PO1,PO2:各電極側三相界面の酸素分圧 電極間への印加電圧をVp,センサ素子に流れる電流を
Ip,センサ素子の内部抵抗をRiとすると、印加電圧
Vpは、次式(2) のように表わすことができる。
【0024】 Vp=Ip×Ri+EMF …(2) 従って想定した限界酸素分圧値をPO2,活性化処理を行
う際の周囲雰囲気中の酸素分圧値をPO1,同じくセンサ
素子の温度を絶対温度Tとして、上記(1) 式を用いて、
ジルコニアにブラックニングが発生する限界起電力EM
Fを求め、印加電圧Vpが、次式(3) を満足するよう
に、処理電圧を設定すればよい。
【0025】 Vp<限界起電力EMF+Ip×Ri …(3) なお、本発明において、活性化処理の温度範囲を500
℃乃至800℃に設定しているのは、交番電圧の印加に
よる活性化処理の効果が得られるのがこの範囲内である
ためであり、この値は、後述の実験により定められてい
る。
【0026】ところで、限界起電力EMFは、限界酸素
分圧値PO2を想定することなく、実験により、極めて正
確に測定することができる。すなわち、センサ素子の一
対の電極の内、一方の電極を閉塞して、その閉塞した電
極を陰極として、直流電圧を充分な時間順次印加するこ
とによって、ジルコニアがブラックニングに至る限界の
印加電圧Vpを測定すれば、その印加電圧Vpから限界
起電力EMFを簡単に知ることができる。つまり、一方
の電極を外界雰囲気と遮断した場合、ジルコニア素子が
ブラックニングしない限り、電流Ipは0に収束するた
め、印加電圧Vp=限界起電力EMFとなり、限界起電
力EMFを極めて正確に知ることができるのである。
【0027】そこで、請求項2に記載のジルコニア酸素
センサの活性化処理方法においては、こうした一方の電
極を閉塞した測定用のセンサ素子(測定用素子)を用い
て、上記限界起電力EMFを測定し、その測定した限界
起電力EMFに基づき、処理電圧を設定するようにして
いる。
【0028】従って、請求項2に記載の発明によれば、
ジルコニアが実際にブラックニングに至る限界起電力E
MFから処理電圧を設定できるので、活性化処理を行う
に当たって、ブラックニングの発生をより正確に防止す
ることができる。また次に、このようにジルコニアがブ
ラックニングに至る限界起電力EMFを測定した場合、
その測定した限界起電力EMFは、限界起電力EMF測
定時の周囲雰囲気の酸素分圧と、活性化処理実行時の三
相界面の酸素分圧とがほぼ一致していれば、そのまま使
用できるが、三相界面の酸素分圧が変わってくれば、測
定した限界起電力EMFをそのまま使用することができ
ない。
【0029】しかし、この測定した限界起電力EMF
は、上記(1) 式のように記述でき、また測定時の周囲雰
囲気の既知酸素濃度から閉塞されていない正極側電極の
三相界面での酸素分圧PO1を知ることができるため、そ
の酸素分圧値PO1と、限界起電力EMFとを上記(1)式
に代入すれば、上記(1) 式からジルコニアにブラックニ
ングが発生する限界酸素分圧PO2を求めることができ
る。
【0030】そこで、請求項3に記載のジルコニア酸素
センサの活性化処理方法においては、上記のように測定
用素子を用いて測定した既知酸素分圧の雰囲気下での限
界起電力値と、その測定時の該酸素分圧値とから、陰極
側電極における限界酸素分圧値を算出し、この算出した
限界酸素分圧値に基づき、センサ素子の電極間に交番に
印加する処理電圧を設定するようにしている。
【0031】従って、請求項3に記載の発明によれば、
一方の電極を閉塞した測定用素子を用いて限界起電力E
MFを測定した場合に、その測定時の周囲雰囲気と実際
に活性化処理を行う周囲雰囲気とが異なる場合であって
も、活性化処理を行う処理電圧を、活性化処理中にブラ
ックニングが発生しない値に正確に設定することができ
る。
【0032】また、このように、限界起電力EMFの測
定値から限界酸素分圧値を求めた場合、上記(3) 式を満
足するように処理電圧を設定するには、限界酸素分圧値
から活性化処理を行う周囲雰囲気中での限界起電力EM
Fを求める必要がある。そこで、請求項4に記載のジル
コニア酸素センサの活性化処理方法においては、上記の
ように請求項3に記載の方法を実現するに当たって、活
性化処理を行う際のセンサ素子の外界雰囲気が、大気又
は空気過剰率λ>1の燃料混合気を燃焼させて得られる
酸素を含んだ燃焼ガス雰囲気(所謂リーン雰囲気)であ
るときには、外界雰囲気又は外界雰囲気より酸素濃度の
低い雰囲気での熱力学的平衡状態下の酸素分圧値を算出
し、この算出した酸素分圧値と、上記のように求めた限
界酸素分圧値とに基づき、上記(1) 式(つまりネルンス
トの式)を用いて、活性化処理を行うリーン雰囲気での
限界起電力を算出し、その算出した限界起電力値に基づ
き、センサ素子の電極間に交番に印加する電圧値を設定
するようにしている。
【0033】また、請求項5に記載のジルコニア酸素セ
ンサの活性化処理方法においては、上記活性化処理を行
う際の上記センサ素子の外界雰囲気が、空気過剰率λ≦
1の燃料混合気を燃焼させて得られる酸素化合物を含ん
だ燃焼ガス雰囲気(リッチ雰囲気)であるときには、外
界雰囲気又は外界雰囲気より酸素化合物濃度の低い雰囲
気での熱力学的平衡状態下の酸素分圧値を算出し、その
算出した酸素分圧値と、上記のように求めた限界酸素分
圧値とに基づき、上記(1) 式(つまりネルンストの式)
を用いて、活性化処理を行うリッチ雰囲気での限界起電
力値を算出し、その算出した限界起電力値に基づき、セ
ンサ素子の電極間に交番に印加する電圧値を設定するよ
うにしている。
【0034】従って、請求項4及び請求項5に記載の発
明によれば、請求項3に記載の発明により求めたセンサ
素子の限界酸素分圧値を用いて、活性化処理を行う外界
雰囲気に対応した処理電圧を最適に設定することができ
るようになる。また次に、上記請求項2〜請求項5に記
載の発明では、ジルコニアがブラックニングに至る際の
限界起電力を測定用素子を用いて測定し、その測定値に
基づき処理電圧を設定するようにしているが、ジルコニ
アにブラックニングを発生させない処理電圧は、センサ
素子に直流電圧を印加することにより測定することもで
きる。
【0035】つまり、活性化処理のためにセンサ素子に
交番電流を流した場合、各電極への印加電圧が周期的に
正・負に変化するため、活性化処理中にジルコニアにブ
ラックニングが生じていても、そのブラックニングが活
性化処理後も残る程度に促進されず、活性化処理後、活
性化処理中に発生したブラックニングが消滅してしまう
のであるが、活性化処理中にブラックニングを発生させ
ないためには、その処理電圧に、センサ素子に一方向に
充分な時間印加してもジルコニアにブラックニングが発
生しない電圧値を設定すればよい。そして、この電圧値
は、センサ素子に直流電圧を充分な時間印加して、ブラ
ックニングが発生する限界の電圧値を測定することによ
り、求めることができる。
【0036】そこで、請求項6に記載のジルコニア酸素
センサの活性化処理方法においては、活性化処理を行う
条件下で、予め作製した測定用のセンサ素子に直流電圧
を印加することにより、センサ素子の電極−固体電解質
界面での酸素分圧値が、ジルコニアがブラックニングを
生じる限界酸素分圧値となる限界電圧値を求め、この限
界電圧値より小さい値を、活性化処理のためにセンサ素
子の電極間に交番に印加する処理電圧として設定するよ
うにしている。
【0037】従って、本発明においても、センサ素子に
ブラックニングを発生させることなく、内部抵抗低下の
ための活性化処理を行うことができ、ジルコニア酸素セ
ンサの耐久性を向上することができる。また次に、請求
項1〜請求項6に記載のように、センサ素子の電極間に
所定の電圧を交番に印加して、センサ素子の内部抵抗を
低下させる場合、処理電圧が低すぎると良好な処理効果
を得ることができないため、処理電圧は請求項7に記載
のように、0.4V以上に設定することが好ましい。
【0038】またセンサ素子の電極間に交番に印加する
処理電圧の周期が短すぎると、処理電圧を印加してもセ
ンサ素子に実効的に電流が流れなくなり、良好な処理効
果を得ることができないため、センサ素子の電極間に交
番に印加する処理電圧の周期、換言すれば処理電圧の周
波数は、請求項8に記載のように、0.5Hz以下にす
ることが好ましい。
【0039】なお、これら請求項7及び請求項8に記載
の処理電圧の下限値(0.4V),及び処理電圧の周波
数(0.5Hz)については、後述の実験により設定し
たものである。また次に、ジルコニア酸素センサは、セ
ンサ焼成直後には、電極に酸素が結合して、その内部抵
抗が大きくなっているため、従来では、ジルコニア酸素
センサの製造直後(すなわち、出荷前)に活性化処理を
行なうようにしていた。
【0040】しかし、ジルコニア酸素センサは、長時間
使用することで、再び内部抵抗が上昇する傾向がある。
この傾向は、比較的低温で長時間にわたって、酸化雰囲
気に曝された電極側から酸素イオンを取り込む方向に電
圧を印加して使用することにより、特に顕著になる。こ
の原因は、ガス吸着或は分極化(歪)と考えられ、例え
ば、ジルコニア酸素センサを、内燃機関の空燃比を理論
空燃比等の所望空燃比に制御するための空燃比センサと
して使用した場合には、内部抵抗の上昇に伴い制御中心
がずれ、大きな問題となる。
【0041】そこで、請求項9に記載のジルコニア酸素
センサの活性化処理方法においては、活性化処理を、ジ
ルコニア酸素センサの製造直後に一回だけ行なうのでは
なく、ジルコニア酸素センサの作動中或は作動前後に、
定期的又は必要に応じて行なうようにしている。
【0042】このため、請求項9に記載の発明によれ
ば、ジルコニア酸素センサの使用によって生じる特性劣
化を防止して、しかもセンサを常に活性化させることが
でき、ジルコニア酸素センサを使って空燃比制御等を行
なう場合の制御精度を向上することが可能となる。
【0043】
【実施例】以下に、本発明の実施例を図面と共に説明す
る。まず図1は、ジルコニア酸素センサである2個のセ
ンサ素子(センサセル)を用いて、内燃機関の排気成分
から内燃機関に供給された燃料混合気の空燃比を検出す
る、空燃比センサの概略構成を表す断面図である。
【0044】図1に示す如く、この空燃比センサは、板
状のヒータ板1と、スペーサ2と、ポンプセル3と、ス
ペーサ4と、起電力セル5と、遮蔽体板6とを積層する
ことにより構成されており、ヒータ板1には、ヒータ7
が埋設され、図示しない制御回路によりこのヒータ7を
通電することにより、センサ素子であるポンプセル3と
起電力セル5とを約800℃の温度に保持できるように
されている。なお、スペーサ2,4は、アルミナからな
る絶縁体である。
【0045】ポンプセル3は、酸素イオン伝導性固体電
解質材料である安定化ジルコニア又は部分安定化ジルコ
ニアにより形成され、その表面と裏面の夫々に、白金で
形成された多孔質電極11、12を備えている。そして
ポンプセル3の一方の多孔質電極11は、直接測定ガス
雰囲気に曝されるようにされている。
【0046】また、起電力セル5は、ポンプセル3と同
様に、安定化ジルコニア又は部分安定化ジルコニアによ
り形成されており、その表面と裏面の夫々に、白金で形
成された多孔質電極13、14を備えている。そして、
ポンプセル3と起電力セル5との間には、小孔又は小孔
に多孔質物質を充填することにより形成されたガス拡散
制限部16を介して測定ガス雰囲気と連通された拡散室
15が形成されている。
【0047】また、起電力セル5の背面には、内部基準
酸素室17が形成され、その内部基準酸素室17は、小
孔又は多孔質物質を充填することにより形成された漏出
抵抗部18を介して拡散室15に連通されている。この
ように構成された空燃比センサは、図示しない制御回路
によって次のように駆動制御される。
【0048】すなわち、制御回路は、まず起電力セル5
に常時一定電流Icpを流して、拡散室15内の酸素を
内部基準酸素室17に汲み込むことにより、内部基準酸
素室17内の酸素分圧を所定値に制御しながら、起電力
セル5が発生する内部基準酸素室17と拡散室15との
酸素分圧の比に対応した起電力Vsを検出する。そし
て、この起電力Vsが常時一定となるように、つまり拡
散室15内の酸素分圧が一定となるように、ポンプセル
3に流す電流値Ipを双方向に制御して、拡散室15内
の酸素を測定ガス雰囲気中へ、或は測定ガス雰囲気中の
酸素を拡散室15内へと双方向に移動させ、この電流値
Ipから内燃機関に供給された燃料混合気の空燃比を検
出する。
【0049】従って、このような空燃比センサの起電力
セル5においては、電極13から電極14側に常に酸素
イオンが移動するように、この電極13−14間に常に
電圧が印加されるため、長時間動作させると、電極14
に酸素が吸着することが原因と思われるが、起電力セル
5の内部抵抗が上昇してしまう。
【0050】また、空燃比センサを用いて内燃機関の空
燃比を長時間空気過剰率λ>1に制御する場合では、ポ
ンプセル3にも、長時間、拡散室15から測定ガス雰囲
気中へ酸素イオンが移動するように電圧が印加されるた
め、多分、電極11側に酸素が吸着することが原因と思
われるが、その内部抵抗が上昇してしまう。
【0051】このため本実施例の空燃比センサにおいて
は、各センサセル3,5の焼成後は勿論のこと、内燃機
関の空燃比制御実行中又は空燃比制御の前・後にも、本
発明の活性化処理を行うことによって、各センサセル
3,5の上記特性劣化を有利に防止することができる。
【0052】以下、本実施例の空燃比センサの内部抵抗
を低下させるための活性化処理について説明する。ま
ず、活性化処理は、各センサセル3,5の電極間に交番
電圧を印加することにより実行されるが、この印加電圧
が大き過ぎると、活性化処理中に各センサセル3,5を
構成しているジルコニアにブラックニングが発生し、た
とえ活性化処理後、ブラックニングが生じた部分の再酸
化によって、ブラックニングが消滅したとしても、ブラ
ックニングが発生した部分は劣化してしまう。
【0053】そこで、こうした問題を解決するために、
本実施例では、活性化処理を行うに当たって各センサセ
ル3.5の電極間に印加する交番電圧を、次のように設
定した。まず、図2に示す如く、上記各センサセル3,
5と同材質,同製法による偏平なジルコニアZの表裏面
に、上記各センサセル3,5と同材質,同製法による多
孔質の白金電極,を形成すると共に、一方の白金電
極をカバーCで覆って外気とほぼ完全に遮断した測定
用セル30を作製した。
【0054】そして、大気中,727℃(絶対温度10
00度)にて、白金電極を陰極として両白金電極−
間に直流電圧Vpを印加することによって、ジルコニ
アがブラックニングに至る限界電圧を測定した。なお、
直流電圧Vpの印加時間は、ジルコニアに発生したブラ
ックニングを確認するのに充分な3時間とした。
【0055】この結果、大気中,727℃で、上記測定
用セル30がブラックニングに至る限界電圧は、1.7
Vより大きく、2.0Vより小さいことが判った。とこ
ろで、印加電圧Vpは、前述の(2) 式の如く表わすこと
ができる。また電圧印加時の測定用セル30の起電力E
MFはネルンストの式(前述の(1) 式)により求めるこ
とができる。そして、上記のように限界電圧測定時の温
度条件が727℃(絶対温度1000度)の場合には、
ネルンストの式から、起電力EMFは次式(4) の如くな
る。
【0056】 EMF=50×log(PO1/PO2) …(4) また測定用セル30は、一方の白金電極がカバーCに
よって外気と完全に遮断されているため、ジルコニア
(ZrO2 )がブラックニングしない限り、電流Ipは
0に収束する。
【0057】このため、上記(2)式と(4)式とから、印加
電圧Vpは、次式(5) の如くなる。 Vp[V]×1000=EMF[mV] =(RT/nF)×ln(PO1/PO2) =50×log(PO1/PO2) …(5) また大気中の酸素分圧は約0.2atmであるため、上
記限界電圧測定時の白金電極側三相界面の酸素分圧P
O1も約0.2atmとなる。
【0058】そこで、上記(5) 式において、PO1に0.
2atmを、Vpに電圧1.7Vを夫々代入し、白金電
極側三相界面の酸素分圧PO2を算出すると、この値
は、10-34.7 atmとなる。この結果、本実施例の空
燃比センサの各センサセル3,5においては、電圧印加
時に陰極となる電極側の三相界面の酸素分圧が、安全側
限界酸素分圧値として、10-34 atm以上であれば、
ブラックニングは起こらないことが判る。
【0059】また、上記測定結果から、各センサセル
3,5を大気中で活性化処理する場合には、各センサセ
ル3,5の起電力を1.7V以下に制限すれば、各セン
サセル3,5に生じるブラックニングを防止できること
が判る。従って、大気中で各センサセル3,5を活性化
処理する場合の処理電圧(交番電圧)は、上記(3) 式か
ら、Vp≦1.7+Ip×Ri[V]の条件を満足する
ように設定すればよく、本実施例では、大気中で各セン
サセル3,5の活性化処理を行うに当たって使用する処
理電圧を1.5Vに設定した。そして、この電圧を交番
に印加して活性化処理することができた。
【0060】このように、内燃機関の排気系に装着され
た空燃比センサを、充分長い時間の停車後の始動前か、
燃料カットエンジンブレーキ時とかの大気又は大気相当
雰囲気中で活性化処理を行う場合の処理電圧は、上記測
定用セル30を用いた上記限界電圧の測定結果により設
定できるが、内燃機関の運転中に活性化処理を行おうと
すると、上記各センサセル3,5は、内燃機関の排気に
曝されているため、上記大気中での処理電圧をそのまま
使用することができない。
【0061】また、内燃機関の通常運転中の排気は、内
燃機関を空気過剰率λ>1の燃料混合気にて運転した際
に排出される酸素を含んだ状態(リーン雰囲気)から、
内燃機関を空気過剰率λ≦1の燃料混合気にて運転した
際に排出される酸素を殆ど含まない状態(リッチ雰囲
気)まで、内燃機関の運転状態に応じて大きく変化する
ため、内燃機関の運転中に活性化処理を行う場合には、
各センサセル3,5にブラックニングが最も発生し易い
リッチ雰囲気中で行なう場合であっても、各センサセル
3,5にブラックニングが発生しないように、処理電圧
を設定する必要がある。
【0062】そこで、本実施例では、内燃機関の排気系
に装着された空燃比センサを、内燃機関の運転中に活性
化処理する場合の処理電圧については、内燃機関の例え
ばアイドリング時,加速時,高負荷運転時等、燃料混合
気中の燃料割合が最も多くなる時の最小空気過剰率がλ
=0.8であると仮定して、各センサセル3,5にブラ
ックニングを発生させることなく活性化処理を実行でき
るように、以下のように設定した。
【0063】まず、各センサセル3,5が酸素を殆ど含
まないリッチ雰囲気に曝されている状態で、電極間に直
流電圧を印加すると、陰極となる電極側の三相界面でリ
ッチ雰囲気中の酸素化合物が酸素の解離を起こし、各セ
ンサセル3,5に電流が流れる。
【0064】すなわち、内燃機関の排気中には、H2
,CO2 等が含まれるので、排気中に酸素が殆ど含ま
れていない場合であっても、こうした排気中の酸素化合
物である、H2O ,CO2 が酸素の解離を起こし、各セ
ンサセル3,5に電流が流れるのである。
【0065】次に、こうした酸素の解離は、H2O ,C
2 とも略同様であるので、H2Oの酸素の解離によっ
てセンサ素子に電流が流れる場合について考える。まず
2O の平衡定数は、絶対温度1000度において、 (PH2 ×PO2 1/2)/PH2O =8.73×10-11 またH2 の燃焼系をモデルにし、その燃焼系に供給され
る燃料混合気の空気過剰率λが内燃機関の場合の最小値
である0.8であるとすると、その燃料混合気の燃焼
は、 H2+0.4・O2 →0.8H2O +0.2H2 となる。このとき、H2Oから上記平衡定数に従い、P
2 の酸素が解離されるが、微少であるため、H2O,
2に対して無視すると、 (0.2×PO2 1/2)/0.8=8.73×10-11 となり、還元雰囲気に曝された電極側での酸素分圧P
O1は、 PO1=PO2=(3.49×10-112=1.2×10
-21 となる。
【0066】従って、空気過剰率λ=0.8の排気中
(リッチ雰囲気中)では、ブラックニングの発生限界と
なる限界電圧は、上記(5) 式から、 EMF=50log(10-20/10-34.7)=0.73
5 となり、各センサセル3,5を内燃機関の運転中に活性
化処理する場合には、各センサセル3,5の起電力を
0.7V以下に制限すれば、各センサセル3,5に生じ
るブラックニングを防止できることが判る。
【0067】従って、大気中で各センサセル3,5を活
性化処理する場合の処理電圧(交番電圧)は、上記(3)
式から、Vp≦0.7+Ip×Ri[V]の条件を満足
するように設定すればよく、本実施例では、内燃機関の
排気系に設けられた空燃比センサを内燃機関の運転中に
活性化処理するに当たって使用する処理電圧を、0.9
Vに設定した。
【0068】次に上記のように設定した処理電圧をセン
サセルに交番に印加して活性化処理した場合の効果、及
び活性化処理を行うに当たって好適な処理条件を、各種
実験により測定した。以下、この実験について説明す
る。まず、図1に示した2個の空燃比センサを内燃機関
の排気管に取付け、長時間動作させて、各空燃比センサ
の起電力セル5の内部抵抗を上昇させた後、大気中で活
性化処理を行った結果、図3(a),(b)に示す如
く、起電力セル5の内部抵抗を減少させることができ
た。
【0069】なお、図3(a),(b)において、実線
で示すA1,A2の波形は、処理電圧±1.5V,周波
数0.0083Hzの図4に示す如きパルス信号を、処
理温度650℃の条件下で、大気中で3サイクル6分間
連続して起電力セル5の電極13,14間に印加するこ
とにより、起電力セル5に活性化処理を施した後、ヒー
タ通電開始と同時に起電力セル5に27.5μAの定電
流を流し、起電力セル5の電圧Vs変化結果を測定した
結果を表しており、点線で示すB1,B2の波形は、活
性化処理を施す前に、ヒータ通電開始と同時に起電力セ
ル5に27.5μAの定電流を流し、起電力セル5の電
圧Vs変化結果を測定した結果を表している。
【0070】そして、この測定結果から、活性化処理を
施した空燃比センサにおいては、ヒータ通電による温度
上昇と共にスムーズな抵抗の降下が見られ、抵抗の減少
の度合も早いのに対し、活性化処理を施す前の空燃比セ
ンサにおいては、ヒータ通電による温度上昇に従って内
部抵抗の下がるのが遅く、減少のピークが2つ見られ、
しかも試料によるばらつきがあることがわかる。
【0071】また、この場合の活性化処理は、+1.5
Vと−1.5Vの時間の比が1:1のパルス信号を起電
力セル5に印加することにより行なったが、他の実験に
より、この時間の比は、必ずしも1:1に設定する必要
はなく、例えば3:10にしても、上記と同様の効果が
得られることがわかった。従って、本実施例のような空
燃比センサの起電力セル5の場合、例えば、拡散室15
内の酸素を内部基準酸素室17側に移動させる通電時間
を多くして、内部酸素基準室17内の酸素分圧を一定に
保持しながら、活性化処理を施すことも可能である。そ
して、このようにした場合には、空燃比制御実行中に定
期的に活性化処理を行なっても、活性化処理終了後は速
やかに空燃比を検出することができるようになり、活性
化処理実行のための空燃比制御の停止時間を短くでき
る。
【0072】次に、こうした活性化処理の実行条件であ
る温度や処理電圧等の適正範囲を設定するために、厚さ
0.5mmの部分安定化ジルコニアのグリーンシートの
両面に白金電極をスクリーン印刷したものを、大気中で
1525℃で1時間の焼成を行なうことによって、図5
に示すような試料を多数作製し、各試料に種々の条件で
活性化処理を施し、その結果を調べた。以下、この結果
について説明する。なお、試料の電極部21の大きさは
2mm×4mmである。
【0073】まず、複数の試料を400℃から850℃
までの各種温度の炉中(大気中)に各々挿入し、各試料
の電極間に、処理電圧±1.5V,周波数0.0083
Hzのパルス信号を、3サイクル6分間印加することに
より活性化処理を行なった。そして、その後、処理温度
の異なる各試料の電極間に、800℃の大気中で1.5
V印加したときの電流値を測定して活性化の効果の程度
を求めた。
【0074】その結果、図6に示す如く、550℃から
750℃の活性化温度では、比較的大電流が流れ、55
0℃以下及び750℃以上の温度では、極端に電流値が
小さくなっており、その差は4〜6倍に達していること
がわかった。従って、活性化処理は、500℃から80
0℃の温度範囲内、好ましくは550℃から750℃の
温度範囲内で行なえばよいことがわかる。
【0075】次に、650℃の炉中(大気中)に複数の
試料を挿入し、電極間に処理電圧を±0.1Vから±
2.0Vまでの異なる値に設定したパルス信号を印加
し、活性化処理を行なった。なお、この場合のパルス信
号の周波数は上記と同様0.0083Hzであり、また
活性化処理時間は3サイクル6分間である。その結果を
図7に示す。
【0076】図7において、縦軸は、3サイクル6分間
の活性化処理終了時の電流と最初の初期電流値との比,
つまり活性化処理による電流の増加率を示している。そ
して、この図7から明らかなように、処理電圧が0.6
V以上では、飽和電流値が初期電流値から大幅に増加し
ているのに対して、0.6未満では、初期電流値からあ
まり増加せず、0.4V未満ではその傾向が顕著であ
る。従って、良好な効果を得るには、処理電圧を、少な
くとも0.4V以上,好ましくは0.6V以上に設定す
ればよいことがわかる。
【0077】次に、650℃の炉中(大気中)に複数の
試料を挿入し、電極間に、周波数が0.0083Hzか
ら10Hzまでのパルス信号を印加することにより、活
性化処理を行なった。なお、この場合の処理電圧は±
1.5Vであり、活性化時間は6分間である。その結果
を図8に示す。
【0078】図8において、縦軸は、図7と同様、6分
間の活性化処理終了時の電流と最初の初期電流値との
比,つまり活性化処理による電流の増加率を示してい
る。そして、この図8から明かなように、処理電圧の周
波数が0.5Hz以下の領域で効果が表れ、特に0.2
Hz以下の領域で大きな効果が得られることがわかる。
従って、処理電圧の周波数としては、0.5Hz以下、
好ましくは0.2Hz以下に設定すればよいことがわか
る。
【0079】次に、650℃の炉中(大気中)に複数の
試料を挿入し、処理電圧が±1.5Vで、周波数が0.
008Hz,0.016Hz,0.05Hz,0.5H
zと異なる4種のパルス信号を印加すると共に、図3に
示す如く処理電圧の立ち上がりから次の立ち上がりまで
を1サイクルとする印加サイクルを、1サイクル,2サ
イクル,3サイクル,…と変化させることにより、この
印加サイクル(つまり活性化処理時間)と活性化処理に
よる効果との関係を調べた。その結果を図9に示す。
【0080】図9において、縦軸は、図7,図8と同
様、6分間の活性化処理終了時の電流と最初の初期電流
値との比,つまり活性化処理による電流の増加率を示し
ている。そして、この図9から明かなように、いずれの
周波数においても、処理電圧を1サイクル分以上印加す
れば活性化処理による効果が得られ、3サイクル以上の
領域では活性化処理の効果は略安定することがわかる。
従って、活性化処理の実行時間としては、処理電圧の1
サイクル分,好ましくは3サイクル分の時間を設定すれ
ばよいことがわかる。
【0081】次に、活性化処理を施した試料と未処理の
試料とのインピーダンスを周知の複素インピーダンス測
定法にて測定したコールコールプロット図を図10〜図
13に示す。なお、図10は未処理の試料を650℃
で、図11は活性化処理後の試料を650℃で、図12
は未処理の試料を800℃で、図13は活性化処理後の
試料を800℃で、各々測定したコールコールプロット
図である。
【0082】また、この測定に当たって、試料の活性化
処理は、650℃の炉中(大気中)に試料の電極部21
を挿入し、その電極間に、電圧±1.5V、周波数0.
008Hzのパルス信号(処理電圧)を、6分間印加す
ることにより行なった。また、複素インピーダンス測定
法の実行条件は、温度以外は共通であり、上限周波数6
5kHz、下限周波数0.1Hz、電圧波高値100m
Vである。
【0083】測定条件650℃での測定結果(図10,
図11)を比較すると、未処理の試料では低周波の抵抗
値はスケールアウトしてしまっており、内部抵抗は数k
Ωであると推定される。これに対して、活性化処理後の
試料では、低周波の抵抗値(図中A点)は430Ω程度
であり、高周波の抵抗値(図中B点)140Ωを差し引
くと、290Ω程度が白金電極と固体電解質界面との抵
抗値と推定される。
【0084】また測定条件800℃での測定結果(図1
2,図13)を比較すると、未処理の試料では、低周波
の抵抗値(図中A点)0は170Ω程度、高周波の抵抗
値(図中B点)は40Ω程度であるから、略130Ωが
白金電極と固体電解質界面との抵抗値と推定される。こ
れに対して、活性化処理後の試料では、低周波の抵抗値
は65Ω程度であり、高周波の抵抗値40Ωを差し引く
と、25Ω程度が白金電極と固体電解質界面との抵抗値
と推定される。
【0085】つまり、いずれの温度においても、白金電
極と固体電解質界面との抵抗成分が活性化処理により極
端に小さくなっており、上記活性化処理により、センサ
素子の内部抵抗を低減できることがわかる。以上、図5
に示した試料を大気中で活性化処理することにより、大
気中にて活性化処理を行うに当たっては、温度範囲を、
500℃〜800℃,好ましくは550℃〜750℃と
し、処理電圧の下限値を0.4V,好ましくは0.6V
とし、処理電圧の周波数を0.5Hz以下,好ましくは
0.2Hz以下とし、処理電圧の印加サイクルを、1サ
イクル以上,好ましくは3サイクル以上にすればよいこ
とが判った。なお、処理電圧の周波数は0.5Hz以下
であればよいが、その周期を余り長くすると活性化処理
の効果が低下する傾向があるので、処理電圧の周波数
は、上記実験の最小値である0.0083Hz以上にす
ることが好ましい。
【0086】次に、上記実験は、図5に示した両電極が
開放された試料を用いて大気中で行ったが、図1に示し
た空燃比センサにおいては、各センサセル3,5の一方
の電極が外界雰囲気との間で拡散制限された拡散室15
に面して設けられており、また内燃機関の排気管への装
着後、内燃機関の運転中にも実行される。
【0087】そこで、図1に示した空燃比センサにおい
て、大気中、及び内燃機関のリッチ運転排気相当雰囲気
でも活性化処理の効果が得られるのを確認するために、
以下の実験を行った。まず、大気中で、処理電圧±1.
5V,周波数0.0083Hzの交番電圧を、各センサ
セル3,5に6分間印加すると共に、ヒータ7の通電制
御によってポンプセル3の温度を順次変更することによ
り、大気中での処理温度と活性化処理の効果との関係を
測定した。また、空燃比12.0の燃料混合気にて内燃
機関を運転した際の排気相当雰囲気(C38+N2+C
O+CO2+H2+H2O)で、処理電圧±0.9V,周
波数0.0083Hzの交番電圧を、各センサセル3,
5に6分間印加すると共に、ヒータ7の通電制御によっ
てポンプセル3の温度を順次変更することにより、リッ
チ雰囲気中での処理温度と活性化処理の効果との関係を
測定した。この測定結果を、[表1]に示す。なお、こ
の測定結果はポンプセル3における値である。
【0088】
【表1】
【0089】次に、各センサセル3,5の温度を700
℃、処理電圧の周波数,印加時間は上記実験と同様にし
て、処理電圧を順次変更することにより、大気中及び上
記排気相当雰囲気中での処理電圧と活性化処理の効果と
の関係を夫々測定した。この測定結果を、[表2]に示
す。なお、この測定結果は[表1]と同様、ポンプセル
3における値である。
【0090】
【表2】
【0091】上記[表1],[表2]から明らかなよう
に、上記実験の結果、 (1) リッチ雰囲気中での活性化処理では、センサセ
ル3,5の内部抵抗を低下させる所期の効果は得られる
ものの、大気中での活性化処理に比べて、ポンプセル3
の内部抵抗の変化率が小さく、活性化処理の効果は小さ
い。
【0092】(2) 大気中では、図5に示した試料に
よる測定結果と略同様の温度範囲で活性化処理による効
果が得られるのに対し、リッチ雰囲気中では良好な効果
が得られる処理温度範囲が狭くなる。ことが判った。
【0093】以上、本発明の一実施例として、ジルコニ
アが大気中でブラックニングに至る際の限界起電力を測
定用素子30を用いて測定し、その測定値に基づき、大
気中で活性化処理を行う際の処理電圧を設定し、更に、
その大気中での限界起電力に基づき限界酸素濃度を求
め、リッチ雰囲気中での限界起電力を算出し、この算出
結果に基づき内燃機関の運転中に活性化処理を行う際の
処理電圧を設定することにより、大気中でもまた内燃機
関の運転中でも、各センサセル3,5にブラックニング
を発生させることなく、各センサセル3,5の内部抵抗
を低下させることのできる、空燃比センサの活性化処理
方法について説明したが、上記処理電圧は、必ずしも測
定用素子30を用いて設定する必要はなく、例えば図5
に示した試料を用いて、活性化処理を行う場合と同じ雰
囲気中で、試料の両端電極に所定の直流電圧を、例えば
3時間印加することにより、ジルコニアにブラックニン
グが発生しない限界の電圧を測定し、その測定した電圧
値以下の電圧を処理電圧として設定するようにしても、
各センサセル3,5にブラックニングを発生させること
なく、活性化処理を実行できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の空燃比センサの概略構成を表す断面図
である。
【図2】ブラックニングの発生限界となる限界起電力を
求めるために使用される測定用素子の概略構成を表わす
断面図である。
【図3】図1の空燃比センサに本発明の活性化処理を施
した際の効果の一例を表す線図である。
【図4】図1の空燃比センサに活性化処理を施した際の
処理電圧波形を表す説明図である。
【図5】活性化処理の実行条件の適正範囲を設定する実
験に使用した試料を表す斜視図である。
【図6】活性化処理温度の適正範囲を設定するための測
定結果を表す線図である。
【図7】処理電圧の適正範囲を設定するための測定結果
を表す線図である。
【図8】処理電圧の周波数の適正範囲を設定するための
測定結果を表す線図である。
【図9】活性化処理時間の適正範囲を設定するための測
定結果を表す線図である。
【図10】活性化未処理の試料の650℃でのコールコ
ールプロット図である。
【図11】活性化処理後の試料の650℃でのコールコ
ールプロット図である。
【図12】活性化未処理の試料の800℃でのコールコ
ールプロット図である。
【図13】活性化処理後の試料の800℃でのコールコ
ールプロット図である。
【符号の説明】 1…ヒータ板 2…スペーサ 3…ポンプセル
4…スペーサ 5…起電力セル 6…遮蔽体板 11,12,1
3,14…電極 15…拡散室 16…ガス拡散制限部 17…内部
基準酸素室 18…漏出抵抗部 30…測定用セル
【手続補正書】
【提出日】平成6年4月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項6
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項9
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】すなわち、まず、従来のように、限界電流
の1〜5倍の交番電流を流してセンサ素子に活性化処理
を施した場合、その活性化処理中に、ジルコニア−電極
界面での酸素濃度が極めて低くなるため、ジルコニア表
面にてZrO2 →Zr+O2の反応が起こり、その表面
部分の構造組織が破壊(亀裂発生:従って電極を構成す
る金属粒子の表面も微細化される)して黒色に脆化す
る、ブラックニングが発生してしまう。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】一方、請求項6に記載の発明は、上記請求
項1に記載のジルコニア酸素センサの活性化処理方法に
おいて、上記活性化処理を行う条件下で、ジルコニア酸
素センサのセンサ素子に直流電圧を充分な時間印加し
て、該センサ素子の電極−固体電解質界面での酸素分圧
値が上記固体電解質がブラックニングを生じる限界酸素
分圧値となる限界電圧値を求め、活性化処理の際に上記
センサ素子の電極間に交番に印加する電圧値を該限界電
圧値より小さい値に設定することを特徴としている。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】また更に、請求項9に記載の発明は、上記
請求項1乃至請求項8いずれか記載のジルコニア酸素セ
ンサの活性化処理方法において、上記ジルコニア酸素セ
ンサは自動車内燃機関の空燃比制御のために該内燃機関
の排気系に装着されており、上記活性化処理を、上記ジ
ルコニア酸素センサの作動中或は作動前後に、定期的又
は必要に応じて繰り返し行なうことを特徴としている。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】しかし、この測定した限界起電力EMF
は、上記(1) 式のように記述でき、従って既知酸素濃度
の雰囲気中で測定すれば、その既知酸素濃度を用いて
塞されていない正極側電極の三相界面での酸素分圧PO1
を正しく与えることができるため、その酸素分圧値PO1
と、測定した限界起電力EMFとを上記(1) 式に代入す
れば、上記(1) 式からジルコニアにブラックニングが発
生する限界酸素分圧PO2を求めることができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】そこで、請求項3に記載のジルコニア酸素
センサの活性化処理方法においては、上記のように測定
用素子を用いて測定した既知酸素分圧の雰囲気下での限
界起電力値と、その測定時の該酸素分圧値とから、陰極
側電極における限界酸素分圧値を算出しておき、この算
出した限界酸素分圧値に基づき、いちいち上記の測定用
素子を用いて限界起電力値を求めることなく、センサ素
子の電極間に交番に印加する処理電圧を設定するように
している。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】のように、限界起電力EMFの測定値か
ら限界酸素分圧値を求めた場合、上記(3) 式を満足する
ように処理電圧を設定するには、一旦、限界酸素分圧値
から活性化処理を行う周囲雰囲気中での限界起電力EM
Fを求める必要がある。そこで、請求項4に記載のジル
コニア酸素センサの活性化処理方法においては、上記の
ように請求項3に記載の方法を実現するに当たって、活
性化処理を行う際のセンサ素子の外界雰囲気が、大気又
は空気過剰率λ>1の燃料混合気を燃焼させて得られる
酸素を含んだ燃焼ガス雰囲気(所謂リーン雰囲気)であ
るときには、外界雰囲気又は外界雰囲気より酸素濃度の
低い雰囲気での熱力学的平衡状態下の酸素分圧値を算出
し、この算出した酸素分圧値と、上記のように求めた限
界酸素分圧値とに基づき、上記(1) 式(つまりネルンス
トの式)を用いて、活性化処理を行うリーン雰囲気での
限界起電力を算出し、その算出した限界起電力値に基づ
き、センサ素子の電極間に交番に印加する電圧値を設定
するようにしている。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】また、請求項5に記載のジルコニア酸素セ
ンサの活性化処理方法においては、上記活性化処理を行
う際の上記センサ素子の外界雰囲気が、空気過剰率λ≦
1の燃料混合気を燃焼させて得られる酸素化合物を含ん
だ燃焼ガス雰囲気(リッチ雰囲気)であるときには、外
界雰囲気又は外界雰囲気より酸素化合物濃度の低い雰囲
(すなわち、よりリッチな雰囲気)での熱力学的平衡
状態下の酸素分圧値を算出し、その算出した酸素分圧値
と、上記のように求めた限界酸素分圧値とに基づき、上
記(1) 式(つまりネルンストの式)を用いて、活性化処
理を行うリッチ雰囲気での限界起電力値を算出し、その
算出した限界起電力値に基づき、センサ素子の電極間に
交番に印加する電圧値を設定するようにしている。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】従って、請求項4及び請求項5に記載の発
明によれば、請求項3に記載の発明により求めたセンサ
素子の限界酸素分圧値を用いて、活性化処理を行う外界
雰囲気に対応した処理電圧を簡便に設定することができ
るようになる。また次に、上記請求項2〜請求項5に記
載の発明では、ジルコニアがブラックニングに至る際の
限界起電力を測定用素子を用いて測定し、その測定値に
基づき処理電圧を設定するようにしているが、ジルコニ
アにブラックニングを発生させない処理電圧は、実際の
ジルコニア酸素センサのセンサ素子に直流電圧を印加す
ることにより測定することも可能である。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】つまり、活性化処理のためにセンサ素子に
交番電流を流した場合、各電極への印加電圧が周期的に
正・負に変化するため、活性化処理中にジルコニアにブ
ラックニングが生じていても、そのブラックニングが活
性化処理後も残る程度に促進されず、活性化処理後、活
性化処理中に発生したブラックニングが消滅してしまう
のであるが、活性化処理中にブラックニングを発生させ
ないためには、その処理電圧に、センサ素子に一方向に
電圧を充分な時間印加してもジルコニアにブラックニン
グが発生しない電圧値を設定すればよい。そして、この
電圧値は、センサ素子に直流電圧を充分な時間印加し
て、ブラックニングが発生する限界の電圧値を測定する
ことにより、求めることができる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】そこで、請求項6に記載のジルコニア酸素
センサの活性化処理方法においては、活性化処理を行う
条件下で、実際のジルコニア酸素センサのセンサ素子に
直流電圧を印加することにより、センサ素子の電極−固
体電解質界面での酸素分圧値が、ジルコニアがブラック
ニングを生じる限界酸素分圧値となる限界電圧値を求
め、この限界電圧値より小さい値を、活性化処理のため
にセンサ素子の電極間に交番に印加する処理電圧として
設定するようにしている。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】従って、本発明においても、センサ素子に
ブラックニングを発生させることなく、しかも内部抵抗
低下のための活性化処理を行うことができ、ジルコニア
酸素センサの耐久性を向上することができる。また次
に、請求項1〜請求項6に記載のように、センサ素子の
電極間に所定の電圧を交番に印加して、センサ素子の内
部抵抗を低下させる場合、処理電圧が低すぎると良好な
処理効果を得ることができないため、処理電圧は請求項
7に記載のように、0.4V以上に設定することが好ま
しい。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】しかし、ジルコニア酸素センサは、長時間
使用することで、再び内部抵抗が上昇する傾向がある。
この傾向は、比較的低温で長時間にわたって、酸化雰囲
気に曝された電極側から酸素イオンを取り込む方向に電
圧を印加して使用することにより、特に顕著になる。こ
の原因は、ガス吸着或は分極化(歪)と考えられ、例え
ば、ジルコニア酸素センサを、自動車内燃機関の空燃比
を理論空燃比等の所望空燃比に制御するための空燃比セ
ンサとして使用した場合には、内部抵抗の上昇に伴い制
御中心がずれ、大きな問題となる。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正内容】
【0060】このように、自動車内燃機関の排気系に装
着された空燃比センサを、充分長い時間の停車後の始動
前か、燃料カットエンジンブレーキ時とかの大気又は大
気相当雰囲気中で活性化処理を行う場合の処理電圧は、
上記測定用セル30を用いた上記限界電圧の測定結果に
より設定できるが、内燃機関の運転中に活性化処理を行
おうとすると、上記各センサセル3,5は、内燃機関の
排気に曝されているため、上記大気中での処理電圧をそ
のまま使用することができない。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正内容】
【0061】燃機関の通常運転中の排気は、内燃機関
を空気過剰率λ>1の燃料混合気にて運転した際に排出
される酸素を含んだ状態(リーン雰囲気)から、内燃機
関を空気過剰率λ≦1の燃料混合気にて運転した際に排
出される酸素を殆ど含まない状態(リッチ雰囲気)ま
で、内燃機関の運転状態に応じて大きく変化するため、
内燃機関の運転中に活性化処理を行う場合には、各セン
サセル3,5にブラックニングが最も発生し易いリッチ
雰囲気中で行なう場合であっても、各センサセル3,5
にブラックニングが発生しないように、しかも効果的に
活性化処理が行われるように、処理電圧を設定する必要
がある。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0067
【補正方法】変更
【補正内容】
【0067】従って、リッチ雰囲気中で各センサセル
3,5を活性化処理する場合の処理電圧(交番電圧)
は、上記(3) 式から、Vp≦0.7+Ip×Ri[V]
の条件を満足するように設定すればよい。本実施例で
は、内燃機関の排気系に設けられた空燃比センサを内燃
機関のλ≦1の条件下での運転中に活性化処理するに当
たって使用する処理電圧を、0.9Vに設定した。なお
一方、空気過剰率λ=0.8,温度727℃で、前記測
定用素子を用いて直接限界起電力EMFを測定した結果
は0.9〜1.1Vであった。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0068
【補正方法】変更
【補正内容】
【0068】次に上記のように設定した処理電圧をセン
サセルに交番に印加して活性化処理した場合の効果、及
び活性化処理を行うに当たって好適な処理条件を、各種
実験により測定した。以下、この実験について説明す
る。まず、図1に示した空燃比センサ2個を内燃機関の
排気管に取付け、長時間動作させて、各空燃比センサの
起電力セル5の内部抵抗を上昇させた後、大気中で活性
化処理を行った結果、図3(a),(b)に示す如く、
起電力セル5の内部抵抗を減少させることができた。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0072
【補正方法】変更
【補正内容】
【0072】次に、こうした活性化処理の実行条件であ
る温度や処理電圧等の適正範囲を設定するために、厚さ
0.5mmの部分安定化ジルコニアのグリーンシートの
両面に白金電極をスクリーン印刷したものを、大気中で
1525℃で1時間の焼成を行なうことによって、上記
各センサセル3,5とは同一材質,同一製法の、図5に
示すような試料を多数作製し、各試料に種々の条件で活
性化処理を施し、その結果を調べた。以下、この結果に
ついて説明する。なお、試料の電極部21の大きさは2
mm×4mmである。
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0081
【補正方法】変更
【補正内容】
【0081】次に、活性化処理を施した試料と未処理の
試料とのインピーダンスを周知の複素インピーダンス測
定法にて測定した複素インピーダンス図(周波数による
複素インピーダンスの変化模様図)を図10〜図13に
示す。なお、図10は未処理の試料を650℃で、図1
1は活性化処理後の試料を650℃で、図12は未処理
の試料を800℃で、図13は活性化処理後の試料を8
00℃で、各々測定した複素インピーダンス図である。
【手続補正21】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0086
【補正方法】変更
【補正内容】
【0086】次に、上記実験は、図5に示した両電極が
開放された試料を用いて大気中で行ったが、図1に示し
た空燃比センサにおいては、各センサセル3,5の一方
の電極が外界雰囲気との間で拡散制限された拡散室15
又は内部基準酸素室17に面して設けられており、また
内燃機関の排気管への装着後、内燃機関の運転中にも実
行される。
【手続補正22】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0088
【補正方法】変更
【補正内容】
【0088】
【表1】
【手続補正23】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0089
【補正方法】変更
【補正内容】
【0089】次に、各センサセル3,5の温度を700
℃、処理電圧の周波数,印加時間は上記実験と同様にし
て、処理電圧を順次変更することにより、大気中及び上
記排気相当雰囲気中での処理電圧と活性化処理の効果と
の関係を夫々測定した。この測定結果を、[表2]に示
す。
【手続補正24】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0090
【補正方法】変更
【補正内容】
【0090】
【表2】
【手続補正25】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0093
【補正方法】変更
【補正内容】
【0093】以上、本発明の一実施例として、ジルコニ
アが大気中でブラックニングに至る際の限界起電力を測
定用素子30を用いて測定し、その測定値に基づき、大
気中で活性化処理を行う際の処理電圧を設定し、更に、
その大気中での限界起電力に基づき限界酸素濃度を求
め、次いでリッチ雰囲気中での限界起電力を適宜に算出
し、この算出結果に基づき内燃機関の運転中に活性化処
理を行う際の処理電圧を設定することにより、大気中で
もまた内燃機関の運転中でも、各センサセル3,5にブ
ラックニングを発生させることなく、各センサセル3,
5の内部抵抗を低下させることのできる、空燃比センサ
の活性化処理方法について説明したが、上記処理電圧
は、必ずしも測定用素子30を用いて設定する必要はな
く、例えば図1に示した、空燃比センサをそのままを用
いて、活性化処理を行う場合と同じ雰囲気中で、試料の
両端電極に所定の直流電圧を、例えば3時間印加するこ
とにより、ジルコニアにブラックニングが発生しない限
界の電圧を測定し、その測定した電圧値以下の電圧を処
理電圧として設定するようにしても、各センサセル3,
5にブラックニングを発生させることのない、活性化処
の実行は可能である。
【手続補正26】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正内容】
【図10】活性化未処理の試料の650℃での複素イン
ピーダンス図である。
【手続補正27】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図11
【補正方法】変更
【補正内容】
【図11】活性化処理後の試料の650℃での複素イン
ピーダンス図である。
【手続補正28】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図12
【補正方法】変更
【補正内容】
【図12】活性化未処理の試料の800℃での複素イン
ピーダンス図である。
【手続補正29】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図13
【補正方法】変更
【補正内容】
【図13】活性化処理後の試料の800℃での複素イン
ピーダンス図である。
【手続補正30】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【手続補正31】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジルコニアからなる板状の酸素イオン伝
    導性固体電解質の両面に少なくとも一対の多孔質電極を
    形成してなるセンサ素子を備えたジルコニア酸素センサ
    の活性化処理方法であって、 温度500℃〜800℃の条件下で、上記センサ素子の
    電極−固体電解質界面での酸素分圧値が上記固体電解質
    がブラックニングを生じる限界酸素分圧値よりも大きい
    酸素分圧値となる大きさの所定電圧を、上記電極間に交
    番に印加することを特徴とするジルコニア酸素センサの
    活性化処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のジルコニア酸素センサ
    の活性化処理方法において、 上記活性化処理を行うセンサ素子と同じジルコニアから
    なる板状の酸素イオン伝導性固体電解質の両面に一対の
    多孔質電極を形成し、更に該一対の電極の一方を外界雰
    囲気に対して略気密的に閉塞してなる測定用素子を用い
    て、所定の雰囲気下で該測定用素子の一対の電極間に上
    記閉塞側電極を陰極として直流電圧を充分な時間印加す
    ることにより上記センサ素子の所定雰囲気下での限界起
    電力値を測定し、該測定した限界起電力値に基づき、上
    記センサ素子の電極間に交番に印加する電圧値を設定す
    ることを特徴とするジルコニア酸素センサの活性化処理
    方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のジルコニア酸素センサ
    の活性化処理方法において、 上記測定用素子を用いて測定した所定雰囲気下での限界
    起電力値と、該測定した所定の周囲雰囲気の酸素分圧値
    とから、上記陰極側電極における限界酸素分圧値を算出
    し、該算出した限界酸素分圧値に基づき、上記センサ素
    子の電極間に交番に印加する電圧値を設定することを特
    徴とするジルコニア酸素センサの活性化処理方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のジルコニア酸素センサ
    の活性化処理方法において、 上記活性化処理を行う際の上記センサ素子の外界雰囲気
    が、大気又は空気過剰率λ>1の燃料混合気を燃焼させ
    て得られる酸素を含んだ燃焼ガス雰囲気であるとき、 上記外界雰囲気又は外界雰囲気より酸素濃度の低い雰囲
    気での熱力学的平衡状態下の酸素分圧値を算出すると共
    に、該算出した酸素分圧値と上記算出した限界酸素分圧
    値とに基づきネルンストの式を用いて限界起電力値を算
    出し、該算出した限界起電力値に基づき、上記センサ素
    子の電極間に交番に印加する電圧値を設定することを特
    徴とするジルコニア酸素センサの活性化処理方法。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載のジルコニア酸素センサ
    の活性化処理方法において、 上記活性化処理を行う際の上記センサ素子の外界雰囲気
    が、空気過剰率λ≦1の燃料混合気を燃焼させて得られ
    る酸素化合物を含んだ燃焼ガス雰囲気であるとき、 上記外界雰囲気又は外界雰囲気より酸素化合物濃度の低
    い雰囲気での熱力学的平衡状態下の酸素分圧値を算出す
    ると共に、該算出した酸素分圧値と上記算出した限界酸
    素分圧値とに基づきネルンストの式を用いて限界起電力
    値を算出し、該算出した限界起電力値に基づき、上記セ
    ンサ素子の電極間に交番に印加する電圧値を設定するこ
    とを特徴とするジルコニア酸素センサの活性化処理方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載のジルコニア酸素センサ
    の活性化処理方法において、上記活性化処理を行う条件
    下で、予め作製した測定用のセンサ素子に直流電圧を充
    分な時間印加して、該センサ素子の電極−固体電解質界
    面での酸素分圧値が上記固体電解質がブラックニングを
    生じる限界酸素分圧値となる限界電圧値を求め、活性化
    処理の際に上記センサ素子の電極間に交番に印加する電
    圧値を該限界電圧値より小さい値に設定することを特徴
    とするジルコニア酸素センサの活性化処理方法。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項6いずれか記載のジ
    ルコニア酸素センサの活性化処理方法において、上記セ
    ンサ素子の電極間に交番に印加する電圧が0.4V以上
    であることを特徴とするジルコニア酸素センサの活性化
    処理方法。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項7いずれか記載のジ
    ルコニア酸素センサの活性化処理方法において、上記セ
    ンサ素子の電極間への上記所定電圧の印加周波数が0.
    5Hz以下であることを特徴とするジルコニア酸素セン
    サの活性化処理方法。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至請求項8いずれか記載のジ
    ルコニア酸素センサの活性化処理方法において、上記活
    性化処理を、上記ジルコニア酸素センサの作動中或は作
    動前後に、定期的又は必要に応じて行なうことを特徴と
    するジルコニア酸素センサの活性化処理方法。
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