JPH0626518U - バックル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 プラグおよびソケットが相対的に回転するバ
ックルにおいて、長期に亘ってプラグとソケットの円滑
な連結操作および分離操作を保証し得るバックルを提供
することにある。 【構成】 ソケット７に対し回転中心となる係止部材４
をプラグ１の挿入部３に形成した表面側に開口する窓部
３５に嵌入しバネ部材５により表面側に付勢するよう構
成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、プラグとソケットとから成るバックルの改良、詳しくは、プラグお よびソケットが相対的に回転するバックルに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

プラグおよびソケットが相対的に回転するバックルとしては、従来、実公昭63 −20334 号のものが周知である。このバックルは、プラグの挿入部に挿入方向と 反対方向へ表面側に向け斜めに延出する大略Ｃ字状の係止舌片を一体に形成し、 他方、ソケットの収納部を構成する上板にプラグの係止舌片が嵌入係止する円形 状の係止穴を開設している。かゝる構成のバックルは、プラグとソケットを連結 する場合、プラグの挿入部をソケットの収納部に挿入すると、プラグの係止舌片 がソケットの収納部の先端裏面を潜り係止穴内で元の状態に弾性復帰してソケッ トの係止穴に嵌入係止し、よって、プラグとソケットが一体的に連結される。こ の状態においてプラグおよびソケットは、プラグの係止舌片を軸として相対的に 一定の角度回転するようになっている。逆に、プラグとソケットの連結を解く場 合、ソケットの係止穴に嵌入係止しているプラグの係止舌片を押圧し、その状態 にプラグを挿入方向と反対方向へ引くと、プラグの係止舌片がソケットの収納部 の先端裏面を潜りプラグの挿入部がソケットの収納部から抜け出て、プラグとソ ケットを分離できるようになっている。

【０００３】 しかしながら、上記バックルにおいては、プラグの挿入部に係止舌片を一体に 形成し、この係止舌片をソケットの係止穴で弾性復帰させてプラグとソケットを 連結し、逆に、同係止舌片を押圧してプラグとソケットを分離するようになって いるため、長期間使用しているうちに、プラグの挿入部と係止舌片の間の連設部 の弾性が低下し、最悪の場合、プラグの係止舌片がその連設部から折れてしまう 可能性があった。そこで、プラグの係止舌片の折損を防止するため、係止舌片の 連設部を肉厚に形成することも考えられるけれども、プラグの係止舌片の連設部 を肉厚に形成すると、係止舌片が容易に弾性変形しなくなることから、プラグの 挿入部をソケットの収納部に挿入し難くなって、プラグとソケットの連結操作に 支障を来す上、プラグとソケットを分離する際にも係止舌片を強い力で押圧しな くてはならなくなって、非常に扱い難いものとなってしまうという新たな問題が 生ずる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上記バックルに上述したような事情があったことに鑑みて為された ものであって、ソケットに対し回転中心となるプラグの係止部材をバネ部材によ り上方側に付勢することにより、長期に亘ってプラグとソケットの円滑な連結操 作および分離操作を保証し得、しかもプラグの挿入部に係止部材を簡単に、かつ 容易に組み付けることのできるバックルを提供することを技術的課題とするもの である。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案が上記技術的課題を解決するために採用した手段を、添附図面に基づい て説明すれば、次のとおりである。 即ち、本考案によれば、挿入部３を先端に有し当該挿入部３に先端側に開口す る空間部３４と表面側に開口して当該空間部３４と連通する小径の窓部３５とを 形成し、前記窓部３５に嵌入され空間部３４内で窓部３５の外周縁部に係止する 係止片４２および下方開口の係止凹部４３を形成した円板状の係止部材４を、前 記空間部３４内に配置したバネ部材５により表面側に付勢すると共に、前記空間 部３４の開口側で挿入部３に固定されたストッパ部材６を係止部材４の係止凹部 ４３に係止したプラグ１と、前記プラグ１の挿入部３を収納する箱形の収納部９ を先端に有し、前記収納部９の表面側の平板９１にプラグ３の係止部材４が回転 自在に嵌入係止する円形状の係止穴９３を開設したソケット７とでバックルを構 成し、更に、前記プラグ１の窓部３５の内周面に、前記係止部材４の係止片４２ と略同一形状の導入溝３５ａを形成するという手段を採用することによって、上 述の技術的課題を解決したのである。

【０００６】

【作用】

かゝる構成のバックルは、プラグ１の挿入部３をソケット７の収納部９に挿入 すると、プラグ１の係止部材４が挿入部３の窓部３５内に没入してソケット７の 収納部９の先端裏面を潜り、ソケット７の係止穴９３内で係止部材４がバネ部材 ５の付勢力により浮上して当該係止穴９３に嵌入係止し、よって、プラグ１とソ ケット７が一体的に連結される。この状態においてプラグ１およびソケット７は 、プラグ１の係止部材４を軸として相対的に回転する。逆に、プラグ１とソケッ ト７の連結を解く場合、ソケット７の係止穴９３に嵌入係止しているプラグ１の 係止部材４を押圧して挿入部３の窓部３５内に没入せしめ、その状態にプラグ１ を挿入方向と反対方向へ引くと、プラグ１の係止部材４がソケット７の収納部９ の先端裏面を潜り、プラグ１の挿入部３がソケット７の収納部９から抜け出て、 プラグ１とソケット７が分離する。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案を添附図面に示す実施例に基づいて、更に詳しく説明する。 図１において符号１にて指示するものは本考案に係るバックルのプラグである 。プラグ１は、ベルト連結部２の先端側に後述するソケット７の収納部９に収納 される挿入部３を有し、この挿入部３には、ソケット７に対し回転中心となる係 止部材４と、この係止部材４を挿入部３の表面側に付勢するバネ部材である捩り コイルバネ５と、前記係止部材４を回転しないよう保持するストッパ部材６とが 装着される。

【０００８】 プラグ１のベルト連結部２は、図１乃至図３に示すように、ベルトＶ１の幅方 向で対向する左右一対の側板２１，２１と、これら側板２１に平行に掛け渡され た２本のベルト係止杆２２，２３とから成っている。そして、前記ベルト連結部 ２には、プラグ１の裏面側よりベルトＶ１の自由端を内側のベルト係止杆２２に 巻き付け両ベルト係止杆２２，２３の間の空隙部２４に挿通した後に、その自由 端を他方のベルト係止杆２３の裏面側からベルトＶ１側に引き出すことによって 、ベルトＶ１の自由端が連結される（図３参照）。なお、上記ベルト連結部２に あっては、両側板２１，２１に１本のベルト係止杆２３を掛け渡し当該ベルト係 止杆２３にベルトＶ１の自由端を巻き付けてベルトＶ１に縫着してもよい。

【０００９】 プラグ１の挿入部３は、ソケット７の収納部９に挿入可能な肉厚に形成されて いる。前記挿入部３は、図２および図３に示すように、ベルト連結部２側の基部 ３１をベルト連結部２と同一幅に形成し、先端部側を基部３１の幅寸法よりも僅 かに小さい直径の半円形部３２に形成して、基部３１の先端側の両角部３１ａ， ３１ａをプラグ１とソケット７の相対的な回転角度を規制するための規制面とし ている。前記基部３１には、その角部３１ａよりもベルト連結部２寄りの位置に 表裏方向に突出する段部３３が形成してある。この段部３３は、基部３１の全幅 に渡って形成され、その表裏面間の高さはソケット７の収納部９の表裏面間の高 さと同一になっている。そして、前記段部３３は、半円形部３２側の先端面をベ ルト連結部２側に窪みソケット７の収納部９の先端形状よりも僅かに大きい形状 の弧状面３３ａとすることによって、プラグ１およびソケット７の相対的な回転 を可能にしている。また、前記挿入部３には、先端側に開口する平面略Ｕ字形の 空間部３４と表面側に開口し当該空間部３４と連通する窓部３５が形成してある 。前記窓部３５は、半円形部３２の中心と同一位置にその中心を有し空間部３４ の幅寸法よりも小さい径の円形状に形成されて、空間部３４内の外周縁部に後述 する係止部材４の係止片４２を係止できるようになっている。そして、前記窓部 ３５の内周面には、係止部材４の係止片４２を空間部３４内に導入するための幅 狭の導入溝３５ａが一定間隔をおいて数箇所（本実施例では４箇所）形成されて いる。前記半円形部３２には、空間部３４内の上面に後述するストッパ部材６の 係止突部６２を窓部３５まで案内するためのガイド溝３２ａが形成されている。 このガイド溝３２ａは、半円形部３２の先端中央から窓部３５の中心に向けて延 びている。一方、前記半円形部３２の空間部内の底面には、その略中央にストッ パ部材６を固定するための係止孔３２ｂが表裏方向に貫通して形成されている。

【００１０】 係止部材４は、図１に示すように、プラグ１の挿入部３に開設した窓部３５の 内径と略同一の外径を有する円板状に形成され、その肉厚を挿入部３に形成した 段部３３の表面から空間部３４内の上面までの間の寸法と略同一としている。前 記係止部材４は、図４および図５に示すように、その表面４１を中央が上方側に 膨出する弧状面に形成して、ソケット７の収納部９にプラグ１の挿入部３を容易 に挿入できるようにしてある。前記係止部材４の外周面には、その下端に窓部３ ５の導入溝３５ａの数と同数の係止片４２が形成してある。この係止片４２は、 各導入溝３５ａと同一の間隔をおいて係止部材４の外周面に配設され、導入溝３ ５ａと略同一形状に形成されて外方側に突出している。また、前記係止部材４の 外周面には、その下端に係止部材４の内側に向けて延びる下方開口の係止凹部４ ３が係止片４２の数と同数形成してある。この係止凹部４３は、係止片４２と接 近した位置に配設され、当該係止片４２よりも幅広に形成されて後述するストッ パ部材６の係止突部６２が係止するようになっている。なお、係止凹部４３は、 少なくとも１箇所形成すればよいが、本実施例のように対称に４箇所形成するこ とにより、ストッパ部材６との係止操作が容易に行えるようになる。前記係止部 材４の裏面には、その中央に下方開口の円形凹部４４が形成され、この円形凹部 ４４内に捩りコイルバネ５の上部を収納することによって、プラグ１の挿入部３ の空間部３２で捩りコイルバネ５を安定した状態に保持するようになっている。 なお、捩りコイルバネ５を安定した状態に保持するため、プラグ１の挿入部３の 半円形部３２に捩りコイルバネ５の内径または外径と略同一の突出部を形成して もよい。

【００１１】 ストッパ部材６は、図１に示すように、プラグ１の挿入部３に形成した空間部 ３４に開口側より挿入されて半円形部３２の先端部に配置される。前記ストッパ 部材６は、挿入部３の半円形部３２に固定されるストッパ本体６１と当該ストッ パ本体６１より挿入部３の窓部３５側に突出して係止部材４の係止凹部４２に係 止する係止突部６２とから成っている（図６および図７参照）。前記ストッパ本 体６１は、平面略蒲鉾形に形成されて挿入部３の窓部３５と半円形部３２の間で 空間部３４に嵌合するようになっている。前記ストッパ本体６１には、その表面 中央に挿入部３の係止孔３２ｂに係止する係止舌片６３が形成してある。この係 止舌片６３は、ストッパ本体６１の表裏方向に貫通するコ字形のスリット６１ａ により作製され、先端裏面に設けた突起６３ａが挿入部３の係止孔３２ｂに係止 するようになっている。前記係止突部６２は、ストッパ本体６１の幅方向中央に 配置され、表面先端に形成した突起６２ａと共に係止部材４の係止凹部４３に係 止するようになっている。

【００１２】 図１において符号７にて指示するものは本考案に係るバックルのソケットであ る。ソケット７は、図８および図９に示すように、ベルト連結部８の先端側にプ ラグ１の挿入部３を収納する収納部９を有する。前記ベルト連結部８は、ベルト Ｖ２の幅方向で対向する左右一対の側板８１，８１と、これら側板８１に掛け渡 されたベルト係止杆８２とから成っていて、ソケット７の表面側よりベルトＶ２ の自由端をベルト係止杆８２に巻き付けた後に、その自由端をベルトＶ２の裏面 に縫着して、ベルトＶ２を連結するようになっている（図９参照）。

【００１３】 ソケット７の収納部９は、ベルト連結部８の上下端に配置した一対の平板９１ ，９１と、これら平板９１の左右両側に配置した一対の側板９２，９２とから成 って箱形に形成され、先端側の開口よりプラグ１の挿入部３を挿入できるように なっている。前記収納部９の両平板９１は、その先端が挿入部３の段部３３に形 成した弧面３３ａと当たらないような大きさの半円形に形成されている。前記収 納部９の両側板９２は、平板９１の先端側に向け当該平板９１の略中央付近まで 延びていて、その先端部９２ａにプラグ１の挿入部３の角部３１ａがプラグ１の 回転により当接するようになっている。そして、前記収納部９の表面側の平板９ １には、その中央に係止部材４の外径と略同一の内径を有する円形の係止穴９３ が形成されている。

【００１４】 かゝる構成のバックルにおいて、プラグ１の挿入部３に係止部材４を組み付け る場合、図１に示すように、先ず、係止部材４の円形凹部４４の下方に捩りコイ ルバネ５を配置し、係止部材４の係止片４２を窓部３５の導入溝３５ａと対向さ せ、その状態に係止部材４を窓部３５に嵌め込んだ後に、係止部材４を一定角度 回転させて、図１０に示すように、係止部材４の係止凹部４３と挿入部３の空間 部３４内のガイド溝３２ａとを合致させる。この状態において係止部材４は、捩 りコイルバネ５により表面側に付勢され係止片４２が挿入部３の空間部３４内に おいて窓部３５の外周縁部に係止する。次いで、挿入部３の空間部３４の開口側 よりストッパ部材６を挿入して、ストッパ部材６の係止突部６２を係止部材４の 係止凹部４３に係止させる。この状態においてストッパ部材６は、係止舌片６３ の突起６３ａが半円形部３２の係止孔３２ｂに係止して挿入部３に固定される。 しかして、係止部材４は、ストッパ部材６により挿入部３の窓部３５内で回転し なくなる。

【００１５】 このような構成の本実施例バックルは、プラグ１の挿入部３をソケット７の収 納部９に挿入すると、プラグ１の係止部材４が挿入部３の窓部３５内に没入して ソケット１の収納部９の先端裏面を潜り、ソケット７の係止穴９３内で係止部材 ４が捩りコイルバネ５の付勢力により浮上して当該係止穴９３に嵌入係止し、よ って、プラグ１とソケット７が一体的に連結される（図１３参照）。この状態に おいてプラグ１およびソケット７は、図１２に示すように、プラグ１の係止部材 ４を回転軸として、挿入部３の基部３１の角部３１ａと収納部９の側板９２の先 端部９２ａが互いに当接する位置まで左右方向へ相対的に一定角度回転する。逆 に、プラグ１とソケット７の連結を解く場合、ソケット７の係止穴９３に嵌入係 止しているプラグ１の係止部材４を下方に押圧して挿入部３の窓部３５内に没入 せしめ、その状態にプラグ１を挿入方向と反対方向へ引くと、プラグ１の係止部 材４がソケット７の収納部９の先端裏面を潜り、プラグ１の挿入部３がソケット ７の収納部９から抜け出て、プラグ１とソケット７を分離することができる。

【００１６】

【考案の効果】

以上、説明したように、本考案によれば、プラグの挿入部に形成した表面側に 開口する窓部に嵌入した係止部材をバネ部材により表面側に付勢するよう構成し たので、従来のバックルのように、プラグの係止舌片が連設部で折れる虞がなく 、よって、長期に亘ってプラグとソケットの円滑な連結操作および分離操作を保 証できる。また、係止部材の係止凹部に挿入部に固定されたストッパ部材を係止 させているので、係止部材がプラグの挿入部に対し回転することがなく、更に、 挿入部の窓部の内周面に係止部材の係止片と同一形状の導入溝を形成するという 手段を採択した場合、係止部材を挿入部に簡単に、かつ容易に組み付けることが できるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るバックルのプラグとソケットの分
解斜視図である。

【図２】同バックルを構成するプラグの平面図である。

【図３】図２のIII −III 線断面図である。

【図４】プラグの挿入部に装着される係止部材の平面図
である。

【図５】図４のV −V 線断面図である。

【図６】プラグの挿入部に装着されるストッパ部材の平
面図である。

【図７】図６のVII −VII 線断面図である。

【図８】同バックルを構成するソケットの平面図であ
る。

【図９】図８のIX−IX線断面図である。

【図１０】挿入部に係止部材、捩りコイルバネおよびス
トッパ部材を装着した状態を示すプラグの平面図であ
る。

【図１１】図１０のXI−XI線断面図である。

【図１２】プラグとソケットを連結した状態を示すバッ
クルの平面図である。

【図１３】図１３のXIII−XIII線断面図である。

【符号の説明】

１ プラグ ３ 挿入部 ３４ 空間部 ３５ 窓部 ３５ａ 導入溝 ４ 係止部材 ４２ 係止片 ４３ 係止凹部 ５ バネ部材 ６ ストッパ部材 ７ ソケット ９ 収納部 ９１ 平板 ９３ 係止穴

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 挿入部３を先端に有し当該挿入部３に先
   端側に開口する空間部３４と表面側に開口して当該空間
   部３４と連通する小径の窓部３５とを形成し、前記窓部
   ３５に嵌入され空間部３４内で窓部３５の外周縁部に係
   止する係止片４２および下方開口の係止凹部４３を形成
   した円板状の係止部材４を、前記空間部３４内に配置し
   たバネ部材５により表面側に付勢すると共に、前記空間
   部３４の開口側で挿入部３に固定されたストッパ部材６
   を係止部材４の係止凹部４３に係止したプラグ１と、前
   記プラグ１の挿入部３を収納する箱形の収納部９を先端
   に有し、前記収納部９の表面側の平板９１にプラグ３の
   係止部材４が回転自在に嵌入係止する円形状の係止穴９
   ３を開設したソケット７とから成ることを特徴とするバ
   ックル。
2. 【請求項２】 前記プラグ１の窓部３５の内周面に、前
   記係止部材４の係止片４２と略同一形状の導入溝３５ａ
   を形成したことを特徴とする請求項１のバックル。