JPH0626518B2 - 鉄分を強化した嗜好性飲食品の調製法 - Google Patents

鉄分を強化した嗜好性飲食品の調製法

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JPH0626518B2
JPH0626518B2 JP61188241A JP18824186A JPH0626518B2 JP H0626518 B2 JPH0626518 B2 JP H0626518B2 JP 61188241 A JP61188241 A JP 61188241A JP 18824186 A JP18824186 A JP 18824186A JP H0626518 B2 JPH0626518 B2 JP H0626518B2
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実 大岡
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、貧血の予防、治療に利用し得る、鉄分を強化
した嗜好性飲食品の調製法に関する。
従来技術 昭和58年度の厚生省の国民栄養調査によると、我国の
成人女性の約20%が貧血であり、その大部分は鉄分(Fe)
不足に因る栄養性貧血であると推測される。
従来、このような貧血の治療には2価鉄のフマール酸
鉄、硫酸第一鉄、コハク酸鉄などが用いられているが、
これらの鉄剤は一時に大量の Fe を投与することになる
ので Fe が胃粘膜を刺激して、時として胃痛、悪心、嘔
吐等の副作用を伴うことがある。
ところがで、 Fe の体内での吸収率はヘム鉄の場合には
摂取量の25%、非ヘム鉄では 8%と言われ、ヘム鉄の方
が非ヘム鉄に比し吸収率が約3倍と優れている。
このようなことから、貧血の治療には、吸収率が良好で
あり、かつ副作用もないヘム鉄からなるヘム色素を摂取
すればよいわけであるが、ヘム色素を含む生の血液を摂
取することはその色調及び風味上難しく、実用的でな
い。なお、現在、ヘム色素として牛の赤血球から抽出し
たヘモグロビン粉末を錠菓タイプに調製したものが鉄分
強化食品として一部市販されているが、このものの場合
も、ヘモグロビン粉末の色調及びその独特の生ぐさみの
故に上記と同様に摂取しにくいものである。
したがつて、色調及び風味上摂取し易いようにしたヘム
色素で鉄分を強化した飲食品の提供が、貧血の予防及び
治療上望まれる。
発明が解決しようとする課題 本発明は、上述した状況に鑑みなされたものであつて、
胃の粘膜を刺激することなく、鉄の吸収性が良好であつ
て、かつ色調及び風味の点で摂取し易い、鉄分を強化し
た嗜好性飲食品を調製するための方法を提供することを
課題とする。
以下本発明を詳しく説明する。
発明の構成 本発明の特徴は、飲料用原料ミツクス又はデザート用原
料ミツクスを、脱色ヘモグロビン粉末と加水下に混合
し、 pH を 5.5〜7.5 に調製した後、殺菌処理すること
により、鉄分を強化した嗜好性飲食品を調製することに
ある。
課題を解決するための手段 本発明で鉄源として用いる脱色ヘモグロビン粉末は、ヘ
モグロビン粉末又は濃縮した赤血球液の溶液を脱色し、
数度の水洗にて脱臭し、加熱殺菌して乾燥することによ
り得られる。
このようにして得られる脱色ヘモグロビン粉末は、 g当
り 2.5〜35mg の Fe を含んでおり、その鉄分は吸収性
の良好なヘム鉄から成る。
なお、この脱色ヘモグロビン粉末は脱色処理していると
いえども、その溶液は無色透明ではなく、淡い褐色を呈
するので、それを添加することにより鉄分を強化した飲
食品を調製するに当つては、上記褐色にマツチしたフレ
ーバー、例えばテイーフレーバー、リンゴ果汁用のフル
ーツフレーバーを用いた飲料用ミツクス又はこれらのフ
レーバーのほかにブランデイーフレーバーを用いたデザ
ート用ミツクスを原料として用いるとよい。
また、元来、ヘモグロビン粉末の溶液は、 pH 4.6 付近
で凝集沈澱を生じるため、 pH の低い果汁やエキス分を
含むミツクス並びにフレーバーを用いる場合には留意す
る必要がある。
上記凝集沈澱の生成を防止するには、ヘモグロビン粉末
の溶液に、原料ミツクスを少量ずつ添加して最終製品の
pH を 5.5〜7.5 、好ましくは6.8〜7.5 に調整すると
よい。
なお、ヘム鉄は、非ヘム鉄と異なり、リン酸、タンニン
酸等により吸収阻害を受けないので、タンニン酸を含
む、テイーエキスを用いても上記 pHの範囲内であれば
支障がないが、他の食品中に含まれる鉄分の吸収を妨げ
ない観点からタンニン酸を含まない方が望ましい。
本発明に従つて、脱色ヘモグロビン粉末を、成人1日当
りの鉄分必要摂取量である Fe として 1.0〜1.2mg の量
になるように原料ミツクスに添加(ヘム鉄の吸収を添加
量の25%とすると 4.0〜4.8mg となる)して各種飲料並
びにデザート食品を調製することにより、吸収性の良好
なヘム鉄を含有する摂取し易い飲食品を提供することが
できる。
したがつて、このような飲食品の所定量を毎日摂取する
ことにより、鉄分の摂取不足に因る貧血を予防すること
ができるのみならず、その治療効果を高めることが可能
となる。
因に、最近の福島県立医大の内田等の調査によると、我
国女性の50%に何らかの鉄欠乏がみられ、特に女性高校
生では摂取食事による鉄分の吸収を考慮した場合、鉄分
の収支バランスは負に陥る傾向があることから、本発明
による飲食品の毎日摂取が上記鉄欠乏の解消に役立つも
のと言える。
以下に実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例1 鉄分強化飲料の調製: 上記配合により、脱色ヘモグロビン粉末を水に投入して
撹拌下に溶解し、この溶液にテイーフレーバーとレモン
フレーバーを徐々に添加して、pHを 7.0に調製した後加
熱殺菌し、レモンテイー様飲料125mlを得た。
この飲料を摂取することにより、鉄分の吸収率25%とし
て Fe 摂取量は1日の必要摂取量の約1mgとなる。
実施例2 鉄分強化デザートゼリーの調製: 上記配合により、脱色ヘモグロビンを水に投入して撹拌
下に溶解し、この溶液に上記異性化糖と、ヘモグロビン
蛋白と凝集沈澱しないように、限外濾過処理し、さらに
脱酸処理したリンゴ果汁を添加、混合し、次いでカラギ
ーナン、ローカストビーンガム及び第2リン酸カリより
なる安定剤とブランデイーフレーバーを添加し、 pH を
7.0 に調整した後加熱殺菌した。次いで容器に注入し、
冷却してゼリー化し、デザートゼリー100gを得た。
このゼリーを食べることにより、鉄分の吸収率25%とし
て Fe 摂取量は、1日の必須摂取量の約1mgとなる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】飲料用原料ミツクス又はデザート用原料ミ
    ツクスを、脱色ヘモグロビン粉末と加水下に混合し、pH
    を 5.5〜7.5 に調整した後、殺菌処理することを特徴と
    する鉄分強化嗜好性飲食品の調製法。
  2. 【請求項2】 pH を 6.8〜7.5 に調整する特許請求の範
    囲第(1)項記載の調製法。
  3. 【請求項3】脱色ヘモグロビン粉末を嗜好性飲食品中の
    鉄分を 3〜6mg になるように混合する特許請求の範囲第
    (1)項記載の調製法。
JP61188241A 1986-08-11 1986-08-11 鉄分を強化した嗜好性飲食品の調製法 Expired - Lifetime JPH0626518B2 (ja)

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JPS6344868A JPS6344868A (ja) 1988-02-25
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JP2818827B2 (ja) * 1988-06-24 1998-10-30 サンヨーファイン株式会社 鉄補給飲料

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JPS6344868A (ja) 1988-02-25

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