JPH06265148A - 煮こぼれ防止装置 - Google Patents

煮こぼれ防止装置

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JPH06265148A
JPH06265148A JP4359002A JP35900292A JPH06265148A JP H06265148 A JPH06265148 A JP H06265148A JP 4359002 A JP4359002 A JP 4359002A JP 35900292 A JP35900292 A JP 35900292A JP H06265148 A JPH06265148 A JP H06265148A
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Hideki Matsubara
秀樹 松原
Kazutaka Shoda
一貴 正田
Shigeaki Hiramatsu
成章 平松
Koji Nakamura
孝二 中村
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Osaka Gas Co Ltd
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Osaka Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 煮炊き中の鍋内の状態を監視して、煮こぼれ
が発生する前に煮こぼれを防止する。 【構成】 煮炊き中の鍋内の状態を、火口2の近傍に設
けた振動センサ3により振動波形で検出し、得られた振
動波形を演算処理部6へ取込んで、加速度波形と周波数
分布とにより煮こぼれを予知すると共に、この予知情報
により火力を調整するようにしたもので、煮こぼれが発
生する前に煮こぼれが防止できるため、煮こぼれにより
火口の周辺を汚損したり、ガスの火が消えるのを防止す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はガスコンロなどを使用
して煮炊きする際に発生する煮こぼれを防止する煮こぼ
れ防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来ガスコンロなどを使用して煮炊きす
る場合、良く煮こぼれが発生する。この煮こぼれが発生
すると、ガスコンロの火が消えてガス漏れの原因となる
ため、従来ではガスコンロの火口近傍にサーミスタなど
の温度検出器を設けて、煮こぼれにより火が消えた場合
に検出温度が低下するのを利用して煮こぼれを検出する
煮こぼれ検出技術が開発されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記従来の煮こ
ぼれ検出方法では、煮こぼれが発生してガスコンロの火
が消えてから煮こぼれを検出するため、煮こぼれを検出
しても煮こぼれによりガスコンロの周辺が汚損されてし
まうと共に、火の消えないような軽微な煮こぼれに対し
ては機能しないなどの不具合があった。
【0004】この発明はかかる従来の不具合を改善する
ためになされたもので、煮炊きする鍋内の状態を監視
し、煮こぼれが発生する前に煮こぼれを検出して煮こぼ
れを防止するようにした煮こぼれ防止装置を提供するこ
とを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は、煮炊き中の鍋内の状態を、火口近傍に
設けた振動センサにより振動波形で検出し、得られた振
動波形から煮こぼれを予知するようにしたものである。
【0006】
【作用】上記構成により煮こぼれを事前に検出して煮こ
ぼれを防止するため、煮こぼれによりガスコンロ等の火
口周辺を汚損することがない。
【0007】
【実施例】この発明の一実施例を図面を参照して詳述す
る。
【0008】発明者等はガスコンロにかけた鍋により煮
炊きする際の鍋内の状態を観察したところ、図1に示す
状態1では、時間とともに振動加速度が増加し、状態2
の沸騰前でさらに振動加速度が大きくなり、その後状態
3では加速度がやや小さくなり、そして状態4の煮こぼ
れが発生するときに急激に振動加速度が増大することを
つきとめた。
【0009】またこの加速度の波形は煮炊きする内容物
によっても変化することが解った。
【0010】図2は鍋により2種類のスープA、Bとそ
うめんC及び水を煮炊きした場合の最大加速度の変化を
時間の経過とともに表示したものである。
【0011】以上の実験から、鍋により、煮炊きする
際、鍋内の状態を振動センサにより検出し、振動センサ
が検出した振動波形から加速度波形を演算して、その周
波数分布の変化より煮こぼれを予知することにより、煮
こぼれを事前に防止することができることが判明した。
【0012】そこで煮炊きを行うがガスコンロ1の火口
2近傍に、図3に示すように振動センサ3と温度センサ
4を取付け、この振動センサ3で検出した鍋(図示せ
ず)の振動波形を、ガスコンロ1内に設けられた制御部
5へ入力するようにしたものである。
【0013】制御部5はマイクロコンピュータより構成
されていて、CPUよりなる演算処理部6と出力制御部
7よりなり、出力制御部7より出力される制御信号によ
り、ガスコンロ1に設けられたガス流量制御装置8を制
御して(予めメモリ10に記憶されたメニューに沿う場
合もある)ガス流量を調整したり、警報装置11により
煮こぼれを警報するようになっている。
【0014】次に作用を説明すると、鍋により煮炊きし
た際に発生する振動波形を検出する振動センサ3の時間
波形とパワースペクトルは図5及び図6に示すようにな
る。図5は鍋により水を沸騰させた場合、図6はそうめ
んCを煮炊きした場合で状態1から状態4に示すように
変化する。
【0015】図7の(a)乃至(d)がメニューの一例
を示すもので、例えば図7の(a)に示す肉じゃがを煮
炊きする場合は、はじめの5分間は強火で加熱し、沸騰
したら、とろ火で20〜30分加熱して、汁が1/4に
なったところで火を止める。
【0016】また図7の(b)に示すシチューははじめ
は中火で10分間加熱し、その後とろ火で40分間が加
熱して十分軟かくなったところで火を止める。
【0017】図7の(c)に示すそうめんは、はじめに
強火で5分間加熱し、その後そうめんを投入した後中火
で1〜2分間加熱した後火を止める。図7の(d)に示
す煮魚は、はじめに強火で3分間加熱し、その後中火で
5〜10分間が加熱した後、さらに弱火で20分間加熱
した後、火を止めるなどである。
【0018】これらの変化は前述したように煮炊きする
品物により変ってくるため、予めメモリ10に複数種の
メニューが登録されていて、煮炊きする際、煮炊きする
品物に応じてメニューを選択することになる。
【0019】次に実際に煮炊きする場合の作用を図8に
示すフローチャートを参照して説明する。
【0020】まず煮炊きする品物に合せてメニューを選
択したら、鍋をガスコンロ1にかけて煮炊きを開始する
と、フローチャートのステップS21で振動センサ3が
検出した振動波形が制御部5へ取込まれ、ステップS2
2で演算処理部6で振動加速度が演算され、ステップS
23で周波数分布が算出される。そして振動センサ3か
ら入力される振動波形が、煮こぼれが発生しそうな状態
4になる直前をステップS24で判定して、煮こぼれ直
前ならSステップ25へ進んでガス流量制御装置8を制
御してガスの流量を減少させることにより煮こぼれを防
止すると共に、ステップS26で煮こぼれ直前であるこ
とを警報する。
【0021】これによって煮炊き中の煮こぼれを事前に
防止することができるようになる。
【0022】また、図7の(a)ないし(d)に示す肉
じゃが、シチュー、そうめんおよびさかな煮付けメニユ
ーの場合は、これらのうちから選択されたメニユーの波
形を前記メモリ10に記憶させたデータと比較して煮炊
きの状態を観測し、煮こぼれが発生しそうな状態4にな
る直前をステップS24で判定して、煮こぼれ直前なら
Sステップ25へ進んでガス流量制御装置8を制御して
ガスの流量を減少させることにより煮こぼれを防止する
と共に、ステップS26で煮こぼれ直前であることを警
報する。
【0023】以上は通常の煮炊きによる煮こぼれの防止
であるが、次に煮炊き中に地震が発生した場合を図9に
示すフローチャートを参照して説明する。地震による振
動波形とパワースペクトルは、図10の(a)および
(b)に示すように煮炊き時発生する振動波形とパワー
スペクトルと異なることから、地震と煮炊きが容易に判
別できる。
【0024】いまガスコンロ1に鍋をかけて煮炊きを開
始すると、フローチャートのステップS31で振動セン
サ3が検出した振動波形が制御部5へ取込まれ、ステッ
プS32で演算処理部6により振動加速度が演算され、
ステップS33で周波数分布が算出される。
【0025】そしてステップS34で振動の主成分が1
0Hz以下か否かが判定され、10Hz以下の場合は地
震と判定されてステップS35へ進み、10Hz以上の
場合は煮炊きと判定されてステップS41へ進む。
【0026】ステップS35では振動加速度が0.25
G以上か否かを判定し、0.25G以下の場合はガスを
遮断しなくてよい程度の震度なので、ステップS31へ
戻ると共に、振動加速度が0.25G以上の場合は危険
なのでステップS36へ進んでガス流量制御装置8へ遮
断信号を出力し、ガスを遮断すると共に、ステップS3
7へ進んで地震によりガスを遮断したことを警報する。
【0027】一方ステップS34からステップS41へ
進んだ場合は、引き続き振動センサ3から入力される振
動波形で煮炊きの状態を観測し、煮こぼれが発生しそう
な状態4になる直前にステップS42で判定して、煮こ
ぼれ直前ならステップS43へ進んでガス流量制御装置
8を制御してガスの流量を減少させることにより煮こぼ
れを防止するものである。
【0028】以上はメニユーにより煮こぼれを防止する
場合であるが、演算処理部6においてファジィ推論を応
用することにより煮こぼれを防止するようにしてもよ
い。
【0029】次にこれを説明すると、ファジー推論する
上でのメンバーシップ関数として図11の(a)に示す
経過時間と、図11の(b)に示す最大加速度及び図1
1の(c)に示す周波数を採用し、また後件部メンバー
シップ関数として図12の(a)に示す煮こぼれ直前の
ルールと、煮こぼれのかなり前のルールを適用す
る。
【0030】そしてルール及びルールを次のように
推論する。
【0031】ルール IF 経過時間=大 AND最
大加速度=中 AND周波数=小 THEN 煮こぼれ直前 であると推論し、ガス流量制御装置8を制御してガス流
量を減少させる。
【0032】ルール IF 経過時間=大 AND最
大加速度=大 AND周波数=中 THEN 煮こぼれかなり前 であると推論し、引き続き鍋内の状態を観測するもの
で、このファジー推論を応用すれば予め料理のメニュー
を登録しておかなくとも、全ての料理の煮炊きに対して
も煮こぼれが防止できるようになる。
【0033】
【発明の効果】請求項1,2記載の発明によれば、煮炊
きしている鍋内の状態を振動センサより検出し、得られ
た振動波形より、煮こぼれを予知するようにしたことか
ら、煮こぼれが発生する前に火力を弱くするなどの手段
を講じることができ、煮こぼれによりガスコンロ等の周
辺を汚損するなどの不具合を解消することができる。
【0034】また、請求項3の発明によれば、予め料理
メニューに応じて振動波形を登録しておくことにより、
煮炊きメニューを選択するだけで、煮こぼれのない煮炊
きが可能になると共に、メニューに応じた火力の調整も
可能なため、煮炊きを自動的に行うこともできる。
【0035】また、請求項4の発明によれば、振動セン
サが検出した振動波形より地震を検知してガスを遮断す
るようにしたことにより、煮炊き中に地震が発生して
も、火災などの危険が回避できる。
【0036】又、請求項5の発明によれば、煮こぼれの
判定にファジー推論を応用することにより、予めメニュ
ーを登録していない場合でも煮こぼれ防止が高精度で行
えるようになる。
【0037】また、請求項6の発明によれば、煮こぼれ
防止装置をガスコンロに装着することによって、ガスコ
ンロを使用して、煮炊きする場合に生じる煮こぼれによ
る火口周辺の汚損や、火が消えることに生じるガス漏れ
などを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】煮炊きにより生じる加速度波形を示す波形図で
ある。
【図2】メニユーにより異なる振動波形の最大加速度を
示す線図である。
【図3】この発明の一実施例になる煮こぼれ防止装置を
ガスコンロに設けた状態を示す斜視図である。
【図4】この発明の一実施例になる煮こぼれ防止装置の
ブロック図である。
【図5】水を加熱した場合に振動センサにより検出され
る状態毎の時間波形とパワースペクトルを示す線図であ
る。
【図6】そうめんを煮炊きしたとき振動センサにより検
出される状態毎の時間波形とパワースペクトルを示す線
図である。
【図7】(a) 肉じゃがを煮炊きする場合のフローチ
ャートである。 (b) シチューを煮炊きする場合のフローチャートで
ある。 (c) そうめんを煮炊きする場合のフローチャートで
ある。 (d) 煮魚を煮炊きする場合のフローチャートであ
る。
【図8】この発明の一実施例になる煮こぼれ防止装置の
作用を示すフローチャートである。
【図9】この発明の一実施例になる煮こぼれ防止装置に
より地震を検出した場合の作用を示すフローチャートで
ある。
【図10】(a) 地震による加速度波形を示す波形図
である。 (b) 地震によるパワースペクトルを示す線図であ
る。
【図11】(a) ファジー推論のメンバーシップ関数
(経過時間)を示す線図である。 (b) ファジー推論のメンバーシップ関数(最大加速
度)を示す線図である。 (c) ファジー推論のメンバーシップ関数(周波数)
を示す線図である。
【図12】(a) ファジー推論の後件部メンバーシッ
プ関数(ルール)を示す線図である。 (b) ファジー推論の後件部メンバーシップ関数(ル
ール)を示す線図である。
【符号の説明】
1 ガスコンロ 2 火口 3 振動センサ 5 制御部 6 演算処理部 7 出力制御部 8 ガス流量制御装置 10 メモリ 11 警報装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平松 成章 京都府京都市右京区花園土堂町10番地 オ ムロン株式会社内 (72)発明者 中村 孝二 鳥取県倉吉市巌城1005番地 オムロン倉吉 株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 煮炊き中の鍋内の状態を、火口近傍に設
    けた振動センサにより振動波形で検出し、得られた振動
    波形から煮こぼれを予知することを特徴とする煮こぼれ
    防止装置。
  2. 【請求項2】 前記振動波形を演算処理部へ取込んで、
    加速度波形または周波数分布により煮こぼれを予知する
    と共に、火力を調整してなる請求項1記載の煮こぼれ防
    止装置。
  3. 【請求項3】 煮炊きすべき料理のメニューに応じた振
    動波形を予めメモリへ記憶し、かつ振動センサが検出し
    た振動波形とメニューに応じて選択された振動波形を比
    較演算することにより煮こぼれを防止することを特徴と
    する煮こぼれ防止装置。
  4. 【請求項4】 振動センサが検出した振動波形より地震
    を検知して、ガスを遮断するようにしてなる請求項1又
    は請求項3記載の煮こぼれ防止装置。
  5. 【請求項5】 振動センサが検出した振動波形から、煮
    こぼれをファジー推論することを特徴とする煮こぼれ防
    止装置。
  6. 【請求項6】 鍋を加熱する手段をガスコンロとして、
    このガスコンロに煮こぼれ防止を設けてなる請求項1又
    は請求項3又は請求項5記載の煮こぼれ防止装置。
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