JPH06264167A - 高温強度に優れたTiAl金属間化合物基合金 - Google Patents
高温強度に優れたTiAl金属間化合物基合金Info
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- JPH06264167A JPH06264167A JP5397693A JP5397693A JPH06264167A JP H06264167 A JPH06264167 A JP H06264167A JP 5397693 A JP5397693 A JP 5397693A JP 5397693 A JP5397693 A JP 5397693A JP H06264167 A JPH06264167 A JP H06264167A
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- tial
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 800 ℃における0.2 %耐力が500MPa以上のTi
Al金属間化合物を提供する。 【構成】 重量%で、Alを28〜38%、Hfを4.5 %超9.0
%未満含有し、さらに所望により、B、CおよびSiから
成る群から選んだ少なくとも1種合計重量%で0.01〜0.
5 %、および/または、Nb、Mo、TaおよびWから成る群
から選んだ少なくとも1種合計原子%で0.1 〜12.0%含
有する。
Al金属間化合物を提供する。 【構成】 重量%で、Alを28〜38%、Hfを4.5 %超9.0
%未満含有し、さらに所望により、B、CおよびSiから
成る群から選んだ少なくとも1種合計重量%で0.01〜0.
5 %、および/または、Nb、Mo、TaおよびWから成る群
から選んだ少なくとも1種合計原子%で0.1 〜12.0%含
有する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軽量耐熱材料として航
空宇宙分野を中心に広い分野において今後積極的な利用
の予想されているTiAl金属間化合物基合金、特に、高温
強度に優れたTiAl金属間化合物基合金( 以下、単に「Ti
Al基合金」ともいう) に関する。
空宇宙分野を中心に広い分野において今後積極的な利用
の予想されているTiAl金属間化合物基合金、特に、高温
強度に優れたTiAl金属間化合物基合金( 以下、単に「Ti
Al基合金」ともいう) に関する。
【0002】
【従来の技術】TiAl金属間化合物は原子比で1:1のTi
とAlから構成されており、軽量(比重3.8)でありながら
耐熱性が優れていることから、TiAl金属間化合物を基と
する合金、つまりTiAl金属間化合物基合金は将来のジェ
ットエンジンのブレードやベーン、自動車のエンジンの
排気バルブ、ターボチャジャー用の材料として期待され
ている。
とAlから構成されており、軽量(比重3.8)でありながら
耐熱性が優れていることから、TiAl金属間化合物を基と
する合金、つまりTiAl金属間化合物基合金は将来のジェ
ットエンジンのブレードやベーン、自動車のエンジンの
排気バルブ、ターボチャジャー用の材料として期待され
ている。
【0003】しかし、この材料は金属間化合物であるが
故に非常に脆い材料であり、常温延性や破壊靱性に乏し
いという欠点を有している。また、高温における耐酸化
性も改善する必要がある。これまでにこれらの問題点を
改善することを目的に多くの研究が進められており、現
在までに常温延性や耐酸化性を改善するためにこれらの
材料の化学成分や組織制御により調整が試みられてい
る。
故に非常に脆い材料であり、常温延性や破壊靱性に乏し
いという欠点を有している。また、高温における耐酸化
性も改善する必要がある。これまでにこれらの問題点を
改善することを目的に多くの研究が進められており、現
在までに常温延性や耐酸化性を改善するためにこれらの
材料の化学成分や組織制御により調整が試みられてい
る。
【0004】例えば、常温延性については、TiAl金属間
化合物の化学量論組成から若干Ti-rich 側にずらした成
分、例えば48at%Al前後において得られやすいためこの
あたりの成分で合金設計することが多い。このときAlTi
(γ) 相の他に少量のTi3Al(α2)相が生成し、2相組織
となる。現在のところ常温延性が優れたTiAl基合金はこ
のような2相組織を呈するものがほとんどである。
化合物の化学量論組成から若干Ti-rich 側にずらした成
分、例えば48at%Al前後において得られやすいためこの
あたりの成分で合金設計することが多い。このときAlTi
(γ) 相の他に少量のTi3Al(α2)相が生成し、2相組織
となる。現在のところ常温延性が優れたTiAl基合金はこ
のような2相組織を呈するものがほとんどである。
【0005】また、このベース成分に第3元素として数
%までのV、Mn、Cr、Mo等の元素を添加する手法も取ら
れる。なお、組織調整については、多結晶材において全
面がラメラ組織では常温延性が得られにくいため、加工
や熱処理により組織の微細化を行うことが提案されてお
り、得られる組織としてはラメラ組織と等軸粒の混合組
織が良好であるとされている。
%までのV、Mn、Cr、Mo等の元素を添加する手法も取ら
れる。なお、組織調整については、多結晶材において全
面がラメラ組織では常温延性が得られにくいため、加工
や熱処理により組織の微細化を行うことが提案されてお
り、得られる組織としてはラメラ組織と等軸粒の混合組
織が良好であるとされている。
【0006】一方、耐酸化性の改善にはNb、Ta、W、Mo
の元素の添加が有効と報告されている。以上について
は、文献1: “Progress in the Understanding of Gam
ma Titanium Aluminide", J.Metals (August, 1991) p.
40〜47を参照。
の元素の添加が有効と報告されている。以上について
は、文献1: “Progress in the Understanding of Gam
ma Titanium Aluminide", J.Metals (August, 1991) p.
40〜47を参照。
【0007】一方、TiAl基合金は耐熱材料として期待さ
れているものの、その使用温度は最高800 ℃程度とされ
ている。したがってその耐熱性がさらに向上し、最高使
用温度が向上すれば、軽量性を十分いかしてこの材料の
産業利用分野が大きく拡大することが予想される。
れているものの、その使用温度は最高800 ℃程度とされ
ている。したがってその耐熱性がさらに向上し、最高使
用温度が向上すれば、軽量性を十分いかしてこの材料の
産業利用分野が大きく拡大することが予想される。
【0008】しかしながら、現在のところこの材料の開
発は上記のような常温延性や耐酸化性の改善を目的とす
るものがほとんどであり、耐熱性をさらに向上するため
の開発はほとんど行われていないのが実情であるが、重
要な開発課題である。従来にあっても、TiAl基合金に多
くの合金元素を配合することが公知であることはすでに
述べた通りであり、その他の合金元素として、例えば、
Hfについては常温における曲げ強度と曲げ破壊歪みへの
影響について調査されており、Hfの添加により曲げ強度
は向上するが、曲げ破壊歪みは低下することが示されて
いる。(文献2: Parameters for Ductility Improvemen
t in TiAl, Mat. Res. Soc. Symp. Proc., Materials R
esearch Society, (1989), p.329 〜335)。また、この
曲げ強度の上昇はその中で調査されたCrの効果と同等あ
るいはそれ以下であるが、高温強度への効果については
記述されていない。
発は上記のような常温延性や耐酸化性の改善を目的とす
るものがほとんどであり、耐熱性をさらに向上するため
の開発はほとんど行われていないのが実情であるが、重
要な開発課題である。従来にあっても、TiAl基合金に多
くの合金元素を配合することが公知であることはすでに
述べた通りであり、その他の合金元素として、例えば、
Hfについては常温における曲げ強度と曲げ破壊歪みへの
影響について調査されており、Hfの添加により曲げ強度
は向上するが、曲げ破壊歪みは低下することが示されて
いる。(文献2: Parameters for Ductility Improvemen
t in TiAl, Mat. Res. Soc. Symp. Proc., Materials R
esearch Society, (1989), p.329 〜335)。また、この
曲げ強度の上昇はその中で調査されたCrの効果と同等あ
るいはそれ以下であるが、高温強度への効果については
記述されていない。
【0009】特開平1−255632号公報 (文献3) におい
ては常温靱性 (実際には常温引張伸び) の向上を目的と
したYとReを主要合金元素とするTiAl基合金において、
Cr、Ta、Zn、Co、Ni、W、Nb、V、Mn、Zr、Hf、Mo、Fe
およびHfの少なくとも1種を0.1 〜5重量%添加すると
の記述があるが、これらの元素はすべて強度向上の効果
があるとしているが、主要な合金元素ではなく、必要に
応じて添加するとしており、また、高温強度に対する効
果については記述されていない。
ては常温靱性 (実際には常温引張伸び) の向上を目的と
したYとReを主要合金元素とするTiAl基合金において、
Cr、Ta、Zn、Co、Ni、W、Nb、V、Mn、Zr、Hf、Mo、Fe
およびHfの少なくとも1種を0.1 〜5重量%添加すると
の記述があるが、これらの元素はすべて強度向上の効果
があるとしているが、主要な合金元素ではなく、必要に
応じて添加するとしており、また、高温強度に対する効
果については記述されていない。
【0010】また、特開平3−226538号公報 (文献4)
においては常温破壊靱性、高温強度、耐高温酸化特性の
バランスの向上を目的としたNb、Si、Zr、Snを主要合金
元素とする合金において、さらにV、Mo、W、Taと並ん
で0.1 重量%で所定の関係式を満足させるようなHfの添
加について記述があり、常温破壊靱性と高温強度向上の
効果があり、添加量が多くなると高温強度が低下すると
の記述がある。この場合も主要な合金元素ではなく、補
助的に添加されている。
においては常温破壊靱性、高温強度、耐高温酸化特性の
バランスの向上を目的としたNb、Si、Zr、Snを主要合金
元素とする合金において、さらにV、Mo、W、Taと並ん
で0.1 重量%で所定の関係式を満足させるようなHfの添
加について記述があり、常温破壊靱性と高温強度向上の
効果があり、添加量が多くなると高温強度が低下すると
の記述がある。この場合も主要な合金元素ではなく、補
助的に添加されている。
【0011】特開平3−257130号公報 (文献5) におい
てはクリープ破断強度の向上を目的として (Mn、Cr、F
e、Mo) と (Nb、Ta、Zr、Hf) の各々のグループから1
種または2種以上を0.2 〜4%添加するという記述があ
る。実施例においては各々の添加元素は高々2重量%で
あり、Hfについては0.3 %である。Mo、B、C、Siにつ
いては著者らによる特開平1−298127号公報 (文献6)
において、高温強度を低下させずに常温延性を改善する
のに効果があることが記述されている。
てはクリープ破断強度の向上を目的として (Mn、Cr、F
e、Mo) と (Nb、Ta、Zr、Hf) の各々のグループから1
種または2種以上を0.2 〜4%添加するという記述があ
る。実施例においては各々の添加元素は高々2重量%で
あり、Hfについては0.3 %である。Mo、B、C、Siにつ
いては著者らによる特開平1−298127号公報 (文献6)
において、高温強度を低下させずに常温延性を改善する
のに効果があることが記述されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の一般的目的
は、TiAl金属間化合物基合金の用途拡大の観点から重要
である常温強度を最大限に高めることのできるTiAl金属
間化合物基合金を提供することである。本発明の具体的
な目的は、800 ℃における0.2 %耐力が500MPa以上のTi
Al金属間化合物基合金部材を提供することにある。
は、TiAl金属間化合物基合金の用途拡大の観点から重要
である常温強度を最大限に高めることのできるTiAl金属
間化合物基合金を提供することである。本発明の具体的
な目的は、800 ℃における0.2 %耐力が500MPa以上のTi
Al金属間化合物基合金部材を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる目
的達成のために種々検討を重ね、ある限られた範囲のHf
量のTi-Al-Hf系において高温強度が改善され、さらに
B、CおよびSiから成る群から選んだ少なくとも1種お
よび/または、Nb、Mo、TaおよびWから成る群から選ん
だ少なくとも1種を添加することによりさらに高温強度
が改善されることを知り、本発明を完成した。
的達成のために種々検討を重ね、ある限られた範囲のHf
量のTi-Al-Hf系において高温強度が改善され、さらに
B、CおよびSiから成る群から選んだ少なくとも1種お
よび/または、Nb、Mo、TaおよびWから成る群から選ん
だ少なくとも1種を添加することによりさらに高温強度
が改善されることを知り、本発明を完成した。
【0014】ここに、本発明の要旨とするところは、重
量%で、Alを28〜38%、Hfを4.5 %超9.0 %未満含有
し、さらに所望により、B、CおよびSiから成る群から
選んだ少なくとも1種合計重量%で0.01〜0.5 %、およ
び/または、Nb、Mo、TaおよびWから成る群から選んだ
少なくとも1種合計重量%で0.1 〜12.0%をさらに配合
し、残部がTiおよび不可避不純物から成る高温強度に優
れたTiAl金属間化合物基合金である。
量%で、Alを28〜38%、Hfを4.5 %超9.0 %未満含有
し、さらに所望により、B、CおよびSiから成る群から
選んだ少なくとも1種合計重量%で0.01〜0.5 %、およ
び/または、Nb、Mo、TaおよびWから成る群から選んだ
少なくとも1種合計重量%で0.1 〜12.0%をさらに配合
し、残部がTiおよび不可避不純物から成る高温強度に優
れたTiAl金属間化合物基合金である。
【0015】さらに、本発明の好適態様によれば、本発
明は上記組成のTiAl金属間化合物基合金であって、800
℃における0.2 %耐力が500MPa以上のTiAl金属間化合物
基合金部材である。
明は上記組成のTiAl金属間化合物基合金であって、800
℃における0.2 %耐力が500MPa以上のTiAl金属間化合物
基合金部材である。
【0016】したがって、本発明にかかるTiAl基合金
は、最高800 ℃の加熱状況下で使用できることから、別
の面から言えば、本発明は、上記合金組成を有する、80
0 ℃における0.2 %耐力が500MPa以上である、最高800
℃以上の加熱状況下で使用される、TiAl金属間化合物基
合金部材である。
は、最高800 ℃の加熱状況下で使用できることから、別
の面から言えば、本発明は、上記合金組成を有する、80
0 ℃における0.2 %耐力が500MPa以上である、最高800
℃以上の加熱状況下で使用される、TiAl金属間化合物基
合金部材である。
【0017】上記部材の好適例としては、本発明にかか
るTiAl金属間化合物基合金は軽量性と耐熱性が優れるこ
とから、本発明は最高で800 ℃以上の加熱状況下で使用
されるジェットエンジン部材や高速航空機の機体等の部
材である。
るTiAl金属間化合物基合金は軽量性と耐熱性が優れるこ
とから、本発明は最高で800 ℃以上の加熱状況下で使用
されるジェットエンジン部材や高速航空機の機体等の部
材である。
【0018】
【作用】次に、本発明において合金組成を上述のように
限定した理由を詳述する。 (a) Al:AlはTiAl基を構成する主元素であり、28重量%
未満ではTi3Al が大量に生成し、高温強度が低下する。
また、38重量%超ではTiAl相が脆くなり過ぎ、高い高温
強度が得られない。したがってAl含有量は28〜38重量%
とする。
限定した理由を詳述する。 (a) Al:AlはTiAl基を構成する主元素であり、28重量%
未満ではTi3Al が大量に生成し、高温強度が低下する。
また、38重量%超ではTiAl相が脆くなり過ぎ、高い高温
強度が得られない。したがってAl含有量は28〜38重量%
とする。
【0019】(b) Hf:Hfは本発明の特徴をなす元素であ
り、TiAl相と2相状態において存在する場合にはTiAl相
を固溶強化することにより、高温強度を著しく向上させ
る効果がある。添加量は4.5 重量%以下では特に高温強
度に寄与する固溶強化の効果が現れず、9.0 重量%以上
ではTi3Al 相が大量に生成するようになり、高温強度が
低下する。また、Hfは比重が13.3g/cm2 と大きいために
多量の添加はTiAlの軽量性を損なうので好ましくない。
従って、Hf含有量は4.5 %超、9.0 重量%未満とする。
好ましくは、5.0 〜8.0 重量%である。
り、TiAl相と2相状態において存在する場合にはTiAl相
を固溶強化することにより、高温強度を著しく向上させ
る効果がある。添加量は4.5 重量%以下では特に高温強
度に寄与する固溶強化の効果が現れず、9.0 重量%以上
ではTi3Al 相が大量に生成するようになり、高温強度が
低下する。また、Hfは比重が13.3g/cm2 と大きいために
多量の添加はTiAlの軽量性を損なうので好ましくない。
従って、Hf含有量は4.5 %超、9.0 重量%未満とする。
好ましくは、5.0 〜8.0 重量%である。
【0020】(c) Nb、Mo、Ta、W:これらの元素も同様
に固溶強化により高温強度を向上させる効果があるた
め、Hfと複合添加することにより高温強度はさらに向上
する。また、これらの元素は耐酸化性も向上させる作用
があり、耐熱材料のTiAlにとって効果的な添加元素であ
る。添加量はHfに加えて12.0重量%超のこれらの元素の
添加はβ−Ti相が大量に生成するようになり、高温強度
が低下する。また、これらの元素は比重が大きいために
多量の添加はTiAlの軽量性を損なうので好ましくない。
したがってこれらの元素の添加量は0.1 〜12.0重量%と
する。
に固溶強化により高温強度を向上させる効果があるた
め、Hfと複合添加することにより高温強度はさらに向上
する。また、これらの元素は耐酸化性も向上させる作用
があり、耐熱材料のTiAlにとって効果的な添加元素であ
る。添加量はHfに加えて12.0重量%超のこれらの元素の
添加はβ−Ti相が大量に生成するようになり、高温強度
が低下する。また、これらの元素は比重が大きいために
多量の添加はTiAlの軽量性を損なうので好ましくない。
したがってこれらの元素の添加量は0.1 〜12.0重量%と
する。
【0021】(d) B、C、Si:これらの元素は固溶強化
あるいは各々ホウ化物、炭化物やシリサイドの析出硬化
により高温強度の向上に寄与する。これら元素の含有量
が0.01重量%未満では固溶強化が十分起こらず、高温強
度の向上に寄与しない。一方、0.5 重量%超では析出量
が多くなりすぎ、脆化が起こるので避ける必要がある。
したがって、B、C、Si少なくとも1種の添加量の合計
は0.01から0.5 重量%とする。
あるいは各々ホウ化物、炭化物やシリサイドの析出硬化
により高温強度の向上に寄与する。これら元素の含有量
が0.01重量%未満では固溶強化が十分起こらず、高温強
度の向上に寄与しない。一方、0.5 重量%超では析出量
が多くなりすぎ、脆化が起こるので避ける必要がある。
したがって、B、C、Si少なくとも1種の添加量の合計
は0.01から0.5 重量%とする。
【0022】なお、本発明による高い高温強度は上記合
金元素の固溶強化あるいは析出効果に起因するものであ
るため、本発明の相対的な効果、つまり他の合金成分か
らの優位性は鋳造法、粉末冶金法や鋳塊−塑性加工等の
製造法には左右されない。次に、実施例によって本発明
の具体的作用効果を説明する。
金元素の固溶強化あるいは析出効果に起因するものであ
るため、本発明の相対的な効果、つまり他の合金成分か
らの優位性は鋳造法、粉末冶金法や鋳塊−塑性加工等の
製造法には左右されない。次に、実施例によって本発明
の具体的作用効果を説明する。
【0023】
【実施例】原料として純度99.7%以上のスポンジチタ
ン、純度99.99 %のアルミニウム、純度99.7%以上のス
ポンジハフニウム、純度99.9%のNb、Ta、W、Mo−45重
量%Alの母合金、純度99.99 %の金属シリコン、TiB2粉
末およびTiC粉末を用いて、非消耗電極式Arアーク溶解
により表1に示す化学成分を有する鋳塊 (75×95×12m
m) を溶製した。
ン、純度99.99 %のアルミニウム、純度99.7%以上のス
ポンジハフニウム、純度99.9%のNb、Ta、W、Mo−45重
量%Alの母合金、純度99.99 %の金属シリコン、TiB2粉
末およびTiC粉末を用いて、非消耗電極式Arアーク溶解
により表1に示す化学成分を有する鋳塊 (75×95×12m
m) を溶製した。
【0024】TiAl基合金部材を鋳造でつくる場合を想定
して、これらの鋳塊より外径4mm、標点間距離が16mmの
ネジ付き丸棒引張試験片を採取した。引張試験の温度は
TiAlの最高耐用温度といわれる800 ℃とし、歪速度は10
-4s-1として引張試験を実施した。上記引張試験の結果
を表1および表2に併せて示した。
して、これらの鋳塊より外径4mm、標点間距離が16mmの
ネジ付き丸棒引張試験片を採取した。引張試験の温度は
TiAlの最高耐用温度といわれる800 ℃とし、歪速度は10
-4s-1として引張試験を実施した。上記引張試験の結果
を表1および表2に併せて示した。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】表1のNo.1〜4に示すように、合金元素を
添加しない場合には800 ℃における0.2%耐力は400MPa
未満であるのに対し、これにHfを添加することで、No.5
〜6に示すように400MPa以上となる。しかし、これでも
まだ不十分であって、No.7〜9に示すようにAl 28 〜38
%、Hf 4.5%超9.0 %未満の範囲ではじめて800 ℃にお
ける 0.2%耐力が500MPa以上となるのである。特にNo.1
0 〜12と対比するときに本発明で規定する合金組成の臨
界性が明瞭となる。同様にして、他の合金元素との配合
組成割合の臨界性も明瞭である。
添加しない場合には800 ℃における0.2%耐力は400MPa
未満であるのに対し、これにHfを添加することで、No.5
〜6に示すように400MPa以上となる。しかし、これでも
まだ不十分であって、No.7〜9に示すようにAl 28 〜38
%、Hf 4.5%超9.0 %未満の範囲ではじめて800 ℃にお
ける 0.2%耐力が500MPa以上となるのである。特にNo.1
0 〜12と対比するときに本発明で規定する合金組成の臨
界性が明瞭となる。同様にして、他の合金元素との配合
組成割合の臨界性も明瞭である。
【0028】
【発明の効果】以上に述べたように、結果より本発明合
金は従来の2元系TiAl基合金と比較して著しく高温強度
が増加していることがわかる。本発明によればTiAl金属
間化合物の実用化上の重要な特性である耐熱性を現在80
0 ℃未満、通常は、700 〜750℃といわれる耐用温度を
大きく向上させることが可能であり、本材料の工業材料
としての応用分野の拡大に大きく貢献するものである。
金は従来の2元系TiAl基合金と比較して著しく高温強度
が増加していることがわかる。本発明によればTiAl金属
間化合物の実用化上の重要な特性である耐熱性を現在80
0 ℃未満、通常は、700 〜750℃といわれる耐用温度を
大きく向上させることが可能であり、本材料の工業材料
としての応用分野の拡大に大きく貢献するものである。
【0029】特に、ジェットエンジン用部材として使用
される場合、そのすぐれた高温強度が十分に生かされ従
来一般のチタン合金から構成していた場合と比較して軽
量化と同時に耐熱性向上の利益が得られる。
される場合、そのすぐれた高温強度が十分に生かされ従
来一般のチタン合金から構成していた場合と比較して軽
量化と同時に耐熱性向上の利益が得られる。
Claims (3)
- 【請求項1】 重量%で、Alを28〜38%、Hfを4.5 %超
9.0 %未満含有し、残部がTiおよび不可避不純物から成
る高温強度に優れたTiAl金属間化合物基合金。 - 【請求項2】 さらに、B、CおよびSiから成る群から
選んだ少なくとも1種合計重量%で0.01〜0.5 %、およ
び/または、Nb、Mo、TaおよびWから成る群から選んだ
少なくとも1種合計重量%で0.1 〜12.0%含有する、請
求項1記載のTiAl金属間化合物基合金。 - 【請求項3】 請求項1または2の合金組成を有し、80
0 ℃における0.2 %耐力が500MPa以上であって、最高80
0 ℃以上の加熱状況下で使用されるTiAl金属間化合物基
合金部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5397693A JPH06264167A (ja) | 1993-03-15 | 1993-03-15 | 高温強度に優れたTiAl金属間化合物基合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5397693A JPH06264167A (ja) | 1993-03-15 | 1993-03-15 | 高温強度に優れたTiAl金属間化合物基合金 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06264167A true JPH06264167A (ja) | 1994-09-20 |
Family
ID=12957679
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5397693A Withdrawn JPH06264167A (ja) | 1993-03-15 | 1993-03-15 | 高温強度に優れたTiAl金属間化合物基合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06264167A (ja) |
-
1993
- 1993-03-15 JP JP5397693A patent/JPH06264167A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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