JPH06263086A - 水上浮動体の自動転船装置 - Google Patents

水上浮動体の自動転船装置

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JPH06263086A
JPH06263086A JP5418593A JP5418593A JPH06263086A JP H06263086 A JPH06263086 A JP H06263086A JP 5418593 A JP5418593 A JP 5418593A JP 5418593 A JP5418593 A JP 5418593A JP H06263086 A JPH06263086 A JP H06263086A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は水上浮動体の自動転船を可能にするこ
とを目的とする。 【構成】水上浮動体(バージ)の複数点にウインチを設
け、これらウインチのワイヤ端部位置をバージの移動範
囲に置いて、各ウインチの巻き込み、繰り出し制御によ
り各ウインチからのワイヤの長さを変えることによりバ
ージを目標位置に移動させる転船装置として、バージの
現在位置と移動先の目標位置の測定する測定手段2と、
この測定手段により得られた現在位置と目標位置の情報
をもとに、現在位置から目標位置への最短コースを設定
すると共にこの最短コースを複数区間に区分する機能、
上記最短コースでの移動に際しての各区間での必要な各
ワイヤの張力を演算する機能とを有する演算手段3と、
この演算手段により求められた各ワイヤの張力より各ウ
インチのワイヤの操作量を算出する操作量算出手段4
と、この算出された操作量対応に各ウインチを制御する
制御手段9とより構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は例えば、砂杭打作業船等
の水上(海洋)浮動体(バージ)の転船作業に適用して
最適な自動転船装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】軟弱地盤を改良するための工法の一つと
して、海中、陸上を問わず、砂杭を造成することが行わ
れる。砂杭は定められた位置に精度良く造成してゆく必
要があり、従って、海中での砂杭工事は砂杭打作業船を
精度良く、移動させることが良好な砂杭を造成させるこ
とに繋がることになる。ここで船を移動させる作業を転
船と云う。
【0003】砂杭打作業船は水上(海洋)浮動体(バー
ジ)を用いるが、この砂杭打作業船には、例えば、4点
にアンカ・ウインチを設けてあり、これらアンカ・ウイ
ンチによって水面(海上や湖面等)に固定されている。
砂杭打作業船の転船は、目標位置に向かってオペレータ
が各アンカ・ウインチのウインチワイヤを適宜、巻き込
み若しくは繰り出すことにより行われる。
【0004】ところで、砂杭打作業船(以下、バージと
呼ぶ)の転船は、アンカ・ウインチを操作するオペレー
タの経験と勘に基づいて行われる。そのため、熟練を要
することから、一人前の優秀なオペレータを養成するに
は、長い年月がかかる。
【0005】すなわち、オペレータの質により、砂杭の
精度が左右されると共に、作業時間にも大きな差が出て
くる。また、昨今、オペレータの要員が不足気味であ
り、オペレータの養成は一朝一夕にはゆかないことか
ら、その補充は困難を極める。
【0006】そこで、目標位置と現在位置を参照しなが
ら、アンカ・ウインチの巻き込み若しくは繰り出しの操
作を自動化するシステムの開発が試みられているが、つ
ぎのような問題があり、その実現は困難である。 (1)位置精度の信頼性が低い。
【0007】位置計測は一般的にはレーザ光等を用いた
三角測量によって行われている。この種の計測装置は太
陽等の外乱光や作業船の動揺により、位置データにかな
りのばらつきがみられる。 (2)位置情報の演算サンプリング間隔が長い。10秒
に近いサンプリング間隔となり、ウインチをリアルタイ
ムに制御するには無理がある。 (3)作業船が回転を始めるおそれがある。ウインチワ
イヤを勝手な手順で繰り出したり、巻き込んだりする
と、作業船が回転を始め、危険な状態に陥るおそれがあ
る。 (4)ワイヤの張力を適度に保ち、バージを移動させる
オートテンションも有効な方法ではあるが、オートテン
ションの機構は非常に高価である。
【0008】また、張力を計測しながら制御することも
考えられるが、4隅のワイヤの張力を目的値に保ちなが
ら、ワイヤの巻き込み、繰り出しを行おうとする場合、
この状態でのワイヤ張力は脈動が避けられず、張力の正
確な計測が難しいと云う問題もある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】砂杭は定められた位置
に精度良く造成してゆく必要があり、従って、海中等で
の砂杭工事は砂杭打作業船を精度良く、移動させること
が重要である。そして、砂杭打作業船は、アンカ・ウイ
ンチによって固定されていることから、この砂杭打作業
船を移動させる作業、すなわち、転船作業は目標位置に
向かってオペレータがウインチワイヤを適宜、巻き込み
若しくは繰り出すことにより行うことになるが、転船の
精度および作業時間の長短はオペレータの技量に依存す
る。しかし、高度な熟練が要求されるだけに、優秀なオ
ペレータを確保するのが難しく、また、優秀なオペレー
タを養成するには長い期間を要する。
【0010】そこで、転船作業の自動化が試みられてお
り、それには目標位置に移動するに当って、まずは作業
船の位置検出が必要であるが、この作業船の位置検出一
つをとってみても、波や潮流のある海上であると云う条
件から位置測定の技術的精度に問題があり、信頼性が低
くて、正しく目標位置に移動させることが難しいと云う
問題がある他、また、ウインチワイヤを勝手な手順で繰
り出したり、巻き込んだりすると、作業船が回転を始
め、危険な状態に陥る心配が出てくる等の問題がある。
従って、転船作業の自動化システムの開発は思うように
はゆかず、かえって危険でもあることから、自動化シス
テム開発の試みも暗礁に乗上げている。そこで、この発
明の目的とするところは、精度の良い転船を安全にか
つ、短時間で実施できるようにした水上浮動体の自動転
船装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は次のように構成する。すなわち、水上浮動
体の複数点にウインチを設け、これらウインチのワイヤ
端部位置を当該水上浮動体の移動範囲に置いて、各ウイ
ンチの巻き込み、繰り出し制御により各ウインチのワイ
ヤの長さを変えることにより、当該水上浮動体を目標位
置に移動させる転船装置として、
【0012】第1には、水上浮動体の現在位置と移動先
の目標位置の測定する測定手段と、この測定手段により
得られた現在位置と目標位置の情報をもとに、現在位置
から目標位置への最短コースを設定すると共にこの最短
コースを複数の区間に区分けする機能、上記最短コース
での移動に際しての各区間での必要な各ワイヤの張力を
演算する機能とを有する演算手段と、この演算手段によ
り求められた各ワイヤの張力より、各ウインチのワイヤ
の操作量を算出する操作量算出手段と、この算出された
操作量対応に各ウインチを制御する制御手段とより構成
した。
【0013】また、第2には、水上浮動体の現在位置と
移動先の目標位置の測定する測定手段と、この測定手段
により得られた現在位置と目標位置の情報をもとに、現
在位置から目標位置までのワイヤ変化量と目標位置での
張力を演算する機能、ワイヤ変化量が繰り出しとなった
方のウインチのワイヤを徐々に繰り出したときにおける
水上浮動体が回転を起こさない安全モーメント範囲を求
める機能とを有する演算手段と、各ワイヤの張力を計測
する張力計測手段と、この張力計測手段により計測され
た各ワイヤの張力値を用い、モーメントを求める手段
と、上記演算手段により求められた各ワイヤの張力よ
り、各ウインチのワイヤの操作量を算出する操作量算出
手段と、この算出された操作量対応に巻き取り側の各ウ
インチを制御すると共に、繰り出し側の各ウインチに対
しては上記モーメントが上記安全モーメント範囲となる
よう制御する制御手段とより構成した。
【0014】
【作用】上記の構成において、水上浮動体には複数点に
ウインチを設け、これらウインチのワイヤ端部位置を当
該水上浮動体の移動範囲に置いて、各ウインチの巻き込
み、繰り出し制御により目標位置に移動させる。
【0015】そして、その制御にあたり、第1の構成の
場合には、最初に測定手段により水上浮動体の現在位置
と移動先の目標位置の測定し、これにより得られた現在
位置と目標位置の情報をもとに、現在位置から目標位置
への最短コースを設定する。そして、この最短コースを
複数の区間に区分けし、この最短コースでの移動に際し
ての各区間での必要な各ワイヤの張力を演算する。そし
て、これによって求められた各ワイヤの張力より、各ウ
インチのワイヤの操作量を算出し、この算出された操作
量対応に各ウインチを制御するようにした。
【0016】このように、最初に位置測定をして最短距
離での移動経路を決め、この移動経路に沿っての移動に
際しては、ウインチのワイヤの張力により水上浮動体に
作用するモーメントが、当該水上浮動体の回転を起こさ
ない範囲となるように、制御してバランスさせながらウ
インチの巻き込みおよび繰り出しを制御するようにした
ことから、安全にしかも最短距離で自動的に転船させる
ことができるようになり、また、位置測定は最初にの
み、行うだけであるので、誤差を累積する心配がなく、
精度良く目標位置に自動転船させることができるように
なる。また、転船中はワイヤの張力を目的値に保つよう
に制御するが、これはワイヤの操作量で制御するので、
張力測定は不要であり、安定した精度の良い自動転船制
御が可能になる。
【0017】また、第2の構成の場合、最初に測定手段
により水上浮動体の現在位置と移動先の目標位置の測定
し、これにより得られた現在位置と目標位置の情報をも
とに、現在位置から目標位置までのワイヤ変化量と目標
位置での張力を演算する。そして、ワイヤ変化量が繰り
出しとなった方のウインチのワイヤを徐々に繰り出した
ときにおける水上浮動体が回転を起こさない安全モーメ
ント範囲を求め、張力計測手段にて各ワイヤの張力を計
測しながら、モーメントを求める。そして、上記演算手
段により求められた各ワイヤの張力より、各ウインチの
ワイヤの操作量を算出し、この算出された操作量対応に
巻き取り側の各ウインチを制御すると共に、繰り出し側
の各ウインチに対しては上記モーメントが上記安全モー
メント範囲となるよう制御するようにした。
【0018】このように、最初に位置測定をして現在位
置と目標位置を定め、この間での移動に際して繰り出し
側のウインチのワイヤを安全モーメントの範囲内での張
力になるように制御し、巻き込み側のウインチは所定張
力となるように制御することで、ワイヤ繰り出し側のウ
インチは余裕をもって制御可能になり、しかも、回転を
生じることなく、安定した転船作業を自動的に行えるよ
うになる他、また、制御の幅に余裕にがあることに加
え、上述の張力制御により、張力の脈動が少なくなるこ
とから、張力測定も安定的となり、目的の制御が行い易
くなる。
【0019】また、最初に現在位置と目標位置の測定を
行って得た座標を用い、目標位置に移動するようにした
から、途中段階での自船位置測定を繰り返す従来手法に
比べ、誤差の蓄積がない。そのため、精度の良い転船が
できる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の一実施例について、図面を参
照して説明する。ここでは、砂杭打作業船の転船中にお
いては、当該砂杭打作業船の位置情報および張力情報を
用いずにアンカ・ウインチの操作を行うようにして、位
置測定精度やサンプリングの問題が介在してくることを
防止し、かつ、当該砂杭打作業船が回転しないように、
アンカ・ウインチのワイヤの張力モーメントをバランス
させながらアンカ・ウインチの巻き込みおよび繰り出し
を制御できるようにする実施例を述べる。 (第1の実施例)
【0021】図1は本発明の第1の実施例を示すブロッ
ク図であり、図2は本装置を適用する対象としてのバー
ジと、アンカ・ウインチおよびウインチワイヤと、転船
位置におけるこれらの関係を示す図である。
【0022】図2に示すように、バージ12は例えば、
方形の浮動体であり、その四隅近傍にアンカ・ウインチ
(図示せず)がそれぞれ配され、各アンカ・ウインチか
ら繰り出されたウインチワイヤ11により、海面に係留
されている。ウインチワイヤ11の先端にはアンカ10
が取り付けられている。
【0023】14はバージ12の転船位置であり、13
は転船位置14での各アンカ・ウインチからのウインチ
ワイヤを示している。また、17はバージ12を現在位
置から目標位置へ移動させる場合の最短コースを示して
おり、15は現在位置のバージ12の中心座標、16は
目標位置のバージの中心座標、18は最短コース17上
の微少間隔で刻んで得られる地点(微少間隔地点)を示
している。
【0024】図1において、1は張力計、2は転船位置
計測装置、3はモーメント演算器、4はワイヤ繰り出し
巻き込み量演算器、5はワイヤの線長計、6はバージの
回転角速度計、7はバージのモデル適応制御部、8はウ
インチ操作信号発生器、9はウインチコントローラであ
る。
【0025】張力計1は、各アンカ・ウインチ対応に設
けられるもので、そのウインチワイヤ11のの張力を測
定して張力に応じた測定出力を発生するものである。張
力計1は例えば、ワイヤに取り付けたロードセルや、ウ
インチの油圧モータの圧力計等を用いて実現することが
できる。
【0026】転船位置計測装置2は、バージ12の現在
位置および目標位置の座標情報を出力するもので、例え
ば、光測距儀等を使用している。しかし、人工衛星を用
いた位置計測装置を利用することもでき、この場合、極
めて精度の高い位置測定が可能になる。
【0027】モーメント演算器3は、この現在位置およ
び目標位置の座標情報をもとに、バージ12を目標位置
へ移動させるにあたっての最短コース17を求め、この
求めた最短コース17上の各微少間隔地点18における
外力およびワイヤの張力のベクトル和が零で、かつ、回
転モーメントが零と云う条件を満たすように、各ワイヤ
11の張力を求めるものである。
【0028】ワイヤ繰り出し巻き込み量演算器4は、こ
の求められたワイヤ張力をもとに、ワイヤのカテナリ演
算式より、各ワイヤ11のワイヤ長を算出すると共に、
モデル適応制御部7からの補正値を受けて、この補正値
分、求めたワイヤ長に補正を施したワイヤ操作量の情報
(信号)を各アンカ・ウインチ別に出力するものであ
る。
【0029】線長計5は、各アンカ・ウインチ毎に設け
てあり、そのアンカ・ウインチのワイヤの繰り出し、巻
き込みに連動してアンカ・ウインチからアンカ10まで
の現在のワイヤ長を計数し、その計数値をワイヤ長情報
として、それぞれ出力するものである。また、回転角速
度計6は、バージ12の回転角速度を計測してその計測
信号を出力するためのものである。
【0030】モデル適応制御部7は、ウインチ操作信号
発生器8の出力する各アンカ・ウインチ別ウインチ速度
信号と、回転角速度計6および各線長計5の各出力を受
け、回転角速度計6からの現在の角速度値と各線長計5
からの各アンカ・ウインチ別線長値(計数値)を、バー
ジのモデル式に当て嵌めて演算し、これにより得られる
補正値を、ワイヤ繰り出し巻き込み量演算器4に与える
ものである。
【0031】ウインチ操作信号発生器8は、ワイヤ繰り
出し巻き込み量演算器4によって求められた各アンカ・
ウインチ別のワイヤ操作量の情報(信号)を受けて、各
ウインチの特性に見合ったウインチ速度信号を各アンカ
・ウインチ別に発生するものである。
【0032】ウインチコントローラ9はウインチ操作信
号発生器8より得られた各アンカ・ウインチ別のウイン
チ速度信号をもとに、それぞれ対応する各アンカ・ウイ
ンチの駆動制御を行うものである。このような構成の、
本装置の作用を説明する。
【0033】海洋(水上)浮動体(バージ)を目標地点
に最短で移動させるにあたり、その最短経路のいずれの
点においても、バージを回転させずに静止させ得る各ウ
インチのワイヤの張力を、求めることができる。
【0034】そして、この求めた各ワイヤ張力に見合う
ように、各ワイヤの繰り出し量および巻き込み量を制御
するようにすれば、バージを回転させずに速やかに移動
させることができる。
【0035】(ST1) 今、バージ12が静止(モー
メントがバランスしている状態)している時の各アンカ
・ウインチの各ワイヤ11の張力を、各アンカ・ウイン
チ毎に、それぞれの張力計1にて計測する。この計測さ
れた各アンカ・ウインチ毎の張力値はモーメント演算器
3に入力される。
【0036】(ST2) バージ12にはワイヤ11の
張力のみが作用しているのではなく、潮汐や風等の外力
も加わっている。この外力と各ワイヤ11の張力のベク
トル和が零となってバージ12が静止している訳である
から、外力は各ワイヤ11の張力から演算することがで
きる。
【0037】(ST3) 一方、バージ12の現在位置
および目標位置の座標が、転船位置計測装置2からモー
メント演算器3に入力されている。転船位置計測装置2
は現在位置と目標位置を従来と同様な方法で測定する
が、これは最初の段階のみで良い。
【0038】(ST4) 現在位置および目標位置の座
標情報を得ると、モーメント演算器3はこの得られた座
標情報を元にして、現在位置から目標位置へ至る最短コ
ース17を設定する(図2)。そして、つぎにモーメン
ト演算器3は最短コース17上を所定の微少間隔でプロ
ットして、最短コース17上の微少間隔地点18を設定
し、これらの各地点18における移動に際して各ワイヤ
の張力を求める。
【0039】各ワイヤの張力は、最短コース17上の微
少間隔地点18における外力およびワイヤの張力のベク
トル和が零で、かつ、回転モーメントが零と云う条件を
満たすように求める。
【0040】(ST5) ワイヤ繰り出し巻き込み量演
算器4は、モーメント演算器3によって求められた各ワ
イヤ張力をもとに、ワイヤのカテナリ演算式より、各ワ
イヤ張力に見合うそれぞれのアンカ・ウインチのワイヤ
長を算出する。そして、現地点における各アンカ・ワイ
ヤ11のワイヤ長と移動地点でのワイヤ長の差より、各
アンカ・ウインチのワイヤ操作量を算出する。
【0041】(ST6) このようにしてワイヤ繰り出
し巻き込み量演算器4が求めた各アンカ・ウインチのワ
イヤ操作量は、ウインチ操作信号発生器8に与えられ、
ウインチ操作信号発生器8はこれらのワイヤ操作量をも
とに、ウインチの特性に見合った各アンカ・ウインチの
ウインチ速度を与える信号に変換され、ウインチコント
ローラ9に与えられる。
【0042】(ST7) モデル適応制御部7は、各ア
ンカ・ウインチ対応の線長計5および回転角速度計6そ
れぞれの現在値と、ウインチ操作信号発生器8の出力信
号をもとに、バージのモデル式より補正値を得て、ウイ
ンチ操作信号発生器8に与えている。従って、バージの
移動量や回転の状況等を加味した補正量を与えることが
できるから、ウインチ操作信号発生器8からは、実際の
バージの状況に即した、しかも、安定した状態で安全に
位置を移動するに必要な各アンカ・ウインチのウインチ
速度を与える信号として補正された信号が出力されるこ
とになり、ウインチコントローラ9に与えられる。な
お、ウインチ操作信号発生器8は付加的に設けられたも
のであり、これがなければ本装置の機能が成り立たない
と云う訳ではない。
【0043】ウインチコントローラ9は各ウインチ速度
を与える信号に対応して、それぞれ対応の各アンカ・ウ
インチの駆動制御を行い、これによって、各アンカ・ウ
インチのワイヤ長はコントロールされるので、バージ1
2は目的の微少間隔地点18に安定的に移動される。
【0044】(ST8) 最初の微少間隔地点18に移
動するとさらに、そのつぎの微少間隔地点18に移動す
べく、上述の(ST4)以降の処理を実施し、各アンカ
・ウインチのワイヤ長の制御を実施してバージ12を目
標位置へと転船してゆく。目標位置に近付いてきたなら
ば、各アンカ・ウインチのウインチ速度を落とし、目標
位置に到達した段階で停止させる。
【0045】このように、最初にバージの現在地点と目
標地点とを測定して座標情報を得、これをもとに現在地
点から目標地点への最短コースを自動設定して、この最
短コースを短い区間に分割し、各区間での安定した移動
に必要な各アンカ・ウインチの各ワイヤ張力を求め、求
められた各ワイヤ張力をもとに、ワイヤのカテナリ演算
式より各アンカ・ウインチの各ワイヤ長を算出し、これ
をもとに各アンカ・ウインチのワイヤ操作量を算出し、
各アンカ・ウインチの実際の各ワイヤ長を見ながらワイ
ヤ操作量対応のワイヤ速度で各アンカ・ウインチの運転
制御を行うようにしたものである。
【0046】従って、最初の段階では現在地点と、目標
地点を測定するものの、以後はこの最初の測定データを
もとにして得た目標地点へ至る最短ルートを辿りながら
の安全な移動に必要な各ワイヤ操作量を得るように、各
アンカ・ウインチの運転制御を行うようにしたことか
ら、安全を確保した転船操作の自動化を図ることができ
る。また、本実施例では最短コースを辿ってバージを移
動するようにしており、しかも、移動の途中段階ではバ
ージの位置測定は行わないことから、短時間で目的位置
に転船することができるようになる。また、バージの位
置測定は最初に行うのみとしたことによって、従来のよ
うに、精度の低い位置測定を繰り返すことによる位置精
度の低下を、本発明では最小限にとどめることができる
ようになって、転船の精度を大幅に改善することができ
るようになる。 (第2の実施例)次に第2の実施例について説明する。
【0047】ここでは第1の実施例で述べたモーメント
演算器3、ワイヤ繰り出し巻き込み量演算器4、モデル
適応制御部7およびウインチ操作信号発生器8をコンピ
ュータ例えば、汎用パソコンにて装置化したバージ自動
転船装置の例を述べる。
【0048】全体構成を図3に示す。図において、19
は操作ウインチ操作卓であり、この操作ウインチ操作卓
19はコンピュータCPUを制御の中枢において構成し
てある。コンピュータCPUは、本発明の各種演算を実
行するものである。コンピュータCPUとしては汎用パ
ソコン(パーソナルコンピュータ)やマイコンを利用す
ることができる。
【0049】20はこのコンピュータ19のマンマシン
インタフェースとしての入力装置であり、テンキーおよ
びアスキーキー(または、JISキーなど)を持つキー
ボードであって、各種設定および操作指令(コマンド入
力)などを行うためのものである。
【0050】21はディスプレイであり、コンピュータ
CPUのマンマシンインタフェースとしての出力装置で
あって、動作状況のモニタおよび入力デ−タ確認表示等
に使用される。このディスプレイ21としてはCRTデ
ィスプレイを用いるが、液晶パネルディスプレイや、プ
ラズマディスプレイなどのキャラクタディスプレイを用
いるようにしても良い。
【0051】5は上述の線長計であり、各アンカ・ウイ
ンチのアンカ・ワイヤの線長を計測するためのものであ
って、アンカ・ワイヤに接して、繰り出し、巻き込み量
に対応した計測出力を出すものである。線長計5として
は、ロータリエンコーダ等を用いており、その計測出力
はコンピュータCPUに入力されている。
【0052】1は張力計であり、各アンカ・ウインチに
おけるアンカ・ワイヤの張力を計測するものであるが、
この張力計1としては、例えば、差圧に応じた信号を発
生する差圧発信器を用いており、差圧に応じたアナログ
信号をD/A変換器によりディジタル化してコンピュー
タCPUに入力している。アンカ・ウインチは油圧モー
タにより駆動するものであるが、当該アンカ・ウインチ
のワイヤの張力はアンカ・ウインチの油圧モータに加わ
り、油圧モータの入口/出口の差圧となって表われてく
る。そこで、この差圧を差圧発信器により計測すること
で張力を計測する。
【0053】22はアンカ・ウインチのブレーキ解放用
の電磁弁である。また、9はウインチコントローラを構
成する比例制御弁であり、この比例制御弁は油圧ウイン
チであるアンカ・ウインチの油量を調整し、ワイヤ速度
を調節している。2はバージの位置を計測・演算する転
船位置計測装置であり、コンピュータCPUにはシリア
ルインタフェースであるRS232Cインタフェースを
介して入力されている。
【0054】転船位置計測装置2としては光波測距儀等
のような、従来の位置計測装置をそのまま使用するが、
人工衛星を用いた位置計測装置を利用することもでき、
この場合、より精度の高い計測ができる。
【0055】つぎに制御システムの全体の流れを図4に
示すフローチャートを参照して説明する。装置をスター
トさせると、コンピュータCPUは、まず、張力を確定
させる操作に入る。 [張力確定のための操作]
【0056】これはバージが静止している時の各アンカ
・ウインチのワイヤの張力を張力計1にて計測すること
から始める。バージにはワイヤの張力のみが作用してい
るのではなく、潮汐や風等の外力も加わっている。この
外力とワイヤの張力のベクトル和が零となってバージが
静止している訳であるから、外力はワイヤの張力から演
算することができる。
【0057】実際の操作は次のようにして行われる。こ
れはまず始めに、各ウインチに設けられたブレーキ解放
用の電磁弁22をそれぞれ励磁し、ブレーキを解放する
ことから始める(ステップS1)。
【0058】ブレーキが解放されたことにより、ワイヤ
の張力はウインチの油圧モータに加わり、油圧モータの
入口/出口の差圧となって表われてくる。張力計1はこ
の差圧を計測することで張力を計測する。張力計1の計
測出力は、コンピュータCPUに与えることにより、当
該コンピュータCPUにて張力値に換算する。この換算
はアンカ・ウインチに使用している油圧モータに対する
工場でのキャリブレーションデータを元に行う。
【0059】各ワイヤの張力が妥当なものであるか否か
をチェックするため、各ウインチの張力値を予め設定し
た目標張力値と比較し、各ワイヤの張力が妥当なもので
なければ、張力不十分としてディスプレイに対し、オペ
レータのウインチ操作により目標張力になるように操作
すべく、その操作を促すためのメッセージを表示し、オ
ペレータの指示を待つ(ステップS2,S3,S4)。
このとき、各ウインチの現在の張力値を表示し、状態を
知らせるようにする。
【0060】オペレータはこの表示を見て、ワイヤの締
めを行うか否かを判断し、キーボードより指示をする
(S5)。この指示がワイヤ締めの指示であれば、コン
ピュータCPUはこれにより、ウインチの巻き込み操作
指令を出し、各ウインチの巻き込みを行わせる(S
9)。そして、再び、各ワイヤの張力をチェックする
(S3)。このチェックの結果、各ワイヤの張力が妥当
なものならば、ウインチの巻き込みを停止し、張力を現
在値で確定させてステップS2に戻る(S8)。
【0061】ステップS5における指示がワイヤ締め不
要であれば、コンピュータCPUは目標張力を現在の張
力値に設定し、この張力値で確定と看做してステップS
2に戻る(S6,S7)。
【0062】このようにして各ワイヤの張力をチェック
し、不足ならばオペレータの指令により調整して各ワイ
ヤの張力が妥当なものならば、これらの値を用い、現在
の各ワイヤの張力および外力のバランスの演算に移る。 [各ワイヤの張力および外力のバランスの演算]すなわ
ち、張力値が確定されたならば、コンピュータCPUは
上記の確定張力データを用いて現在の各ワイヤの張力お
よび外力のバランスの演算をする。
【0063】この演算は各ワイヤの張力および外力のバ
ランスが図5に示すような関係にあるために、式(1)
〜式(3)を用いて演算することができる。力の釣り合
いおよびモーメントの釣り合いにより、外力および外力
の作用点を推定(同定)することができる。この演算結
果は次に説明するワイヤ操作量の算出の段階において使
用する。
【0064】
【数1】 [ワイヤ操作量の算出]
【0065】一方、転船位置計測装置2からはバージの
現在位置と目標位置の座標のデータがコンピュータCP
Uに入力されている。従って、コンピュータCPUはこ
のデ−タをもとに、現在位置から目標位置への最短コー
スを設定する。これは図2における15と16を結ぶ直
線である。ここで15は現在位置のバージの中心座標、
16は目標位置のバージの中心座標である。
【0066】次にコンピュータCPUは最短コース上に
微少距離間隔、例えば、20cm毎の点を設定する。こ
れが図2の微少間隔地点18である。この18で示され
た微少距離間隔は、ウインチの性能およびバージの大き
さにより、左右されるので、後日、調整できるものとす
る。
【0067】各18の点において、バージを回転させず
に静止させ得る各アンカ・ワイヤの張力を、図5に基づ
く関係式である式(1)〜式(3)の最適解として得
る。但し、外力の大きさ、方向は先に求めたものから変
化しないことを前提としている。
【0068】このようにして各アンカ・ワイヤ11の張
力が求められ、張力が判明すれば、公知のカテナリ方程
式を用い、ワイヤの張力に見合うワイヤの長さを算出で
きる。
【0069】従って、コンピュータCPUはカテナリ方
程式を用い、ワイヤの張力に見合うワイヤの長さを算出
する。この算出されたワイヤ長と、現在のワイヤの長と
の差をワイヤ操作量として求める。現在のワイヤの長さ
は線長計5によりコンピュータCPUに入力されている
ことは云うまでもない。最短コース上の微少距離間隔で
ある18の全点それぞれについて、これらの一連の計算
を行えば、当該18の各点でのワイヤ操作量が得られ
る。 [ウインチコントローラ9に対する制御量設定]
【0070】このようにして一連の計算を終えると、コ
ンピュータCPUは次にウインチコントローラ9への制
御量を設定する。これは上述のようにして求めたワイヤ
操作量のうち、最大長さのものを最適ウインチ速度で操
作するものとし、他のウインチはこの操作時間でワイヤ
操作長さを除算した値をウインチ速度として設定すれば
良い。
【0071】このようにして、最短コース17上に符号
18で示した微少距離間隔の各点間における各アンカ・
ウインチのウインチ速度を設定したプログラムカーブが
得られる。これを図6に示す。図6では、バージに取り
付けた4台のアンカ・ウインチについて、「ウインチ
1」〜「ウインチ4」として示した。このプログラムカ
ーブに沿ってウインチコントローラ9の制御量を設定す
る。
【0072】ワイヤ張力確定後、この制御量の設定に至
る過程での上述の演算はステップS13において行われ
るが、これは張力データの確定後、つぎの手順を踏んで
から行われる。
【0073】すなわち、ステップS2において、張力デ
ータの確定が確認されたならば、各ウインチの動作状態
をチェックし(S10)、ウインチが動作中であったな
らば、動作中の表示をディスプレイに対して行い(S1
1)、所定時間待機する(S12)。そして、その後に
ステップS13に入り、上述の演算が行われる。そし
て、ステップS13による演算結果に基づいた制御量の
設定が済むと、これを用いてのウインチの制御に移る。 [ウインチの制御によるバージの移動制御]
【0074】この制御はステップS14以降において実
施される。コンピュータCPUは、まずバージ12の目
標位置14への移動に必要なワイヤ操作量が予め設定さ
れた切り替え目標値αm (ワイヤ操作量が僅かになって
きたか否かの確認のための閾値)に達したか否かをチェ
ックし(S14)、達していない場合には、各ウインチ
をそれぞれ上記プログラムカーブに従った速度で繰り出
しあるいは巻き込み操作して転船の操作を行う(通常操
船(S17))。
【0075】線長計5からはコンピュータCPUに対し
て逐次、各ウインチのワイヤ長さの計測値が入力されて
いる。従って、バージ12の目標位置14への移動に必
要なワイヤ操作量が予め設定された切り替え目標値αm
に達しない場合には(S14)、各ウインチをそれぞれ
上記プログラムカーブに従った速度で繰り出しあるいは
巻き込み操作して転船の操作を行う(通常操船(S1
7))。
【0076】バージ12の目標位置14への移動に必要
なワイヤ操作量が僅かになってくれば、コンピュータC
PUはバージ12を安定良く静止させるため、ウインチ
速度の設定を、最適ウインチ速度から最小ウインチ速度
に変える(S15)。
【0077】そして、ワイヤ操作量の残量が予め設定し
た所定の下限値βm 以下になれば、すなわち、各線長計
5から出力されている各ウインチのワイヤ長さの計測値
が目標地点間でのワイヤ操作長さに達したならば(S1
6)、バージの位置確認をし(S18〜S19)、バー
ジの位置が目標位置(目標座標位置)に達すればコンピ
ュータCPUは各ウインチのブレーキをロックし、一連
のシーケンスを終了する(S19〜S22)。
【0078】バージの位置確認をした結果(S19)、
目標位置に達していなかった場合はオペレータに指示を
仰ぎ(S20)、オペレータがキーボードより強制終了
を指示した場合にはコンピュータCPUは各ウインチの
ブレーキをロックし、一連のシーケンスを終了する(S
22)。S20において、オペレータの指示が再操作で
あったならば、ディスプレイに再操作の表示を行い(S
21)、ステップS1に戻って最初から処理をやり直
す。
【0079】以上の制御によって安定した転船作業がで
きるようになり、しかも、精度の良い砂杭を造成するこ
とができる他、最短コースを辿って転船操作を行うこと
から、転船作業の能率向上を図ることができる。
【0080】以上、第1および第2の実施例はともに、
最初にワイヤ張力の確定を行うと共に、転船のための目
標位置に至る最短コースを求め、その最短コースについ
て移動すべく、ワイヤ操作量を求め、上記張力で上記ワ
イヤ操作量分、ワイヤ操作してゆく方式であり、バージ
が回転しないような張力を以てワイヤを操作するための
ワイヤ操作量を求め、ウインチを制御すると共に、転船
中は張力と位置の測定を行わないようにしたものであっ
た。
【0081】この方式の場合、各ワイヤの張力によりバ
ージが回転しないようにするので、各ウインチをすべて
同時に制御してゆかなければならないから、各ウインチ
の制御に精密さが要求される。そこで、もう少しラフ
で、しかも、バージが回転しないように転船操作制御す
ることができるようにする実施例を第3の実施例として
説明する。 (第3の実施例)
【0082】この実施例では、バージを目標地点に移動
させるにあたって、繰り出すワイヤを、ある程度、余裕
をもって繰り出しながら転船操作制御をする。ワイヤ繰
り出し側のウインチにおいて、ワイヤをある程度、繰り
出した時のバージのモーメントを求め、キャリブレーシ
ョンによるバージの抵抗値等を考慮することにより、バ
ージが回転しないモーメント範囲を求めることができ
る。
【0083】従って、この求めたバージが回転しないモ
ーメント範囲内に見合うように、ワイヤの繰り出し、巻
き込みの量、スピード等を制御するようにすれば、バー
ジを回転させずに、速やかに、かつ、安定して移動させ
ることができる。
【0084】この実施例では、先の実施例において目標
位置への最短コースを、微小間隔で区切り、各区間につ
いてのワイヤ操作量に従ってウインチを制御すると云っ
た手法はとらず、目標位置での各ワイヤの張力、各ワイ
ヤの長さを求めて、この各ワイヤの長さに到達するよう
にワイヤ長を制御してゆき、その際、繰り出すワイヤ
は、ある程度、余裕をもって繰り出しながら転船操作制
御をする手法を採用している。そして、ワイヤを繰り出
していった際に、バージを回転させないモーメント範囲
に収まるようにしてワイヤの繰り出しを制御してゆく。
【0085】この実施例の場合、図7に示すように、バ
ージ12における4台の各アンカ・ウインチのアンカ・
ワイヤ11は、右側のものを斜め左側に延ばして張り、
左側のものを斜め右側に延ばして張る。つまり、たすき
掛けのように張る。そして、第2の実施例におけるコン
ピュータCPUの制御内容を図8のフローチャートのよ
うに変更する。図8のフローチャートは基本的には図4
のものを踏襲しているが、ステップS13の一部、およ
びステップS14からS17の部分において変更があ
る。
【0086】つまり、各ワイヤの張力をチェックし、不
足ならばオペレータの指令により調整して各ワイヤの張
力が妥当なものならば、これらの値を用い、現在の各ワ
イヤの張力および外力のバランスの演算をする点は第2
実施例と同じである(張力値の確定データを用いた現在
の各ワイヤの張力および外力のバランスの演算)。
【0087】バランスの演算は図9の関係に基づく。こ
れは先の実施例が図4に基づいているので、多少異なる
ように見えるが、先の実施例においてはアンカ・ワイヤ
の張設方向をバージから見て放射方向としたのに対し、
本実施例ではたすき掛け状とした点による。
【0088】しかし、このバランスの演算は各ワイヤの
張力および外力のバランスを図9に示す関係から式を立
てると、先に述べた式(1)〜式(3)の関係となり、
同じである。従って、式(1)〜式(3)の関係を用い
て演算することにより、力の釣り合いおよびモーメント
の釣り合いから、外力および外力の作用点を推定するこ
とができる。
【0089】そして、これと転船位置計測装置2から得
られたバージの現在位置および目標位置の座標のデータ
を用い、当該バージの現在位置から目標位置までのワイ
ヤ変化量と目標位置での張力を、カテナリ演算式により
求める。
【0090】そして、カテナリ演算式により求めたワイ
ヤ変化量で、繰り出し側となった方のワイヤを徐々に繰
り出したときのバージが回転しないモーメント範囲を求
める。
【0091】論理的には、極微少の張力変化でバージは
回転する筈であるが、実際にはある程度までは回転しな
い。この回転しない程度の範囲は、キャリブレーション
によりデ−タとして持っているものとする。よって、バ
ージが回転しないモーメント範囲(以下、これを安全モ
ーメント範囲と呼ぶ)を求めるときは、このキャリブレ
ーションデータを取り込むものとする。
【0092】転船のため、各ウインチを制御する段階
(ステップS14〜S17)ではこのようにして求めた
安全モーメント範囲内にモーメント値を持つように、ワ
イヤの張力を調節し、その張力を維持できるよう、ワイ
ヤの繰り出し、巻き込みを開始することによって、常に
安全モーメント範囲内となるようなワイヤ操作による転
船を行うようにする。但し、外力の大きさ、方向は先に
求めたものから変化しないことを前提としている。バー
ジの位置が目標位置(目標座標位置)に達した段階では
先の実施例と同様にして一連のシーケンスを終了する。
【0093】このような機能をコンピュータCPUに持
たせた第3の実施例についてその作用を説明する。な
お、以上の相違点を除けば、システム構成は第2の実施
例と同様である。
【0094】制御システムの全体の流れは図8に示すフ
ローチャートの如きであり、これを参照して説明する。
装置をスタートさせると、コンピュータCPUは、ま
ず、張力を確定させる操作に入る。 [張力確定のための操作]
【0095】これはバージが静止している時の各アンカ
・ウインチのワイヤの張力を張力計1にて計測すること
から始める。バージにはワイヤの張力のみが作用してい
るのではなく、潮汐や風等の外力も加わっている。この
外力とワイヤの張力のベクトル和が零となってバージが
静止している訳であるから、外力はワイヤの張力から演
算することができる。
【0096】実際の操作は次のようにして行われる。こ
れはまず始めに、各ウインチに設けられたブレーキ解放
用の電磁弁22をそれぞれ励磁し、ブレーキを解放する
ことから始める(ステップS1)。
【0097】ブレーキが解放されたことにより、ワイヤ
の張力はウインチの油圧モータに加わり、油圧モータの
入口/出口の差圧となって表われてくる。張力計1はこ
の差圧を計測することで張力を計測する。張力計1の計
測出力は、コンピュータCPUに与えることにより、当
該コンピュータCPUにて張力値に換算する。この換算
はアンカ・ウインチに使用している油圧モータに対する
工場でのキャリブレーションデータを元に行う。
【0098】各ワイヤの張力が妥当なものであるか否か
をチェックするため、各ウインチの張力値を予め設定し
た目標張力値と比較し、各ワイヤの張力が妥当なもので
なければ、張力不十分としてディスプレイに対し、オペ
レータのウインチ操作により目標張力になるように操作
すべく、その操作を促すためのメッセージを表示し、オ
ペレータの指示を待つ(ステップS2,S3,S4)。
このとき、各ウインチの現在の張力値を表示し、状態を
知らせるようにする。
【0099】オペレータはこの表示を見て、ワイヤの締
めを行うか否かを判断し、キーボードより指示をする
(S5)。この指示がワイヤ締めの指示であれば、コン
ピュータCPUはこれにより、ウインチの巻き込み操作
指令を出し、各ウインチの巻き込みを行わせる(S
9)。そして、再び、各ワイヤの張力をチェックする
(S3)。このチェックの結果、各ワイヤの張力が妥当
なものならば、ウインチの巻き込みを停止し、張力を現
在値で確定させてステップS2に戻る(S8)。
【0100】ステップS5における指示がワイヤ締め不
要であれば、コンピュータCPUは目標張力を現在の張
力値に設定し、この張力値で確定と看做してステップS
2に戻る(S6,S7)。
【0101】このようにして各ワイヤの張力をチェック
し、不足ならばオペレータの指令により調整して各ワイ
ヤの張力が妥当なものならば、これらの値を用い、現在
の各ワイヤの張力および外力のバランスの演算に移る。 [各ワイヤの張力および外力のバランスの演算]すなわ
ち、張力値が確定されたならば、コンピュータCPUは
上記の確定張力データを用いて現在の各ワイヤの張力お
よび外力のバランスの演算をする。
【0102】この演算は各ワイヤの張力および外力のバ
ランスが図9に示すような関係にあるために、式(1)
〜式(3)を用いて演算することができる。なお、図7
および図9において、T1 ,〜T4 は現在位置での各張
力、また、図7におけるT1´,〜T4 ´は転船中の各
張力、T1 ”,〜T4 ”は目標位置での各張力、Aは繰
り出しのモーメント、Bは巻き込みのモーメントであ
る。
【0103】力の釣り合いおよびモーメントの釣り合い
により、外力および外力の作用点を推定(同定)するこ
とができる。この演算結果は次に説明するワイヤ操作量
の算出の段階において使用する。 [ワイヤ操作量の算出]
【0104】一方、転船位置計測装置2からはバージの
現在位置と目標位置の座標のデータがコンピュータCP
Uに入力されている。そして、これと上述の外力および
外力の作用点の推定結果をもとに、現在位置から目標位
置までのワイヤ変化量と目標位置での張力を、カテナリ
演算式により求める。カテナリ演算式により求めたワイ
ヤ変化量で、繰り出し側となった方のワイヤを徐々に繰
り出したときのバージが回転しない安全モーメント範囲
を求める。
【0105】論理的には、極微少の張力変化でバージは
回転する筈であるが、実際にはある程度までは回転しな
い。この回転しない程度の範囲はキャリブレーションに
よりデ−タとして持っている。よって、このキャリブレ
ーションデータを用いて、バージが回転しない安全モー
メント範囲を求める。そして、この安全モーメント範囲
内での張力を求める。 [ウインチコントローラ9に対する制御量設定]
【0106】このようにして一連の計算を終えると、コ
ンピュータCPUはこの求めた安全モーメント範囲内に
モーメント値を持つように、各ワイヤの張力を調節すべ
く対応の制御量をウインチコントローラ9へ与える。
【0107】ワイヤ張力確定後、この制御量の設定に至
る過程での上述の演算はステップS13において行われ
るが、これは張力データの確定後、つぎの手順を踏んで
から行われる。
【0108】すなわち、ステップS2において、張力デ
ータの確定が確認されたならば、各ウインチの動作状態
をチェックし(S10)、ウインチが動作中であったな
らば、動作中の表示をディスプレイに対して行い(S1
1)、所定時間待機する(S12)。そして、その後に
ステップS13に入り、上述の演算が行われる。そし
て、ステップS13による演算結果に基づいた制御量の
設定が済むと、これを用いてのウインチの制御に移る。 [ウインチの制御によるバージの移動制御]
【0109】この制御はステップS14以降において実
施される。ウインチコントローラ9はコンピュータCP
Uからの制御量に合わせて各ウインチを制御する。そし
て、その安全モーメント範囲内での張力を保持できるよ
う、各アンカ・ウインチのワイヤの繰り出し、巻き込み
制御を行わせ、常に安全モーメント範囲内を維持するよ
うなワイヤ操作により転船してゆき、目標位置に達した
段階で先の目標位置での張力値になるようにワイヤ操作
して、制御を終了する。
【0110】具体的には、コンピュータCPUは、まず
バージ12の目標位置への移動に必要なワイヤ操作量が
予め設定された切り替え目標値αm (ワイヤ操作量が僅
かになってきたか否かの確認のための閾値)に達したか
否かをチェックし(S14)、達していない場合には、
各ウインチをそれぞれ上記求めた張力値となる巻き込み
操作(ワイヤ巻き込み側のウインチ)と、上記安全モー
メント範囲内での張力となるような繰り出し操作(ワイ
ヤ繰り出し側のウインチの繰り出し操作)をして転船の
操作を行う(通常操船(S17))。
【0111】つまり、この実施例での通常操船(S1
7)は、まず、ワイヤ繰り出しを行い、張力を調べてモ
ーメント計算を行い、その結果が安全モーメント範囲の
限界であるか否かを調べ、限界でなければワイヤ繰り出
しを行い、再び張力を調べてモーメント計算を行い、そ
の結果が安全モーメント範囲の限界であるか否かを調べ
る云ったことを行い、モーメント計算の結果が安全モー
メント範囲の限界であれば、ワイヤを巻き込み、各張力
を計測し、モーメント計算を行い、このモーメント計算
結果が安全モーメント範囲内でなければワイヤを巻き込
み、各張力の計測、これを用いてのモーメント計算実
施、このモーメント計算結果が安全モーメント範囲内で
あるか否かのチェックと云った処理を繰り返し、安全モ
ーメント範囲内に入った段階で、S14の処理に戻ると
云ったことを行う。
【0112】線長計5からはコンピュータCPUに対し
て逐次、各ウインチのワイヤ長さの計測値が入力されて
いる。従って、バージ12の目標位置への移動に必要な
ワイヤ操作量が予め設定された切り替え目標値αm に達
しない場合には(S14)、各ウインチをそれぞれ上記
張力値になるように繰り出しあるいは巻き込み操作して
転船の操作を行うのが通常操船である。
【0113】この結果、バージの移動途中(図7に符号
14で示す位置など)では、図7に符号13で示すよう
に、ワイヤ繰り出し側のウインチのワイヤは緩み、ワイ
ヤ巻き込み側のウインチのワイヤはピンと張った状態で
バージは目標位置に向かい移動されることになる。
【0114】バージ12の目標位置への移動に必要なワ
イヤ操作量が僅かになってくれば、コンピュータCPU
はバージ12を安定良く静止させるため、モーメントが
零になるように各ウインチを制御する(S15)。つま
り、バージ12の目標位置への移動に必要なワイヤ操作
量が予め設定された切り替え目標値αm に達した場合に
は(S14)、ワイヤ巻き込み側ではワイヤの繰り出し
を行い、ワイヤの繰り出し側ではワイヤの巻き込みを行
い、次に張力を計測し、これを用いてモーメントを計算
する。そして、計算値がほぼ零であるか否かを調べ、ほ
ぼ零でなければワイヤ巻き込み側ではワイヤの繰り出し
を行い、ワイヤの繰り出し側ではワイヤの巻き込みを行
い、次に張力を計測し、これを用いてモーメントを計算
し、この計算値がほぼ零であるか否かのチェックを行う
と云った処理を繰り返す。計算値(モーメント計算値)
がほぼ零であったならば、S16に移る。以上が第3実
施例でのS15での処理の詳細である。
【0115】S16での処理は先の実施例と同じであ
り、ワイヤ操作量の残量が予め設定した所定の下限値β
m に達したか否かを調べる。その結果、下限値βm 以上
であればS15での処理に戻り、下限値βm 以下であれ
ば、すなわち、各線長計5から出力されている各ウイン
チのワイヤ長さの計測値が目標地点間でのワイヤ操作長
さに達したならば(S16)、バージの位置確認をし
(S18〜S19)、バージの位置が目標位置(目標座
標位置)に達すればコンピュータCPUは各ウインチの
ブレーキをロックし、一連のシーケンスを終了する(S
19〜S22)。
【0116】バージの位置確認をした結果(S19)、
目標位置に達していなかった場合はオペレータに指示を
仰ぎ(S20)、オペレータがキーボードより強制終了
を指示した場合にはコンピュータCPUは各ウインチの
ブレーキをロックし、一連のシーケンスを終了する(S
22)。S20において、オペレータの指示が再操作で
あったならば、ディスプレイに再操作の表示を行い(S
21)、ステップS1に戻って最初から処理をやり直
す。
【0117】動作を纏めると、第3の実施例は、バージ
が静止(モーメントがバランスしている状態)している
時の各アンカ・ウインチの各ワイヤの張力を、各アンカ
・ウインチ毎に、それぞれの張力計にて計測すると共
に、転船位置計測装置から目標位置の座標より目標位置
での張力、ワイヤ長をカテナリ演算式より算出し、目標
位置への移動において、各アンカ・ウインチのうち、ワ
イヤの繰り出し側となっているウインチについて、ワイ
ヤを繰り出していった際のバージが回転しないモーメン
ト範囲である安全モーメント範囲を求め、求めた安全モ
ーメント範囲内にモーメント値が存在するように、繰り
出し/巻き込み量を算出して制御に供する。このように
して求めた各ウインチに対するワイヤ操作量は、ウイン
チの特性に見合ったウインチ速度にしてウインチのコン
トロールに使用する。
【0118】このようにして、安全モーメント範囲内に
モーメント値を持つように、ワイヤの張力を調節し、そ
の張力を保持できるよう、ワイヤの繰り出し、巻き込み
を開始し、常に安全モーメント範囲内のワイヤ操作によ
り転船してゆき、目標位置へのワイヤ操作量が僅かにな
ってきたときは、バージを安定良く静止させるため、ウ
インチ速度の設定を、最適ウインチ速度から最小ウイン
チ速度に変える。但し、速度設定変更点および最適速度
はウインチの性能やバージの大きさにより左右されるの
で、後日、調整できるようにする。線長計からのワイヤ
長さが目標地点間でのワイヤ操作長さに達すれば、一連
のシーケンスを終了すると云った動作となる。
【0119】以上、第3の実施例は安全モーメント範囲
内にモーメント値を持つように、各ワイヤの張力を調節
し、その張力を保持できるよう、各アンカ・ウインチの
ワイヤの繰り出し、巻き込み制御を開始し、常に安全モ
ーメント範囲内のワイヤ操作により転船してゆくもので
ある。
【0120】そして、このように、繰り出し側のウイン
チのワイヤを安全モーメントの範囲内での張力になるよ
うに制御し、巻き込み側のウインチは所定張力となるよ
うに制御することで、ワイヤ繰り出し側のウインチは余
裕をもった制御が可能となり、しかも、安定した転船作
業ができるようになる他、最初に現在位置と目標位置の
測定を行って得た座標を用い、目標位置に移動するよう
にしたから、途中段階での自船位置測定を繰り返す従来
手法に比べ、誤差の蓄積がないため、比較的精度の低い
位置測定装置を用いていても、従来に比べて精度の良い
砂杭を造成することができる他、比較的ラフなワイヤ張
力制御で転船を行うことができ、従って、システムを安
価に構築できる。
【0121】特に、張力を計測しながら制御する場合、
巻き込み、繰り出し中のワイヤ張力は脈動が激しく、ワ
イヤの張力を正しく計測することは困難であるため、問
題となることが多いが、この実施例ではワイヤ繰り出し
側のウインチは余裕をもった制御を可能とするために、
張力の脈動は少なくなるばかりでなく、厳密な測定値が
得られなくとも、安全な転船操作が可能となる。
【0122】なお、本発明上述した実施例に限定される
ものではなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形
して実施し得る。例えば、上記実施例ではバージに4点
アンカ・ワイヤを張る構成としたが、3点あるいはそれ
以上でも実施可能である。
【0123】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明によれ
ば、精度良く、しかも、安全かつ短時間に自動転船操作
することができるようになる水上浮動体の自動転船装置
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を説明するための図であ
って、全体構成を示すブロック図。
【図2】バージの転船作業の説明をするための図。
【図3】本発明の第2の実施例を示すブロック図。
【図4】本発明の第2の実施例における転船制御システ
ムのフローチャート。
【図5】バージが静止している時の力のバランスを示す
図。
【図6】ウインチ操作量プログラムのカーブを示す図。
【図7】本発明の第3の実施例におけるバージの転船作
業の説明をするための図。
【図8】本発明の第3の実施例における転船制御システ
ムのフローチャート。
【図9】本発明の第3の実施例でのバージが静止してい
る時の力のバランスを示す図。
【符号の説明】
1…張力計 2…転船位置計測装置 3…モーメント演算器 4…ワイヤ繰り出し巻き込み量演算器 5…ワイヤの線長計 6…バージの回転角速度計 7…バージのモデル適応制御部 8…ウインチ操作信号発生器 9…ウインチコントローラ 10…アンカ 11…ウインチワイヤ 12…バージ 13…ウインチワイヤ 14…バージ12の転船位置 19…コンピュータ(汎用パソコン) 21…CRTディスプレイ 22…ブレーキ解放弁

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水上浮動体の複数点にウインチを設け、
    これらウインチのワイヤ端部位置を当該水上浮動体の移
    動範囲に置いて、各ウインチの巻き込み、繰り出し制御
    により各ウインチのワイヤの長さを変えることにより、
    当該水上浮動体を目標位置に移動させる転船装置とし
    て、 水上浮動体の現在位置と移動先の目標位置の測定する測
    定手段と、 この測定手段により得られた現在位置と目標位置の情報
    をもとに、現在位置から目標位置への最短コースを設定
    すると共にこの最短コースを複数の区間に区分けする機
    能、上記最短コースでの移動に際しての各区間での必要
    な各ワイヤの張力を演算する機能とを有する演算手段
    と、 この演算手段により求められた各ワイヤの張力より、各
    ウインチのワイヤの操作量を算出する操作量算出手段
    と、 この算出された操作量対応に各ウインチを制御する制御
    手段と、よりなる水上浮動体の自動位置転船装置。
  2. 【請求項2】 水上浮動体の複数点にウインチを設け、
    これらウインチのワイヤ端部位置を当該水上浮動体の移
    動範囲に置いて、各ウインチの巻き込み、繰り出し制御
    により各ウインチのワイヤの長さを変えることにより、
    当該水上浮動体を目標位置に移動させる転船装置とし
    て、 水上浮動体の現在位置と移動先の目標位置の測定する測
    定手段と、 この測定手段により得られた現在位置と目標位置の情報
    をもとに、現在位置から目標位置までのワイヤ変化量と
    目標位置での張力を演算する機能、ワイヤ変化量が繰り
    出しとなった方のウインチのワイヤを徐々に繰り出した
    ときにおける水上浮動体が回転を起こさない安全モーメ
    ント範囲を求める機能とを有する演算手段と、 各ワイヤの張力を計測する張力計測手段と、 この張力計測手段により計測された各ワイヤの張力値を
    用い、モーメントを求める手段と、 上記演算手段により求められた各ワイヤの張力より、各
    ウインチのワイヤの操作量を算出する操作量算出手段
    と、 この算出された操作量対応に巻き取り側の各ウインチを
    制御すると共に、繰り出し側の各ウインチに対しては上
    記モーメントが上記安全モーメント範囲となるよう制御
    する制御手段と、よりなる水上浮動体の自動位置転船装
    置。
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