JP3238594U - 施工管理システム - Google Patents

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高史 大出
錬 菊地
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Abstract

【課題】シート敷設工法に使用される施工管理システムにおいて、熟練した技能を要することなく、施工精度を確保することが可能な施工管理システムを提供する。【解決手段】シート敷設機11の方位が護岸法線Lに対して平行な方位からずれると、ウィンチ27のサーボモータとウィンチ28のサーボモータとを適宜個別に制御して、シート敷設機11の方位のずれに応じて、シート敷設機11の長手方向一側又は他側に繋索したロープ25及びロープ26を巻き取ることにより、当該シート敷設機11の方位のずれ(ヨー角の変位)をキャンセルするように施工管理システム1を構成した。これにより、シート敷設機11を護岸法線Lに対して平行に維持することが可能であり、熟練した技能を要することなく、シート敷設工法におけるシート15の施工精度を確保することができる。【選択図】図3

Description

本考案は、施工管理システムに関し、例えば、捨石を積み上げて築造した基礎マウンドに防砂シートを敷設するシート敷設工法で使用される施工管理システムに関する。
特許文献1には、捨石を積み上げて築造した基礎マウンドにロール状の防砂シート(以下「シート」と称する)を敷設するシート敷設工法が開示されている。特許文献1に記載されたシート敷設工法(以下「従来のシート敷設工法」と称する)では、GPS測位により求めた作業船12の現在位置、及び音響測位により求めた作業船12と吊具11(シート敷設機)との相対位置から吊具11の位置(絶対位置)、即ちシートロール10の位置を検出する位置出し手段を用いている。作業船12は、ケーソン3に一端を固定したロープ15の他端をウィンチ16で巻き取ることにより、その位置(向き)を任意に変更することができる。
特開平9-165732号公報
従来のシート敷設工法では、施工中、シート敷設機を揚重するクレーンの起伏やクレーンが設置された作業船の移動(シフト)等でシート敷設機の挙動が乱れて、シート敷設機が護岸法線に対して平行な方位(向き)からずれると、その都度、ウィンチを手動操作して作業船の位置(向き)、即ちシート敷設機の位置(向き)を調整していたため、シートの施工精度を確保するには熟練した技能を要していた。
本考案の課題は、シート敷設工法に使用される施工管理システムにおいて、熟練した技能を必要とすることなく施工精度を確保することが可能な施工管理システムを提供することにある。
前記課題を解決するため、本考案は、ロール状のシートを軸支したシート敷設機を作業船に設置されたクレーンにより揚重し、前記シート敷設機から繰り出されたシートを水中に築造された基礎マウンドに敷設するシート敷設工法に用いられる施工管理システムであって、前記シート敷設機に設けられ、前記シート敷設機の方位を測定する方位測定装置と、前記作業船に設けられ、前記シート敷設機の長手方向一側に繋索された第1ロープを巻き取る第1巻取装置と、前記作業船に設けられ、前記シート敷設機の長手方向他側に繋索された第2ロープを巻き取る第2巻取装置と、前記方位測定装置の測定結果に基づき前記第1巻取装置及び前記第2巻取装置による第1ロープ及び第2ロープの巻取量を制御することにより、前記シート敷設機を護岸法線に対して平行な方位に維持する制御装置と、を備えることを特徴とする。
本考案によれば、シート敷設工法における施工精度を確保することができる。
本実施形態に係る施工管理システムが適用されたシート敷設工法の概念図である。 本実施形態に係る施工管理システムのブロック図である。 本実施形態の説明図であって、護岸法線とシート敷設機との位置関係を示す図である。
本考案の一実施形態を添付した図を参照して説明する。
図1に示されるように、本実施形態に係る施工管理システム1は、ロール状のシート15を軸支したシート敷設機11を作業船21(起重機船)に設置されたクレーン22により揚重し、シート敷設機11から繰り出されたシート15を水中に築造された基礎マウンド32に敷設するシート敷設工法に適用される。
ここで、シート敷設機11は、長尺の本体フレーム12を有する既存のシート敷設機(例えば「特許文献1」に記載の「シート敷設装置」参照)が使用される。よって、明細書の記載を簡潔にすることを目的に、シート敷設機11に係る詳細な説明を省略する。また、シート15は、多重織高伸度織布からなる防砂シートが適用される。シート15には、錘として格子状に配置された金属製のチェーン16が設けられる。さらに、施工管理システム1は、既存の施工管理システムの機能に、シート敷設機11を護岸法線L(図3参照)に対して平行に維持する機能を付加したものである。
図1又は図2に示されるように、施工管理システム1は、作業船21に設置された制御装置2を有する。施工管理システム1は、水平方向に間隔をあけて作業船21に設置された2基のGNSS測位装置3,4を有する。制御装置2は、GNSS測位装置3,4から出力された位置情報(位置信号)に基づき作業船21の位置及び方位を算出し、その算出結果をディスプレイ5に出力する。
施工管理システム1は、クレーン22のジブ23の先端部に設けられたGNSS測位装置6を有する。GNSS測位装置6は、クレーン22のフック24の重心位置、延いてはシート敷設機11の長手方向中心位置に対して同一鉛直線上に配置される。制御装置2は、GNSS測位装置6から出力された位置情報(位置信号)に基づきシート敷設機11の中心位置、延いてはシート敷設機11に軸支されたロール状のシート15の幅方向中心位置(シート中央座標)を算出し、その算出結果をディスプレイ5に出力する。
なお、GNSS測位装置3,4,6は、GNSSアンテナ、及びGNSSアンテナが受信した信号から位置情報を生成する測位ユニット(図示省略)を含む。また、GNSS測位は、RTK(Real Time Kinematic)-GNSS測位を適用する。さらに、RTK-GNSS測位は、固定局を設置したRTK方式或いはVRS(Virtual Reference Station)、RRS(Real Reference Station)等のネットワーク型RTK方式を適用する。
施工管理システム1は、USBL(Ultra Short Base Line)方式の音響測位装置7を有する。音響測位装置7は、作業船21に取り付けられたトランシーバ8(送受波器)、及びシート敷設機11の本体フレーム12の一端に取り付けられたトランスポンダ9を含む。
施工管理システム1は、シート敷設機11に取り付けられたジャイロコンパス10(方位測定装置)を有する。制御装置2は、GNSS測位装置6から出力されたシート敷設機11の絶対位置情報及び音響測位装置7から出力されたシート敷設機11の相対位置情報、並びにジャイロコンパス10から出力されたシート敷設機11の方位情報(方位信号)等のシステムデータに基づきシート敷設機11の位置及び方位(ヨー角)を算出し、その算出結果をディスプレイ5に出力する。
図1又は図3に示されるように、シート敷設機11の一側(図3における左側)には、ロープ25(第1ロープ)が繋索される。ロープ25は、作業船21の後部の一側に設置されたウィンチ27(第1巻取手段)のドラム(図示省略)に巻き取られる。ウィンチ27は、ドラムを回転駆動するサーボモータ29を有する。他方、シート敷設機11の他側(図3における右側)には、ロープ26(第2ロープ)が繋索される。ロープ26は、作業船21の後部の他側に設置されたウィンチ28(第2巻取手段)のドラム(図示省略)に巻き取られる。ウィンチ28は、ドラムを回転駆動するサーボモータ30を有する。
制御装置2は、ジャイロコンパス10により測定されたシート敷設機11の方位(ヨー角)に基づき、ウィンチ27のサーボモータ29とウィンチ28のサーボモータ30とを適宜個別に制御することにより、シート敷設機11の方位を護岸法線L(シート敷設計画法線L、図3参照)に対して平行に維持する。
次に、施工管理システム1を使用したシート敷設工法を説明する。
制御装置2は、予め測定された護岸31及び基礎マウンド32の位置及び方位に基づき護岸31及び基礎マウンド32の画像(図示省略)を生成し、生成された護岸31及び基礎マウンド32の画像をディスプレイ5に表示する。他方、制御装置2は、GNSS測位により得られた作業船21の位置及び方位に基づき作業船21の画像(図示省略)を生成し、生成された作業船21の画像をディスプレイ5に表示する。
一方、クレーン22のオペレータ(以下「オペレータ」と称する)は、台船(図示省略)によって運搬されたシート敷設機11をクレーン22により揚重し、シート敷設機11をシート15の敷設開始位置まで移動させる。次に、シート敷設機11からシート15を引き出し、その端部を固定材(石かご)によって基礎マウンド32の天端33(図3参照)に固定する。
次に、クレーン22を操作してシート敷設機11を基礎マウンド32の法面に沿って移動させる。これにより、シート敷設機11から繰り出されたシート15が基礎マウンド32に敷設される。このとき、制御装置2は、ジャイロコンパス10(方位測定装置)により測定されたシート敷設機11の方位(ヨー角)に基づきウィンチ27のサーボモータ29とウィンチ28のサーボモータ30とを適宜個別に制御することにより、シート敷設機11の向きを護岸法線L(図3参照)に対して平行に維持する。
ここで、制御装置2は、シート敷設機11が、護岸法線Lに対して平行な状態から当該シート敷設機11の回転軸A(図3参照)を中心に時計回り方向へ回転した場合、換言すれば、シート敷設機11の方位が、護岸法線Lに平行な方位に対して回転軸Aを中心に時計回り方向へずれると、サーボモータ29を作動させてウィンチ27のドラムに方位のずれ(ヨー角の変位)に応じた長さ分のロープ25を巻き取る。これにより、シート敷設機11は、回転軸Aを中心に反時計回り方向へ回転し、方位のずれ(ヨー角の変位)がキャンセルされる。なお、シート敷設機11の回転軸Aは、GNSS測位装置6の位置情報に基づき算出されたシート敷設機11の中心位置と水平面座標が同一である。
一方、制御装置2は、シート敷設機11が、護岸法線Lに対して平行な状態から回転軸Aを中心に反時計回り方向へ回転した場合、換言すれば、シート敷設機11の方位が、護岸法線Lに平行な方位に対して回転軸Aを中心に反時計回り方向へずれると、サーボモータ30を作動させてウィンチ28のドラムに方位のずれ(ヨー角の変位)に応じた長さ分のロープ26を巻き取る。これにより、シート敷設機11は、回転軸Aを中心に時計回り方向へ回転し、方位のずれ(ヨー角の変位)がキャンセルされる。
ところで、従来のシート敷設工法では、施工中、シート敷設機を揚重するクレーンの起伏やクレーンが設置された作業船の移動(シフト)等でシート敷設機の挙動が乱れて、シート敷設機が護岸法線に対して平行な方位(向き)からずれると、その都度、ウィンチを手動操作して作業船の位置(向き)、即ちシート敷設機の位置(向き)を調整していたため、シートの施工精度を確保するには熟練した技能を要していた。
これに対し、本実施形態では、シート敷設機11の方位が護岸法線Lに対して平行な方位からずれると、ウィンチ27のサーボモータ29とウィンチ28のサーボモータ30とを適宜個別に制御して、シート敷設機11の方位のずれに応じて、シート敷設機11の長手方向一側又は他側に繋索したロープ25及びロープ26を巻き取ることにより、当該シート敷設機11の方位のずれ(ヨー角の変位)をキャンセルするように施工管理システム1を構成した。
本実施形態によれば、シート敷設機11を護岸法線Lに対して平行に維持することが可能であり、熟練した技能を要することなく、シート敷設工法におけるシート15の施工精度を確保することができる。さらに、本実施形態では、シート敷設工法におけるシート15の施工を能率化することができる。
1 施工管理システム、2 制御装置、10 ジャイロコンパス(方位測定装置)、
11 シート敷設機、15 シート、21 作業船、22 クレーン、25 ロープ(第1ロープ)、26 ロープ(第2ロープ)、27 ウィンチ(第1巻取装置)、28 ウィンチ(第2巻取装置)、32 基礎マウンド

Claims (3)

  1. ロール状のシートを軸支したシート敷設機を作業船に設置されたクレーンにより揚重し、前記シート敷設機から繰り出されたシートを水中に築造された基礎マウンドに敷設するシート敷設工法に用いられる施工管理システムであって、
    前記シート敷設機に設けられ、前記シート敷設機の方位を測定する方位測定装置と、
    前記作業船に設けられ、前記シート敷設機の長手方向一側に繋索された第1ロープを巻き取る第1巻取装置と、
    前記作業船に設けられ、前記シート敷設機の長手方向他側に繋索された第2ロープを巻き取る第2巻取装置と、
    前記方位測定装置の測定結果に基づき前記第1巻取装置及び前記第2巻取装置による第1ロープ及び第2ロープの巻取量を制御することにより、前記シート敷設機を護岸法線に対して平行な方位に維持する制御装置と、
    を備えることを特徴とする施工管理システム。
  2. 請求項1に記載の施工管理システムであって、
    前記第1巻取装置及び前記第2巻取装置は、ドラムを回転駆動するサーボモータを有する電動ウィンチであることを特徴とする施工管理システム。
  3. 請求項1に記載の施工管理システムであって、
    前記方位測定装置は、ジャイロコンパスであることを特徴とする施工管理システム。
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