JPH0626288Y2 - 磁気予防具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、磁気予防具、特に脳
血栓などの予防に有効な磁気予防具に関する。

【０００２】

【従来の技術】磁気が血液の粘稠度を下げることはよく
知られており、これを利用した予防具、治療具が種々市
販されている。

【０００３】その典型的なものに、粘着剤を塗布したシ
ートに小形の磁石を固定し、粘着剤によって例えば肩に
貼り付け、肩こりの治療に使用するものがある。

【０００４】しかし、その使用目的からして、磁石を小
形化せざるを得ず、広範囲に治療効果を及ぼすことがで
きない。

【０００５】また、実願昭５２−９４４７９号のマイク
ロフィルムには、半円形状に弯曲した弾性材より成るバ
ンド内に永久磁石を取り付けた磁気ヘアーバンドが開示
されている。しかしながらこのバンドは長さを調節でき
ないので、頭にぴったりとフィットさせることができな
い。さらに、磁石の着脱が容易でなく、磁石の性能低下
時に簡単に取り換えることができない。

【０００６】さらにまた、特公昭４５−２２３８号公報
には、頭の周囲に合せて径を調節できるようにした尾錠
を有する健脳バンドが開示されているが、操作が面倒で
特に硬質の弾性部材には直接適用することができない。

【０００７】

【考案の課題】そこで、この考案の課題は、頸動脈の部
分に着脱自在に当接することができ、サイズの調節も簡
単で、磁石も容易に着脱可能にした磁気予防具を提供す
ることである。

【０００８】

【課題の解決手段】上記の課題を解決するため、この考
案は、全体として欠円状をなす弾性部材の両端部に磁石
を対向して取り付けた予防具において、前記弾性部材は
２個の部材より成り、各部材の内端部を互に重複させて
バックル内にスライド可能に圧入して長さ調節可能と
し、前記磁石は内周に突起を有する容器内に収納され、
前記突起によって着脱自在に係止されている構成を採用
したのである。

【０００９】

【作用】欠円状弾性部材の両端を開いて、人体の首の周
囲に嵌合し、磁石を頸動脈の部分に対応させて開いた両
端を放すと、弾性部材の弾性によって、磁石が頸動脈の
部分に圧接し、その状態が保持される。

【００１０】また、バックルに対して弾性部材をスライ
ドさせることによって首回りのサイズに合せることがで
きる。

【００１１】さらに、磁石の性能が劣化すると、容器内
の突起から磁石を外して取り換えることができる。

【００１２】

【実施例】以下、この考案の実施例を添付図面に基づい
て説明する。

【００１３】図１に示すように、この考案の磁気予防具
Ａは、不連続環状弾性部材１の両端部に、１０００〜５
０００ガウス程度の磁石２、２を対向して取り付けたも
のである。

【００１４】前記弾性部材１は、ばね鋼、弾性を有する
合成樹脂等の板状体、棒状体より成り、全体としてほぼ
欠円状になっているが必ずしも真円である必要はなく、
楕円状等であってもよい。そして、環状部材１の大きさ
は調節可能になっている。その手段として、図２及び図
３に示すように、合成樹脂より成るバックル３の貫通孔
４内に、板状弾性部材１、１を重ね合せて軽く圧入し、
力を加えると弾性部材１、１がバックル３に対してスラ
イドするが、所定位置では摩擦力によってその位置を保
持することができるようになっている。なお、この保持
力を高めるため、図１に示すように、一対のバックル
３、３を弾性部材１、１の重ね合された端部に取り付け
ておくのが好ましい。

【００１５】また、弾性部材１が棒状ないしワイヤ状の
場合は、図４に示すように、貫通孔４の形状をそれに合
せて形成すればよい。

【００１６】次に、前記磁石２を弾性部材１に取り付け
る手段を図５に示す。図示のように、半硬質合成樹脂か
ら成る容器５の開口部内周には、低い突起６が形成され
ており、容器５の弾性を利用して磁石２を圧入すると前
記突起６によって係止される。磁石２を取り出すには、
容器５の周壁が拡がるように、底壁９をへの字形にわん
曲させればよい。

【００１７】前記容器５の底壁９には、凸部７が設けら
れており、この凸部７には、弾性部材１を軽く圧入でき
る貫通孔８が設けられている。そして、力を加えると容
器５を弾性部材１に沿って移動させることができるが、
任意個所で力を抜くと、摩擦力によってその位置を保持
できるようになっている。

【００１８】勿論、磁石の位置調節手段は、上記に限ら
ない。例えば、弾性部材１の長さ方向にスリットを設
け、容器５の底壁９にねじ孔を設けて、前記スリットを
通して止めねじを前記ねじ孔にねじ込んで任意の個所で
位置決めできるようにしておいてもよい。

【００１９】

【効果】この考案によれば、以上のように、環の大きさ
を調節可能にした環状弾性部材の両端部に磁石を取り付
けたので、それぞれの人体の首回りに合せて磁石を着脱
自在に当接することができ、頸動脈の部分に当てがうと
血液の粘稠度を低下させることができるため脳血栓等の
予防に役立ち、かつ任意の時間に任意の場所で使用でき
るので非常に便利である。

【００２０】さらに、磁石を一挙動で着脱可能にしたの
で、取り換えも容易である。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の予防具の一実施例を示す平面図

【図２】同上の環状弾性部材の大きさ調節部分を示す一
部拡大縦断面図

【図３】同上の横断面図

【図４】同上の他の例を示す横断面図

【図５】磁石の取り付け機構を示す縦断面図

【符号の説明】

Ａ 磁気予防具 １ 環状弾性部材 ２ 磁石 ３ バックル ４ 貫通孔 ５ 容器 ６ 突起 ７ 凸部 ８ 貫通孔

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 全体として欠円状をなす弾性部材の両端
   部に磁石を対向して取り付けた予防具において、前記弾
   性部材は２個の部材より成り、各部材の内端部を重視さ
   せてバックル内にスライド可能に圧入して長さ調節可能
   とし、前記磁石は内周に突起を有する容器内に収納さ
   れ、前記突起によって着脱自在に係止されていることを
   特徴とする磁気予防具。