JPH06262713A - 合成樹脂複合体 - Google Patents
合成樹脂複合体Info
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- JPH06262713A JPH06262713A JP5056092A JP5609293A JPH06262713A JP H06262713 A JPH06262713 A JP H06262713A JP 5056092 A JP5056092 A JP 5056092A JP 5609293 A JP5609293 A JP 5609293A JP H06262713 A JPH06262713 A JP H06262713A
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- composite
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- styrene resin
- styrene
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 複合スチレン系樹脂成形体とウレタン発泡体
から構成され、スチレン系樹脂成形体に環境応力亀裂破
壊の起き難い、断熱材、制振材、遮音剤等に好適な合成
樹脂複合体を得る。 【構成】 スチレン系樹脂100重量部にアクリルゴム
0.1〜100重量部を混合した複合スチレン系樹脂か
らなる成形体と、ウレタン発泡体からなる合成樹脂複合
体。
から構成され、スチレン系樹脂成形体に環境応力亀裂破
壊の起き難い、断熱材、制振材、遮音剤等に好適な合成
樹脂複合体を得る。 【構成】 スチレン系樹脂100重量部にアクリルゴム
0.1〜100重量部を混合した複合スチレン系樹脂か
らなる成形体と、ウレタン発泡体からなる合成樹脂複合
体。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスチレン系樹脂成形体と
ウレタン発泡体からなる合成樹脂複合体に関する。更に
具体的には、特定量のアクリルゴムを含有する複合スチ
レン系樹脂からなる成形体とウレタン発泡体とからな
り、複合スチレン系樹脂成形体の耐環境応力亀裂性に優
れ、断熱性、制振性、遮音性を有する合成樹脂複合体に
関する。
ウレタン発泡体からなる合成樹脂複合体に関する。更に
具体的には、特定量のアクリルゴムを含有する複合スチ
レン系樹脂からなる成形体とウレタン発泡体とからな
り、複合スチレン系樹脂成形体の耐環境応力亀裂性に優
れ、断熱性、制振性、遮音性を有する合成樹脂複合体に
関する。
【0002】
【従来の技術】スチレン系樹脂成形体とウレタン発泡体
とからなる、合成樹脂複合体は公知であり、たとえば断
熱材として家庭用冷蔵庫等に汎用されている。このよう
な合成樹脂複合体はスチレン系樹脂成形体の存在下で、
ポリイソシアネート、ポリオールおよび発泡剤を主成分
とする混合物を反応させて製造され、発泡剤としてフル
オロカーボン即ちフロンが汎用される。
とからなる、合成樹脂複合体は公知であり、たとえば断
熱材として家庭用冷蔵庫等に汎用されている。このよう
な合成樹脂複合体はスチレン系樹脂成形体の存在下で、
ポリイソシアネート、ポリオールおよび発泡剤を主成分
とする混合物を反応させて製造され、発泡剤としてフル
オロカーボン即ちフロンが汎用される。
【0003】しかしながら、このようにして得られた合
成樹脂複合体では、スチレン系樹脂成形体に環境応力亀
裂現象に伴う割れが発生する場合がある。原因はウレタ
ンの発泡剤として使用されるフロンが、製造工程中にス
チレン系樹脂成形体に加えられた引張応力とあいまっ
て、環境応力亀裂破壊を引き起こすものと考えられてい
る。
成樹脂複合体では、スチレン系樹脂成形体に環境応力亀
裂現象に伴う割れが発生する場合がある。原因はウレタ
ンの発泡剤として使用されるフロンが、製造工程中にス
チレン系樹脂成形体に加えられた引張応力とあいまっ
て、環境応力亀裂破壊を引き起こすものと考えられてい
る。
【0004】ところで現在発泡剤として使用されている
フロン11等の特定フロンは、温室効果原因物質あるい
はオゾン層破壊原因物質としての疑義が指摘され、地球
環境保護の視点から製造の中止が計画されており、環境
破壊の可能性のより少ない代替フロンの使用が計画され
ている。ところが発泡剤として使用が予定されている代
替フロンであるフロン141bは、フロン11に比べて
スチレン系樹脂成形体の環境応力亀裂破壊に及ぼす影響
がより大きく、従ってフロン141bを発泡剤として使
用して製造された合成樹脂複合体であっては、フロン1
1を用いた合成樹脂複合体に比べて、スチレン系樹脂成
形体に割れが発生する可能性が高い。
フロン11等の特定フロンは、温室効果原因物質あるい
はオゾン層破壊原因物質としての疑義が指摘され、地球
環境保護の視点から製造の中止が計画されており、環境
破壊の可能性のより少ない代替フロンの使用が計画され
ている。ところが発泡剤として使用が予定されている代
替フロンであるフロン141bは、フロン11に比べて
スチレン系樹脂成形体の環境応力亀裂破壊に及ぼす影響
がより大きく、従ってフロン141bを発泡剤として使
用して製造された合成樹脂複合体であっては、フロン1
1を用いた合成樹脂複合体に比べて、スチレン系樹脂成
形体に割れが発生する可能性が高い。
【0005】フロンによる環境応力亀裂破壊を防止する
目的で、合成樹脂複合体を構成するスチレン系樹脂成形
体の肉厚を厚くする、あるいはスチレン系樹脂複合体と
ウレタン発泡体との界面にポリエチレンフィルム層を介
する等の方策が考えられるが、経済性に劣るため、耐環
境応力亀裂特性の改良されたスチレン系樹脂を用いた合
成樹脂複合体の開発が望まれている。
目的で、合成樹脂複合体を構成するスチレン系樹脂成形
体の肉厚を厚くする、あるいはスチレン系樹脂複合体と
ウレタン発泡体との界面にポリエチレンフィルム層を介
する等の方策が考えられるが、経済性に劣るため、耐環
境応力亀裂特性の改良されたスチレン系樹脂を用いた合
成樹脂複合体の開発が望まれている。
【0006】合成樹脂複合体の環境応力亀裂性を改善す
る目的で、使用されるスチレン系樹脂の分子量を増大す
る、アクリロニトリル等の極性単量体を共重合する、あ
るいは極性単量体の共重合量を増加する方策は公知であ
るが、これらの方法はスチレン系樹脂の成形加工性の低
下を伴うばかりでなく、耐環境応力亀裂性の改良効果は
不充分であった。
る目的で、使用されるスチレン系樹脂の分子量を増大す
る、アクリロニトリル等の極性単量体を共重合する、あ
るいは極性単量体の共重合量を増加する方策は公知であ
るが、これらの方法はスチレン系樹脂の成形加工性の低
下を伴うばかりでなく、耐環境応力亀裂性の改良効果は
不充分であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの問
題点を解消するために、スチレン系樹脂成形体とウレタ
ン発泡体とからなる合成樹脂複合体において、スチレン
系樹脂成形体の成形加工性を低下させることなく、耐環
境応力亀裂性を改善し、かつ経済的にも優位な合成樹脂
複合体を特定の複合スチレン系樹脂を用いることによっ
て提供するものである。
題点を解消するために、スチレン系樹脂成形体とウレタ
ン発泡体とからなる合成樹脂複合体において、スチレン
系樹脂成形体の成形加工性を低下させることなく、耐環
境応力亀裂性を改善し、かつ経済的にも優位な合成樹脂
複合体を特定の複合スチレン系樹脂を用いることによっ
て提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明はアクリルゴムを
混合してなる複合スチレン系樹脂がフロンに対する耐環
境応力亀裂性に優れるという発見に基づいて行われてお
り、スチレン系樹脂100重量部にアクリルゴム0.1
〜100重量部を混合してなる複合スチレン系樹脂の成
形体とウレタン発泡体からなる合成樹脂複合体である。
混合してなる複合スチレン系樹脂がフロンに対する耐環
境応力亀裂性に優れるという発見に基づいて行われてお
り、スチレン系樹脂100重量部にアクリルゴム0.1
〜100重量部を混合してなる複合スチレン系樹脂の成
形体とウレタン発泡体からなる合成樹脂複合体である。
【0009】本発明の複合スチレン系樹脂に用いられる
スチレン系樹脂は、スチレンの単独重合体あるいは共重
合体であり、分散相としてスチレン系樹脂がグラフト結
合したゴム粒子を含んでいてもよい。具体的にはポリス
チレン、ハイインパクトポリスチレン、ABS樹脂、A
AS樹脂、AES樹脂、ACS樹脂等が例示できる。こ
れらのスチレン系樹脂では、耐熱性、耐衝撃性等の性質
を改良する目的で、α−メチルスチレン、ビニルトルエ
ン、ブロモスチレン等の芳香族ビニル単量体、(メタ)
アクリルニトリルの不飽和ニトリル単量体、(メタ)ア
クリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリ
ル酸ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)ア
クリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メ
タ)アクリル酸シクロヘキシル等のアクリル酸エステル
系単量体、マレイミド、N−ブチルマレイミド、N−シ
クロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド等の
マレイミド系単量体、(メタ)アクリルアミド、無水マ
レイン酸等を共重合することは一般に行われており、本
発明で用いるスチレン系樹脂はこれらの共重合体を包含
する。
スチレン系樹脂は、スチレンの単独重合体あるいは共重
合体であり、分散相としてスチレン系樹脂がグラフト結
合したゴム粒子を含んでいてもよい。具体的にはポリス
チレン、ハイインパクトポリスチレン、ABS樹脂、A
AS樹脂、AES樹脂、ACS樹脂等が例示できる。こ
れらのスチレン系樹脂では、耐熱性、耐衝撃性等の性質
を改良する目的で、α−メチルスチレン、ビニルトルエ
ン、ブロモスチレン等の芳香族ビニル単量体、(メタ)
アクリルニトリルの不飽和ニトリル単量体、(メタ)ア
クリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリ
ル酸ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)ア
クリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メ
タ)アクリル酸シクロヘキシル等のアクリル酸エステル
系単量体、マレイミド、N−ブチルマレイミド、N−シ
クロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド等の
マレイミド系単量体、(メタ)アクリルアミド、無水マ
レイン酸等を共重合することは一般に行われており、本
発明で用いるスチレン系樹脂はこれらの共重合体を包含
する。
【0010】本発明のスチレン系樹脂は連続相の共重合
成分としてアクリロニトリルを含んでいることが好まし
く、その含有率が30重量%以上であることが好まし
い。アクリロニトリルの含有率が30重量%未満である
と、複合スチレン系樹脂の耐環境応力亀裂性が不充分で
あり合成樹脂複合体に亀裂が発生することがある。
成分としてアクリロニトリルを含んでいることが好まし
く、その含有率が30重量%以上であることが好まし
い。アクリロニトリルの含有率が30重量%未満である
と、複合スチレン系樹脂の耐環境応力亀裂性が不充分で
あり合成樹脂複合体に亀裂が発生することがある。
【00011】本発明のアクリルゴムはアクリル酸エス
テル系単量体の単独あるいは共重合体であるが、共重合
する単量体は前記の芳香族ビニル単量体、マレイミド系
単量体、(メタ)アクリルアミド、無水マレイン酸に加
え、(メタ)アクリロニトリル等の不飽和ニトリル単量
体、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレ
ン、2−ブテン等のオレフィン単量体、酢酸ビニル等の
脂肪酸ビニル単量体等がある。
テル系単量体の単独あるいは共重合体であるが、共重合
する単量体は前記の芳香族ビニル単量体、マレイミド系
単量体、(メタ)アクリルアミド、無水マレイン酸に加
え、(メタ)アクリロニトリル等の不飽和ニトリル単量
体、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレ
ン、2−ブテン等のオレフィン単量体、酢酸ビニル等の
脂肪酸ビニル単量体等がある。
【0012】本発明のアクリルゴムはガラス転移温度が
20℃以下であることが好ましい。ガラス転移温度が2
0℃を越えると、複合スチレン系樹脂の耐環境応力亀裂
性が不充分であり合成樹脂複合体に亀裂が発生すること
がある。
20℃以下であることが好ましい。ガラス転移温度が2
0℃を越えると、複合スチレン系樹脂の耐環境応力亀裂
性が不充分であり合成樹脂複合体に亀裂が発生すること
がある。
【0013】本発明の複合スチレン系樹脂はスチレン系
樹脂とアクリルゴムを混合して得られるが、その製法は
任意である。たとえばアクリルゴム、スチレン系樹脂が
共に乳化重合で製造される場合には、特公昭63−22
222号公報に記載された方法に従って、得られた重合
体ラテックスを混合することができる。また特公平3−
52783号公報に記載された方法に従って乳化状態で
予備混合された複合スチレン系樹脂を別途スチレン系樹
脂と溶融混練することもできる。また特公昭59−15
942号公報に開示された方法を利用して、アクリルゴ
ムラテックスをスチレン系樹脂固体と混合する製法も可
能である。アクリルゴム、スチレン系樹脂が共に固体で
ある場合には、スクリュー押出機、バンバリーミキサー
等の溶融混合装置で溶融混合できる。
樹脂とアクリルゴムを混合して得られるが、その製法は
任意である。たとえばアクリルゴム、スチレン系樹脂が
共に乳化重合で製造される場合には、特公昭63−22
222号公報に記載された方法に従って、得られた重合
体ラテックスを混合することができる。また特公平3−
52783号公報に記載された方法に従って乳化状態で
予備混合された複合スチレン系樹脂を別途スチレン系樹
脂と溶融混練することもできる。また特公昭59−15
942号公報に開示された方法を利用して、アクリルゴ
ムラテックスをスチレン系樹脂固体と混合する製法も可
能である。アクリルゴム、スチレン系樹脂が共に固体で
ある場合には、スクリュー押出機、バンバリーミキサー
等の溶融混合装置で溶融混合できる。
【0014】本発明の複合スチレン系樹脂はスチレン系
樹脂100重量部とアクリルゴム0.1〜100重量部
からなるが、アクリルゴムの含有率が0.1重量部未満
であると複合スチレン系樹脂の耐環境応力亀裂性が不充
分であり、合成樹脂複合体に亀裂が発生するおそれがあ
り、また100重量部を越えると効果が飽和するばかり
でなく、複合スチレン系樹脂の耐熱性、剛性、光沢等の
性質が低下して好ましくない。
樹脂100重量部とアクリルゴム0.1〜100重量部
からなるが、アクリルゴムの含有率が0.1重量部未満
であると複合スチレン系樹脂の耐環境応力亀裂性が不充
分であり、合成樹脂複合体に亀裂が発生するおそれがあ
り、また100重量部を越えると効果が飽和するばかり
でなく、複合スチレン系樹脂の耐熱性、剛性、光沢等の
性質が低下して好ましくない。
【0015】本発明の複合スチレン系樹脂は耐衝撃性、
耐熱性、剛性、難燃性等の性質を改良する目的で他の高
分子素材と混合して使用することができる。このような
高分子素材はSBR、EPR、NBR等のエラストマ
ー、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイ
ロン612、ナイロン11、ナイロン12等のポリアミ
ド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート等のポリエステル、ポリカーボネート、アクリ
ル樹脂、ポリ塩化ビニル等がある。
耐熱性、剛性、難燃性等の性質を改良する目的で他の高
分子素材と混合して使用することができる。このような
高分子素材はSBR、EPR、NBR等のエラストマ
ー、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイ
ロン612、ナイロン11、ナイロン12等のポリアミ
ド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート等のポリエステル、ポリカーボネート、アクリ
ル樹脂、ポリ塩化ビニル等がある。
【0016】本発明の合成樹脂複合体は予め成形加工さ
れた複合スチレン系樹脂成形体の存在下で、ポリイソシ
アネート、ポリオール、発泡剤を主成分とする混合物を
反応させて製造されるが、本発明のウレタン発泡体の組
成および製法は特に制限がない。
れた複合スチレン系樹脂成形体の存在下で、ポリイソシ
アネート、ポリオール、発泡剤を主成分とする混合物を
反応させて製造されるが、本発明のウレタン発泡体の組
成および製法は特に制限がない。
【0017】ウレタン発泡体の製造に用いられるポリイ
ソシアネートの具体例はトリレンジイソシアネート、o
−トリジンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,
4’−ジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシ
アネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、1
−メチルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアネート等
がある。またポリオールの具体例は1,4−ブタンジオ
ール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、
プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポ
リ(エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド)共重
合体、α,ω−ポリカプロラクトンジオール、α,ω−
ポリブタジエンジオール等のジオール類、グリセリン、
トリメチロールプロパン等のトリオール類、ペンタエリ
スリトール、メチルグリコシド、ソルビトール、シュー
クローズ等があり、またエチレンオキサイドあるいはプ
ロピレンオキサイドとこれらのポリオールとの付加物が
ある。また発泡剤としてはフロン11、フロン12、フ
ロン22、フロン134a、フロン113、フロン12
3、フロン141b、塩化メチレン等がある。
ソシアネートの具体例はトリレンジイソシアネート、o
−トリジンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,
4’−ジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシ
アネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、1
−メチルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアネート等
がある。またポリオールの具体例は1,4−ブタンジオ
ール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、
プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポ
リ(エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド)共重
合体、α,ω−ポリカプロラクトンジオール、α,ω−
ポリブタジエンジオール等のジオール類、グリセリン、
トリメチロールプロパン等のトリオール類、ペンタエリ
スリトール、メチルグリコシド、ソルビトール、シュー
クローズ等があり、またエチレンオキサイドあるいはプ
ロピレンオキサイドとこれらのポリオールとの付加物が
ある。また発泡剤としてはフロン11、フロン12、フ
ロン22、フロン134a、フロン113、フロン12
3、フロン141b、塩化メチレン等がある。
【0018】ウレタン発泡体の製造に際して、化学的発
泡剤として作用する水、有機スズ化合物、3級アミンに
代表される触媒、気泡安定剤として作用する界面活性剤
等を使用することは公知であり、これらの使用方法につ
いて多数の技術が開示されているが、本発明ではウレタ
ン発泡処方については特に制限はない。
泡剤として作用する水、有機スズ化合物、3級アミンに
代表される触媒、気泡安定剤として作用する界面活性剤
等を使用することは公知であり、これらの使用方法につ
いて多数の技術が開示されているが、本発明ではウレタ
ン発泡処方については特に制限はない。
【0019】
【実施例】次に実施例、比較例をあげて本発明を更に詳
細に説明する。なお例中の部および%は重量基準で示し
た。
細に説明する。なお例中の部および%は重量基準で示し
た。
【0020】実施例1 ブタジエン15%、アクリロニトリル25.5%、スチ
レン59.5%からなるABS樹脂(連続相のアクリロ
ニトリル含有率は30%)粉末100部と表1に記載し
たアクリルゴムラテックス15部(固形分換算)とを真
空ベント付き2軸押出機に供給して、約240℃で溶融
混練して複合スチレン系樹脂を得た。
レン59.5%からなるABS樹脂(連続相のアクリロ
ニトリル含有率は30%)粉末100部と表1に記載し
たアクリルゴムラテックス15部(固形分換算)とを真
空ベント付き2軸押出機に供給して、約240℃で溶融
混練して複合スチレン系樹脂を得た。
【0021】得られた複合スチレン系樹脂に酸化チタン
系顔料5部を混合し、Tダイ付き単軸押出機に供給し
て、約220℃で溶融して平均肉厚1mmの平板に加工
した。得られた平板を予備乾燥し、プラグアシスト式圧
空真空成形機で平板の表面温度を約160℃に制御しつ
つ成形加工して、図1に示した無蓋箱状の複合スチレン
系樹脂成形体を得た。この成形体を図1に示した無蓋箱
状の鋼製の成形体と組み合わせ、両成形体で囲まれた空
間にトリレンジイソシアネート110部、メチルグリコ
シドとプロピレンオキサイドとの付加物(水酸基当量1
10)100部、フロン141b30部、水3.5部、
ジ−n−オクチルスズラウレート0.4部、テトラメチ
ルグアニジン0.2部からなる混合物を注入し、50℃
で30分間反応させて合成樹脂複合体を得た。なお、図
1の合成樹脂複合体の寸法は幅175mm ×長さ256mm ×高
さ30mmでウレタン発泡体の厚みは5mmである。
系顔料5部を混合し、Tダイ付き単軸押出機に供給し
て、約220℃で溶融して平均肉厚1mmの平板に加工
した。得られた平板を予備乾燥し、プラグアシスト式圧
空真空成形機で平板の表面温度を約160℃に制御しつ
つ成形加工して、図1に示した無蓋箱状の複合スチレン
系樹脂成形体を得た。この成形体を図1に示した無蓋箱
状の鋼製の成形体と組み合わせ、両成形体で囲まれた空
間にトリレンジイソシアネート110部、メチルグリコ
シドとプロピレンオキサイドとの付加物(水酸基当量1
10)100部、フロン141b30部、水3.5部、
ジ−n−オクチルスズラウレート0.4部、テトラメチ
ルグアニジン0.2部からなる混合物を注入し、50℃
で30分間反応させて合成樹脂複合体を得た。なお、図
1の合成樹脂複合体の寸法は幅175mm ×長さ256mm ×高
さ30mmでウレタン発泡体の厚みは5mmである。
【0022】得られた合成樹脂複合体を恒温槽内に置
き、−30℃/12時間〜40℃/12時間の冷熱サイ
クルを3回繰り返した。冷熱サイクル試験後の合成樹脂
複合体から複合スチレン系樹脂成形体を取り外し、その
外観を観察したところ、いずれのアクリルゴムを用いた
複合スチレン系樹脂成形体であっても、特に異常は認め
られなかった。
き、−30℃/12時間〜40℃/12時間の冷熱サイ
クルを3回繰り返した。冷熱サイクル試験後の合成樹脂
複合体から複合スチレン系樹脂成形体を取り外し、その
外観を観察したところ、いずれのアクリルゴムを用いた
複合スチレン系樹脂成形体であっても、特に異常は認め
られなかった。
【0023】実施例2 ブタジエン15%、アクリロニトリル17%、スチレン
68%からなるABS樹脂(連続相のアクリロニトリル
含有率は20%)を用いて実施例1と同様に合成樹脂複
合体を製造し、冷熱サイクル試験を行ったところ、アク
リルゴムDを用いた複合スチレン系樹脂成形体で微細な
割れ(クレーズ)によると思われる白化現象が観察され
た以外には特に異常は認められなかった。
68%からなるABS樹脂(連続相のアクリロニトリル
含有率は20%)を用いて実施例1と同様に合成樹脂複
合体を製造し、冷熱サイクル試験を行ったところ、アク
リルゴムDを用いた複合スチレン系樹脂成形体で微細な
割れ(クレーズ)によると思われる白化現象が観察され
た以外には特に異常は認められなかった。
【0024】実施例3 ポリブタジエン8%を含むハイインパクトポリスチレン
を用いて実施例1と同様に合成樹脂複合体を製造し、冷
熱サイクル試験を行ったところ、いずれのアクリルゴム
を用いた複合スチレン系樹脂成形体であっても、表面に
微細な“しわ”あるいは白化現象が観察されたが割れ
(クラック)は観察されなかった。
を用いて実施例1と同様に合成樹脂複合体を製造し、冷
熱サイクル試験を行ったところ、いずれのアクリルゴム
を用いた複合スチレン系樹脂成形体であっても、表面に
微細な“しわ”あるいは白化現象が観察されたが割れ
(クラック)は観察されなかった。
【0025】実施例4 ブタジエン50%、アクリロニトリル15%、スチレン
35%からなるABS樹脂ラテックス30部(固形分換
算)、アクリロニトリル含有率30%のAS樹脂ラテッ
クス10部(固形分換算)、表1のアクリルゴムラテッ
クス10部(固形分換算)とをラテックス状態で混合し
た後に析出、乾燥して得た複合スチレン系樹脂50部
と、アクリロニトリル含有率36%のAS樹脂50とを
二軸押出機で溶融混練して複合スチレン系樹脂を得た
(連続相のアクリロニトリル含有率34%)。
35%からなるABS樹脂ラテックス30部(固形分換
算)、アクリロニトリル含有率30%のAS樹脂ラテッ
クス10部(固形分換算)、表1のアクリルゴムラテッ
クス10部(固形分換算)とをラテックス状態で混合し
た後に析出、乾燥して得た複合スチレン系樹脂50部
と、アクリロニトリル含有率36%のAS樹脂50とを
二軸押出機で溶融混練して複合スチレン系樹脂を得た
(連続相のアクリロニトリル含有率34%)。
【0026】この複合スチレン系樹脂を用いて実施例1
と同様に合成樹脂複合体を製造し、冷熱サイクル試験を
行ったところ、いずれのアクリルゴムを用いた複合スチ
レン系樹脂成形体であっても異常は認められなかった。
と同様に合成樹脂複合体を製造し、冷熱サイクル試験を
行ったところ、いずれのアクリルゴムを用いた複合スチ
レン系樹脂成形体であっても異常は認められなかった。
【0027】比較例1 実施例1で用いたABS樹脂、実施例3で用いたハイイ
ンパクトポリスチレンを用いて合成樹脂複合体を製造
し、実施例1の方法で冷熱サイクル試験を行ったが、い
ずれの合成樹脂複合体であっても大きな割れ(クラッ
ク)が観察され、場合によってはクラックがスチレン系
樹脂成形体を横断することがあった。
ンパクトポリスチレンを用いて合成樹脂複合体を製造
し、実施例1の方法で冷熱サイクル試験を行ったが、い
ずれの合成樹脂複合体であっても大きな割れ(クラッ
ク)が観察され、場合によってはクラックがスチレン系
樹脂成形体を横断することがあった。
【0028】
【表1】 [注]乳化剤にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム、重合開始剤に過硫酸カリウムを用い、温度60℃で
乳化重合した。ラテックス固形分は40%とした。ガラ
ス転移温度はラテックスをメタノール析出して得たポリ
マーを用い、示差熱分析計で測定した。
ム、重合開始剤に過硫酸カリウムを用い、温度60℃で
乳化重合した。ラテックス固形分は40%とした。ガラ
ス転移温度はラテックスをメタノール析出して得たポリ
マーを用い、示差熱分析計で測定した。
【0029】
【発明の効果】以上のように、本発明の合成樹脂複合体
であっては、冷熱サイクル等の使用環境下での環境応力
亀裂現象の発生が抑制されるため、断熱材、制振材、遮
音材等の用途に好適である。
であっては、冷熱サイクル等の使用環境下での環境応力
亀裂現象の発生が抑制されるため、断熱材、制振材、遮
音材等の用途に好適である。
【図1】(a) は複合スチレン系樹脂成形体断面図。(b)
は合成樹脂複合体上面図を示す。(c) は上記(b )の合
成樹脂複合体のA−A’断面図を示す。
は合成樹脂複合体上面図を示す。(c) は上記(b )の合
成樹脂複合体のA−A’断面図を示す。
1:複合スチレン系樹脂成形体 2:鋼成形体 3:ウレタン発泡体
Claims (4)
- 【請求項1】 スチレン系樹脂100重量部とアクリル
ゴム0.1〜100重量部を混合してなる複合スチレン
系樹脂の成形体と、ウレタン発泡体とからなることを特
徴とする合成樹脂複合体。 - 【請求項2】 スチレン系樹脂が構成単量体に対し30
重量%以上のアクリルニトリルを共重合成分として重合
した共重合体であることを特徴とする請求項1の合成樹
脂複合体。 - 【請求項3】 スチレン系樹脂が分散相としてグラフト
結合したゴム粒子を含んでいることを特徴とする請求項
1又は請求項2の合成樹脂複合体。 - 【請求項4】 アクリルゴムがガラス転移温度20℃以
下のものであることを特徴とする請求項1合成樹脂複合
体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5056092A JPH06262713A (ja) | 1993-03-16 | 1993-03-16 | 合成樹脂複合体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5056092A JPH06262713A (ja) | 1993-03-16 | 1993-03-16 | 合成樹脂複合体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06262713A true JPH06262713A (ja) | 1994-09-20 |
Family
ID=13017463
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5056092A Pending JPH06262713A (ja) | 1993-03-16 | 1993-03-16 | 合成樹脂複合体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06262713A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5747587A (en) * | 1996-07-19 | 1998-05-05 | Cheil Industries, Inc. | HCFC resistant resin composition |
WO1999020464A1 (de) * | 1997-10-20 | 1999-04-29 | Bayer Aktiengesellschaft | Verbunde aus polyurethan und einem ein anorganisches polares additiv enthaltenden thermoplastischen material |
US7956128B2 (en) | 2004-12-28 | 2011-06-07 | Cheil Industries Inc. | Thermoplastic resin composition for refrigerator having improved environmental stress crack resistance |
WO2021112190A1 (ja) * | 2019-12-05 | 2021-06-10 | デンカ株式会社 | アクリルゴム、アクリルゴム組成物及びその架橋物 |
-
1993
- 1993-03-16 JP JP5056092A patent/JPH06262713A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5747587A (en) * | 1996-07-19 | 1998-05-05 | Cheil Industries, Inc. | HCFC resistant resin composition |
WO1999020464A1 (de) * | 1997-10-20 | 1999-04-29 | Bayer Aktiengesellschaft | Verbunde aus polyurethan und einem ein anorganisches polares additiv enthaltenden thermoplastischen material |
US7956128B2 (en) | 2004-12-28 | 2011-06-07 | Cheil Industries Inc. | Thermoplastic resin composition for refrigerator having improved environmental stress crack resistance |
WO2021112190A1 (ja) * | 2019-12-05 | 2021-06-10 | デンカ株式会社 | アクリルゴム、アクリルゴム組成物及びその架橋物 |
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