JPH06262347A - アークスタート材 - Google Patents

アークスタート材

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JPH06262347A
JPH06262347A JP8028993A JP8028993A JPH06262347A JP H06262347 A JPH06262347 A JP H06262347A JP 8028993 A JP8028993 A JP 8028993A JP 8028993 A JP8028993 A JP 8028993A JP H06262347 A JPH06262347 A JP H06262347A
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JP
Japan
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wire
arc
welding
graphite
cut wire
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP8028993A
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English (en)
Inventor
Kazushi Suda
一師 須田
Toshihiro Miura
利宏 三浦
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エレクトロスラグ溶接の起動アーク発生を容
易にし、スラグ浴形成を早期に達成できるための優れた
アークスタート用助材を提供する。 【構成】 鋼カットワイヤ表面にグラファイト及びグラ
ファイトと350ミクロン未満の鉄粉の混合物またはグ
ラファイト薄膜をコーティングしたことを特徴とする、
エレクトロスラグ溶接用アークスタート材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エレクトロスラグ溶接
の溶接スタート時に、開先内に散布する溶接起動用アー
クスタート材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】建築鉄骨構造の極厚鋼化にともない、鉄
骨ボックス柱のダイアフラム取付溶接等にエレクトロス
ラグ溶接が多用されている。
【0003】通常、エレクトロスラグ溶接を開始するに
は、スラグ剤となるフラックスを散布しておき、溶接ワ
イヤと鋼又は銅製スタートタブとのアーク熱によりスラ
グ浴を生成させるが、アークを安定させ適正なスラグ浴
高さを形成させるためには、フラックスの供給や溶接条
件調整等溶接作業者の高度な技量が必要となる。さら
に、この溶接では、四辺が数10mm程度の狭開先で溶
接長が1m以上もの深さがあり、開先開口部から溶接ス
タート部を直接監視することが困難であるため、溶接ワ
イヤ先端とスタートタブとの接触圧力が過大な場合に
は、溶接ワイヤと母材が短絡してアークが中断し、融合
不良等の溶接欠陥を生じる。
【0004】このため、従来のアークスタート方法で
は、例えば、図2に示す消耗ノズル式エレクトスラグ溶
接方法では、溶接ワイヤ8とスタートタブ5の間にアー
クスタート材(鉄粉やスチールウール、又は鋼線を切断
したカットワイヤ)11を散布して溶接時のアークの安
定化を図るとともにスタートタブの深さを大きく取るこ
とによって溶接後、溶接スタート部を削除する対策が取
られていた。
【0005】また、アーク発生時にできるだけ早期に安
定したスラグ浴を形成させる方法としては、適正な量の
フラックスを均一に供給する必要があるが、前述のよう
に目視で確認不可能な開先開口部からフラックスを適正
供給することは非常に困難であった。
【0006】これらの課題を解決する方法として、特開
昭61−216881号公報にフラックス入りカットワ
イヤを起動用助材として散布するエレクトロスラグ溶接
のスタート方法が開示されているが、この方法に使用さ
れるフラックス入りカットワイヤの製造が非常に複雑で
あるとともに、低価格で容易に供給することが困難であ
る上、中身材のカットワイヤ同様表面部が通電性の高い
金属であるため、起動時の溶接条件によっては溶接ワイ
ヤが短絡して完全なアークスタートができない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、エレクトロ
スラグ溶接のアークスタートを容易にすることによって
短絡時の溶接スタートの失敗を無くし、スタートタブの
溶接削除部を可及的に減少させ、溶接能率の向上と溶接
施工コスト低減を図ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、以下の
通りである。
【0009】(1)鋼カットワイヤ表面に、グラファイ
トと350ミクロン未満の微細な金属鉄粉を混合しコー
ティングしたことを特徴とするアークスタート材。 (2)鋼カットワイヤ表面にグラファイト薄膜をコーテ
ィングしたことを特徴とするアークスタート材。
【0010】
【作用】以下に、本発明を詳細に説明する。
【0011】まず、本発明のカットワイヤ自体の作用で
あるが、エレクトロスラグ溶接の開先内に散布されたカ
ットワイヤは溶接ワイヤとのアーク発生対極となり、直
接スタートタブにアークが発生した場合に起こるアーク
熱及びアーク力によるスタートタブの損傷を防止する効
果がある。同時に、アーク熱によりカットワイヤ自体も
溶融して溶融プールを形成して溶接スタート時の初期ア
ークを安定に保ち、エレクトロスラグ溶接状態に迅速に
移行できるようにする。また、カットワイヤであること
によりアークスタート材の見かけ比重を大きくすること
ができ、単に鉄粉等を散布した場合のようにアーク力に
よって吹き飛ばされて効果を発揮できないという欠点も
ない。
【0012】次に、グラファイト及び鉄粉をコーティン
グすることの作用について説明する。従来のアークスタ
ート材、すなわち鋼カットワイヤ表面になにもコーティ
ングしていない無処理アークスタート材は、溶接ワイヤ
とスタートタブの間に挿入することにより、溶接ワイヤ
とカットワイヤとが短絡してもカットワイヤ同士の接触
通電面積が小さいことによりカットワイヤとカットワイ
ヤ間でアークが発生し、短絡を防止することを狙ったも
のであるが、カットワイヤ同士の接触の仕方によっては
接触面積が大きくなり短絡することがあり、短絡防止効
果が十分に発揮できない場合がある。これは、フラック
ス入り型のカットワイヤを用いた場合でも同様な結果と
なる。
【0013】しかし、図1(a),(b)に示すよう
に、本発明のアークスタート材11,11’の場合は、
耐短絡性の高いグラファイト3,3’と耐短絡性の低い
微細な金属鉄粉2,2’を適量混合し、適度の耐短絡性
を得るようにこれを鋼カットワイヤ1,1’の表面にコ
ーティングしているので、通電点はグラファイト中に分
散している金属鉄粉対金属鉄粉の部分となるため、アー
クスタート材同士の接触通電面積が小さくなり短絡が生
じず、確実かつ安定なアークスタートができる。
【0014】ここで、本発明のアークスタート材に使用
する金属鉄粉の粒度を350ミクロン未満と限定した理
由は、グラファイト中に金属鉄粉を均一分散させること
により、通電面積を小さくすることにより溶接ワイヤ間
で短絡が発生せず、確実なアークスタートを得るためで
あり、これは必須要素である。
【0015】さらに、本発明のアークスタート材のよう
に鋼カットワイヤにグラファイトと金属鉄粉を混合し、
コーティングした形態は、フラックス入りカットワイヤ
形態の場合に比べ製造が容易であり、グラファイトのコ
ーティング量も容易に変化させることが可能であり、ア
ークが安定し易く、アーク溶接からエレクトロスラグ溶
接への移行も早期に達成できる。また、本発明のアーク
スタート材にはカットワイヤのサイズを変化させること
で、種々の溶接条件に対応したアークスタート材の製造
も容易である。グラファイト溶接中に優先酸化してガス
化し、また金属鉄粉は溶融して溶接金属となるので、溶
接金属への悪影響はない。
【0016】なお、本発明のアークスタート材のカット
ワイヤ、金属鉄粉及びグラファイトの組成及びコーティ
ング量等については、溶接条件、母材、ワイヤ成分、コ
ーティング量等によって適範囲は異なってくるが、通
常、溶接電流450A程度の溶接の場合には、カットワ
イヤは中身で直径1mm程度、コーティングするグラフ
ァイトはカットワイヤ重量に対し1〜5重量%で、金属
鉄粉はグラファイトと混合して用いる場合は均一分散
し、適度の耐短絡性を得るという観点から、2〜10w
t%程度にすることが望しい。なおグラファイトを単独
で用いる場合は、適度の耐短絡性を得る必要があるため
更に薄膜化する必要がある。
【0017】
【実施例】本発明の効果を確認するために、カットワイ
ヤとフラックス、フラックス入りカットワイヤおよび図
1に模式図で示す形態の本発明アークスタート材11を
用い、図2に示す消耗ノズル式エレクトロスラグ溶接の
起動試験を図3に示す開先形状の試験板を用い、表1に
示す溶接条件で溶接を行った。
【0018】試験結果の評価は、溶接電流及びアーク電
圧波形を高速サンプリングし、アークスタート直後30
秒間の短絡回数と再点弧電圧の高さにより耐短絡性を、
波形の乱れ状況によりアークの安定性を、さらに電流−
電圧波形からエレクトロスラグ溶接(ESW)への移行
性を比較し、総合的に判定した。
【0019】ここで、本発明のアークスタート材11に
使用する、カットワイヤにはJISZ 3351 YS
−M4に相当する組成で直径及び切断長1.0mmのワ
イヤを用い、グラファイトと350ミクロン未満の粒径
の金属鉄粉をwt%で1:2で配合しバインダーを用い
て混練しカットワイヤ重量に対し、これをワイヤ全表面
に10wt%コーティングした。また同様のワイヤを用
い、これにグラファイトをバインダーと共に混練し、こ
れをワイヤ全表面に1wt%程度コーティングした。コ
ーティングは、カットワイヤを攪拌機中にて攪拌させな
がら予め混合したコーティング剤をバインダーと交互に
少量づつ添加する方法で行った。比較用のカットワイヤ
直径及び切断長は1.4mmで本発明アークスタート材
と同一成分のもので、フラックスはJIS Z 335
2 FS−FG3相当のものを、フラックス入りカット
ワイヤは、軟鋼外皮に本発明のアークスタート材のコー
ティング剤と同様の組成のものを10wt%充填し、直
径及び切断長1.4mmとしたものを使用した。
【0020】溶接試験結果を表2に示すが、従来のカッ
トワイヤ及びフラックス入りカットワイヤに比べ、本発
明のアークスタート材がエレクトロスラグ溶接起動時の
耐短絡性、アーク安定性及びエレクトロスラグ溶接(E
SW)への移行性ともすべてに優れている。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【発明の効果】本発明エレクトロスラグ用アークスター
ト材を使用することによって、エレクトロスラグ溶接の
アーク起動が容易になり、溶接作業者の高度な技量に頼
らなくともアークスタート時の短絡防止が可能となると
ともにアークが早期に安定しエレクトロスラグ溶接への
移行も迅速に行われるため、溶接能率の向上を図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明アークスタート材の形態を示す模式図で
ある。
【図2】本発明実施例に用いたエレクトロスラグ溶接方
法を説明する模式図である。
【図3】本発明実施例に用いたエレクトロスラグ溶接試
験体の開先形状を説明する平面図である。
【符号の説明】
1,1’ カットワイヤ 2,2’ 鉄粉 3,3’ グラファイト 4,4’ 母材 5 スタートタブ 6 エンドタブ 7 消耗ノズル 8 溶接ワイヤ 9 消耗ノズル通電クランプ 10 溶接ワイヤ送給ローラ 11,11 アークスタート材

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼カットワイヤ表面に、グラファイトと
    350ミクロン未満の微細な金属鉄粉を混合しコーティ
    ングしたことを特徴とするアークスタート材。
  2. 【請求項2】 鋼カットワイヤ表面にグラファイトをコ
    ーティングしたことを特徴とするアークスタート材。
JP8028993A 1993-03-16 1993-03-16 アークスタート材 Withdrawn JPH06262347A (ja)

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JP8028993A JPH06262347A (ja) 1993-03-16 1993-03-16 アークスタート材

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JP8028993A JPH06262347A (ja) 1993-03-16 1993-03-16 アークスタート材

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JPH06262347A true JPH06262347A (ja) 1994-09-20

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JP8028993A Withdrawn JPH06262347A (ja) 1993-03-16 1993-03-16 アークスタート材

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007116740A1 (ja) 2006-03-29 2007-10-18 Mitsubishi Materials Corporation スーパーアロイのエレクトロスラグ再溶解用アークスタート材およびこのアークスタート材を用いたアークスタート方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007116740A1 (ja) 2006-03-29 2007-10-18 Mitsubishi Materials Corporation スーパーアロイのエレクトロスラグ再溶解用アークスタート材およびこのアークスタート材を用いたアークスタート方法
US8177879B2 (en) 2006-03-29 2012-05-15 Mitsubishi Materials Corporation Arc start material for electroslag remelting of superalloy and arc starting method employing the arc start material

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