JPH10137940A - ステンレス鋼のガスシールドアーク溶接方法 - Google Patents

ステンレス鋼のガスシールドアーク溶接方法

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JPH10137940A
JPH10137940A JP29205196A JP29205196A JPH10137940A JP H10137940 A JPH10137940 A JP H10137940A JP 29205196 A JP29205196 A JP 29205196A JP 29205196 A JP29205196 A JP 29205196A JP H10137940 A JPH10137940 A JP H10137940A
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JP
Japan
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welding
wire
stainless steel
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gas
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JP29205196A
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English (en)
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Atsushi Kondo
穆 近藤
Toshiaki Hashimoto
敏明 橋本
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Daido Steel Co Ltd
Iwatani Gas Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
Iwatani Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶接用ワイヤの送給速度が安定化し、スパッ
タ発生量が極めて少なくなるステンレス鋼のガスシール
ドアーク溶接方法を提供する。 【解決手段】 ステンレス鋼をガスシールドアーク溶接
する際に、溶接用ワイヤとして、表面にCuめっきが施
されたステンレスソリッドワイヤを用い、かつ、シール
ドガスとして、He:20〜40体積%,CO2:0.5
〜3体積%,残部がArから成る混合ガスを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はステンレス鋼のガス
シールドアーク溶接方法に関し、更に詳しくは、溶接用
ワイヤの送給速度を高めても、スパッタの発生量は非常
に少なく、またスラグ発生が少なくビードも美麗であ
り、しかも溶接用ワイヤを送給する送給モータの負荷電
流も小さくかつ安定し、そしてコンタクトチップの摩耗
も少なくなるステンレス鋼のガスシールドアーク溶接方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】耐食性が要求される各種建材やプラント
装置などの構成材料としては、一般に、ステンレス鋼が
使用されている。そして、このステンレス鋼の溶接に関
しては、通常、次のようなガスシールドアーク溶接が適
用されている。まず、送給モータで駆動するワイヤ送給
装置から溶接用ワイヤを所定の送給速度で溶接すべき母
材の方に送り出す。溶接用ワイヤとしては、従来から、
ステンレス鋼で製造されたフラックスコアードワイヤや
ソリッドワイヤなどが用いられる。
【0003】送り出された溶接用ワイヤは、トーチノズ
ルの中心部に装着されている通常Cu製のコンタクトチ
ップの中を摺接しながら通過していく。そして、トーチ
ノズルからは、例えばArやCO2のようなシールドガ
スが噴出されて母材とトーチノズルの間にシールドガス
領域が形成され、コンタクトチップをプラス極に接続
し、母材をマイナス極に接続し、コンタクトチップと摺
接する溶接用ワイヤに給電することにより、前記シール
ドガス領域内で、溶接用ワイヤの先端と母材との間に適
切な条件に設定されたアーク放電を起こさせる。このと
きに発生するアークによって、送給されてくる溶接用ワ
イヤは順次溶融し、その溶滴が母材に移行することによ
り、母材にビードが形成されて溶接が順次進行してい
く。
【0004】上記したガスシールドアーク溶接において
重要な問題は、溶接用ワイヤの送給速度が安定している
ことである。この送給速度が不安定になると、母材との
間に所定の設定条件で発生している前記したアーク放電
に乱れが生じ、溶接個所には大量のスパッタが発生した
り、ビード形状が不安定になったりする。
【0005】このような事態が発生することは、溶接終
了後に溶接個所を清掃する作業を必要とし、溶接作業全
体の生産性を低下させることになるので好ましくない。
上記した送給速度の不安定化は、様々な原因に基づいて
発生するが、主要には、送給モータの負荷電流が大きく
ばらつくことによって発生する。そして、この送給モー
タの負荷電流の変動は、例えば、溶接用ワイヤがコンタ
クトチップと摺動するときの状態によって影響を受け
る。
【0006】溶接用ワイヤがコンタクトチップと円滑に
摺動している場合には、上記負荷電流の変動が小さいの
で送給速度は安定している。しかし、例えば溶接作業が
進んでコンタクトチップの摩耗、すなわちチップ孔面積
が大きくなっていくと、そこを通過する溶接用ワイヤと
コンタクトチップとの摺接状態は一定化せずにばらつく
ことになり、コンタクトチップから溶接用ワイヤへの給
電状態が変動し、結局、送給モータの負荷電流は変動す
ることになる。
【0007】このような問題に対しては、溶接用ワイヤ
の改質も含めて様々な対策が進められているが、その1
つとして、ステンレス鋼から成るソリッドワイヤの表面
にCuめっきを施したり、更にその表面に潤滑油を付着
させた溶接用ワイヤが提案されている(特開昭55−1
47498号公報参照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記先行技術の溶接用
ワイヤは、その表面がCuめっきされていて通電性が良
好であり、コンタクトチップの摩耗量も少なくなり、溶
接時における送給速度の変動が小さくなり、スパッタ発
生量も少なく、優れた溶接性を発揮する。しかしなが
ら、この溶接用ワイヤは、送給速度が遅い場合には上記
したような優れた効果を発揮するが、例えば、溶接速度
を早めて溶接作業の生産性を高めるために、送給速度を
速めていくと、スパッタ発生量が増加していくという問
題がある。
【0009】本発明は、前記した特開昭55−1474
98号公報に記載されているCu被覆ステンレス鋼ソリ
ッドワイヤを用いたガスシールドアーク溶接における上
記した問題を解決し、ビードが美麗でスラグ発生も少な
いことは勿論のこと、送給速度は安定化し、しかも送給
速度を速めてもスパッタ発生量は少なくなるため、溶接
作業において高い生産性を実現することができるステン
レス鋼のガスシールドアーク溶接方法の提供を目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、上記した
Cu被覆ステンレス鋼ソリッドワイヤは、溶接時のシー
ルドガスとして後述する混合ガスを用いると、送給速度
を速めてもスパッタ発生量は少なくなるとの事実を見出
し、本発明を開発するに至った。
【0011】すなわち、本発明のガスシールドアーク溶
接方法は、ステンレス鋼をガスシールドアーク溶接する
際に、溶接用ワイヤとして、表面にCuめっきが施され
たステンレスソリッドワイヤを用い、かつ、シールドガ
スとして、He:20〜40体積%,CO2:0.5〜3
体積%,残部がArから成る混合ガスを用いることを特
徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の溶接方法は、用いる溶接
用ワイヤがCu被覆ステンレス鋼ソリッドワイヤであ
り、かつ、シールドガスが後述する混合ガスであること
を除いては、従来から行われているガスシールドアーク
溶接方法と変わることはない。本発明の溶接方法で用い
る溶接用ワイヤは、表面にCuめっきが施されたステン
レス鋼ソリッドワイヤである。具体的には、SUS30
4,SUS310,SUS410L,Y308,Y30
8L,Y309,Y309L,Y310,Y316,Y
316L,Y410L,Y430のようなステンレス鋼
線を冷間伸線し、焼鈍し、再び冷間伸線したのちCuめ
っきを施し、更に冷間伸線して所定線径にしたものであ
る。
【0013】このCuめっきは、通常Cu合金で構成さ
れているコンタクトチップから、この溶接用ワイヤへの
給電性を高めるとともに、コンタクトチップの摩耗を少
なくして、送給速度の安定化に資するとともに、コンタ
クトチップの使用寿命を長期化するという効果も発揮す
る。表面に形成されているCuめっきの厚みは格別限定
されるものではないが、過度に厚いと、溶接割れのよう
な問題が起こってくるので、その厚みは1μm以下にす
ることが好ましい。
【0014】本発明では、シールドガスとして、He:
20〜40体積%,CO2:0.5〜3体積%,残部がA
rから成る混合ガスが使用される。この混合ガスにおい
て、Heは、スプレー化を促進する成分であるが、その
割合が12体積%より少なくなると全くスプレー化せ
ず、溶接時に多量のスパッタが発生する。
【0015】一方、40体積%より多い混合ガスを用い
ると、溶接時にブローホールが発生しやすくなる。好ま
しい割合は、20〜40体積%である。CO2は、アー
クの安定化に寄与する成分であって、その割合が0.5体
積%より少ない混合ガスを用いると、溶接時にアーク安
定性が欠け、また3体積%より多い混合ガスを用いる
と、溶接時にビード外観が悪くなってくる。
【0016】
【実施例】
実施例1〜4,比較例1,2 表面に厚み0.5μmのCuめっきが施されているY30
8Lから成る線径1.2mmの線材を溶接用ワイヤとして用
意した。この溶接用ワイヤを、MIG自動溶接装置のワ
イヤ送給装置にセットし、送給速度6.7m/min で送給
しながら厚み6mmのSUS304鋼板の溶接を行った。
なお、コンタクトチップはCu合金製である。
【0017】このとき、シールドガスとしては、He3
2体積%,CO21体積%,残部はArから成る混合ガ
スを用いた。そして、供給するアーク電流とアーク電圧
を表1で示すように変化させて、表1で示したように溶
接速度を変化させた。それぞれの場合に付き、形成され
たビードを観察し、下記の仕様でスパッタ発生量とビー
ドの平滑度を測定した。
【0018】スパッタ発生量:Cu製の密閉ボックス
(ただし、トーチが入る隙間はある)内でビードオン溶
接を行い、ビード付着スパッタ,ノズル付着スパッタ,
Cu製ボックス内に飛散したスパッタを採取し、精密天
秤でその重量を測定し、1分間当たりの値に換算した。 ビードの平滑度:形成されたビードの肉盛り高さ(H)
とビードの幅(W)を、形成されたビードの長さ50cm
に亘り、5点測定し、H/Wとして算出し、その平均値
を求めた。この値が小さいビードほど平滑度が良好であ
ることを示す。
【0019】比較のために、シールドガスとして、
2:5体積%,残部:Arの混合ガスを用い、また、
CO2:20体積%,残部:Arの混合ガスを用いて実
施例と同様の条件で溶接を行った。それぞれの場合を比
較例1,比較例2とする。以上の結果を一括して表1に
示した。
【0020】
【表1】
【0021】表1から明らかなように、溶接用ワイヤが
同じものであった場合でも、実施例のようにシールドガ
スとして本発明に係る混合ガスを用いると、溶接速度が
100cm/min になった場合でもスパッタ発生量は極め
て少ない。これに反し、比較例のようなシールドガスを
用いると、溶接速度が70cm/min と遅い状態であって
もスパッタ発生量は多くなっている。
【0022】実施例5,比較例3 実施例1〜4で用いた溶接用ワイヤと、Cuめっきが施
されていない線径1.2mmのステンレス鋼ワイヤを用意し
た。これらを用い、MIG自動溶接装置における送給モ
ータによる送給速度を5.6m/min と一定にセットした
状態でMIG溶接を行った。
【0023】シールドガスは実施例1〜4の場合と同じ
組成のものを用いた。上記した溶接の過程で、送給モー
タの負荷電流を測定した。その結果を表2と図1,図2
に示した。図1は、Cuめっきされた溶接用ワイヤの結
果を示し、図2はCuめっきされていないワイヤの結果
を示す。また、それぞれの場合につき、コンタクトチッ
プの孔面積(mm2)の変化と溶接枚数との関係を調べ、そ
の結果も表2に示した。
【0024】なお、ここでいう溶接枚数とは、溶接電流
250A,アーク電圧23V,溶接速度50cm/minの条
件で連続10分間ビードオン溶接したものを1枚として
表す溶接長さである。
【0025】
【表2】
【0026】以上の結果から明らかなように、本発明方
法によれば、送給モータの負荷電流の変動は小さく、し
かもその平均値は低い。したがって、ワイヤの実際の送
給速度も早くなっていて、溶接速度を速めることが可能
となっている。そして、溶接枚数が増加してもコンタク
トチップはそれほど摩耗していないため、コンタクトチ
ップの使用寿命を長くしている。
【0027】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
ステンレス鋼の溶接方法は、溶接用ワイヤとしてCuめ
っきステンレス鋼ソリッドワイヤを用い、シールドガス
としてHeとCO2とArの混合ガスを用いることによ
り、溶接用ワイヤの送給速度を安定化でき、スパッタ発
生量を抑制し、またコンタクトチップの使用寿命を長く
して、美麗でスラグレスのビードを形成することができ
るので、その工業的価値は極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法において、送給モータの負荷電流の
変動を示すグラフである。
【図2】比較例方法において、送給モータの負荷電流の
変動を示すグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステンレス鋼をガスシールドアーク溶接
    する際に、溶接用ワイヤとして、表面にCuめっきが施
    されたステンレスソリッドワイヤを用い、かつ、シール
    ドガスとして、He:20〜40体積%,CO2:0.5
    〜3体積%,残部がArから成る混合ガスを用いること
    を特徴とするステンレス鋼のガスシールドアーク溶接方
    法。
JP29205196A 1996-11-01 1996-11-01 ステンレス鋼のガスシールドアーク溶接方法 Pending JPH10137940A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1186368B2 (fr) 2000-09-06 2016-12-21 L'AIR LIQUIDE, Société Anonyme pour l'Etude et l'Exploitation des Procédés Georges Claude Procédé de soudage MIG du nickel et des alliages de nickel avec gaz de protection à base d'argon et de CO2
JP2019111573A (ja) * 2017-12-26 2019-07-11 大同特殊鋼株式会社 金型補修溶接材料
JPWO2021157696A1 (ja) * 2020-02-05 2021-08-12

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