JPH04157069A - ダブルガスシールドメタルアーク溶接法 - Google Patents

ダブルガスシールドメタルアーク溶接法

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JPH04157069A
JPH04157069A JP27804390A JP27804390A JPH04157069A JP H04157069 A JPH04157069 A JP H04157069A JP 27804390 A JP27804390 A JP 27804390A JP 27804390 A JP27804390 A JP 27804390A JP H04157069 A JPH04157069 A JP H04157069A
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JP
Japan
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welding
gas
nozzle
electrode
inert gas
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JP27804390A
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English (en)
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Muneharu Kutsuna
宗春 沓名
Denzo Hayashi
林 傳三
Yasuo Kotani
安夫 小谷
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NICHIGOU ASECHIREN KK
Original Assignee
NICHIGOU ASECHIREN KK
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はダブルガスシールドメタルアーク溶接法に関す
る。さらに詳しくは、炭酸ガスまたは炭酸ガスとアルゴ
ンなどの不活性ガスとの混合ガスをシールドガスとして
用い、溶接ワイヤーを電極とするアーク溶接法であるい
わゆるマグ(MAG)溶接法として一般に知られている
方法において、シールドガスの供給を二つに分け、溶接
チップの周りにすくなくとも不活性ガスを、またさらに
その外側に環状に炭酸ガス(二酸化炭素)を供給する二
重ガスシールド方式、すなわち一般にMAGCI溶接法
またはDMAG溶接法と称せられる方式のマグ溶接法に
関する。
[従来の技術] 一般にマグ溶接は溶接能率が大きいという特徴が原因で
、過去40年間に急速に発展した現代の代表的な溶接方
法であるが、溶接時に生ずるスパッターの発生による溶
接製品の品質低下、スパッター除去の作業による労務上
の問題、また自動化、ロボット化に際しての機械的トラ
ブルなど問題があり、スパッターの減少が近年大きな課
題となっている。
これに対する解決の一方法として、1979年に西ドイ
ツのロメンヘラー・ゲゼルシャクト・ミツト・ベシュレ
ンクテル・ハフランク (Rommenh611er GmbH)は前記MAG
CI溶接法を提案した。これは、第3図に示すような二
重ノズルの構造をもつ溶接トーチを使用し内側ノズルに
アルゴンを外側ノズルに炭酸ガスをそれぞれ流してガス
シールドを行ないつつ、アーク溶接を行うものである。
なお、第3図において、(2)は溶接ワイヤー、(11
)は外側ノズル、(12)は内側ノズル、(+3)はガ
ス分配器、(14)はコンタクトチップ、(15)は溶
滴、(16)は溶融池、(17)はアークをそれぞれ示
す。
第4図はトーチ先端部の溶接時の状態を模式的に表わし
たものである。一般に、スパッターの減少には、第4図
の (1)部において溶滴の移行がスプレー移行となり
短絡なく安定して行なわれ、また (11)部において
ゆっくりと溶滴が溶融池に到達することが好ましいこと
が知られている。
すなわち、溶接ワイヤ(電極)先端から溶滴が離脱・移
行する際、溶接雰囲気がアルゴンまたはこれに0〜25
%の炭酸ガスを混合したものであるばあい、溶滴の離脱
がよりスムーズで、ワイヤ径以下の溶滴径となって移行
し、良好なスプレー移行が達成される。
なお、第4図において、(2)は溶接ワイヤー、(6)
は溶接電源、(11)は外側ノズル、(12)は内側ノ
ズル、(14)はコンタクトチップ、(17)はアーク
、(18)は炭酸ガス流、(19)は溶接金属、(20
)は母材、(21)はコンタクトスリーブ、(22)は
ガスジェット、(23)はアルゴン(Ar)などの不活
性ガス、(24)は炭酸ガス(CO2)をそれぞれ示す
。炭酸ガスはその熱分解による蒸気圧や溶滴の表面や内
面でおこるガス反応、また分解による一酸化炭素に双極
子が存在しその配置から電場が溶滴離脱に反抗する力を
発生すること、さらにそのアーク発生位置が溶滴の下半
分に集中することなどのために、溶滴の増大やその離脱
の抑制、また溶滴が電極軸からそれて飛び散るなどの傾
向を生じ、溶滴移行の不安定とまた溶融池への強い到達
を伴なう。
これに比べて、アルゴンなど不活性ガスの雰囲気ではア
ークの発生が溶滴上部にまで達し反発力も小さく、また
電磁力によるピンチ力によって−層これが溶滴の離脱を
促進し、溶滴の小径化をも生ずる。さらに、このピンチ
力は電流の2乗に比例し、軸方向の移行を促進させる。
したがって、第4図の (I)ilにおける飛びはねや
 (II)部における飛び散りも少なく、スパッターの
発生は減少する。
MAGCI溶接法は溶滴形成脱離部において内側ノズル
の不活性ガスによるスパッター減少が計られるうえ、外
側ノズルの炭酸ガスによる大気の影響からの保護が計ら
れ、一般に行なわれているマグ溶接より著しくスパッタ
ーの少ない溶接結果かえられ、しかも、溶滴形成部のみ
への不活性ガスの供給のために、一般のマグ溶接におけ
る混合ガスより著しく不活性ガスの作用効果は高くその
ガス消費量が少ない。このMAGCI溶接法は以上のよ
うにきわめてすぐれた溶接方法であるので、西ドイツの
溶接トーチメーカーであるアレクサンダ・ビンツェル・
ゲゼルシャクト・ミツト畢ベニレンチル・ハフランク(
^Iexandcr BinIel Gmb旧により実
用化が計られた。しかし、間もなくその販売は中止され
以来これまで実用化された例はない。これは、このノズ
ルの特徴である二重ノズルの内側ノズルに少量ながらス
パッターが付着し、次第に閉塞状態になって、アルゴン
など不活性ガスの流れが不規則となり、そのためにアル
ゴンなどの不活性ガスの濃度変化によって金属移行が不
安定になり、安定した溶接の継続ができないためである
。MAGCI溶接法が開発されてまもなく「メタ11番
コンストラクション(M E T A LCONS丁R
11CTION) J 、 1982年、10月号にこ
の溶接法について論文が発表されている。これによると
、数値的には明記されていないが、スパッターは少なく
、溶込みは従来のマグ溶接に匹敵すると記されている。
しかしながら、実用化の段階でスパッターによるノズル
づまりのためそれ以上の研究が断念されたのは、前記ス
パッター形成の量的評価化が充分厳密に行われていなか
ったため、さらには、前記溶接パラメータの組合せの検
討が充分なされていなかったためと考えられる。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、前記のように、MAGC+として出現
したプロセスが、その原理的に卓越しているにも拘らず
、実用上、ノズルづまりという問題のために実用化され
えなかった要因を解析し、適切な溶接パラメータ、シー
ルドガスなどの組合せに・よって、この問題を解決する
と同時に、二重ガスシールドの原理ゆえに高い溶接生産
性や溶接品質かえられるという点で、既に完成し通常行
われているマグ溶接を凌駕する溶接プロセスを提供する
ことである。
[課題を解決するための手段] 本発明は溶接チップと同軸であり、がっ環状ガス通路を
同心円状に二重に形成するために前記チップから半径方
向に離間した二重ノズルを有する溶接トーチを使用し、
溶接されるべき溶接継手に向かって溶接電極を送給する
こと、前記電極と溶接継手とのあいだに電気アークを発
生するために前記電極に電流を通し、電流が前記電極の
端部分を溶融して溶融電極材料を溶接継手へ移行させて
これを溶加するようにすること、および 前記電極と前記溶接継手とのあいだに安定なアークを発
生させ、溶融池を大気がら保護するために前記二重ノズ
ルにおいて外側ノズルに炭酸ガスを、内側ノズルに不活
性ガスまたは不活性ガスに少量の活性ガスが添加された
混合ガスを同時に流すこと を含む金属電極活性ガス溶接方法であって、(a)溶接
電流が200〜600アンペアの範囲内であり、 (b) 7−り電圧が((1150) I + (20
) 〜(1150)  I + (32) )ボルト(
I:アンペアで表わした溶接電流)の範囲内であり、(
c)前記外側ノズルを流れる炭酸ガスの流量が常温・大
気圧の値で10〜25リットル/分の範囲内であり、 (d)前記内側ノズルを流れる不活性ガスまたは不活性
ガスに少量の活性ガスを添加した混合ガスの流量が常温
・大気圧の値で4〜10リットル/分の範囲内であり、 fe)内側ノズルおよび外側ノズルを流れる全ガスに対
する内側ノズルを流れるガスの容積流量比が25〜40
%であり、 (+)前記不活性ガスが95〜0容積%のアルゴンおよ
び100〜5容積%のヘリウムからなる単一ガスまたは
混合ガスであるダブルガスシールドメタルアーク溶接法
に関する。
前記溶接法においては、不活性ガスに、内側ノズルおよ
び外側ノズルの合計ガス量に対して0.1〜5容積%(
さらに好ましくは、0.5〜5容積%)の酸素、0,1
〜3容積%(さらに好ましくは、0.5〜3容積%)の
水素および0.5〜5容積%(さらに好ましくは、2〜
5容積%)の炭酸ガスのすくなくともひとつを活性ガス
として添加することが好ましい。
さらに前記溶接法においては、前記溶融電極として0.
8〜2.0 ミリメートルの範囲内の直径を有するフラ
ックスコアードワイヤー電極を用いることが好ましい。
[作 用コ 本発明の溶接法においては、溶接電流、アーク電圧なら
びに内側ノズルおよび外側ノズルのガス流量を前記特定
範囲内の値とすることによってスパッタの発生および飛
散が減少せしめられ、ノズルづまりが防止される。
また、内側ノズルの不活性ガスとしてアルゴンおよびヘ
リウムの前記特定比率での混合ガスを用いるとこにより
、前記ノズルづまり防止効果を損うことがなく、溶接速
度が上昇し、溶込みが増加するので、生産性が向上し労
務費が低下する。
さらに、前記不活性ガスに酸素、水素および(または)
炭酸ガスを適度に添加したばあいには、さらに溶接速度
が向上し溶込みが増加する。
なお、酸素、水素炭酸ガスの作用効果としては、つぎの
ような点があげられる。
(1)アルゴンやヘリウムからなる不活性ガスへの酸素
の添加は炭素鋼の溶接ではぬれ性を改善させ、アンダー
カットの防止に役立つのみならず、ビード外観をより滑
らかにする役割がある。
(2)炭酸ガスの添加(0,5〜5容積%)は溶込み深
さを増大させる。
(3)酸素(1容積%)と炭酸ガス(3容積%)との同
時添加はアークの安定性を高めるだけでなく、ぬれ性の
改善、アンダーカットの防止にも役立つ。
(4)水素の添加(0,1〜3容積%)はアークの集中
性を増し、より溶込み深さの向上に役立つ。
また、溶接電極としては、前記特定のフラックスコアー
ドワイヤー電極が好適に用いられ、それによってたとえ
ば後述の第8a〜80図に示されるように、スパッター
の発生および飛散が一層抑制される。
本発明は、電極の種類、直径、電圧、電流および不活性
ガスの種類、組織、流量の独特の組合せによって、既知
のMAGCI (DMAGI溶接法で達成される結果よ
りもより少ないスパッタ量の溶接を、速い溶接速度、深
い溶込みで行うことを可能にし、またブローホールなど
溶接欠陥のない溶接継手をうろことを可能にする。
また、炭酸ガス溶接または混合ガス溶接などのマグ溶接
と比較しても、前記と同じく溶接速度、溶接継手の溶接
品質において同等もしくは優れた結果かえられる。
さらに、通常マグ溶接において使用されるシールド用混
合ガスに比べて著しく不活性ガスの混合比が小さく、高
価な不活性ガスの使用量の低減による経済性も大である
[実施例コ 本発明者は前記のようにスパッター発生が金属電極の溶
融離脱すなわち溶滴の移行状態に大きく影響されること
に着眼し、不活性ガスの流量、アーク電圧、溶接電流の
組合せを変えて溶接実験をくり返した結果、シールドガ
ス組成や溶接パラメーターによってスパッターの発生や
前記ノズルづまりに著しい差があること、また、これら
をきわめて微少にできる組合せ条件のあることを見出し
た。
しかも、通常の溶接に比べて、母材の溶込みについては
充分匹敵し、溶接継手部に形成されるブローホールはな
くむしろ凌駕する結果をえた。
一般に、ガスメタルアーク溶接の溶滴移行の形態はワイ
ヤー径より大きい溶滴が電極の端に形成しかつ重力およ
びピンチ力が溶滴の表面張力に打ち勝ったときに母材に
落下するところの「グロビュラー移行Jと呼ばれるもの
、溶滴が電極の径より小さい粒となってまたはひと続き
となって母材に移行するところの「スプレー移行」と呼
ばれるもの、溶けた電極の先端が母材と短絡してピンチ
力の増大により溶滴が母材へ移行するところの1短絡移
行」と呼ばれるもの、以上大きく3つに分類される。ス
パッターの発生を防止するためには、前記のように小溶
滴の形成と電極軸方向への安定した離脱が必要であり、
この点から前記3つの溶滴移行形態の内、スプレー移行
が最も好ましいことが明らかである。
本発明者が行った前記実験の結果、溶接パラメーターと
発生スパッター量との関係および溶滴移行形態との関係
を第5図に示す。第5図中、(A)はスプレー移行領域
、(B)はグロビュラー移行領域、(C)は短絡移行領
域、(D)は埋れアーク領域であり、無柱はノズルスパ
ッター量(g/分)、白柱は母材スパッター量(g/分
)を示す。スプレー移行領域(A)においては、スパッ
ターおよびノズル付着は少なく、しかもそのなかでも電
圧、電流の大きい範囲においてこれらが微少になってい
ることが分る一方、アークで掘られた溶融池の中まで電
極を突っ込んだ状態である埋れアークと呼ばれる状態(
D)においては、母材の溶込みが大きいという特徴があ
ることが知られており、実験結果からもこの点を確認し
た。したがって、スパッター発生がなく、母材の溶込み
の大きい溶接を行うためにはスプレー移行(^)と埋れ
アーク(DJの境界近傍(第5図中領域(l l +)
の電流、電圧を選ぶことが必要である。
第6図は、全シールドガスに占めるアルゴン流量比の変
化と共に短絡移行の領域が著しく変化することを示した
グラフである。第6図中、(El は戻酸ガス溶接、f
F) 、(G)および()l)はDMAG溶接、(1)
は通常のMAG溶接を示し、各線の下側の部分が短絡移
行領域である。スパッターの発生しやすい短絡移行の領
域はアルゴン流量比が小さくなるほど、高パワー域にシ
フトしていることが分り、28%(容積%、以下同じ)
アルゴン(内側ニアアルゴン+外側;18炭酸ガス)の
ばあい(H)、通常のマグ溶接(75〜80%アルゴン
+20〜25%炭酸ガス)のばあい(1)とほぼ同じパ
ワー域になることを示している。これから、好ましい溶
滴移行をうるためには、適切な溶接電流、アーク電圧お
よびアルゴン流量比の組合せがあることが分った。
前記「メタル・コンストラクション」に発表されている
MAGCI溶接法が、スパッター形成の量的評偏および
溶接パラメーターの組合せの検討が不充分なために、ノ
ズルづまりを生じたのであろうことは、前記論文の中で
発表された溶接パラメーターと本発明者が研究の過程に
おいて行った実験値とを対比すると推論できる。第1表
はこの対比表である。
第  1  表 第1表かられかるように、本実験値に対し、MAGH論
文値はアルゴン流量比はかなり低く、またアーク電圧も
低い。これらの値を本実験の結果である第5図、第6図
に当てはめてみると、短絡移行域にあり、ノズルスパッ
ター量も本実験値に比べて著しく大きかったと推測され
る。
厳密には溶接施工条件は必ずしも一致しないと考えられ
るので厳しい対比ができないが、従来のMAGC+溶接
法がノズルづまりを理由に実用化を果しえなかった主な
原因はアーク電圧、溶接電流、不活性ガス比率の組合せ
が不適切であったためと判断できる。
本発明の溶接法においては、さらに、内側ノズルに流す
不活性ガスとして、従来のアルゴンのみとは異なり、ヘ
リウムまたはアルゴン/ヘリウム混合ガスを用いている
ヘリウムは一般に、電離電圧が高く、安藤弘平著「溶接
アーク現象」より引用した第9図に示されているように
電位傾度が大きく、そのためにアークプラズマエネルギ
ーが増大し、また、熱伝導率が大きいため、アーク柱を
より集中させることにより電極や母材の溶融を促進し滲
込みを大きくすると同時に溶接速度を大きくすることが
知られている。
本発明者の実験においては、アルゴン/ヘリウム組成を
変えて滲込みを調べた結果、アルゴンのみのばあいに対
し、何れの組成のばあいも大きくなり、ヘリウム流量比
が大きくなる程顕著に効果が現われた。またアルゴンを
用いたばあいと同等の滲込みかえられる溶接速度が著し
く増大した。
第1表の実験は電極としてソリッドワイヤーを使用して
行ったが、さらに溶接電極をソリッドワイヤーからフラ
ックスコアードワイヤーに変えることにより、−層のス
パッター発生抑制効果かえられる。金属溶滴を形成し、
母材の溶融池へ移行する際、溶滴が小滴の場合でも飛び
散る可能性はあるので、できるだけこれを抑制するため
にゆっくりと溶滴が到達することが望ましい。フラック
スコアードワイヤーを溶極として使用したばあい、第8
a〜80図に示すように溶滴(31)がスラグ柱(32
)にそった形で降下し、スラグ柱(32)が減速作用を
なすためにゆっくりとした到達をうろことが期待できる
。100%アルゴンガスを用いた実験の結果は、ソリッ
ドワイヤーのばあいの最も少ないスパッター量よりさら
に著しく少ない皆無に等しい量まで低減できた。
第7図はソリッドワイヤーとフラックスコアードワイヤ
ーの両者のノズルスパッター量を100%アルゴンガス
を用いた条件下で対比したものである。4分間の長いア
ークタイムにおいても、3HA、 311Vの条件のば
あい、ゎずかにL[176gで著しい低減が行なわれて
いることが明らかである。また、フラックスコアードワ
イヤーのばあい、前記アルゴン比率の影響がソリッドワ
イヤーのばあいに比べて大きく、アルゴン流量比の減少
とともに、スプレー移行領域の減少割合が大きく、アル
ゴン流量比12%ではこの領域はほぼ消失する。すなわ
ち、フラックスコアードワイヤーのばあいの方がアルゴ
ンによるアークの安定、溶滴移行の安定性に及ぼす効果
が大きいことを示していると同時にアルゴンなどの不活
性ガスの流量比を高く保つことが必要であることを示し
ている。
一方、フラックスコアードワイヤーのばあいの滲込みは
ソリッドワイヤーのばあいに比べて、かなり小さくなる
。これは前記溶滴の溶融池へのゆっくりとした到達によ
る影響と考えられる。
以上のように、ソリッドワイヤーをフラックスコアード
ワイヤーに代えることでノズルスパッター量は皆無に近
くなりDMAGの実用化を一層促進することができた。
なお、フラックスコアードワイヤーのばあいの問題であ
る前記滲込みの減少は、不活性ガスとしてヘリウムまた
はアルゴン/ヘリウム混合ガスを用いることによって改
善できた。
つぎに本発明の実施例について説明する。
以下の実施例に共通して使用した機械、器具は、溶接電
源としては(株)ダイヘン製のダイヘンMIG 500
F、溶接トーチはアレクサンダー・ビンツェル社(西独
)製の二重ノズルトーチである。
使用した母材および電極ワイヤーは第2表のとおりであ
る。
[以下余白] なお、第2表における電極ワイヤーDD51)Sはソリ
ッドワイヤーであり、電極ワイヤーDL50はフラック
コアードワイヤーである。
実施例1〜6および比較例1〜3 第3表に示される条件のもとに溶接実験を行ない、溶込
み、ビード巾、ノズルスパッター量を調べた。結果も第
3表に示す。
なお第3表の母材欄において、Pはビードオンプレート
溶接を表わす。
[以下余白コ 本発明の方法は、前述のごとく、内側ノズルにヘリウム
を、またはヘリウムを混合したガスを流すことによって
、溶込みおよび溶接速度の増大を達成するものであるが
、さらにこれらを向上させるため、アルゴン+ヘリウム
混合ガスに酸素、炭酸ガス、酸素+水素または炭酸ガス
+酸素を添加した結果、期待した結果をえられると共に
、ノズルスパッター量はいずれも実用上問題にならない
程度の微少量であった。これらの結果を一括して第3表
に示す。
第3表においては、実施例6以外は溶接速度を400 
■/分と一定にしたとき溶接条件を最適なスプレー移行
領域をうるための前記アーク電圧、溶接電流である30
V、 3(1(l Aをそれぞれ採用し、電極突出し長
さが18mmと比較例と全く同じ条件を採用し、電極ワ
イヤはいずれもフラックスコアードワイヤー(比較例1
と同じ)を使用した。
シールドガス組成を変化させた結果、溶込み、ビード幅
、ノズルスパッター量を対比した。
ただし、実施例6はソリッドワイヤーを使用し、母材も
5M50Aとし、アーク電圧32V、溶接電流400 
A、電極突出し長さを13mmと前記条件と異なった条
件で実施した結果である。
実施例1と2を比較したばあい、ヘリウム濃度が高くな
る結果、実施例2の方が溶込みが大キく、また比較例1
のアルゴンのみのばあいに対して著しい増加となってい
る( 2.8mm→4.9mm)。
つぎに実施例3については実施例1のアルゴンの一部を
酸素にしたばあいであるが、明らかに酸素の効果により
アークの安定と溶融金属の表面張力の低下による溶滴の
小径化などによりヘリウム添加による溶込み増大のうえ
にスパッターの減少を認めることができる。
実施例4は実施例3の酸素のかわりに炭酸ガスを添加し
た例であるが、このばあいも実施例3と同様の効果が表
われているが、酸素ポテンシャルの差で実施例3より若
干下回っている。
実施例5は実施例3の酸素を0.5酸素+0.5水素と
半分を水素に置き換えた例である。
水素は低いイオン化ポテンシャルをもち、ヘリウムと異
なりアークの安定に寄与するのみならず、ヘリウムと同
様に高熱伝導率を有するために、アークの集中性を増し
、深い溶込みをうるが、実験の結果では明らかに著しい
溶込みの改善(5,5mm)と安定した溶滴移行による
スパッターのより少ない(0,009g/分)結果がえ
られた。
実施例6に酸素を0.5酸素+0.5炭酸ガスと半分を
炭酸ガスに置き換えた例であるが、電極ワイヤーをソリ
ッドワイヤーとしたばあいでも酸素と炭酸ガスの効果に
よって安定したアークと溶融金属の表面張力の低下によ
る良好なスプレー移行によりノズルスパッター量も低く
、ソリッドワイヤーを使用した比較例2に対しても著し
い減少がみられる。
以上の結果を総括すると、電極ワイヤー・をソリッドワ
イヤーとし、適切な不活性ガス比率およびアーク電圧と
溶接電流の組み合わせによってノズルスパッター不着の
安定したDMAGを可能にした比較例1に対し、実施例
1〜6は比較例1の欠点である溶込み不足を改善し、し
かもノズルスパッター量については実用上全く同程度の
問題のない結果をえたことを示し、内側ノズルノアルゴ
ンをヘリウムまたはヘリウムと酸素、炭酸ガスおよび(
または)水素との混合ガスに置き換えた効果を示してい
る。
つぎに内側ノズルのガス組成により溶接速度の影響につ
いて調べた実験結果を第1図に示す。
溶接入熱一定のばあい、溶接速度の増大と共に溶込み深
さは減少する。比較のために溶込み深さ2.7■と一定
して、各ガス組成について溶接速度を対比すると第4表
のとおりとなる。
[以下余白] 第    4    表 第4表から明らかなようにヘリウムの添加またはヘリウ
ムに替えることにより前記のようにアークの集中性によ
り高入熱となり溶接速度が著しく増大する結果が見られ
る。
アルゴン7リツトル/分の内3リットル/分をヘリウム
に置き換えて530 mm7分に増加し、さらにアルゴ
ンの一部を炭酸ガスまたは酸素に替えて620 mm7
分、650 mm7分と各々増加した。
酸化性のガスの効果によるアークの安定と溶融金属の表
面張力の低下など溶滴移行の促進の結果である。アルゴ
ンを全部ヘリウムに替えたばあい、875mm 7分と
2倍の溶接速度をえたが、アークの不安定とスパッター
など若干他の例からみると問題がある。酸素と水素を添
加した結果、水素のもつアークの安定化としかもアーク
の集中性の効果により、安定したアークとしかも2倍以
上の溶接速度(940mm 7分)をえた。
つぎにえられた溶接′部の機械的特性について一例を第
5表に示す。第5表は実施例6についてえた溶接部につ
いて従来のDMAG通常MAG炭酸ガス溶接と対比した
結果を示すものであり、5M50A鋼の各種ガスシール
ドアーク溶接部の機械的性質をまとめたものである。
[以下余白] 第5表かられかるように、結果はいずれも実質的に差は
なく、大型溶接構造物の要求値を満足するものである。
なお、ブローホールについては、いずれの実施例、比較
例ともX線検査の結果は1級で、はとんどブローホール
は発見されず、また高温割れ、低温割れもなく、溶接欠
陥のないすぐれた溶接部であった。
以上実験結果を総合すると、比較例に示すような改善さ
れたDMAGにおいて内側ノズルのアルゴンをヘリウム
と少量の活性ガス(酸素、炭酸ガス、水素)とを適正な
組成になるよう混合したガスに置き換えることによって
、フラックスコアードワイヤーを使用することと相俟っ
て、スパッターのきわめて少ない、安定した溶接と共に
従来の2倍以上の速い溶接速度かえられ、溶接生産性の
高い溶接品質のすぐれたダブルガスシールドメタルアー
ク溶接法かえられた。
なお、第2図に本発明の方法に用いることのできる溶接
装置の一例を示す。第2図中、CI)はリール、(2)
は溶接ワイヤ、(3)は導管、(4)は二重ノズル溶接
トーチ、(5)は母材、(6)は溶接電源、(7)は移
動台車、(8)はアルゴン、ヘリウムなどの不活性ガス
容器、(9)は炭酸ガス容器、(10)は酸素、水素、
炭酸ガスなどの活性ガス容器である。
[発明の効果〕 本発明により、溶接生産性および溶接品質が高く、ノズ
ルづまりを生じないダブルガスシールドメタルアーク溶
接法が提供される。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の方法における内側ノズルのガス組成と
溶接速度および溶込み深さとの関係を表わすグラフ、第
2図は本発明の方法に用いる溶接装置の一例を示す説明
図、第3図はDMAG溶接トーチの概略断面図、第4図
はIIMAG溶接法の説明図、第5図はDMAG溶接法
における溶接電流とアーク電圧とスパッター量との関係
を示すグラフ、第6図はDMAG溶接法と通常の溶接法
とにおける短絡移行領域を比較したグラフ、第7図はD
MAG溶接法におけるアークタイムとノズルスパッター
量との関係を表わすグラフ、第88〜8c図はフラック
スコアードワイヤーを用いたばあいの溶滴移行の説明図
、第9図は種々のガスのアーク電流とアーク柱電位傾度
との関係を示すグラフである。 (図面の主要符号) (1):リール (2):溶接ワイヤ (3):導 管 (4)二二重ノズル溶接トーチ (5)、(20) :母 材 (6):溶接電源 (7):移動台車 (8):不活性ガス(Ar、He)容器(9):炭酸ガ
ス容器 (101:活性ガス(0、H2、C02)容器 (11):外側ノズル (+2) :内側ノズル (13):ガス分配器 (14) :コンタクトチップ (15):溶 滴 (16) :溶融池 (17)コアーク (18) :炭酸ガス流 (19):溶接金属 特許出願人  日合アセチレン株式会社代理人 弁理士
  朝日奈宗太 ほか2名、暖? 第3図 溶接ワイヤ 第4口 アーク電圧 (V) 第6図 溶接電流(A) アークタイム (min) 才8a國 牙9図 一→ アーク電流(A)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 溶接チップと同軸であり、かつ環状ガス通路を同心
    円状に二重に形成するために前記チップから半径方向に
    離間した二重ノズルを有する溶接トーチを使用し、溶接
    されるべき溶接継手に向かって溶接電極を送給すること
    、前記電極と溶接継手とのあいだに電気アークを発生す
    るために前記電極に電流を通し、電流が前記電極の端部
    分を溶融して溶融電極材料を溶接継手へ移行させてこれ
    を溶加するようにすること、および 前記電極と前記溶接継手とのあいだに安定なアークを発
    生させ、溶融池を大気から保護するために前記二重ノズ
    ルにおいて外側ノズルに炭酸ガスを、内側ノズルに不活
    性ガスまたは不活性ガスに少量の活性ガスが添加された
    混合ガスを同時に流すこと を含む金属電極活性ガス溶接方法であって、 (a)溶接電流が200〜600アンペアの範囲内であ
    り、 (b)アーク電圧が((1/50)I+(20)〜(1
    /50)I+(32))ボルト(I:アンペアで表わし
    た溶接電流)の範囲内であり、 (c)前記外側ノズルを流れる炭酸ガスの流量が常温・
    大気圧の値で10〜25リットル/分の範囲内であり、 (d)前記内側ノズルを流れる不活性ガスまたは不活性
    ガスに少量の活性ガスを添加した混合ガスの流量が常温
    ・大気圧の値で4〜10リットル/分の範囲内であり、 (e)内側ノズルおよび外側ノズルを流れる全ガスに対
    する内側ノズルを流れるガスの容積流量比が25〜40
    %であり、 (f)前記不活性ガスが95〜0容積%のアルゴンおよ
    び100〜5容積%のヘリウムからなる単一ガスまたは
    混合ガスであるダブルガスシールドメタルアーク溶接法
    。 2 不活性ガスに、内側ノズルおよび外側ノズルの合計
    ガス量に対して0.1〜5容積%の酸素、0.1〜3容
    積%の水素および0.5〜5容積%の炭酸ガスのすくな
    くともひとつを活性ガスとして添加する請求項1記載の
    溶接法。 3 前記溶融電極として0.8〜2.0ミリメートルの
    範囲内の直径を有するフラックスコアードワイヤー電極
    を用いる請求項1または2記載の溶接法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002137062A (ja) * 2000-09-06 2002-05-14 L'air Liquide アルゴンおよび二酸化炭素を基礎とするシールドガスを使用するニッケルおよびニッケル合金のmig溶接方法
CN101811215A (zh) * 2009-02-24 2010-08-25 株式会社大亨 Gma焊接方法
DE10314278B4 (de) * 2003-03-29 2011-05-05 Tbi Industries Gmbh MIG/MAG-Schweißbrenner

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