JP2014516794A - 回転アークおよびAr/He/CO2ガス混合物を用いたステンレス鋼のMIG/MAG溶接 - Google Patents

回転アークおよびAr/He/CO2ガス混合物を用いたステンレス鋼のMIG/MAG溶接 Download PDF

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Abstract

本発明は、消耗溶加ワイヤ、ならびに19〜21%のヘリウム、0.8〜1.2%のCO2、および残部のアルゴン(体積%)を含む三元ガス混合物によって形成されるガス保護を使用して、ステンレス鋼の1つ以上の部品を溶接する、MIG/MAG型の電気アーク溶接方法に関する。本発明によれば、アークは回転式であり、消耗溶加ワイヤをアークによって溶融し、回転液体線によって金属を移行するようにし、溶接部品は重なる端部を含む。

Description

本発明は、ステンレス鋼製の1つ以上の部品、特に、互いに重なる端部を有する部品を溶接するために、消耗溶加ワイヤ、ならびにアルゴン、ヘリウム、および二酸化炭素(CO2)からなる三元ガス混合物からなるガスシールドを使用するMIG/MAG型の電気アーク溶接プロセスに関する。
重ね継手は、端部が互いに重なっている、または言い換えれば、互いの上に載っている2つのシートまたはセクションを一緒に接合し、特に、「通常の重ね」継手、または段付重ね型の構成における継手の場合と同様である。
段付重ね型の構成における金属部品の継手は、段付重ね継手として一般に公知であり、特に、以下のタイプの圧力容器、すなわち、温水タンク、消火器、圧縮機、冷凍装置、LPGガスボンベなどの構成要素において見出される。
図3に例示したように、このような継手は一般に、中空の円筒形端部を有する2つの部品を含み、これらの一方は他方の中に挿入され、その結果、部品の一方の内面は、これらの環状端部において他方の部品の外面と数ミリメートルにわたって重なることになる。
規格EN13445−4:2002では、このような継手の中立素分のアライメント、表面のアライメント、真円度からの偏差、真直度からの偏差、面精度、および局所的薄化に関する製作公差が正確に定義されている。
概略的に、図3に例示した、この型の重ね継手、特に段付重ね継手で得られる溶接部、すなわち、互いに部分的に重なり、または覆う縁部を有する継手は、継手の外側を完全に覆うためにかなり広い輪郭を呈し、上側縁部の下方の肩を溶融するのに十分な溶け込みを有していなければならない。
溶接プロセス機能として、各段階後に、所望の溶接品質を得るために、前の段階の間に形成されるスラグを除去し、表面を清潔にし、表面欠陥を除去しなければならいことも念頭に置くべきである。
文献EP−A−2078580には、回転アークを用い、かつ8〜12%のヘリウム、2.5〜3.5%の酸素、および残部のアルゴン(体積%)からなるガス混合物を使用することによるMIG/MAG溶接プロセスによる段付重ね継手の溶接が示されている。
しかし、このプロセスは、不十分なアーク集束をもたらすという不利益を呈し、これは、常に望まれるものとは限らない溶け込みプロファイルを有する接合部をもたらす。
さらに、EP−A−2078580によってもたらされる混合物は、極めて短時間であるが強い短絡が100%ないようにわずかにより高い電圧を使用することを必要とする。
実際には、ステンレス鋼、特に、互いに重なる端部を有する部品を溶接することは、一定数の特定の問題を提起する。
したがって、10〜20%のHe、2〜3%のO2、および残部のアルゴンを含むガスでは、スプレー移行と回転液体線移行との間の移行領域がより広い。これは、同じエネルギーレベルで、ワイヤの溶融部分は、炭素鋼製よりステンレス鋼製で長いことが示されているためである。したがって、著しいスパッターによって最終製品中に反映される短時間で強い短絡を防止するために電圧をより高くする必要がある。
さらに、10〜20%のHe、3%のO2、および残部のアルゴンを含むガスでは、ステンレス鋼上に得られるビードの表面外観は、強すぎて工業的用途に適合し得ない酸化を呈する。
最後に、短絡のない回転液体線レジームを実現するために必要とされる高電圧レベルは、溶融ワイヤのセグメントを溶接池から引き離させる。こうして溶接された部品はそのとき、接着性スパッターを呈し、これは、ここでもやはり、所望の品質と不適合である。
文献US−A−4749841は、16〜25%のヘリウム、1〜4%のCO2、および残部のアルゴンからなるシールドガスを使用する、MIG/MAG型のステンレス鋼製溶接部品のプロセスを提供した。
しかし、このプロセスは、パルス型の金属移行レジームを使用し、これは、特に、過剰に丸みを帯びたビードの形態、および得られる溶け込みプロファイルに起因して、互いに重なる端部を有する部品の溶接に適していない。
ここから始めると、提起されている問題は、特に、重なっているステンレス鋼製の継手、特に、段付重ね型または通常の重ね型の継手を溶接する間に、良好な溶け込みおよび良好な溶接品質、特に良好な溶接ビード形態、ならびに無スパッターまたは可能な限り低減されたスパッターを得ることを可能にし、これが低エネルギーレベルで実現される、ステンレス鋼の有効なアーク溶接のためのプロセスを提供するという問題である。
そのとき、本発明の解決策は、ステンレス鋼製の1つ以上の部品を溶接するために、消耗溶加ワイヤ、ならびに19〜21%のヘリウム、0.8〜1.2%のCO2、および残部のアルゴン(体積%)からなる三元ガス混合物から形成されるガスシールドを使用するMIG/MAG型の電気アーク溶接のためのプロセスであって、アークは回転アークであり、消耗溶加ワイヤをアークによって溶融し、回転液体線による金属の移行を得るようにし、溶接部品は、特に通常の重ねまたは段付重ね様式で、互いに重なる端部を含むことを特徴とするプロセスである。
より具体的には、液体金属、すなわち、溶融金属の線は、回転運動で生じている。液体金属の線は、電気アーク内で消耗溶加ワイヤを溶融することによって形成される。
場合によって、本発明の溶接プロセスは、以下の特性(体積%)の1つ以上を含むことができる:
− ガス混合物は、少なくとも19.5%のヘリウム、好ましくは少なくとも19.8%のヘリウム、より好ましくは少なくとも19.9%のヘリウムを含み、
− ガス混合物は、多くとも20.5%のヘリウム、好ましくは多くとも20.3%のヘリウム、有利には多くとも20.1%のヘリウムを含み、
− ガス混合物は、少なくとも0.9%のCO2、好ましくは少なくとも0.95%のCO2を含み、
− ガス混合物は、多くとも1.10%のCO2、好ましくは多くとも1.05%のCO2を含み、
− ガス混合物は、19.95〜20.05%のヘリウム、0.98〜1.02%のCO2、および残部のアルゴンを含み、
− ガス混合物は、20%のヘリウム、1%のCO2、および79%のアルゴンから構成され、
− ガス混合物は、ガスタンク、特に、ガスボンベ内に予め入れられ、
− ガス混合物は、所望の体積比率でアルゴン、ヘリウム、および酸素を混合する役割を果たすガス混合器を使用してその場で生成され、
− 溶接部品は、互いに重なる円筒形端部を含み、
− 溶接部品は、以下のタイプの圧力容器、すなわち、温水タンク、消火器、圧縮機、冷凍装置、またはLPGガスボンベの構成要素であり、
− 溶接電圧は、29.5V〜35Vであり、
− 溶接強度は、245A〜300Aであり、
− 溶接ワイヤは、ER308LSi型であり、
− ワイヤ供給速度(Vwire)は、多くとも30m/分、一般に16m/分〜20m/分であり、
− 溶接速度は、多くとも5m/分、一般に0.8m/分〜2m/分である。
本発明を、添付の図面を参照して、以下の記載でより詳細に説明する。
図1はビードの形態に対する移行の型の影響の図式表示を示す。 図2は回転液体線の図式表示を示す。 図3は段付重ね継手の図式表示を示す。
一般に、MIG−MAGアーク溶接では、3つの主要な、または通常の移行レジームがある。すなわち:
− 短絡。このレジームは、低アークエネルギー、一般に50〜200Aおよび15〜20Vで得られる。溶加ワイヤの端部で溶融金属の滴が形成し、これが溶融金属の池と接触するまで徐々に大きくなり、それにより短絡が生じる。次いで、電流が急速に増大し、ピンチを生じさせ、これは滴の脱離を促進し、次いでアークが再点火する。この現象は、約50〜200Hzの頻度で繰り返される。このレジームは、「コールド」と言われ、ショートアークを有する。これは、薄い厚さ、すなわち、3mm未満の溶接に適しており、ポジション溶接の間に溶融池を制御することを可能にする。
− 軸スプレー。高溶接エネルギーすなわち280Aに対して少なくとも28V、およびある特定の電流密度より上、一般に、ワイヤの性質およびシールドガスに応じて250A/mm2超のエネルギーでは、溶加ワイヤの端部は、伸びた円錐形を帯びる。ワイヤから溶接池への溶融金属の移行は、溶融金属の微小滴の形で起こり、その直径はワイヤの直径未満であり、これらは、ワイヤの軸内で高速で噴霧される。アークは、長さ4〜6mmである。この金属移行により、安定なアークがもたらされ、スパッターがほとんど生じない。それにより、高い溶け込み、すなわち少なくとも5mmの溶け込み、および大量の溶着金属、すなわち少なくとも15m/分のワイヤ速度が可能になる。これは、5mm以上の程度の厚さを有する部品の溶接に適している。しかし、池の体積および流動性は、これが、下向き溶接において主に使用されることを意味する。
− グロビュールレジーム。短絡移行と軸スプレー移行をもたらすエネルギーの間の溶接エネルギー、すなわち一般に200Aに対して22V〜280Aに対して28Vでは、溶加ワイヤの端部で形成する金属の滴は、ゆっくり成長する。電流の強度は、脱離を生じさせるピンチ効果を有するのに十分でないので、滴は大きくなり、すなわち対象とするワイヤの直径より大きいサイズを有する。移行は、滴が池に触れている場合、短絡によって、または重力の効果の下での滴の脱離によってのいずれかで起こる。そのとき滴は、常にアークの軸内とは限らない軌道をたどる。このモードの移行は、不安定であり、浅い溶接溶け込みのみを得ることを可能にし、金属滴の多くのスパッターを生じる。
これらの主要レジームに、通常と異なる溶接パラメータを必要とする3つの移行レジームを加える必要がある。すなわち、
− 強制ショートアークレジーム。短絡移行は、高電流での溶接を可能としない一方で、溶接強度が増大するとグロビュール移行に至り、かなりの接着性スパッター、および同様にかなりの仕上げ時間を生じさせる。強制短絡または強制ショートアーク移行は、グロビュール領域内に通常位置するアークエネルギーで、短絡による移行を維持することを可能にする。このレジームにより溶接速度を速くすることが可能になり、微細なスパッターのみが生じ、仕上げ時間が抑えられる。強制短絡は、トランジスタ式溶接機で得られ、その波形は、規則的な短絡を維持することを可能にする。
− パルスレジーム。本来、パルスレジームは、グロビュールレジームの欠点を克服するために開発された。グロビュールレジームでは、その不安定な移行モードおよびそのスパッタリングの性質に起因して、許容される溶接条件下で生産性を増大させることが可能にならなかった。パルスレジームでは、溶接は、パルセーションパラメータを選ぶことによってパルス電流を用いて実施され、その結果、パルスのそれぞれについて、1パルス当たり1滴で軸スプレー型の移行がある。ここでのレジームは強制される、すなわち、結果が確実であるようにパルセーションパラメータを慎重に選ぶことによって電流の形が与えられる。一般に、パルセーション周波数は、ワイヤ供給速度に応じて50〜300Hzの範囲である。これは、時間の関数として電流の形を与えることが可能である発電機、例えば、トランジスタ発電機を必要とする。
− 回転液体線(またはRLV)による移行。非常に高い溶接エネルギー、すなわち450Aに対して約40Vにおいて、軸スプレー移行は、高い電磁力に曝される。これらの力の効果の下で、移行中の液体金属は、回転し始め、回転液体線を形成する。高い生産性をもたらして、このレジームは、500A程度の強度および45〜50Vの電圧で現れる。丸まった溶け込み形状は、開先を満たすのに好都合であり、良好なコンパクトさを可能にする。
しかし、一般に、移行は、ワイヤ速度および電圧に依存する。ワイヤ速度が十分高い場合、電圧を上昇させることによって、移行は、不安定から軸スプレーに、次いで回転液体線に変化する。このとき、ビードの形状は、適用される移行に起因する。したがって、様々な上述した移行モードで得られるビードの形態を、図1に例示する。
図1で分かるように、各移行は、特定のビード形状をもたらす。したがって、
− グロビュールレジームは、大きい接着性スパッターの存在を伴ったレンズ状溶け込みによって表される。
− 不安定レジームは、低いワイヤ速度ではわずかに先の尖った溶け込みを伴った、曲がった、ぬれがないビードを特徴とする。先の尖った形状は、ワイヤ速度の増大に伴ってより顕著になる。
− パルスレジームは、波形がもたらす広い範囲の調整により、様々な型のビード形態を有することを可能とする。高いワイヤ速度において、電流パルスの周波数、およびピーク強度をも大いに増大させる拘束は、スプレーに非常に近い挙動をもたらす。この移行は、滑らかな電流スプレー移行がもたらすものに非常に近い幾何形状、およびビードのルートにおけるより顕著な溶け込みによってビードの位置で表される。
− 軸スプレーレジームは、指貫形状の溶け込みをもたらし、これは、ワイヤ速度が増大するにつれてより顕著になる。ぬれは良好である。
− 回転液体線またはRLVは、皿形状の平底ビード溶け込みを生じさせる。
本発明の文脈の範囲内で、好適な移行モードは、回転液体線またはRLV型の移行である。
RLV移行では、非常に高い溶接エネルギー、すなわち450Aに対して少なくとも40Vのエネルギーに関して、かつ存在する電磁力の効果の下で、回転運動を有する液体線の形成が観察される。
このRLVレジームでは、高い電圧−電流ペア、すなわち40Vおよび450Aを超えるペアであって、一般に発電機は400A超を出力しないと認められているとすると、パワーエンベロープがこのエネルギー範囲をカバーしている1(以上)の発電機によって出力される電圧−電流ペア、および使用される溶加ワイヤの直径の関数としての20〜40m/分のワイヤ速度を使用する必要があり、さらに、ワイヤは、少なくとも25mmの自由末端部を常に有していなければならない。これを行うために、倍速フィーダー、すなわち50m/分に到達し得る速度を有するフィーダーが通常使用され、これは、第1のレジームでは通常のワイヤ速度で、開始および停止フェーズの円滑な稼動を保証することを可能にし、第2のレジームでは、高いワイヤ速度を必要とする高溶着速度レジームへ推移させることを可能にする。
さらに、ワイヤを送る溶接ノズルおよびガスシールドは、水の循環によって特に良好に冷却されなければならない。
最後に、RLVレジームにおけるMIG/MAG溶接中に適用されるガスシールドは、特に、部品がステンレス鋼製である場合、溶接ビードをより高品質かまたはあまり良好でない品質で得ることを決定するため、特に重要である。
[実施例]
これを考慮して、本発明の発明者らは、シールドガスに使用されるガス混合物組成物中に含まれている様々なガスの利点および影響をより良好に理解することを探求して、低いエネルギーレベル、すなわち、325Aで40Vより低いエネルギーレベルでの回転液体線による移行を用いてMIG/MAG溶接プロセスを改善することを試みた。
本発明者らは、ヘリウム、酸素、CO2、およびアルゴンに非常に特に興味を持ち、以下に記録した比較試験を実施した。
実際には、熱伝導率が大きいのでヘリウムを使用する。実際に、ワイヤと溶接される部品との間の軸に沿った任意の位置について、電気アークを形成するためにシールドガスの一部がイオン化されることを考慮すると、電源から供給される電気エネルギーの大部品は、プラズマのエンタルピーに含まれていると考えることが可能である。
すなわち、IV〜ρAAA
ここで:
− Iは、溶接電流であり、
− Vは、電極と、溶接される部品へのワイヤの軸に沿った投影部との電位差であり、
− ρAは、プラズマの平均密度であり、
− vAは、プラズマの平均速度であり、
− Aは、アークの表面積である。
このときエネルギー束密度は、ρAAAによって与えられ、したがってプラズマの1つの本質的な材料特性は、積ρh、またはcp=dh/dTであるのでρcpである。
上記式によれば、同じ値のIおよびVについて、cp、したがってエンタルピーhの値が増大すると、アーク表面積Aが低減し、したがって集中アークがもたらされる。
第2の効果は、アークの表面積が低減すると、電流密度がより高くなり、したがってより大きい磁力が生じることである。
速度vAがより高いと、Aの値がより小さくなり、集中アークが生じることに留意してもよい。この効果は、熱ピンチ効果と呼ばれる。
さらに、アルゴンは容易にイオン化するので、アルゴンの役割は、それ自体でアークの点火を促進することである。
さらに、酸素およびCO2は、アークに対してだけでなく表面活性の面でも安定化効果を有し、これは液体線を消耗ワイヤの端部において得ることを可能にし、液体線は、より大きい流動性を有することになり、磁力によってより容易に移動することになる。
最終的に、目標とする目的は、特に段付重ね構成(図3)を有するステンレス鋼のMIG/MAG溶接の間に、低いエネルギーレベルで、図式的に図2に示したものと同一または同様のRLV移行を得ることに成功することであった。
これを行うために、以下の試験において詳細に説明するように、様々な三元ガス組成物、特に三元Ar/He/O2およびAr/He/CO2混合物に対して試験を実施した。
試験A(比較試験)
ステンレス鋼に対する第1のアーク溶接試験を実施することによって、以下の組成(体積%)、すなわち、87%のAr+10%のHe+3%のO2を有する酸化性ガス混合物を用いたアークの挙動を観察した。
使用したプロセスは、FANUC製Arcmate 120iロボット、Digi@wave500発電機、DVR500型のフィーダー、およびAir Liquide Welding製Promig 441Wトーチを用いて消耗ワイヤが足される自動MAG溶接プロセスである。
溶接は、厚さ4mmのX2CrNi18 9ステンレス鋼製の部品に対して、フルシート様式で実施する。
溶加金属として作用するワイヤの組成物は、G 19 9L Si(ER 308L Si)ステンレス鋼型のものであり、直径1mmである。
他の溶接パラメータは、以下の通りである:
− 溶接電圧:31V
− 強度:275A
− コンタクトチップ/部品の距離:24mm
− ガス流量:25l/分
− 溶接速度(WeR):160cm/分
− ワイヤ速度(WiR):20m/分
− トーチの軸は、部品の表面と約45°の角度を形成する。
この酸化性混合物(3%のO2)で得られた結果は、回転アーク、すなわち、回転液体線(RLV)が確立されている一方、アークの高さは、はるかに高すぎ、著しいスパッターを生じ、これは、溶接池の周辺に接着することを示す。さらに、ビードの強い酸化が観察される。
こうして試験した第1の混合物は、工業的に許容されない結果を与える。
試験B(比較試験)
試験Aの間に得た結果に続いて、ステンレス鋼に対する他の溶接試験を、より多くのヘリウムを含む第2のガス混合物、すなわち、以下の組成、すなわち、Ar+20%のHe+3%のO2を有するガス混合物を用いて実施した。
試験Bの間、パラメータは、以下のパラメータを採用したことを除いて、試験Aにおけるものと全体的に同じである:
− コンタクトチップ/部品の距離:25mm
− WeR:60cm/分
− 溶接電圧:33.8V
− 強度:278A
得られた結果は、上記のように、著しい程度のスパッタリングおよびビードの強い酸化を示す。RLV移行は、安定であるが、アーク高さは依然として高すぎる。ビードは、相対的に良好なコンパクトさを呈するが、極端に低い溶け込みを呈する。
溶接池の後ろに不活性ガス(アルゴン)の流れの注入、すなわち「引棒」を使用しても、著しい差異を生じない。
したがって、試験した第2の混合物としても、工業的に許容されない結果を与え、これは、アルゴン引棒を用いても用いなくても当てはまる。
試験C(比較試験)
試験Cは、わずかに異なる溶接パラメータ、すなわち:
− 溶接電圧:32.2V
− 強度:249A
− WiR:18m/分
を使用することを除いて試験Bに類似する。
得られた結果は、上記のように、アークの回転中にかかる遠心力に起因した著しい程度のスパッタリング、およびビードの強い酸化を示す。RLV移行は確立されず、アークは完全に不安定である。
試験D(発明)
試験A〜Cの結果は、酸素系ガス混合物の使用は、ステンレス鋼の溶接に適していないことを確認するものである。
ビードの非常に酸化された外観は、試験したガス混合物の極端に酸化性の性質(すなわち、3体積%のO2)によって引き起こされることを確認するために、使用するガスの酸化力を低減しながら他の溶接ビードを生じさせて、ビードの表面外観を改善し、液体線の流動性を低減することを試みた。
これを行うために、酸素を二酸化炭素(CO2)に取り替えた。このとき試験したガスは、以下の組成、すなわち81%のAr+18%のHe+1%のCO2を有する。
溶接条件は、以下の表Aに示すパラメータを使用することを除いて、先の試験のものと同様である(ステンレス鋼ワイヤ、金属シートなど)。
得られるビードは、以下の特性を呈する:
− ビード幅:15.3mm
− 溶け込み:1.9mm
− オーバーシックネス:2.1mm
− 総表面積:42.1mm2
− 溶け込んだ表面積:31.5mm2
− ぬれ角:155.3°
これらの結果は、試験したガスは、ステンレス鋼の溶接においてRLVを使用するのに望まれる基準と好ましく適合することを示す。
これは、ビードの外観が良好であり、スパッターの程度が低く、表面酸化が相当に低減されたためである。
試験E(発明)
試験Dの結果を考慮して、試験Dと同じ条件下であるが、多様な含量のCO2を用いて補充試験を実施した。
試験したガスは、以下の表Bに示すように、0.5〜3%のCO2、20%のヘリウム、および残部のアルゴンを含む。
得られた拡大図の検査の後、2%超のCO2で、スプレーレジームが現れ、容認できない結果を生じることが分かる。
スパッター(金属シート近傍および金属シート上)は、最大で約1.5%のCO2まで非常に制限されるが、2.5%のCO2から非常に大きく、完全に容認できなくなる。
ビードの外観は、CO2含量が増大するとともに徐々に劣化する。最良の結果は、1.5%未満、好ましくは1%の程度のCO2含量で得られる。
すべての場合において、最良の結果を与えた混合物は、以下の組成、すなわち、20%のHe+1%のCO2+79%のArを有する混合物であり、これは、特に、同じ混合物であるが、CO2の代わりに酸素を用いた混合物に対する、当該混合物から生じる優れたぬれ、およびビードのはるかに少ない酸化の理由による。
これらの結果は、図3に例示したように、段付重ね継手、すなわち、互いに溶接されるステンレス鋼製の2つのフェルールに対して実施した補充試験の間有効であることに留意すべきである。
結局、これらの試験により、約20%のヘリウム、約1%のCO2、および残部のアルゴンから形成される混合物は、ステンレス鋼、特に、重ね継手、例えば、段付重ね継手および通常の重ね継手などの回転液体線を伴ったMAG溶接、すなわち回転アークMAG溶接に完全に適していると結論づけることが可能になる。
本発明によるMIG/MAG溶接プロセスは、ステンレス鋼製部品の段付重ね継手、特に、温水器のタンク、消火器の本体、導管などの溶接によく適しているが、一般に5mm未満の厚さを有する薄い桁に基づくステンレス鋼製の任意の構造物、例えば、疲労下でのみ働き、ルート溶け込み深さが主要基準でない貨物トレーラの隅肉溶接にも適している。
しかし、考慮しているガス混合物は、効率的なスプレー移行を明らかに可能にする。したがって、これは、ルート溶け込みが望まれる場合、多目的に使えることを可能にする。
試験B(比較試験)
試験Aの間に得た結果に続いて、ステンレス鋼に対する他の溶接試験を、より多くのヘリウムを含む第2のガス混合物、すなわち、以下の組成、すなわち、77%のAr+20%のHe+3%のO2を有するガス混合物を用いて実施した。

Claims (9)

  1. 消耗溶加ワイヤ、ならびに19〜21%のヘリウム、0.8〜1.2%のCO2、および残部のアルゴン(体積%)からなる三元ガス混合物からなるガスシールドを使用して、ステンレス鋼製の1つ以上の部品を溶接する、MIG/MAG型の電気アーク溶接方法であって、前記アークは回転アークであり、前記消耗溶加ワイヤをアークによって溶融し、回転液体線による金属の移行を得るようにし、溶接部品は互いに重なる端部を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記ガス混合物が、少なくとも19.5%のヘリウム、好ましくは少なくとも19.8%のヘリウム、より好ましくは少なくとも19.9%のヘリウムを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記ガス混合物が、多くとも20.5%のヘリウム、好ましくは多くとも20.3%のヘリウムを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記ガス混合物が、少なくとも0.9%のCO2、好ましくは少なくとも0.95%のCO2を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記ガス混合物が、多くとも1.10%のCO2、好ましくは多くとも1.05%のCO2を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記ガス混合物が、17.95〜18.05%のヘリウム、0.98〜1.02%のCO2、および残部のアルゴンを含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記ガス混合物が、20%のヘリウム、1%のCO2、および79%のアルゴンから構成されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記溶接部品が、互いに重なる円筒形端部を含むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記溶接部品が、以下のタイプの圧力容器、すなわち、温水タンク、消火器、圧縮機、冷凍装置、またはガスボンベの構成要素であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の方法。
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