JPH0626081A - 給水加圧装置 - Google Patents

給水加圧装置

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JPH0626081A
JPH0626081A JP20445392A JP20445392A JPH0626081A JP H0626081 A JPH0626081 A JP H0626081A JP 20445392 A JP20445392 A JP 20445392A JP 20445392 A JP20445392 A JP 20445392A JP H0626081 A JPH0626081 A JP H0626081A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 配水管の水圧に悪影響を与えて給水の公平性
が損なわれることを防止する。 【構成】 加圧ポンプ22はポンプ駆動回路29にて流
出圧Pd を測定してそれが目標値に達するようにフィー
ドバック制御される。この制御において、流入圧センサ
27によって測定された流入側の水圧が所定値以下のと
きには、その水圧が低いほど目標値を低く設定するよう
にされる。この結果、配水管11側の水圧が低い場合に
は、配水管11側からの吸水量が抑えられることにな
り、配水管11側の水圧を過剰に低下させることがなく
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、配水管に直結して給水
圧を高める給水加圧装置に関する。
【0002】
【従来の技術】公共水道の配水管の動水圧は一般に1.
5Kg/cm2〜2.0Kg/cm2程度に維持されている。しか
し、これでは3階建以上の中・高層ビル内に設けられて
いる末端給水器具に給水するには圧力が不足するため、
このような場合には、図5(A)に示すように配水管1
から引き込んだ水を一旦、受水槽2に貯水し、ここから
加圧ポンプ3で増圧して末端給水器具4に給水する方式
が採用される。また、同図(B)に示すように、配水管
1からの水を受水槽2に受け、これをビルの最上部に設
置した高置水槽5に揚水ポンプ6にて汲み上げて貯水
し、ここから自然流下により各末端給水器具4に給水す
る方式もある。
【0003】ところが、いずれの方式であっても、配水
管1からの水は一旦、受水槽2に放出されてしまうか
ら、2.0Kg/cm2近くもある水圧を有効に利用すること
ができず、エネルギーの無駄が多いために消費電力量が
大きくなるという問題がある。しかも、受水槽に水を一
旦貯えると残留塩素が次第に減少してゆくため、受水槽
の有効容積が10立方メートルを越えるものについては
簡易水道法の規制対象になって安全衛生管理が義務付け
られるが、近年の土地高騰による設備費の上昇や人件費
の上昇によって受水槽の維持管理がますます困難になっ
ている。また、小規模な受水槽では法規制の対象とはな
らないものの、この場合には衛生上の問題が生じ易くな
る。
【0004】そこで、近年、配水管に給水加圧装置を直
結し、この給水加圧装置から末端給水器具へ供給すると
いう直結給水方式が研究されている。この方式の基本構
成は、配水管に加圧ポンプと圧力貯水タンクとを順に接
続して圧力貯水タンク側を末端給水器具に連ねると共
に、加圧ポンプの流出側の水圧を測定する流出圧センサ
を設け、その流出側の水圧が所定値以下に低下したとき
に加圧ポンプを運転して増圧するというものである。こ
のようにすれば、受水槽を無くすことができるから、配
水管側の水圧を有効利用して省電力化を図ることができ
る。また、受水槽における衛生上の問題が生じないか
ら、常に衛生的な水が確保できる等の多大な利点が生ま
れる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の構成
では、流出側の圧力が低下すると一義的に加圧ポンプが
運転されてしまう。このため、給水需要が大きく増大す
ると、加圧ポンプが連続運転されて多量の水を配水管側
から吸水することになり、この装置が接続された配水管
の水圧を低下させることになる。このことは、特に配水
管側の水圧が十分に高くない場合には、ビル近隣地域で
の出水不良や濁り水を発生させて給水の公平化を失わせ
る可能性があることを意味する。本発明は上記事情に鑑
みてなされたもので、配水管に直結される直結給水方式
としながら、配水管の水圧に悪影響を与えて給水の公平
性が損なわれることを防止できる給水加圧装置を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の給水加圧装置
は、配水管に接続される加圧ポンプと、この加圧ポンプ
の流出側から末端給水器具への給水管に連なるように設
けられた圧力貯水タンクと、この圧力貯水タンクと配水
管との間に設けられた逆止弁と、加圧ポンプの配水管側
における水圧を測定する流入圧センサと、加圧ポンプの
流出側における水圧を測定する流出圧センサと、前記流
出圧センサにより測定される流出側の水圧が目標値とな
るように前記加圧ポンプの運転を制御するポンプ駆動回
路とを備えており、そのポンプ駆動回路は、流入圧セン
サによって測定された流入側の水圧が所定値以下のとき
には、その水圧が低いほど目標値を低く設定するように
構成されているところに特徴を有する。
【0007】
【作用】上記手段では、給水需要が発生して圧力貯水タ
ンク内の水圧が低下すると、流出圧センサにより検出さ
れる流出側の圧力が低下するため、ポンプ駆動回路によ
って加圧ポンプが運転され、流出側の水圧が目標値に達
するように加圧されるようになる。これにより、受水槽
を無くして中・高層ビル内にも十分に給水できるように
なり、しかも配水管側の水圧を有効利用して増圧するた
めに電力消費は少なくて済む。また本発明では、流入圧
センサによって流入側の水圧を測定し、その水圧が所定
値以下のときには、その水圧が低いほど目標値を低く設
定するように構成されているから、配水管側の水圧が低
い場合には、流出圧の目標値は低く設定されて配水管側
からの吸水量が抑えられることになる。この結果、この
場合にはビルの上部階等において末端給水器具への給水
圧が不足することもあり得るが、少なくとも配水管側の
水圧を過剰に低下させて近隣地域の給水の公平性を損な
うという最悪の事態は確実に回避することができる。
【0008】なお、流出圧が十分に上昇している等のた
めに加圧ポンプが停止している場合においては、配水管
側と圧力貯水タンクとの間には逆止弁が配設されている
から、圧力貯水タンク内の水が配水管側に逃げて流出圧
が低下してしまうことはなく、無駄に加圧ポンプが運転
されてしまうことはない。
【0009】
【発明の効果】このように本発明の給水加圧装置によれ
ば、配水管への直結方式として衛生的な水を確保できる
と共に省電力運転が可能であり、しかも配水管側の水圧
が低い場合には、流出圧の目標値を低く設定するように
しているから、配水管の水圧を過剰に低下させることが
なく、近隣地域の出水不良等の給水の不公平化を発生さ
せることを防止することができるという効果を奏する。
【0010】
【実施例】以下本発明の一実施例について図1ないし図
4を参照して説明する。図1には、公共水道の配水管1
1に流入側給水管12を介して本発明の給水加圧装置2
0を直結し、ここから流出側給水管13を介して中高層
ビル14内の各階に設置してある末端給水器具15に給
水する構成が示されている。給水加圧装置20内におい
て流入側給水管12と流出側給水管13との間の管路
は、複式逆止弁21、加圧ポンプ22及び流量スイッチ
23を順に連ねて構成されており、加圧ポンプ22の吸
入側と流出側との間には流出側からの逆流を阻止する逆
止弁24を備えたバイパス管25が設けられている。ま
た、加圧ポンプ22の流出側であって流出側給水管13
に連なる管路には圧力貯水タンク26が設けられ、加圧
ポンプ22から流出された水を所定の圧力状態で貯えて
給水圧を平滑化できるようにしている。
【0011】そして、上記加圧ポンプ22の流入側には
複式逆止弁21よりも上流に位置して流入圧センサ27
が設けられ、これにより加圧ポンプ22の配水管11側
における水圧(以下「流入圧Ps 」という)を測定する
ようになっている。一方、加圧ポンプ22の流出側には
流出圧センサ28が設けられ、その流出側の水圧(以下
「流出圧Pd 」という)を測定するようになっている。
さて、上記加圧ポンプ22はポンプ駆動回路29によっ
て運転される。このポンプ駆動回路29は可変周波数・
可変電圧(VVVF)を出力する周知のインバータ装置
を備えており、加圧ポンプ22を所望の速度で運転する
ことができる。なお、計算によれば、流出圧Pd はイン
バータ装置の出力周波数の2乗に比例して増圧される。
【0012】一方、このポンプ駆動回路29を制御する
ための制御手段30はマイクロコンピュータを備えて構
成され、本発明に直接関係するそのソフトウエア的構成
は図2及び図3に示す通りである。そこで、次に、本実
施例の動作をこの制御手段30の制御態様と共に説明す
る。今、給水加圧装置20が図1に示すような配管で設
置されており、装置に電源が供給されたとする。する
と、図2に示すように、まず制御手段30全体の初期化
を行うと共に、設定されている各種の基準データを読み
込む(ステップ100)。これらの各基準データは、本
装置の管理者等によって予め入力されたものである。
【0013】ここで、本実施例において使用されている
各種の基準データの意味を2つの変数と共に説明してお
く。 Ps :流 入 圧 =流入圧センサ27により測定さ
れている水圧(変数)配水管の動水圧に一定の関係をも
って追従する。 Pd :流 出 圧 =流出圧センサ28により測定さ
れている水圧(変数) PSH:上限起動流入圧=加圧ポンプ22を起動する条件
となる流入圧の上限値この値以上の流入圧があるときに
は加圧ポンプ22が起動されない。 PSL:下限起動流入圧=加圧ポンプ22を起動する条件
となる流入圧の下限値流入圧がこの値以下のときには、
加圧ポンプ22が起動されない PS0:標準流入圧 =この圧力以上の流入圧があると
きには、制御の目標値として標準目標流出圧が設定され
る。 PDA0:標準目標流出圧=流入圧が十分にある(Ps ≧
PS0)場合における末端給水器具への給水圧力の目標
値。 PDS0:標準起動流出圧=流入圧が十分にある(Ps ≧
PS0)場合において加圧ポンプ22を起動する条件とな
る流出圧。 PSn :第n次基準流入圧=制御の目標値を決定する要
素(n=1,2,3)。 PDAn:第n次目標流出圧=制御の目標値のうちの1つ
(n=1,2,3)。 PDSn:第n次起動流出圧=第n次目標流出圧を制御の
目標値としているときに採用される加圧ポンプ22を起
動する条件となる流出圧(n=1,2,3)。 (1)加圧ポンプ22の起動 さて、ステップ100の初期処理に次いでステップ10
1が実行され、まず流入圧Ps と上限起動流入圧PSHと
の大小関係が判断され、次にステップ102が実行され
て流入圧Ps と下限起動流入圧PSLとの大小関係が判断
される。ここで、流入圧Ps が上限起動流入圧PSH以下
であり、且つ、下限起動流入圧PSLを越えていることを
条件にポンプ起動側のステップに移り、それ以外の場合
にはポンプ起動はされない(ステップ103)。その理
由は、流入圧Ps が上限起動流入圧PSHを越えているよ
うなときには、流入圧PS 自体によって給水可能である
から、無駄な加圧を避けて省エネルギー化を図るためで
あり、また、流入圧PS が下限起動流入圧PSL以下であ
るような低圧力であるときには、加圧ポンプ22の運転
によってそれ以上に配水管11側の水圧を低下させてし
まうことを避けるためである。
【0014】次にステップ104に移行して目標値の設
定処理が行われる。これは図3に示すように、その時の
流入圧Ps と、標準流入圧PS0及び第n次基準流入圧P
Snとを比較し、その比較結果に応じて流出圧制御の目標
値と起動流出圧とを次表に示す組み合わせで決定する処
理である。 流入圧Ps の範囲 目 標 値 起 動 流 出 圧 Ps ≧PS0 標準目標流出圧PDA0 標準起動流出圧PDS0 PS0>Ps ≧Ps1 第1次目標流出圧PDA1 第1次起動流出圧PDS1 PS1>Ps ≧Ps2 第2次目標流出圧PDA2 第2次起動流出圧PDS2 PS2>Ps 第3次目標流出圧PDA3 第3次起動流出圧PDS3 上記した標準流入圧PS0、各基準流入圧PS1,PS2及び
及び各目標流出圧PDA0〜PDA3は、この給水加圧装置の
設置地域の配水事情や流出側に連結される給水設備に応
じた値として予め設定されているものであり、各目標流
出圧については次式の関係がある。
【0015】PDA0>PDA1>PDA2>PDA3 また、各起動流入圧PDSnは次式に示すように各目標流
出圧PDAn よりも僅かに低い値となるよう算出したもの
である。なお、本実施例ではΔpは0.3Kg/cm2とし
た。 PDAn =PDSn −Δp (n=1,2,3) 上述の目標値設定処理が終了すると、次にステップ10
5に移ってポンプが運転中であるか否かが判断される。
電源投入の直後又は加圧ポンプ22の停止時には、判断
結果が「NO」となってステップ106に移行し、加圧ポ
ンプ22の流出側の水圧(流出圧Pd )とステップ10
4にて設定された起動流出圧PDSn とが比較される。本
装置の設置直後には流出圧pd は流入圧Ps にほぼ等し
く、これは一般に起動流出圧PDSn よりも低いから、ポ
ンプ駆動回路29によって加圧ポンプ22が起動される
(ステップ107)。このポンプの起動は、ポンプ駆動
回路29のインバータ装置の出力周波数と出力電圧を所
定の比に保って徐々に上昇させるV/F一定制御により
実行され、これにより流出圧Pd は流入圧Ps から離れ
て急速に上昇する。
【0016】起動後には、まず流出圧Pd の目標流出圧
PDAn からの圧力偏差ΔPd が求められ(ステップ10
8)、次にその正負が判断される(ステップ109)。
圧力偏差ΔPd が正である(流出圧Pd が目標流出圧P
DAn より低い)ときにはステップ110に移行し、その
偏差ΔPd に応じた周波数・電圧でポンプが加速運転さ
れる(偏差ΔPd が大きいほど周波数を高くして、ポン
プの回転速度を高める)。また、圧力偏差ΔPd が0又
は負である(流出圧Pd が目標流出圧PDAn と同じ又は
高い)ときには、ステップ111の判断に移行する。流
出圧Pd が目標流出圧PDAn に等しく圧力偏差ΔPd が
0であるときには、ステップ111にて「YES」となる
から、ポンプ駆動回路29のインバータ装置の出力周波
数・電圧はその時点での値が維持されて加圧ポンプ22
が定速運転される(ステップ112)。
【0017】また、流出圧Pd が目標流出圧PDAn より
も高い場合には、ステップ111でも「NO」となるか
ら、その圧力偏差ΔPd に応じてインバータ装置の周波
数・電圧を低下させ、もって加圧ポンプ22の減速運転
を行って(ステップ113)、流出圧Pd を低下させ
る。そして、上述のステップ110,112,113の
運転処理のいずれかを実行した後は、流量スイッチ23
の状態が参照され(ステップ114)、流量が例えば毎
分5リットル以下のときは加圧ポンプ22の運転が停止
されるが、流量が毎分5リットルを越えるときにはステ
ップ101に戻ってループする。この場合、加圧ポンプ
22が一度起動した後は、ステップ105で「YES」と
なるため、ステップ106,107をスキップしながら
ループしてポンプの運転処理が実行される。このような
ループを繰り返すポンプ制御が行われると、流出圧Pd
は常に目標流出圧PDAn と同一に維持されることにな
る。
【0018】ところで、上述したようにポンプ制御の目
標値は流入圧Ps に応じて設定される。配水事情が正常
であって配水圧が十分に高い場合には、流入圧Ps は標
準流入圧PS0以上(Ps ≧PS0)となるから、ポンプ制
御の目標値として標準目標流出圧PDA0 が設定される。
これにより、この給水加圧装置はその流出側に連なる給
水設備に対し最適な圧力で給水を行うことができる。ま
た、仮に、何らかの理由によって配水管11側の水圧が
低下したとする。このような場合、単に流出圧側の圧力
を一定にするようにポンプ制御を行うに過ぎない従来の
給水加圧装置では、流出側の給水需要が増大すると加圧
ポンプを連続運転して多量の水を配水管側から吸水して
しまい、配水管の水圧を低下させて近隣地域での出水不
良等を発生させる可能性があった。これに対して、本実
施例の給水加圧装置では、流入圧Ps が低いほど、低い
目標流出圧PDAn が設定されるように構成されている
(ステップ104)。このため、配水管側の水圧が低い
場合には、配水管11側からの吸水量が抑えられること
になり、この装置が接続された配水管11の水圧を低下
させて近隣地域で出水不良や、濁り水を発生させたりす
ることがなく、給水の公平性が損なわれることを防止で
きる。図4には、時刻の経過と共に流入圧Ps が徐々に
低下した場合に、目標流出圧PDAn がどのように変化す
るかが描かれている。流入圧Ps が標準流入圧PS0を下
回っている時刻t1 から時刻t2 の間では第1次目標流
出圧PDA1 が設定され、流入圧Ps が第1次基準流入圧
PS1を下回っている時刻t2 から時刻t5 の間では第2
次目標流出圧PDA2 が設定され、流入圧Ps が第2次基
準流入圧PS2を下回っている時刻t5 以降では第3次目
標流出圧PDA3 が設定されている。
【0019】なお、末端給水器具15における水需要が
減少すると加圧ポンプ22が停止されて待機状態とな
る。しかし、この状態で水需要が多少増大しても、圧力
貯水タンク26に貯えられている水が徐々に供給され、
加圧ポンプ22は直ちに運転状態に入ることはない。し
かし、水の流出に応じて流出圧Pd が徐々に低下するた
め(図4時刻t3 以降参照)、流出圧Pd が起動流出圧
PDS2 を下回るようになったところで(図4時刻t4
)、ステップ106の結果が「YES」となり、加圧ポン
プ22が起動される。これにて流出圧Pd が再び高めら
れて第2次目標流出圧PDA2 に維持されるようになる
(図4時刻t4 以降参照)。なお、加圧ポンプ22が待
機状態にある場合でも、流出側給水管13には加圧ポン
プ22側に逆止弁21が設けられているから、圧力貯水
タンク26側の圧力が配水管11側に開放されてしまう
ことはなく、加圧ポンプ22の停止後も流出圧Pd は目
標流出圧PDAn を維持する。従って、加圧ポンプ22の
停止後に徐々に圧力が逃げてポンプが繰り返し運転され
てしまうことはなく、省エネルギー化の要請に適合す
る。また、流入圧Ps が下限起動流入圧PSLを下回るよ
うになると(図4時刻t6 )、加圧給水中にも係わらず
加圧ポンプ22は停止されるので、水撃現象の発生が憂
慮されるが、流出側給水管13には圧力貯水タンク26
が連結されているから、急峻な水圧変動はその圧力貯水
タンク26に吸収されることになり、各器具に損傷を与
えるおそれはない。
【0020】このように本実施例では、流入圧Ps が標
準流入圧PS0を下回ると、その流入圧Ps が低いほど目
標流出圧PDAn を低く設定するように構成されているか
ら、配水管11側の水圧が低い場合には配水管側からの
吸水量が抑えられることになる。この結果、配水管11
側の水圧が不足しているにもかかわらず、加圧ポンプ2
2の運転によって多量の水を配水管11側から吸水して
しまうことを確実に回避でき、この装置が接続された配
水管11の水圧を低下させて近隣地域で出水不良や、濁
り水を発生させたりすることがなく、給水の公平性が損
なわれることを確実に防止できる。勿論、受水槽を不要
にした直結給水方式であるから、配水管11側の水圧を
有効利用して電力消費を大幅に低減させることができ、
省エネルギー化の要請に適合する。また、受水槽がない
から常に衛生的な給水を可能にすることができる。
【0021】しかも、特に本実施例では、加圧ポンプ2
2を迂回するバイパス管25を設ける構成であるから、
十分な流入圧Ps が得られるために加圧ポンプ22が停
止している場合には、配水管11側からの水は流路抵抗
の小さなバイパス管25を通って流出側給水管13側に
流入する。従って、配水管11側の水圧の利用率を高く
することができ、この面からも省エネルギー化に寄与す
る。なお、特に制御の目標値が第3次目標流出圧PDA3
のような低い値に設定されている場合には、末端給水器
具15に対する給水圧を十分に確保できずに出水不良等
が予想されるが、これは、もともと配水管11側の水圧
が過剰に低いのであるから、甘受せざるを得ない。むし
ろ、公共水道に直結される加圧給水装置としては、給水
の公平性の確保を優先させるべきである。
【0022】なお、本実施例では、理解の容易化のた
め、各目標流出圧PDSn を決定するための比較基準であ
る基準流入圧PSnについては一定値であるように説明し
たが、これらは実際にはいわゆるチャタリング現象を防
止するためにヒステリシス幅を与えている。また、本発
明は上記し且つ図面に示す実施例に限定されるものでは
なく、例えば複数台の加圧ポンプを並列運転する構成に
してもよい。その他、上記実施例では流入圧センサ27
を流入側給水管12に設けたが、これは配水管側におけ
る水圧を測定できればよいから、配水管に更に近い部分
に設けるようにしてもよい等、要旨を逸脱しない範囲内
で種々変更して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す全体の構成図
【図2】制御手段における制御を示すフローチャート
【図3】目標値設定処理を示すフローチャート
【図4】流入圧及び流出圧の圧力変動を示すグラフ
【図5】ビルに対する従来の給水方式を示す概略図
【符号の説明】
11…配水管 15…末端給水器具 20…給水加圧装置 22…加圧ポンプ 25…バイパス管 26…圧力貯水タンク 27…流入圧センサ 28…流出圧センサ 29…ポンプ駆動回路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配水管に接続される加圧ポンプと、 この加圧ポンプの流出側から末端給水器具への給水管に
    連なるように設けられた圧力貯水タンクと、 この圧力貯水タンクと前記配水管側との間に設けられた
    逆止弁と、 前記加圧ポンプの配水管側における水圧を測定する流入
    圧センサと、 前記加圧ポンプの流出側における水圧を測定する流出圧
    センサと、 前記流出圧センサにより測定される流出側の水圧が目標
    値となるように前記加圧ポンプの運転を制御するポンプ
    駆動回路とを備え、 このポンプ駆動回路は、前記流入圧センサによって測定
    された流入側の水圧が所定値以下のときには、その水圧
    が低いほど前記目標値を低く設定するように構成されて
    いることを特徴とする給水加圧装置。
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