JPH0626057A - 植物成育困難法面の緑化方法 - Google Patents

植物成育困難法面の緑化方法

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JPH0626057A
JPH0626057A JP11841492A JP11841492A JPH0626057A JP H0626057 A JPH0626057 A JP H0626057A JP 11841492 A JP11841492 A JP 11841492A JP 11841492 A JP11841492 A JP 11841492A JP H0626057 A JPH0626057 A JP H0626057A
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water
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  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 法面2上に吹付けられた植生材料7を法面2
上に強固に付着させ、また、地山1と一体となって植物
を確実かつ良好に育成し、しかも、施工が比較的簡単
で、外観良好な法面を形成できる植物成育困難法面の緑
化方法を提供すること。 【構成】 法面2に複数の穴3を適宜間隔を置いて地山
1に達する深さに形成して、この穴3に吸水体4を装填
し、しかる後法面2に網状体5を張設して、網状体5の
上から植生材料7を法面全体に吹付ける。また、法面2
の穴3に吸水体4を装填した後で網状体5を張設する以
前に、法面2に仕切部材8の複数個を設ける。さらに
は、法面2の穴3に吸水体4を装填した後で仕切部材8
を設ける以前に、法面2に帯状の繊維合成マット10を複
数枚固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、モルタルやコンクリートなどを
吹付けた吹付法面や、岩盤などのように植物の成育が困
難な法面の緑化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、以上のような植物成育困難な法
面の緑化方法として、砂質土、土壌改良材、セメント、
肥料及び植物種子などを撹拌混合し、この混合物をショ
ットガンなどで前記法面に吹付ける所謂厚層客土緑化方
法が知られている。
【0003】ところで、モルタル吹付面などの植物成育
困難法面で植物を育成させる上で問題になることは、
(1)植生基盤の乾燥による影響、(2)雨水が植物成
育困難法面の表面を流れることによる植生基盤の滑落、
(3)地山に根が入り込めないことによる養分や水分の
不足、などがある。
【0004】このような観点から上記厚層客土緑化方法
を見ると、この方法では、法面との付着性(接着性)及
び剪断強度が弱いことから、年月の経過と共に降雨など
の間隙水圧による植生基盤の滑落や、成育した植物の根
が法面との接合面で伸長不能となり根がマット状になる
ことによる滑落、或は、植物成育困難法面と云う地山自
体からの水分の供給が全く期待できない所での急激な乾
燥による客土自体のクラック発生など植生基盤の安定上
の問題もあり、上記(1)〜(3)の問題に充分に対応
できるものではなかった。
【0005】そこで、上記(1)〜(3)の問題点を解
決する緑化方法として、例えば特公昭62-11127号公報が
提案されている。この公報記載のものは、図4に示した
ように、法面41上に適宜間隔を置いて等高線状に帯状の
繊維合成マット42をコンクリート釘43により固定する。
この後、前記繊維合成マット42の下側端縁に沿い適宜間
隔を置いてアンカーボルト44を打ち込み、このアンカー
ボルト44の頭部を鉄筋45によって連絡する。さらに、適
宜間隔を置いて排水パイプ46を法面41の背面水が外部に
誘導される角度で前記繊維合成マット42に挿入する。次
いで、前記排水パイプ46の先端を外部に露出させて、該
排水パイプ46、鉄筋45及びアンカーボルト44を覆うよう
に前記繊維合成マット42の中央部から下側にモルタル47
を吹付けて、等高線状に水平梁48を造成する。この後、
該水平梁48で区分された法面41上に植生材料49を吹付け
て植生基盤を形成し、この植生基盤によって前記法面41
を緑化するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
緑化方法によっても、上記した各種問題点を完全には解
決することができない。即ち、前記法面41に吹付けられ
た植生材料49は、前記法面41上に密着するように張設さ
れた繊維合成マット42の上面に位置されることになるた
め、吹付後の流亡を考慮すると、前記植生材料49をそれ
ほど厚く吹付けることはできず、従って、前記法面41上
に吹付けられら植生材料49で形成される植生基盤には、
大きな保水力がなく、上記した問題点(1)は完全には
解決されていない。
【0007】また、前記植生基盤は、モルタル吹付面な
ど前記法面41の下方側に位置される地山とは繋がってお
らず、従って、前記植生基盤で育成される植物の根が地
山に根付くことができず、上記(3)の問題点も未解決
である。
【0008】さらに、前述した従来の緑化方法では、前
記排水パイプ46、鉄筋45及びアンカーボルト44を覆うよ
うに前記モルタル47を吹付けて水平梁48を形成した後、
前記植生材料49を吹付ける必要があり、つまり、種類の
異なる吹付作業を2回も行う必要があり、その上、前記
排水パイプ46を取付けたりする必要もあって、施工内容
が極めて繁雑であるばかりか、前記植生材料49を法面41
に吹付けた後に、モルタル製の前記水平梁48が外部露出
して景観を損なうなどの問題もあった。
【0009】本発明は以上のような問題に鑑みてなした
もので、その目的は、法面上に吹付けられた植生材料を
法面上に強固に付着させ、また、地山と一体となって植
物を確実かつ良好に育成することができ、しかも、施工
が比較的簡単で、外観良好な法面を形成できる植物成育
困難法面の緑化方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第1発明にかかる植物成育困難法面の緑化方法は、
法面に複数の穴を適宜間隔を置いて地山に達する深さに
形成して、この穴に吸水体を装填し、しかる後、前記法
面に網状体を張設して、該網状体の上から植生材料を法
面全体に吹付けるようにしたものである。
【0011】第2発明にかかる植物成育困難法面の緑化
方法は、法面に複数の穴を適宜間隔を置いて地山に達す
る深さに形成して、この穴に吸水体を装填すると共に、
前記法面に複数の孔をもつ仕切部材の複数個を適宜間隔
を置いて等高線状に、かつ、前記法面に対しほぼ垂直状
に立設し、しかる後、前記法面に網状体を張設して、該
網状体の上から植生材料を法面全体に吹付けるようにし
たものである。
【0012】第3発明にかかる植物成育困難法面の緑化
方法は、法面に複数の穴を適宜間隔を置いて地山に達す
る深さに形成して、この穴に吸水体を装填すると共に、
前記法面に適宜間隔を置いて帯状の繊維合成マットを複
数枚固定し、この後、複数の孔をもった仕切部材の複数
個を適宜間隔を置いて前記法面に対し等高線状にほぼ垂
直に立設し、しかる後、前記法面に網状体を張設して、
該網状体の上から植生材料を法面全体に吹付けるように
したものである。
【0013】
【作用】第1発明では、前記法面に網状体が張設され、
この網状体の上から植物種子と肥料や植物成育基盤材な
どで構成される植生材料が吹付けられるため、該植生材
料を前記網状体で保持して、滑落を招いたりすることな
く、法面上に確実に付着させて、強固な植生基盤を形成
することができる。また、前記法面への吹付作業は、前
記植生材料を吹付ける1回の作業だけで済むため、施工
を簡単に行うことができ、しかも、前記法面上には前記
植生材料だけが露出されることから、施工後の外観も良
好となる。
【0014】さらに、前記法面には、地山に達する深さ
とした複数の穴が形成され、この穴には、高吸収性ポリ
マー樹脂やバーミュキュライト、バーク、ピートモスな
どからなる吸水体が装填されることから、該吸水体が地
山や植生材料の水分又は降雨時の水分などを吸収保水し
て、この吸水体が夏季などの乾燥期に前記植生基盤で育
成される植物に水分を補給して、該植物の枯死を招いた
りすることなく、植物の良好な育成を行うことができ
る。しかも、前記法面に設けた各穴には吸水体が装填さ
れ、この吸水体には水分が保水されることから、前記植
生基盤の水分不足つまり乾燥による滑落が防止されると
共に、前記吸水体が前記植生基盤で育成される植物の根
の地山側への伸長を助けて植物が地山に根付き易くな
り、つまり、植物は前記植生基盤と地山とが一体となっ
て前記法面上に良好に育成されるのであり、従って、植
物による前記植生基盤の滑落が一層確実に防止され、よ
り確実に法面の緑化を行うことができる。
【0015】第2の発明では、前述した第1発明の場合
と同じく、施工を簡単に行うことができて、施工後の外
観も良好とでき、また、前記法面に設けた各穴に装填さ
れる吸水体で植物の育成を良好にできる他に、次のよう
な作用効果が得られる。つまり、第2発明では、前記法
面に複数の孔をもった仕切部材の複数個が適宜間隔を置
いて等高線状に、かつ、前記法面に対しほぼ垂直状に立
設され、この立設された仕切部材上に前記網状体が法面
から上方に浮かせた状態で張設されるため、該網状体を
法面から浮かせた分だけ植生材料を法面上に厚く吹付け
ることができ、このため、該植生材料で形成される植生
基盤の保水力が高められ、また、該植生基盤が厚くされ
たことで一層良好な植物の育成が行われる。
【0016】第3の発明では、前述した第1及び第2発
明の場合と同じく、施工を簡単に行うことができて、施
工後の外観も良好とでき、また、前記法面に設けた各穴
に装填される吸水体により植物の育成を良好にでき、し
かも、前記仕切部材で植生材料を法面上に厚く吹付ける
ことで植生基盤の保水力を高め、植物の育成を良好に行
える他に、次のような作用効果が得られる。つまり、第
3発明では、前記法面に適宜間隔を置いて帯状の繊維合
成マットが複数枚固定されているため、この繊維合成マ
ットで前記植生基盤に含まれる水や前記法面上を流れる
水を円滑に集水及び排水できて、前記植生基盤の滑落が
防止され、より一層良好な植物の育成が行われる。
【0017】
【実施例】以下、本発明にかかる植物成育困難法面の緑
化方法を、図1〜図3を参照しながら説明する。尚、各
図においては、第1〜第3発明の全体を同一図面で示し
ている。
【0018】図1において、1は地山、2は地山1にモ
ルタルやコンクリートなどを吹付けた吹付法面又は岩盤
などのように植物の成育が困難な法面であって、同図の
実施例ではモルタル吹付面を示している。そして、第1
発明においては、先ず、前記モルタル吹付面2に、図2
及び図3でも明らかにしたように、直径10〜40mm程度と
した複数の穴3を適宜間隔例えば30cmの間隔を置いて地
山1に達する深さ例えば20〜40mm程度に、ドリルなどを
用いて形成する。
【0019】次に、以上のように、前記モルタル吹付面
2に複数の穴3を形成した後、これら各穴3にそれぞれ
吸水体4を装填させる。この吸水体4としては、例えば
ピートモス、バーミュキュライト、バーク及び高吸水性
ポリマー樹脂(例えば住友化学工業株式会社製の商品名
イゲタゲル、この製品は水分の吸収により300 〜500倍
程度に膨潤する)などの一種又は一種以上を混合したも
のが使用される。また、前記吸水体4は、前記各穴3に
直接埋込んでも良いが、通常の場合は、前記吸水体4を
不織布など水分で溶解する袋内に収容し、この袋ごと前
記穴3に装填させることが望ましく、このようにするこ
とにより、前記吸水体4の工場での大量生産が可能とな
り、その上、該吸水体4の作業現場での管理や、この吸
水体4の前記各穴3への装填作業にも便利となる。さら
に、前記吸水体4は前記各穴3の直径に対し約2/3程
度の直径とすることが好ましく、このようにすると、前
記吸水体4の各穴3への装填作業が確実かつ容易に行え
る。また、前記吸水体4には、前記高吸水性ポリマー樹
脂などと共に、速効性、緩効性及び遅効性肥料などを混
入させてもよく、このようにすると、前記モルタル吹付
面2の表面に形成される植生基盤上に植物を確実かつ良
好に育成するとができ、ひいては、前記モルタル吹付面
2の良好な緑化を行うことができる。
【0020】そして、前記モルタル吹付面2上に網状体
5を張設し、この網状体5を前記地山1に達する長さと
した複数のアンカーボルト6を介して前記モルタル吹付
面2上に固定する。前記網状体5としては、例えば菱形
金網や成形ネットなどが使用され、また、目合いは例え
ば50mm×50mm程度のものが好ましい。
【0021】以上のように、前記モルタル吹付面2に網
状体5を張設した後、湿式吹付方法又は乾式吹付方法の
何れかによって、植生材料7を前記モルタル吹付面2の
全体に吹付ける。前記植生材料7は、主として植物種子
と、肥料、成育基盤材、保水材及び糊剤などの植生基材
とから構成され、また、前記植物種子としては、乾燥に
強い種類を用いることが好ましく、例えばケンタツキー
31フェスク、バーミューダグラス、レッドトップ、めど
はぎ、やまはぎ、セキチクなどの種子を適宜選択して配
合される。また、肥料としては、速効性、緩効性及び遅
効性を適宜の比率で配合したものが用いられる。さら
に、前記成育基盤材、保水材及び糊剤などとしては、適
宜のものを用いることができる。
【0022】そして、湿式吹付方法によって前記植生材
料7を吹付ける場合は、例えばミキサー内において、植
物種子と植生基材及び水を混練して植生材料7となし、
この植生材料7をモルタル吹付機を用いて、コンプレッ
サーのエアー圧によって吹付ノズルから前記モルタル吹
付面2に吹付けるのである。
【0023】また、乾式吹付方法によって前記植生材料
7を吹付ける場合には、例えば本願出願人が平成3年6
月1日付けで特許出願した「緑化工法における吹付け基
材の吹付け方法」(特願平3−157568号)を採用するこ
とができる。即ち、この先願において開示された吹付装
置において、植物種子と植生基材とを混合して吹付基材
とし、この吹付基材をブロアーによって吹付ノズルまで
送給し、また、該吹付ノズルに水を導入して、この水と
前記吹付基材とを吹付ノズルから前記モルタル吹付面2
に吹付けるのである。
【0024】以上のような第1発明によれば、前記モル
タル吹付面2の表面に前記網状体5が張設され、この網
状体5の上から前記植生材料7が吹付けられるため、該
植生材料7を前記網状体5で保持して、滑落を招いたり
することなく、前記モルタル吹付面2上に確実に付着さ
せて強固な植生基盤を形成することができる。また、前
記モルタル吹付面2への吹付作業は、前記植生材料7を
吹付ける1回の作業だけで済むため、施工を簡単に行う
ことができ、しかも、前記モルタル吹付面2上には前記
植生材料7だけが露出されることから、施工後の外観も
良好となる。
【0025】さらに、前記モルタル吹付面2には、地山
1に達する深さとした複数の穴3が形成され、これら各
穴3にはそれぞれ吸水体4が装填されているため、該各
吸水体4が前記地山1や植生材料7の水分又は降雨時の
水分などを吸収保水して、この各吸水体4が夏季などの
乾燥期に植生基盤で育成される植物に水分を補給し、植
物の枯死を招いたりすることなく、植物の良好な育成を
行うことができる。しかも、前記モルタル吹付面2に設
けた各穴3には、それぞれ吸水体4が装填され、この吸
水体4には水分が保水されることから、前記植生基盤の
水分不足による滑落が防止されると共に、前記吸水体4
が前記植生基盤で育成される植物の根の地山側への伸長
を助けて植物が地山に根付き易くなり、つまり、植物は
前記植生基盤と地山とが一体となって前記モルタル吹付
面2上で良好に育成されるのであり、従って、植物によ
る前記植生基盤の滑落が一層確実に防止され、より確実
に前記モルタル吹付面2の緑化を行うことができる。
【0026】また、第2の発明では、第1発明の場合と
異なり、前記モルタル吹付面2に複数の穴3を形成し
て、これら各穴3に吸水体4を装填した後で、前記網状
体5を張設する以前の段階において、平面部に複数の孔
81をもった仕切部材8の複数個を適宜間隔(例えば1〜
2m程度)を置いて前記モルタル吹付面2に対し等高線
状に、かつ、ほぼ垂直状に立設して、アンカーボルト9
によって固定する。このとき、前記仕切部材8として
は、例えばエキスパンドメタルを切断して使用してもよ
く、また、板材に孔を開口したものや、平織金網などを
用いてもよく、さらに、前記仕切部材8の目合いは40cm
×20cmのものが好ましい。
【0027】そして、以上のように、前記仕切部材8を
前記モルタル吹付面2上に固定した後に、前記網状体5
を仕切部材8の上からモルタル吹付面2の全体を覆うよ
うに張設し、つまり、前記仕切部材8の高さ分だけ浮い
た状態で前記網状体5を張設し、この網状体5を前記ア
ンカーボルト6で固定し、しかる後に、前記網状体5の
上から前記モルタル吹付面2の全体に植生材料7を吹付
けるのである。尚、図1及び図2の実施例では、前記ア
ンカーボルト6の周りに筒状のスペーサー61を介装さ
せ、このスペーサー61で前記モルタル吹付面2と網状体
5との間隔を一定に保持可能としている。
【0028】尚、本発明者等の実験結果によれば、前記
網状体5は前記モルタル吹付面2に対し約6cmの高さに
張設し、植生基盤の厚みがほぼ12cmとなるように前記植
生材料7を吹付けるのが好ましいことが判った。
【0029】以上の第2発明によると、前述した第1発
明で得られる作用効果の他に、次のような作用効果が得
られる。つまり、第2発明では、前記モルタル吹付面2
に複数の孔81をもった仕切部材8の複数個が適宜間隔を
置いてモルタル吹付面2に対し等高線状に、かつ、ほぼ
垂直状に立設され、この立設された仕切部材8上に前記
網状体5がモルタル吹付面2から上方に浮かせた状態で
張設されているため、前記網状体5が浮いた分だけ前記
植生材料7をモルタル吹付面2上に厚く吹付けることが
でき、このため、前記植生材料7で形成される植生基盤
の保水力が高められ、また、該植生基盤が厚くされたこ
とによって一層良好な植物の育成が行われる。
【0030】また、第3の発明では、第1及び第2発明
の場合と異なり、前記モルタル吹付面2に複数の穴3を
形成して、これら各穴3に吸水体4を装填した後で、前
記網状体5を張設する以前の段階において、前記モルタ
ル吹付面2に、幅10〜20cm程度で厚さ1〜2cm程度とさ
れた繊維合成マット10(例えばステラシート、商品名)
の複数枚を、適宜間隔を置いて前記地山1に達する長さ
としたコンクリート釘11などで張り付け固定する。この
とき、前記繊維合成マット10をモルタル吹付面2に張り
付けるに際しては、前記モルタル吹付面2が傾斜する方
向である縦方向(図3の矢印X方向)には例えば2〜3
m間隔に、また、横方向(図3の矢印Y方向)には、縦
方向に張設される繊維合成マット10間のほぼ中間におい
て山状となるように斜めに設けるのが好ましい。
【0031】そして、以上のように、前記繊維合成マッ
ト10の複数枚を前記モルタル吹付面2に張り付け、この
モルタル吹付面2上に前記仕切部材8を固定した後に、
前記網状体5を仕切部材8上に浮かせた状態でモルタル
吹付面2の全体を覆うように張設し、しかる後に、前記
網状体5の上から前記モルタル吹付面2の全体に植生材
料7を吹付けるのである。
【0032】以上の第3発明によると、前述した第1及
び第3発明で得られる作用効果の他に、次のような作用
効果が得られる。つまり、第3発明では、前記モルタル
吹付面2に適宜間隔を置いて帯状の繊維合成マット10が
複数枚固定されているため、この各繊維合成マット10で
前記植生基盤に含まれる水や前記モルタル吹付面2上を
流れる水を円滑に集水及び排水できて、前記植生基盤の
滑落が防止され、より一層良好な植物の育成が行われ
る。
【0033】尚、本発明による緑化方向は、前記モルタ
ル吹付面2以外のコンクリート吹付面や岩盤などのよう
に植物の成育が困難な法面にも広く適用できることは勿
論である。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、第1発明の緑化方
法によれば、法面上に吹付けられた植生材料を法面上に
張設した網状体で保持して、滑落を招いたりすることな
く、前記植生材料を法面上に確実に付着させ得て、強固
な植生基盤を形成することができ、また、前記法面への
吹付作業は、前記植生材料を吹付ける1回の作業だけで
済むため、施工を簡単に行うことができ、しかも、前記
法面には前記植生材料だけが露出されることから、施工
後の外観も良好にできる。また、前記法面には、地山に
達する深さとした複数の穴が形成され、この穴には吸水
体が装填されることから、該吸水体に吸収保水された水
分を乾燥期などに前記植生基盤で育成される植物に補給
し、植物の枯死を招いたりすることなく、植物の良好な
育成を行うことができる。しかも、前記各穴に装填され
た吸水体には水分が保水されることから、前記植生基盤
の水分不足つまり乾燥による滑落が防止され、また、前
記吸水体が前記植生基盤で育成される植物の根の地山側
への伸長を助けて植物が地山に根付き易くなり、つま
り、植物は前記植生基盤と地山とが一体となって前記法
面上に良好に育成することができ、従って、植物による
前記植生基盤の滑落が一層確実に防止され、より確実に
法面の緑化を行うことができる。
【0035】また、第2の発明では、前述した第1発明
の場合と同じく、施工を簡単に行うことができて、施工
後の外観も良好にでき、しかも、前記法面に設けた各穴
に装填される吸水体で植物の育成を良好にできる。さら
に、第2発明では、前記法面に複数の孔をもった仕切部
材の複数個が適宜間隔を置いて等高線状に、かつ、前記
法面に対しほぼ垂直状に立設され、この立設された仕切
部材上に前記網状体が法面から上方に浮かせた状態で張
設されるため、該網状体を法面から浮かせた分だけ植生
材料を法面上に厚く吹付けることができ、このため、該
植生材料で形成される植生基盤の保水力を高めることが
でき、しかも、該植生基盤が厚くされたことで一層良好
な植物の育成を行うことができる。
【0036】さらに、第3の発明では、前述した第1及
び第2発明の場合と同じく、施工を簡単に行うことがで
きて、施工後の外観も良好にでき、また、前記法面に設
けた各穴に装填される吸水体により植物の育成を良好に
でき、しかも、前記仕切部材で植生材料を法面上に厚く
吹付けることで植生基盤の保水力を高め、植物の育成を
良好に行うことができる。その上、第3発明では、前記
法面に適宜間隔を置いて帯状の繊維合成マットが複数枚
固定されているため、この繊維合成マットで前記植生基
盤に含まれる水や前記法面上を流れる水を円滑に集水及
び排水できて、前記植生基盤の滑落を確実に防止でき、
より一層良好な植物の育成を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の緑化方法による法面の施工状態を示す
断面図である。
【図2】法面に繊維合成マットと仕切部材及び網状体を
設けた状態の斜断面図である。
【図3】法面に繊維合成マットと仕切部材及び網状体を
設けた状態の平面図である。
【図4】従来技術による法面の施工状態を示す断面図で
ある。
【符号の説明】 1…地山、2…法面、3…穴、4…吸水体、5…網状
体、7…植生材料、8…仕切部材、81…孔、10…繊維合
成マット。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 法面に複数の穴を適宜間隔を置いて地山
    に達する深さに形成して、この穴に吸水体を装填し、し
    かる後、前記法面に網状体を張設して、該網状体の上か
    ら植生材料を法面全体に吹付けることを特徴とする植物
    成育困難法面の緑化方法。
  2. 【請求項2】 法面に複数の穴を適宜間隔を置いて地山
    に達する深さに形成して、この穴に吸水体を装填すると
    共に、前記法面に複数の孔をもった仕切部材の複数個を
    適宜間隔を置いて等高線状に、かつ、前記法面に対しほ
    ぼ垂直状に立設し、しかる後、前記法面に網状体を張設
    して、該網状体の上から植生材料を法面全体に吹付ける
    ことを特徴とする植物成育困難法面の緑化方法。
  3. 【請求項3】 法面に複数の穴を適宜間隔を置いて地山
    に達する深さに形成して、この穴に吸水体を装填すると
    共に、前記法面に適宜間隔を置いて帯状の繊維合成マッ
    トを複数枚固定し、この後、複数の孔をもった仕切部材
    の複数個を適宜間隔を置いて前記法面に対し等高線状に
    ほぼ垂直に立設し、しかる後、前記法面に網状体を張設
    して、該網状体の上から植生材料を法面全体に吹付ける
    ことを特徴とする植物成育困難法面の緑化方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114747399A (zh) * 2022-05-20 2022-07-15 华北水利水电大学 一种植被护坡水土保持装置

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