JPH06260177A - 固体高分子電解質型燃料電池用セパレータおよびその製造方法 - Google Patents

固体高分子電解質型燃料電池用セパレータおよびその製造方法

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JPH06260177A
JPH06260177A JP5043082A JP4308293A JPH06260177A JP H06260177 A JPH06260177 A JP H06260177A JP 5043082 A JP5043082 A JP 5043082A JP 4308293 A JP4308293 A JP 4308293A JP H06260177 A JPH06260177 A JP H06260177A
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separator
gas
fuel
groove
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JP5043082A
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Toshihiro Sugiyama
智弘 杉山
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Fuji Electric Co Ltd
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Fuji Electric Co Ltd
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Publication date
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    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

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Abstract

(57)【要約】 【目的】反応ガスの通流路外への漏れ出しが無く、しか
も低コストの固体高分子電解質型燃料電池用セパレータ
とその製造方法を提供する。 【構成】セパレータ1は、単位セパレータ2Aと、単位
セパレータ2Bとを、フェノール樹脂を用いた熱硬化性
樹脂層1aで互いに接合して形成したものである。単位
セパレータ2Aは、微小なカーボン粒子を焼結すること
で得られた平板状体を使用し、その一方の側面21a側
にのみ燃料ガスを供給するための溝51を形成し、その
他方の側面21bは平面としたものである。また、単位
セパレータ2Bは、単位セパレータ2Aと同様に、微小
なカーボン粒子を焼結することで得られた平板状体を使
用し、その一方の側面22a側にのみ酸化剤ガスを供給
するための溝52を形成し、その他方の側面22bは平
面としたものである。これらの単位セパレータ2A,2
Bは、側面21bと側面22bの間に樹脂層1aが形成
されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、固体高分子電解質型
燃料電池に係わり、反応ガスの漏れが低減されるよう改
良されたセパレータと、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池として、これに使用される電解
質の種類により、固体高分子電解質型,りん酸型,溶融
炭酸塩型,固体酸化物型などの各種の燃料電池が知られ
ている。このうち、固体高分子電解質型燃料電池は、分
子中にプロトン(水素イオン)交換基を有する高分子樹
脂膜を飽和に含水させると,低い抵抗率を示してプロト
ン導電性電解質として機能することを利用した燃料電池
である。
【0003】図4は、従来例のセパレータを使用した固
体高分子電解質燃料電池の燃料電池セルとセパレータと
を展開した状態で示した縦断面図である。図4におい
て、8は、薄い矩形状をなしており、固体高分子電解質
膜(以降、SPE膜と略称することがある。)からなる
電解質層7と、電解質層7の一方の主面に密接して積層
されて,燃料ガス(例えば、水素あるいは水素を高濃度
に含んだガスである。)の供給を受ける燃料電極(アノ
ード極でもある。)3と、電解質層7の他方の主面に密
接して積層されて,酸化剤ガス(例えば、空気であ
る。)の供給を受ける酸化剤電極(カソード極でもあ
る。)4とで構成されている燃料電池セルである。燃料
電極3の外側面側が,燃料電池セル8の側面8aであ
り、酸化剤電極4の外側面側が,燃料電池セル8の側面
8bである。燃料電極3および酸化剤電極4は、共に触
媒活物質を含むそれぞれの触媒層と、この触媒層を支持
するとともに反応ガス(燃料ガスと酸化剤ガスを総称し
てこのように言う。)を供給および排出するとともに集
電体としての機能を有する多孔質の電極基材とからな
り、前記触媒層を電解質層7の両主面にホットプレスに
より密着させて配置される。
【0004】また、5,5は、ガスを透過しない材料を
用いて製作され、その一方の側面5aには図示しない燃
料ガスを供給するための溝51を多数有し、また、他方
の側面5bには図示しない酸化剤ガスを供給するための
溝52を多数有しているセパレータである。セパレータ
5の一方は、側面5aを燃料電池セル8の側面8aに対
向させて、また、セパレータ5の他方は、側面5bを燃
料電池セル8の側面8bに対向させて、それぞれ燃料電
池セル8を挟むようにして配設される。
【0005】さらに、6は、セパレータ5,5の溝5
1,52中を通流する反応ガスが、通流路外に漏れ出る
のを防止する役目を負うガスシール体であり、それぞれ
のセパレータ5,5の周縁部と、燃料電池セル8の周縁
部との間の空所に配置されるものである。1個の燃料電
池セル8が発生する電圧は、1〔V〕程度以下と低い値
であるので、前記した燃料電池セル8の多数個を、各燃
料電池セル8毎に介挿されるセパレータ5を介して、互
いに直列接続した燃料電池セル集積体(以降、スタック
と略称することがある。)として構成し、電圧を高めて
実用に供されるのが一般的である。
【0006】図5は、固体高分子電解質型燃料電池のス
タックの模式的に示した構成図である。図5において、
9は、複数の燃料電池セル8とセパレータ5とを交互に
積層し、さらにその両端部に複数の燃料電池セル8で発
生した直流電気をスタック9から取り出すための集電板
91a,91bと、燃料電池セル8,セパレータ5およ
び集電板91a,91bを構造体から電気的に絶縁する
ための電気絶縁板92a,92bと、燃料電池セル8,
セパレータ5,集電板91a,91b、および電気絶縁
板92a,92bを積層した積層体の両外端部に配設さ
れる締付板93a,93bと、締付板93a,93bに
適度の加圧力を与える締め付けボルト94を備え、これ
らに加えて、複数の燃料電池セル8とセパレータ5とを
積層する毎に介挿される冷却板95とで構成されてい
る。
【0007】このスタック9においては、複数の燃料電
池セル8が備える燃料電極3および酸化剤電極4のそれ
ぞれに、燃料電極3には燃料ガスを、また、酸化剤電極
4に酸化剤ガスを供給することで、それぞれの電極3,
4の触媒層とSPE膜でなる電解質層7との界面に三相
界面(前記触媒層中の触媒と、SPE膜、いずれかの反
応ガスとが、互い接する界面のことを言う。)を形成さ
せ、電気化学反応を生じさせることで直流電気を発生さ
せる。なお前記触媒層は、微小な粒子状の白金触媒とは
っ水性を有するフッ素樹脂から形成されており、しかも
多数の細孔を形成することで、反応ガスの三層界面まで
の効率的な拡散を維持するするとともに、十分広い面積
の三層界面が形成される構成としている。
【0008】ところで、電解質層7を形成しているSP
E膜は、前述したとおり、分子中にプロトン(水素イオ
ン)交換基を有する高分子膜であり、飽和に含水させる
と常温で20〔Ω・cm〕以下の抵抗率を示してプロト
ン導電性電解質として機能する膜である。このSPE膜
としては、現時点においては、パ−フルオロスルホン酸
樹脂膜(例えば、米国、デュポン社製、商品名ナフィオ
ン膜)等が知られている。このようなSPE膜を用いた
電解質層7と、触媒層と、反応ガスとが形成する三相界
面で生じる電気化学反応は、次のとおりである。
【0009】アノード電極3では(1)式の反応が起こ
る。
【0010】
【数1】
【0011】カソード電極4では(2)式の反応が起こ
る。
【0012】
【数2】
【0013】つまりアノード電極3においては、外部よ
り供給された水素がプロトンと電子を生成する。生成し
たプロトンは、SPE膜中をカソード電極4に向かって
移動し、電子は、図示しない外部電気回路を通ってカソ
ード電極4に移動する。一方、カソード電極4において
は、外部より供給された酸素とSPE膜中をアノード電
極3より移動してきたプロトンと外部電気回路より移動
してきた電子が反応し、水を生成する。かくして、燃料
電池セル8は、水素と酸素を得て直流電気を発電するの
である。このような固体高分子電解質型燃料電池におい
ては、SPE膜の抵抗率を小さくして高い発電効率が得
られるようにするために、通常、50〔℃〕から100
〔℃〕程度の温度条件で運転される。
【0014】なお、このSPE膜は、反応ガスである燃
料ガスや酸化剤ガスが透過しない膜でもあるので、反応
ガスが相互に混合するいわゆるクロスリークを防止する
役目も果たしている。燃料電池セル8においては、前記
した直流電気の発電を行う際に、発電する電力とほぼ同
等の損失が発生する。この損失による熱を除去するのが
前記の冷却板95の役目である。冷却板95には、熱を
除去する図示しない冷媒を通流させて、燃料電池セル8
を前記した適温に保持する。
【0015】したがって、図5に示した構成のスタック
9においては、セパレータ5は、燃料電池セル8に供給
する反応ガスの通流路を確保するとともに、燃料電池セ
ル8で発電された直流電気を、集電板91a,91bに
伝達する役目、さらには、燃料電池セル8で生じた熱を
冷却板95に伝達する役目も果たしている。ところで、
固体高分子電解質型燃料電池に用いられているセパレー
タ5は、前述した役割を果たすために、次記する性質を
備えている必要が有るものである。すなわち、 電気抵抗値が小さいこと. 熱抵抗値が小さいこと. 電極3あるいは電極4との接触部における、接触電気
抵抗値および接触熱抵抗値が小さいこと. 耐蝕性が高いこと. である。
【0016】これらの諸条件を満足する材料としては、
カーボン、あるいはチタン,ニオブ等の特殊金属等を候
補にあげることができるが、加工性,材料価格の観点か
ら、セパレータ5に用いる材料は、一般的にカーボンが
採用されている。カーボンを使用したセパレータ5の素
材は、微小なカーボン粒子を焼結して,まず平板状体を
得て、こうして得られた多孔質の平板状体のカーボン粒
子間に形成された孔に、フェノール樹脂等の目詰め剤を
含浸させたものが一般的に採用されている。この、目詰
め剤処理は、多孔質平板状体のカーボン粒子間に形成さ
れた孔の目詰めをして、セパレータ5中を透過して反応
ガスが漏れ出るのを防止するために行われるものであ
る。こうして得られた目詰め剤処理済のカーボン多孔質
平板状体に、溝51,52を形成する加工を施して、セ
パレータ5として供している。
【0017】かくして、ガスを透過しないSPE膜でな
る電解質層7と、ガスを透過しない材料で製作されたセ
パレータ5と、セパレータ5の周縁部と電解質層7の周
縁部との間をシールするガスシール体6とで、それぞれ
の反応ガスの通流路である溝51,52の周囲を囲むこ
とにより、反応ガスの通流路外への漏れ出し、ひいて
は、クロスリークが防止されている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来技術によ
るセパレータを用いた固体高分子電解質型燃料電池にお
いては、直流発電の機能を十分発揮するのであるが、次
のような問題が有る。すなわち、セパレータ5では、目
詰め剤処理済のカーボン多孔質平板状体を得る際に、カ
ーボン粒子間の孔に目詰め剤による目詰め処理を十分に
施さなければならないものであるが、カーボン多孔質平
板状体に用いるカーボン粒子の粒径が大きい場合には、
その孔径も大きくなることで、粒子間の孔を十分に目詰
めをすることが難しくなり、また、これとは逆に、カー
ボン粒子の粒径が小さ過ぎる場合には、孔径が小さくな
り過ぎるために、目詰め剤をカーボン多孔質平板状体の
内部にまで染み込ませることが難しくなる。いずれの場
合にも、セパレータ5中を透過することによる反応ガス
の漏れ出しが発生し易くなる。
【0019】この場合、特に重大なことは、目詰め剤を
カーボン多孔質平板状体の内部にまで含浸させることが
困難なことであり、多孔質平板状体の内部に目詰め剤が
充分に含浸されないということは、セパレータ5の燃料
ガスを供給するための溝51と、酸化剤ガスを供給する
ための溝52との中間部位においてガスが透過し易くな
ることである。これにより、燃料ガスと酸化剤ガスとが
混合するいわゆるクロスリークが発生する機会が高くな
ることが大きな問題である。
【0020】さらには、クロスリークを防止するうえか
らカーボン粒子間の孔に十分な目詰め処理を施すために
は、目詰め剤処理を複数回数繰り返して実施する必要が
有り、セパレータ5の製造に要するコストが高価なもの
となり、ひいては、固体高分子電解質型燃料電池の製造
に要するコストが高価になる。この発明は、前述の従来
技術の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、
反応ガスの通流路外への漏れ出しが無く、しかも低コス
トの固体高分子電解質型燃料電池用セパレータとその製
造方法を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】この発明では前述の目的
は、1)燃料ガスおよび酸化剤ガスの供給を受けて直流
電力を発生する燃料電池セルを複数個数積層してなる固
体高分子電解質型燃料電池の,前記燃料電池セルの間に
介挿されて用いられて燃料電池セルの側面に対向して配
置されるものであって、一方の燃料電池セルに燃料ガス
を供給するための溝を一方の側面に備え、他方の燃料電
池セルに酸化剤ガスを供給するための溝を他方の側面に
備えた固体高分子電解質型燃料電池用セパレータにおい
て、一方の側面にのみ燃料ガスまたは酸化剤ガスを供給
するための溝を有する単位セパレータを、その溝を有し
ない他方の側面において互いに熱硬化性樹脂層を介して
接合してなる構成とすること、また2)燃料ガスおよび
酸化剤ガスの供給を受けて直流電力を発生する燃料電池
セルを複数個数積層してなる固体高分子電解質型燃料電
池の,前記燃料電池セルの間に介挿されて用いられて燃
料電池セルの側面に対向して配置されるものであって、
一方の燃料電池セルに燃料ガスを供給するための溝を一
方の側面に備え、他方の燃料電池セルに酸化剤ガスを供
給するための溝を他方の側面に備えた固体高分子電解質
型燃料電池用セパレータの製造方法において、複数の平
板状素材をその側面において互いに熱硬化性樹脂層を介
して接合して平板状積層素材を得る第1の工程と、前記
熱硬化性樹脂層に交差しないようにして,前記平板状積
層素材の両外側面のそれぞれに燃料ガスを供給するため
の溝および酸化剤ガスを供給するための溝を形成する第
2の工程、を含む製造方法とすること、さらにまた3)
燃料ガスおよび酸化剤ガスの供給を受けて直流電力を発
生する燃料電池セルを複数個数積層してなる固体高分子
電解質型燃料電池の,前記燃料電池セルの間に介挿され
て用いられて燃料電池セルの側面に対向して配置される
ものであって、一方の燃料電池セルに燃料ガスを供給す
るための溝を一方の側面に備え、他方の燃料電池セルに
酸化剤ガスを供給するための溝を他方の側面に備えた固
体高分子電解質型燃料電池用セパレータの製造方法にお
いて、一方の側面にのみ燃料ガスまたは酸化剤ガスを供
給するための溝を有する単位セパレータを得る第1の工
程と、2個の単位セパレータを,溝を有していない他方
の側面において互いに熱硬化性樹脂層を介して接合する
第2の工程、を含む製造方法とすること、により達成さ
れる。
【0022】
【作用】この発明においては、固体高分子電解質型燃料
電池において、 一方の側面にのみ燃料ガスまたは酸化剤ガスを供給す
るための溝を有する単位セパレータを、その溝を有しな
い他方の側面において互いに熱硬化性樹脂層を介して接
合してなる構成としたことにより、セパレータの両側面
のそれぞれに形成された、燃料ガスを供給するための溝
と、酸化剤ガスを供給するための溝との中間に熱硬化性
樹脂層が介在する構成となり、この熱硬化性樹脂層が、
セパレータの燃料ガスを供給するための溝と,酸化剤ガ
スを供給するための溝との間において、反応ガスの透過
を阻止するバリヤを形成することとなる。
【0023】複数の平板状素材をその側面において互
いに熱硬化性樹脂層を介して接合して平板状積層素材を
得る第1の工程と、前記熱硬化性樹脂層に交差しないよ
うにして,前記平板状積層素材の両外側面のそれぞれに
燃料ガスを供給するための溝および酸化剤ガスを供給す
るための溝を形成する第2の工程、を含む製造方法とす
るか、もしくは、一方の側面にのみ燃料ガスまたは酸化
剤ガスを供給するための溝を有する単位セパレータを得
る第1の工程と、2個の単位セパレータを,溝を有して
いない他方の側面において互いに熱硬化性樹脂層を介し
て接合する第2の工程、を含む製造方法とする、ことに
より、セパレータの燃料ガスを供給するための溝と,酸
化剤ガスを供給するための溝との間に設ける反応ガスの
透過を阻止するバリヤの形成を、平板状素材あるいは単
位セパレータの表面に露出している平面に熱硬化性樹脂
層を形成することで行うことが可能となる。
【0024】
【実施例】以下この発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。 実施例1;図1は、請求項1に対応するこの発明の一実
施例によるセパレータを示すもので、(a)はその上面
図であり、(b)はその平面図である。図1において、
図4中に示した従来例によるセパレータと同一部分には
同じ符号を付し、その説明を省略する。図1において、
1は、単位セパレータ2Aと、単位セパレータ2Bと
を、熱硬化性樹脂層1aで接合して構成されたセパレー
タである。単位セパレータ2Aは、従来例のセパレータ
5と同様に微小なカーボン粒子を焼結することで得られ
た平板状体を素材として使用し、その一方の側面21a
側にのみ燃料ガスを供給するための溝51を形成し、そ
の他方の側面21bは平面としたものである。また、単
位セパレータ2Bは、これも従来例のセパレータ5と同
様に微小なカーボン粒子を焼結することで得られた平板
状体を素材として使用し、その一方の側面22a側にの
み酸化剤ガスを供給するための溝52を形成し、その他
方の側面22bは平面としたものである。これらの単位
セパレータ2A,2Bは、側面21bと側面22bの間
に熱硬化性樹脂層1aが形成されており、この熱硬化性
樹脂層1aで互いに接合されてセパレータ1を形成して
いる。このセパレータ1が、従来例のセパレータ5に替
わって、固体高分子電解質型燃料電池のスタックに用い
られるのである。
【0025】このような構成を備えるセパレータ1は、
図2に示す工程により製造されるものである。図2は、
請求項2に対応するこの発明の一実施例によるセパレー
タの製造方法を説明する要部の工程図である。まず、単
位セパレータ2A用の平板状素材(A)および単位セパ
レータ2B用の平板状素材(B)として、微小なカーボ
ン粒子を焼結することで得られた多孔質の平板状体が用
意される。まず、平板状素材(A),(B)が、平面加
工(A1),(B1)の工程で、側面21b,22bに
対応する面を平面に加工される。勿論、側面21b,2
2bに対応する面が、素材(A),(B)の段階ですで
に所要の平面精度を有する平面を備えている場合には、
この平面加工(A1),(B1)の工程を省略すること
が可能である。次に、樹脂塗布(A2),(B2)の工
程で、側面21b,22bに未硬化状態の熱硬化性樹脂
(C)としての未硬化状態のフェノール樹脂が均一厚さ
に塗布される。ここで、その塗布厚さは、100〔μ
m〕程度,あるいはこれより薄い厚さとする。
【0026】次に、貼り合わせ(21)の工程で、平板
状素材(A),(B)を、未硬化状態のフェノール樹脂
(C)が塗布された側面21b,22bで、互いに貼り
合わせる。次に、塗布面加圧(22)の工程で、平板状
素材(A),(B)を、側面21b,22bが互いに接
近し合う方向に、約30〔kg/cm2 〕で加圧して、
平板状素材(A)と平板状素材(B)とを、側面21
b,22bで結着する。なお、加圧作業時の温度は30
〔℃〕程度以下、また、加圧時間は1〔min〕程度以
下が好ましい。この塗布面加圧(22)工程により、未
硬化状態のフェノール樹脂(C)を、多孔質の平板状素
材(A),(B)の孔の中へ極力押し込むことで、側面
21bと側面22bとの間に残留する未硬化状態のフェ
ノール樹脂(C)の厚さを、薄いものとする。その際、
側面21b,22bに塗布される樹脂として、未硬化状
態ではその粘度が低く流れ易い性状を備える熱硬化性樹
脂(C)が採用されていることが、残留樹脂厚さを薄い
ものとするうえで、極めて有効である。
【0027】この、平板状素材(A)と平板状素材
(B)が結着された状態になったところで、目詰め剤
(D)として,例えば従来例のセパレータ5に用いられ
たと同様のフェノール樹脂を用いて、目詰め処理(2
3)の工程が、従来例のセパレータ5に実施された方法
と同様の方法で遂行される。次に、乾燥処理(24)の
工程で、未硬化状態のフェノール樹脂(C)の加熱乾燥
が、温度;約80〔℃〕,保持時間;約5〔h〕の条件
で実施される。続いて、硬化処理(25)の工程で、未
硬化状態のフェノール樹脂(C)の加熱硬化が、温度;
約150〔℃〕,保持時間;約1〔h〕の条件で実施さ
れて、側面21b,22bの間が,熱硬化性樹脂(C)
であるフェノール樹脂による熱硬化性樹脂層1aで接合
されて一体となった平板状積層素材(E)が得られ、第
1の工程が完了する。
【0028】平板状積層素材(E)の外側面となる側面
21aおよび側面22aに、第2の工程による溝加工
(26)の工程が、従来例のセパレータ5の場合と同様
に施され、それぞれ溝51と溝52が形成されて、図1
に示したセパレータ1が得られる。これで、第2の工程
が完了する。前述の構成ならびに製造方法とすることに
より、溝51と溝52との間に、熱硬化性樹脂層1aが
介在する構成となり、この熱硬化性樹脂層1aが、セパ
レータ1の燃料ガスを供給するための溝51と、酸化剤
ガスを供給するための溝52との間において、反応ガス
の透過を阻止するバリヤの働きをすることとなる。この
発明では、この熱硬化性樹脂層1aの形成を、平板状素
材(A),(B)の側面21b,22bが表面に露出し
ている状態で、未硬化状態の熱硬化性樹脂(C)をこの
平面に塗布することで行うので、熱硬化性樹脂層1aの
厚さを含むその性状の制御を、適切かつ容易に行うこと
が可能となるものである。
【0029】なお、セパレータ1の溝51と溝52との
間の電気抵抗値および熱抵抗値は、従来例のセパレータ
5の持つそれぞれの値に対し差が認められなった。これ
は、粘度の低い未硬化状態のフェノール樹脂(C)が、
塗布面加圧(22)工程の際に平板状素材(A),
(B)の孔の中へ容易に押し込まれることで、平板状素
材(A)を構成するカーボン粒子と、平板状素材(B)
を構成するカーボン粒子とがほとんど直接に接触する状
態が得られていることで、熱硬化性樹脂層1a部には、
実質的に接触電気抵抗および接触熱抵抗が存在していな
いことを意味するものである。
【0030】また、最外側に位置する溝51,52に通
流する反応ガスの、セパレータ1の溝51,52と平行
する側面からの漏れ出しは、目詰め処理(23)工程に
よる処理により、十分防止することが出来ている。この
部位は、平板状素材(A),(B)の外面に位置するの
で、目詰め処理が容易に行うことができる個所あり、し
たがって、目詰め処理(23)は、例えば、1回だけで
済ますことが可能である。
【0031】また、実施例1における今までの説明で
は、平板状素材の個数は2個であるとしてきたが、これ
に限定されるものではなく、例えば、3個であってもよ
いものである。さらにまた、実施例1における今までの
説明では、溝51,52は、熱硬化性樹脂層1aに平行
して形成されるとしてきたが、これに限定されるもので
はなく、例えば、溝51,52が熱硬化性樹脂層1aと
交差することで、熱硬化性樹脂層1aが破損することが
なけば、溝51,52と、熱硬化性樹脂層1aとは、不
平行であってもよいものである。
【0032】実施例2;図3は、請求項3に対応するこ
の発明の一実施例によるセパレータの製造方法を説明す
る要部の工程図である。図3において、図2に示した請
求項2に対応するこの発明の一実施例によるセパレータ
の製造方法と同一部分には、同じ符号を付してその説明
を省略する。図3によるセパレータ1の製造方法では、
溝加工(26)の工程が、平板状素材(A)と平板状素
材(B)毎に単独で施されて、それぞれ単位セパレータ
(F)と単位セパレータ(G)を得るようにしている。
単位セパレータ(F),(G)は、それぞれ、図1中に
示した単位セパレータ2A,2Bの形状を備えるもので
ある。単位セパレータ(F),(G)を得て、第1の工
程が完了する。
【0033】単位セパレータ(F),(G)の側面21
b,22bに対応する面に、未硬化状態の熱硬化性樹脂
(C)を塗布する樹脂塗布(A2),(B2)工程か
ら、第2の工程が開始され、以降、図2に示したセパレ
ータの製造方法と同一の工程が順次実施されることによ
り、図1に示したセパレータ1が得られる。これで、第
2の工程が完了する。このようにして得られたセパレー
タ1が、実施例1によるセパレータ1と同様に、従来例
のセパレータ5に替わって、固体高分子電解質型燃料電
池の燃料電池セルに用いられるのである。
【0034】前述の製造方法とすることにより、溝51
と溝52との間に介在させる熱硬化性樹脂層1aの形成
を、単位セパレータ(F),(G)の側面21b,22
bが表面に露出している状態で、未硬化状態の熱硬化性
樹脂(C)をこの平面に塗布して行うので、熱硬化性樹
脂層1aの厚さを含むその性状の制御が、適切かつ容易
に行うことが可能となるものである。
【0035】実施例1,2における今までの説明では、
目詰め処理(23)は、塗布面加圧(22)の次に行わ
れるとしてきた。これは、詰め剤の熱処理を、熱硬化性
樹脂の熱処理と同時に行うことができることで、工程が
短縮される利点があるのであるが、必ずしもこの工程順
に限定されるものではなく、例えば、平板状素材の状態
とか、平板状積層素材(E)に溝加工(26)を施した
後であってもよいものである。
【0036】
【発明の効果】この発明においては、前述した構成と製
造方法により、セパレータの燃料ガスを供給するための
溝と,酸化剤ガスを供給するための溝との間に、反応ガ
スの透過を阻止するバリヤを、比較的に容易に形成する
ことが可能であるので、次記の効果が有る。
【0037】セパレータからの、反応ガスの通流路外
への漏れ出しを無くすことが可能となる。特に、従来に
おいて最も問題になっていた、クロスリークを解消する
ことが可能となる。 しかも、バリヤの形成が比較的に容易であることか
ら、低コストのセパレータを提供することが可能とな
る。
【0038】前記の効果を備えながら、その電気抵抗
ならびに熱抵抗の値が増大することのないセパレータを
提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に対応するこの発明の一実施例による
セパレータを示すもので、(a)はその上面図、(b)
はその平面図
【図2】請求項2に対応するこの発明の一実施例による
セパレータの製造方法を説明する要部の工程図
【図3】請求項3に対応するこの発明の一実施例による
セパレータの製造方法を説明する要部の工程図
【図4】従来例の固体高分子電解質燃料電池の燃料電池
セルとセパレータとを展開した状態で示した縦断面図
【図5】固体高分子電解質型燃料電池のスタックの模式
的に示した構成図
【符号の説明】
1 セパレータ 1a 熱硬化性樹脂層 2A 単位セパレータ 21a 側面 21b 側面 2B 単位セパレータ 22a 側面 22b 側面 51 溝 52 溝 8 燃料電池セル

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料ガスおよび酸化剤ガスの供給を受けて
    直流電力を発生する燃料電池セルを複数個数積層してな
    る固体高分子電解質型燃料電池の,前記燃料電池セルの
    間に介挿されて用いられて燃料電池セルの側面に対向し
    て配置されるものであって、一方の燃料電池セルに燃料
    ガスを供給するための溝を一方の側面に備え、他方の燃
    料電池セルに酸化剤ガスを供給するための溝を他方の側
    面に備えた固体高分子電解質型燃料電池用セパレータに
    おいて、 一方の側面にのみ燃料ガスまたは酸化剤ガスを供給する
    ための溝を有する単位セパレータを、溝を有しない他方
    の側面において互いに熱硬化性樹脂層を介して接合して
    なることを特徴とする固体高分子電解質型燃料電池用セ
    パレータ。
  2. 【請求項2】燃料ガスおよび酸化剤ガスの供給を受けて
    直流電力を発生する燃料電池セルを複数個数積層してな
    る固体高分子電解質型燃料電池の,前記燃料電池セルの
    間に介挿されて用いられて燃料電池セルの側面に対向し
    て配置されるものであって、一方の燃料電池セルに燃料
    ガスを供給するための溝を一方の側面に備え、他方の燃
    料電池セルに酸化剤ガスを供給するための溝を他方の側
    面に備えた固体高分子電解質型燃料電池用セパレータの
    製造方法において、 複数の平板状素材をその側面において互いに熱硬化性樹
    脂層を介して接合して平板状積層素材を得る第1の工程
    と、前記熱硬化性樹脂層に交差しないようにして,前記
    平板状積層素材の両外側面のそれぞれに燃料ガスを供給
    するための溝および酸化剤ガスを供給するための溝を形
    成する第2の工程、を含むことを特徴とする固体高分子
    電解質型燃料電池用セパレータの製造方法。
  3. 【請求項3】燃料ガスおよび酸化剤ガスの供給を受けて
    直流電力を発生する燃料電池セルを複数個数積層してな
    る固体高分子電解質型燃料電池の,前記燃料電池セルの
    間に介挿されて用いられて燃料電池セルの側面に対向し
    て配置されるものであって、一方の燃料電池セルに燃料
    ガスを供給するための溝を一方の側面に備え、他方の燃
    料電池セルに酸化剤ガスを供給するための溝を他方の側
    面に備えた固体高分子電解質型燃料電池用セパレータの
    製造方法において、 一方の側面にのみ燃料ガスまたは酸化剤ガスを供給する
    ための溝を有する単位セパレータを得る第1の工程と、
    2個の単位セパレータを,溝を有していない他方の側面
    において互いに熱硬化性樹脂層を介して接合する第2の
    工程、を含むことを特徴とする固体高分子電解質型燃料
    電池用セパレータの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007250192A (ja) * 2006-03-13 2007-09-27 Toyota Motor Corp セパレータ、および、燃料電池
KR101107081B1 (ko) * 2004-08-30 2012-01-20 삼성에스디아이 주식회사 연료 전지용 스택과 이를 갖는 연료 전지 시스템
US8129068B2 (en) 2006-10-19 2012-03-06 Honda Motor Co., Ltd. Fuel cell and fuel cell stack

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