JPH0625993A - 熱硬化性複合材料及びその製造方法 - Google Patents

熱硬化性複合材料及びその製造方法

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JPH0625993A
JPH0625993A JP19895592A JP19895592A JPH0625993A JP H0625993 A JPH0625993 A JP H0625993A JP 19895592 A JP19895592 A JP 19895592A JP 19895592 A JP19895592 A JP 19895592A JP H0625993 A JPH0625993 A JP H0625993A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の湿式抄造法における幾つかの製造上の
問題点を解決した新規で、且つ良物性の熱硬化性複合材
料の製造方法を提供する。 【構成】 (A)硬化剤の存在下又は不存在下で熱硬化
性を発現し得る繊維状の硬化性樹脂を繊維状に賦形する
工程と、(B)工程(A)で得られた繊維状の硬化性樹
脂と繊維質基材とを湿式混合して得られる混合物を任意
形状の湿潤成形体に成形する工程と、(C)工程(B)
で得られた任意形状の湿潤成形体を乾燥する工程を含む
熱硬化性複合材料の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維状の硬化性樹脂と
繊維質基材とを主成分とする新規な熱硬化性複合材料及
びその製造方法に関する。更に詳しくいえば、本発明
は、電気電子機器用、自動車部品用、土木建築材料用、
印刷回路用紙基板、印刷回路用ガラス基板、電気絶縁用
積層板、機械部材用積層板、構造部材用積層板、化粧板
用コア、ロックウールボード、再生古紙強化ボード、ガ
ラス繊維強化基板、炭素繊維強化基板、電磁波遮蔽体等
の製造に利用されるほか、スタンパブルシート用途に適
用される熱硬化性シートとして有用な熱硬化性複合材料
及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、熱硬化性複合材料は、例えば、粉
状の熱硬化性樹脂及び必要に応じて液状の熱硬化性樹脂
と繊維質基材とを水中で混合して得られる混合物を任意
形状の湿潤成形体に抄造成形した後乾燥させる湿式製
法、或いは紙や繊維シートを作った後若しくは繊維質基
材に液状又は有機溶剤溶液の熱硬化性樹脂を含浸若しく
は被覆させた後乾燥させる湿式製法、又は粉状の熱硬化
性樹脂と繊維質基材とを混合した後にフォーミングする
湿式製法により製造されるのが一般的であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、新規な熱硬
化性複合材料を提供すると共に、前記従来技術における
幾つかの製造上の問題点を解決すべくなされたもので、
第1の課題は、結合剤として粉状の熱硬化性樹脂(以
下、粉状樹脂という)を用いる従来の熱硬化性複合材料
より改善された品質を有する繊維状の硬化性樹脂を含む
熱硬化性複合材料を提供することにある。
【0004】第2の課題は、粉状樹脂を用いる従来の湿
式抄造法における抄造網の目詰まりによるろ水性の低
下、抄造網からの樹脂流出による歩留りの低下、粉状樹
脂の水中分散性の悪さによるレジンダマの発生、又は粉
状樹脂と繊維質基材との均一分散性の悪さ等の問題点を
改善できる新規な湿式抄造法(以下、新規な湿式製法と
いう)を提供することによって、熱硬化性複合材料の生
産性を向上させると共に排水公害の発生要因の解消を図
ることにある。
【0005】第3の課題は、従来より湿式製法分野で広
く採用されている熱硬化性樹脂有機溶剤溶液の含浸工程
を必要としない新規な湿式製法を提供することによっ
て、熱硬化性複合材料の生産性を向上させると共に、従
来湿式製法の含浸工程における安全衛生上の問題を解決
することにある。
【0006】第4の課題は、新規な湿式製法を提供する
ことによって、粉末樹脂を用いる従来の乾式製法では避
けられない火炎の危険や粉塵公害の問題を解決すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、硬化剤の存在
下又は不存在下で熱硬化性を発現し得る繊維状の硬化性
樹脂と繊維質基材とを含んで成ることを特徴とする熱硬
化性複合材料を提供する。また、本発明は、硬化剤の存
在下又は不存在下で熱硬化性を発現し得る繊維状の硬化
性樹脂と繊維質基材とを含んで成る熱硬化性複合材料の
製造方法であって、(A)硬化性樹脂を繊維状に賦形す
る工程と、(B)工程(A)で得られた繊維状の硬化性
樹脂と繊維質基材とを湿式混合して得られる混合物を任
意形状の湿潤成形体に成形する工程と、(C)工程
(B)で得られた任意形状の湿潤成形体を乾燥する工程
を含むことを特徴とする熱硬化性複合材料の製造方法を
提供する。
【0008】本発明に関連する(A)工程において使用
される繊維化用の硬化性樹脂は、それ自体が熱硬化性を
有するものでも、それ自体には熱硬化性がなくても硬化
剤(架橋性を有する樹脂も含む)を使用することによっ
て熱硬化性を発現するものでもよい。中でも、繊維状に
賦形する際の安定性及び容易性の点から、50℃以上の
融点を有する非晶性樹脂で潜在的反応活性点を有する熱
可融性の樹脂が好ましい。
【0009】前記硬化性樹脂は、前述したような性質を
有し、かつ繊維化可能な樹脂であれば特に制限されない
が、通常はフェノール樹脂、エポキシ樹脂、硬化性イミ
ド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂等の単
独又は2種以上の混合物が使用される。中でも、フェノ
ール樹脂、エポキシ樹脂及びこれらの混合物が特に好ま
しい。かかる硬化性樹脂の代表的な例としては、例え
ば、ノボラック形フェノール樹脂、アンモニアレゾール
型フェノール樹脂、ベンジルエーテル型フェノール樹
脂、クレゾールのごときアルキルフェノール変性フェノ
ール樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェ
ノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、
オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェ
ノールS型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂、複素環
型エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、ビ
スマレイミド樹脂、ビスマレイミド・トリアジン樹脂、
エポキシ変成ビスマレイミド樹脂、ジアリルフタレート
樹脂、メタクリレート樹脂、無水マレイン酸グリコール
共重合体、不飽和多塩基酸グリコール共重合体、アルキ
ルオキシド無水マレイン酸共重合体、メラミン樹脂等が
挙げられる。そのほか、例えば、反応性ウレタン樹脂オ
リゴマー、オキサゾリン基を有する反応性ポリマー、エ
ポキシ基を有する反応性ポリマー、アクリルアミド系樹
脂、アルキッド系樹脂等の使用も可能である。
【0010】次に、硬化性樹脂の繊維化に際しては、例
えばノズル方式、回転ロール方式、フラッシュ方式等の
溶融紡糸法によって賦形化してもよいが、好ましくは、
かかる硬化性樹脂の繊維化に極めて適し、しかも高い繊
維化効率を発現する方法として知見した遠心力の利用に
よる溶融紡糸法、すなわち、高速度で回転しているスリ
ット付き外周壁を備えた加熱回転ディスク内に投入され
た溶融状ないし固形状の硬化性樹脂をその高速回転に伴
う強力な遠心力作用でスリットを通過させて繊維化す
る、所謂綿菓子製造方式の紡糸法である。
【0011】かくして繊維状に賦形化された硬化性樹脂
(以下、繊維状樹脂という)は、通常、単独で又は2種
以上の混合物として機械的に解繊処理し又は湿式混合時
に水中解繊して使用に供されるが、良物性の製品を得る
為には、望ましくは、解繊時の繊維の折れにくさ、繊維
状樹脂の嵩高さの点から、平均繊維径(D)が100μ
m以下であり、好ましくは50μm以下、より好ましく
は30μm以下であり、その下限値は上記理由から特に
制限されないが1μm以下であってもよく、かつ平均繊
維径(D)に対する繊維長(L)の比(L/D、以下、
アスペクト比という)が10以上であり、好ましくは5
0以上、より好ましくは100以上であるものが使用さ
れる。平均繊維径が100μmを越えると、繊維が折れ
やすく、また繊維状樹脂の嵩張りが小さくなるため、繊
維質基材中での樹脂の分散が不均一となり樹脂含有率の
ばらつきを生じる原因になることがある。一方、アスペ
クト比が10未満であると、前記同様に樹脂の偏析を起
こして分散むらを生じたり、歩留りやろ水性の低下を生
じる原因になることがある。
【0012】次に、工程(B)においては、従来より製
紙分野で採用されている湿式抄造法が好適に適用され
る。かかる湿式抄造法に従って、例えば、パルパー又は
ミキシングタンク内で繊維質基材と繊維状樹脂とを均質
に混合した後、得られた混合物を長網式又は丸網式抄造
機で抄き上げて紙状、シート状、マット状、嵩高フエル
ト状等の任意形状に成形し、次いで常圧ろ過及び/又は
減圧ろ過若しくは圧搾ろ過等により脱水して所望の湿潤
成形体が製造される。このような湿式抄造法において、
繊維状樹脂が粉状樹脂より有利に作用する理由は、樹脂
が繊維状でかつ嵩高であって、粉状樹脂のようには水に
よる凝結作用を受けにくいので、水中への分散が容易と
なり、かつ繊維質基材との混合性もよくなり均一な分散
状態を形成し易く、また抄造網の目詰まりや抄造網から
の流出が生じにくくなるものと推察される。なお、熱硬
化性複合材料の密度は湿潤成形体の残留水分の量によっ
て調整することができる。前記繊維質基材としては、特
に限定はなく、例えば天然繊維、合成繊維、再生繊維、
無機繊維、金属繊維及びこれらの繊維を中空化又は表面
被覆した機能性繊維等の単独又は2種以上の混合物が使
用される。その代表的なものとしては、木材繊維、セル
ロース繊維、綿、麻、屑布、古紙再生繊維、ナイロン繊
維、ビニロン繊維、アクリル繊維、アラミド繊維、ポリ
アリレート繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊
維、ポリエステル繊維、ポリエステル中空繊維、銅被覆
ポリエステル繊維、フェノール樹脂繊維、炭素繊維、ガ
ラス繊維、ロックウール、炭化珪素繊維、シリカ・アル
ミナ繊維、ステンレス繊維、銅繊維等が挙げられる。な
お、かかる繊維質基材と繊維状樹脂との混合割合は、使
用目的に応じて任意に選択すればよいので特に制限はな
いが、驚くことには、その混合割合が変化しても抄造成
形時のろ水性には殆ど変化がない。このような粉状樹脂
では知見されない有用な効果を奏するのは樹脂形態の相
違に基づくものと推察される。
【0013】また、この工程(B)においては、繊維状
樹脂の硬化及び/又は硬化促進のため、必要に応じて必
要量の硬化剤及び/又は硬化促進剤が混合時に添加され
るか、又は抄造成形後の湿潤成形体に含浸定着される。
中でも、抄造過程である程度の水切りした後に硬化剤及
び/又は硬化促進剤の原液又は一定濃度の水溶液若しく
は有機溶剤溶液等を湿潤成形体表面にスプレー塗布した
後減圧吸引して含浸定着させる方法が好ましい。
【0014】このような硬化剤及び/又は硬化促進剤の
代表的なものとしては、例えば、フェノール樹脂ではヘ
キサメチレンテトラミンや水溶性レゾール樹脂等があ
り、エポキシ樹脂ではアミン化合物、酸無水物、ポリカ
ルボン酸、フェノール樹脂、尿素樹脂、アミド樹脂、イ
ミダゾール系化合物、ポリメルカプタン等があり、硬化
性イミド樹脂や不飽和ポリエステル樹脂では、パーオキ
サイド類、有機金属塩類、アミン化合物、メルカプタン
類、リン化合物、金属石鹸類、カルボニル化合物、イミ
ダゾール系化合物、エポキシ系化合物等が挙げられる。
これらはそれぞれ単独で又は2種以上を組合せて使用し
てもよい。そのほか、例えば、紙質の改良剤、染料、カ
ップリング剤、分散剤、消泡剤、湿潤紙力増強剤、乾燥
紙力増強剤、表面強度向上剤、耐摩耗性向上剤、剥離剤
及び離型剤等を同様に使用することができる。
【0015】次に、上記工程(B)で得られた湿潤成形
体は、工程(C)において樹脂の繊維形態が完全に無く
なるまで乾燥させてもよいが、乾燥後の離型性が悪くな
ったり、又は柔軟性が乏しくなって得られる熱硬化性複
合材料の巻取りや切断等に支障を来すなどの問題を招来
することから、好ましくは乾燥後でも樹脂の繊維形態が
完全に又は部分的に保持されるように乾燥が実施され
る。また、乾燥が長くなれば水分等によって硬化剤等の
マイグレーションを生じたり、場合によっては樹脂の反
応が進み過ぎて熱硬化性複合材料の成形性に悪影響を与
えることから、乾燥はできるだけ速やかに実施すること
が望ましい。更に、この乾燥工程は、熱硬化性複合材料
の成形性を調節すべく、樹脂の反応を適度にコントロー
ルする役割を有する。これらの点を考慮すれば、乾燥方
法としては通気乾燥が最も適した方法であり、しかも、
この乾燥方法は、常温若しくは比較的低い温度から高い
温度の範囲で任意に温度の選択が可能である上、乾燥効
率が高くて短時間の乾燥が可能であるため繊維形態の保
持にも極めて有効である。そのほか、気体循環オーブン
乾燥、ドラム乾燥、赤外線乾燥、マイクロウェーブ乾燥
等の単独方式又は通気乾燥との併用方式を適用すること
ができる。
【0016】かくして得られる本発明の熱硬化性複合材
料は、非常に多岐に亘る熱硬化成形法を用いることによ
って最終製品である硬化複合体、例えば、電気電子機器
用、自動車部品用、土木建築材料用として、印刷回路用
紙基板、印刷回路用ガラス基板、電気絶縁用積層板、機
械部材用積層板、構造部材用積層板、化粧板用コア、ロ
ックウールボード、再生古紙強化ボード、ガラス繊維強
化基板、炭素繊維強化基板、電磁波遮蔽体等の製造に適
用されるほか、スタンパブルシート用途に適用される熱
硬化性シートとして利用される。なお、代表的な熱硬化
成形法としては、必要枚数の紙状若しくはシート状熱硬
化性複合材料を積層圧縮成形する方法、紙状、シート状
又はマット状熱硬化性複合材料と樹脂含浸補強紙、補強
用樹脂含浸クロス、アルミニウム薄板、メラミン化粧紙
等の面材、フエルト、カーボンクロス等の芯材あるいは
機能性付与材とを積層圧縮成形する方法、そのほか、ロ
ックウールのごときは抄造成形後に加熱オーブン内で熱
硬化させマット状又は嵩高フエルト状に焼成成形する方
法等が例示される。更に、硬化複合体は必要に応じて適
宜温度でエイジングが施され性能の向上が図られる。
【0017】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0018】〔繊維状樹脂の製造例〕回転駆動軸に連結
された回転ディスク(直径125mm、回転数8000rp
m )の周辺には、樹脂溶融用リボンヒーターが取り付け
てあり、更にその外周は20メッシュの金網で覆われて
いる市販の綿菓子機を用いて表1に示す各種の硬化性樹
脂を繊維状に賦形した。次いで、得られた繊維状の硬化
性樹脂を多数のピンを取り付けた回転式解繊機にかけて
表1に示すような平均繊維径(D)、繊維長(L)及び
アスペクト比(L/D)を有する繊維状樹脂A〜Fを製
造した。
【0019】
【表1】 なお、表中の平均繊維径及び繊維長は顕微鏡写真より測
定した。
【0020】〔熱硬化性複合材料の製造手順〕手順−1
50リットルヘンシェルミキサー内に水30リット
ル、繊維状樹脂100g及び繊維質基材100gを順次
投入した後60秒間攪拌混合した混合物を調製する。
【0021】手順−2 下方に減圧装置接続用ノズルを
有する直径200mm、深さ50mmの円筒容器の底部に1
50メッシュの金網を敷設した構造の抄造機内に所定量
の前記混合物を投入した後、常圧ろ過及び/又は減圧ろ
過して水切りを行う。
【0022】手順−3 必要に応じて、水切り後の湿潤
成形体上に所定量の硬化剤及び/又は硬化促進剤の溶液
又は水溶液をスプレー塗布した後減圧吸引して硬化剤及
び/又は硬化促進剤を含浸定着させる。
【0023】手順−4 前記抄造機の上方より温度80
℃の加熱空気を通気させることにより乾燥した各種形状
の熱硬化性複合材料を得る。
【0024】〔実施例1及び比較例1〕繊維状樹脂F及
びDと3mmガラス繊維と2−メチルイミダゾール1%水
溶液とを準備した後、前記熱硬化性複合材料の製造手順
に従って表2−1に示す製造条件によりシート状の熱硬
化性複合材料を作製した。なお、製造過程の混合時及び
抄造時においては、樹脂の水中分散性、ろ水性及びろ液
(廃水)の状態について観察した。また、熱硬化性複合
材料については、樹脂の分散状態、繊維状樹脂の有無及
び振動付与による樹脂の脱落の有無を観察すると共に、
アセトン抽出法による樹脂の歩留りの測定と材料の引き
裂き安定性について調査した。それらの結果は表2−1
に示す通りであった。次いで、熱硬化性複合材料は、表
2−2に示す成形条件で積層圧縮成形して硬化複合体と
した。なお、得られた硬化複合体については、JIS
K 6910に準じて比重、曲げ強度及び曲げ弾性率を
測定した(実施例1)。また、比較対照のため、オルソ
クレゾール型エポキシ樹脂とノボラック型オルソクレゾ
ール樹脂とを重量比率70/30で共粉砕して得られた
粉状の硬化性樹脂を繊維状樹脂(F/D)に代えて用い
た以外は実施例1と同様にしてシート状の熱硬化性複合
材料及び硬化複合体を作製し、併せて、実施例1と同様
にして諸状態の観察及び諸特性の測定を行った(比較例
1)。それらの結果は表2−1及び表2−2に示す通り
であった。
【0025】
【表2−1】
【0026】
【表2−2】
【0027】〔実施例2〜14〕繊維状樹脂A〜Fと各
種繊維質基材及び硬化剤及び/又は硬化促進剤とを準備
した後、前記熱硬化性複合材料の製造手順に従って表3
−1及び表3−2に示す製造条件により種々の形状を有
する熱硬化性複合材料を14種類作製した。なお、製造
過程の混合時及び抄造時においては、樹脂の水中分散
性、ろ水性及びろ液(廃水)の状態について観察した。
また、熱硬化性複合材料については、樹脂の分散状態、
繊維状樹脂の有無又は振動付与による樹脂の脱落有無を
観察すると共に、アセトン抽出法による樹脂の歩留りの
測定を行った。それらの結果は表3−1及び表3−2に
示す通りであった。次いで、熱硬化性複合材料は、表4
−1及び表4−2に示す成形条件で成形して硬化複合体
とした。なお、得られた硬化複合体については、JIS
K 6910に準じて比重、曲げ強度及び曲げ弾性率
を測定した。それらの結果は表4−1及び表4−2に示
す通りであった。
【0028】
【表3−1】
【0029】
【表3−2】
【0030】
【表4−1】
【0031】
【表4−2】
【0032】以上の実施例と比較例より明らかなよう
に、本発明の熱硬化性複合材料(実施例1)は、従来材
料(比較例1)より良好な性能を示すのみならず、樹脂
の脱落もなく、かつ材料の引き裂き安定性にも優れてい
ることが確認された。また、製造過程(混合時・抄造
時)での樹脂の水中分散性、ろ水性、ろ液の状態につい
ても、得られた熱硬化性複合材料における樹脂の分散状
態、樹脂の歩留りについても従来技術(比較例1)より
優れていることが判明した。更に、その他の実施例(実
施例2〜15)においても実施例1と同様の製造上の効
果を奏し、また実用上支障のない性能を有する熱硬化性
複合材料であることが確認された。
【0033】
【発明の効果】以上述べたように繊維状樹脂を用いる本
発明によれば、次のような効果が奏せられる。
【0034】(1)本発明の熱硬化性複合材料は、粉状
樹脂を用いる従来技術のような樹脂の脱落がなく、かつ
引き裂き安定性に優れているので、商品としての信頼性
が高く、しかも従来技術より良好な性能を有する。
【0035】(2)本発明の湿式製法は、粉状樹脂を用
いる従来の湿式製法より、 (イ)抄造網の目詰まりによるろ水性の低下、抄造網か
らの樹脂流出による歩留りの低下等が改善されるので、
熱硬化性複合材料の生産性及び性能を向上させることが
できる。
【0036】(ロ)回収されるろ液は汚れがなく透明で
あるので、抄造工程でのリサイクル水として繰り返し使
用できるのに加えて、廃水公害の発生を防止することが
できる。
【0037】(ハ)抄造工程で繰り返し使用される比較
的高温度のろ水であっても、粉状樹脂のようなレジンダ
マの発生を伴うことがなく、しかも繊維質基材との混合
性もよくかつ均一に分散できるので、作業能率の向上、
熱硬化性複合材料の性能安定を図ることができる。
【0038】(3)本発明の湿式製法は、液状樹脂を用
いる製法で採用されているような熱硬化性樹脂有機溶剤
溶液の含浸工程を必要としないので、従来製法より複合
材料の生産性を向上させ、かつ生産現場での安全衛生面
を改善面することができる。
【0039】(4)本発明の湿式製法は、乾式製法にお
ける粉塵爆発や着火による火炎や粉塵公害を生じること
がなく、しかも安全かつ衛生的な労働環境を作り出すこ
とができる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬化剤の存在下又は不存在下で熱硬化性
    を発現し得る繊維状の硬化性樹脂と繊維質基材とを含ん
    で成ることを特徴とする熱硬化性複合材料。
  2. 【請求項2】 前記繊維状の硬化性樹脂がフェノール樹
    脂及び/又はエポキシ樹脂である請求項1記載の熱硬化
    性複合材料。
  3. 【請求項3】 前記繊維状の硬化性樹脂は、平均繊維径
    (D)が100μm下で、かつ該平均繊維径(D)に対
    する繊維長(L)の比(L/D)が10以上である請求
    項1又は2記載の熱硬化性複合材料。
  4. 【請求項4】 硬化剤の存在下又は不存在下で熱硬化性
    を発現し得る繊維状の硬化性樹脂と繊維質基材とを含ん
    でなる熱硬化性複合材料の製造方法であって、 (A)硬化性樹脂を繊維状に賦形する工程と、 (B)工程(A)で得られた繊維状の硬化性樹脂と繊維
    質基材とを湿式混合して得られる混合物を任意形状の湿
    潤成形体に成形する工程と、 (C)工程(B)で得られた任意形状の湿潤成形体を乾
    燥する工程を含むことを特徴とする熱硬化性複合材料の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 前記繊維状の硬化性樹脂がフェノール樹
    脂及び/又はエポキシ樹脂である請求項4記載の熱硬化
    性複合材料の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記繊維状の硬化性樹脂は、平均繊維径
    (D)が100μm下で、かつ該平均繊維径(D)に対
    する繊維長(L)の比(L/D)が10以上である請求
    項4又は5記載の熱硬化性複合材料の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記(A)工程における硬化性樹脂の繊
    維状に賦形する工程が熱溶融状の硬化性樹脂を遠心力に
    より繊維化する方法である請求項4記載の熱硬化性複合
    材料の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記(B)工程において、硬化剤及び/
    又は硬化促進剤を任意形状に成形された湿潤成形体に含
    浸定着させる請求項4記載の熱硬化性複合材料の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記(C)工程が常温若しくは加熱気体
    による通気乾燥を含む工程である請求項4記載の熱硬化
    性複合材料の製造方法。
JP19895592A 1992-07-03 1992-07-03 熱硬化性複合材料及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3483036B2 (ja)

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