JPH062593Y2 - 化粧用容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、コンパクト等の化粧用容器に関する。

「従来の技術」 この種の容器は従来、化粧品充填皿等を収納した合成樹
脂製の容器本体に対して合成樹脂製の蓋板がその後縁部
において回動自在に枢着され、バネ等により開蓋状態が
保持される一方、蓋板側に付設させた係合片と容器本体
側に付設させた係合子との弾性係合により閉蓋状態が保
持される構造のものが一般的であった。

「考案が解決しようとする問題点」 ところで、最近では、軽薄短小化の風潮などから、上記
容器をカードに似せて作るなどの薄形化が強く要望され
ている。

ところが、上記容器の薄形化を図った場合、従来の開閉
式では、蓋板等が所謂薄くて大きなものとなることから
強度的に問題があった。

そこで本考案は、スライド機構を導入して蓋板を可及的
に小面積で形成することにより、蓋板等における十分な
強度を維持しつつ薄形化が図れる化粧用容器を提供する
ことを目的とする。

「問題点を解決するための手段」 上記目的を達成するため、本考案容器は、物品収納用凹
部３…を上面に穿設する板状基体１と、該基体を前方へ
の引出しが可能に内部へ嵌合させた、前面開口でかつ扁
平薄形の箱状ケース体２とを有し、上記ケース体の頂壁
前半部に形成した前面開口の切欠き８を、該切欠きの後
縁にヒンジ部９を介して連結した蓋板10で閉塞させると
共に、上記基体とケース体との対向面相互に、ケース体
に対する基体の上記引出しを基体前半部までで阻止する
係合手段５，13をそれぞれ付設させ、かつ上記基体前半
部を引出しすることで、基体後半部上面の大部分が上記
切欠き部分に露出可能に形成させたことを特徴とする。

「作用」 例えば第１図の状態から蓋板10を開蓋して基体１前半部
を前方へ引出せば、基体上面の大部分が露出することに
なり、これによって蓋板の大きさはケース体２頂壁の略
半分で済む。

「実施例」 以下添付図面に基づいて、本考案の一実施例を説明す
る。

第１図に示すように、前面開口でかつ扁平な箱状ケース
体２内へ前方への引出しが可能に板状基体１が嵌合され
ている。

板状基体１は、第２図及び第３図に示すように、その上
面に各種形状の物品収納用凹部３…を穿設すると共に、
前面中央部に係合子４を横設し、かつ左、右両側面中間
部に前向き段部５を付設してなる。なお、図中６は粉末
状のものが押し固められてなる化粧料で、７は該化粧料
を塗布するためのチップである。

箱状ケース体２は、その頂壁前半部に前面開口の切欠き
８が穿設されて、該切欠き８が、当該切欠き８後縁にヒ
ンジ部９を介して連結された蓋板10で開閉されるように
なっている。図示例では、蓋板10の前端縁から前垂壁11
が垂設され、該前垂壁11が、閉蓋時に、上記ケース体２
の前面を閉蓋すると共に、その裏面中央部に横設した係
合子12が上記基体１の係合子４下面に弾性係合するよう
になっている。即ち、上記係合子４，12相互の弾性係合
状態により、基体１前半部の不用意な抜出しと蓋板10の
同じく不用意な開蓋が阻止されるのである。また、ケー
ス体２の左、右両側壁内面の前部には、上記基体１がそ
の前半部まで引出された時に上記基体１の前向き段部５
と係合してそれ以上の引出しを阻止する後向き段部13が
付設されている。さらに、上記ヒンジ部９は薄肉の一体
成形ヒンジで形成されている。

そして、上記ケース体２に対して基体１前半部を引出し
することで、基体１後半部上面の大部分が上記切欠き８
部分に露出可能に形成させている。

「考案の効果」 以上説明したように本考案によれば、基体をケース体に
対してスライドさせることにより、基体上面を開放する
蓋板を可及的に小さく形成でき、依って蓋板等における
十分な強度を維持しつつ容器の薄形化が図れる。また、
板状基体を前方への引出しが可能に内部へ嵌合させた前
面開口でかつ扁平薄形の箱状ケース体を有し、該ケース
体の頂壁前半部に形成した前面開口の切欠きを、該切欠
きの後縁にヒンジ部を介して連結した蓋板で閉塞させた
ので、蓋板を切欠きの厚さに形成出来、該切欠き内へ蓋
板を嵌合出来るため、容器全体を極々薄形に形成出来る
ものである。

また、ケース体に対する基体の引出しを、蓋板前半部ま
でで阻止する係合手段を設け、且つ、基体前半部を引出
しすることで、基体後半部上面の大部分が切欠き部分に
露出可能に形成したので、基体表面全体の広範囲な部分
を効率良く使用出来、薄形にもかかわらず多くの収納容
積を得られるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案容器の一実施例を示す斜視図、第２図は
その使用状態を示す斜視図、第３図は第２図の要部切欠
き斜視図である。 １…板状基体 ２…箱状ケース体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】物品収納用凹部３…を上面に穿設する板状
   基体１と、該基体を前方への引出しが可能に内部へ嵌合
   させた、前面開口でかつ扁平薄形の箱状ケース体２とを
   有し、上記ケース体の頂壁前半部に形成した前面開口の
   切欠き８を、該切欠きの後縁にヒンジ部９を介して連結
   した蓋板10で閉塞させると共に、上記基体とケース体と
   の対向面相互に、ケース体に対する基体の上記引出しを
   基体前半部までで阻止する係合手段５，13をそれぞれ付
   設させ、かつ上記基体前半部を引出しすることで、基体
   後半部上面の大部分が上記切欠き部分に露出可能に形成
   させたことを特徴とする化粧用容器。