JPH062581B2 - 着色軽質炭酸カルシウムおよび着色紙 - Google Patents
着色軽質炭酸カルシウムおよび着色紙Info
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- JPH062581B2 JPH062581B2 JP63160734A JP16073488A JPH062581B2 JP H062581 B2 JPH062581 B2 JP H062581B2 JP 63160734 A JP63160734 A JP 63160734A JP 16073488 A JP16073488 A JP 16073488A JP H062581 B2 JPH062581 B2 JP H062581B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、着色軽質炭酸カルシウムおよび、この着色軽
質炭酸カルシウムを着色填料として含有する紙に関する
ものである。
質炭酸カルシウムを着色填料として含有する紙に関する
ものである。
更に詳しく述べるならば、本発明は、紙の表裏に色差を
生ずることがなく、紙用着色填料として好適な着色軽質
炭酸カルシウム、およびこの着色軽質炭酸カルシウムを
着色填料として含有する紙に関するものである。
生ずることがなく、紙用着色填料として好適な着色軽質
炭酸カルシウム、およびこの着色軽質炭酸カルシウムを
着色填料として含有する紙に関するものである。
紙の製造に当り、これに平滑性および不透明性などの種
々な特性を付与するため、および製造コストの低減を図
るため、一般には、紙に填料が内添されている。酸性抄
紙における填料としては、クレー、タルク、二酸化チタ
ン等が用いられて来たが、これ等の多くは海外からの輸
入品であって、入手の容易さ、価格などに問題がある。
最近中性pH域で抄紙し、紙の耐久性を向上させるととも
に、国内に豊富な石灰石を填料原料として使用する事に
よる製造コストの低減に有利な、所謂中性抄紙が注目さ
れている。
々な特性を付与するため、および製造コストの低減を図
るため、一般には、紙に填料が内添されている。酸性抄
紙における填料としては、クレー、タルク、二酸化チタ
ン等が用いられて来たが、これ等の多くは海外からの輸
入品であって、入手の容易さ、価格などに問題がある。
最近中性pH域で抄紙し、紙の耐久性を向上させるととも
に、国内に豊富な石灰石を填料原料として使用する事に
よる製造コストの低減に有利な、所謂中性抄紙が注目さ
れている。
中性抄紙では、填料として石灰石を乾式或は湿式で微粉
砕した重質炭酸カルシウム(以下重炭)が広く用いられ
ている。又、水酸化カルシウムに炭酸ガス等を反応させ
て製造する軽質炭酸カルシウムも、その白色度、不透明
度、ワイヤー摩耗性が重質炭酸カルシウムより秀れ、紙
の品質が向上し、抄紙機械の長期使用を可能にするなど
の利点があるので、その使用が普及しつゝある。着色し
た紙を抄造する場合、従来、パルプと填料とに、更に染
料を加えた紙料が用いられている。一般に着色抄紙に用
いられる染料は、パルプを容易に染色するが、軽質炭酸
カルシウムなどに填料に対する染色性は低いものであ
る。又、上記紙料からシングルワイヤー式抄紙機等を用
いて、紙を抄造する場合、形成された紙層はワイヤー面
から強制的に脱水され、同時に填料の一部、および微細
繊維が紙層から流出する。このため紙層における填料の
分布は、紙層のZ方向(厚さ方向)で変化し、紙の表面
では填料の分布量が多く、裏面では填料の分布量が少な
くなる。着色パルプと無色填料を用いる場合、上記のよ
うな紙表裏における填料分布量の違いにより、紙の表裏
色差(以下ΔEと記す)が助長される。そこで、もし軽
質炭酸カルシウムを、予めパルプと同じ色に染色してお
けば、前述のような填料分布量に差を生じても、紙全体
の色に関しては、表裏差を生じないことになる。しか
し、軽質炭酸カルシウムは、染料に対する親和力が低い
ため、それを染色しておいても、パルプと接触すると、
染料がパルプ側に移行して脱色してしまい、結局このた
めに得られた着色紙に表裏色差を生ずることになる。
砕した重質炭酸カルシウム(以下重炭)が広く用いられ
ている。又、水酸化カルシウムに炭酸ガス等を反応させ
て製造する軽質炭酸カルシウムも、その白色度、不透明
度、ワイヤー摩耗性が重質炭酸カルシウムより秀れ、紙
の品質が向上し、抄紙機械の長期使用を可能にするなど
の利点があるので、その使用が普及しつゝある。着色し
た紙を抄造する場合、従来、パルプと填料とに、更に染
料を加えた紙料が用いられている。一般に着色抄紙に用
いられる染料は、パルプを容易に染色するが、軽質炭酸
カルシウムなどに填料に対する染色性は低いものであ
る。又、上記紙料からシングルワイヤー式抄紙機等を用
いて、紙を抄造する場合、形成された紙層はワイヤー面
から強制的に脱水され、同時に填料の一部、および微細
繊維が紙層から流出する。このため紙層における填料の
分布は、紙層のZ方向(厚さ方向)で変化し、紙の表面
では填料の分布量が多く、裏面では填料の分布量が少な
くなる。着色パルプと無色填料を用いる場合、上記のよ
うな紙表裏における填料分布量の違いにより、紙の表裏
色差(以下ΔEと記す)が助長される。そこで、もし軽
質炭酸カルシウムを、予めパルプと同じ色に染色してお
けば、前述のような填料分布量に差を生じても、紙全体
の色に関しては、表裏差を生じないことになる。しか
し、軽質炭酸カルシウムは、染料に対する親和力が低い
ため、それを染色しておいても、パルプと接触すると、
染料がパルプ側に移行して脱色してしまい、結局このた
めに得られた着色紙に表裏色差を生ずることになる。
上記の紙表裏面間に色差を生ずるという問題点を解決す
るために、種々の提案がなされている。例えば、特公昭
61-70099公報には、染料と共に、それと同色の顔料を使
用する事が提案されている。しかし一般に顔料は染料に
較べて高価であって着色紙の製造コストが上昇すること
になる。その上、抄紙系中に水不溶性物質の含有量が増
加する事は、抄紙装置内の汚れを増大する原因になる。
更に、顔料の添加設備を要し、操業が複雑になるという
短所もある。更に、無機顔料および有機顔料のうち重金
属を含むものの使用は、環境汚染問題を発生させるおそ
れがあるため困難であった。すでに述べたように、着色
紙を抄紙する場合、パルプと填料とを混合した紙原料に
染料を添加して両者を同時に染色する方法、又は、パル
プ染色用染料により予じめ填料を染色しておき、これを
パルプに混合する方法などもあるが、これらの方法が成
功しなかったことおよびその理由は既に説明した通りで
ある。
るために、種々の提案がなされている。例えば、特公昭
61-70099公報には、染料と共に、それと同色の顔料を使
用する事が提案されている。しかし一般に顔料は染料に
較べて高価であって着色紙の製造コストが上昇すること
になる。その上、抄紙系中に水不溶性物質の含有量が増
加する事は、抄紙装置内の汚れを増大する原因になる。
更に、顔料の添加設備を要し、操業が複雑になるという
短所もある。更に、無機顔料および有機顔料のうち重金
属を含むものの使用は、環境汚染問題を発生させるおそ
れがあるため困難であった。すでに述べたように、着色
紙を抄紙する場合、パルプと填料とを混合した紙原料に
染料を添加して両者を同時に染色する方法、又は、パル
プ染色用染料により予じめ填料を染色しておき、これを
パルプに混合する方法などもあるが、これらの方法が成
功しなかったことおよびその理由は既に説明した通りで
ある。
紙の市場においては、高品質への要求が次第に高まって
おり、着色した紙についても紙の表裏面間の色差の小さ
い、又はないものを強く求められる様になっている。
おり、着色した紙についても紙の表裏面間の色差の小さ
い、又はないものを強く求められる様になっている。
上述の理由で、中性抄紙法により着色した紙を製造する
ために軽質炭酸カルシウムを使用することは、望ましい
ことではあるが、その低い染料保持力に起因して着色紙
表裏面間に大きな色差を生ずるという問題のため、その
実用が困難であった。
ために軽質炭酸カルシウムを使用することは、望ましい
ことではあるが、その低い染料保持力に起因して着色紙
表裏面間に大きな色差を生ずるという問題のため、その
実用が困難であった。
本発明は、染料を堅牢に保持し、このため中性抄紙法に
より着色紙を製造した際、着色紙表裏面間に色差を生ず
ることの少ない、またはない着色軽質炭酸カルシウムお
よびそれを含有する着色紙を提供しようとするものであ
る。
より着色紙を製造した際、着色紙表裏面間に色差を生ず
ることの少ない、またはない着色軽質炭酸カルシウムお
よびそれを含有する着色紙を提供しようとするものであ
る。
本発明の着色軽質炭酸カルシウムは、水酸化カルシウム
と水溶性染料とを含有する水性スラリーに、炭酸ガス−
含有ガスを導入することにより生成したものである。
と水溶性染料とを含有する水性スラリーに、炭酸ガス−
含有ガスを導入することにより生成したものである。
また、本発明の着色紙は、上記着色軽質炭酸カルシウム
を着色填料として含有するものである。
を着色填料として含有するものである。
着色紙表裏面間の色差(ΔE)は、JIS Z-8730(1970)色
差表示方法により、次式から算出することができる。
差表示方法により、次式から算出することができる。
ΔE=〔(ΔL)2+(Δa)2+(Δb)2〕1/2 〔但し上式中ΔEは、Lab系による二着色間の色差を
表わし、ΔL,Δa,Δbは、それぞれ、Lab系によ
る二着色間のL値、a値およびb値の差を表わす。〕 本発明の着色軽質炭酸カルシウムの原料として用いられ
る水酸化カルシウムは、通常の製紙用軽質炭酸カルシウ
ム製造用に用いられる生石灰に水を加えて消和し、常法
による濃度調整工程および精選工程を経て製造される。
表わし、ΔL,Δa,Δbは、それぞれ、Lab系によ
る二着色間のL値、a値およびb値の差を表わす。〕 本発明の着色軽質炭酸カルシウムの原料として用いられ
る水酸化カルシウムは、通常の製紙用軽質炭酸カルシウ
ム製造用に用いられる生石灰に水を加えて消和し、常法
による濃度調整工程および精選工程を経て製造される。
本発明に用いられる水溶性染料は、直接染料、塩基性染
料、酸性染料などから選択される。これらの染料は蛍光
増白染料を包含する。一般には直接染料を用いることが
好ましい。
料、酸性染料などから選択される。これらの染料は蛍光
増白染料を包含する。一般には直接染料を用いることが
好ましい。
本発明に用いられる炭酸ガス−含有ガスは、炭酸ガスで
あってもよく、或は炭酸ガスと他のガス、例えば空気な
どとの混合ガスであってもよいが通常の軽質炭酸カルシ
ウム製造用ガスから選択使用すればよい。
あってもよく、或は炭酸ガスと他のガス、例えば空気な
どとの混合ガスであってもよいが通常の軽質炭酸カルシ
ウム製造用ガスから選択使用すればよい。
水酸化カルシウム−染料含有水性スラリー中の染料濃度
については、格別の限定はなく、所望の色相,濃度に応
じて選択される。例えば、b値が10〜14の範囲にある色
相に着色する場合、染料は一般には水酸化カルシウム固
形乾燥重量に対し0.1〜0.3%の量で用いられる。
については、格別の限定はなく、所望の色相,濃度に応
じて選択される。例えば、b値が10〜14の範囲にある色
相に着色する場合、染料は一般には水酸化カルシウム固
形乾燥重量に対し0.1〜0.3%の量で用いられる。
水酸化カルシウム−染料含有水性スラリーに対し、10〜
80℃の温度で、炭酸ガス含有ガスが導入される。この操
作は通常の軽質炭酸カルシウム製造条件と、同一条件に
より行うことができる。また、この導入操作は炭酸カル
シウム生成反応が完結する迄行われる。この反応の完結
は、スラリー中の水酸化カルシウム残量の定量、又は、
スラリーのpHの測定により確認することができるが、一
般には、スラリー中の水酸化カルシウム含有量、炭酸ガ
ス含有ガスの炭酸ガス含有量および導入流量などから反
応所要時間を算出して反応をコントロールすることが可
能である。
80℃の温度で、炭酸ガス含有ガスが導入される。この操
作は通常の軽質炭酸カルシウム製造条件と、同一条件に
より行うことができる。また、この導入操作は炭酸カル
シウム生成反応が完結する迄行われる。この反応の完結
は、スラリー中の水酸化カルシウム残量の定量、又は、
スラリーのpHの測定により確認することができるが、一
般には、スラリー中の水酸化カルシウム含有量、炭酸ガ
ス含有ガスの炭酸ガス含有量および導入流量などから反
応所要時間を算出して反応をコントロールすることが可
能である。
上記反応により生成した着色微細沈澱を分離して、着色
軽質炭酸カルシウムの粉末を得ることができる。
軽質炭酸カルシウムの粉末を得ることができる。
このようにして得られた本発明の着色軽質炭酸カルシウ
ムは、極めて高い水堅牢度を有し、水中にパルプととも
に分散して水性パルプスラリーを調製し、抄紙する際、
染料が、軽質炭酸カルシウム粉末より水中に溶け出し、
パルプに移行染着することがなく、或は、極めて少な
い。
ムは、極めて高い水堅牢度を有し、水中にパルプととも
に分散して水性パルプスラリーを調製し、抄紙する際、
染料が、軽質炭酸カルシウム粉末より水中に溶け出し、
パルプに移行染着することがなく、或は、極めて少な
い。
本発明の着色軽質炭酸カルシウム中の染料が、上記のよ
うなすぐれた堅牢度を示す理由は、十分には明らかでな
いが、水溶性染料が、水酸化カルシウムにより水不溶
性、又は水難溶性染料塩に変化しているものと推測さ
れ、また、このような水不、又は難溶性染料塩と、炭酸
カルシウムとが、複雑な塩複合物を形成しているものと
思われる。
うなすぐれた堅牢度を示す理由は、十分には明らかでな
いが、水溶性染料が、水酸化カルシウムにより水不溶
性、又は水難溶性染料塩に変化しているものと推測さ
れ、また、このような水不、又は難溶性染料塩と、炭酸
カルシウムとが、複雑な塩複合物を形成しているものと
思われる。
本発明の着色軽質炭酸カルシウムは、上述のようにすぐ
れた水堅牢度を有するため、従来、中性抄紙法により製
造された軽質炭酸カルシウム含有着色紙における表裏面
間の色差の発生という問題を解消することができる。
れた水堅牢度を有するため、従来、中性抄紙法により製
造された軽質炭酸カルシウム含有着色紙における表裏面
間の色差の発生という問題を解消することができる。
すなわち、本発明の着色紙は着色パルプと、所要量の着
色炭酸カルシウム粉末を含むスラリー、又はパルプと、
パルプ用染料と、所定量の着色炭酸カルシウム粉末とを
含む水性スラリーから、通常の抄紙法により製造するこ
とができる。
色炭酸カルシウム粉末を含むスラリー、又はパルプと、
パルプ用染料と、所定量の着色炭酸カルシウム粉末とを
含む水性スラリーから、通常の抄紙法により製造するこ
とができる。
次に実施例によって本発明をさらに詳しく説明するが、
本発明はこれらの実施例によって制限されるものでは無
い。
本発明はこれらの実施例によって制限されるものでは無
い。
実施例1 正石灰と水とを混合し、これを4時間攪拌して生石灰を
消和した後、これに更に水を加えて水酸化カルシウムの
水性スラリーを調製した。この水酸化カルシウム水性ス
ラリーの10を容量22の反応槽に装填した。反応
槽には、生成する炭酸カルシウムに対して1500ppm(重
量)の黄色直接染料(日本化薬(株)、Kayafec
t Yellow YLiquid)を加え、得られた
スラリーを、反応槽に取付けた攪拌機で攪拌しながら、
炭酸ガスを内径6mmのガス吹込管を用いて反応槽の底部
に供給して炭酸化反応を行なった。黄色に着色した軽質
炭酸カルシウムを得た。
消和した後、これに更に水を加えて水酸化カルシウムの
水性スラリーを調製した。この水酸化カルシウム水性ス
ラリーの10を容量22の反応槽に装填した。反応
槽には、生成する炭酸カルシウムに対して1500ppm(重
量)の黄色直接染料(日本化薬(株)、Kayafec
t Yellow YLiquid)を加え、得られた
スラリーを、反応槽に取付けた攪拌機で攪拌しながら、
炭酸ガスを内径6mmのガス吹込管を用いて反応槽の底部
に供給して炭酸化反応を行なった。黄色に着色した軽質
炭酸カルシウムを得た。
このようにして得られた黄色軽質炭酸カルシウムを、化
学分析用紙で過水洗した後、105℃の定温乾燥器で
乾燥し、微粉砕した。この粉末の色相を色差計(日本電
色工業製)により測定したところ、そのb値が12.0(第
1図)であった。
学分析用紙で過水洗した後、105℃の定温乾燥器で
乾燥し、微粉砕した。この粉末の色相を色差計(日本電
色工業製)により測定したところ、そのb値が12.0(第
1図)であった。
広葉樹晒クラフトパルプ(以下LBKPと記す)を100メッ
シュの篩上で水洗して微細繊維を除去し、100メッシュ
篩不透過のパルプフラクションを調製した。上記パルプ
の一部分を水中に分散して1重量%のパルプスラリー5
を作成した。このパルプスラリーから100g/m2相当の
手抄シートを作成し、105℃の回転乾燥機で乾燥し、得
られた手抄紙のb値を測定し、第2図(着色填料との接
触回数=0)に示した。次にこのスラリーに、そのパル
プ重量に対し、100%の前記着色軽質炭酸カルシウムを
添加し、得られた混合物を室温において30分間攪拌し
た。この混合物を325メッシュの篩で過し、篩上の不
透過フラクションを更に強く水洗過してパルプから着
色軽質炭酸カルシウム粉末を分離捕集した。
シュの篩上で水洗して微細繊維を除去し、100メッシュ
篩不透過のパルプフラクションを調製した。上記パルプ
の一部分を水中に分散して1重量%のパルプスラリー5
を作成した。このパルプスラリーから100g/m2相当の
手抄シートを作成し、105℃の回転乾燥機で乾燥し、得
られた手抄紙のb値を測定し、第2図(着色填料との接
触回数=0)に示した。次にこのスラリーに、そのパル
プ重量に対し、100%の前記着色軽質炭酸カルシウムを
添加し、得られた混合物を室温において30分間攪拌し
た。この混合物を325メッシュの篩で過し、篩上の不
透過フラクションを更に強く水洗過してパルプから着
色軽質炭酸カルシウム粉末を分離捕集した。
この分離した着色軽質炭酸カルシウムのb値を測定し、
その値(パルプとの接触回数1回)を第1図に示した。
その値(パルプとの接触回数1回)を第1図に示した。
また、上記分離したパルプから上記と同様にして手抄紙
を作成し、そのb値(着色填料との接触回数=1)を測
定した。その値を第2図に示す。
を作成し、そのb値(着色填料との接触回数=1)を測
定した。その値を第2図に示す。
上記と同様の操作を更に2回(合計3回)繰り返えし
た。但し、着色填料含有パルプスラリーの調製品は3
であった。得られた分離着色軽質炭酸カルシウム粉末
(パルプとの接触回数=2,3)と、分離されたパルプ
より作成された手抄紙(着色填料との接触回数=2,
3)のb値を第1図および第2図に示す。
た。但し、着色填料含有パルプスラリーの調製品は3
であった。得られた分離着色軽質炭酸カルシウム粉末
(パルプとの接触回数=2,3)と、分離されたパルプ
より作成された手抄紙(着色填料との接触回数=2,
3)のb値を第1図および第2図に示す。
第1図および第2図から明らかなように、本発明の着色
軽質炭酸カルシウムと、パルプとの接触を水中で繰り返
えしても、染料の脱着およびパルプへの移行は、殆んど
なく、従って、本発明の着色軽質炭酸カルシウムは良好
な水堅牢度を有するものであった。
軽質炭酸カルシウムと、パルプとの接触を水中で繰り返
えしても、染料の脱着およびパルプへの移行は、殆んど
なく、従って、本発明の着色軽質炭酸カルシウムは良好
な水堅牢度を有するものであった。
比較例1 実施例1と同様の操作を行った。但し、水酸化カルシウ
ムに染料を添加することなく無色軽質炭酸カルシウムを
製造し、この無色軽質炭酸カルシウムの300g/の水性
スラリーに、軽質炭酸カルシウム乾燥重量に対し1500pp
mの染料(実施例1記載のものに同じ)を添加し、この
混合物を室温で30分攪拌し、着色軽質炭酸カルシウム
を得た。そのb値は12であった。この着色軽質炭酸カ
ルシウムを用いて実施例1と同様のパルプとの接触、分
離操作を行った。結果を第1図および第2図に示す。
ムに染料を添加することなく無色軽質炭酸カルシウムを
製造し、この無色軽質炭酸カルシウムの300g/の水性
スラリーに、軽質炭酸カルシウム乾燥重量に対し1500pp
mの染料(実施例1記載のものに同じ)を添加し、この
混合物を室温で30分攪拌し、着色軽質炭酸カルシウム
を得た。そのb値は12であった。この着色軽質炭酸カ
ルシウムを用いて実施例1と同様のパルプとの接触、分
離操作を行った。結果を第1図および第2図に示す。
第1および第2図は、比較着色軽質炭酸カルシウムの水
堅牢度が不良であって、パルプとの接触により染料が容
易に脱着してパルプに移行し、軽質炭酸カルシウム粉末
は次第に無色に近づいて行くことを示している。
堅牢度が不良であって、パルプとの接触により染料が容
易に脱着してパルプに移行し、軽質炭酸カルシウム粉末
は次第に無色に近づいて行くことを示している。
実施例2 実施例1記載の着色軽質炭酸カルシウム調製操作と同様
の操作を行った。
の操作を行った。
パルプスラリーに、実施例1記載の染料と同一の染料
を、パルプ重量に対し、550ppmの量だけ添加し、b値1
2.0の着色製造用パルプスラリーを調製した。この着色
パルプスラリーに、前記着色軽質炭酸カルシウムを、パ
ルプ100重量部当り25重量部の割合で混合し、得られ
たパルプ−着色填料含有スラリーから、シングルワイヤ
ー抄紙機を用いて抄紙し、得られた紙の表裏面間の色差
(ΔE)を色差計(日本電色工業株式会社製)を用いて
測定した。その結果は第1表記載の通りであった。ま
た、得られた着色紙における着色軽質炭酸カルシウムの
歩留りは80%であった。
を、パルプ重量に対し、550ppmの量だけ添加し、b値1
2.0の着色製造用パルプスラリーを調製した。この着色
パルプスラリーに、前記着色軽質炭酸カルシウムを、パ
ルプ100重量部当り25重量部の割合で混合し、得られ
たパルプ−着色填料含有スラリーから、シングルワイヤ
ー抄紙機を用いて抄紙し、得られた紙の表裏面間の色差
(ΔE)を色差計(日本電色工業株式会社製)を用いて
測定した。その結果は第1表記載の通りであった。ま
た、得られた着色紙における着色軽質炭酸カルシウムの
歩留りは80%であった。
比較例2 比較例1記載の方法と同一の方法により比較着色軽質炭
酸カルシウムを製造した。
酸カルシウムを製造した。
得られた比較着色填料を用い、実施例2と同様の方法で
比較紙を製造し、その表裏面間の色差を測定した。その
結果を第1表に示す。
比較紙を製造し、その表裏面間の色差を測定した。その
結果を第1表に示す。
比較例3 比較例2と同一の操作を行った。但し、比較無色炭酸カ
ルシウム粉末を染色することなく、着色パルプスラリー
に添加した。また、着色パルプの調製において、実施例
1に記載の染料を900ppmの濃度で用い、着色パルプのb
値を14.5とした。
ルシウム粉末を染色することなく、着色パルプスラリー
に添加した。また、着色パルプの調製において、実施例
1に記載の染料を900ppmの濃度で用い、着色パルプのb
値を14.5とした。
得られた着色紙の表裏両面間の色差(ΔE)は第1表記
載の通りであった。
載の通りであった。
第 1 表 実施例No. ΔE 実施例2 0.2 比較例2 1.2 〃 3 1.3 第1表は、本発明の着色軽質炭酸カルシウムを用いて得
られた着色紙の表裏両面間の色差(ΔE)は、従来方法
による着色紙の色差よりも極めて小さなものであること
を明示している。
られた着色紙の表裏両面間の色差(ΔE)は、従来方法
による着色紙の色差よりも極めて小さなものであること
を明示している。
実施例3 実施例3において、実施例2と同一の操作を行った。但
し、炭酸カルシウム着色用染料の使用量は2000ppmであ
り、パルプ着色用染料の使用量は800ppmであった。得ら
れた着色パルプのb値は14.0であった。また、得られた
着色紙の表裏両面間の色差(ΔE)は0.2であった。
し、炭酸カルシウム着色用染料の使用量は2000ppmであ
り、パルプ着色用染料の使用量は800ppmであった。得ら
れた着色パルプのb値は14.0であった。また、得られた
着色紙の表裏両面間の色差(ΔE)は0.2であった。
本発明の着色軽質炭酸カルシウムは、極めてすぐれた水
堅牢度を有し、水中におけるパルプとの接触により染料
が脱着したり、パルプへ移行したりすることがなく、或
いは極めて少ない。このため、紙中の着色填料の含有量
分布が不均一になっても、得られた着色紙の表裏両面の
間の色差は、極めて小さいものになり、その実用的効果
は極めて顕著なものである。
堅牢度を有し、水中におけるパルプとの接触により染料
が脱着したり、パルプへ移行したりすることがなく、或
いは極めて少ない。このため、紙中の着色填料の含有量
分布が不均一になっても、得られた着色紙の表裏両面の
間の色差は、極めて小さいものになり、その実用的効果
は極めて顕著なものである。
第1図は、本発明および従来の着色軽質炭酸カルシウム
の水中におけるパルプとの接触回数と、着色軽質炭酸カ
ルシウムのb値との関係を示すグラフであり、 第2図は、上記接触回数と、パルプのb値との関係を示
すグラフである。
の水中におけるパルプとの接触回数と、着色軽質炭酸カ
ルシウムのb値との関係を示すグラフであり、 第2図は、上記接触回数と、パルプのb値との関係を示
すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−26958(JP,A) 特開 昭64−97299(JP,A) 特開 昭49−106996(JP,A)
Claims (2)
- 【請求項1】水酸化カルシウムと水溶性染料とを含有す
る水性スラリーに、炭酸ガス含有ガスを導入することに
より生成した着色軽質炭酸カルシウム。 - 【請求項2】請求項1記載の着色軽質炭酸カルシウムを
着色填料として含有する着色紙。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63160734A JPH062581B2 (ja) | 1988-06-30 | 1988-06-30 | 着色軽質炭酸カルシウムおよび着色紙 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63160734A JPH062581B2 (ja) | 1988-06-30 | 1988-06-30 | 着色軽質炭酸カルシウムおよび着色紙 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0214813A JPH0214813A (ja) | 1990-01-18 |
JPH062581B2 true JPH062581B2 (ja) | 1994-01-12 |
Family
ID=15721302
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63160734A Expired - Fee Related JPH062581B2 (ja) | 1988-06-30 | 1988-06-30 | 着色軽質炭酸カルシウムおよび着色紙 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH062581B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0829936B2 (ja) * | 1989-09-04 | 1996-03-27 | 新王子製紙株式会社 | 着色炭酸カルシウムの製造方法 |
US5867314A (en) * | 1993-12-09 | 1999-02-02 | Fuji Electrochemical Co., Ltd. | Structure of optical passive device and assembling method therefor |
JP2000008296A (ja) * | 1998-06-19 | 2000-01-11 | Oji Paper Co Ltd | 着色紙 |
-
1988
- 1988-06-30 JP JP63160734A patent/JPH062581B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0214813A (ja) | 1990-01-18 |
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