JPH06256964A - 無電解Ni−Sn系合金めっき液 - Google Patents

無電解Ni−Sn系合金めっき液

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JPH06256964A
JPH06256964A JP6935293A JP6935293A JPH06256964A JP H06256964 A JPH06256964 A JP H06256964A JP 6935293 A JP6935293 A JP 6935293A JP 6935293 A JP6935293 A JP 6935293A JP H06256964 A JPH06256964 A JP H06256964A
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JP
Japan
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ion
plating
electroless
alloy
plating solution
Prior art date
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Pending
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JP6935293A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Aisaka
哲彌 逢坂
Hidenori Shimauchi
秀則 島内
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Waseda University
Eneos Corp
Original Assignee
Waseda University
Japan Energy Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 Sn含有量の高いNi−Sn−P合金めっき皮膜を
安定して形成することができる無電解めっき手段を確立
する。 【構成】 無電解Ni−Sn系合金めっき液を、2価のNiイ
オン:0.07〜0.12mol/L,2価のNiイオンに対するクエン
酸イオンのモル比:1以上3未満,4価のSnイオン:
0.015〜0.08mol/L,グルコン酸イオン:4価のSnイオン
の等モル以上,水素化ホウ素化合物: 0.005〜 0.1mol/
Lを含むと共に、pHが7〜11に調整された水溶液か
ら成る構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【従来技術とその課題】この発明は、Sn含有量の高いNi
−Sn系合金めっき皮膜を安定して形成することができる
“無電解Ni−Sn系合金めっき液”に関するものである。
【0002】
【従来技術とその課題】プリント回路基板用として用い
られる銅箔では、これまでは表面性状の経時的劣化を防
止する目的で表面にCr薄膜を形成する“防錆処理”が施
されてきたが、最近になって、耐薬品性,耐熱性,ハン
ダ付け性等の点でも有利であるということからNi−Sn合
金めっきの薄膜を付与することが提案されている(例え
ば特開平4−206889号公報)。
【0003】このように、Ni−Sn合金めっきが耐食性に
優れることは良く知られていることであり、その耐食性
はめっき皮膜中のSn含有量が高くなるにつれて向上する
とされている。また、次亜リン酸還元による無電解めっ
きにて形成した“Ni−Sn合金めっき”では、めっき皮膜
中に還元剤として使用する次亜リン酸からのPが含有さ
れることになるが、このように還元剤成分が混入しため
っき皮膜であってもその特性に殆ど悪影響を及ぼさない
ばかりか、むしろ特性向上に結びつく場合が多いとさえ
言われている。勿論、このような無電解Ni−Sn系合金め
っきにおいても、Sn含有量が高くなるほど耐食性が向上
するものと考えられている。
【0004】一方、特開平1−169811号公報によ
ると、Snを含有する透明導電膜にリ−ド線や電子部品等
をハンダ付けする際、この透明導電膜上にNi−Sn系合金
(Ni−Sn−P合金)の無電解めっきを施しておくとハン
ダ付性が向上し、強固な接続が可能になるとされてお
り、このNi−Sn系合金無電解めっき皮膜の形成手段とし
て「表面の粗面化を行った基材をスズ酸ナトリウム,ク
エン酸ナトリウム,硫酸ニッケル,塩化アンモニウム並
びに次亜リン酸ナトリウムを含むpH9の水溶液(90
℃)中で処理する方法」が紹介されている。
【0005】更に、特開平2−208816号公報に
は、アルミニウム合金基板上に順次非磁性めっき処理
層,クロム等の下地層,コバルト系合金の磁性薄膜層,
炭素質の保護膜層を被覆して成る磁気記録媒体におい
て、その非磁性めっき処理層をNi−Sn系合金(Ni−Sn−
P合金)無電解めっき皮膜とした場合にはノイズが抑制
されS/N値が向上することが開示されており、そのNi
−Sn−P系合金無電解めっき皮膜の形成手段として「基
材をニッケル:6g/L(リットル) ,リン酸:13g/L ,ス
ズ:200mg/Lの無電解めっき浴(90℃)中で処理す
る方法」が紹介されている。
【0006】このように、Ni−Sn系合金のめっき皮膜に
は様々な用途が考えられたが、一方で次のような問題が
あった。即ち、電気めっき法によった場合にはSn含有量
が48at%(65重量%)という高Sn含有皮膜が得られ
るとの報告があるものの、無電解めっき法ではこれまで
精々Sn含有量が10at%程度までの皮膜しか得られてお
らず(一部28at%以下程度のものが得られたとする報
告もある)、そのため実際の用途は制限されざるを得な
かったのである。
【0007】従って、無電解Ni−Sn系合金めっきによっ
て得られるめっき皮膜中のSn含有量を増やすことができ
れば、耐食性を始めとした皮膜性能の更なる改善を期待
することができ、基材の種類を選ばずに皮膜形成が容易
に行えるという無電解めっきの特長も活かされてその用
途は一段と広範になると考えられた。
【0008】このようなことから、本発明が目的とした
のは、Sn含有量のより高いNi−Sn系合金めっき皮膜を安
定して形成することが可能な無電解めっき手段を確立す
ることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は上
記目的を達成すべく数多くの試験を重ねながら鋭意研究
を行った結果、次のような知見を得ることができた。即
ち、Ni−Sn系無電解めっき液を、クエン酸及びグルコン
酸を含むアルカリ性水溶液に金属イオンとして2価のNi
イオン及び4価のSnイオンを添加し、これに加え還元剤
として水素化ホウ素化合物を含有させて建浴すると共
に、含まれる2価のNiイオン,4価のSnイオン及び水素
化ホウ素化合物の含有割合、クエン酸と2価のNiイオン
とのモル比、並びにグルコン酸と4価のSnイオンとのモ
ル比を特定の範囲に規制し、更に液のpHを特定範囲に
調整した場合には、これまで無電解めっきによっては実
現できなかった高いSn含有量のNi−Sn系合金皮膜を種々
の基材上に安定して形成できるようになることを見出し
たのである。
【0010】本発明は、上記知見事項等を基に完成され
たものであり、「無電解Ni−Sn系合金めっき液を、2価
のNiイオン:0.07〜0.12mol/L,2価のNiイオンに対する
クエン酸イオンのモル比:1以上3未満,4価のSnイオ
ン: 0.015〜0.08mol/L,グルコン酸イオン:4価のSnイ
オンの等モル以上,水素化ホウ素化合物: 0.005〜 0.1
mol/Lを含むと共に、 pHが7〜11に調整された水溶
液から成る構成としたことにより、 高Sn含有量のNi−Sn
系合金めっき皮膜を安定形成できるようにした点」に大
きな特徴を有している。
【0011】以下、本発明においてめっき液成分の濃度
並びにめっき液のpHを前記の如くに限定した理由を、
その作用・効果と共に説明する。
【作用】
〔めっき液成分の濃度〕 a) 2価のNiイオン めっき液中の2価のNiイオン濃度は、 0.07mol/L未満で
あるとめっき反応が遅くなって実用に適さなくなり、一
方 0.12mol/Lを超えると析出物(めっき皮膜)のSn含有
量が低下することから0.07〜0.12mol/L と定めたが、よ
り好ましい範囲は0.08〜0.10mol/L である。なお、2価
のNiイオンは硫酸塩や塩化物の形態で供給すれば良い。
【0012】b) 2価のNiイオンに対するクエン酸イオ
ンのモル比 クエン酸(R)イオンはNiイオンの錯化剤として作用
し、Ni−R,Ni−R2 ,Ni−R3 のキレ−ト(錯体)を
形成してSnの析出を促進する働きをする。しかしなが
ら、2価のNiイオンに対するクエン酸イオンのモル比
“クエン酸イオン/2価のNiイオンのモル比”が1未満
であると2価のNiイオンに対する錯化力が低下するので
めっき液が白濁するほか、析出物中のNi含有量が多くな
り、そのため従来以上のめっき皮膜中Sn含有量を確保す
ることができなくなる。一方、“クエン酸イオン/2価
のNiイオンのモル比”が3以上であるとNiイオンがクエ
ン酸イオンと安定度の高いキレ−トを形成し、次亜リン
酸イオンをもってしても還元されなくなってめっき反応
が起こらなくなる。このため、2価のNiイオンに対しモ
ル比で1倍以上3倍未満のクエン酸イオンを含有させる
ことと定めたが、より好ましいモル比の範囲は 1.5〜
2.5である。なお、めっき液中のクエン酸イオン源とし
ては、クエン酸,クエン酸塩の何れによっても差支えな
いことは言うまでもない。
【0013】c) 4価のSnイオン めっき液中の4価のSnイオン濃度が0.015mol/L未満であ
ると、析出物中のSn含有量が低下して従来以上のめっき
皮膜中Sn含有量を確保できなくなる。一方、Snイオンは
元々還元反応の触媒毒であるが、特にめっき液中の4価
のSnイオン濃度が 0.08mol/Lを超えると次亜リン酸イオ
ンの還元力が失われてめっき反応が起こらなくなる。従
って、4価のSnイオン濃度を 0.015〜0.08mol/L と定め
たが、より好ましい範囲は0.02〜0.07mol/L である。
【0014】なお、4価のSnイオン源としては塩化物等
が一般的であるが、例えば次のような処理を施して溶解
し、使用すれば良い。即ち、まず例えば塩化第二スズを
水に溶解し、NaOH溶液を滴下する。この処理によって
最初は白色の沈澱ができるが、NaOHの滴下を続けると
液は透明になる。そこで、これにグルコン酸ナトリウム
をスズの2倍モル加える。この際の反応式は下記の通り
である。 SnCl4+6NaOH→ Na2SnO3 +4NaCl+3H2 O Na2SnO3 +Na-Gluconate → Sn-Complex これをろ過して使用する。
【0015】d) グルコン酸イオン グルコン酸イオンは4価のSnイオンの錯化剤となり、Sn
イオンが他の成分と結び付いてめっき皮膜として析出し
にくくなるのを防止する作用を有している。しかし、そ
の濃度が4価のSnイオンと等モルに達していないと上記
作用による効果が十分でないことから、グルコン酸イオ
ンの濃度を4価のSnイオンの等モル以上と定めたが、実
際作業ではモル比で2倍以上の濃度を確保するのが好ま
しい。なお、グルコン酸イオンの濃度が高くなってもそ
れによる悪影響は殆どないことからグルコン酸イオン濃
度の上限は特に定めない。また、めっき液中のグルコン
酸イオン源についても、グルコン酸,グルコン酸塩の何
れに求めても差支えないことは言うまでもない。
【0016】e) 水素化ホウ素物化合物 水素化ホウ素物化合物は、Ni,Snを析出させるための還
元剤としての働きをするが、その濃度が0.005mol/L未満
では前記作用による所望の効果が得られず、一方、0.10
mol/Lを超えて含有させることは効果面を考えると経済
的に不利であると判断される。従って、めっき液中の水
素化ホウ素物化合物濃度は 0.005〜 0.1mol/L と定め
た。水素化ホウ素物化合物としては、例えばDMAB
(ジメチルアミンボラン),DEAB(ジエチルアミン
ボラン),NaBH4(水素化ホウ素ナトリウム)等を使用
することができる。
【0017】なお、このように本発明の無電解めっき液
は還元剤として水素化ホウ化物化合物を使用する関係
上、得られるめっき皮膜はNi−Sn−Bの合金組成となる
が、Bが含有されていてもその耐食性に悪影響が及ばな
いばかりか、逆に耐食性,耐熱性,ハンダ付け性等の面
でより好ましい効果が得られる。
【0018】〔めっき液のpH〕本発明めっき液の浴組
成であると、めっき液のpHが7未満では水素化ホウ素
化合物の還元力が失われてしまい、一方、pHが11を
超えると副反応である水素化ホウ素化合物の分解が激し
くなってめっき作業に悪影響が出てくる。このため、め
っき液のpHは7〜11と定めたが、好ましくは8〜1
0に調整するのが良い。
【0019】次いで、本発明を実施例により更に具体的
に説明する。
【実施例】めっき試験板として圧延銅箔(厚さ70μ
m,幅20mm,長さ30mm)を準備し、これに脱脂,酸
洗,ソフトエッチング,Pd触媒付与といった通常の無電
解めっき用活性化処理を施してからめっき試験に供し
た。
【0020】めっき試験において使用しためっき液の組
成,pH及び液温は表1に示した通りであるが、その調
合には1リットルビ−カを用いた。そして、この際、p
H調整はNaOHにより行った。なお、この例において、
めっき液成分のうちの水素化ホウ素化合物としてはDM
AB(ジメチルアミンボラン)を用いた。また、めっき
試験では、上記めっき液を70℃に維持し、これに上述
の活性化処理した試験板を30分間浸漬して表面にめっ
き皮膜を無電解析出させた。
【0021】
【表1】
【0022】このようにして形成されためっき析出物
(皮膜)の“組成”及び“析出速度”の測定結果を、表
1に併せて示す。なお、めっき析出物の組成は、めっき
物を基材の銅と共に酸に溶解した後、ICP(発光分光
分析)で分析する方法にて測定した。また、めっきの析
出速度については、めっき前後の重量差より求めためっ
き膜厚を基に算出した。
【0023】前記表1に示される結果からも明らかなよ
うに、本発明で規定する条件に従った場合には、Sn含有
量が非常に高いNi−Sn系合金(Ni−Sn−B合金)めっき
皮膜を無電解めっきによって実用上支障のない析出速度
でもって安定形成できることを確認できる。
【0024】
【効果の総括】以上に説明した如く、この発明によれ
ば、無電解めっきにより28at%を超えるSn含有量のNi
−Sn系合金めっき皮膜を安定形成することが可能になる
など、産業上非常に有用な効果がもたらされる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2価のNiイオン:0.07〜0.12mol/L,2価
    のNiイオンに対するクエン酸イオンのモル比:1以上3
    未満,4価のSnイオン: 0.015〜0.08mol/L,グルコン酸
    イオン:4価のSnイオンの等モル以上,水素化ホウ素化
    合物: 0.005〜 0.1mol/Lを含むと共に、pHが7〜1
    1に調整された水溶液から成ることを特徴とする、無電
    解Ni−Sn系合金めっき液。
JP6935293A 1993-03-04 1993-03-04 無電解Ni−Sn系合金めっき液 Pending JPH06256964A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009209425A (ja) * 2008-03-05 2009-09-17 C Uyemura & Co Ltd 無電解錫めっき浴及び無電解錫めっき方法
JP2015021178A (ja) * 2013-07-22 2015-02-02 株式会社クオルテック 無電解Ni−P−Snめっき液

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