JPH06256010A - 炭酸ガスクラスレート生成方法及び装置 - Google Patents

炭酸ガスクラスレート生成方法及び装置

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JPH06256010A
JPH06256010A JP5042694A JP4269493A JPH06256010A JP H06256010 A JPH06256010 A JP H06256010A JP 5042694 A JP5042694 A JP 5042694A JP 4269493 A JP4269493 A JP 4269493A JP H06256010 A JPH06256010 A JP H06256010A
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dioxide gas
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gas clathrate
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松成 堺
Akira Saji
明 佐治
Hidetomo Noda
英智 野田
Tadaaki Tanii
忠明 谷井
Hikari Kitamura
光 北村
Toshihiro Kamata
敏弘 鎌田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 深海底の所定場所に沈降させることのできる
粒径をもった炭酸ガスクラスレートを生成させる方法及
び装置を提供する。 【構成】 洋上基地から反応器1が海中に伸びており、
反応器1は、炭酸ガスクラスレート生成・分離用媒体流
入管2、その外側に同媒体流出管21を有する多数の円
管と、この円管の外側に配置された炭酸ガス排出管3に
よって構成される。海中に導かれた反応器の下端には伏
せた椀形をした多数のクラスレート生成面4を有する。
この生成面は、海水圧力9.5以上280atm 以下で温
度8.1℃以下の所に置かれる。排出管3を通して炭酸
ガス貯蔵タンク13から海中に導入された炭酸ガスはク
ラスレート生成面内に貯まり流入管2を通して導入され
た冷却媒体により−3.4℃を越え5℃までの温度にさ
れ、生成面の所に貯った炭酸ガスは大きい粒径の炭酸ガ
スクラスレートに生成し電気ヒータ18加熱することに
よって生成面から分離され落下する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はクラスレートによる炭酸
ガス処理方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】化石燃料燃焼排ガスなど大気中に放出す
る炭酸ガスの濃度が年々増加の傾向を示し、地球の温暖
化現象あるいは温室効果をもたらす主原因としてクロー
ズアップされている。この問題は地球規模の国際的課題
として取り上げられている。大気中の炭酸ガスを低減す
るのは実用上きわめて難しいとされているが、燃焼ガス
など一定の場所から排出されるものに対してはこれを処
理するためのいくつかの方法が提案されている。
【0003】その一つとして化石燃料の燃焼排ガス中に
含まれる炭酸ガスの全量あるいは一部を分離回収して、
この回収ガスを深海に圧送し、深海中で海水と炭酸ガス
との結晶化合物(炭酸ガスクラスレート水和物と称す
る)を析出させる方法が提案されている。炭酸ガスクラ
スレート(包接化合物)は水の三次元構造結晶体の中に
炭酸ガスが包み込まれたもので、次の式に示す反応式に
より生成すると考えられている。
【0004】
【数1】
【0005】この炭酸ガスクラスレートは炭酸ガスの化
合物であり水中から結晶固体として析出するものであ
る。
【0006】従来は、13atm を越えた圧力および0℃
を越え10℃までの温度条件で炭酸ガスクラスレートを
生成させていたが、生成した炭酸ガスクラスレートはシ
ャーベット状で水と分離しにくく、かつ微小粒子である
ため、この炭酸ガスクラスレートを深海底に投入した場
合、深海海水流速により拡散してしまう。従って、深海
底の所定場所にクラスレートの形で固定させるために
は、深海海水流速に流されずに沈降する大きさの粒径に
する必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は深海海水流速
に流されずに深海底の所定場所に沈降させうる所定の粒
径を有する炭酸ガスクラスレートを生成する方法及び装
置を提供することを課題とする。また、本発明は、前記
した粒径の炭酸ガスクラスレートを効率的に生成させる
ための方法及び装置を提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するため、圧力9.5以上280atm 以下、温度8.1
℃以下の海水中に炭酸ガスを導入し−3.4℃を越え5
℃までの温度の生成面と接触させて炭酸ガスクラスレー
トを生成させた後、前記生成面を8.1℃を越え30℃
までの温度に加熱して前記炭酸ガスクラスレートを同生
成面から分離落下させる方法を採用する。
【0009】また、本説明は前記課題を解決するための
炭酸ガスクラスレート生成装置として地表から海中まで
伸び炭酸ガスを導く炭酸ガス排出管、同炭酸ガス排出管
の出口のまわりに配設され同出口から排出された炭酸ガ
スを保持すると共に冷却と加熱が可能な炭酸ガスクラス
レート生成面、及びこの炭酸ガスクラスレート生成面を
冷却するための炭酸ガスクラスレート生成用冷却装置と
同生成面を加熱するための炭酸ガスクラスレート分離用
加熱装置を有する構成を採用する。
【0010】また、本発明は、前記した構成に加え、炭
酸ガスを海中に導く炭酸ガス排出管が、前記した炭酸ガ
スクラスレート生成面を冷却した後の冷却媒体の戻り管
と熱交換関係に構成されている装置をも採用する。更に
また、本発明は、前記した構成に加え、炭酸ガスクラス
レート生成面を下方に開放された椀形とした構成をもつ
装置を採用する。
【0011】
【作用】炭酸ガスクラスレートは水中へ溶解した炭酸ガ
スが水と発熱反応することによって生じるものであり、
またその生成・成長推進力は図8に示す操作圧力Pと操
作温度T1 での炭酸ガスクラスレート生成平衡圧力P1
との差に比例する。従って、炭酸ガスクラスレートを速
やかに生成・成長させるためには、水中に炭酸ガスを速
やかに溶解させることが必要であり、操作圧力Pと操作
温度T1 での炭酸ガスクラスレート生成平衡圧力P1
の差を大きくすることおよび、反応熱を速やかに除去す
ることが必要である。すなわち、炭酸ガスクラスレート
生成速度は、操作圧力と操作温度での炭酸ガスクラスレ
ート生成平衡圧力との差に比例し、この比例定数は装置
形状および操作温度などにより決まる。
【0012】そこで、海水中で所定粒径の炭酸ガスクラ
スレートを生成させるためには、炭酸ガスクラスレート
生成箇所の温度T2 を周囲の操作温度T1 よりも下げる
ことにより、図8に示す当該生成箇所での操作圧力P
と、操作温度T2 での炭酸ガスクラスレート生成平衡圧
力P2 との差を、当該生成箇所の周囲での操作圧力Pと
操作温度T1 での炭酸ガスクラスレート生成平衡圧力P
1 との差よりも大きくなる炭酸ガスクラスレートを生成
・成長させる箇所を設けることである。
【0013】図9に炭酸ガスクラスレート生成部温度と
周囲温度との差と、炭酸ガスクラスレート成長速度との
関係を示す。同図に示すように、炭酸ガスクラスレート
成長速度は、炭酸ガスクラスレートを生成部温度と周囲
温度との差のべき乗に比例し、この比例定数は装置形状
および操作温度などにより決まる。従って、本発明では
海水中で炭酸ガスクラスレートを生成させるために、炭
酸ガスを圧力9.5atm 以上280atm 以下、温度8.
1℃以下の海水中に導入するとともに当該箇所で炭酸ガ
スクラスレートを大きく生成・成長させるために、当該
箇所に生成面を設けその生成面の温度を−3.4℃を越
えて5℃までとしている。
【0014】ここで炭酸ガスが注入される海水中の圧力
を9.5atm 以上、280atm 以下、温度8.1℃以下
とした理由は9.5atm 以上、温度8.1℃以下で炭酸
ガスクラスレートが生成するためであり、圧力9.5at
m 以上、280atm 以下とした理由は、この範囲では海
水の比重よりも炭酸ガスの比重が小さいため海水中に導
入した炭酸ガスが浮上するので、その浮上力を利用して
反応器の所定箇所に炭酸ガスを貯めて固定し、この部分
で炭酸ガスクラスレートを生成させるためであり、28
0atm 以上になると炭酸ガスの比重が海水の比重よりも
大きくなるために、海水中に炭酸ガスを排出した時点で
炭酸ガスクラスレートを作らずそのまゝ沈降あるいは海
流により拡散してしまうからである。
【0015】ここで、温度8.1℃は、海水濃度をNaCl
換算で3.5%と仮定した場合に炭酸ガスクラスレート
が海水中で存在する最高の温度で、Barduhn,A et al.,
Office of Water, No.830 p.40(1972)から算出した。ま
た、圧力9.5atm は8.1℃において炭酸ガスクラス
レートが海水中で存在することができる最低の圧力でBa
rduhn,A et al., Office of Water, No.830 p.40(1972)
から算出した。また、圧力280atm は綾、山根、公害
と対策、Vol,27.1391(1991) による。
【0016】本発明において、海水中に生成面を設け、
当該生成面の温度を−3.4℃を越えて5℃までに冷却
するのは、周囲温度との差を大きくして炭酸ガスクラス
レートを大きく生成・成長させるためであり、また、−
3.4℃以下では炭酸ガスクラスレートと一緒に不必要
な氷が生成するため経済的に不利となるからであり、5
℃を越えると周囲温度との差が大きくとれないからであ
る。この−3.4℃は海水濃度をNaCl換算で3.5%と
仮定した場合に炭酸ガスクラスレートが氷共存なしで存
在できる最低の温度であり、Barduhn,A et al., Office
of Water, No.830 p.40(1972)から算出した。
【0017】本発明では以上のように、海水中で生成面
に炭酸ガスクラスレートを生成、成長させた後、続い
て、当該生成面に成長した炭酸ガスクラスレートを分離
するために、当該生成面を炭酸ガスクラスレート分解条
件である8.1℃を越え30℃までに加熱する。ここで
先端部を8.1℃を越え30℃までに加熱する理由は
8.1℃を越える温度にして生成面に付着した炭酸ガス
クラスレートを分解し、生成面から炭酸ガスクラスレー
トを分離させることを目的とするからであり、30℃ま
でとする理由は30℃を越えると経済的に不利になるか
らである。以上の結果、本発明による方法によれば、深
海海水流速に流されずに深海底の指定の場所に沈降する
粒径を有する炭酸ガスクラスレートを生成することが可
能となる。
【0018】また、本発明による炭酸ガスクラスレート
生成装置は地表から海中まで伸び炭酸ガスを導く炭酸ガ
ス排出管の出口のまわりに配設され同出口から排出され
た炭酸ガスを保持すると共に冷却と加熱が可能な炭酸ガ
スクラスレート生成面、及び同炭酸ガスクラスレート生
成面を冷却するための炭酸ガスクラスレート生成用冷却
装置と炭酸ガスクラスレート分離用加熱装置を有してい
るので、本装置を所定条件を具えた海水中に設置し、炭
酸ガスクラスレート生成面に炭酸ガスを導入してこの生
成面を冷却装置で所定温度に冷却することによって炭酸
ガスクラスレートを生成させたのち、加熱装置によって
生成面を加熱して生成クラスレートを分離させ、本発明
の方法に従って大きい粒径の炭酸ガスクラスレートを海
水中に沈降させることができる。
【0019】また、炭酸ガス排出管が炭酸ガスクラスレ
ート生成面を冷却した後の冷却媒体の戻り管と熱交換関
係に構成された装置を採用すれば炭酸ガスを効率的に冷
却させることによって経済的装置とすることができる。
【0020】更に、本発明に従って、炭酸ガスクラスレ
ート生成面が下方に開放された椀形としたものを採用す
れば、海水中に導入された炭酸ガスをクラスレート生成
まで保持し、生成後のクラスレートは該生成面を加熱す
るだけでその表面から分離され海中を落下させることが
できる。
【0021】
【実施例】以下、本発明による方法の実施の態様及び本
発明による装置を図示した実施例に基づいて具体的に説
明する。図1には本発明に係わる炭酸ガスクラスレート
生成方法を実施するための生成装置の1実施例の全体構
成を示す。図1に示す装置は海上に浮べられた洋上基地
に設置されている。図1に示すように反応器1には上端
から炭酸ガスクラスレート生成・分離用媒体流入管2が
その内部に、また、その外部に炭酸ガスクラスレート生
成・分離用媒体流出管21及びその外側に炭酸ガス排出
管3が設置されており、海水中に挿入されたその下端に
は炭酸ガスクラスレート生成面4および炭酸ガス排出口
5が形成されている。
【0022】この炭酸ガスクラスレート生成・分離用媒
体流入管2には、まず冷媒を流入して炭酸ガスクラスレ
ート生成面4の温度(炭酸ガスクラスレート生成面温度
12)を周囲海水よりも所定温度低くするように制御す
るための炭酸ガスクラスレート生成用冷却器6と、この
生成面に生成された炭酸ガスクラスレートの分離時に炭
酸ガスクラスレート生成面4を加熱するための炭酸ガス
クラスレート分離用加熱器7とが連結されている。さら
に炭酸ガスクラスレート生成冷媒としては深海海水を取
水し使用することもでき、その場合、取水弁開度8およ
び炭酸ガスクラスレート生成用冷却器6温度はその深海
海水温度9および炭酸ガス排出口周囲の海水温度17に
応じて制御されるようになっている。
【0023】また、生成面4に生成された炭酸ガスクラ
スレートを生成面4から分離するための加熱媒体として
は浅海海水を取水し使用することもでき、この場合、浅
海海水取水弁開度10および炭酸ガスクラスレート分離
用加熱器7出力はその浅海海水取水弁開度10および炭
酸ガスクラスレート面温度12に応じて制御されるよう
になっている。一方、炭酸ガスは炭酸ガス貯留タンク1
3から炭酸ガスポンプ14で加圧されるようになってお
り、炭酸ガスポンプ14の出力は炭酸ガス排出口付近海
水圧力15に基づいて制御されるようになっている。炭
酸ガス排出口5の炭酸ガス温度(炭酸ガス排出口付近炭
酸ガス温度16)に基づき深海海水取水弁開度8および
炭酸ガスクラスレート生成用冷却器6出力が制御され
る。
【0024】以下、本発明を実施例に基づき説明する。
炭酸ガス排出口付近海水圧力15が圧力9.5以上28
0atm 以下の範囲内にある150atm で、また炭酸ガス
排出口付近海水温度17が8.1℃以下である5℃の海
中に反応器1を設置する。
【0025】海水中に炭酸ガスクラスレートを生成させ
るために、炭酸ガス排出口付近海水圧力15、炭酸ガス
排出口付近海水温度17に基づいて炭酸ガスポンプ14
加圧出力を制御することにより、炭酸ガス貯留タンク1
3から圧力150atm の炭酸ガスを炭酸ガス排出口5に
排出させる。その際、海水中に炭酸ガスクラスレートを
生成させるために、炭酸ガスクラスレート生成面温度1
2に基づいて炭酸ガスクラスレート生成用冷却器6を制
御し炭酸ガスクラスレート生成・分離用媒体流入管2に
冷却水を流入することで炭酸ガスクラスレート生成面温
度12をその周囲の海水温度17の温度である5℃以下
の2℃に冷却する。
【0026】ここでは、炭酸ガスクラスレート生成用冷
却器6を用いたが、深海海水を取水し使用することも可
能であり、その場合、深海海水取水弁開度8および炭酸
ガスクラスレート生成用冷却器6出力はその深海海水温
度9により制御され、排出バルブ20の開により使用済
深海海水は排出できるようになっている。
【0027】炭酸ガス排出口付近の炭酸ガス温度16に
より深海海水取水弁開度8および炭酸ガスクラスレート
生成用冷却器6出力が制御される。すなわち、炭酸ガス
排出口5の炭酸ガス温度(炭酸ガス排出口付近炭酸ガス
温度16)は、当該炭酸ガスクラスレート生成面冷却に
用いた低温媒体あるいは深海海水を炭酸ガスクラスレー
ト生成・分離用媒体流出管21に流入させ炭酸ガスクラ
スレート生成・分離用媒体流出管壁により炭酸ガスクラ
スレート生成用炭酸ガスと熱交換することによって下げ
られる。このように炭酸ガスを予備冷却することにより
エネルギの有効利用をはかる。
【0028】さらに、炭酸ガス排出口5から排出させら
れた炭酸ガスは図4に示すように当該炭酸ガスクラスレ
ート生成面4に充填され、前記したように、炭酸ガスク
ラスレート生成用冷却器6からの冷却水等で冷却された
炭酸ガスクラスレート生成面によって冷却された炭酸ガ
スが周囲の海水と反応し炭酸ガスクラスレートを生成・
成長する。以上において、図2に示すように炭酸ガスク
ラスレート生成・分離用媒体流入管2と炭酸ガス排出管
3とを配置することにより炭酸ガス排出口5からでた炭
酸ガスは有効に当該炭酸ガスクラスレート生成面4に充
填される。
【0029】次に、当該炭酸ガスクラスレート生成面4
に成長した炭酸ガスクラスレートを分離するために、炭
酸ガスクラスレート生成面温度12の出力に基づいて、
炭酸ガスクラスレート分離用加熱器6を制御し、炭酸ガ
スクラスレート生成面温度12を15℃に加熱し、当該
炭酸ガスクラスレート生成面4に付着した炭酸ガスクラ
スレートを分解して炭酸ガスクラスレートを当該炭酸ガ
スクラスレート生成面4から分離させる。
【0030】また炭酸ガスクラスレート分離用に浅海海
水を取水し使用することもでき、この場合、浅海海水取
水弁開度10および炭酸ガスクラスレート分離用加熱器
7出力はその浅海海水温度11および炭酸ガスクラスレ
ート生成面温度12により制御されるようになってい
る。以上において、加熱する手段として、電気ヒータ1
8を電気ヒータ電源19で加熱することも可能である。
ここで電気ヒータを使用した理由は炭酸ガスクラスレー
ト生成面のみを加熱することが可能だからである。図3
には電気ヒータ18の配置を示す。
【0031】図5には該炭酸ガスクラスレート生成面4
に付着した炭酸ガスクラスレートを該炭酸ガスクラスレ
ート生成面4から分離させる状況を示す。以上述べた操
作により、深海海水流速に流されずに深海底の所定場所
に沈降する粒径を有する炭酸ガスクラスレートを生成す
ることができた。以上で150atm すなわち水深150
0mでの深海流速である秒速約0.4mで深海流速に流
されずに沈降する径である10mm以上の約15mm径の炭
酸ガスクラスレートを生成できた。
【0032】図6(A),(B),(C)に炭酸ガスク
ラスレート生成面4の形状の一例を示す。(A)は円柱
状の炭酸ガスクラスレート生成面4Aを、(B)は三角
錐状の炭酸ガスクラスレート生成面4Bを、(C)は半
円球状の炭酸ガスクラスレート生成面4Cを示す。図7
に陸上からの炭酸ガスクラスレート生成装置の全体構成
を示す。陸上に炭酸ガスクラスレート生成用冷却器6、
炭酸ガスクラスレート分離用加熱器7、炭酸ガス貯留タ
ンク13、炭酸ガスポンプ14、電気ヒータ電源19を
設置しており、その操作方法は図1に示す洋上基地の場
合と同様である。
【0033】以上、本発明を図示した実施例に基づいて
具体的に説明したが、本発明がこれら実施例に限定され
るものでないことはいうまでもない。例えば、実施例で
は、液体炭酸ガスを用いて海中に炭酸ガスクラスレート
を生成させる場合について説明したが、液化炭酸ガスの
代わりに気体炭酸ガスを用いてよい。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による炭酸
ガスクラスレート生成方法によれば、圧力9.5以上2
80atm 以下、温度8.1℃以下の海水中に炭酸ガスを
導入し−3.4℃を越え5℃までの温度の生成面と接触
させて炭酸ガスクラスレートを生成させるものであるか
ら、粒径の大きいクラスレートを生成させることができ
る。生成された炭酸ガスクラスレートは前記生成面を
8.1℃を越え30℃までの温度に加熱して同生成面か
ら容易に分離落下させ、沈降させることができる。
【0035】また、本発明による炭酸ガスクラスレート
生成装置は地表から海中まで伸び炭酸ガスを導く炭酸ガ
ス排出管の出口のまわりに配設され同出口から排出され
た炭酸ガスを保持すると共に冷却と加熱が可能な炭酸ガ
スクラスレート生成面、及び同炭酸ガスクラスレート生
成面を冷却するための炭酸ガスクラスレート生成用冷却
装置と同生成面を加熱するための炭酸ガスクラスレート
分離用加熱装置を有しているので、本装置を前記した所
定条件を具えた海水中に設置し、炭酸ガスクラスレート
生成面に炭酸ガスを導入してこの生成面を冷却装置で所
定温度に冷却することによって大きい粒径の炭酸ガスク
ラスレートを生成させることができる。このように生成
された炭酸ガスクラスレートは、加熱装置によって生成
面を加熱して生成クラスレートを分離させて大きい粒径
の炭酸ガスクラスレートを海水中に沈降させることがで
きる。
【0036】また、本発明に従って、炭酸ガス排出管が
炭酸ガスクラスレート生成面を冷却した後の冷却媒体の
戻り管と熱交換関係に構成した装置とすれば、炭酸ガス
を効率的に冷却させることによって経済的装置とするこ
とができる。
【0037】更に、本発明に従って、炭酸ガスクラスレ
ート生成面が下方に開放された椀形とした装置とすれ
ば、海水中に導入された炭酸ガスをクラスレート生成ま
で保持し、生成後のクラスレートは該生成面を加熱する
だけで分離して海水中を沈降させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例に係わる炭酸ガスクラスレー
ト生成装置の構成を1部断面で示す側面図である。
【図2】図1に示した装置における炭酸ガスクラスレー
ト生成・分離用媒体流入管、流出管及び炭酸ガス排出管
の構成を部分的に示す図面で、(a)は平面図、(b)
は(a)のA−A′線に沿う断面図、(c)は(a)の
B−B′線に沿う断面図である。
【図3】図1に示した装置における炭酸ガスクラスレー
ト生成面部分の拡大断面図である。
【図4】図1に示した装置において炭酸ガス排出口から
排出させられた炭酸ガスが炭酸ガスクラスレート生成面
に充填される状況を示した断面図である。
【図5】図1に示した装置において、炭酸ガスクラスレ
ート生成面に付着した炭酸ガスクラスレートを分離させ
る状況を示す断面図である。
【図6】本発明による炭酸ガスクラスレート生成装置に
おける炭酸ガスクラスレート生成面の形状の具体例3つ
を(a),(b),(c)に示す断面図である。
【図7】反応器を陸上から海中まで延伸して構成した本
発明による炭酸ガスクラスレート生成装置の他の実施例
に係わる炭酸ガスクラスレート生成装置の構成を1部断
面で示す側面図である。
【図8】純水中の炭酸ガスクラスレート生成平衡図にお
ける操作圧と平衡圧との関係図である。
【図9】炭酸ガスクラスレート生成部温度と周囲液温度
との差と炭酸ガスクラスレート成長速度との関係図であ
る。
【図10】代表的な海洋の水深と海水温度の相関図であ
る。
【符号の説明】
1 反応器 2 炭酸ガスクラスレート生成・分離用媒体流入管 3 炭酸ガス排出管 4 炭酸ガスクラスレート生成面 5 炭酸ガス排出口 6 炭酸ガスクラスレート生成用冷却器 7 炭酸ガスクラスレート分離用加熱器 8 深海海水取水弁開度 9 深海海水温度 10 浅海海水取水弁開度 11 浅海海水温度 12 炭酸ガスクラスレート生成面温度 13 炭酸ガス貯留タンク 14 炭酸ガスポンプ 15 炭酸ガス排出口付近海水圧力 16 炭酸ガス排出口付近炭酸ガス温度 17 炭酸ガス排出口付近海水温度 18 電気ヒータ 19 電気ヒータ電源 20 炭酸ガスクラスレート生成・分離用海水排出バ
ルブ 21 炭酸ガスクラスレート生成・分離用媒体流出管
フロントページの続き (72)発明者 佐治 明 名古屋市緑区大高町字北関山20番地の1 中部電力株式会社技術本部電力技術研究所 内 (72)発明者 野田 英智 名古屋市緑区大高町字北関山20番地の1 中部電力株式会社技術本部電力技術研究所 内 (72)発明者 谷井 忠明 兵庫県高砂市荒井町新浜二丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 (72)発明者 北村 光 神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1号 三 菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 鎌田 敏弘 神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1号 三 菱重工業株式会社神戸造船所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧力9.5以上280atm 以下、温度
    8.1℃以下の海水中に炭酸ガスを導入し−3.4℃を
    越え5℃までの温度の生成面と接触させて炭酸ガスクラ
    スレートを生成させた後、前記生成面を8.1℃を越え
    30℃までの温度に加熱して前記炭酸ガスクラスレート
    を同生成面から分離落下させることを特徴とする炭酸ガ
    スクラスレート生成方法。
  2. 【請求項2】地表から海中まで伸び炭酸ガスを導く炭酸
    ガス排出管、同炭酸ガス排出管の出口のまわりに配設さ
    れ同出口から排出された炭酸ガスを保持すると共に冷却
    と加熱が可能な炭酸ガスクラスレート生成面、炭酸ガス
    を貯留するタンク、同タンク内の炭酸ガスを前記炭酸ガ
    ス排出管に圧送するポンプ、及び前記炭酸ガスクラスレ
    ート生成面を冷却するための炭酸ガスクラスレート生成
    用冷却装置と前記生成面を加熱するための炭酸ガスクラ
    スレート分離用加熱装置を有することを特徴とする炭酸
    ガスクラスレート生成装置。
  3. 【請求項3】前記炭酸ガス排出管が前記炭酸ガスクラス
    レート生成面を冷却した後の冷却媒体の戻り管と熱交換
    関係に構成されていることを特徴とする請求項2記載の
    炭酸ガスクラスレート生成装置。
  4. 【請求項4】前記炭酸ガスクラスレート生成面が下方に
    開放された椀形をしていることを特徴とする請求項2又
    は3記載の炭酸ガスクラスレート生成装置。
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