JPH06255634A - 冷凍菓子等の包装構造及び湯煎による加熱方法 - Google Patents

冷凍菓子等の包装構造及び湯煎による加熱方法

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JPH06255634A
JPH06255634A JP3821193A JP3821193A JPH06255634A JP H06255634 A JPH06255634 A JP H06255634A JP 3821193 A JP3821193 A JP 3821193A JP 3821193 A JP3821193 A JP 3821193A JP H06255634 A JPH06255634 A JP H06255634A
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JP
Japan
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cover
hot water
base
octopus
freezed
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JP3821193A
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English (en)
Inventor
Yoshitaka Kawabe
義隆 川邊
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HATSUCHIYANDOU KK
Original Assignee
HATSUCHIYANDOU KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 冷凍した菓子等を真空パックするに際し、菓
子等を押し潰すことなくしかも湯煎によって最適に加熱
処理できるようにすること。 【構成】 冷凍した菓子等を載せるベースに、これらの
菓子等に被さる収納部を形成した弾性変形可能なカバー
を一体に接合し、カバーの内部を真空引き可能な空間形
状とすると共に、ベースを硬質材として菓子等をその定
位置に保持可能とする。また、カバーを真空引きによっ
て冷凍菓子等の表面に倣う形状に変形させた後、湯煎槽
に浸漬して冷凍菓子等の解凍及び加熱を実行し、湯煎に
よる製品の供給を可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種の冷凍菓子(たと
えば冷凍したタコ焼き)を包装して真空パックする包装
構造及びこのパックを湯煎して冷凍菓子を解凍加熱する
方法に関する。なお、本発明でいう「タコ焼き」とは、
蛸のほかに海老,チーズ,アンコ等の具材に限られず、
また形状も釣鐘状に限るものではない食品を総称する。
【0002】
【従来の技術】タコ焼きを店頭販売するとき、焼き板で
焼いたものを保温槽の中に保管しておき、これを買い手
に渡すというものが一般的である。ところが、販売場所
によって多量の販売数になる場合では、このような保温
槽にストックしたものでは数的に対応できない。
【0003】このような背景から、工場で製造したタコ
焼きを冷凍してパックしておき、これを店頭で電子レン
ジ等を使って解凍及び加熱して販売するという方式も採
用されるようになった。
【0004】ところが、電子レンジを使う場合でも、そ
の台数が少なかったり大型の電子レンジを備えることが
できない小型店舗等では、一度に大量の冷凍タコ焼きを
解凍して加熱処理することはできない。したがって、一
度に多量のタコ焼きを販売するには、このような方式で
も対応が難しい。
【0005】一方、多量の食品を解凍処理する装置も既
に多数開発されており、解凍と加熱のための湯煎装置が
広く利用されている。この湯煎装置は、処理能力に応じ
た容量のタンクを加熱して高温の湯を溜めておいたり、
高温の湯を循環供給し、この湯からの伝熱によって食品
の解凍と適切な温度までの加熱を可能としたものである
が、タコ焼きについては湯煎による加熱は適用されてい
ない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、冷凍したタ
コ焼きを湯煎する場合、適切な容器にタコ焼きを密封し
て湯の中に漬けることになる。この場合、たとえば、タ
コ焼きと容器との間に隙間があれば、この隙間が断熱層
となって加熱に時間がかかり過ぎたり、タコ焼きは比重
が1程度であって容器内に空気が残っていると浮力発生
の原因となって不具合を生じてしまう。また、このよう
な隙間を無くすための単なる容器等を真空引きするとき
は高い真空力を必要とし、タコ焼きが潰れて商品価値が
なくなってしまったり、また空気が入っていることによ
る浮力が発生して大量に湯煎槽に入れることができなく
なる。
【0007】このように、湯煎によりタコ焼きを加熱処
理するとき、容器とタコ焼きとの関係が適切でないと、
加熱の過不足やタコ焼きの形状の崩れ等を生じてしま
う。
【0008】本発明において解決すべき課題は、冷凍し
た菓子等を最適に加熱処理できるようにすることにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の冷凍菓子の包装
構造は、冷凍した菓子等を載せるベースと、該ベース上
のタコ焼き等に被さる収納部を形成して前記ベースに一
体に接合される弾性変形可能なカバーとを備え、前記カ
バーの内部を真空引き可能な空間形状とすると共に、前
記ベースを硬質材としてなることを特徴とする。
【0010】また、湯煎による加熱方法は、カバーを真
空引きによって冷凍菓子の表面に倣う形状に変形させた
後、湯煎槽に浸漬して冷凍菓子等の解凍及び加熱を実行
することを特徴とする。
【0011】
【作用】ベースに載せた冷凍菓子等に被さるカバーは、
真空引きによってその収納部が凹む方向に変形し、ベー
スは硬質材であるため変形を起こさず、冷凍菓子を定位
置に保持した真空パックが可能となる。
【0012】また、この真空パックの際に、カバーの変
形が冷凍菓子の表面形状に倣う程度とすることによっ
て、冷凍菓子の内部に空洞等があっても押し潰すことな
く保持でき、湯煎の際にはカバーと菓子との間に隙間が
ないので湯からの熱伝達も促進され、浮上することもな
くなる。そして、湯煎の場合では、湯の温度と等しい温
度まで菓子が加熱されるだけなので、電子レンジ等を用
いるときでは加熱時間を設定して保温庫に保管する必要
があるのに対し、湯煎槽をそのまま保温庫として利用可
能となる。
【0013】
【実施例】図1は本発明の包装容器の概略斜視図、図2
は図1のA−A線矢視による縦断面図である。なお、実
施例では、菓子の例としてタコ焼きを挙げて説明する。
【0014】図において、包装容器は、ベース1とその
上面に一体に接合するカバー2とから構成されたもので
ある。
【0015】ベース1は、硬質のたとえば合成樹脂を素
材とした平板状であり、沸騰した湯の中に漬けても変形
せずその上に載せたタコ焼きの負荷にも耐え得る化学的
及び機械的な強度を持つものであり、その厚さは0.4
〜1mm程度である。
【0016】カバー2は、ベース1より薄肉であって弾
性変形可能なポリプロピレンやポリエチレン等の合成樹
脂を素材とし、冷凍したタコ焼きを収納するための複数
の収納部2aを形成したものであって、その肉厚は最大
で0.2mm程度である。これらの収納部2aは、図2
に示すように上端部を球面状としたほぼ円錐台の縦断面
形状を持ち、真空引きのために形成した膨出部2bにそ
れぞれ連通している。膨出部2bの一端にはバキューム
ポンプに接続する吸引口2cを開け、ベース1と収納部
2aとによって囲まれた空間から空気を吸引可能とす
る。
【0017】冷凍したタコ焼きは、カバー2を図1の状
態から上下反転した姿勢として各収納部2aに落とし込
まれ、このカバー2にベース1を被せて一体にすること
によって包装される。このとき、カバー2とベース1と
は、それぞれの素材が合成樹脂であることから、その周
縁部の熱融着によって接合し、各収納部2aを外部と遮
断する。そして、このベース1とカバー2とが接合され
たときには、ベース1の上面と膨出部2bとの間に隙間
ができ、この隙間を真空引きのための流路として利用す
る。
【0018】図3はタコ焼きの製造から冷凍及び湯煎に
よる加熱までの工程を順に示す概略図である。
【0019】同図の(a)の焼成したタコ焼きPを多数
用意しておい、これらを同図(b)の冷凍機3に収納し
て一定温度で冷凍する。なお、冷凍機3としては、工業
的には連続コンベア式のものが利用できる。
【0020】冷凍したタコ焼きPはカバー2の収納部2
aに納められ、ベース1をこのカバー2に一体に接合
し、同図(c)のようにバキュームポンプ4のホース4
aをカバー2の吸引口2cに接続して真空引きする。こ
れにより、ベース1とカバー2とによって包装されてい
るタコ焼きPは真空パックされ、この状態で冷凍保管庫
(図示せず)に保管する。
【0021】販売のニーズに応じてパック品を出荷し、
店頭に準備した湯煎槽5に同図(d)のように浸漬す
る。湯煎槽5は、図示のように給湯管5aと循環管5b
を備え、別配置の給湯機(図示せず)によって高温(9
5℃程度)の湯を循環供給可能としたものである。ま
た、このような方式に代えて、大きめの鍋を用意してお
き、これをガスコンロにかけて湯を加熱したものであっ
てもよい。
【0022】このような湯煎槽5によるパック品の加熱
によって冷凍されたタコ焼きPは解凍されると共に適温
まで加熱される。このとき、湯の温度が95℃程度であ
れば、浸漬したパック品の中のタコ焼きもこの程度の温
度にまで上昇し、浸漬時間が或る一定時間を越えれば、
タコ焼きはこの温度に維持される。このため、パック品
を湯煎槽5の中に浸漬したままの保温が可能であり、販
売するとき湯煎槽5から取り出せば、適温のタコ焼きP
を消費者に提供できる。
【0023】また、ベース1は硬質であるため、湯煎槽
4から取り出したパック品を同図(e)のように積んだ
状態にして陳列することができる。そして、食するとき
には、カバー2を剥げばタコ焼きPはベース1の上に載
ったままであり、このベース1を皿としても利用でき、
消費者にとっても便利である。
【0024】ここで、焼成したタコ焼きPは、図4の概
略縦断面図に示すように、その内部に空洞P−1ができ
たものとなる。この空洞P−1は、生地を焼成板の内部
で反転したりその自重によって内部で沈下したり膨張す
ることによって生じるものであり、タコ焼きPの上部は
薄皮になることが多い。
【0025】このような空洞P−1があるものに対し、
真空引きしたときのカバー2の変形が過大であると、空
洞P−1を押し潰すようになり、製品の形状が崩れる。
これに対し、図5のように真空引きして収納部2a及び
膨出部2bが凹むように変形したとき、同図(b)のよ
うに収納部2aの内壁がタコ焼きPの元々の形状に倣う
程度とすることが好ましい。
【0026】このような収納部2aのタコ焼きPに対す
る変形の操作は、真空引きするときの内圧の降下量を適
正にするほか、収納部2aの形状をタコ焼きPの焼き型
の凹みと相似形状とすること等によって可能である。ま
た、カバー2の肉厚やその弾性変形の大きさも適正にし
ておけば、空洞部P−1を潰さない変形を起こさせるこ
とにも有効である。そして、タコ焼きP自身は冷凍され
て固化しているので、この分の強度を考えれば、潰れは
実質的に回避される。
【0027】図5の(b)のように、カバー2aの内周
壁が冷凍したタコ焼きPの表面に密着するような変形が
実現されると、タコ焼きPの潰れ変形がなくなり、湯煎
した後の販売時点においての製品価値の低下を招くこと
はない。また、湯煎時にはカバー2とタコ焼きPの表面
とが密着しているので、湯からの熱伝達が促進され又内
部空気による浮力が除去でき、短い時間で解凍及び加熱
が可能となる。このため、一度に多量のパック品を販売
するときでも、処理量を増やすことができ、消費者への
対応に支障をきたすこともない。
【0028】なお、実施例で説明したタコ焼きのほか
に、その他の各種の冷凍可能で変形しやすい食品につい
ても本発明が適用可能であることは無論である。
【0029】
【発明の効果】本発明の包装構造では、冷凍した菓子等
を真空パックして湯煎することができ、しかも真空引き
の際のカバーの変形によって菓子等を潰すようなことも
ないので、湯煎後のタコ焼き等を良好な姿で提供でき
る。
【0030】また、湯煎による加熱方法では、湯煎槽中
の湯にパック品を浸漬しておくだけで、解凍と適正な温
度への加熱ができ、人が付きっ切りで作業する必要がな
く、販売店の負担も軽減される。また、販売数を予測し
た浸漬量とすることによって、一度に大量の消費にも対
応でき、販売効率の向上が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の包装構造の一実施例を示す概略斜視図
である。
【図2】図1のA−A線矢視による縦断面図である。
【図3】製造したタコ焼きの冷凍から湯煎処理及び陳列
までの過程を順に示す概略図である。
【図4】焼き型によって焼成したタコ焼きの内部にでき
る空洞を示すための縦断面図である。
【図5】真空引きした後のカバーの変形を示す図であっ
て、同図の(a)はその概略斜視図、同図の(b)は同
図(a)のB−B線矢視による縦断面図である。
【符号の説明】
1 ベース 3 冷凍機 2 カバー 4 バキュー
ムポンプ 2a 収納部 4a ホース 2b 膨出部 5 湯煎槽 2c 吸引口 P タコ焼き
【手続補正書】
【提出日】平成5年3月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 冷凍菓子等の包装構造及び湯煎による
加熱方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種の冷凍菓子(たと
えば冷凍したタコ焼き)を包装して真空パックする包装
構造及びこのパックを湯煎して冷凍菓子を解凍加熱する
方法に関する。なお、本発明でいう「タコ焼き」とは、
蛸のほかに海老,チーズ,アンコ等の具材に限られず、
また形状も釣鐘状に限ることなく実施でき、以下本文で
は単にタコ焼きと称する
【0002】
【従来の技術】タコ焼きを店頭販売するとき、焼き板で
焼いたものを保温槽の中に保管しておき、これを買い手
に渡すというものが一般的である。ところが、販売場所
によって多量の販売数になる場合では、このような保温
槽にストックしたものでは数的に対応できない。
【0003】このような背景から、工場で製造したタコ
焼きを冷凍してパックしておき、これを店頭で電子レン
ジ等を使って解凍及び加熱して販売するという方式も採
用されるようになった。
【0004】ところが、電子レンジを使う場合でも、そ
の台数が少なかったり大型の電子レンジを備えることが
できない小型店舗等では、一度に大量の冷凍タコ焼きを
解凍して加熱処理することはできない。したがって、一
度に多量のタコ焼きを販売するには、このような方式で
も対応が難しい。
【0005】一方、多量の食品を解凍処理する装置も既
に多数開発されており、解凍と加熱のための湯煎装置が
広く利用されている。この湯煎装置は、処理能力に応じ
た容量のタンクを加熱して高温の湯を溜めておいたり、
高温の湯を循環供給し、この湯からの伝熱によって食品
の解凍と適切な温度までの加熱を可能としたものである
が、タコ焼きについては湯煎による加熱は適用されてい
ない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、冷凍したタ
コ焼きを湯煎する場合、適切な容器にタコ焼きを密封し
て湯の中に漬けることになる。この場合、たとえば、タ
コ焼きと容器との間に隙間があれば、この隙間が断熱層
となって加熱に時間がかかり過ぎたり、タコ焼きは比重
が1程度であって容器内に空気が残っていると浮力発生
の原因となって不具合を生じてしまう。また、このよう
な隙間を無くすための単なる容器等を真空引きするとき
は高い真空力を必要とし、タコ焼きが潰れて商品価値が
なくなってしまったり、また空気が入っていることによ
る浮力が発生して大量に湯煎槽に入れることができなく
なる。
【0007】このように、湯煎によりタコ焼きを加熱処
理するとき、容器とタコ焼きとの関係が適切でないと、
加熱の過不足やタコ焼きの形状の崩れ等を生じてしま
う。
【0008】本発明において解決すべき課題は、冷凍し
た菓子等を湯煎によって最適に加熱処理できるようにす
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の冷凍菓子の包装
構造は、冷凍したタコ焼き等を載せるベースと、該ベー
ス上のタコ焼き等に被さる収納部を形成して前記ベース
に一体に接合される弾性変形可能なカバーとを備え、前
記カバーの内部を真空引き可能な空間形状とすると共
に、前記ベースを硬質材としてなることを特徴とする。
【0010】また、湯煎による加熱方法は、カバーを真
空引きによって冷凍タコ焼き等の表面に倣う形状に変形
させた後、湯煎槽に浸漬して冷凍タコ焼き等の解凍及び
加熱を実行することを特徴とする。
【0011】
【作用】ベースに載せた冷凍菓子等に被さるカバーは、
真空引きによってその収納部が凹む方向に変形し、ベー
スは硬質材であるため変形を起こさず、冷凍菓子を定位
置に保持した真空パックが可能となる。
【0012】また、この真空パックの際に、カバーの変
形が冷凍菓子の表面形状に倣う程度とすることによっ
て、冷凍菓子の内部に空洞等があっても押し潰すことな
く保持でき、湯煎の際にはカバーと菓子との間に隙間が
ないので湯からの熱伝達も促進され、浮上することもな
くなる。そして、湯煎の場合では、湯の温度と等しい温
度まで菓子が加熱されるだけなので、電子レンジ等を用
いるときでは加熱時間を設定して保温庫に保管する必要
があるのに対し、湯煎槽をそのまま保温庫として利用可
能となる。
【0013】
【実施例】図1は本発明の包装容器の概略斜視図、図2
は図1のA−A線矢視による縦断面図である。なお、実
施例では、菓子の例としてタコ焼きを挙げて説明する。
【0014】図において、包装容器は、ベース1とその
上面に一体に接合するカバー2とから構成されたもので
ある。
【0015】ベース1は、硬質のたとえば合成樹脂を素
材とした平板状であり、沸騰した湯の中に漬けても変形
せずその上に載せたタコ焼きの負荷にも耐え得る化学的
及び機械的な強度を持つものであり、その厚さは0.4
〜1mm程度である。
【0016】カバー2は、ベース1より薄肉であって弾
性変形可能なポリプロピレンやポリエチレン等の合成樹
脂を素材とし、冷凍したタコ焼きを収納するための複数
の収納部2aを形成したものであって、その肉厚は最大
で0.2mm程度である。これらの収納部2aは、図2
に示すように上端部を球面状としたほぼ円錐台の縦断面
形状を持ち、真空引きのために形成した膨出部2bにそ
れぞれ連通している。膨出部2bの一端にはバキューム
ポンプに接続する吸引口2cを開け、ベース1と収納部
2aとによって囲まれた空間から空気を吸引可能とす
る。
【0017】冷凍したタコ焼きは、カバー2を図1の状
態から上下反転した姿勢として各収納部2aに落とし込
まれ、このカバー2にベース1を被せて一体にすること
によって包装される。このとき、カバー2とベース1と
は、それぞれの素材が合成樹脂であることから、その周
縁部の熱融着によって接合し、各収納部2aを外部と遮
断する。そして、このベース1とカバー2とが接合され
たときには、ベース1の上面と膨出部2bとの間に隙間
ができ、この隙間を真空引きのための流路として利用す
る。
【0018】図3はタコ焼きの製造から冷凍及び湯煎に
よる加熱までの工程を順に示す概略図である。
【0019】同図の(a)の焼成したタコ焼きPを多数
用意しておい、これらを同図(b)の冷凍機3に収納し
て一定温度で冷凍する。なお、冷凍機3としては、工業
的には連続コンベア式のものが利用できる。
【0020】冷凍したタコ焼きPはカバー2の収納部2
aに納められ、ベース1をこのカバー2に一体に接合
し、同図(c)のようにバキュームポンプ4のホース4
aをカバー2の吸引口2cに接続して真空引きする。こ
れにより、ベース1とカバー2とによって包装されてい
るタコ焼きPは真空パックされ、この状態で冷凍保管庫
(図示せず)に保管する。
【0021】販売のニーズに応じてパック品を出荷し、
店頭に準備した湯煎槽5に同図(d)のように浸漬す
る。湯煎槽5は、図示のように給湯管5aと循環管5b
を備え、別配置の給湯機(図示せず)によって高温(9
5℃程度)の湯を循環供給可能としたものである。ま
た、このような方式に代えて、大きめの鍋を用意してお
き、これをガスコンロにかけて湯を加熱したものであっ
てもよい。
【0022】このような湯煎槽5によるパック品の加熱
によって冷凍されたタコ焼きPは解凍されると共に適温
まで加熱される。このとき、湯の温度が95℃程度であ
れば、浸漬したパック品の中のタコ焼きもこの程度の温
度にまで上昇し、浸漬時間が或る一定時間を越えれば、
タコ焼きはこの温度に維持される。このため、パック品
を湯煎槽5の中に浸漬したままの保温が可能であり、販
売するとき湯煎槽5から取り出せば、適温のタコ焼きP
を消費者に提供できる。
【0023】また、ベース1は硬質であるため、湯煎槽
4から取り出したパック品を同図(e)のように積んだ
状態にして陳列することができる。そして、食するとき
には、カバー2を剥げばタコ焼きPはベース1の上に載
ったままであり、このベース1を皿としても利用でき、
消費者にとっても便利である。
【0024】ここで、焼成したタコ焼きPは、図4の概
略縦断面図に示すように、その内部に空洞P−1ができ
たものとなる。この空洞P−1は、生地を焼成板の内部
で反転したりその自重によって内部で沈下したり膨張す
ることによって生じるものであり、タコ焼きPの上部は
薄皮になることが多い。
【0025】このような空洞P−1があるものに対し、
真空引きしたときのカバー2の変形が過大であると、空
洞P−1を押し潰すようになり、製品の形状が崩れる。
これに対し、図5のように真空引きして収納部2a及び
膨出部2bが凹むように変形したとき、同図(b)のよ
うに収納部2aの内壁がタコ焼きPの元々の形状に倣う
程度とすることが好ましい。
【0026】このような収納部2aのタコ焼きPに対す
る変形の操作は、真空引きするときの内圧の降下量を適
正にするほか、収納部2aの形状をタコ焼きPの焼き型
の凹みと相似形状とすること等によって可能である。ま
た、カバー2の肉厚やその弾性変形の大きさも適正にし
ておけば、空洞部P−1を潰さない変形を起こさせるこ
とにも有効である。そして、タコ焼きP自身は冷凍され
て固化しているので、この分の強度を考えれば、潰れは
実質的に回避される。
【0027】図5の(b)のように、カバー2aの内周
壁が冷凍したタコ焼きPの表面に密着するような変形が
実現されると、タコ焼きPの潰れ変形がなくなり、湯煎
した後の販売時点においての製品価値の低下を招くこと
はない。また、湯煎時にはカバー2とタコ焼きPの表面
とが密着しているので、湯からの熱伝達が促進され又内
部空気による浮力が除去でき、短い時間で解凍及び加熱
が可能となる。このため、一度に多量のパック品を販売
するときでも、処理量を増やすことができ、消費者への
対応に支障をきたすこともない。
【0028】なお、実施例で説明したタコ焼きのほか
に、その他の各種の冷凍可能で変形しやすい食品につい
ても本発明が適用可能であることは無論である。
【0029】
【発明の効果】本発明の包装構造では、冷凍した菓子等
を真空パックして湯煎することができ、しかも真空引き
の際のカバーの変形によって菓子等を潰すようなことも
ないので、湯煎後のタコ焼き等を良好な姿で提供でき
る。
【0030】また、湯煎による加熱方法では、湯煎槽中
の湯にパック品を浸漬しておくだけで、解凍と適正な温
度への加熱ができ、人が付きっ切りで作業する必要がな
く、販売店の負担も軽減される。また、販売数を予測し
た浸漬量とすることによって、一度に大量の消費にも対
応でき、販売効率の向上が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の包装構造の一実施例を示す概略斜視図
である。
【図2】図1のA−A線矢視による縦断面図である。
【図3】製造したタコ焼きの冷凍から湯煎処理及び陳列
までの過程を順に示す概略図である。
【図4】焼き型によって焼成したタコ焼きの内部にでき
る空洞を示すための縦断面図である。
【図5】真空引きした後のカバーの変形を示す図であっ
て、同図の(a)はその概略斜視図、同図の(b)は同
図(a)のB−B線矢視による縦断面図である。
【符号の説明】 1 ベース 3 冷凍機 2 カバー 4 バキュー
ムポンプ 2a 収納部 4a ホース 2b 膨出部 5 湯煎槽 2c 吸引口 P タコ焼き
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷凍した菓子等を載せるベースと、該ベ
    ース上のタコ焼き等に被さる収納部を形成して前記ベー
    スに一体に接合される弾性変形可能なカバーとを備え、
    前記カバーの内部を真空引き可能な空間形状とすると共
    に、前記ベースを硬質材としてなる冷凍菓子等の包装構
    造。
  2. 【請求項2】 冷凍した菓子等を載せるベースと、該ベ
    ース上のタコ焼き等に被さる収納部を形成して前記ベー
    スに一体に接合される弾性変形可能なカバーとを備え、
    前記カバーの内部を真空引き可能な空間形状とすると共
    に、前記ベースを硬質材としたパック品を用いる冷凍菓
    子の加熱方法であって、前記カバーを真空引きによって
    冷凍菓子の表面に倣う形状に変形させた後、湯煎槽に浸
    漬して前記冷凍菓子等の解凍及び加熱を実行する冷凍菓
    子等の湯煎による加熱方法。
JP3821193A 1993-02-26 1993-02-26 冷凍菓子等の包装構造及び湯煎による加熱方法 Pending JPH06255634A (ja)

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