JPH0625517Y2 - 電気工事用の高所作業車 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、伸縮ブームの先端に起伏駆動自在なアーム
を取り付け、このアームの先端にバケットを旋回自在に
取り付けてなる電気工事用の高所作業車に関するもので
ある。

（従来の技術） この種高所作業車は、第１図および第２図に示す如く、
車輌１上へ水平旋回駆動自在に取り付けた旋回台２に起
伏駆動自在に配設した伸縮ブーム３の先端に、伸縮ブー
ム３の起伏動にかかわりなく常に一定の姿勢を維持する
よう取り付けられた姿勢維持部材４、姿勢維持部材４に
水平旋回駆動自在に取り付けられた水平旋回部材５、水
平旋回部材５にその基端部をアーム起伏支点ピン６を介
して起伏自在に取り付けられたアーム起伏シリンダ７に
より前記アーム起伏支点ピン６を中心に起伏駆動される
起伏アーム８、起伏アーム８の先端に前記アーム起伏支
点ピン６と平行な軸心を有する支軸９を介してその基端
部を揺動自在に取り付けられたバケット支持具10、前記
アーム起伏支点ピン６と同心上に位置して前記水平旋回
部材５に対し回転不能に取り付けられた基端側スプロケ
ット11、前記支軸９と同心上に位置して前記バケット支
持具10に対し回転不能に取り付けられた前記基端側スプ
ロケット11と同径の先端側スプロケット12、前記基端側
スプロケット11と先端側スプロケット12間に懸け回した
チェーン13、および前記バケット支持具10に水平旋回自
在に取り付けた絶縁材製の作業者搭乗用のバケット14を
備えている。

この種高所作業車は、旋回台２を旋回、伸縮ブーム３を
起伏並びに旋回駆動させ、伸縮ブーム３の先端を所定の
位置に定位させた上で、起伏アーム８を旋回並びに起伏
駆動し且つバケット14を旋回駆動して作業対象物へ近接
せしめることができるので、バケット14の作業対象物へ
の近接状態を微妙に調節できるという利点を具えてい
る。

ところで、この種の高所作業車にあっては、バケット14
に搭乗した作業者が感電事故を起さぬよう、絶縁対策が
施されている。従来の絶縁対策は、伸縮ブーム３の一部
に電気絶縁材で構成された絶縁区間Ａを介装することの
みにより行なわれている。そして、姿勢維持部材４、水
平旋回部材５、起伏アーム８、バケット支持具10、スプ
ロケット11,12、およびチェーン13は金属材で構成して
いる。

（従来技術の問題点） 上記の如く絶縁対策を施した従来の高所作業車は、絶縁
区間Ａと起伏アーム８先端間の距離が長いため、バケッ
ト14に搭乗した作業者が特定の電位をもった作業対象物
に触れて作業をする際、作業対象物と起伏アーム８先端
間が異る電位をもった電線等に接触することがあり、こ
の接触を知らずに作業者が、バケット14近傍のバケット
支持具10上端部に触れて感電事故を起す危険性があっ
た。

本考案は、そのような危険性を排除した新規な高所作業
車を提供しようとするものである。

（問題点を解決するための手段） 上記問題点を解決するため、本考案の高所作業車は、上
記従来技術におけるバケット支持具10を、支軸９により
起伏アーム８先端に揺動自在に支持され且つ先端側スプ
ロケット12を回転不能に取り付けた金属製の下部ブラケ
ット、この金属製の下部ブラケットにその基端部を固着
連結されて上方に向って延在する絶縁材製の絶縁区間
部、および絶縁区間部の上端部に固着された金属製の鉛
直軸で構成すると共に、このバケット支持具10における
前記金属製の鉛直軸にバケット14を旋回自在に取り付け
て構成したのである。

（作用） 上記構成によれば、作業対象物と起伏アーム８先端間が
異る電位の電線等に接触した状態で、バケット14上の作
業者がバケット14近傍のバケット支持具10上端部に触れ
るようなことがあっても、バケット支持具10の上端部の
鉛直軸と下部ブラケット間に絶縁区間部が介装されてい
るので、感電事故が起ることがないのである。

また、バケット支持具10が他部材と揺動並びに旋回自在
に係合する部分たるバケット支持具10の下部ブラケット
および鉛直軸は、金属製で構成されているので、強度的
にも秀れているものである。

尚、チェーン13は、その強度上絶縁材で構成することは
極めて困難であるところから、これを金属製で構成せざ
るを得ず、このため起伏アーム８を絶縁材で構成したと
しても起伏アーム８の先端と基端間の電気絶縁を確保し
得ず、このため、伸縮ブーム３の先端、姿勢維持部材４
あるいは水平旋回部材５が異る電位の電線等に接触した
場合における感電の危険性を回避することができないこ
とを付言しておく。

（実施例） 本考案の高所作業車は、第１図および第２図に示し従来
技術として上述した従来の高所作業車に比し、バケット
支持具10の構成が異るのみであるので、この部分の説明
を第３図に基づいて説明する。

第３図において、バケット支持具10は、支軸９により起
伏アーム８先端に揺動自在に支持され且つ先端側のスプ
ロケット12を回転不能に取り付けた金属製の下部ブラケ
ット10a、この下部ブラケット10aにその基端部を固着連
結されて上方に向って延在する絶縁材製の絶縁区間部10
b、および絶縁区間部10bの上端部に固着された金属製の
鉛直軸10cで構成されている。そして、鉛直軸10cに、バ
ケット14の外側に配設したブラケット14aを旋回自在に
取り付けている。この例の場合、ブラケット14aは、前
記鉛直軸10cに旋回自在に外嵌した外嵌部分14a′とバケ
ット14を昇降駆動する昇降駆動装置14a″を包含してい
る。

以上の説明からわかるように、バケット支持具10の上方
部位たる鉛直軸10Cと下方部分たる下部ブラケット10a間
は、絶縁区間部10bによって絶縁されているので、従来
の高所作業車の如き感電事故は発生しないのである。

（効果） 以上の如く構成し作用する本考案の高所作業車は、伸縮
ブーム３の先端部、姿勢維持部材４、水平旋回部材５あ
るいは起伏アーム８が、異る電位の電線等に接触した状
態であっても、バケット14上の作業者が感電事故を起す
事態を未然に防止できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の高所作業車の説明図、第２図は第１図の
一部切欠拡大説明図、第３図は本考案の高所作業車の要
部説明図である。 ８；起伏アーム、９；支軸、10；バケット支持具、10
a；下部ブラケット、10b；絶縁区間部、10c；鉛直軸、1
2；先端側スプロケット、14；バケット、

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】旋回台に起伏駆動自在に配設した伸縮ブー
   ムの先端に、伸縮ブームの起伏動にかかわりなく常に一
   定の姿勢を維持するよう取り付けられた姿勢維持部材、
   姿勢維持部材に水平旋回駆動自在に取り付けられた水平
   旋回部材、水平旋回部材にその基端部をアーム起伏支点
   ピンを介して起伏自在に取り付けられアーム起伏シリン
   ダにより前記アーム起伏支点ピンを中心に起伏駆動され
   る起伏アーム、起伏アームの先端に前記アーム起伏支点
   ピンと平行な軸心を有する支軸を介してその下端部を揺
   動自在に取り付けられたバケット支持具、前記アーム起
   伏支点ピンと同心上に位置して前記水平旋回部材に対し
   回転不能に取り付けられた基端側スプロケット、前記支
   軸と同心上に位置して前記バケット支持具に対し回転不
   能に取り付けられた前記基端側スプロケットと同径の先
   端側スプロケット、前記基端側スプロケットと先端側ス
   プロケット間に懸け回したチェーン、および前記バケッ
   ト支持具に水平旋回自在に取り付けた絶縁材製のバケッ
   トを備えてなる高所作業車であって、前記バケット支持
   具を、前記支軸により前記起伏アーム先端に揺動自在に
   支持され且つ前記先端側スプロケットを回転不能に取り
   付けた金属製の下部ブラケット、この金属製の下部ブラ
   ケットにその下端部を固着連結された上方に向って延在
   する絶縁材製の絶縁区間部、および絶縁区間部の上端部
   に固着された金属製の鉛直軸で構成すると共に、このバ
   ケット支持具における前記金属製の鉛直軸にバケットを
   旋回自在に取り付けて構成したことを特徴とする電気工
   事用の高所作業車。