JPH06254084A - 放射線ct - Google Patents

放射線ct

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JPH06254084A
JPH06254084A JP5039979A JP3997993A JPH06254084A JP H06254084 A JPH06254084 A JP H06254084A JP 5039979 A JP5039979 A JP 5039979A JP 3997993 A JP3997993 A JP 3997993A JP H06254084 A JPH06254084 A JP H06254084A
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JP
Japan
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radiation
collimator
subject
ray
slit
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JP5039979A
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Hideo Nagai
秀夫 長井
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GE Healthcare Japan Corp
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Yokogawa Medical Systems Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は放射線CTに関し、高速でかつ高画
質の連続的な被検体画像データを得ることができる放射
線CTを提供することを目的としている。 【構成】 被検体を移動軸の方向に連続的に移動させな
がら、放射線による被検体の透過像等を連続的に測定
し、被検体の内部構造のイメージングを行う放射線CT
において、ガントリの内部に収容され、ガントリ開口部
の周りを回転する放射線源1と、開口部の周りのガント
リ内部に収納され、放射線源1の軌道より内部の円筒面
上に位置するスリットを有したコリメータ3とを具備し
て構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は放射線CTに関し、更に
詳しくは被検体の連続的な高速撮影が行えるようにした
放射線CTに関する。
【0002】
【従来の技術】放射線CTは、被検体に放射線を照射
し、被検体を透過した放射線を検出し、検出したデータ
を演算処理して被検体イメージを得る装置である。通常
は、被検体を360゜の各方向から照射し、1スライス
画像を得る方法が用いられている。被検体の高速スキャ
ン(高速データ撮影収集)のためには、一般にヘリカル
スキャンCTが用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記したヘリカルスキ
ャンCTは、以下のような問題を有している。 Partial Volume Effect(PV
E)等の弊害が大きく、従来のX線CTに比較して画質
が非常に劣る。 高速に撮影しようとすると、PVE等の弊害により画
質が非常に低下するので、高速性と高画質性とは両立し
えない。
【0004】これらの問題は、本質的にヘリカルスキャ
ンの測定法に依存するものであると考えられている。一
方、これら問題点の解決策として、Moving Be
am Helical Scan(MBHS)が知られ
ている。この方式は、1つのX線発生源(焦点)から発
生するX線の進行方向を、コリメータのスリットの方向
を機械的に変化させることにより、被検体へのX線の入
射方向を変化させて実現するものである。
【0005】そして、移動方向に動く被検体の測定しよ
うとする部分を概略一断面に近い状態で測定する(厳密
には、移動方向に垂直な面に対して測定方向により異な
る傾きを持つ面上のデータとして測定する)。従って、
この方式には、以下に示すような問題があった。 コリメータの初期状態への機械的復帰のために時間が
かかる。従って、高速で大量の連続スキャンには不適で
ある。 機械的に高速に動くコリメータが必要であるので、装
置の信頼性が低下し、かつ高速,大量の連続スキャンに
は適しない。
【0006】本発明はこのような課題に鑑みてなされた
ものであって、高速でかつ高画質の連続的な被検体画像
データを得ることができる放射線CTを提供することを
目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記した課題を解決する
本発明は、被検体を移動軸の方向に連続的に移動させな
がら、放射線による被検体の透過像等を連続的に測定
し、被検体の内部構造のイメージングを行う放射線CT
において、ガントリの内部に収容され、ガントリ開口部
の周りを回転する放射線源と、開口部の周りのガントリ
内部に収納され、放射線源の軌道より内部の円筒面上に
位置するスリットを有したコリメータとを具備し、回転
する放射線源から発してスリットを通過した放射線の再
構成断面に対する入射角度がテーブル移動及び放射線源
の回転と共に変化して、前記放射線がテーブルの移動と
共に移動する再構成断面の中心を通過するように前記ス
リットの形状をつるまき螺旋状としたことを特徴として
いる。
【0008】
【作用】コリメータにつるまき螺旋状のスリットを設
け、放射線焦点は回転しながらこのスリットの周面に沿
って移動するようにした。従って、被検体にはその移動
に伴って前記スリットから360゜回転する放射線が照
射される。このように、本発明によれば、被検体の測定
しようとする部分をほぼ一断面に近い状態で測定するこ
とができ、コリメータとして機械的にその放射線照射方
向を変える必要の無い簡単な構成のものを用いることが
できる。従って、高速でかつ高画質の連続的な被検体画
像データを得ることができる。
【0009】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。図1は本発明の原理構成図である。(a)
は体軸等、被検体の移動方向に対してその垂直方向の断
面図であり、(b)は側面よりの傾視図である。ここで
は、放射線としてX線を用いている。図において、1は
被検体を体軸等の測定すべき移動軸の方向に1次元的に
連続移動しながら、当該被検体に放射線を照射する点状
のX線焦点(原放射線源 XS)、2は移動軸又は放射
線焦点1を通り移動軸に平行な直線を軸とする円筒面上
にX線焦点1と対向して配置され、移動軸に垂直な方向
に配置された複数の検出器要素よりなる検出器(DE
T)、3はX線焦点1から照射される放射線を受ける、
移動軸を軸とする円筒面上に設けられたつるまき螺旋状
のスリットを有するコリメータ(CMT)である。
【0010】1は点状のX線焦点であり、2は1次元の
配列をしたX線検出器である。このX線検出器2は、断
面内に配列された多数の検出器要素よりなり、被検体の
移動方向、即ちスライス方向にはやや長い形状をなして
いる。4は被検体を含む再構成領域(RA)で、0はそ
の中心である。コリメータ3はここでは、再構成領域4
の断面上での0,X線焦点1を半径とする円Cに沿って
その内部に形成されている。
【0011】このように構成された装置において、被検
体を体軸等の移動方向に連続的に移動させる。この時、
X線焦点1と検出器2は、一体として、被検体の周囲を
回転しながら、測定を行う。この回転運動で、X線焦点
1は、コリメータ3と同じ円状の軌跡上を動く。なお、
実施例ではX線焦点1と検出器2は、回転運動だけで被
検体の移動方向への運動は行わないようになっている。
【0012】図2は本発明による測定法の概要を示す図
である。1はX線焦点(原X線発生源)である。5は被
検体、0は再構成領域の中心、Zは被検体5の移動軸、
PLはX線焦点1とZ軸を含む被検体5の平面である。
3はコリメータであり、SLはそのスリットである。こ
のスリットSLは、コリメータ3につるまき螺旋状に形
成されている。
【0013】図3はコリメータの構成例を示す図であ
る。(a)において、3は前述したコリメータ(第1の
コリメータ)、SL1 は該コリメータ3上に形成せされ
たつるまき螺旋状の一つながりの空隙よりなるスリット
である。10は、第1のコリメータ3と係合された第2
のコリメータである。SL2 は第2のコリメータ10上
に形成されたスリットである。このスリットSL2 は、
移動軸(Z軸)方向と平行に形成されている。(b)に
示す実施例は、スリットSL1 を複数の小さなスリット
の集合として構成したものである。スリットSL1 の構
成は、(a),(b)に示すどちらでもよい。
【0014】本発明では、被検体5を移動軸Zの正又は
負方向に連続的に移動させながら(この時の速度は一定
でも可変でもよい)測定を行うので、被検体5の測定す
べき部分はZ軸上を連続的に移動する。図では、測定部
分は0よりDの距離にあり(この点を0’とする)、こ
の部分に対してX線焦点1より発生するX線をコリメー
タ3のスリットSLで線分F0(X線焦点位置をFとす
る)と角度θをなすX線(直線FRに一致する直線)を
抽出して被検体5に照射し、測定を行う。
【0015】このように、被検体5の測定部分のZ軸上
の位置Dに対応してスリットSLの傾き角θは次式で表
される。 θ=tan-1(D/L)=tan-1(D1 /L1 ) このような構造のコリメータ3により、θ方向のX線を
抽出・照射し、X線の測定を行う。このようなコリメー
タの構造の一例が、前述した図3に示す構成である。
【0016】第1のコリメータ3は、その円筒の軸が移
動軸に一致するように(再構成領域4の中心0を通るよ
うに)配置され、固定される。第2のコリメータ10は
第1のコリメータ3に係合され、軸方向に伸びた(移動
軸と平行な)スリットSL2を有し、検出器2と一体と
なって被検体5の周囲を回転させられる。X線発生源は
点状のX線焦点であり、第2のコリメータ10のすぐ外
側に配置され、検出器2と一体となって被検体5の周囲
を回転させられる。つまり、X線発生源は、単数又は複
数の放射線焦点よりなる原放射線発生源1と、移動軸を
軸とする円筒面をなす放射線遮蔽体と、該円筒面上に形
成されたつるまき螺旋状のスリットよりなる第1のコリ
メータ3と、該第1のコリメータ3と係合され、そのス
リットが移動軸と平行に形成された第2のコリメータ1
0より構成されている。
【0017】X線は、スリットSL1 とSL2 の交わる
部分のみ通過でき、その他の部分は通過,透過できな
い。第1のコリメータ3のスリットSL1 をX線焦点1
と移動軸Zを含む面で切った時に、スリットSL1 の移
動軸Zに垂直な方向からの傾きθは、移動軸Z上の被検
体5の距離Dに対応して図2に示すような関係を保って
いる。
【0018】本発明によれば、X線CTでのスキャンデ
ータ収集を次のように行う。 被検体をテーブル等の支持体に乗せ、体軸方向等、一
方向に連続的に動かす。
【0019】データ撮影収集の間は、X線焦点1と検
出器2とを一体として再構成領域4の周囲を回転させ
る。この間、各方向に対して被検体5の測定断面の中心
を通り、この断面と小さい傾きを持つ断面に対してX線
焦点1からファン状のX線の照射を行い、検出器2によ
りX線の検出を行う。
【0020】本発明の構成によれば、以下のような効果
が得られる。 ヘリカルスキャンデータに基づく現在の大きな問題点
であるPVE等による偽像を完全に低減した高画質のイ
メージを得ることができる。つまり、本発明によれば、
従来の一平面上で撮影されたイメージにほぼ匹敵する高
画質が連続して得られる。
【0021】高速に撮影しても、PVE等の影響を全
く受けない非常に良好な画質が得られるので、撮影の高
速性と高画質性を両立させることができる。 従来例に対して、複雑な機構のコリメータが不要で、
可動部のないコリメータを構成することができる。従っ
て、装置の高速動作が可能であり、信頼性の高い装置,
大量データの高速連続スキャンの可能な装置を実現する
ことができる。
【0022】放射線CTに対しては、スライス方向に
一層のみからなる1次検出器で構成でき、かつ通常のX
線発生源を通常のやりかたで使用できる。従って、検出
器,X線発生源,装置がシンプルに作れることにより、
本発明による装置の実現性,製造の容易性,スキャンの
高速性等の有用性を与えられる。
【0023】図4は本発明の一実施例を示す構成図で、
本発明をX線CTに適用した場合を示している。図にお
いて、1はX線焦点(点状のX線発生源,通常のX線発
生源)、2はX線焦点1と対向して配置される検出器、
3は移動軸を中心とする円上に配置されたコリメータ、
4は被検体5を含む再構成領域である。
【0024】11はガントリ、12は被検体5が載置さ
れるテーブル、13はテーブル12及びガントリ11を
制御するテーブル・ガントリ制御装置である。14はX
線発生制御装置、15は該X線発生制御装置14により
制御される高圧発生・X線管制御部である。16はテー
ブル・ガントリ制御装置13及びX線発生制御装置14
を制御する操作撮影制御装置である。
【0025】17は検出器2の出力を受けてデータ収集
を行うデータ収集装置、18は該データ収集装置17の
出力データを受けてイメージ構成のためのデータ処理を
行うデータ処理装置、19はデータ処理装置18により
処理された画像データを格納する大容量記憶装置であ
る。データ処理装置18は、操作撮影制御装置16と接
続され制御情報のやりとりを行うようになっている。2
0は、データ処理装置18で処理された画像イメージを
表示する図形表示装置、21はデータ処理装置18で処
理された画像の写真撮影を制御する写真撮影制御装置で
ある。
【0026】図4に示す実施例は、測定系の構成が図1
に示すものである。即ち、 被検体5は、体軸等の移動方向に連続して動かされな
がら撮影が行われる。この移動速度は一定でも、可変で
もよいが簡単のため一定速度とする。
【0027】検出器2は、1次元のX線検出器であ
る。即ち、この検出器2の構成は、移動軸方向(スライ
ス方向)にやや長く、移動軸に垂直な平面内に1次元的
に広がる多数の検出器要素よりなる形状の検出器であ
る。検出器2は、移動軸又はX線焦点1を通り移動軸に
平行な直線を軸とする円筒面状に配置される。
【0028】X線焦点1は、移動軸に垂直な平面上に
ある。 検出器2とX線焦点1を一体として、被検体5を含む
再構成領域4の周囲を回転させる。この運動は、移動軸
の周囲の回転運動のみで、移動軸方向への運動はない。
この回転運動の速度は、一定でも可変でもよい。被検体
5が移動軸方向へ一定の速度で運動する場合には、この
回転速度も一定である。
【0029】被検体5が移動軸方向に一定の速度で連
続移動する時、例えば被検体5の1平面上にある1スラ
イス相当の360゜のデータを次のようにして撮影す
る。即ち、被検体5の運動につれて、被検体5の測定し
ようとする断面は、移動軸上を連続的に移動するが、図
2に示すX線焦点1とコリメータ3のスリットSLとの
構造により、被検体5に入射されるファン状のX線は測
定しようとする断面の再構成領域4の中心0’(図2参
照)を常に通過するように照射される。
【0030】X線焦点1を通り、移動軸Zに垂直な平面
上の再構成領域4の中心0に対して、直線F0とF0’
のなす角θが小さくなるように測定系の幾何学的構成を
選べば、該測定断面が移動軸の方向に移動しても常に測
定断面にほぼ等しい断面にX線を照射して被検体5を透
過したX線(透過しないX線を含んでもよい)を測定す
ることができる。
【0031】従って、断面の必要な各撮影方向に対応す
る断面の各移動位置に対応する平面にほぼ等しい平面上
で、X線焦点1よりファン状のX線を発生し、検出器2
により被検体5を透過したX線及び透過しないX線の検
出とデータ収集を行う。
【0032】以上の説明に対応して、テーブル12は、
被検体5を乗せて体軸等の移動軸方向に一定又は可変の
速度で被検体5を移動させるように構成される。また、
ガントリ11は、その傾きを変えることにより、撮影断
面の向きを移動軸方向に対して任意に変更でき、X線焦
点1と検出器2とを一体として移動軸の周囲を一定又は
可変の速度で回転させることができるように構成され
る。
【0033】X線の発生は、X線発生制御装置14,高
圧発生・X線管制御部15の作用の基に、X線焦点1の
所定の位置においてX線を発生するように制御される。
コリメータ3は、X線発生源とあいまって、測定したい
断面の移動軸方向への移動に対応して、入射するファン
状のX線が常に測定断面の再構成領域4の中心0’を通
過するようにX線を照射させる。X線の検出,データ収
集はデータ収集装置17の作用の基に、1次元X線検出
器2によりX線を検出し、データ収集するように制御さ
れる。
【0034】次に、図4の実施例についてその動作を説
明する。被検体5をテーブル12に乗せて、必要ならば
テーブル12の高さ等の位置を合わせ、所要の断面の方
向に合わせてガントリ11の傾きを合わせる。ここでの
動作は、操作撮影制御装置16,テーブル・ガントリ制
御装置13等の制御動作により行われる。この後、スキ
ャンに関する各種の情報を会話的にオペレータが指示・
入力する。ここでの動作は、操作撮影制御装置16とオ
ペレータとの会話的処理により行われる。これに従っ
て、スキャンの開始位置にテーブル12が移動される。
【0035】スキャンが開始されると、被検体5はテー
ブル12と共に移動軸の方向に一定速度で動かされる。
ガントリ11は、点状のX線焦点1と1次元X線検出器
2を一体として、移動軸の周囲を一定速度で回転させ
る。ここでの動作は、操作撮影制御装置16,テーブル
・ガントリ制御装置13の制御動作により行われる。
【0036】被検体5の撮影したい1断面(平面)上の
360゜の各方向のデータである1スライスデータを次
のようにして撮影する。被検体5の運動につれて、被検
体の測定しようとする1断面は移動軸上を連続的に移動
する。しかしながら、該断面の必要な各撮影方向に対応
する該断面の移動軸上の各位置に対応する平面上で、X
線焦点1から発生されるX線(操作撮影制御装置16,
X線発生制御装置14及び高圧発生・X線管制御部15
等の制御動作による)を、コリメータ3によりファン状
のX線がこの平面上の再構成領域4の中心0’を通るよ
うに入射させ、この平面に非常に近い断面(この平面に
ほぼ等しい断面)上にある被検体5を通過したX線と透
過しないX線の検出,データ収集を行う。この時の動作
は、データ収集装置17,データ処理装置18及び大容
量記憶装置19等の制御動作により実現される。
【0037】得られた各方向のデータは、ほぼ完全に被
検体5の1断面上にあるデータとなる。この時の、移動
軸であるZ軸方向での移動位置に関しては、X線焦点1
を通り、Z軸に垂直な平面上でZ軸と交わる点である再
構成領域の中心点0に対して、例えば−I/2からI/
2までの範囲に選ぶ(Iは定数)。
【0038】被検体5の次の1断面上の1スライスデー
タを前述したと同様の操作で収集する。これを連続的に
行って、移動軸方向に連続的に移動する被検体5の所要
の断面を次々に連続して撮影し、データ収集を行う。
【0039】被検体5の各断面の撮影,データ収集と並
行して又はその終了後に、各断面の画像を再構成する。
この時の動作は、データ処理装置18,大容量記憶装置
19等の制御動作で実現される。画像再構成は、各1断
面のスライスデータより、既知の画像再構成アルゴリズ
ムに従って行われる。再構成された画像イメージは、大
容量記憶装置19に格納され、必要に応じて図形表示装
置20に表示され、写真撮影制御装置21で写真撮影さ
れる。
【0040】次に、その他の実施例について説明する。 (1)前述した実施例では、検出器2は1次元検出器を
用いた。しかしながら、本発明はこれに限るものではな
い。2次元検出器(例えば移動軸を中心とする円筒面上
に作られた2次元検出器)を用いることもできる。
【0041】(2)実施例に示す装置において、2次元
検出器を使用し、放射線発生源として2次元の広がりを
持つ放射線ビームである円錐ビームを使用して撮影,デ
ータ収集を行うこともできる。この方法で測定されたデ
ータからは、被検体5の3次元の画像再構成が可能であ
り、全ての方向に高い分解能を有する画像が得られる。
【0042】この方法での円錐ビームスキャンは、通常
のそれと異なり、測定部分の中心断面を含む完全な静止
状態の円錐ビームデータが撮影収集できることにある。
中心断面又はその近傍では、完全に近い1平面上のスキ
ャンデータが得られ、この部分の画像再構成の処理は非
常に高速にできる。
【0043】(3)移動軸を軸とする円筒面上に固定配
置され、被検体5の周囲を完全に取り巻いた1次元検出
器又は2次元検出器を使用し、放射線焦点と第2のコリ
メータ10(図2参照)のみを一体として被検体5の周
囲を回転させながら撮影,データ収集を行うようにする
こともできる(第4世代のX線CTに相当)。
【0044】(4)点状の焦点を持つ放射線焦点1とコ
リメータ3と1次元検出器2との組を複数組備え、各組
毎にファン状の放射線を同時に発生し、複数の断面に関
する放射線データを同時に測定するようにすることもで
きる。
【0045】(5)点状の焦点を持つ複数の放射線発生
源又は移動軸に平行な線分上にある線状の放射線発生源
と図2,図3に示す構造をした複数のコリメータ又は移
動軸を軸とする円筒面上に作られた複数のスリットを有
するコリメータと、複数の1次元検出器又は2次元検出
器とにより、複数のファン状又は円錐状の放射線を同時
に発生し、複数の断面又は複数の3次元部分に関する放
射線データを同時に測定するようにすることもできる。
この時のスキャンは高速であり、極めてシンプルな手法
により3次元の再構成が可能であり、かつ各方向に対し
て分解能を高めることができる。
【0046】また、各断面,各中心断面とその近傍断面
での画像再構成処理は、一般の円錐ビームからの画像再
構成に比較して極めてシンプルで、高速処理が可能であ
る等の特徴を有している。これらの装置では、隣接する
複数の断面又は必ずしも隣接しない複数の断面について
同時測定を行う装置を構成することもできる。
【0047】(6)前述した実施例の検出器2は、1次
元のものを用いた場合を例にとったが、1次元検出器以
外にも2次元検出器を使用することもできる。2次元検
出器の場合、その各層のスライス方向への広がりは、原
理的には線状に薄いものでもよいが、ファンビームの広
がりに対応して厚いものでもよい。
【0048】2次元検出器の移動軸方向への層数は、1
断面の撮影方向の数(ビュー数)に等しくても、それよ
り多くても、またそれより少なくてもよい。被検体5の
移動軸方向への移動につれて、測定したい断面は移動軸
方向へ移動するが、この断面の必要な各撮影方向に対応
する断面の移動軸上の各位置で、X線焦点1と該断面の
再構成領域の中心0’とを含み、その法線がZ軸と角θ
をなす平面上にある1層の検出器又はその平面を含む隣
接する複数個の検出器によりX線を検出し、データを収
集することができる。
【0049】2次元検出器の場合には、移動軸又はX線
焦点1を通り、移動軸に平行な直線を軸とする円筒面上
に配列された構造の2次元検出器でもよい。検出器の種
類は、シンチレータとフォトダイオード又は光電子増倍
管,各種半導体検出器,Xe等の電離箱検出器,比例計
数管,X線用撮像管等の各種のものが使用できる。
【0050】(7)X線発生源としては、点状の焦点を
有する通常のX線球又はそれに相当するものをそのまま
使用することができる。このようなX線発生源として
は、熱電子放射や電界電子放射等により電子を発生さ
せ、これを電子レンズ等により収束し、磁気的又は静電
的に偏向してX線ターゲットの所定の部分に衝突させて
X線を発生させるものでもよい。
【0051】なお、この例や以降の例において、真空管
のような真空容器,真空ポンプのような真空発生手段や
冷却装置等は省略して示してある。X線発生源として
は、原X線発生源の点状の焦点より発生するX線を図3
に示すコリメータ3により所要のX線ビームとなしたも
のである。即ち、第1及び第2のコリメータ3,10は
それぞれスリットSL1 ,SL2 を有している。第1の
コリメータ3は、被検体5と原X線発生源との間に配置
され、移動軸を中心軸とするX線の遮蔽体でできた円筒
面の形状をなし、スリットSL1 はその円筒面上でつる
まき螺旋状の形状をもつ空隙である。
【0052】スリットSL1 の形状は、図2に示すよう
に00’=D,F0=Lに対してその傾き角θ=tan
-1(D/L)を満足するように設計される。第2のコリ
メータ10は、第1のコリメータ3と原X線発生源の間
に配置され、移動軸を中心軸とするX線の遮蔽体ででき
た円筒面の一部の形状を有し、移動軸に平行なスリット
SL2 を有している。
【0053】原X線発生源は、図3のスリットスリット
SL2 の手前に配置されるが、図3では省略されてい
る。コリメータ10,原X線発生源,検出器2は一体と
して移動軸の周囲を回転させられる。これにより、X線
はスリットSL1 とSL2 の交わる部分のみ通過し、被
検体5に入射される。
【0054】スリットSL1 ,SL2 の形状は図3の
(a)に示すように連続した形状(一つながりの空隙)
であってもよいし、(b)に示すように複数のスリット
の集合であってもよい。スリットSL2 についても同様
である。これらコリメータ・スリットの形状により、被
検体5に照射されるX線の形状を任意に設定することが
できる。
【0055】なお、コリメータ3は、通常固定配置とし
たが、被検体5の撮影断面の移動速度Vに対応するコリ
メータ10と原X線発生源と検出器2とを一体として移
動軸の周囲に回転させる回転速度ωに対して、被検体5
の移動速度をn倍(nは整数)にする時、コリメータ1
0等の回転速度ωはそのままで、コリメータ3を(n−
1)ω回転速度でコリメータ10と逆方向に回転させ
る。又、被検体5の移動速度を1/nとする時、コリメ
ータ10等の回転速度ωはそのままで、コリメータ3を
((n−1)/n)ωの回転速度でコリメータ10と同
方向に回転させるようにすることができる。X線の発生
は、パルス的に行われる方式でもよいし、連続的に発生
される方式でもよい。
【0056】(8)測定系としては、X線発生源と被検
体5の間にフィルタやコリメータを挿入した構造のも
の,被検体5と検出器2との間にコリメータを挿入した
構造のもの等を用いることができる。なお、第2のコリ
メータ10は必ずしも必要ではない。また、第2のコリ
メータ10の形状も円筒面の一部でなくてもよく、例え
ば平面であってもよい。
【0057】被検体5の移動軸方向への移動速度,X線
焦点やX線検出器2等を一体として回転する回転速度
は、一定でも可変でもよい。被検体5の移動軸方向への
移動速度に関連し、正確には等速度で移動する場合に
は、被検体5の撮影をすべき隣接する2断面の距離を第
1の断面が通過してから、次の断面が通過するまでの時
間で割った値に相当する速度V(mm/s)とX線焦点
1と検出器2とを一体として移動軸の周囲を回転させる
回転速度ω(radian/s)との関係は、検出器2
のスライス方向の長さをdとすると、 d/V≧2π/ω の関係を満足するように選ぶ。測定断面は、体軸等の移
動軸に垂直な面のみではなく、移動軸と垂直でない面に
対しても行うことができる。
【0058】(9)X線発生制御装置14と高圧発生・
X線管制御部15とを一体として構成することができ
る。又、ガントリ11を狭義のガントリとガントリ回転
制御機構等に分離して構成することもできる。なお、写
真撮影制御装置21は必ずしも必要なものではなく、省
略することもできる。
【0059】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば高速でかつ高画質の連続的な被検体画像データを
得ることができる放射線CTを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理構成図である。
【図2】本発明による測定法の概要を示す図である。
【図3】コリメータの構成例を示す図である。
【図4】本発明の一実施例を示す構成図である。
【符号の説明】
1 X線焦点 2 検出器 3 コリメータ 4 再構成領域

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体を移動軸の方向に連続的に移動さ
    せながら、放射線による被検体の透過像等を連続的に測
    定し、被検体の内部構造のイメージングを行う放射線C
    Tにおいて、 ガントリの内部に収容され、ガントリ開口部の周りを回
    転する放射線源(1)と、 開口部の周りのガントリ内部に収納され、放射線源
    (1)の軌道より内部の円筒面上に位置するスリットを
    有したコリメータ(3)とを具備し、 回転する放射線源(1)から発してスリットを通過した
    放射線の再構成断面に対する入射角度がテーブル移動及
    び放射線源(1)の回転と共に変化して、前記放射線が
    テーブルの移動と共に移動する再構成断面の中心を通過
    するように前記スリットの形状をつるまき螺旋状とした
    ことを特徴とする放射線CT。
  2. 【請求項2】 つるまき螺旋状のスリットを有した前記
    コリメータ(3)が、開口部の周りに所定の速度で回転
    可能であることを特徴とする請求項1記載の放射線C
    T。
  3. 【請求項3】 放射線と共に回転する第2のコリメータ
    であって、回転軸に平行なスリットを有するコリメータ
    (10)を具備したことを特徴とする請求項1記載の放
    射線CT。
  4. 【請求項4】 前記第1のコリメータ(3)及び第2の
    コリメータ(10)によって、放射線を円錐ビーム状に
    し、それを2次元検出器により検出するようにしたこと
    を特徴とする請求項1記載の放射線CT。
JP5039979A 1993-03-01 1993-03-01 放射線ct Pending JPH06254084A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004130105A (ja) * 2002-10-07 2004-04-30 General Electric Co <Ge> 連続走査断層写真合成システム及び方法

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JP2004130105A (ja) * 2002-10-07 2004-04-30 General Electric Co <Ge> 連続走査断層写真合成システム及び方法

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