JPH06253892A - 寒天培地及びこの寒天培地を用いた抗菌剤耐性菌の検出と有効抗菌剤選択試験法 - Google Patents
寒天培地及びこの寒天培地を用いた抗菌剤耐性菌の検出と有効抗菌剤選択試験法Info
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- JPH06253892A JPH06253892A JP4694593A JP4694593A JPH06253892A JP H06253892 A JPH06253892 A JP H06253892A JP 4694593 A JP4694593 A JP 4694593A JP 4694593 A JP4694593 A JP 4694593A JP H06253892 A JPH06253892 A JP H06253892A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 細菌発育支持物質、0.8〜5%の高張圧調
整剤、及び1〜10%の動物血液を含む寒天培地として
いる。また、前記寒天培地に、ポリペプチド系抗菌剤と
モノバクタム系抗菌剤、グラム陰性菌の発育抑制・阻止
剤、非対象グラム陽性菌の発育抑制・阻止剤を単独もし
くは組合せて含むものとしたり、発色性・発光性合成基
質もしくは代謝産物検出剤を含むものとしてもよい。そ
して、この寒天培地に抗菌剤を含有させたものに、環境
材料、臨床材料、保菌者調査材料、魚介類、農産物、加
工食品などの被検体を塗布して培養し、抗菌剤耐性菌を
検出する。 【効果】 被検体中で同一菌種で耐性菌と感受性菌が混
在している場合でも、同一培地上で一目瞭然に検出確認
ができ、同時にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌もしくは
メチシリン感受性黄色ブドウ球菌であっても有効薬剤の
判定が可能であり、経済的にも作業効率上も検査時間短
縮上からも有益性の高いものとなった。
整剤、及び1〜10%の動物血液を含む寒天培地として
いる。また、前記寒天培地に、ポリペプチド系抗菌剤と
モノバクタム系抗菌剤、グラム陰性菌の発育抑制・阻止
剤、非対象グラム陽性菌の発育抑制・阻止剤を単独もし
くは組合せて含むものとしたり、発色性・発光性合成基
質もしくは代謝産物検出剤を含むものとしてもよい。そ
して、この寒天培地に抗菌剤を含有させたものに、環境
材料、臨床材料、保菌者調査材料、魚介類、農産物、加
工食品などの被検体を塗布して培養し、抗菌剤耐性菌を
検出する。 【効果】 被検体中で同一菌種で耐性菌と感受性菌が混
在している場合でも、同一培地上で一目瞭然に検出確認
ができ、同時にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌もしくは
メチシリン感受性黄色ブドウ球菌であっても有効薬剤の
判定が可能であり、経済的にも作業効率上も検査時間短
縮上からも有益性の高いものとなった。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、寒天培地、及びこの寒
天培地を用いたスタフィロコッカス属、エンテロコッカ
ス属などの抗菌剤耐性菌の検出と有効抗菌剤選択試験法
に関するものである。
天培地を用いたスタフィロコッカス属、エンテロコッカ
ス属などの抗菌剤耐性菌の検出と有効抗菌剤選択試験法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】医療、農業、漁業、食品業界などにおい
て、抗菌剤を使用しない分野は皆無に等しい状態であ
る。一方、この抗菌剤の使用頻度に比例し、抗菌剤耐性
菌が高頻度で出現している。特に近年は、スタフィロコ
ッカス(ブドウ球菌)属、エンテロコッカス(腸球菌)
属などの、グラム陽性菌の高度耐性株の出現が問題視さ
れ、耐性菌の確実な検出と同時に的確な有効抗菌剤の選
択法が必要視されている。特に、医療分野においては、
院内感染問題としてMRSA(メチシリン耐性黄色ブド
ウ球菌)が蔓延化しており、患者及び医療従事者などの
鼻腔ぬぐい液、喀出痰、便、膿、分泌物などの臨床材料
や病棟の床、ベッド、ドア、空気などの環境材料もしく
は医療器具などから、耐性菌が検出され、その有効薬剤
の選択試験は必要不可欠である。また、今後は農業、漁
業、食品業界などの分野においても調査試験の必要性は
同様である。
て、抗菌剤を使用しない分野は皆無に等しい状態であ
る。一方、この抗菌剤の使用頻度に比例し、抗菌剤耐性
菌が高頻度で出現している。特に近年は、スタフィロコ
ッカス(ブドウ球菌)属、エンテロコッカス(腸球菌)
属などの、グラム陽性菌の高度耐性株の出現が問題視さ
れ、耐性菌の確実な検出と同時に的確な有効抗菌剤の選
択法が必要視されている。特に、医療分野においては、
院内感染問題としてMRSA(メチシリン耐性黄色ブド
ウ球菌)が蔓延化しており、患者及び医療従事者などの
鼻腔ぬぐい液、喀出痰、便、膿、分泌物などの臨床材料
や病棟の床、ベッド、ドア、空気などの環境材料もしく
は医療器具などから、耐性菌が検出され、その有効薬剤
の選択試験は必要不可欠である。また、今後は農業、漁
業、食品業界などの分野においても調査試験の必要性は
同様である。
【0003】そのため、従来は、被検体を動物血液を
添加した寒天平板培地(従来の動物血液を使用した血液
寒天培地は発育する細菌の浸透圧を等張にするため塩化
ナトリウムを0.45%のみ添加していた)上に単一集
落を形成するように塗布し、孵卵器中で30〜37℃で
16〜48時間培養し、分離培養を施行した後に、目的
とするスタフィロコッカス属の菌集落を外観上より推察
し、疑わしき菌集落を1〜10(通常は1か2)集落を
釣菌し、別の寒天培地又は液体培地を用い純培養(増
菌)後に菌種同定試験と薬剤感受性試験とを施行してい
た。従って、成績は、検査者の菌集落観察時の外観上の
識別力に大きく左右される。しかし、実際的には抗菌剤
に耐性・感受性という内在的性状は外観上の性状へは表
現されないため感受性株と耐性株とが混在した場合は肉
眼的には区別がつかず見落とされている可能性が高い。
また、外観的性状が極めて類似した菌集落の場合も同
様、類似した異菌種の識別は極めて困難で見落とされる
可能性が高い。
添加した寒天平板培地(従来の動物血液を使用した血液
寒天培地は発育する細菌の浸透圧を等張にするため塩化
ナトリウムを0.45%のみ添加していた)上に単一集
落を形成するように塗布し、孵卵器中で30〜37℃で
16〜48時間培養し、分離培養を施行した後に、目的
とするスタフィロコッカス属の菌集落を外観上より推察
し、疑わしき菌集落を1〜10(通常は1か2)集落を
釣菌し、別の寒天培地又は液体培地を用い純培養(増
菌)後に菌種同定試験と薬剤感受性試験とを施行してい
た。従って、成績は、検査者の菌集落観察時の外観上の
識別力に大きく左右される。しかし、実際的には抗菌剤
に耐性・感受性という内在的性状は外観上の性状へは表
現されないため感受性株と耐性株とが混在した場合は肉
眼的には区別がつかず見落とされている可能性が高い。
また、外観的性状が極めて類似した菌集落の場合も同
様、類似した異菌種の識別は極めて困難で見落とされる
可能性が高い。
【0004】また、他の試験方法としては、オキサシ
リン6μg/mlもしくはセフチゾキシム25μg/m
lなど特定の抗菌剤を一定の濃度含有させ、さらに黄色
ブドウ球菌の特定の生化学的性状(マンニット分解性、
レシチナーゼ反応陽性など)を検出しやすいようにこれ
らの基質と反応指示薬とを加えたスクリーニング用選択
寒天培地上に、被検体を塗布し培養すれば、発育した菌
集落がマンニット分解かつレシチナーゼ反応陽性と特定
な性状が発現していた場合は使用薬剤に耐性の黄色ブド
ウ球菌(MRSA)と推察、確定することができる。こ
の方法では、スクリーニング寒天培地上に発育した菌集
落は、含有させた抗菌剤に対し耐性菌であることは推察
がつくし、また、マンニット分解かつレシチナーゼ反応
陽性株は容易に黄色ブドウ球菌と判断可能であるが、こ
のような培地上には、黄色ブドウ球菌以外のブドウ球菌
属菌や酵母様真菌、腸球菌なども発育する。従って、発
育したこれら他菌種と黄色ブドウ球菌とを鑑別しなくて
はならないが、黄色ブドウ球菌の中でもMRSAなどの
耐性株にはマンニット非分解株やレシチナーゼ欠損株が
多く、鑑別マーカーが欠落する場合が多い。さらに、こ
れらの培地上に発育した菌集落は黄色ブドウ球菌であっ
ても高濃度の塩化ナトリウムや選択剤による若干の発育
抑制を受けるため菌集落は小さく24時間培養での外観
上からの鑑別は極めて困難である。また、黄色ブドウ球
菌の確定的迅速同定試験である簡易コアグラーゼ試験は
本培地上に発育した菌集落では偽陰性化するためこれら
生化学的性状の欠損株を同定するには、さらに他の血液
寒天培地などで純培養が必要であり時間と労力を要す
る。またさらに、培地内に含有する抗菌剤のために感受
性菌はまったく発育しないため、感染菌叢を調べる感染
症検査ではさらに抗菌剤を含まない寒天培地を別に併用
しなくてはならず、作業効率が悪く非経済的である。ま
た、耐性株の検出と耐性株に対する抗菌剤の抗菌活性の
測定には別作業が必要なため、さらに長い測定時間を要
する。
リン6μg/mlもしくはセフチゾキシム25μg/m
lなど特定の抗菌剤を一定の濃度含有させ、さらに黄色
ブドウ球菌の特定の生化学的性状(マンニット分解性、
レシチナーゼ反応陽性など)を検出しやすいようにこれ
らの基質と反応指示薬とを加えたスクリーニング用選択
寒天培地上に、被検体を塗布し培養すれば、発育した菌
集落がマンニット分解かつレシチナーゼ反応陽性と特定
な性状が発現していた場合は使用薬剤に耐性の黄色ブド
ウ球菌(MRSA)と推察、確定することができる。こ
の方法では、スクリーニング寒天培地上に発育した菌集
落は、含有させた抗菌剤に対し耐性菌であることは推察
がつくし、また、マンニット分解かつレシチナーゼ反応
陽性株は容易に黄色ブドウ球菌と判断可能であるが、こ
のような培地上には、黄色ブドウ球菌以外のブドウ球菌
属菌や酵母様真菌、腸球菌なども発育する。従って、発
育したこれら他菌種と黄色ブドウ球菌とを鑑別しなくて
はならないが、黄色ブドウ球菌の中でもMRSAなどの
耐性株にはマンニット非分解株やレシチナーゼ欠損株が
多く、鑑別マーカーが欠落する場合が多い。さらに、こ
れらの培地上に発育した菌集落は黄色ブドウ球菌であっ
ても高濃度の塩化ナトリウムや選択剤による若干の発育
抑制を受けるため菌集落は小さく24時間培養での外観
上からの鑑別は極めて困難である。また、黄色ブドウ球
菌の確定的迅速同定試験である簡易コアグラーゼ試験は
本培地上に発育した菌集落では偽陰性化するためこれら
生化学的性状の欠損株を同定するには、さらに他の血液
寒天培地などで純培養が必要であり時間と労力を要す
る。またさらに、培地内に含有する抗菌剤のために感受
性菌はまったく発育しないため、感染菌叢を調べる感染
症検査ではさらに抗菌剤を含まない寒天培地を別に併用
しなくてはならず、作業効率が悪く非経済的である。ま
た、耐性株の検出と耐性株に対する抗菌剤の抗菌活性の
測定には別作業が必要なため、さらに長い測定時間を要
する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たの方法を用いた場合は、 (1)同一被検体の中に同じ
抗菌剤に対し同じ菌種でありながら感受性株と耐性株と
が混在している場合、もしくは (2)外観上は非常に類似
した菌集落であるが異なる菌種が混在している場合、又
は (3)発育が旺盛な菌種が寒天培地全体に発育している
場合があり、このような場合、指標とする菌種を検出で
きないという課題を有する。さらに、 (4)被検体の中に
指標菌種が少なく他菌種が多く存在し検出が困難な被検
体などが多く、このような場合、運好く偶然に指標とす
る菌種もしくは指標とする菌種の抗菌剤耐性株を検出、
釣菌し得たときは問題無いが、そのようなケースは少な
い。むしろ検出できなかったり、抗菌剤耐性菌株は検出
できず、感受性株のみを検出し、抗菌剤耐性株が存在す
るために抗菌剤は無効であるにもかかわらず、有効と誤
った成績を提出する場合が多々有るという課題を有す
る。
たの方法を用いた場合は、 (1)同一被検体の中に同じ
抗菌剤に対し同じ菌種でありながら感受性株と耐性株と
が混在している場合、もしくは (2)外観上は非常に類似
した菌集落であるが異なる菌種が混在している場合、又
は (3)発育が旺盛な菌種が寒天培地全体に発育している
場合があり、このような場合、指標とする菌種を検出で
きないという課題を有する。さらに、 (4)被検体の中に
指標菌種が少なく他菌種が多く存在し検出が困難な被検
体などが多く、このような場合、運好く偶然に指標とす
る菌種もしくは指標とする菌種の抗菌剤耐性株を検出、
釣菌し得たときは問題無いが、そのようなケースは少な
い。むしろ検出できなかったり、抗菌剤耐性菌株は検出
できず、感受性株のみを検出し、抗菌剤耐性株が存在す
るために抗菌剤は無効であるにもかかわらず、有効と誤
った成績を提出する場合が多々有るという課題を有す
る。
【0006】前述したの方法を用いた場合は、特定の
抗菌剤に対する耐性菌種の検出は確実となるが、寒天平
板上には耐性菌種のみしか発育しないために感受性菌株
数や、特定の抗菌剤以外の抗菌剤に対する薬剤感受性成
績はさらに純培養(増菌)操作を加えた後で個別の抗菌
剤について試験をしないと判明しないという課題を有す
る。また、菌種を推定、確定する場合も特定の性状を発
現する菌集落では容易であるが、遺伝上の性状欠損株、
培地内添加物に伴う性状発現抑制株などにおいては効力
を発揮できないという課題を有する。しかし、重要な問
題としては、抗菌剤の耐性化を獲得した菌株は、特徴的
な性状を脱落する場合が多い。
抗菌剤に対する耐性菌種の検出は確実となるが、寒天平
板上には耐性菌種のみしか発育しないために感受性菌株
数や、特定の抗菌剤以外の抗菌剤に対する薬剤感受性成
績はさらに純培養(増菌)操作を加えた後で個別の抗菌
剤について試験をしないと判明しないという課題を有す
る。また、菌種を推定、確定する場合も特定の性状を発
現する菌集落では容易であるが、遺伝上の性状欠損株、
培地内添加物に伴う性状発現抑制株などにおいては効力
を発揮できないという課題を有する。しかし、重要な問
題としては、抗菌剤の耐性化を獲得した菌株は、特徴的
な性状を脱落する場合が多い。
【0007】そこで、本発明は、(1) 特定の菌属のみが
発育しかつ菌集落の外観上の特徴を発現し易い、(2) 抗
菌剤に対し耐性度の発現を確実に発揮できるように寒天
平板培地内の浸透圧を高める、(3) 複数の抗菌剤に対す
る感受性成績も同時に判定できる、(4) 使用した複数の
抗菌剤に対する被検体中に混在する耐性株、感受性株を
同時に検出する、という課題を解決するための寒天培地
及びこの寒天培地を用いた抗菌剤耐性菌の検出と有効抗
菌剤選択試験法を提供するものである。
発育しかつ菌集落の外観上の特徴を発現し易い、(2) 抗
菌剤に対し耐性度の発現を確実に発揮できるように寒天
平板培地内の浸透圧を高める、(3) 複数の抗菌剤に対す
る感受性成績も同時に判定できる、(4) 使用した複数の
抗菌剤に対する被検体中に混在する耐性株、感受性株を
同時に検出する、という課題を解決するための寒天培地
及びこの寒天培地を用いた抗菌剤耐性菌の検出と有効抗
菌剤選択試験法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の寒天培地は、前
記(1) 、(2) の課題を解決する手段としてなされたもの
であり、肉眼で判別する場合の菌集落の外観上の特徴を
発現し易くするために、従来最も頻繁に用いられている
動物の血液を加えたものとしている。さらに、スタフィ
ロコッカス属及びエンテロコッカス属には無効で他菌属
には抗菌作用の強い抗菌剤を数種組み合わせ選択剤とし
て添加したものとしている。また、本発明で指標とした
スタフィロコッカス属及びエンテロコッカス属は菌体内
圧が高いため寒天培地の浸透圧を高めないと抗菌剤に対
する耐性度の確実な評価ができないため高張圧調整剤を
添加したものとしている。
記(1) 、(2) の課題を解決する手段としてなされたもの
であり、肉眼で判別する場合の菌集落の外観上の特徴を
発現し易くするために、従来最も頻繁に用いられている
動物の血液を加えたものとしている。さらに、スタフィ
ロコッカス属及びエンテロコッカス属には無効で他菌属
には抗菌作用の強い抗菌剤を数種組み合わせ選択剤とし
て添加したものとしている。また、本発明で指標とした
スタフィロコッカス属及びエンテロコッカス属は菌体内
圧が高いため寒天培地の浸透圧を高めないと抗菌剤に対
する耐性度の確実な評価ができないため高張圧調整剤を
添加したものとしている。
【0009】すなわち、本発明の寒天培地は、ペプト
ン、酵母エキス類などの細菌発育支持物質を含むと共
に、0.8〜5%塩化ナトリウムなどの高張圧調整剤、
及び1〜10%の動物血液を含むものとしている。ま
た、前記寒天培地に、アンホテリシンB、コリスチンな
どのポリペプチド系抗菌剤とアズスレオナム、カルモナ
ムなどのモノバクタム系抗菌剤、窒化ナトリウム、フェ
ニールエチルアルコールなどのグラム陰性菌の発育抑制
・阻止剤、オプトヒンなどの非対象グラム陽性菌の発育
抑制・阻止剤を単独もしくは組合せて含むものとしても
よい。さらに、前記寒天培地に、DNアーゼ(DNas
e)、フォスファターゼ、フォスフォリパーゼ、エスクリ
ナーゼ、ロイシンアミノペプチダーゼ、コアグラーゼな
どの酵素活性など、もしくは亜テルル酸塩還元性など特
定の生化学的性状を検出するための成分及び発色性・発
光性合成基質もしくは代謝産物検出剤を含むものとして
もよい。
ン、酵母エキス類などの細菌発育支持物質を含むと共
に、0.8〜5%塩化ナトリウムなどの高張圧調整剤、
及び1〜10%の動物血液を含むものとしている。ま
た、前記寒天培地に、アンホテリシンB、コリスチンな
どのポリペプチド系抗菌剤とアズスレオナム、カルモナ
ムなどのモノバクタム系抗菌剤、窒化ナトリウム、フェ
ニールエチルアルコールなどのグラム陰性菌の発育抑制
・阻止剤、オプトヒンなどの非対象グラム陽性菌の発育
抑制・阻止剤を単独もしくは組合せて含むものとしても
よい。さらに、前記寒天培地に、DNアーゼ(DNas
e)、フォスファターゼ、フォスフォリパーゼ、エスクリ
ナーゼ、ロイシンアミノペプチダーゼ、コアグラーゼな
どの酵素活性など、もしくは亜テルル酸塩還元性など特
定の生化学的性状を検出するための成分及び発色性・発
光性合成基質もしくは代謝産物検出剤を含むものとして
もよい。
【0010】次に、本発明の抗菌剤耐性菌の検出と有効
抗菌剤選択試験法は、前記(3) 、(4) の課題を解決する
手段としてなされたものであり、前述の血液寒天培地に
MRSA検出のための抗菌剤メチシリン、オキサシリ
ン、セフチゾキシムなど、もしくは治療学上必要な抗菌
剤を直接含有させて被検体を塗布し、培養後発育性を判
断するか、もしくは寒天培地上に被検体を塗布した上に
抗菌剤を含有させた保持体(ペーパーディスクなど)を
接触させその耐性度(感受性度)もしくは耐性菌の存在
を確認するものである。
抗菌剤選択試験法は、前記(3) 、(4) の課題を解決する
手段としてなされたものであり、前述の血液寒天培地に
MRSA検出のための抗菌剤メチシリン、オキサシリ
ン、セフチゾキシムなど、もしくは治療学上必要な抗菌
剤を直接含有させて被検体を塗布し、培養後発育性を判
断するか、もしくは寒天培地上に被検体を塗布した上に
抗菌剤を含有させた保持体(ペーパーディスクなど)を
接触させその耐性度(感受性度)もしくは耐性菌の存在
を確認するものである。
【0011】すなわち、本発明の抗菌剤耐性菌の検出と
有効抗菌剤選択試験法は、前述の血液寒天培地にメチシ
リン、オキサシリン、セフチゾキシム、イミペネム、バ
ンコマイシン、アルベカシン、ミノマイシン、ゲンタマ
イシン、バシトラシンなどの抗菌剤を含有させたもの
に、環境材料、臨床材料、保菌者調査材料、魚介類、農
産物、加工食品などを直接もしくは増菌培養後の被検体
を塗布して培養し、抗菌剤耐性菌を検出するものとして
いる。また、前述の血液寒天培地に環境材料、臨床材
料、保菌者調査材料、魚介類、農産物、加工食品などを
直接もしくは増菌培養後の被検体を塗布し、メチシリ
ン、オキサシリン、セフチゾキシム、バンコマイシン、
アルベカシン、ミノマイシンなどの抗菌剤のみか、抗菌
剤とACES緩衝剤などのpH緩衝化剤、フォスファタ
ーゼ、リパーゼ、β−D−ガラクトシダーゼなど酵素活
性などの生化学的な性状を検出・発現させるための成分
を付加し含有させたペーパーディスクなどの保持体とを
接触させ培養し、抗菌活性もしくは酵素活性など菌種特
有の生化学的性状の検出と有効抗菌剤の選択と抗菌剤耐
性菌を検出するものとしている。
有効抗菌剤選択試験法は、前述の血液寒天培地にメチシ
リン、オキサシリン、セフチゾキシム、イミペネム、バ
ンコマイシン、アルベカシン、ミノマイシン、ゲンタマ
イシン、バシトラシンなどの抗菌剤を含有させたもの
に、環境材料、臨床材料、保菌者調査材料、魚介類、農
産物、加工食品などを直接もしくは増菌培養後の被検体
を塗布して培養し、抗菌剤耐性菌を検出するものとして
いる。また、前述の血液寒天培地に環境材料、臨床材
料、保菌者調査材料、魚介類、農産物、加工食品などを
直接もしくは増菌培養後の被検体を塗布し、メチシリ
ン、オキサシリン、セフチゾキシム、バンコマイシン、
アルベカシン、ミノマイシンなどの抗菌剤のみか、抗菌
剤とACES緩衝剤などのpH緩衝化剤、フォスファタ
ーゼ、リパーゼ、β−D−ガラクトシダーゼなど酵素活
性などの生化学的な性状を検出・発現させるための成分
を付加し含有させたペーパーディスクなどの保持体とを
接触させ培養し、抗菌活性もしくは酵素活性など菌種特
有の生化学的性状の検出と有効抗菌剤の選択と抗菌剤耐
性菌を検出するものとしている。
【0012】
【作用】本発明の寒天培地及びこの寒天培地を用いた抗
菌剤耐性菌の検出と有効抗菌剤選択試験法は、前記手段
を講じたため、次のような作用を有する。先ず、1〜1
0%の動物血液を添加した血液寒天培地を使用すること
により、被検体を塗布し、培養後の外観上からの菌集落
の鑑別が容易であり、性状欠損株においては、特にレシ
チナーゼ、マンニット分解能などを黄色ブドウ球菌の指
標性状とするスクリーニング培地より菌集落は大きく、
コアグラーゼ試験が菌集落より直接実施でき、菌種確定
が迅速に対応可能である。さらに、高張圧調整剤(0.
8〜5%塩化ナトリウムなど)を添加することによりM
RSAなどの耐性菌において、試験する抗菌剤に対し、
耐性度の発現が正確に検出可能となった(0.8〜5%
塩化ナトリウムを添加しなかった場合、耐性菌株の中に
感受性との誤った成績を示すものがあるが、0.8〜5
%の塩化ナトリウムを添加することにより耐性菌株は耐
性との成績を示す)。また、ポリペプチド系抗菌剤ポリ
ミキシンB又はコリスチンとモノバクタム系抗菌剤アズ
スレオナム又はカルモナム等とを組み合わせることによ
り、もしくは窒化ナトリウム又はフェニールエチルアル
コールなどを添加することによりグラム陰性菌の発育が
阻止されたグラム陽性菌の観察が容易となった。さら
に、耐性株の検出と同時に同一平板培地上で抗菌剤に対
する抗菌活性が測定できるため効率的かつ迅速な対応が
可能となった。
菌剤耐性菌の検出と有効抗菌剤選択試験法は、前記手段
を講じたため、次のような作用を有する。先ず、1〜1
0%の動物血液を添加した血液寒天培地を使用すること
により、被検体を塗布し、培養後の外観上からの菌集落
の鑑別が容易であり、性状欠損株においては、特にレシ
チナーゼ、マンニット分解能などを黄色ブドウ球菌の指
標性状とするスクリーニング培地より菌集落は大きく、
コアグラーゼ試験が菌集落より直接実施でき、菌種確定
が迅速に対応可能である。さらに、高張圧調整剤(0.
8〜5%塩化ナトリウムなど)を添加することによりM
RSAなどの耐性菌において、試験する抗菌剤に対し、
耐性度の発現が正確に検出可能となった(0.8〜5%
塩化ナトリウムを添加しなかった場合、耐性菌株の中に
感受性との誤った成績を示すものがあるが、0.8〜5
%の塩化ナトリウムを添加することにより耐性菌株は耐
性との成績を示す)。また、ポリペプチド系抗菌剤ポリ
ミキシンB又はコリスチンとモノバクタム系抗菌剤アズ
スレオナム又はカルモナム等とを組み合わせることによ
り、もしくは窒化ナトリウム又はフェニールエチルアル
コールなどを添加することによりグラム陰性菌の発育が
阻止されたグラム陽性菌の観察が容易となった。さら
に、耐性株の検出と同時に同一平板培地上で抗菌剤に対
する抗菌活性が測定できるため効率的かつ迅速な対応が
可能となった。
【0013】
【実施例】以下、本発明の寒天培地を、実施例に基づい
て詳細に説明する。 (実施例1)2%塩化ナトリウム加羊血液寒天培地 ミュラーヒントン寒天培地(Mueller Hinton Agar )3
8gと塩化ナトリウム20gを精製水950mlに懸濁
溶解後、オートクレーブで121℃、15分間減菌す
る。減菌後50℃付近まで冷却し、羊血液500mlを
加えゆっくりと混合した後に、ペトリデッシュへ約20
mlづつ分注し冷却固化させることにより作成した。 (実施例2)グラム陰性菌群の発育抑制剤を添加した2
%塩化ナトリウム加羊血液寒天培地 ミュラーヒントン寒天培地38gと塩化ナトリウム20
gを精製水950mlに懸濁溶解後、オートクレーブで
121℃、15分間減菌する。減菌後50℃付近まで冷
却し、羊血液50ml、減菌精製水5mlに溶解したポ
リミキシンB10mg・アズスレオナム10mgを加え
ゆっくりと混合した後、ペトリデッシュへ約20mlづ
つ分注し冷却固化させることにより作成した。 (実施例3)発色性もしくは発光性合成基質を用いたグ
ラム陰性菌群の発育抑制剤添加、2%塩化ナトリウム加
羊血液寒天培地 ミュラーヒントン寒天培地38gと塩化ナトリウム20
g、5−ブロモ−3−インドリル−β−D−ガラクトシ
ド360mgを精製水940mlに懸濁溶解後、オート
クレーブで121℃、15分間減菌する。減菌後50℃
付近まで冷却し、羊血液50ml、減菌精製水5mlに
溶解したポリミキシンB10mg・アズスレオナム10
mg、精製水に溶解し濾過減菌した4−メチルウンベリ
フェリル・フォスフェイト100mgを加えゆっくりと
混合した後、ペトリデッシュへ約20mlづつ分注し冷
却固化させることにより作成した。 (実施例4)MRSA検出抗菌剤含有、発色性もしくは
発光性合成基質を用いた、グラム陰性菌群の発育抑制剤
添加、2%塩化ナトリウム加羊血液寒天培地 ミュラーヒントン寒天培地38gと塩化ナトリウム20
g、5−ブロモ−3−インドリル−β−D−ガラクトシ
ド360mgを精製水940mlに懸濁溶解後、オート
クレーブで121℃、15分間減菌する。減菌後50℃
付近まで冷却し、羊血液50ml、減菌精製水5mlに
溶解したポリミキシンB10mg・アズスレオナム10
mg・オキサシリン6mg、精製水に溶解し濾過減菌し
た4−メチルウンベリフェリル・フォスフェイト100
mgを加えゆっくりと混合した後、ペトリデッシュへ約
20mlづつ分注し冷却固化させることにより作成し
た。
て詳細に説明する。 (実施例1)2%塩化ナトリウム加羊血液寒天培地 ミュラーヒントン寒天培地(Mueller Hinton Agar )3
8gと塩化ナトリウム20gを精製水950mlに懸濁
溶解後、オートクレーブで121℃、15分間減菌す
る。減菌後50℃付近まで冷却し、羊血液500mlを
加えゆっくりと混合した後に、ペトリデッシュへ約20
mlづつ分注し冷却固化させることにより作成した。 (実施例2)グラム陰性菌群の発育抑制剤を添加した2
%塩化ナトリウム加羊血液寒天培地 ミュラーヒントン寒天培地38gと塩化ナトリウム20
gを精製水950mlに懸濁溶解後、オートクレーブで
121℃、15分間減菌する。減菌後50℃付近まで冷
却し、羊血液50ml、減菌精製水5mlに溶解したポ
リミキシンB10mg・アズスレオナム10mgを加え
ゆっくりと混合した後、ペトリデッシュへ約20mlづ
つ分注し冷却固化させることにより作成した。 (実施例3)発色性もしくは発光性合成基質を用いたグ
ラム陰性菌群の発育抑制剤添加、2%塩化ナトリウム加
羊血液寒天培地 ミュラーヒントン寒天培地38gと塩化ナトリウム20
g、5−ブロモ−3−インドリル−β−D−ガラクトシ
ド360mgを精製水940mlに懸濁溶解後、オート
クレーブで121℃、15分間減菌する。減菌後50℃
付近まで冷却し、羊血液50ml、減菌精製水5mlに
溶解したポリミキシンB10mg・アズスレオナム10
mg、精製水に溶解し濾過減菌した4−メチルウンベリ
フェリル・フォスフェイト100mgを加えゆっくりと
混合した後、ペトリデッシュへ約20mlづつ分注し冷
却固化させることにより作成した。 (実施例4)MRSA検出抗菌剤含有、発色性もしくは
発光性合成基質を用いた、グラム陰性菌群の発育抑制剤
添加、2%塩化ナトリウム加羊血液寒天培地 ミュラーヒントン寒天培地38gと塩化ナトリウム20
g、5−ブロモ−3−インドリル−β−D−ガラクトシ
ド360mgを精製水940mlに懸濁溶解後、オート
クレーブで121℃、15分間減菌する。減菌後50℃
付近まで冷却し、羊血液50ml、減菌精製水5mlに
溶解したポリミキシンB10mg・アズスレオナム10
mg・オキサシリン6mg、精製水に溶解し濾過減菌し
た4−メチルウンベリフェリル・フォスフェイト100
mgを加えゆっくりと混合した後、ペトリデッシュへ約
20mlづつ分注し冷却固化させることにより作成し
た。
【0014】なお、実施例1〜4において使用する寒天
基礎培地は、ミュラーヒントン寒天培地の代わりにトリ
プティケースソイ寒天培地(Trypticase Soy Agar)、ハ
ートインフュージョン寒天培地(Heart Infusion Aga
r)、ブレインハートインフュージョン寒天培地(Brain
Heart Infusion Agar) 、コロンビア寒天基礎培地(Colu
mbia Agar Base)、ベアード−パーカー寒天基礎培地(B
aird-Paker Agar Base)など、いずれの基礎培地を用い
ても良い。
基礎培地は、ミュラーヒントン寒天培地の代わりにトリ
プティケースソイ寒天培地(Trypticase Soy Agar)、ハ
ートインフュージョン寒天培地(Heart Infusion Aga
r)、ブレインハートインフュージョン寒天培地(Brain
Heart Infusion Agar) 、コロンビア寒天基礎培地(Colu
mbia Agar Base)、ベアード−パーカー寒天基礎培地(B
aird-Paker Agar Base)など、いずれの基礎培地を用い
ても良い。
【0015】次に、上記本発明の寒天培地を用いた抗菌
剤耐性菌の検出と有効抗菌剤選択試験法について詳細に
説明する。 (試験方法)上記実施例1〜4に示した培地を用い、分
離純培養した黄色ブドウ球菌を培地面に塗布し、ミノマ
イシン(MINO)30μg、バンコマイシン(VCM) 30μ
g、イミペネム(IPM) 10μgをそれぞれ含浸させたペ
ーパーディスクを前記被検菌を塗布した培地面に接触さ
せることにより、抗菌活性測定の有用性を調べた。有効
抗菌剤選択試験成績を表1に示す。表1中の数値は、各
抗菌剤の発育阻止円の直径(単位はmm)を示す。な
お、比較例1として抗菌剤の抗菌活性測定の標準法とさ
れているミュラーヒントン寒天培地を使用し、比較例2
として4%塩化ナトリウム添加ミュラーヒントン寒天培
地を使用した。
剤耐性菌の検出と有効抗菌剤選択試験法について詳細に
説明する。 (試験方法)上記実施例1〜4に示した培地を用い、分
離純培養した黄色ブドウ球菌を培地面に塗布し、ミノマ
イシン(MINO)30μg、バンコマイシン(VCM) 30μ
g、イミペネム(IPM) 10μgをそれぞれ含浸させたペ
ーパーディスクを前記被検菌を塗布した培地面に接触さ
せることにより、抗菌活性測定の有用性を調べた。有効
抗菌剤選択試験成績を表1に示す。表1中の数値は、各
抗菌剤の発育阻止円の直径(単位はmm)を示す。な
お、比較例1として抗菌剤の抗菌活性測定の標準法とさ
れているミュラーヒントン寒天培地を使用し、比較例2
として4%塩化ナトリウム添加ミュラーヒントン寒天培
地を使用した。
【0016】
【表1】
【0017】(考察)MRSAの代表的治療薬である3
種の抗菌剤の抗菌活性測定値は6種の培地間で有用な成
績の相違は認められず充分に機能を発揮しうることがわ
かった。なお、実施例1の培地では、ブドウ球菌属の抗
菌剤存在中での発育性促進が見られ、2%塩化ナトリウ
ムによる発育抑制が他菌種の一部に見られた。実施例2
では、実施例1の培地の機能に加えて、実施例1の培地
に発育するグラム陰性桿菌群の発育抑制が見られた。実
施例3では、実施例2の培地の機能に加えて、実施例2
の培地に発育する菌種集落のβ−ガラクトシダーゼ(青
色)、アルカリフォスファターゼ(蛍光)検出による菌
種推定が可能となった。実施例4では、実施例3の培地
の機能に加えて、メチシリン耐性の黄色ブドウ球菌、エ
ンテロコッカス属などが発育した。
種の抗菌剤の抗菌活性測定値は6種の培地間で有用な成
績の相違は認められず充分に機能を発揮しうることがわ
かった。なお、実施例1の培地では、ブドウ球菌属の抗
菌剤存在中での発育性促進が見られ、2%塩化ナトリウ
ムによる発育抑制が他菌種の一部に見られた。実施例2
では、実施例1の培地の機能に加えて、実施例1の培地
に発育するグラム陰性桿菌群の発育抑制が見られた。実
施例3では、実施例2の培地の機能に加えて、実施例2
の培地に発育する菌種集落のβ−ガラクトシダーゼ(青
色)、アルカリフォスファターゼ(蛍光)検出による菌
種推定が可能となった。実施例4では、実施例3の培地
の機能に加えて、メチシリン耐性の黄色ブドウ球菌、エ
ンテロコッカス属などが発育した。
【0018】また、実施例1〜4の培地上の菌集落は、
外見上からの鑑別が容易で、かつ黄色ブドウ球菌の特徴
であるコアグラーゼ試験が培地上の菌集落から直接実施
できる。比較例1、2の培地では、発育が極めて悪いた
め抗菌剤による発育阻止円の判読すら難しく不正確であ
り、また菌集落の外見上からの菌種鑑別は極めて困難で
ある。
外見上からの鑑別が容易で、かつ黄色ブドウ球菌の特徴
であるコアグラーゼ試験が培地上の菌集落から直接実施
できる。比較例1、2の培地では、発育が極めて悪いた
め抗菌剤による発育阻止円の判読すら難しく不正確であ
り、また菌集落の外見上からの菌種鑑別は極めて困難で
ある。
【0019】
【発明の効果】本発明の寒天培地は、被検体中で同一菌
種で耐性菌と感受性菌が混在している場合でも、同一培
地上で一目瞭然に検出確認ができ、同時にMRSAもし
くはMSSA(メチシリン感受性黄色ブドウ球菌)であ
っても有効薬剤の判定が可能であり、しかも本発明の寒
天培地を用いた抗菌剤耐性菌の検出と有効抗菌剤選択試
験法は、経済的にも作業効率上も検査時間短縮上からも
有益性の高いものとなった。
種で耐性菌と感受性菌が混在している場合でも、同一培
地上で一目瞭然に検出確認ができ、同時にMRSAもし
くはMSSA(メチシリン感受性黄色ブドウ球菌)であ
っても有効薬剤の判定が可能であり、しかも本発明の寒
天培地を用いた抗菌剤耐性菌の検出と有効抗菌剤選択試
験法は、経済的にも作業効率上も検査時間短縮上からも
有益性の高いものとなった。
Claims (5)
- 【請求項1】 細菌発育支持物質を含むと共に、0.8
〜5%の高張圧調整剤、及び1〜10%の動物血液を含
むことを特徴とする寒天培地。 - 【請求項2】 ポリペプチド系抗菌剤とモノバクタム系
抗菌剤、グラム陰性菌の発育抑制・阻止剤、非対象グラ
ム陽性菌の発育抑制・阻止剤を単独もしくは組合せて含
むことを特徴とする請求項1記載の寒天培地。 - 【請求項3】 特定の生化学的性状を検出するための卵
黄液などの成分、発色性・発光性合成基質もしくは代謝
産物検出剤を含むことを特徴とする請求項1又は2記載
の寒天培地。 - 【請求項4】 請求項1〜3記載の寒天培地に抗菌剤を
含有させたものに、環境材料、臨床材料、保菌者調査材
料、魚介類、農産物、加工食品などを直接もしくは増菌
培養後の被検体を塗布して培養し、抗菌剤耐性菌を検出
することを特徴とする抗菌剤耐性菌の検出と有効抗菌剤
選択試験法。 - 【請求項5】 請求項1〜3記載の寒天培地に環境材
料、臨床材料、保菌者調査材料、魚介類、農産物、加工
食品などを直接もしくは増菌培養後の被検体を塗布し、
単一の抗菌剤又は複数の抗菌剤を混合したもの、もしく
はこれらの抗菌剤とpH緩衝化剤、生化学的な性状を検
出・発現させるための成分を付加し含有させた保持体と
を接触させ培養し、菌種特有の生化学的性状の検出と有
効抗菌剤の選択と抗菌剤耐性菌を検出することを特徴と
する抗菌剤耐性菌の検出と有効抗菌剤選択試験法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4694593A JPH06253892A (ja) | 1993-03-08 | 1993-03-08 | 寒天培地及びこの寒天培地を用いた抗菌剤耐性菌の検出と有効抗菌剤選択試験法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4694593A JPH06253892A (ja) | 1993-03-08 | 1993-03-08 | 寒天培地及びこの寒天培地を用いた抗菌剤耐性菌の検出と有効抗菌剤選択試験法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06253892A true JPH06253892A (ja) | 1994-09-13 |
Family
ID=12761442
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4694593A Pending JPH06253892A (ja) | 1993-03-08 | 1993-03-08 | 寒天培地及びこの寒天培地を用いた抗菌剤耐性菌の検出と有効抗菌剤選択試験法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06253892A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002034553A (ja) * | 2000-07-24 | 2002-02-05 | Eiken Chem Co Ltd | Mrsaスクリーニング用培地 |
JP2005519623A (ja) * | 2002-03-13 | 2005-07-07 | クレイトン ユニヴァーシティー | 抗生物質不活性化酵素を検出するための装置及び方法 |
JP2012105643A (ja) * | 2010-10-28 | 2012-06-07 | Eiken Chemical Co Ltd | 薬剤耐性菌検出用ディスク試験片 |
JP2015126756A (ja) * | 2015-04-10 | 2015-07-09 | 栄研化学株式会社 | 卵黄液による発色反応および/または蛍光発色反応増強作用 |
CN112877399A (zh) * | 2021-01-20 | 2021-06-01 | 中国水产科学研究院黑龙江水产研究所 | 一种鲑鳟鱼致病菌药敏检测方法、药敏检测试剂盒及制备方法 |
-
1993
- 1993-03-08 JP JP4694593A patent/JPH06253892A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002034553A (ja) * | 2000-07-24 | 2002-02-05 | Eiken Chem Co Ltd | Mrsaスクリーニング用培地 |
JP4583559B2 (ja) * | 2000-07-24 | 2010-11-17 | 栄研化学株式会社 | Mrsaスクリーニング用培地 |
JP2005519623A (ja) * | 2002-03-13 | 2005-07-07 | クレイトン ユニヴァーシティー | 抗生物質不活性化酵素を検出するための装置及び方法 |
JP2012105643A (ja) * | 2010-10-28 | 2012-06-07 | Eiken Chemical Co Ltd | 薬剤耐性菌検出用ディスク試験片 |
JP2016168058A (ja) * | 2010-10-28 | 2016-09-23 | 栄研化学株式会社 | 薬剤耐性菌検出用ディスク試験片 |
JP2015126756A (ja) * | 2015-04-10 | 2015-07-09 | 栄研化学株式会社 | 卵黄液による発色反応および/または蛍光発色反応増強作用 |
CN112877399A (zh) * | 2021-01-20 | 2021-06-01 | 中国水产科学研究院黑龙江水产研究所 | 一种鲑鳟鱼致病菌药敏检测方法、药敏检测试剂盒及制备方法 |
CN112877399B (zh) * | 2021-01-20 | 2023-05-16 | 中国水产科学研究院黑龙江水产研究所 | 一种鲑鳟鱼致病菌药敏检测方法、药敏检测试剂盒及制备方法 |
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