JP2016168058A - 薬剤耐性菌検出用ディスク試験片 - Google Patents

薬剤耐性菌検出用ディスク試験片 Download PDF

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Abstract

【課題】抗菌薬の安定性を損なわず、短時間で容易かつ正確に薬剤耐性菌の検出が可能な方法および検出用ディスク試験片の提供。
【解決手段】抗菌薬を含有しているディスク試験片と検出対象菌が増殖可能な固体培地を組み合わせて用いる多剤耐性菌の検出方法であって、ディスク試験片が、カルバペネム系抗菌薬、フルオロキノロン系抗菌薬およびアミノグリコシド系抗菌薬からなる少なくとも3種の抗菌薬を含有していることを特徴とする方法および検出用ディスク試験片。抗菌薬を含有しているディスク試験片と検出対象菌が増殖可能な固体培地を組み合わせて用いるバンコマイシン耐性菌の検出法であって、ディスク試験片が、(a)ポリペプチド系抗菌薬、モノバクタム系抗菌薬、キノロン系抗菌薬から選択される2種以上の系統の抗菌薬および(b)グリコペプチド系抗菌薬からなる少なくとも3種の抗菌薬を含有していることを特徴とする方法および検出用ディスク試験片。
【選択図】なし

Description

本発明は、薬剤耐性菌の検出方法に関する。より詳細には、多剤耐性緑膿菌(multidrug-resistant Pseudomonas aeruginosa:MDRP)、多剤耐性アシネトバクター(multidrug-resistant Acinetobacter species)、バンコマイシン耐性腸球菌(vancomycin-resistant enterococci:VRE)、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌(vancomycin-resistant Staphylococcus aureus:VRSA)、バンコマイシン中程度耐性黄色ブドウ球菌(vancomycin-intermediate Staphylococcus aureus:VISA)などの薬剤耐性菌の検出方法およびそれに用いる検出用ディスク試験片に関する。
シュードモナス・エルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)(以下、緑膿菌という。)やアシネトバクター(Acinetobacter)属菌、エンテロコッカス(Enterococcus)属菌(以下、腸球菌という。)は弱毒性であるため、健常者の体内に入っても感染症を発症することはほとんどないが、癌、免疫不全などの疾患、あるいは術後の抵抗力の低下した患者などでは感染症を発症しやすい日和見感染菌である。一方、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus、以下、黄色ブドウ球菌という。)は、ヒトに対する病原性が強い菌である。
近年、多剤耐性緑膿菌や多剤耐性アシネトバクターなどの多剤耐性菌による院内感染が急増し、国内外の臨床現場で深刻な問題となっている(非特許文献1、2)。そのため、国内の感染症法に基づいて薬剤感受性試験が実施され、イミペネムなどのカルバペネム系、シプロフロキサシンなどのフルオロキノロン系、アミカシンなどのアミノグリコシド系の3系統の薬剤に耐性を示す緑膿菌は多剤耐性緑膿菌と判定されている(非特許文献3)。また、多剤耐性アシネトバクターは、国内において、アシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii)などのアシネトバクター属菌のうち、カルバペネム、フルオロキノロン、アミノグリコシドの3系統の抗菌薬に耐性を示すものを多剤耐性アシネトバクターと判定している(非特許文献4)。
バンコマイシン耐性腸球菌は、院内感染の重要な原因菌として世界的に問題視されている薬剤耐性菌である(非特許文献5)。感染症法に基づいて、腸球菌(コリスチンなどのポリペプチド系薬剤、ナリジクス酸などのキノロン系薬剤によって抑制されない)のうち、バンコマイシン耐性の特性を示すものをバンコマイシン耐性腸球菌と判定している。一方、バンコマイシンに耐性を示す黄色ブドウ球菌であるバンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌やバンコマイシン中程度耐性黄色ブドウ球菌も、また、世界的に注目されている薬剤耐性菌である(非特許文献6)。国内の感染症法に基づいて、黄色ブドウ球菌(コリスチンなどのポリペプチド系薬剤、ナリジクス酸などのキノロン系薬剤によって抑制されない)のうち、バンコマイシン耐性の特性を示すものを、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌と判定しているが、国際的な基準である臨床・検査標準協会(Clinical and Laboratory Standards Institute:CLSI)の方法では、バンコマイシン耐性の程度により、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌、バンコマイシン中程度耐性黄色ブドウ球菌を判別している。
薬剤感受性試験法の一方法として、抗菌薬を含浸させたディスク試験片を用いるディスク拡散法が、従来から実施されている。緑膿菌の薬剤感受性試験では、被検菌を塗布した寒天培地上にイミペネム、シプロフロキサシン、アミカシンを単剤ずつ含浸させた3枚のディスク試験片を置いて培養した後、ディスク試験片の周辺に形成される阻止円を計測することにより多剤耐性菌か否かの判定が行われる(非特許文献3)。一方、腸球菌の薬剤感受性試験では、被検菌を塗布した寒天培地上にバンコマイシンを含浸させたディスク試験片を置いて培養した後、ディスク試験片の周辺に形成される阻止円を計測することにより耐性菌か否かの判定が行われる。
薬剤耐性菌の検出は、従来、血液寒天培地などの選択性の無い培地を用いて試料を培養後、発育した菌の中から検出対象菌であると推定されるコロニーを釣菌し、検出対象菌の培養に適した培地を用いて純粋培養し、その後、確認試験、薬剤感受性試験(微量液体希釈法、ディスク拡散法など)を行うことにより実施されてきた。しかし、この方法は、結果が得られるまでに約72時間以上という長時間がかかる上、分離培養後に数十〜数千コロニーの中から検出対象菌を疑うコロニー全てを釣菌して各コロニーを別のシャーレの培地で培養するため、煩雑な作業、熟練した技術および数多くの枚数の培地を要する方法である。更に、コロニーを釣菌する際には検出対象の薬剤耐性菌を釣菌し逃す可能性もある。そのため、短時間に簡便かつ正確に薬剤耐性菌を検出できる方法が望まれている。
多剤耐性緑膿菌の簡便な検出方法として、培地にイミペネム、シプロフロキサシン、アミカシンの3種の抗菌薬を添加したスクリーニング培地が開示されている(特許文献1)。しかし、一般的に、選択剤として抗菌薬を添加した培地は、作製後、抗菌薬の力価が経時的に低下するため、有効期限が短いという問題がある。特許文献1は、培地にイミペネム、シプロフロキサシン、アミカシンを添加した多剤耐性緑膿菌スクリーニング培地が、4℃、4週間保存後まで安定であることを開示しているが、それより長い期間保存した場合においても安定であることは記載していない。
特開2010−098950号公報
浅利誠志ら,臨床と微生物,34(2),119−123,2007 高田 徹,病原体微生物検出情報(IASR),31,197−198,2010 松本哲哉,モダンメディア,53(3),74−79,2007 山根一和ら,病原体微生物検出情報(IASR),31,201−202,2010 谷本弘一ら,モダンメディア,53(6),140−147,2007 網中眞由美ら,順天堂医学,54(3),328−336,2008
本発明は、上記の現状に鑑みてなされたものであり、抗菌薬の安定性を損なわずに、短時間で容易かつ正確に薬剤耐性菌の検出が可能な方法およびそれに用いるディスク試験片を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、カルバペネム系抗菌薬、フルオロキノロン系抗菌薬およびアミノグリコシド系抗菌薬からなる少なくとも3種の抗菌薬を含有しているディスク試験片と緑膿菌、アシネトバクター属菌などが増殖可能な固体培地を組み合わせて用い、培地上の薬剤拡散領域内のコロニーの有無を目視で観察するのみで、短時間で容易かつ正確に多剤耐性緑膿菌、多剤耐性アシネトバクターなどの多剤耐性菌を検出できることを見出した。更に、本発明者らは、(a)ポリペプチド系抗菌薬、モノバクタム系抗菌薬、キノロン系抗菌薬から選択される2種以上の系統の抗菌薬および(b)グリコペプチド系抗菌薬からなる少なくとも3種の抗菌薬を含有しているディスク試験片と腸球菌、黄色ブドウ球菌などが増殖可能な固体培地を組み合わせて用い、培地上の薬剤拡散領域内のコロニーの有無を目視で観察するのみで、短時間で容易かつ正確にバンコマイシン耐性腸球菌、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌、バンコマイシン中程度耐性黄色ブドウ球菌などのバンコマイシン耐性菌を検出できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下のような構成からなるものである。
(1)抗菌薬を含有しているディスク試験片と検出対象菌が増殖可能な固体培地を組み合わせて用いる薬剤耐性菌検出方法であって、前記ディスク試験片が3種以上の系統の抗菌薬を含有していることを特徴とする方法。
(2)抗菌薬が、以下の(a)、(b)および(c)からなる少なくとも3種を含むことを特徴とする(1)に記載の方法。
(a)カルバペネム系抗菌薬
(b)フルオロキノロン系抗菌薬
(c)アミノグリコシド系抗菌薬
(3)1ディスク当たりの含有量がそれぞれ、カルバペネム系抗菌薬 0.001〜1,500μg、フルオロキノロン系抗菌薬 0.001〜1,500μg、アミノグリコシド系抗菌薬 0.001〜1,500μgであることを特徴とする(2)に記載の方法。
(4)検出対象菌が多剤耐性菌であることを特徴とする(1)から(3)のいずれか1項に記載の方法。
(5)固体培地が血液寒天培地、チョコレート寒天培地、ドリガルスキー改良培地(BTB乳糖寒天培地)、ハートインフュジョン寒天培地、ブレインハートインフュジョン寒天培地、トリプトソイ寒天培地(SCD寒天培地)、普通寒天培地、標準寒天培地、マッコンキー寒天培地、DHL寒天培地およびNAC寒天培地から選択されることを特徴とする(4)に記載の方法。
(6)抗菌薬が、以下の(a)および(b)からなる少なくとも3種を含むことを特徴とする(1)に記載の方法。
(a)ポリペプチド系抗菌薬、モノバクタム系抗菌薬およびキノロン系抗菌薬から選択される2種以上の系統の抗菌薬
(b)グリコペプチド系抗菌薬
(7)1ディスク当たりの含有量がそれぞれ、ポリペプチド系抗菌薬 0.001〜1,500μg、モノバクタム系抗菌薬 0.001〜1,500μg、キノロン系抗菌薬 0.001〜1,500μg、グリコペプチド系抗菌薬 0.001〜1,500μgであることを特徴とする(6)に記載の方法。
(8)検出対象菌がバンコマイシン耐性菌であることを特徴とする(1)、(6)または(7)に記載の方法。
(9)固体培地が血液寒天培地、チョコレート寒天培地、ドリガルスキー改良培地(BTB乳糖寒天培地)、ハートインフュジョン寒天培地、ブレインハートインフュジョン寒天培地、トリプトソイ寒天培地(SCD寒天培地)、普通寒天培地、標準寒天培地、胆汁-エスクリン-アジド寒天培地、KF連鎖球菌寒天培地、マンニット食塩培地、卵黄加マンニット食塩培地、エッグヨーク食塩培地、スタフィロコッカスNo.110培地およびベアード・パーカー寒天培地から選択されることを特徴とする(8)に記載の方法。
(10)3種以上の系統の抗菌薬を含有していることを特徴とする薬剤耐性菌検出用のディスク試験片。
(11)抗菌薬が、以下の(a)、(b)および(c)からなる少なくとも3種を含むことを特徴とする(10)に記載のディスク試験片。
(a)カルバペネム系抗菌薬
(b)フルオロキノロン系抗菌薬
(c)アミノグリコシド系抗菌薬
(12)1ディスク当たりの含有量がそれぞれ、カルバペネム系抗菌薬 0.001〜1,500μg、フルオロキノロン系抗菌薬 0.001〜1,500μg、アミノグリコシド系抗菌薬 0.001〜1,500μgであることを特徴とする(11)に記載のディスク試験片。
(13)薬剤耐性菌が多剤耐性菌であることを特徴とする(10)から(12)のいずれか1項に記載のディスク試験片。
(14)抗菌薬が、以下の(a)および(b)からなる少なくとも3種を含むことを特徴とする(10)に記載のディスク試験片。
(a)ポリペプチド系抗菌薬、モノバクタム系抗菌薬およびキノロン系抗菌薬から選択される2種以上の系統の抗菌薬
(b)グリコペプチド系抗菌薬
(15)1ディスク当たりの含有量がそれぞれ、ポリペプチド系抗菌薬 0.001〜1,500μg、モノバクタム系抗菌薬 0.001〜1,500μg、キノロン系抗菌薬 0.001〜1,500μg、グリコペプチド系抗菌薬 0.001〜1,500μgであることを特徴とする(14)に記載のディスク試験片。
(16)薬剤耐性菌がバンコマイシン耐性菌であることを特徴とする(10)、(14)または(15)に記載のディスク試験片。
(17)試料を塗布した固体培地に、(11)〜(13)のいずれか1項に記載のディスク試験片を載せ、20〜40℃で15〜48時間培養後、ディスク試験片の周囲の薬剤拡散領域内に菌が生育したとき、その試料に多剤耐性菌が含まれると判定する方法。
(18)試料を塗布した固体培地に、(14)〜(16)のいずれか1項に記載のディスク試験片を載せ、20〜40℃で15〜48時間培養後、ディスク試験片の周囲の薬剤拡散領域内に菌が生育したとき、その試料にバンコマイシン耐性菌が含まれると判定する方法。
本発明のディスク試験片を検出対象菌が増殖可能な固体培地と組み合わせて用いることにより、培地上の薬剤拡散領域内のコロニーの有無を目視で観察するのみで、効率的、容易かつ正確な多剤耐性菌またはバンコマイシン耐性菌の検出が可能となる。分離培養後に大量のコロニーの釣菌を行う必要がないため、従来の分離培養法に比べて検出に要する時間、操作上の手間および培地にかかる試薬コストを大幅に削減でき、釣菌し逃しによる偽陰性を無くすことができる。さらに本発明のディスク試験片は、抗菌薬の安定性を損なわずに長期保存でき、経済性に優れるという効果も有する。
図1は、本発明のディスク試験片を羊血液寒天培地上に置いて、3剤耐性緑膿菌(3R)、2剤耐性緑膿菌(2R)または感受性の緑膿菌(S)を培養した後のディスク試験片周囲における菌の発育有無(阻止円の状態)を示す写真である。(実施例2.A) 図2は、本発明のディスク試験片を羊血液寒天培地上に置いて、3剤耐性緑膿菌(3R)または感受性の緑膿菌(S)と、大腸菌およびクレブシエラ・ニューモニエを混合培養した後のディスク試験片周囲における菌の発育有無(阻止円の状態)を示す写真である。(実施例2.B) 図3は、本発明のディスク試験片を羊血液寒天培地上に置いて、3剤耐性緑膿菌(3R)または感受性の緑膿菌(S)と、大腸菌、クレブシエラ・ニューモニエおよびエンテロコッカス・フェカリスを混合培養した後のディスク試験片周囲における菌の発育有無(阻止円の状態)を示す写真である。(実施例2.B) 図4は、本発明のディスク試験片を羊血液寒天培地上に置いて、バンコマイシン耐性の腸球菌(エンテロコッカス・フェカリス(VRE))またはバンコマイシン感受性の腸球菌(エンテロコッカス・フェカリス)と、大腸菌および緑膿菌を混合培養した後のディスク試験片周囲における菌の発育有無(阻止円の状態)を示す写真である。(実施例7)
本明細書は、本願の優先権の基礎である特願2010−241663号の明細書に記載された内容を包含する。
本発明では、1枚の試験片に3種以上の系統の抗菌薬が含浸されているディスク試験片を、試験菌含有試料が塗布された固体培地上に置いて培養することにより、短時間で効率よく簡易、正確な薬剤耐性菌検出が可能になる。
本発明の検出対象菌は、3系統以上の抗菌薬に耐性を示す(抑制されない)薬剤耐性菌であれば特に限定されない。例えば、多剤耐性緑膿菌、多剤耐性アシネトバクター、バンコマイシン耐性腸球菌、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌、バンコマイシン中程度耐性黄色ブドウ球菌などが例として挙げられる。なお、本発明において、バンコマイシン耐性腸球菌、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌、バンコマイシン中程度耐性黄色ブドウ球菌などのバンコマイシンに耐性を示す菌を「バンコマイシン耐性菌」という。
本発明では、少なくとも3種類の系統の抗菌薬をディスク試験片に含浸させるが、抗菌薬の系統は、検出対象とする薬剤耐性菌ごとに設定することができる。また、抗菌薬は各系統に属するものであれば特に限定されるものでなく、治療薬または試薬から適宜選択することができる。更に、原末の場合は適当な溶媒に溶解して使用することができる。例えば、検出対象が多剤耐性緑膿菌、多剤耐性アシネトバクターなどの多剤耐性菌である場合は、少なくともカルバペネム系抗菌薬、フルオロキノロン系抗菌薬およびアミノグリコシド系抗菌薬をディスク試験片に含浸させる。一方、検出対象がバンコマイシン耐性腸球菌、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌、バンコマイシン中程度耐性黄色ブドウ球菌などのバンコマイシン耐性菌である場合は、少なくともポリペプチド系抗菌薬、キノロン系抗菌薬およびグリコペプチド系抗菌薬をディスク試験片に含浸させるか、少なくともモノバクタム系抗菌薬、キノロン系抗菌薬およびグリコペプチド系抗菌薬をディスク試験片に含浸させるか、または少なくともポリペプチド系抗菌薬、モノバクタム系抗菌薬およびグリコペプチド系抗菌薬をディスク試験片に含浸させる。使用できるカルバペネム系抗菌薬、フルオロキノロン系抗菌薬およびアミノグリコシド系抗菌薬の具体例を以下の表1、ポリペプチド系抗菌薬、モノバクタム系抗菌薬、キノロン系抗菌薬およびグリコペプチド系抗菌薬の具体例を表2に示す。これらの薬剤は通常は塩として流通している。
本発明のディスク試験片の抗菌薬含有量は、固体培地に載せて培養した後に前記ディスク試験片の周囲の薬剤拡散領域内において抗菌薬に感受性の菌は生育せず、検出対象菌(抗菌薬に耐性)のみが生育する量とする。そのような量は、固体培地上からの各薬剤の拡散性や培養時間(拡散時間)および検出対象菌に対する抗菌効果の強度などを考慮して適量に設定する。例えば、多剤耐性緑膿菌、多剤耐性アシネトバクターなどの多剤耐性菌を検出する場合、1ディスク当たりの含有量をそれぞれ、カルバペネム系抗菌薬 0.001〜1,500μg、フルオロキノロン系抗菌薬 0.001〜1,500μg、アミノグリコシド系抗菌薬 0.001〜1,500μgの範囲とすることが好ましく、カルバペネム系抗菌薬 1〜1,500μg、フルオロキノロン系抗菌薬 1〜1,500μg、アミノグリコシド系抗菌薬 1〜1,500μgの範囲とすることがより好ましい。一方、バンコマイシン耐性腸球菌、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌、バンコマイシン中程度耐性黄色ブドウ球菌などのバンコマイシン耐性菌を検出する場合は、1ディスク当たりの含有量をそれぞれ、ポリペプチド系抗菌薬 0.001〜1,500μg、モノバクタム系抗菌薬 0.001〜1,500μg、キノロン系抗菌薬 0.001〜1,500μg、グリコペプチド系抗菌薬 0.001〜1,500μgとすることが好ましく、ポリペプチド系抗菌薬 1〜1,500μg、モノバクタム系抗菌薬 1〜1,500μg、キノロン系抗菌薬 1〜1,500μg、グリコペプチド系抗菌薬 1〜1,500μgとすることがより好ましい。
本発明のディスク試験片は、必要に応じて、抗菌薬以外にpH緩衝剤、その他の成分を更に含浸させることも可能である。
本発明のディスク試験片は、試験菌を含む試料が塗布された固体培地表面上に置いて培養する。試料の塗布方法や条件などは、通常の分離培養などで採用されている方法で行うことができる。一方、培養温度と時間は、検出対象菌および抗菌薬の拡散性に応じて適宜決定可能である。培養温度は、通常、細菌が発育可能な温度とすることができ、具体的には、20〜40℃とすることが好ましく、25〜37℃とすることがより好ましく、35〜37℃とすることが更に好ましい。また、培養時間は、15〜48時間とすることが好ましく、18時間〜24時間とすることが更に好ましい。
上記培養により、固体培地表面に置かれた各抗菌薬は、固体培地表面および内部を拡散する。試料に含まれる試験菌が多剤耐性緑膿菌、多剤耐性アシネトバクターなどの多剤耐性菌であれば、カルバペネム系抗菌薬、フルオロキノロン系抗菌薬およびアミノグリコシド系抗菌薬を含有している本発明のディスク試験片を載せた固体培地上のディスク試験片周囲の薬剤拡散領域内に生育し、コロニーを生成する。一方、試料に含まれる試験菌がバンコマイシン耐性腸球菌、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌、バンコマイシン中程度耐性黄色ブドウ球菌などのバンコマイシン耐性菌であれば、ポリペプチド系抗菌薬、キノロン系抗菌薬およびグリコペプチド系抗菌薬を含有している本発明のディスク試験片を載せた固体培地上のディスク試験片周囲の薬剤拡散領域内に生育し、コロニーを生成する。また、試料に含まれる試験菌がバンコマイシン耐性腸球菌、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌、バンコマイシン中程度耐性黄色ブドウ球菌などのバンコマイシン耐性菌である場合は、モノバクタム系抗菌薬、キノロン系抗菌薬およびグリコペプチド系抗菌薬を含有している本発明のディスク試験片を載せた固体培地上のディスク試験片周囲の薬剤拡散領域内においても生育し、コロニーを生成する。更に、試料に含まれる試験菌がバンコマイシン耐性腸球菌、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌、バンコマイシン中程度耐性黄色ブドウ球菌などのバンコマイシン耐性菌である場合は、ポリペプチド系抗菌薬、モノバクタム系抗菌薬およびグリコペプチド系抗菌薬を含有している本発明のディスク試験片を載せた固体培地上のディスク試験片周囲の薬剤拡散領域内においても生育し、コロニーを生成する。
本発明で用いられる固体培地は、炭素源、窒素源などの栄養分を含み、検出対象菌の増殖が可能な固体培地であれば、特に限定されない。通常の分離培養に使用される培地を用いることができ、血液寒天培地、チョコレート寒天培地、ドリガルスキー改良培地(BTB乳糖寒天培地)、ハートインフュジョン寒天培地、ブレインハートインフュジョン寒天培地、トリプトソイ寒天培地(SCD寒天培地)、普通寒天培地、標準寒天培地などが例として挙げられる。固体培地は、更に、検出対象菌以外の菌を抑制する選択剤を含んでいてもよい。例えば、検出対象が多剤耐性緑膿菌、多剤耐性アシネトバクターなどの多剤耐性菌である場合、マッコンキー寒天培地、DHL寒天培地、NAC寒天培地などを使用することもできる。一方、検出対象がバンコマイシン耐性腸球菌である場合、胆汁-エスクリン-アジド寒天培地、KF連鎖球菌寒天培地などを使用することもできる。また、検出対象がバンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌、バンコマイシン中程度耐性黄色ブドウ球菌である場合、マンニット食塩培地、卵黄加マンニット食塩培地、エッグヨーク食塩培地、スタフィロコッカスNo.110培地、ベアード・パーカー寒天培地などを使用することもできる。
培地に用いられる固化剤としては、寒天、アガロースなど通常使用されているものを使用できる。固体培地には、更に、酵素基質が含まれていても本発明の作用が影響されることはない。
本発明のディスク試験片の材質は、適当な厚みがあり、抗菌薬を含浸、乾燥させ、固体培地上で抗菌薬を拡散させることができる材質であれば特に限定されない。また、形状はどのようなものでも使用可能であるが、円盤状、短冊状、矩形、もしくは更に、それを支持体上に貼付して用いることもできる。ディスクとして市販されているものもあるが、濾紙などを適当な形状および大きさに切断して使用することもできる。ディスク試験片の大きさは特に限定されないが、通常使用されている細菌培養用の直径9cm前後のシャーレ内の固体培地上に置いて使用することを考慮して、直径5〜13mmの円盤状とするか、幅3〜12mm、長さ15〜80mmの短冊状とするか、または、一辺5〜13mmの矩形状とすることが好ましい。
本発明で固体培地に塗布される試料は、薬剤耐性菌を含む可能性のある試料であれば特に限定されない。ヒト、他の動物の生体由来、環境、食品由来の検体、それらの培養液などが試料として挙げられる。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
なお、実施例2Aおよび2Bで使用した供試菌株一覧を以下の表3に、実施例3〜9で使用した供試菌株一覧を表4に示す。
(多剤耐性緑膿菌検出用ディスク試験片の作製)
カルバペネム系抗菌薬としてメロペネム、フルオロキノロン系抗菌薬としてシプロフロキサシン、アミノグリコシド系抗菌薬としてアミカシンを含浸させたディスク試験片を作製した。
(1)1ディスク当りの抗菌薬含有量
1ディスク当たりの各抗菌薬含有量は、以下に示したとおりである。
(2)抗菌薬溶液の調製
各抗菌薬を精製水に溶解し、メロペネムを500μg/mL、アミカシンを1,500μg/mL、シプロフロキサシンを500μg/mL含む溶液(溶液A)とした。更に、溶液Aを80%に希釈して溶液B、溶液Aを50%に希釈して溶液Cとした。
(3)抗菌薬含有ディスク試験片の作製
(2)で調製した溶液A、B、Cを直径6.35mmの濾紙ディスクに20μLずつ含浸させた。その後、ディスクを50℃で60分間乾燥させた。
(A.多剤耐性緑膿菌の検出)
実施例1で作製したディスク試験片を羊血液寒天培地上に置いて、3剤耐性緑膿菌、2剤耐性緑膿菌または感受性の緑膿菌を培養し、多剤耐性緑膿菌(3剤耐性緑膿菌)検出の効果を調べた。
(1)固体培地の準備
以下に示した培地成分を用い、121℃で15分間高圧滅菌し、50℃に冷却した後に羊血液を添加した。その後、培地を20mLずつシャーレに分注して固化した。
(2)菌の接種と培養
前培養した菌株を滅菌生理食塩水に懸濁し、McFarland No. 1の10倍希釈液を作製し、(1)で準備した羊血液寒天培地に一白金耳画線した。画線した培地に実施例1で作製したディスク試験片を置いた後、37℃で18時間培養し、判定を行った。
(3)結果
培養後の写真を結果として図1に示す。図1(1)〜(3)はそれぞれディスク試験片A〜Cを用いて3剤耐性緑膿菌(3R)を培養したもの、図1(4)〜(6)はそれぞれディスク試験片A〜Cを用いて2剤耐性緑膿菌(2R)を培養したもの、図1(7)〜(9)はそれぞれディスク試験片A〜Cを用いて感受性の緑膿菌(S)を培養したものである。ディスク試験片A〜Cいずれにおいても、3剤耐性緑膿菌はディスク試験片周囲の薬剤拡散領域内に生育し、コロニーを生成したが、2剤耐性緑膿菌および感受性の緑膿菌はディスク試験片の周囲に発育阻止が認められた。このことから、本発明のディスク試験片周囲に生成されるコロニーの有無を観察することにより、多剤耐性緑膿菌の検出が可能であることが示された。
(B.混合培養における多剤耐性緑膿菌の検出)
実施例1で作製したディスク試験片を羊血液寒天培地上に置いて、3剤耐性緑膿菌または感受性の緑膿菌をエシェリキア・コリ(Escherichia coli)(以下、大腸菌という。)、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)と混合培養し、多剤耐性緑膿菌(3剤耐性緑膿菌)検出の効果を調べた。
(1)固体培地の準備
実施例2.Aと同様とした。
(2)菌の接種と培養
前培養した各菌株を滅菌生理食塩水に懸濁し、McFarland No. 1の10倍希釈液を作製した後、等量混合し、(1)で準備した羊血液寒天培地に一白金耳画線した。画線した培地に実施例1で作製したディスク試験片を置いた後、37℃で18時間培養し、判定を行った。
(3)結果
培養後の写真を結果として図2および3に示す。図2(1)〜(3)はそれぞれディスク試験片A〜Cを用いて3剤耐性緑膿菌(3R)、大腸菌およびクレブシエラ・ニューモニエを混合培養したもの、図2(4)〜(6)はそれぞれディスク試験片A〜Cを用いて感受性の緑膿菌(S)、大腸菌およびクレブシエラ・ニューモニエを混合培養したものである。ディスク試験片A〜Cいずれにおいても、3剤耐性緑膿菌との混合培養ではディスク試験片周囲の薬剤拡散領域内に緑膿菌のコロニーが認められたが、感受性の緑膿菌との混合培養ではディスク試験片周囲の薬剤拡散領域内にいずれの菌の発育も認められなかった。
一方、図3(1)〜(3)はそれぞれディスク試験片A〜Cを用いて3剤耐性緑膿菌(3R)、大腸菌、クレブシエラ・ニューモニエおよびエンテロコッカス・フェカリスを混合培養したもの、図3(4)〜(6)はそれぞれディスク試験片A〜Cを用いて感受性の緑膿菌(S)、大腸菌、クレブシエラ・ニューモニエおよびエンテロコッカス・フェカリスを混合培養したものである。ディスク試験片A〜Cいずれにおいても、3剤耐性緑膿菌との混合培養ではディスク試験片周囲の薬剤拡散領域内に緑膿菌のコロニーが認められたが、感受性の緑膿菌との混合培養ではディスク試験片周囲の薬剤拡散領域内にいずれの菌の発育も認められなかった。以上の結果から、本発明のディスク試験片周囲に生成されるコロニーの有無を観察することにより、複数の菌が含まれる試料から多剤耐性緑膿菌を検出することが可能であることが示された。
(多剤耐性緑膿菌の検出における抗菌薬の種類および含有量の検討)
ディスク試験片に含浸させるカルバペネム系抗菌薬、フルオロキノロン系抗菌薬およびアミノグリコシド系抗菌薬の種類および含有量を変化させ、多剤耐性緑膿菌(3剤耐性緑膿菌)EKN8118株またはEKN8093株を大腸菌、クレブシエラ・ニューモニエと混合培養し、検出効果を調べた。
(1)ディスク試験片の作製
各抗菌薬の溶液を調製した後に混合し、1ディスク当たりの含有量が表7に示したとおりになるように、直径6.35mmの濾紙ディスクに含浸させ、その後、ディスクを50℃で60分間乾燥させ、ディスク3−1〜3−16とした。
(2)固体培地の準備
以下に示した培地成分を用い、121℃で15分間高圧滅菌し、50℃に冷却した後に羊血液を添加した。その後、培地を20mLずつシャーレに分注して固化した。
(3)菌の接種と培養
前培養した各菌株を滅菌生理食塩水に懸濁した後に混合してMcFarland No. 0.5の100〜10,000倍希釈の混合菌液とし、(2)で準備した羊血液寒天培地に綿棒にて塗抹した。塗抹した培地に(1)で作製したディスク試験片を置いた後、37℃で18時間培養し、判定を行った。
(4)結果
表7に示した様に、いずれのディスク試験片においても、多剤耐性緑膿菌はディスク試験片周囲の薬剤拡散領域内に生育し、コロニーを生成したが、大腸菌、クレブシエラ・ニューモニエはディスク試験片の周囲に発育阻止が認められた。これらの結果から、カルバペネム系抗菌薬、フルオロキノロン系抗菌薬、アミノグリコシド系抗菌薬ともに、1ディスク当たりの含有量として0.001〜1,500μgの範囲において本発明による多剤耐性緑膿菌の検出が可能であることが示された。
(A.多剤耐性緑膿菌の検出における培地の種類の検討)
ディスク試験片を置く培地の種類を変えて、大腸菌、クレブシエラ・ニューモニエとの混合培養における多剤耐性緑膿菌(3剤耐性緑膿菌)の検出の効果を調べた。
以下に示す実施例4A、4Bおよび実施例5における菌の接種操作と培養は、実施例3と同様に行った。
(1)ディスク試験片の作製
各抗菌薬の溶液を調製した後、1ディスク当たりの含有量が表9に示したとおりになるように、直径6.35mmの濾紙ディスクに含浸させ、その後、ディスクを50℃で60分間乾燥させた。
(2)固体培地の準備
以下に示した培地成分を用い、121℃で15分間高圧滅菌した。80℃まで冷却した後、ウマ脱線維素血液を5%添加し、撹拌しながらチョコレート色を呈するまで加熱した。その後、50℃に冷却し、20mLずつシャーレに分注して固化した。
以下の各表に示した培地成分を用い、121℃で15分間高圧滅菌した。その後、50℃に冷却し、20mLずつシャーレに分注して固化した。
以下の各表に示した培地成分を加温溶解した。その後、50℃に冷却し、20mLずつシャーレに分注して固化した。
(3)結果
表9に示した様に、検討したすべての培地において、多剤耐性緑膿菌はディスク試験片周囲の薬剤拡散領域内に生育し、コロニーを生成したが、大腸菌、クレブシエラ・ニューモニエはディスク試験片の周囲に発育阻止が認められた。
(B.NAC寒天培地を使用した多剤耐性緑膿菌の検出)
NAC寒天培地を使用し、カルバペネム系、フルオロキノロン系、アミノグリコシド系の薬剤すべてに感受性の緑膿菌との混合培養における多剤耐性緑膿菌(3剤耐性緑膿菌)の検出の効果を調べた。
(1)ディスク試験片の作製
各抗菌薬の溶液を調製した後、1ディスク当たりの含有量が以下の表に示したとおりになるように、直径6.35mmの濾紙ディスクに含浸させ、その後、ディスクを50℃で60分間乾燥させた。
(2)固体培地の準備
以下に示した培地成分を加温溶解した。その後、50℃に冷却し、20mLずつシャーレに分注して固化した。
(3)結果
以下の表20に示した様に、多剤耐性緑膿菌はディスク試験片周囲の薬剤拡散領域内に生育し、コロニーを生成したが、カルバペネム系、フルオロキノロン系、アミノグリコシド系の薬剤すべてに感受性の緑膿菌はディスク試験片の周囲に発育阻止が認められた。
(多剤耐性緑膿菌検出用ディスクの保存安定性の検討)
作製後4℃にて9ヶ月間保存した後の多剤耐性緑膿菌検出用ディスク試験片を羊血液寒天培地上に置いて、多剤耐性緑膿菌(3剤耐性緑膿菌)を大腸菌、クレブシエラ・ニューモニエと混合培養し、検出効果を調べた。
(1)ディスク試験片の作製と保存
実施例4.Bと同様にしてディスク試験片を作製した後、4℃にて9ヶ月間保存した。なお、同時に作製したディスク試験片に対し、作製時に多剤耐性緑膿菌(3剤耐性緑膿菌)を用いて多剤耐性緑膿菌を検出可能であることを確認した。
(2)固体培地の準備
実施例3と同様とした。
(3)結果
以下の表21に示した様に、多剤耐性緑膿菌はディスク試験片周囲の薬剤拡散領域内に生育し、コロニーを生成したが、大腸菌、クレブシエラ・ニューモニエはディスク試験片の周囲に発育阻止が認められた。この結果から、本発明のディスク試験片は、4℃において少なくとも9ヶ月間保存した後も多剤耐性緑膿菌の検出効果を保っていることが示された。
(バンコマイシン耐性腸球菌検出用ディスク試験片の作製)
ポリペプチド系抗菌薬としてコリスチン、キノロン系抗菌薬としてナリジクス酸、グリコペプチド系抗菌薬としてバンコマイシンを含浸させたディスク試験片を作製した。
(1)1ディスク当りの抗菌薬含有量
1ディスク当たりの各抗菌薬含有量は、以下に示したとおりである。
(2)抗菌薬溶液の調製
各抗菌薬を精製水に溶解し、コリスチンを1,750μg/mL、ナリジクス酸を3,000μg/mL、バンコマイシンを1,500μg/mL含む溶液とした。
(3)抗菌薬含有ディスク試験片の作製
(2)で調製した溶液20μLを直径6.35mmの濾紙ディスクに含浸させた。その後、ディスクを50℃で60分間乾燥させた。
(混合培養におけるバンコマイシン耐性腸球菌の検出)
実施例6で作製したディスク試験片を羊血液寒天培地上に置いて、バンコマイシン耐性の腸球菌(エンテロコッカス・フェカリス)またはバンコマイシン感受性の腸球菌(エンテロコッカス・フェカリス)を大腸菌、緑膿菌と混合培養し、バンコマイシン耐性腸球菌検出の効果を調べた。
(1)固体培地の準備
実施例3と同様とした。
(2)菌の接種と培養
前培養した各菌株を滅菌生理食塩水に懸濁した後に混合してMcFarland No. 0.5の100〜10,000倍希釈の混合菌液を作製し、(1)で準備した羊血液寒天培地に綿棒にて塗抹した。塗抹した培地に実施例6で作製したディスク試験片を置いた後、37℃で18時間培養し、判定を行った。
(3)結果
培養後の写真を結果として図4(1)および(2)に示す。図4(1)はバンコマイシン耐性のエンテロコッカス・フェカリス(VRE)、大腸菌および緑膿菌を混合培養したもの、図4(2)はバンコマイシン感受性のエンテロコッカス・フェカリス、大腸菌および緑膿菌を混合培養したものである。バンコマイシン耐性のエンテロコッカス・フェカリスとの混合培養ではディスク試験片周囲の薬剤拡散領域内にエンテロコッカス・フェカリスのコロニーが認められたが、バンコマイシン感受性のエンテロコッカス・フェカリスとの混合培養ではディスク試験片周囲の薬剤拡散領域内にいずれの菌の発育も認められなかった。以上の結果から、本発明のディスク試験片周囲に生成されるコロニーの有無を観察することにより、複数の菌が含まれる試料からバンコマイシン耐性腸球菌を検出することが可能であることが示された。
(バンコマイシン耐性腸球菌の検出における抗菌薬の種類および含有量の検討)
ディスク試験片に含浸させるポリペプチド系抗菌薬、モノバクタム系抗菌薬、キノロン系抗菌薬およびグリコペプチド系抗菌薬の種類および含有量を変化させ、大腸菌、緑膿菌との混合培養におけるバンコマイシン耐性腸球菌(エンテロコッカス・フェカリス)検出の効果を調べた。
以下に示す実施例8および実施例9における菌の接種操作と培養は、実施例7と同様に行った。
(1)ディスク試験片の作製
各抗菌薬の溶液を調製した後に混合し、1ディスク当たりの含有量が表23に示したとおりになるように、直径6.35mmの濾紙ディスクに含浸させ、その後、ディスクを50℃で60分間乾燥させ、ディスク8−1〜8−20とした。
(2)固体培地の準備
実施例3と同様とした。
(3)結果
表23に示した様に、いずれのディスク試験片においても、VRE(バンコマイシン耐性のエンテロコッカス・フェカリス)はディスク試験片周囲の薬剤拡散領域内に生育し、コロニーを生成したが、大腸菌、緑膿菌はディスク試験片の周囲に発育阻止が認められた。これらの結果から、ポリペプチド系抗菌薬、モノバクタム系抗菌薬、キノロン系抗菌薬、グリコペプチド系抗菌薬ともに、1ディスク当たりの含有量として0.001〜1,500μgの範囲において本発明によるバンコマイシン耐性腸球菌の検出が可能であることが示された。
(バンコマイシン耐性腸球菌の検出における培地の種類の検討)
ディスク試験片を置く培地の種類を変えて、大腸菌、緑膿菌との混合培養におけるバンコマイシン耐性腸球菌(エンテロコッカス・フェカリス)の検出の効果を調べた。
(1)ディスク試験片の作製
各抗菌薬の溶液を調製した後、1ディスク当たりの含有量が表24に示したとおりになるように、直径6.35mmの濾紙ディスクに含浸させ、その後、ディスクを50℃で60分間乾燥させた。
(2)固体培地の準備
実施例4と同様にして、チョコレート寒天培地、ドリガルスキー改良培地(BTB乳糖寒天培地)、ハートインフュジョン寒天培地、ブレインハートインフュジョン寒天培地、トリプトソイ寒天培地(SCD寒天培地)を準備した。
(3)結果
表24に示した様に、検討したすべての培地において、VRE(バンコマイシン耐性のエンテロコッカス・フェカリス)はディスク試験片周囲の薬剤拡散領域内に生育し、コロニーを生成したが、大腸菌、緑膿菌はディスク試験片の周囲に発育阻止が認められた。
本明細書中で引用した全ての刊行物、特許および特許出願をそのまま参考として本明細書中にとり入れるものとする。
本発明のディスク試験片は、検出対象菌が増殖可能な固体培地と組み合わせて用いることにより、培地上の薬剤拡散領域内のコロニーの有無を目視で観察するのみで、容易かつ正確に多剤耐性菌またはバンコマイシン耐性菌を検出でき、かつ、抗菌薬の安定性を損なわずに長期保存できるため、従来の分離培養法に比べて検出に要する時間、コロニーの釣菌にかかる操作上の手間および培地にかかる試薬コストを大幅に削減することが可能である。そのため、本発明の薬剤耐性菌の検出方法およびそれに用いる検出用ディスク試験片は、臨床、疫学研究その他の幅広い領域において有用である。

Claims (12)

  1. 抗菌薬を含有しているディスク試験片と検出対象菌が増殖可能な固体培地を組み合わせて用いる多剤耐性菌の検出方法であって、
    前記ディスク試験片が前記抗菌薬を含み、前記抗菌薬は、以下の(a)、(b)および(c)からなる3種であり、
    (a)カルバペネム系抗菌薬
    (b)フルオロキノロン系抗菌薬
    (c)アミノグリコシド系抗菌薬
    前記固体培地が血液寒天培地、チョコレート寒天培地、ハートインフュジョン寒天培地、ブレインハートインフュジョン寒天培地、トリプトソイ寒天培地(SCD寒天培地)、普通寒天培地、および標準寒天培地から選択されることを特徴とする方法。
  2. 前記ディスク試験片が、前記抗菌薬のみ、または前記抗菌薬およびpH緩衝剤のみを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 1ディスク当たりの含有量がそれぞれ、
    カルバペネム系抗菌薬 0.001〜1,500μg、
    フルオロキノロン系抗菌薬 0.001〜1,500μg、
    アミノグリコシド系抗菌薬 0.001〜1,500μgであり、
    (a)カルバペネム系抗菌薬が、メロペネムまたはイミペネムであり、
    (b)フルオロキノロン系抗菌薬が、シプロフロキサシン、ノルフロキサシン、またはオフロキサシンであり、
    (c)アミノグリコシド系抗菌薬が、アミカシンまたはゲンタマイシンであることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記抗菌薬が、以下の薬剤の組み合わせ(1)ないし(4)のいずれかであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
    (1)メロペネム、シプロフロキサシン、アミカシン
    (2)メロペネム、ノルフロキサシン、アミカシン
    (3)イミペネム、ノルフロキサシン、ゲンタマイシン
    (4)イミペネム、オフロキサシン、ゲンタマイシン
  5. 抗菌薬を含有しているディスク試験片と検出対象菌が増殖可能な固体培地を組み合わせて用いる多剤耐性菌の検出方法であって、
    前記ディスク試験片が前記抗菌薬を含み、前記抗菌薬は、以下の(a)、(b)および(c)からなる3種であり、
    (a)カルバペネム系抗菌薬
    (b)フルオロキノロン系抗菌薬
    (c)アミノグリコシド系抗菌薬
    前記固体培地が検出対象菌以外の菌を抑制する選択剤を含まない培地であることを特徴とする方法。
  6. 前記検出対象菌がカルバペネム系抗菌薬、フルオロキノロン系抗菌薬、アミノグリコシド系抗菌薬の3系統に耐性を示す菌であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記検出対象菌が多剤耐性緑膿菌および/または多剤耐性アシネトバクターであることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
  8. ディスク試験片が抗菌薬のみ、または前記抗菌薬およびpH緩衝剤のみを含み、前記抗菌薬は、以下の薬剤の組み合わせ(1)ないし(4)のいずれかからなる3種であることを特徴とする多剤耐性菌検出用ディスク試験片。
    (1)メロペネム、シプロフロキサシン、アミカシン
    (2)メロペネム、ノルフロキサシン、アミカシン
    (3)イミペネム、ノルフロキサシン、ゲンタマイシン
    (4)イミペネム、オフロキサシン、ゲンタマイシン
  9. 1ディスク当たりの含有量がそれぞれ、
    カルバペネム系抗菌薬 0.001〜1,500μg、
    フルオロキノロン系抗菌薬 0.001〜1,500μg、
    アミノグリコシド系抗菌薬 0.001〜1,500μgであることを特徴とする請求項8に記載のディスク試験片。
  10. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法を実施するために用いられる、以下の(a)、(b)および(c)からなる3種である抗菌薬を含むことを特徴とする多剤耐性菌検出用ディスク試験片。
    (a)カルバペネム系抗菌薬
    (b)フルオロキノロン系抗菌薬
    (c)アミノグリコシド系抗菌薬
  11. 試料を塗布した固体培地に、請求項8又は9のいずれか1項に記載のディスク試験片を載せ、20〜40℃で15〜48時間培養後、前記ディスク試験片の周囲の薬剤拡散領域内に菌が生育したとき、その試料に多剤耐性菌が含まれると判定する方法。
  12. 前記多剤耐性菌が多剤耐性緑膿菌および/または多剤耐性アシネトバクターであることを特徴とする請求項8から10のいずれか1項に記載のディスク試験片。
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