JPH0625353U - コイル焼鈍装置 - Google Patents

コイル焼鈍装置

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JPH0625353U
JPH0625353U JP4968792U JP4968792U JPH0625353U JP H0625353 U JPH0625353 U JP H0625353U JP 4968792 U JP4968792 U JP 4968792U JP 4968792 U JP4968792 U JP 4968792U JP H0625353 U JPH0625353 U JP H0625353U
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JP
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coil
heat insulating
cylinder
inner cover
annealing
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JP4968792U
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Inventor
昌克 前田
忠夫 切山
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Publication of JPH0625353U publication Critical patent/JPH0625353U/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、コイル入熱方向制御を大きく改善
し、コイル内温度偏差を低減させ、中歪みの発生を抑制
してこれによる歩留落を飛躍的に改善できる薄鋼板コイ
ルの焼鈍装置を提供する。 【構成】 受台上に薄鋼板コイルを載置し、これらをイ
ンナーカバーで覆って焼鈍するコイル焼鈍装置におい
て、受台上に、前記コイル外周近傍であって該コイル外
周に沿って直立する断熱円筒を設置したことを要旨とす
る。また、上記断熱円筒の上部には、少なくとも該円筒
と薄鋼板コイルとの間隙の長さを有する庇を設けること
により、より一層断熱効果を助長することができる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、薄鋼板コイルの焼鈍装置に関するものであり、特に、一方向性電磁 鋼板コイルを高温仕上焼鈍する場合に有用なコイル焼鈍装置に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
薄鋼板コイルの焼鈍は、アウターカバーで矩形状或いは環状に区画され、加熱 手段を有する炉内に、受台に軸方向を垂直に載置したコイルをインナーカバーで 覆って装入し、加熱されたインナーカバーからの輻射熱によりコイルが加熱され 、所定時間均熱された後、アウターカバーから出してインナーカバーを付けたま まで所定の温度まで冷却され、その後インナーカバーを取り外してさらに冷却さ れる工程を経る。
【0003】 この焼鈍において、インナーカバーからの輻射熱による加熱はコイルの上面お よび側面から行われるが、コイルの半径方向では、その熱伝導率が軸方向に比較 して小さく、温度差を生じる。特に、一方向性電磁鋼板のように、鋼板表面にM gOを主体とする焼鈍分離剤を塗布しているコイルでは、高温加熱時のコイル半 径方向の内部と外部での温度差が大きくなり、最熱点温度と最冷点温度では15 0℃以上の温度差になることがあり、コイル外周部分の鋼板に相当な長さに亘っ て熱歪(中歪)が発生し、鋼板の形状不良を起こすことがある。
【0004】 コイル焼鈍において、加熱−冷却の際に発生する中伸び(中歪)を防止するも のとして、実開昭56−103046号公報には、コイルを覆うインナーケース (カバー)の側面全周に断熱材を設け、この断熱材をヒータに面する側を厚く、 他のコイルに面する側を薄くすることによりコイル半径方向の温度偏差を少なく する焼鈍炉を開示している。 しかし、この公報に記述している断熱構造では、特にコイル半径方向の入熱制 御による温度偏差を必要かつ十分に低減することが難しく、中歪の十分な低減効 果を発揮し得ないという問題がある。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は、さらに入熱方向制御を極めて大きく改善し、コイル内温度偏差を低 減させ、中歪みの発生を抑制してこれによる歩留落を飛躍的に改善できる薄鋼板 コイルの焼鈍装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本考案は、コイル焼鈍装置において受台上に薄鋼板 コイルを載置し、これらをインナーカバーで覆って構成する焼鈍炉において、受 台上に、前記コイル外周近傍であって該コイル外周に沿って直立する断熱円筒を 設置したことを要旨とする。また、上記断熱円筒の上部には、少なくとも該円筒 と薄鋼板コイルとの間隙の長さを有する庇を設けることにより、より一層断熱効 果を助長することができる。
【0007】 以下に本考案を詳細に説明する。 図1は本考案装置の実施例を示す断面概略図であって、1はインナーカバー、 2はコイル受台、3はコイル受台2に載置された薄鋼板コイル、4はコイル受台 2上に直立して載置される断熱筒体であって、コイル3外周の近傍、すなわち限 定するものではないが、コイル1の外周と該筒体4の内周との距離がほぼ100 mm程度となるような間隔5を保ち、少なくともコイルと同等の高さまでコイル外 周面を覆うように設置される。 図2は上記断熱筒体4の実施例であって、図(a)は断面斜視図、(b)は底 面図である。すなわち断熱筒体4は基本的には円筒状の断熱材41からなり、こ の断熱材としては、例えば保温材(カオウール等)、セラミックス等の耐熱性無 機材料を筒状にして用いる。これら材料を円筒状に形成するには、鋼板等からな る剛性材(以下支持材という)42表面に取付け支持することが好ましく、支持 手段としては機械的取り付け、貼着またはライニング等の何れの方法でもよい。 また、支持材42の表面を研磨したり溶射或いはイオンプレイティング等処理し 鏡面にして輻射熱を反射させるようにすることもでき、本考案の耐熱筒体4はこ の様な構成をすべて包含することを意味している。 この様な断熱筒体は、インナーカバー側壁からの熱がコイルに入射されるのを 効率良く低減することが出来る。
【0008】 更に本考案においては、断熱筒体4の上端部に庇6を設けることができ、この 庇6は、コイル外周と筒体内周との間隔5とほぼ同一の長さにすることが好まし く、前記筒体本体4の延長部として、或いは別に取り付けてもよい。本考案で庇 6を設けるのは、インナーカバー上部から間隔5部分への輻射熱伝対を遮蔽し、 コイル半径方向への入熱の制御をより効果的にすることが出来るからである。
【0009】 以下に図に示した本考案と図3,4に示した装置により、一方向性電磁鋼板コ イルを用いた実験例を示す。 図3は従来のコイル焼鈍装置を示すものであり、インナーカバー1の外周側壁 に断熱材7を巻いたものであり、また、図4は本考案と類似しているが、コイル 3外周の近傍にコイルに沿って設けた鋼板製円筒8を、受台2上に載置した焼鈍 炉であって比較例としてし示した。
【0010】 通常工程で処理された板厚0.22mmの脱炭焼鈍済み一方向性電磁鋼板コイル (15t)を、前記インナーカバー1付き各焼鈍炉に装入し、図5に示す環状炉 (ロータリファーネス)で1200℃×20時間加熱の仕上焼鈍処理を実施した 。環状炉は環状アウターカバー9内に、インナーカバー1にコイル3を内装した 焼鈍装置を設置し、アウターカバー9に設けられた加熱装置10より噴射される フレーム11によりインナーカバー1が加熱され、さらにコイルが輻射加熱され る。この様な高温焼鈍での一方向性電磁鋼板における中歪みの発生は、コイル径 方向温度偏差によってもたらされる変形であり、700℃以上に加熱されたコイ ル半径方向の加熱状況が極めて重要になる。図6は上記仕上焼鈍中におけるコイ ル半径方向の各最冷点温度を基準にしてこれと最高温点温度との温度差を、本考 案装置(図1)および従来装置(図3)の場合について調査したものである。図 から明らかのように、本考案装置ではコイル最冷点温度700℃において再高温 点温度との温度差が80℃であるのに対し、従来装置では150℃の温度差が見 られる。
【0011】 すなわち本考案装置では、コイルに近接して断熱筒体4を設け、インナーカバ ー1の側面からの入熱を遮断し、かつ庇6によって間隔5にも上部からの熱の入 射を防いでコイルへの入熱を殆ど軸方向からとしため、半径方向で温度差が少な くなり均一化傾向となっている。従来装置では、インナーカバー外周に断熱材7 を設けおり、それなりの効果はあるが、コイル3とインナーカバー1の側壁との 間に距離があり、この部分からコイル側面への輻射熱により温度差が大きくなっ ている。
【0012】 また上記各装置により、仕上焼鈍後の鋼板について中歪の発生状況を調査した 。結果を表1に示す。
【0013】
【表1】
【0014】 表1から明らかのように、断熱対策を実施しない比較例2の中歪みが発生する 部分の長さは、ほぼ1000m近くに達しているが、従来例ではインナーカバー 外周部の断熱材による断熱効果により中歪発生長さは短くなっている。しかし、 断熱材を用いない裸の円筒でも、コイル近傍に設けることにより、インナーカバ ーからコイル側面への入熱をそれなりに防ぐことよができるが、これでも十分と はいえず中歪み発生長さは670mと依然として長いものとなった。これに対し て本考案装置では、断熱筒体によるコイル側面の断熱効果が大きく、コイルへの 入熱を軸方向〜とするため、中歪みの発生部位は極めて減少していることが分か る。
【0015】
【考案の効果】
以上のように本考案装置によれば、薄鋼板コイルの焼鈍に際し入熱方向を大き く改善することとができ、これによってコイル内温度偏差を低減させ、中歪みの 発生を抑制してこれによる歩留落を飛躍的に改善できる。特に、本考案を一方向 性電磁鋼板の高温仕上焼鈍工程に適用することにより、顕著な効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案装置の概要を示す断面図。
【図2】本考案装置の要部を示し、(a)は一部断面を
示す斜視図、(b)は底面図。
【図3】従来装置の概要を示す断面図。
【図4】比較例装置の概要を示す断面図。
【図5】コイル焼鈍炉の一例を示す説明図。
【図6】コイル最冷点温度とコイル内温度差の関係を示
す図。
【符号の説明】
1:インナーカバー 2:コイル受台 3:コイル 4:断熱筒体 41:耐熱材料 42:支持材 5:間隔 6:庇 7:断熱材 8:鋼板製円筒

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受台上に薄鋼板コイルを載置し、これら
    をインナーカバーで覆って構成する焼鈍炉において、受
    台上に、前記コイル外周近傍であって該コイル外周に沿
    って直立する断熱円筒を設置したことを特徴とするコイ
    ル焼鈍装置。
  2. 【請求項2】 断熱円筒の上部に、少なくとも該円筒と
    薄鋼板コイルとの間隙の長さを有する庇を設けたことを
    特徴とする請求項1記載のコイル焼鈍装置。
JP4968792U 1992-07-15 1992-07-15 コイル焼鈍装置 Withdrawn JPH0625353U (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006257486A (ja) * 2005-03-17 2006-09-28 Jfe Steel Kk 方向性電磁鋼板の焼鈍方法及び方向性電磁鋼板のバッチ焼鈍用インナーカバー
CN102206798A (zh) * 2010-03-31 2011-10-05 光洋热系统株式会社 渗碳处理装置
JP2015017329A (ja) * 2014-09-03 2015-01-29 光洋サーモシステム株式会社 浸炭処理装置

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