JP2703695B2 - 薄物方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents
薄物方向性電磁鋼板の製造方法Info
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Description
焼鈍する場合に発生する熱歪を低減するための、コイル
の高温仕上焼鈍方法に関するものである。
化され、特に高磁束密度一方向性電磁鋼板においては特
性や製品プロフィル向上のために厳格な工程管理が成さ
れている。すなわち、成分調整された溶鋼から製造され
たスラブを熱間圧延し、この熱延板を必要により焼鈍
し、一回または中間焼鈍を含む二回以上の冷間圧延して
最終厚みとした鋼帯に脱炭および一次再結晶焼鈍(以下
脱炭焼鈍という。)を施してから焼鈍分離剤を塗布せし
め、コイルに巻取った後に高温仕上焼鈍を実施し、さら
に絶縁被膜を被覆する処理を主工程とするが、特に高温
仕上焼鈍では堅く巻かれたコイルを1200℃近傍の高
温長時間処理を行うために、熱歪の発生が避けられない
問題となっている。
部位に発生する中歪みと、板幅側端部位に発生する側歪
みがある。中歪みは高温仕上焼鈍の冷却の際にはコイル
の半径方向に温度差を生じてコイル外周部に中歪が発生
し、側歪みは焼鈍炉のコイル受け台とコイルとの熱膨張
差や、特に薄物のコイルではその下側部の単位加重が大
きくなることにより発生し、これらが形状不良部とな
る。この様な中歪の発生を防止するために実開昭56−
103046号公報では、コイルを覆うインナーケース
の側面全周に断熱材を設け、この断熱材をヒ−タに面す
る側を厚く、他のコイルに面する側を薄くすることによ
りコイル半径方向の温度偏差をなくする焼鈍炉を開示し
ている。
コイルの下端面に、その最外周から半径方向に長さ30
〜50mm範囲に高さ数mmの勾配を付すと共にその部分の
巻張力を中心部より大きくし、このようにして形成した
コイルを受台に載置して仕上焼鈍をすることにより、コ
イル下端部の熱歪(側歪)を低減することが開示されて
いる。 前記実開昭56−103046号公報に記述し
ているコイル半径方向の入熱制御手段では、設備コスト
が極めて高くなり、かつコイルに導入された局部的な応
力集中によって発生するコイルラップ間隙の不均一に基
づく熱歪の抜本的な解消は困難であり、また後者の方法
ではこにようなコイル形状の巻き方が複雑であり、しか
も側歪だけの対策に過ぎない。
原因が異なり、上記従来法のようにそれに応じた対策が
必要とされていた。本発明者等は、前記一方向性電磁鋼
板の製造工程で、脱炭焼鈍処理を施した鋼板はMgOを
塗布した後コイルに巻取り、このコイルを高温仕上焼鈍
した場合に発生する中、側歪が、該コイルにMgO塗布
量と相関があることを確認した。すなわち本発明は、脱
炭焼鈍済み鋼板に調整された量のMgOを塗布すること
により、高温仕上焼鈍で発生する中歪及び側歪を同時に
防止するための板厚25mm以下の薄物方向性電磁鋼板の
製造方法を提供することを目的とする。
に本発明は以下の構成を要旨とする。すなわち、方向性
電磁鋼板の処理工程において、一回または中間焼鈍を含
む二回以上の冷間圧延で0.25mm以下の最終板厚にし
た鋼板を、脱炭焼鈍後MgOを主成分とする焼鈍分離剤
(以下MgOという。)を塗布してから高温仕上げ焼鈍
を施すにあたり、MgOを塗布したコイルが下記式を満
足するように、前記MgO塗布量を調整することを特徴
とする薄物方向性電磁鋼板の製造方法。 以下に本発明を詳細に説明する。脱炭焼鈍済鋼板に塗布
するMgOは、高温仕上焼鈍でコイル鋼板の焼き付き防
止及びグラスフィルムを形成するために、その塗布量を
決めるが、通常は2g/m 2 程度である。この様な従来
の処理方法では熱歪の発生が鋼板の長い領域に亘ってば
らついている。
査したところ、この原因がMgOの塗布量と大きく関係
するコイル占積率と最も強い相関があることを知見し
た。すなわちMgOは断熱効果が大きいことから塗布量
多くするほどコイル半径方向に入熱を防いで中歪の発生
を抑制出来ること、しかし塗布量が多くなるとコイルの
剛性が低下する傾向になり側歪の発生が多くなることか
ら、MgOの塗布量を調整することによりコイル占積率
〔MgO塗布コイル重量W[kg]/(MgO塗布コイル
体積V[m3 ]×鋼板密度ρ[Kg/m3 ])〕を適性の
範囲にすれば中歪と側歪の両方を低減出来ることを確認
した。以下に実施例で本発明を具体的に説明する。
%,Mn:0.07%,S:0.025%,Al:0.
027%,N:0.008%,Sn:0.10%,C
u:0.05%,残部実質的にFeよりなるスラブを1
380℃に加熱後熱間圧延を行い、熱延鋼帯を製造し
た。この鋼帯を予備圧延した後1120℃で短時間の焼
鈍を行い、次いで冷間圧延を施して最終板厚0.23m
m、板幅980mmの冷延板とした。この冷延鋼板を連続
脱炭焼鈍炉で脱炭した後、MgOを主成分とする焼鈍分
離剤(MgOという)を塗布、乾燥し、これを巻き取っ
た15屯コイルを5個製造した。各コイルの占積率〔W
/(V×ρ)〕を表1に示した。またMgO塗布量(g
/m 2 )とコイル占積率(%)との関係を図1に示し
た。
時間均熱する高温仕上焼鈍を施した後、850℃で30
秒保定する連続仕上焼鈍を行った。その結果、発生した
中歪長さ(m)と、側歪最大深さ(mm)を表1に示す。
なお中歪長さ(m)と側歪最大深さの模式図を図2に示
す。
3に示した。表1及び図3から明らかの様に、コイル占
積率が増加すると、すなわちMgO塗布量が少なくなる
と鋼板に側歪発生深さは少なくなるが、逆に中歪の発生
長さは増加しており、No.1では側歪発生深さが大き
く、No.5,6では中歪長さが長くなる。この結果か
らNo.2,3,4のコイルが中歪及び側歪の両方とも
が低い値を示しており、従ってコイル占積率を0.90
〜0.92とするのが好ましいことが分かる。
工程で最終板厚0.18mm,板幅970mmの冷延板と
し、この鋼板を連続脱炭焼鈍炉で脱炭した後、MgOを
主成分とする焼鈍分離剤(MgOという)を塗布、乾燥
し、これを巻き取った15屯コイルを6個製造した。各
コイルの占積率〔W/(V×ρ)〕を表2に示した。
時間均熱する高温仕上焼鈍を施した後、850℃で30
秒保定する連続仕上焼鈍を行った。その結果、発生した
中歪長さ(m)と、側歪最大深さ(mm)を表2に示す。
4に示した。表2及び図4から分かるようにNo.2,
3,4のコイルが中歪及び側歪の両歪とも低い値を示し
ており、従って占積率を0.90〜0.92とするのが
好ましい。
に、従来よりMgO塗布量がやや多めになるが、これは
従来ややもすればポーラスなグラスフィルムが形成され
ていたのに対し、本発明では緻密かつ均一なグラスフィ
ルムが被覆されると共に高温仕上焼鈍時におけるコイル
のスペーサの役割を十分に発揮できる。そのためにも少
なくとも4g/m 2 のMgO塗布量とすることが好まし
い。
済みの方向性電磁鋼板に、所定のコイル占積率になるよ
うにMgO塗布量を調整することにより、巻取ったコイ
ルの高温仕上焼鈍で発生する熱歪、すなわち中歪、側歪
の両方を著しく低減できる。従って形状不良による歩留
まり落ちを少なくして生産性を極めて向上できる。
図。
図。
との関係を示す図。
との関係を示す図。
Claims (1)
- 【請求項1】 方向性電磁鋼板の処理工程において、一
回または中間焼鈍を含む二回以上の冷間圧延で0.25
mm以下の最終板厚にした鋼板を、脱炭焼鈍後MgOを主
成分とする焼鈍分離材(以下MgOという。)を塗布し
てから高温仕上げ焼鈍を施すにあたり、MgOを塗布し
たコイルが下記式を満足するように前記MgO塗布量を
調整することを特徴とする薄物方向性電磁鋼板の製造方
法。 0.90≦W/(V×ρ)≦0.92 ただし、W;MgO塗布コイル重量(kg) V;MgO塗布コイル体積(m3 ) ρ;鋼板密度(kg/m3 )
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4188318A JP2703695B2 (ja) | 1992-07-15 | 1992-07-15 | 薄物方向性電磁鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4188318A JP2703695B2 (ja) | 1992-07-15 | 1992-07-15 | 薄物方向性電磁鋼板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0633257A JPH0633257A (ja) | 1994-02-08 |
JP2703695B2 true JP2703695B2 (ja) | 1998-01-26 |
Family
ID=16221510
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4188318A Expired - Lifetime JP2703695B2 (ja) | 1992-07-15 | 1992-07-15 | 薄物方向性電磁鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2703695B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113801983A (zh) * | 2020-06-15 | 2021-12-17 | 宝山钢铁股份有限公司 | 一种薄规格取向硅钢的防粘结处理方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS644427A (en) * | 1987-06-26 | 1989-01-09 | Kawasaki Steel Co | Formation of insulating film on grain oriented silicon steel sheet |
-
1992
- 1992-07-15 JP JP4188318A patent/JP2703695B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0633257A (ja) | 1994-02-08 |
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