JPH06253426A - ガス絶縁開閉装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 主母線の長さが短く、装置全体の設置スペー
スの小さい、よりコンパクトなガス絶縁開閉装置を提供
する。 【構成】 三相一括形の２つの主母線１，２とこの主母
線１，２間を接続する単相形の母線連絡回線用遮断器３
とを備える。２つの主母線１，２の単相分岐部から単相
形の接続母線１４，１６をそれぞれ導出し、この２つの
接続母線１４，１６の他端に単相形の母線連絡回線用断
路器４，５をそれぞれ接続する。２つの接続母線１４，
１６部分に単相形の主母線用計器用変圧器１０，１１を
それぞれ接続する。２つの母線連絡回線用断路器４，５
に単相形の主母線用接地開閉器１２，１３をそれぞれ付
属・複合化させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ガス絶縁開閉装置に係
り、特に、ガス絶縁機器の配置構成の改良に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】近年、用地の取得難、環境調和、安全
性、保守点検の合理化などの理由により、送変電系統の
ほとんどの開閉装置において、ＳＦ₆ ガスなどの絶縁性
ガスで絶縁したいわゆるガス絶縁開閉装置が使用されて
いる。このようなガス絶縁開閉装置のうち、特に、複母
線方式のガス絶縁変電所の母線連絡回線は、例えば、図
３の単線結線図に示すように構成されている。

【０００３】すなわち、図３において、１，２は主母
線、３は主母線１，２間に接続された母線連絡回線用遮
断器である。この場合、２つの主母線１，２と母線連絡
回線用遮断器３とは、母線連絡回線用断路器４，５と作
業用接地開閉器６，７を介して接続されている。また、
母線連絡回線用遮断器３の両側には、計器用変流器８，
９が配置されている。さらに、２つの主母線１，２にお
ける母線連絡回線の近傍には、主母線用計器用変圧器１
０，１１と主母線用接地開閉器１２，１３とが接続さ
れ、主母線用回線を構成している。

【０００４】そして、このような構成を有するガス絶縁
開閉装置は、具体的には、図４乃至図６に示すようにし
て配置されている。この場合、図４はガス絶縁開閉装置
の配置構成を示す平面図、図５は図４のＡ矢視図、図６
は図４のＢ矢視図である。

【０００５】すなわち、図４において、２つの主母線
１，２は、三相一括形に形成されており、回線引出し部
は単相形で分岐している。また、母線連絡回線用遮断器
３は単相形に形成されており、２つの主母線１，２の三
相各相間にそれぞれ接続されている。この場合、２つの
主母線１，２は平行に配置されており、三相各相の母線
連絡回線用遮断器３は、主母線２における主母線１と逆
側に、これらの主母線１，２に対して直交するようにし
て、互いに平行かつ等間隔で水平配置されている。そし
て、図５に示すように、これらの主母線１，２と母線連
絡回線用遮断器３とは、ほぼ同じ高さで配置されてお
り、各主母線１，２は、その上に配置された単相形の母
線連絡回線用断路器４，５と単相形の作業用接地開閉器
６，７を介し、さらに、計器用変流器８，９を経て、母
線連絡回線用遮断器３の両側の上口出しにそれぞれ接続
されている。

【０００６】より詳細には、図５に示すように、母線連
絡回線用遮断器３から遠い方の主母線１の上には、垂直
方向に伸びる単相形の接続母線１４を介して、Ｌ字形状
の単相形の母線連絡回線用断路器４が水平配置されてお
り、この母線連絡回線用断路器４には、単相形の作業用
接地開閉器６が付属・複合化している。そして、この母
線連絡回線用断路器４と作業用接地開閉器６は、水平方
向に伸びるＬ字形状の長尺な管路母線１５を介し、計器
用変流器８を経て、母線連絡回線用遮断器３の主母線２
から遠い方の上口出しに接続されている。また、母線連
絡回線用遮断器３から近い方の主母線２の上には、Ｌ字
形状の単相形の母線連絡回線用断路器５が垂直配置され
ており、この母線連絡回線用断路器５には、単相形の作
業用接地開閉器７が付属・複合化している。そして、こ
の母線連絡回線用断路器５と作業用接地開閉器７は、計
器用変流器９とＬ字形状の接続母線１６を介して、母線
連絡回線用遮断器３の主母線２から近い方の上口出しに
接続されている。

【０００７】さらに、図４および図６に示すように、各
主母線１，２の上には、単相形の主母線用計器用変圧器
１０，１１と単相形の主母線用接地開閉器１２，１３と
が、母線連絡回線とは別の独立した主母線用回線とし
て、三相各相毎に個別に設けられている。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前述したよ
うな従来のガス絶縁開閉装置の機器配置には、次のよう
な問題点がある。すなわち、図４に示すように、主母線
用計器用変圧器１０，１１と主母線用接地開閉器１２，
１３からなる主母線用回線については、母線連絡回線と
は別の独立した回線を設けてこれらの機器を配置してい
るため、主母線１，２が長くなり、ガス絶縁開閉装置全
体の設置スペースが拡大してしまう。

【０００９】本発明は、以上のような従来技術の課題を
解決するために提案されたものであり、その目的は、主
母線の長さが短く、装置全体の設置スペースの小さい、
よりコンパクトなガス絶縁開閉装置を提供することであ
る。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明のガス絶縁開閉装
置は、三相一括形の２つの主母線とこの主母線間を接続
する単相形の母線連絡回線用遮断器とを備え、複母線方
式のガス絶縁変電所の母線連絡回線を構成するガス絶縁
開閉装置において、次のような特徴を有する。すなわ
ち、前記２つの主母線の単相分岐部から単相形の接続母
線をそれぞれ導出し、前記２つの接続母線の他端に単相
形の母線連絡回線用断路器をそれぞれ接続する。そし
て、前記２つの接続母線部分に単相形の主母線用計器用
変圧器をそれぞれ接続し、前記２つの母線連絡回線用断
路器に単相形の主母線用接地開閉器をそれぞれ付属・複
合化させたことを特徴としている。

【００１１】

【作用】以上のような構成を有する本発明のガス絶縁開
閉装置の作用は次の通りである。すなわち、主母線の単
相分岐部から導出され、母線連絡回線用断路器に接続さ
れる接続母線に、主母線用計器用変圧器を接続するとと
もに、母線連絡回線用断路器に主母線用接地開閉器を付
属・複合化させることにより、主母線用計器用変圧器と
主母線用接地開閉器からなる主母線用回線を、母線連絡
回線の一部に組み込むことができる。そのため、独立の
主母線用回線を設けない分だけ、主母線の長さを必要最
小限に短くすることができ、ガス絶縁開閉装置全体の設
置スペースを必要最小限に縮小できる。

【００１２】

【実施例】以下には、本発明によるガス絶縁開閉装置の
代表的な一実施例について、図１を参照して具体的に説
明する。この場合、図１は、本発明にしたがって図３の
単線結線図の構成を具体化したガス絶縁開閉装置の代表
的な一実施例を示す側面図である。なお、図３の単線結
線図および図４乃至図６に示した従来技術と同一部分に
は同一符号を付している。

【００１３】すなわち、まず、図１において、２つの主
母線１，２は三相一括形に形成されており、回線引出し
部は単相形で分岐している。そして、母線連絡回線用遮
断器３は単相形に形成されており、２つの主母線１，２
の三相各相間にそれぞれ接続されている。この場合、２
つの主母線１，２は平行に配置されており、三相各相の
母線連絡回線用遮断器３は、主母線２における主母線１
と逆側に、機器配置用のスペースを介して水平配置され
ている。なお、図示していないが、これらの三相各相の
母線連絡回線用遮断器３は、主母線１と直交するように
して、互いに平行かつ等間隔で配置されている。

【００１４】また、母線連絡回線用遮断器３から遠い方
の主母線１の上には、垂直方向に伸びるＴ字形状の単相
形の接続母線１４を介して、Ｌ字形状の単相形の母線連
絡回線用断路器４が水平配置されている。この場合、Ｔ
字形状の接続母線１４の分岐には、単相形の主母線用計
器用変圧器１０が接続されており、Ｌ字形状の母線連絡
回線用断路器４には、単相形の作業用接地開閉器６と単
相形の主母線用接地開閉器１２が付属・複合化してい
る。そして、Ｌ字形状の母線連絡回線用断路器４は、水
平方向に伸びるＬ字形状の長尺な管路母線１５を介し、
計器用変流器８を経て、母線連絡回線用遮断器３の主母
線２から遠い方の上口出しに接続されている。

【００１５】一方、母線連絡回線用遮断器３から近い方
の主母線２の上には、水平方向に伸びるＦ字形状の単相
形の接続母線１６が配置されており、このＦ字形状の接
続母線１６の下向きの分岐には、単相形の主母線用計器
用変圧器１１が接続されている。そして、この主母線用
計器用変圧器１１と並べて、Ｚ字形状の単相形の母線連
絡回線用断路器５が垂直配置されている。この場合、Ｚ
字形状の母線連絡回線用断路器５には、単相形の作業用
接地開閉器７と単相形の主母線用接地開閉器１３が付属
・複合化している。さらに、Ｚ字形状の母線連絡回線用
断路器５は、その上部の水平口出しによって、Ｆ字形状
の接続母線１６の水平分岐に接続されるとともに、その
下部の水平口出しによって、計器用変流器９を介して母
線連絡回線用遮断器３の水平口出しに接続されている。

【００１６】以上のような構成を有する本実施例の作用
効果は次の通りである。すなわち、主母線１，２の単相
分岐部から導出され、母線連絡回線用断路器４，５に接
続される接続母線１４，１６に、主母線用計器用変圧器
１０，１１を接続するとともに、母線連絡回線用断路器
４，５に主母線用接地開閉器１２，１３を付属・複合化
させることにより、主母線用計器用変圧器１０，１１と
主母線用接地開閉器１２，１３からなる主母線用回線
を、母線連絡回線の一部に組み込むことができる。その
ため、独立の主母線用回線を設けない分だけ、図４乃至
図６に示すような従来の配置構成に比べて主母線１，２
の長さを短くすることができる。したがって、ガス絶縁
開閉装置全体の設置スペースを格段に縮小できる。

【００１７】また、少なくとも一方の母線用計器用変圧
器１１については、主母線２の上に設けていた従来の配
置構成に比べて、主母線２と並べて低い位置に配置して
いるため、耐震強度を向上できるという利点もある。さ
らに、母線連絡回線用断路器４，５、作業用接地開閉器
６，７、および主母線用接地開閉器１２，１３を、一つ
の母線連絡回線内に一体的に設けているため、機器の操
作・保守作業を集中化でき、そしてまた、これらの機器
を監視・制御するための制御盤を一面的に集約させるこ
とができるため、作業面における利点も大きい。

【００１８】続いて、母線連絡回線の高信頼度を確保す
るために遮断器を２台配置した場合の実施例について、
図２を参照して説明する。この場合、図２は、本発明に
したがって遮断器２台を含む母線連絡回線と主母線用回
線とを有する構成を具体化した一実施例を示す側面図で
ある。

【００１９】まず、図２において、主母線２から母線連
絡回線用遮断器３を介してＬ字形状の管路母線１５に至
るまでの構成、すなわち、主母線２、Ｆ字形状の接続母
線１６、主母線用計器用変圧器１１、主母線用接地開閉
器１３、Ｚ字形状の母線連絡回線用断路器５、作業用接
地開閉器７、計器用変流器９、母線連絡回線用遮断器
３、計器用変流器８、およびＬ字形状の管路母線１５の
配置構成は、前記第１実施例と全く同様である。

【００２０】そして、本実施例においては、他方の主母
線１側についても、このような主母線２側の配置構成と
同一の配置構成を採用した点に特徴を有している。すな
わち、主母線１の上には、水平方向に伸びるＦ字形状の
単相形の接続母線１４が配置され、このＦ字形状の接続
母線１４の下向きの分岐に単相形の主母線用計器用変圧
器１０が接続されるとともに、Ｆ字形状の接続母線１４
の水平分岐に垂直配置のＺ字形状の母線連絡回線用断路
器４がその上部の水平口出しによって接続されている。
この場合、Ｚ字形状の母線連絡回線用断路器４には、単
相形の作業用接地開閉器６と単相形の主母線用接地開閉
器１２が付属・複合化している。そして、Ｚ字形状の母
線連絡回線用断路器４は、その下部の水平口出しによっ
て、計器用変流器２１を介して水平配置の母線連絡回線
用遮断器２２の水平口出しに接続されている。さらに、
母線連絡回線用遮断器２２の上口出しには、計器用変流
器２３を介して、水平方向に伸びるＬ字形状の長尺な管
路母線２４が接続されており、この管路母線２４は、接
地開閉器２５を介して管路母線１５と接続されている。

【００２１】このような構成を有する本実施例において
も、前記実施例と同様の作用効果を得られる。すなわ
ち、主母線用計器用変圧器１０，１１と主母線用接地開
閉器１２，１３からなる主母線用回線を母線連絡回線の
一部に組み込むことができるため、独立の主母線用回線
を設けない分だけ、図４乃至図６に示すような従来の配
置構成に比べて主母線１，２の長さを短くすることがで
きる。したがって、ガス絶縁開閉装置全体の設置スペー
スを格段に縮小できる。また、両方の母線用計器用変圧
器１０，１１を低い位置に配置しているため、耐震強度
をより向上できるという利点もある。さらに、前記実施
例と同様に、母線連絡回線用断路器４，５、作業用接地
開閉器６，７、および主母線用接地開閉器１２，１３
を、一つの母線連絡回線内に一体的に設けているため、
機器の操作・保守作業を集中化でき、そしてまた、これ
らの機器を監視・制御するための制御盤を一面的に集約
させることができるため、作業面における利点も大き
い。

【００２２】なお、本発明は前記各実施例に限定される
ものではなく、各機器の具体的な形状や配置方向などは
適宜変更可能である。例えば、遮断器の配置は水平配置
に限らず、垂直配置とすることも可能であり、断路器に
ついても、その配置方向は適宜選択可能である。

【００２３】

【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、主母線の単相分岐部から導出され、母線連絡回線用
断路器に接続される接続母線に、主母線用計器用変圧器
を接続するとともに、母線連絡回線用断路器に主母線用
接地開閉器を付属・複合化させることにより、主母線用
計器用変圧器と主母線用接地開閉器からなる主母線用回
線を、母線連絡回線の一部に組み込むことができるた
め、従来の装置に比べて主母線の長さが短く、装置全体
の設置スペースの小さい、よりコンパクトなガス絶縁開
閉装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にしたがって図３の構成を具体化したガ
ス絶縁開閉装置の一実施例を示す側面図。

【図２】本発明にしたがって遮断器２台を含む母線連絡
回線と主母線用回線とを有する構成を具体化したガス絶
縁開閉装置の一実施例を示す側面図。

【図３】複母線方式のガス絶縁変電所の母線連絡回線と
主母線用回線とを有するガス絶縁開閉装置の一例を示す
単線結線図。

【図４】図３の構成を具体化した従来のガス絶縁開閉装
置の配置構成を示す平面図。

【図５】図４のＡ矢視図。

【図６】図４のＢ矢視図。

【符号の説明】

１，２…主母線 ３，２２…母線連絡回線用遮断器 ４，５…母線連絡回線用断路器 ６，７…作業用接地開閉器 ８，９，２１，２３…計器用変流器 １０，１１…主母線用計器用変圧器 １２，１３…主母線用接地開閉器 １４，１６…接続母線 １５，２４…管路母線 ２５…接地開閉器

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 三相一括形の２つの主母線とこの主母線
   間を接続する単相形の母線連絡回線用遮断器とを備え、
   複母線方式のガス絶縁変電所の母線連絡回線を構成する
   ガス絶縁開閉装置において、 前記２つの主母線の単相分岐部から単相形の接続母線を
   それぞれ導出し、 前記２つの接続母線の他端に単相形の母線連絡回線用断
   路器をそれぞれ接続し、 前記２つの接続母線部分に単相形の主母線用計器用変圧
   器をそれぞれ接続し、 前記２つの母線連絡回線用断路器に単相形の主母線用接
   地開閉器をそれぞれ付属・複合化させたことを特徴とす
   るガス絶縁開閉装置。