JPH0625222A - 3−ヒドロキシ−2−チオフェンカルボン酸誘導体の製造方法 - Google Patents

3−ヒドロキシ−2−チオフェンカルボン酸誘導体の製造方法

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JPH0625222A
JPH0625222A JP18503192A JP18503192A JPH0625222A JP H0625222 A JPH0625222 A JP H0625222A JP 18503192 A JP18503192 A JP 18503192A JP 18503192 A JP18503192 A JP 18503192A JP H0625222 A JPH0625222 A JP H0625222A
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hydroxy
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methyl
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chloro
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JP18503192A
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Masahiko Ishizaki
雅彦 石崎
Toshio Kitajima
敏夫 北島
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Tokuyama Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 3−ヒドロキシ−2−チオフェンカルボン酸
誘導体を,選択性よく且つ高収率で製造する方法を提供
する。 【構成】 一般式(1)で示されるチオエーテル誘導体
と,アルカリ金属炭酸塩若しくはアルカリ金属重炭酸塩
(こゝでアルカリ金属とはNa,K,Liを指す)とを
反応させることにより,一般式(4)で示される3−ヒ
ドロキシ−2−チオフェンカルボン酸誘導体を製造する
方法。 (式中,Rは(置換)アルキル基又は(置換フェニル
基)を示し、Rは水素原子,ハロゲン原子,(置換)
アルキル基,(置換)フェニル基,NOを示し、R
はアルキル基又はフェニル基を示し,Xはハロゲン原子
を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、3−ヒドロキシ−2−
チオフェンカルボン酸誘導体を選択性よく、且つ高収率
で製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】3−ヒドロキシ−2−チオフェンカルボ
ン酸誘導体は、農薬や医薬の中間体として広範囲に利用
し得る有用な化合物である。
【0003】これまで、3−ヒドロキシ−2−チオフェ
ンカルボン酸誘導体は、出発原料として2、3−ジハロ
ゲノプロピオン酸エステルまたは2−ハロゲノアクリル
酸エステルとメルカプト酢酸エステル、例えばチオグリ
コール酸エステル、2−ハロゲノ−3−アルコキシカル
ボニルメチルチオ−プロピオン酸エステル等を用い、塩
基としてアルカリ金属のアルコラートの存在下、収率7
0%前後で合成できるとの記載がSale Gronowitz編集の
「チオフェンとその誘導体パート3(Thiopheneand its
dervatives Part Three)」(John Wiley and Sons 出
版、1986年出版)にある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記報告を詳
細に追試すると、2、3−ジハロゲノプロピオン酸エス
テルは塩基により、メルカプト酢酸エステルとの付加体
の生成以外に、脱ハロゲン化水素反応で2−ハロゲノア
クリル酸エステルが副生する。さらに、2−ハロゲノア
クリル酸エステルはメルカプト酢酸エステルとの付加体
の生成以外に、重合等の分解が生じる。また、3−ヒド
ロキシ−2−チオフェンカルボン酸誘導体を製造するに
際して従来使用されている塩基、例えば上記に示した金
属アルコラートの塩基中では、2、3−ジハロゲノプロ
ピオン酸エステルにアルコールが付加したアルコキシプ
ロピオン酸誘導体が副生するばかりでなく、さらに前記
金属アルコラートの塩基中では、生成した3−ヒドロキ
シ−2−チオフェンカルボン酸誘導体が分解し、ひいて
は本発明の生成物3−ヒドロキシ−2−チオフェンカル
ボン酸誘導体の収率に大きく影響することが解ってき
た。
【0005】従って、本発明が解決しようとする課題
は、3−ヒドロキシ−2−チオフェンカルボン酸誘導体
を従来の方法に比べてより高い収率で製造しうる方法を
開発することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上記の事情に鑑みて種々の塩基について鋭意検討を加
え、さらには出発原料に対しても検討を加えた結果、特
定の一般式で示されるチオエーテル誘導体とアルカリ金
属炭酸塩とを反応させることにより、3−ヒドロキシ−
2−チオフェンカルボン酸誘導体を高収率で製造し得る
ことを見いだし、本発明を完成させるに至った。
【0007】すなわち、本発明は一般式(1)
【0008】
【化3】
【0009】(但し,R1は置換もしくは非置換のアル
キル基または置換もしくは非置換のフェニル基を示し、
2は水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは非置換の
アルキル基、置換もしくは非置換のフェニル基またはニ
トロ基を示し、R3はアルキル基またはフェニル基を示
し、Xはハロゲン原子を示す。)で示されるチオエーテ
ル誘導体と、一般式(2) Y2CO3 (2) (但し、Yはナトリウム原子、カリウム原子又はリチウ
ム原子を示す。)または一般式(3) YHCO3 (3) (但し、Yは前記の一般式(2)におけるYと同一であ
る。)で示されるアルカリ金属炭酸塩とを反応させるこ
とを特徴とする一般式(4)
【0010】
【化4】
【0011】(但し、R1およびR2は前記の一般式
(1)におけるR1およびR2と同一である。)で示され
る3−ヒドロキシ−2−チオフェンカルボン酸誘導体の
製造方法である。
【0012】本発明において使用する1つの原料は、前
記した一般式(1)で示されるチオエーテル誘導体であ
る。
【0013】上記一般式(1)中,R1、R2またはR3
で示されるアルキル基は、その炭素数は限定されず、直
鎖状でも分岐鎖状でもよいが、原料の入手の容易さか
ら、一般には、炭素数1〜6のアルキル基が好適であ
る。そのうち、最も好適なアルキル基を具体的に例示す
ると、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロ
ピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、t−ブチル基、n
−ペンチル基、n−ヘキシル基などが挙げられる。
【0014】更に、上記一般式(1)中、R1またはR2
で示される置換アルキル基の置換基としては、反応系で
不活性な置換基であれば特に限定されない。そのうち、
特に好適に使用できる該置換基を具体的に例示すると、
ハロゲン原子;ヒドロキシ基;メトキシ基、エトキシ
基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキ
シ基、iso−ブトキシ基、t−ブトキシ基等のアルコキシ
基;メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ
基、iso−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、iso−ブ
チルチオ基、t−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、n
−ヘキシルチオ基等のアルキルチオ基;フェニル基;フ
ェノキシ基などが挙げられる。
【0015】また、前記の一般式(1)中、R1または
2で示される置換フェニル基の置換基としては、本発
明において、反応に関与しない不活性な置換基が何ら限
定無く使用できる。特に好適な置換基としては、ハロゲ
ン原子;ニトロ基;ヒドロキシ基;メチル基;エチル
基;n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、t
−ブチル基等のアルキル基;クロロメチル基;ジフルオ
ロメチル基;トリフルオロメチル基;トリクロロメチル
基;トリフルオロエチル基;トリクロロエチル基;ペン
タフルオロエチル基等のハロゲノアルキル基;フェニル
基等が挙げられる。また、前記一般式(1)中、Xまた
はR2で示されるハロゲン原子としては、例えばフッ
素、塩素、臭素またはヨウ素が挙げられるが、特に塩
素、臭素またはヨウ素が好適である。
【0016】さらに、本発明においてチオエーテル誘導
体は一般式(1)で示されるものであれば、いかなる製
法でつくられたものも限定なく使用できる。このチオエ
ーテル誘導体を具体的に例示すると、2−クロロ−3−
メトキシカルボニルメチルチオ−プロピオン酸メチル、
2−クロロ−3−エトキシカルボニルメチルチオ−プロ
ピオン酸エチル、2−クロロ−3−プロポキシカルボニ
ルメチルチオ−プロピオン酸プロピル、2−クロロ−3
−ブトキシカルボニルメチルチオ−プロピオン酸ブチ
ル、2−クロロ−3−メトキシカルボニルメチルチオ−
プロピオン酸エチル、2−クロロ−3−プロポキシカル
ボニルメチルチオ−プロピオン酸エチル、2−クロロ−
3−メトキシカルボニルメチルチオ−プロピオン酸プロ
ピル、2−クロロ−3−メトキシカルボニルメチルチオ
−プロピオン酸フェニル、2−クロロ−3−エトキシカ
ルボニルメチルチオ−プロピオン酸フェニル、2−クロ
ロ−3−フェノキシカルボニルメチルチオ−プロピオン
酸メチル、2−ブロモ−3−メトキシカルボニルメチル
チオ−プロピオン酸メチル、2−ヨード−3−エトキシ
カルボニルメチルチオ−プロピオン酸エチル、2−クロ
ロ−3−トリフルオロメチルオキシカルボニルメチルチ
オ−プロピオン酸メチル、2−ヨード−3−ベンジルオ
キシカルボニルメチルチオ−プロピオン酸フェニル、2
−クロロ−3−メトキシエトキシカルボニルメチルチオ
−プロピオン酸メチル、2、3−ジクロロ−3−メトキ
シカルボニルメチルチオ−プロピオン酸メチル、2、3
−ジブロモ−3−エトキシカルボニルメチルチオ−プロ
ピオン酸エチル、2−ヨード−3−トリフルオロメチル
−3−メトキシカルボニルメチルチオ−プロピオン酸メ
チル、2−クロロ−3−フェノキシカルボニルメチルチ
オ−酪酸フェニル、2−クロロ−3−ベンジルオキシカ
ルボニルメチルチオ−酪酸エチル、2−ブロモ−3−エ
トキシカルボニルメチルチオ−4−フェニル酪酸エチ
ル、2、3−ジブロモ−3−メトキシカルボニルメチル
チオ−プロピオン酸メチル、2−クロロ−3−フェニル
−3−メトキシカルボニルメチルチオ−プロピオン酸メ
チル、2−クロロ−3−ニトロ−3−メトキシカルボニ
ルメチルチオ−プロピオン酸メチル、2−クロロ−3−
エトキシカルボニルメチルチオ−4−メトキシ−酪酸エ
チル、2−クロロ−3−エトキシカルボニルメチルチオ
−4−メチルチオ−酪酸エチル、2−ブロモ−3−(4
−ブロモフェニル)−3−メトキシカルボニルメチルチ
オ−プロピオン酸メチル、2−クロロ−3−(2、4−
ジクロロフェニル)−3−メトキシカルボニルメチルチ
オ−プロピオン酸メチル、2−クロロ−3−(2、4−
ジフルオロフェニル)−3−メトキシカルボニルメチル
チオ−プロピオン酸メチル、2−クロロ−3−(3−メ
トキシフェニル)−3−フェノキシカルボニルメチルチ
オ−プロピオン酸フェニル、2−クロロ−3−(3−ト
リフルオロメチルフェニル)−3−メトキシカルボニル
メチルチオ−プロピオン酸メチル、2−クロロ−3−
(4−トシル)−3−メトキシカルボニルメチルチオ−
プロピオン酸メチル、2−ヨード−3−(3−メトキシ
エチルフェニル)−3−メトキシカルボニルメチルチオ
−プロピオン酸メチル、2−クロロ−3−(4−クロロ
フェニルオキシカルボニルメチルチオ)−プロピオン酸
エチル、2−クロロ−3−(3−ニトロベフェニルオキ
シカルボニルメチルチオ)−プロピオン酸エチル、2−
クロロ−3−(3−クロロ−5−トシルオキシカルボニ
ルメチルチオ)−プロピオン酸メチル、2−クロロ−3
−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニルオキ
シカルボニルメチルチオ)−プロピオン酸エチル等が挙
げられる。
【0017】本発明において、他方の原料である一般式
(2)または(3)で示されるアルキル金属炭酸塩とし
ては、特に限定されるものではないが、特に好適に使用
されるアルカリ金属炭酸塩を例示すると、炭酸水素ナト
リウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸カ
リウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム等が挙げられ
る。
【0018】さらに、本発明によって製造できる3−ヒ
ドロキシ−2−チオフェンカルボン酸誘導体を示す一般
式(4)におけるR1およびR2は、前記一般式(1)中
で示したR1とR2とそれぞれ同一である。その3−ヒド
ロキシ−2−チオフェンカルボン酸誘導体を具体的に例
示すると、3−ヒドロキシ−2−チオフェンカルボン酸
メチル、3−ヒドロキシ−2−チオフェンカルボン酸エ
チル、3−ヒドロキシ−2−チオフェンカルボン酸プロ
ピル、3−ヒドロキシ−2−チオフェンカルボン酸ブチ
ル、3−ヒドロキシ−2−チオフェンカルボン酸フェニ
ル、3−ヒドロキシ−2−チオフェンカルボン酸トリフ
ルオロメチル、3−ヒドロキシ−2−チオフェンカルボ
ン酸ベンジル、3−ヒドロキシ−2−チオフェンカルボ
ン酸メトキシエチル、3−ヒドロキシ−5−クロロ−2
−チオフェンカルボン酸メチル、3−ヒドロキシ−5−
ブロモ−2−チオフェンカルボン酸メチル、3−ヒドロ
キシ−5−トリフルオロメチル−2−チオフェンカルボ
ン酸メチル、3−ヒドロキシ−5−メチル−2−チオフ
ェンカルボン酸フェニル、3−ヒドロキシ−5−メチル
−2−チオフェンカルボン酸ベンジル、3−ヒドロキシ
−5−ベンジル−2−チオフェンカルボン酸エチル、3
−ヒドロキシ−5−フェニル−2−チオフェンカルボン
酸メチル、3−ヒドロキシ−5−ニトロ−2−チオフェ
ンカルボン酸メチル、3−ヒドロキシ−5−メトキシメ
チル−2−チオフェンカルボン酸エチル、3−ヒドロキ
シ−5−メチルチオメチル−2−チオフェンカルボン酸
エチル、3−ヒドロキシ−5−(4−ブロモフェニル)
−2−チオフェンカルボン酸メチル、3−ヒドロキシ−
5−(2、4−ジクロロフェニル)−2−チオフェンカ
ルボン酸メチル、3−ヒドロキシ−5−(2、4−ジフ
ルオロフェニル)−2−チオフェンカルボン酸メチル、
3−ヒドロキシ−5−(3−メトキシフェニル)−2−
チオフェンカルボン酸フェニル、3−ヒドロキシ−5−
(3−トリフルオロメチルフェニル)−2−チオフェン
カルボン酸メチル、3−ヒドロキシ−5−(4−トシ
ル)−2−チオフェンカルボン酸メチル、3−ヒドロキ
シ−5−(3−メトキシエチルフェニル)−2−チオフ
ェンカルボン酸メチル、3−ヒドロキシ−5−(4−ク
ロロフェニル)−2−チオフェンカルボン酸(4−クロ
ロフェニル)、3−ヒドロキシ−2−チオフェンカルボ
ン酸(4−クロロフェニル)、3−ヒドロキシ−2−チ
オフェンカルボン酸(3−ニトロフェニル)、3−ヒド
ロキシ−2−チオフェンカルボン酸(3−クロロ−5−
トシル)、3−ヒドロキシ−5−メチル−2−チオフェ
ンカルボン酸(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフ
ェニル)などが挙げられる。
【0019】本発明の方法は、前記した一般式(1)で
示されるチオエーテル誘導体と、前記した一般式(2)
または(3)で示されるアルカリ金属炭酸塩とを反応さ
せることを特徴とする。
【0020】本発明においては、上記の反応を、不活性
溶媒中で行うことが好ましい。かかる不活性有機溶媒
は、公知の不活性有機溶媒を特に限定無く使用できる。
本発明に使用される不活性有機溶媒を具体的に例示すれ
ば、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコ
ール系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族
系溶媒とアルコール系溶媒の混合物;ジエチルエーテ
ル、ジブチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエチレン
グリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン等の
エーテル系溶媒とアルコール系溶媒の混合物;ジメチル
ホルムアミド、アセトニトリル等の有機溶剤とアルコー
ル系溶媒の混合物等があげられるが、特に本反応に好適
に用いられる不活性溶媒としてはアルコール系溶媒が挙
げられる。
【0021】上記不活性溶媒の使用量は、特に限定され
るものではないが、一般にチオエーテル誘導体と不活性
溶媒との体積比が1:0.1〜1:100、好ましくは
1:1〜1:20の範囲となるように選択するのが好適
である。
【0022】本発明において、前記したチオエーテル誘
導体とアルカリ金属炭酸塩の反応系への添加順序は特に
限定されるものではないが、一般には、アルカリ金属炭
酸塩に、チオエーテル誘導体を加え反応を行う。そし
て、アルカリ金属炭酸塩は、通常、予め不活性溶媒に配
合される。
【0023】また、本発明で使用するアルカリ金属炭酸
塩とチオエーテル誘導体の使用割合は特に限定されるも
のではないが、一般には、アルカリ金属炭酸塩とチオエ
ーテル誘導体とのモル比が1:0.01〜1:50、好
ましくは1:0.5〜1:10の範囲となるように前記
使用割合を決定する。
【0024】本発明において、反応温度は特に限定され
ず、広い温度範囲で選び得るが、一般には−70℃〜1
50℃の範囲、好ましくは−10℃から80℃の範囲か
ら選ぶ。また、反応時間は反応条件により異なるが、通
常0.5〜40時間、好ましくは1〜20時間である。
【0025】本発明により得られる3−ヒドロキシ−2
−チオフェンカルボン酸誘導体は、後で生成することも
勿論差し支えない。その精製方法は、特に限定されるも
のではない。一般には、反応終了後、反応液を希塩酸で
酸性とし、生成物を水と混ざらない不活性溶剤で抽出
後、抽出溶媒を留去し、常圧蒸留、減圧蒸留、再結晶ま
たはクロマトグラフィー等によって精製することができ
る。
【0026】
【発明の効果】本発明の方法は、特定のチオエーテル誘
導体とアルカリ金属炭酸塩とを反応させることにより、
3−ヒドロキシ−2−チオフェンカルボン酸誘導体を高
収率で製造することができるものである。
【0027】即ち、本発明の効果は、特定のチオエーテ
ル誘導体を原料とし、且つ3−ヒドロキシ−2−チオフ
ェンカルボン酸誘導体を得るに際して使用することが従
来知られていたアルカリ金属アルコラートという塩基で
はなく、アルカリ金属炭酸塩を用いることにより、不純
物の生成抑制のみならず生成物の分解をも抑えて、高収
率で3−ヒドロキシ−2−チオフェンカルボン酸誘導体
を得ることができるようになった点にある。
【0028】
【実施例】本発明を更に具体的に説明するため、以下に
実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
【0029】実施例1 (3−ヒドロキシ−2−チオフェンカルボン酸メチルの
合成)攪拌器を備えた1l−三つ口フラスコに、炭酸カ
リウム200g及びメタノール600mlを入れ、10
℃に保った恒温槽中に設置した溶液に、2−クロロ−3
−メトキシカルボニルメチルチオ−プロピオン酸メチル
221gを1時間かけて滴下した。滴下終了後、10℃
で6時間攪拌し、続いて溶媒であるメタノールを減圧蒸
留で除いた後、希塩酸で酸性とし、エーテル抽出した。
抽出溶媒のエーテルを留去後、淡黄色固体である3−ヒ
ドロキシ−2−チオフェンカルボン酸メチルが144g
得られた。融点は43℃であった。収率は原料に対して
91%であった。
【0030】実施例2 (3−ヒドロキシ−5−フェニル−2−チオフェンカル
ボン酸メチルの合成)攪拌器を備えた1l−三つ口フラ
スコに、炭酸水素カリウム99g及びメタノール−エチ
ルエーテル(10:1)混合液600mlを入れ、10
℃に保った恒温槽中に設置した。続いて、2−クロロ−
3−フェニル−3−メトキシカルボニルメチルチオ−プ
ロピオン酸フェニル116.5gの混合液を1時間かけ
て滴下した。滴下終了後、30℃で10時間攪拌した。
続いて溶媒を減圧蒸留で除いた後、希塩酸で酸性とし、
エーテル抽出した。抽出溶媒のエーテルを留去後、淡黄
色固体である3−ヒドロキシ−5−フェニル−2−チオ
フェンカルボン酸メチルが108.8gを得た。収率は
原料のチオエーテルに対して93%であった。
【0031】実施例3 実施例1において、チオエーテル誘導体、アルカリ金属
炭酸塩及び反応条件を変えた以外は実施例1と同様に反
応を行い,3−ヒドロキシ−2−チオフェンカルボン酸
誘導体を合成した。
【0032】チオエーテル誘導体としては、前記一般式
(1)で示され、かつR1,R2,R3及びXが表1〜4
に示す通りであるものを使用した。また、アルカリ金属
炭酸塩及び反応条件は、表1〜4に示す通りとした。こ
の合成により得られた生成物である3−ヒドロキシ−2
−チオフェンカルボン酸誘導体は、前記一般式(4)で
示され、かつR1及びR2が表1〜4に示す通りであるも
のであった。そして、その生成物の収率は表1〜4に示
す通りであった。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (但し,R1は置換もしくは非置換のアルキル基または
    置換もしくは非置換のフェニル基を示し、R2は水素原
    子、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアルキル基、
    置換もしくは非置換のフェニル基またはニトロ基を示
    し、R3はアルキル基またはフェニル基を示し、Xはハ
    ロゲン原子を示す。)で示されるチオエーテル誘導体と
    一般式(2) Y2CO3 (2) (但し、Yはナトリウム原子、カリウム原子又はリチウ
    ム原子を示す。)または一般式(3) YHCO3 (3) (但し、Yは前記の一般式(2)におけるYと同一であ
    る。)で示されるアルカリ金属炭酸塩とを反応させるこ
    とを特徴とする一般式(4) 【化2】 (但し、R1およびR2は前記の一般式(1)におけるR
    1およびR2と同一である。)で示される3−ヒドロキシ
    −2−チオフェンカルボン酸誘導体の製造方法。
JP18503192A 1992-07-13 1992-07-13 3−ヒドロキシ−2−チオフェンカルボン酸誘導体の製造方法 Pending JPH0625222A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6121202A (en) * 1997-11-07 2000-09-19 American Cyanamid Company Thienyloxypyridines and-pyrimidines useful as herbicidal agents

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US6121202A (en) * 1997-11-07 2000-09-19 American Cyanamid Company Thienyloxypyridines and-pyrimidines useful as herbicidal agents

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