JPH06251360A - メモリー素子、その製造方法およびその製造装置 - Google Patents

メモリー素子、その製造方法およびその製造装置

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JPH06251360A
JPH06251360A JP5041399A JP4139993A JPH06251360A JP H06251360 A JPH06251360 A JP H06251360A JP 5041399 A JP5041399 A JP 5041399A JP 4139993 A JP4139993 A JP 4139993A JP H06251360 A JPH06251360 A JP H06251360A
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JP
Japan
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film
magneto
chamber
protective film
polyparaxylylene
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Application number
JP5041399A
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English (en)
Inventor
Junichiro Nakayama
純一郎 中山
Michinobu Saegusa
理伸 三枝
Hiroyuki Katayama
博之 片山
Akira Takahashi
明 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
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Publication of JPH06251360A publication Critical patent/JPH06251360A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 基板1上に、磁性層を含む光磁気記録膜2
と、光磁気記録膜2を被う保護膜3とを備えており、上
記保護膜3は、ポリパラキシリレンまたは塩素を含まな
いポリパラキシリレン誘導体のいずれかである光磁気デ
ィスク等のメモリー素子および、そのメモリー素子の製
造方法、製造装置。 【効果】 保護膜3の摩擦係数が小さくなり、耐摩耗性
が向上する。これにより、潤滑膜等を形成しない単純な
構成で、信頼性の高いメモリー素子を実現することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光磁気ディスクや光磁
気カード、フロッピーディスクやハードディスク等のメ
モリー素子、メモリー素子の製造方法、および、メモリ
ー素子の製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光磁気ディスクは、図5に示すように、
基板27上に、光磁気記録膜28、保護膜29を順次形
成した構造になっている。
【0003】基板27には、ガラス、ポリカーボネイ
ト、ポリメチルメタクリレート、アモルファスポリオレ
フィン等の光学的に透明な材料が用いられる。
【0004】光磁気記録膜28は、磁性体膜だけからな
る単層構造、もしくは、誘電体膜、反射膜等を含む多層
構造になっている。四層構造の光磁気記録膜28の場
合、例えば、AlN(80nm)/DyFeCo(20
nm)/AlN(25nm)/Al(50nm)が用い
られる。三層構造の光磁気記録膜28の場合、例えば、
SiN(80nm)/TbFeCo(80nm)/Si
N(80nm)が用いられる。これらの光磁気記録膜2
8は基板27上にスパッター法、蒸着法等により形成さ
れる。なお、括弧内は膜厚である。
【0005】保護膜29には、光硬化樹脂からなる有機
系樹脂が使用される。
【0006】保護膜29の製造プロセスの一例を図6に
示す。
【0007】まず、基板27上に光磁気記録膜28を形
成した中間品30(同図(a))をスピンコーター31
にセットする(同図(b))。
【0008】それから、粘度が約300cpsのアクリ
ル酸エステル系樹脂もしくはウレタンアクリレート系樹
脂をデベロッパー45から滴下し、中間品30を約30
00rpmで回転させ、樹脂の膜厚が約5μmになるよ
うにコートする。
【0009】その後、UV(紫外)光を約2000mJ
/cm2 照射し(同図(c))、樹脂を硬化させること
により、保護膜29を得る。
【0010】他の光磁気ディスクの構造を図7に示す。
この光磁気ディスクは、基板27上に、光磁気記録膜2
8を形成した後、全体を被うように保護膜29を形成し
た構造になっている。
【0011】この保護膜29の製造プロセスの一例を図
8に示す。
【0012】まず、基板27上に光磁気記録膜28を形
成した中間品30(同図(a))を、ディップ槽32内
の、粘度が約50cpsのアクリル酸エステル系樹脂も
しくはウレタンアクリレート系樹脂に浸す(同図
(b))。それから、中間品30を垂直に引き上げるこ
とにより、樹脂の膜厚が約5μmになるよう全体をコー
トする。
【0013】その後、UV(紫外)光を約2000mJ
/cm2 照射し(同図(c))、樹脂を硬化させること
により、保護膜29を得る。
【0014】磁気ヘッドが常時、光磁気ディスクと接触
する機構を採用した光磁気ディスク装置では、図9に示
すように、保護膜29上に平滑な固体潤滑膜33を形成
した光磁気ディスクが用いられる。
【0015】磁気ヘッドが光磁気ディスクの回転開始
時、回転終了時にのみ、光磁気ディスクと接触する機構
を採用した光磁気ディスク装置では、図10に示すよう
に、保護膜29の表面に微細な凹凸34を形成した光磁
気ディスクが用いられる。
【0016】さらに、フロッピーディスクは、図11に
示すように、基板35上に磁性層36を有するディスク
39をカートリッジ37に収納し、ディスク39とカー
トリッジ37との間にライナー38を挿入した構成にな
っている。
【0017】基板35には、厚さ75μmのポリエチレ
ンテレフタレートが用いられる。磁性層36には、膜厚
が約0.5μmのCo−Crが用いられ、基板35上に
スパッター法で形成される。ライナー38は、液体潤滑
剤を含浸させた布繊紙が用いられ、液体潤滑剤がディス
ク39とカートリッジ37との間に常に供給されるよう
になっている(日本潤滑学会のトライボロジスト、第3
5巻、第4号、1990、p.249を参照)。
【0018】さらにまた、ハードディスクは、図12に
示すように、基板40上に記録層41と、液体潤滑層4
2を順次形成した構造になっている。
【0019】基板40には、アルマイト処理されたAl
−Mg合金が用いられる。
【0020】記録層41は、膜厚が約0.1〜0.2μ
mのγ−Fe2 3 をスパッター法により形成し、熱処
理した後、SiO2 等からなる保護層をスパッター法、
蒸着法等により形成することにより得られる。液体潤滑
層42は、例えば、パーフルオロポリエーテル等の液体
潤滑剤をフッ素系の溶剤で希釈した溶液をスピンコート
法やディッピング法で記録層41上に塗布し、溶剤を揮
発させることにより得られる(日本応用磁気学会誌、V
ol.11、No.1、1987、p.22を参照)。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来の光磁気ディスクの製造プロセスでは、保護膜29
のコーティングが大気中で行われるため、保護膜29を
形成する前に光磁気記録膜28が大気中の水蒸気、酸素
等を吸着して信頼性が低下するという問題点を有してい
る。
【0022】さらに、保護膜29を形成後、平滑な固体
潤滑膜33を形成する工程、あるいは、保護膜29の表
面に微細な凹凸34を形成する工程が必要であるので、
製造工程が複雑になるという問題点を有している。
【0023】また、フロッピーディスクでは、ライナー
38が必要であり、したがって、部品点数が増加すると
いう問題点を有しており、ハードディスクの製造プロセ
スでは、液体潤滑層42を形成する工程が必要であり、
したがって、製造工程が複雑になるという問題点を有し
ている。
【0024】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係るメ
モリー素子は、上記の課題を解決するために、基体上
に、磁性層を含む記録膜と、記録膜を被う保護膜とを備
えたメモリー素子において、上記保護膜は、ポリパラキ
シリレンまたは塩素を含まないポリパラキシリレン誘導
体のいずれかであることを特徴としている。
【0025】請求項2の発明に係るメモリー素子は、上
記の課題を解決するために、請求項1のメモリー素子で
あって、上記のポリパラキシリレン誘導体は、ポリモノ
フルオロパラキシリレン、ポリモノメチルパラキシリレ
ン、ポリモノエチルパラキシリレンのいずれかであるこ
とを特徴としている。
【0026】請求項3の発明に係るメモリー素子の製造
方法は、上記の課題を解決するために、基体上に、磁性
層を含む記録膜と、記録膜を被う保護膜とを備えたメモ
リー素子の製造方法であって、基体上に記録膜を真空中
で成膜した後、大気にさらすことなく、ポリパラキシリ
レンまたは塩素を含まないポリパラキシリレン誘導体の
いずれかからなる保護膜を真空中で成膜することを特徴
としている。
【0027】請求項4の発明に係るメモリー素子の製造
装置は、上記の課題を解決するために、基体上に、磁性
層を含む記録膜と、記録膜を被う保護膜とを備えたメモ
リー素子の製造装置であって、記録膜をスパッター法ま
たは蒸着法で成膜する成膜室と、ポリパラキシリレンま
たは塩素を含まないポリパラキシリレン誘導体のいずれ
かからなる保護膜を熱分解により成膜するコーティング
室とが設けられており、記録膜を成膜した基体を成膜室
からコーティング室に真空状態を保ったまま移送できる
ように、成膜室とコーティング室とが接続されているこ
とを特徴としている。
【0028】
【作用】請求項1の構成によれば、保護膜をポリパラキ
シリレンまたは塩素を含まないポリパラキシリレン誘導
体のいずれかにしたので、保護膜の摩擦係数が小さくな
り、耐摩耗性が向上する。これにより、潤滑膜等が不要
になる。しかも、これらの保護膜は真空中で形成可能で
あるため、信頼性の高いメモリー素子を実現できる。
【0029】請求項2の構成によれば、摩擦係数がさら
に小さくなるか、もしくは、強固な保護膜が得られるた
め、磁気ヘッドと接触する等の、より過酷な環境での使
用に耐えるメモリー素子が得られる。
【0030】請求項3の構成によれば、基体上に記録膜
を真空中で成膜した後、大気にさらすことなく、ポリパ
ラキシリレンまたは塩素を含まないポリパラキシリレン
誘導体のいずれかからなる保護膜を真空中で成膜するの
で、記録膜が水蒸気、酸素等を吸着することがなくな
る。これにより、信頼性の高いメモリー素子を製造でき
る。
【0031】請求項4の構成によれば、記録膜をスパッ
ター法または蒸着法で成膜する成膜室と、ポリパラキシ
リレンまたは塩素を含まないポリパラキシリレン誘導体
のいずれかからなる保護膜を熱分解により成膜するコー
ティング室とを設け、記録膜を成膜した基体を成膜室か
らコーティング室に真空状態を保ったまま移送できるよ
うに、成膜室とコーティング室とを接続したので、請求
項3の作用に加え、上記のメモリー素子をインラインで
製造できる。これにより、生産効率を格段に向上させる
ことができる。
【0032】
【実施例】本発明の第1実施例について図1ないし図3
に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0033】本実施例の光磁気ディスク(メモリー素
子)は、図1に示すように、基板1(基体)上に、光磁
気記録膜2(記録膜)を形成し、この光磁気記録膜2を
被うように保護膜3を形成した構造になっている。
【0034】基板1には、ガラス、ポリカーボネイト、
ポリメチルメタクリレート、アモルファスポリオレフィ
ン等の光学的に透明な材料が用いられる。
【0035】光磁気記録膜2は、磁性体膜だけからなる
単層構造、もしくは、誘電体膜、反射膜等を含む多層構
造になっている。四層構造の光磁気記録膜2の場合、例
えば、AlN(80nm)/DyFeCo(20nm)
/AlN(25nm)/Al(50nm)が用いられ
る。三層構造の光磁気記録膜2の場合、例えば、SiN
(80nm)/TbFeCo(80nm)/SiN(8
0nm)が用いられる。ここで、括弧内は膜厚を示して
いる。
【0036】保護膜3には、ポリパラキシリレン
【0037】
【化1】
【0038】、または、塩素を含まないポリパラキシリ
レン誘導体が用いられる。塩素を含まないポリパラキシ
リレン誘導体としては、例えば、ポリモノフルオロパラ
キシリレン
【0039】
【化2】
【0040】、ポリモノメチルパラキシリレン
【0041】
【化3】
【0042】、ポリモノエチルパラキシリレン
【0043】
【化4】
【0044】がある。
【0045】上記の構成によれば、ポリパラキシリレン
または塩素を含まないポリパラキシリレン誘導体を保護
膜3に用いたので、摩擦係数が小さくなる。したがっ
て、耐摩耗性が向上する。これにより、表面に傷が付き
にくくなり、信頼性の高い光磁気ディスクが得られる。
【0046】保護膜3にポリモノフルオロパラキシリレ
ンを用いた場合、フッ素の表面自由エネルギーが低いた
め、さらに摩擦係数が小さくなる。このため、磁気ヘッ
ドが常時、光磁気ディスクに接触する機構を採用した光
磁気ディスク装置や、磁気ヘッドが光磁気ディスクの回
転開始時、回転終了時にのみ、光磁気ディスクに接触す
る機構を採用した光磁気ディスク装置において、この光
磁気ディスクを使用すると、特に、有用である。
【0047】保護膜3にポリモノメチルパラキシリレ
ン、または、ポリモノエチルパラキシリレンを用いた場
合、重合により強固な化学結合ができるので、より過酷
な環境で使用できる光磁気ディスクが得られる。
【0048】保護膜3を、図2に示すように、基板1お
よび光磁気記録膜2の全体を被うように形成した構造の
光磁気ディスクは、さらに過酷な環境で使用される光磁
気ディスクに適している。
【0049】上記の光磁気ディスクの製造方法につい
て、図3の製造装置を参照しながら説明すれば、以下の
通りである。
【0050】まず、基板1をセットしたトレイ11…を
ロード室6に導入する。真空装置10でスパッター室1
2〜15(成膜室)、コーティグ前室20の中を排気し
た後、ロード室6とスパッター室12とを隔てるゲート
バルブ25aを開き、トレイ11をロード室6からスパ
ッター室12に移送する。
【0051】スパッター室12の真空度が2.0×10
-4Pa以下になると、バルブ26aを開き、N2 ボンベ
8からスパッター室12にN2 ガスを導入する。スパッ
ター室12では、N2 ガスの圧力が3.0×10-1
a、放電電力が800Wのスパッター条件の下で、Al
ターゲット16の反応性スパッターを行い、基板1上に
膜厚が80nmのAlNを成膜する。
【0052】それから、トレイ11をスパッター室13
に移送し、バルブ26bを開き、Arボンベ9からスパ
ッター室13にArガスを導入する。スパッター室13
では、Arガスの圧力が6.5×10-1Pa、放電電力
が300Wのスパッター条件の下で、DyFeCoター
ゲット17のスパッターを行い、基板1のAlN上に膜
厚が20nmのDyFeCoを成膜する。
【0053】それから、トレイ11をスパッター室14
に移送し、バルブ26cを開き、N2 ボンベ8からスパ
ッター室14にN2 ガスを導入する。スパッター室12
でのスパッター条件と同一条件の下で、Alターゲット
18の反応性スパッターを行い、基板1のDyFeCo
上に膜厚が25nmのAlNを成膜する。
【0054】それから、トレイ11をスパッター室15
に移送し、バルブ26dを開き、Arボンベ9からスパ
ッター室15にArガスを導入する。スパッター室15
では、Arガスの圧力が6.5×10-1Pa、放電電力
が300Wのスパッター条件の下で、Alターゲット1
9のスパッターを行い、基板1のAlN上に膜厚が50
nmのAlを成膜する。これにより、基板1上に光磁気
記録膜2が形成されたことになる。
【0055】それから、トレイ11をコーティグ前室2
0に移送し、スパッター室15とコーティグ前室20と
を隔てるゲートバルブ25bを閉じる。それから、コー
ティグ前室20とコーティング室23とを隔てるゲート
バルブ25cを開き、トレイ11をコーティグ前室20
からコーティング室23に移送する。
【0056】コーティング室23は、防臭冷却器24を
介して真空装置20で排気できるようになっている。ま
た、コーティング室23は、気化室21で気化したガス
を熱分解する熱分解室22に接続されている。
【0057】気化室21では、約175℃、133Pa
の条件の下で、ジパラキシリレン
【0058】
【化5】
【0059】を気化させる。気化したガスは、熱分解室
22に送られる。約680℃、67Paの条件の下で、
熱分解することにより、ジラジカルパラキシリレン
【0060】
【化6】
【0061】が発生する。このジラジカルパラキシリレ
ンはコーティング室23に導入される。約35℃、13
Paの条件の下で、吸着と重合が同時に行われ、基板1
の光磁気記録膜2上に高分子量のポリパラキシレン膜
(膜厚は5μm)が形成される。これにより、基板1の
光磁気記録膜2上に保護膜3が形成される。
【0062】最後に、トレイ11をアンロード室7に移
送し、コーティング室23とアンロード室7とを隔てる
ゲートバルブ25dを閉じた後、アンロード室7の中を
リークし、トレイ11を取り出す。
【0063】上記の製造装置、製造方法によれば、光磁
気記録膜2を大気にさらすことなく、真空中で保護膜3
を形成できる。このため、大気中の水蒸気、酸素等が光
磁気記録膜2に吸着しなくなる。これにより、光磁気デ
ィスクの信頼性が大幅に向上する。
【0064】また、この製造装置はインラインタイプで
あるので、光磁気ディスクを効率よく製造できる。しか
も、スパッター室15とコーティング室23との間にコ
ーティグ前室20を設けたので、保護膜3の材料による
スパッター室12〜15のコンタミネーションを防止で
きる。
【0065】上記の製造方法では、保護膜3としてポリ
パラキシリレンを用いた光磁気ディスクを例に挙げて説
明したが、保護膜3としてポリパラキシリレンの誘導体
を用いた光磁気ディスクも、ほぼ同様の方法で製造でき
る。
【0066】また、光磁気記録膜2を蒸着法で形成する
こともできる。
【0067】さらに、上記光磁気ディスクの構造、製造
装置、製造方法は、光磁気カード、光磁気テープ等の光
磁気メモリー素子の構造、製造装置、製造方法にも応用
できる。
【0068】本発明の第2実施例について図4に基づい
て説明すれば、以下の通りである。
【0069】なお、説明の便宜上、前記の実施例の図面
に示した部材と同一の機能を有する部材には、同一の符
号を付記し、その説明を省略する。
【0070】本実施例のフロッピーディスク(メモリー
素子)は、図4に示すように、基板4(基体)の両面
に、記録層5・5(記録膜)を形成し、基板1および記
録層5・5の全体を被うように保護膜3を形成した構造
になっている。なお、カートリッジは図示されていな
い。
【0071】基板4には、例えば、厚さ75μmのポリ
エチレンテレフタレートが用いられる。記録層5には、
膜厚が約0.5μmのCo−Crが用いられる。
【0072】保護膜3には、前記実施例と同一材料が用
いられる。
【0073】フロッピーディスクの製造方法、製造装置
は前記実施例とほぼ同じである。
【0074】上記の構成によれば、耐環境性に優れ、か
つ、磁気ヘッドに対して潤滑性に優れたフロッピーディ
スクが得られる。従来用いられていたライナーは不要と
なるので、部品点数を少なくできる。
【0075】また、本実施例のフロッピーディスクの構
造、製造装置、製造方法は、磁気カード、磁気テープ等
の磁気メモリー素子にも応用できる。
【0076】本発明の第3実施例について説明すれば、
以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記の実施例
の図面に示した部材と同一の機能を有する部材には、同
一の符号を付記し、その説明を省略する。
【0077】本実施例のハードディスク(メモリー素
子)の基本構成は、図4のフロッピーディスクとほぼ同
様である。基板4には、例えば、アルマイト処理された
Al−Mg合金が用いられる。記録層5は、膜厚が約
0.1〜0.2μmのγ−Fe23 を形成し、熱処理
した後、SiO2 等からなる保護層を形成することによ
り得られる。
【0078】保護膜3には、前記実施例と同一材料が用
いられる。
【0079】ハードディスクの製造方法、製造装置は前
記実施例とほぼ同じである。
【0080】上記の構成によれば、耐環境性に優れ、か
つ、磁気ヘッドに対して潤滑性に優れたハードディスク
を得られる。しかも、生産効率が高い。
【0081】請求項1の発明に対応する光磁気ディス
ク、フロッピーディスクおよびハードディスク等のメモ
リー素子は、基板1(または、基板4)上に、磁性層を
含む光磁気記録膜2(または、記録層5)と、光磁気記
録膜2(または、記録層5)を被う保護膜3とを備えた
メモリー素子において、上記保護膜3は、ポリパラキシ
リレンまたは塩素を含まないポリパラキシリレン誘導体
のいずれかである構成である。
【0082】このため、保護膜3の摩擦係数が小さくな
るので、耐摩耗性が向上する。これにより、潤滑膜等が
不要になる。しかも、これらの保護膜3は真空中で形成
可能であるため、信頼性の高いメモリー素子を実現でき
る。
【0083】請求項2の発明に対応する光磁気ディス
ク、フロッピーディスクおよびハードディスク等のメモ
リー素子は、上記のポリパラキシリレン誘導体が、ポリ
モノフルオロパラキシリレン、ポリモノメチルパラキシ
リレン、ポリモノエチルパラキシリレンのいずれかであ
る構成である。
【0084】このため、請求項1の作用効果に加え、摩
擦係数がさらに小さくなるか、もしくは、強固な保護膜
3が得られる。このため、磁気ヘッドと接触する等の、
より過酷な環境での使用に耐えるメモリー素子を実現で
きる。
【0085】請求項3の発明に対応する光磁気ディス
ク、フロッピーディスクおよびハードディスク等のメモ
リー素子の製造方法は、上記のメモリー素子の製造方法
であって、基板1上に光磁気記録膜2(または、記録層
5)を真空中で成膜した後、大気にさらすことなく、ポ
リパラキシリレンまたは塩素を含まないポリパラキシリ
レン誘導体のいずれかからなる保護膜3を真空中で成膜
する構成である。
【0086】このため、光磁気記録膜2(または、記録
層5)が水蒸気、酸素等を吸着することがなくなる。こ
れにより、信頼性の高いメモリー素子を製造できる。
【0087】請求項4の発明に対応する光磁気ディス
ク、フロッピーディスクおよびハードディスク等のメモ
リー素子の製造装置は、上記のメモリー素子の製造装置
であって、光磁気記録膜2(または、記録層5)をスパ
ッター法で成膜するスパッター室12〜15と、ポリパ
ラキシリレンまたは塩素を含まないポリパラキシリレン
誘導体のいずれかからなる保護膜3を熱分解により成膜
するコーティング室23とが設けられており、光磁気記
録膜2(または、記録層5)を成膜した基板1(また
は、基板4)をスパッター室12〜15からコーティン
グ室23に真空状態を保ったまま移送できるように、ス
パッター室12〜15とコーティング室23とが接続さ
れている構成である。
【0088】このため、請求項3の作用効果に加え、上
記のメモリー素子をインラインで製造できる。これによ
り、生産効率が格段に向上する。
【0089】
【発明の効果】請求項1の発明に係るメモリー素子は、
以上のように、保護膜が、ポリパラキシリレンまたは塩
素を含まないポリパラキシリレン誘導体のいずれかであ
るので、保護膜の摩擦係数が小さくなり、耐摩耗性が向
上する。これにより、潤滑膜等を形成しない単純な構成
で、信頼性の高いメモリー素子を実現できるという効果
を奏する。
【0090】請求項2の発明に係るメモリー素子は、以
上のように、上記のポリパラキシリレン誘導体は、ポリ
モノフルオロパラキシリレン、ポリモノメチルパラキシ
リレン、ポリモノエチルパラキシリレンのいずれかであ
るので、摩擦係数がさらに小さくなるか、もしくは、強
固な保護膜が得られる。このため、磁気ヘッドと接触す
る等の、より過酷な環境での使用に耐えるメモリー素子
を実現できるという効果を奏する。
【0091】請求項3の発明に係るメモリー素子の製造
方法は、以上のように、上記のメモリー素子の製造方法
であって、基体上に記録膜を真空中で成膜した後、大気
にさらすことなく、ポリパラキシリレンまたは塩素を含
まないポリパラキシリレン誘導体のいずれかからなる保
護膜を真空中で成膜するので、記録膜が水蒸気、酸素等
を吸着することがなくなる。これにより、信頼性の高い
メモリー素子を製造できるという効果を奏する。
【0092】請求項4の発明に係るメモリー素子の製造
装置は、以上のように、上記のメモリー素子の製造装置
であって、記録膜をスパッター法または蒸着法で成膜す
る成膜室と、ポリパラキシリレンまたは塩素を含まない
ポリパラキシリレン誘導体のいずれかからなる保護膜を
熱分解により成膜するコーティング室とが設けられてお
り、記録膜を成膜した基体を成膜室からコーティング室
に真空状態を保ったまま移送できるように、成膜室とコ
ーティング室とが接続されているので、請求項3の効果
に加え、上記のメモリー素子をインラインで製造でき
る。これにより、生産効率が格段に向上するという効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光磁気ディスクの構成を示す概略
の断面図である。
【図2】本発明に係る光磁気ディスクの他の構成を示す
概略の断面図である。
【図3】図1および図2の光磁気ディスクの製造装置を
示す説明図である。
【図4】本発明に係るフロッピーディスクおよびハード
ディスクの構成を示す概略の断面図である。
【図5】従来の光磁気ディスクの構成を示す概略の断面
図である。
【図6】図5の光磁気ディスクの製造方法を示す説明図
である。
【図7】従来の光磁気ディスクの他の構成を示す概略の
断面図である。
【図8】図7の光磁気ディスクの製造方法を示す説明図
である。
【図9】従来の光磁気ディスクのその他の構成を示す概
略の断面図である。
【図10】従来の光磁気ディスクのその他の構成を示す
概略の断面図である。
【図11】従来のフロッピーディスクの構成を示す概略
の断面図である。
【図12】従来のハードディスクの構成を示す概略の断
面図である。
【符号の説明】
1 基板(基体) 2 光磁気記録膜(記録膜) 3 保護膜 4 基板(基体) 5 記録層(記録膜) 12 スパッター室(成膜室) 13 スパッター室(成膜室) 14 スパッター室(成膜室) 15 スパッター室(成膜室) 23 コーティング室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 明 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体上に、磁性層を含む記録膜と、記録膜
    を被う保護膜とを備えたメモリー素子において、 上記保護膜は、ポリパラキシリレンまたは塩素を含まな
    いポリパラキシリレン誘導体のいずれかであることを特
    徴とするメモリー素子。
  2. 【請求項2】ポリパラキシリレン誘導体は、ポリモノフ
    ルオロパラキシリレン、ポリモノメチルパラキシリレ
    ン、ポリモノエチルパラキシリレンのいずれかであるこ
    とを特徴とする請求項1記載のメモリー素子。
  3. 【請求項3】基体上に、磁性層を含む記録膜と、記録膜
    を被う保護膜とを備えたメモリー素子の製造方法であっ
    て、 基体上に記録膜を真空中で成膜した後、大気にさらすこ
    となく、ポリパラキシリレンまたは塩素を含まないポリ
    パラキシリレン誘導体のいずれかからなる保護膜を真空
    中で成膜することを特徴とするメモリー素子の製造方
    法。
  4. 【請求項4】基体上に、磁性層を含む記録膜と、記録膜
    を被う保護膜とを備えたメモリー素子の製造装置であっ
    て、 記録膜をスパッター法または蒸着法で成膜する成膜室
    と、ポリパラキシリレンまたは塩素を含まないポリパラ
    キシリレン誘導体のいずれかからなる保護膜を熱分解に
    より成膜するコーティング室とが設けられており、記録
    膜を成膜した基体を成膜室からコーティング室に真空状
    態を保ったまま移送できるように、成膜室とコーティン
    グ室とが接続されていることを特徴とするメモリー素子
    の製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010528400A (ja) * 2007-05-22 2010-08-19 ドルベック,マーク,エイ. コンピュータの高性能ハードディスクドライブ

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