JPH06251324A - 磁気抵抗効果再生型複合磁気ヘッドとその製造方法 - Google Patents

磁気抵抗効果再生型複合磁気ヘッドとその製造方法

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JPH06251324A
JPH06251324A JP5040995A JP4099593A JPH06251324A JP H06251324 A JPH06251324 A JP H06251324A JP 5040995 A JP5040995 A JP 5040995A JP 4099593 A JP4099593 A JP 4099593A JP H06251324 A JPH06251324 A JP H06251324A
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magnetic
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film
recording head
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Toshihiko Ota
俊彦 大田
Futoshi Nakamura
太 中村
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 記録再生分離のピギーバック型ヘッドにおい
て、巻線を被覆銅線などで行う場合に被覆剥がれや断線
を防止し、巻線作業を容易化し、記録電流の最適範囲を
拡大すること。 【構成】 誘導型記録ヘッドを構成する巻線溝7付のコ
アブロックA及び巻線溝なしのコアブロックBを接合
し、巻線溝7を一旦非磁性絶縁材料8で充填した後、コ
アブロックBを厚さ30μm 以下まで削り、前記充填さ
れた巻線溝部分に巻線穴10を穿孔する。その巻線穴は
入口が広く出口が狭い円錐台形状で、出口及び入口の縁
が丸味を帯びるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、誘導型記録ヘッドと、
磁気抵抗効果型再生ヘッドとを積層して成る複合型ヘッ
ドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録の高密度化が進み、VT
Rでは78Mb/cm2 (500Mb/inch2 )、HDD(ハ
ードディスク駆動装置)では31Mb/cm2 (200Mb/i
nch2)という高記録密度のシステムが商品化されてい
る。これらのシステムでは、主に誘導型のヘッドが用い
られている。一方、ある種の磁性薄膜や磁性多層薄膜等
の電気抵抗が、外部磁界によって変化するという磁気抵
抗効果を用いたヘッドも、以前から知られている。この
磁気抵抗効果型ヘッド(以下でMRヘッドと呼ぶ)は、
ヘッドと媒体の相対速度が遅いシステムでも高出力が得
られるため、これまでは固定ヘッド方式のテープ媒体を
再生するシステムに主に用いられてきた。しかし、最近
は、相対速度が数メータ/秒と遅い相対速度をもつ小型
HDDに対しても、MRヘッドはその高S/N性から、
誘導型に代わって用いられ始めた。
【0003】さて、MRヘッドでは、図19に示すよう
に、磁気抵抗効果を示す素子(MR素子51)に、リー
ド線52、53を通してセンス電流Isと呼ばれる直流
ないしは交流の定電流を通電し、この素子の電気抵抗が
媒体50からの磁界に応じて変化することを利用して、
媒体の残留磁化を検出するものである。
【0004】よく知られているように、磁気抵抗効果に
は、電流と磁化のなす角度によって電気抵抗が変わる異
方性磁気抵抗効果と、隣り合う層の磁化のなす角に依存
して電気抵抗が大きく変化するスピン依存散乱による磁
気抵抗効果とがある。
【0005】これらの磁気抵抗効果を利用するMRヘッ
ドは、媒体からの漏れ磁界を高感度、高S/Nで検出す
るには適しているが、媒体を磁化することはできないの
で、磁気記録に用いるには記録ヘッドを別に用意し、記
録されたトラックをMRヘッドが通過するよう、2ケの
磁気ヘッドを配置する必要がある。この配置の方法とし
ては、記録ヘッドとMRヘッドを別々に作成し、所定の
位置合わせをしてから位置を固定する方法と、基板上に
固定したMRヘッド上に記録ヘッドを固定する方法とが
考えられている。
【0006】このうち、トラックが直線でない磁気ディ
スクで使用する場合には、記録ヘッドとMRヘッドのオ
フトラックを小さくする必要があり、このため記録ヘッ
ドと磁気ギャップとMRヘッド素子部までの相対距離を
数ミクロン程度まで小さくすることができる後者に属す
る図20のピギーバック型薄膜ヘッドが用いられてい
る。図20において、51がMR素子、55が記録ヘッ
ド、55はシールド壁である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このピ
ギーバック型薄膜ヘッドは、工数が多いため歩留まりが
悪い上、耐熱性が250℃程度しかないMR素子の特性
を劣化させないようにするためには、先に形成されたM
Rヘッド上に記録ヘッドを形成する次のプロセスで、こ
の温度を越えないよう、低温プロセスを用いる必要があ
る。従ってこの条件を満たすことが可能なメッキプロセ
スを用いる必要があり、このため磁性膜材料はNiFe
に限定されているのが実情である。
【0008】トラック幅が狭い場合、磁極先端部の組成
と後部の広い部分の組成が異なるため、磁極の磁歪が場
所ごとに異なり、磁区を制御するのが困難となり、ヘッ
ドの効率をさげる。MRの熱劣化を防止するため、記録
ヘッドを先に形成し、MR再生ヘッドを上に重ねる方法
も考えられ、この方法では記録ヘッド材料はNiFeよ
り飽和磁束密度Bsの大きい材料を用いることができる
ため、より磁化転移幅の狭い磁気記録を実現することは
可能となるが、凹凸のある記録ヘッドの上にMR素子の
ように数100Åの薄い膜の特性を確保するためには、
記録ヘッドの凹凸より厚い非磁性体膜を一旦形成し、し
かる後に平坦化する必要があり、さらに工数が増える。
このため図20のピギーバック型薄膜ヘッドは従来の誘
導型薄膜ヘッドよりは高価なものとなってしまう。
【0009】また、記録ヘッドを公知のバルクヘッドで
形成し、MR再生ヘッドをその上に形成する方法も考え
られるが、この場合にはバルクヘッドのポール長さが大
きいため、記録ヘッドと磁気ギャップとMRヘッド素子
部までの相対距離が数百ミクロン程度に大きくなってし
まい、記録ヘッドとMRヘッドのオフトラックを小さく
することが実際上不可能となる。さらに、この型のヘッ
ドは、ヘッドの磁気飽和が生じにくいため、記録電流を
増加していった場合、ある電流以上では記録減磁が生じ
てしまい、実際に使用する場合には、最適記録電流を探
し、コントロールするという作業が必要であった。
【0010】取りわけ、巻線を被覆銅線などで行う場合
に、巻線穴の切り立った縁部で巻線がこすられ、被膜が
剥がれることによる絶縁不良や断線が生じるだけでな
く、剥離した被覆材料が媒体面に付着し、ヘッドクラッ
シュを起こす恐れがあった。また、被覆線を巻線穴に通
す場合に、穴径が大きい方が線を通しやすく巻線不良も
少ないが、その一方磁路長が大きくなり、ヘッドの効率
を低下させる。このため従来は、コア接合用ガラスの量
を精密に制御し、図22のように、巻線穴付近のガラス
を接合強度限界に近くして、できるだけ穴径を大きくす
る方法が用いられ、その結果、チップ強度を低下させチ
ップ破損が生じる場合があった。そこで本発明は上述し
た課題に対処して、チップ強度を低下させることなく、
記録電流の最適範囲の広い磁気抵抗効果再生型複合磁気
ヘッド及びその製造方法を提供する。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、第1に、誘導
型記録ヘッドと磁気抵抗効果型再生ヘッドとが積層され
て成る複合型ヘッドにおいて、前記誘導型記録ヘッドの
巻線が被覆導体線で構成され、巻線穴は入口が広く出口
が狭い実質的に円錐台形の空孔で、出口/入口の孔端径
の比が0.6〜0.8であり、出口及び入口の外方に夫
々10μm 〜100μm の盛り上がり部が形成されてい
ることを特徴とする磁気抵抗効果再生型磁気ヘッドの構
造を提案する。
【0012】本発明は、第2に、前記の磁気抵抗効果再
生型磁気ヘッドを製造するための、下記のポイントを含
む製造方法を提案する。 MR素子の特性を劣化させないようにするため、誘
導型記録ヘッドのコア部分を先に形成する。 巻線溝を設けた磁気コアブロックA及び巻線溝を設
けない磁気コアブロックBの接合体の機械的強度を増
し、磁気コアブロックBの厚さが数ミクロンになるまで
削り取り可能にするために、巻線溝全体を例えばガラス
などの非磁性絶縁材料で一旦充填する。 前記充填材料に改めて巻線穴を設ける。この巻線穴
の出口の大きさは、所望の巻線数を収容するのに必要且
つ十分な程度で、入口の大きさは出口よりも広くして巻
線の挿入を容易化する。 巻線穴の入口及び出口に切立った縁部が生じないよ
うにするため、夫々の穴の外方に盛り上り部が形成され
るような穿孔手段、例えばレーザ光による穿孔方式を採
用する。
【0013】
【実施例】
(1)誘導型記録ヘッド部分:まず、図1の記録ヘッド
部分の製造方法を説明する。ここでは積層型ヘッドを例
にとっている。通常用いられている積層型ヘッドでは、
図2(イ)のように、まず非磁性基板1を複数用意し、
それぞれの基板の片側に、スパッタリングや蒸着を用い
て、センダストやFeZrNなどの磁性薄膜2を数ミク
ロン厚に形成する。さらにSiO2 やアルミナの非磁性
絶縁膜3を例えばスパッタリングにより数千オングスト
ローム形成し、さらに磁性膜4を形成する。このよう
に、磁性膜と非磁性絶縁膜を交互に、トラック幅と同じ
厚さないしはそれ以上の厚さまで積層したもの図2
(イ)を複数個用意し、それらを図2(ロ)のように積
み重ね、例えばガラスなどで接合し、次にブロック図2
(ロ)を図の破線5、6に沿って分割し、片側のブロッ
ク(以下コアブロックA)に巻線溝7を形成し、もう一
方のブロック(以下コアブロックB)とともに、磁気ギ
ャップ面を鏡面にポリシングし、コアブロックA、Bの
磁性膜がギャップ膜を介して対向するように配置して、
所定の膜厚のSiO2 などのギャップ膜を介して、例え
ばガラスなどでコアブロックA、Bを接合し、図2
(ハ)の記録ヘッド集合体ブロックを得る。
【0014】本発明では、この接合方法が通常のバルク
ヘッドと異なる。通常のヘッドでは巻線溝7はエナメル
線が複数回巻けるだけの大きさの穴が開いている必要が
あるが、本発明では、巻線溝7が例えばガラスなどの非
磁性絶縁材料8により略充填されるようにすることが重
要である。次に、研削、ポリシングなどの方法で、図2
(ハ)の点線の位置9(コアブロックB端の磁気ギャッ
プからの距離が30μm 以下)まで削除し、図3のブロ
ックCを得る。このとき、巻線溝7が例えばガラス8な
どにより略充填されていない場合には、コアブロックB
は削除工程で破損してしまうので、この加工に耐えるだ
けのガラス8が充填されている必要がある。これで、図
3の形の積層型ヘッドブロックCを作成する方法を説明
した。
【0015】本発明での記録ヘッドは積層型ヘッド以外
に、MIG(Metal In Gap)ヘッドあるいはその他のバル
クヘッドのどれでも良く、また単磁極ヘッドでもよい。
本発明では、記録ヘッドはコイルに電流を流した場合
に、磁界が外部に発生し、磁気媒体を磁化できるもので
あれば、記録ヘッドの形状や材料にはこだわらない。
【0016】(2)MRヘッド部分:次に、MRヘッド
部分の一例を説明する。ここでは、MRヘッドとしては
シールド型MRをとりあげ、磁界検出原理としてNiF
eの異方性磁気抵抗効果を利用し、バイアス磁界はMR
膜に近接させたソフト膜を用いた、いわゆるSAL(Sof
t Adjacent Layer) 膜方式のシールド型MRヘッドを例
としてとりあげる。しかしながら、本発明で利用するM
Rヘッドは、図21(イ)のシールド型、ノンシールド
型、図21(ロ)のヨーク型あるいはその他の型のどれ
でもよく、また、磁界検出原理は異方性磁気抵抗効果で
もよいし、スピン依存散乱を利用したスピンバルブでも
良いし、人工格子の巨大MR効果を利用したものでも良
い。半導体や半金属のホール効果を利用したものでも良
いし、またトンネル効果を利用したSTMやAFMやM
FMその他の方法でもよく、磁気信号を電気信号に変換
するのに、磁気誘導によりコイルに誘起される電気信号
を検出するものでなければ、この検出方法は問わない。
【0017】例えば、図4のMR素子を得る場合、図5
(イ)のように、厚さ0.1mm〜1mm程度の透明の非磁
性基板11を用意し、エッチング、レーザー加工、超音
波加工機などで、径が数ミクロンから数mmの複数個の貫
通孔12を形成する。このとき、後のヘッド1ケ当たり
貫通孔を2ケ以上割り当てられるようにし、図5(イ)
の1ヘッド当たり複数の貫通孔を一組とし、この一組が
マトリックス状に上下左右に繰り返えされる。上下方向
のピッチは図2(ロ)の巻線溝7のピッチと同一であ
り、左右方向のピッチは図2(ロ)のトラック部分のピ
ッチと同じピッチで繰り返されるように、貫通孔を配置
する。
【0018】次に、メッキなどの方法で、貫通孔の内側
に銅や金等の導電体13を充填し、さらに基板をポリシ
ングで平坦化し、図5(ロ)のMR用ウェーハを得る。
このウェーハを基板としてMRヘッドを薄膜技術を用い
てマトリックス状に作成する。このMRヘッドの配列ピ
ッチも、上記記録ヘッドのピッチと同一にする。MRヘ
ッドの構造やプロセスは本発明では問わない。例えば J
ournal of Applied Physics 誌、 Vol. 53, 2605頁 (19
82年) に紹介されているように、縦バイアスを反強磁性
体とNiFeの交換結合で与え、横バイアスはSAL膜
を併置し、自己電流で与える構造としてもよい。銅や金
その他のリード線も、公知のエッチングやリフトオフで
形成する。このとき、リード線はビアホールと接続する
ようにする。
【0019】図6〜図9はシールド型MRの製造方法の
一例を示したものである。前述のように、外部回路との
接続のために、あらかじめ貫通孔に導電性金属13を埋
め込んだ0.3mm厚の基板11(図6(イ)参照)を用
意し、その上にシールド用のNiFeなどの軟磁性薄膜
14を2μm 、全面に形成する(図6(ロ)参照)。次
にシールド部分とボンディングパッド部分14aを残し
て、残りの部分を公知のリングラフィとイオンミーリン
グなどのエッチング方法を用いて図6(ハ)のように除
去する。次にSiO2 などの非磁性絶縁体の薄膜15を
スパッタリングやCVD法などの方法で全面に形成す
る。この非磁性絶縁体の厚さは、シールド膜の厚さより
0.1μm 程度薄くしておく(図6(ニ)参照)。さら
に、図7のように非磁性絶縁膜より高硬度の非磁性絶縁
膜、例えばアルミナなどの膜16を0.1μm 程度の厚
さに形成する。この厚さは、先ほど述べたシールド膜と
絶縁膜の厚さの差と同程度であることが重要である。
【0020】次に図7の膜面をポリシングする。ポリシ
ング工程では、まず最初にシールド膜やボンディングパ
ッドの上のアルミナ膜およびSiO2 膜がラップ盤に接
触するが、この部分は他の部分より突出しているのです
ぐに除去され、次にシールド膜やボンディングパッド膜
とアルミナ膜が同一平面上に露出する。アルミナ膜の表
面に占める面積はシールド膜部分やパッド部分より広
く、またアルミナは研磨速度が遅いため、この状態では
ラップ速度が急激に遅くなる。さらにラップを続ける
と、ついにはアルミナがすべて除去され、SiO2 膜と
シールド膜やボンディングパッド膜14とが同一平面と
なる部分が露出する(図8(イ)参照)。この段階で
は、SiO2 はアルミナより研磨速度が速いため、ラッ
プ速度は急激に早くなる。
【0021】いま説明している本発明の例では、ラップ
速度が遅くなってしばらくして再び早くなる前にラップ
を完了させるようにする。するとラップ完了の状態で
は、シールド膜やボンディングパッド膜とアルミナ膜が
同一平面にあり、しかもシールド膜やボンディングパッ
ド膜の厚さの誤差は、アルミナ膜の厚さ以下、すなわち
この例では0.1μm 以下に押さえられる。
【0022】次にアルミナなどの非磁性絶縁膜17を、
MR膜とシールド膜の距離gと等しくなる厚さに図8
(ロ)のように形成したあと、公知の方法でボンディン
グパッド部の非磁性絶縁膜を除去し、ビアホールを形成
する(図示せず)。
【0023】次にMR用NiFe、バイアス用反強磁性
膜18、SAL膜19を形成し、所定のストライプにパ
ターニングする(図9)。次に銅、金などの導電性薄膜
をリフトオフ、エッチングなどの方法でパターン形成
し、MRのリード線52、53とする(図10(イ)、
(ロ)参照)。
【0024】次に、再びアルミナ膜を厚さgだけ形成
し、さらに、同様の方法でシールド膜のもう一方をパタ
ーニングする。このとき、必要に応じて、MRのリード
線の一部が絶縁膜を介してシールド膜で覆われても良い
し、リード線の一部にシールド膜が積層された構造とな
っても良い(図示せず)。
【0025】次に必要に応じて、アルミナ膜を数μm 程
度の厚さに形成し、再びポリシングしシールド膜の上の
アルミナ膜の厚さが所定の例えば1μm になるように平
坦化する。これでMRヘッドの工程は終了し、図4(シ
ールド膜は図示せず)のウェーハが得られる。
【0026】(3)記録ヘッド部分と再生ヘッド部分の
結合、及びブロック分割:次に図3の記録ヘッド集合ブ
ロックと図4のMRヘッドウェーハとを接着剤やガラス
などで接合し、図11のブロックDを得る。このとき、
記録ヘッドとMRヘッドが所定の相対位置となるよう、
合わせマークなどを用いて正確に位置合わせを行う。こ
の接合では、あらかじめ接合面に接着剤やガラス形成し
ておき、位置合わせ後に加圧加熱などで固着してもよい
し、位置合わせ後に接着剤やガラスを流しこんでもよ
く、接合手順は問わない。
【0027】次に、ブロックDの媒体と対向する側の形
状を整える。この例では、ウインチェスタ型のエアベア
リングサーフェス (Air Bearing Surface /ABS面)
を形成する場合をとりあげてある。図11の矢印の点線
30に沿ってブロックDを分割し、治具に取り付けギャ
ップデプスが所定の値になるまで、ABS面をポリシン
グする(図12)。次に図12の点線31〜37の部分
をエッチングや研削してABS幅を規制し、次に空気流
の流入側のテーパ部分を形成し、図12の矢印の点線3
8に沿って分割して図1(イ)のヘッドチップEを得
る。
【0028】(4)巻線穴の穿孔:次に、巻線溝7に充
填されていたガラス8を取り除き巻線穴10を形成す
る。このとき、巻線穴10はヘッド強度の確保のため
に、図13のごとく、2ケの穴口の一方10aを広く
し、他方10bを被覆線部分の総断面積とほとんど等し
くし、広い方から被覆線を挿入し、コアとMRヘッドを
周回して再び広い方の穴口にもどるようにする。このと
き、被覆線の剥離を防止するため、図14のように、入
口と出口の縁10cが曲線となる形状が望ましい。その
ため、本発明者はレーザ光を用いた穿孔実験と超音波加
工機を用いた実験を行なった。
【0029】図15は、コーニング社製の7059ガラ
スの厚さ250μm の薄板にピーク値1KW、平均100
Wの炭酸ガスレーザ光(例示であって、他のレーザ光で
も可能である。)を照射し、穴形状のパルス幅の依存性
を調べた状況を示す図である。パルス幅が2msと長い場
合には、穴は10sで貫通したが、図15(イ)のよう
に、入口と出口の縁が大きく盛り上がり、また照射され
た部分の温度が高すぎたためか、後でガラス部分にクラ
ックが発生していた。パルス幅0.5msのときには貫通
までに20sを要し、図15(ロ)のように入射側の内
径は280μm、出口側の内径は200μm であり入口
及び出口にはガラスが20μm 程度盛り上がっていた。
またパルス幅が0.1msのときには貫通に10分を要
し、図15(ハ)のように盛り上がった。この3つの形
状の穴に25μm のエナメル被覆銅線が何回巻けるかを
調べた。その結果図15において(イ)では平均48
回、(ロ)では35回、(ハ)では32回であったが、
(イ)ではエナメル被覆の剥離粉が多発し、銅線が途中
で切れる場合も多かった。一方、(ロ)、(ハ)ではこ
のような問題は生じなかった。従って、このレーザ装置
の場合、パルス幅0.5ms程度が本発明の実施には適し
ており、最良の実施態様に相当する。
【0030】一方、超音波加工機で、100μm 径のホ
ーン径を用いてパワーを変えて穿孔を試みたが、穴エッ
ジ部分がするどく、さらに貫通する前にクラックが多発
し、本発明の穴形状は得られなかった。
【0031】本実施例では、前述したような条件でヘッ
ドに穿孔を施し、さらに、MR素子基板の裏面に設けら
れたパッド部にMRヘッド信号取りだし用のワイアを接
続し、コイルを記録ヘッドの片側のコアとMRヘッド基
板とを周回して巻き、図1(イ)のバルクヘッド記録−
MR再生の複合ヘッドを得た。
【0032】次に、このヘッドの電磁変換特性を測定し
た。図18のように、コア厚さが30μm 程度以下の場
合、記録電流を増加させていくと、再生出力は最初は増
加したがすぐに飽和し、そのまま大きな変化はなかっ
た。これは、このヘッドのコアの片側が図1のごとく薄
膜ヘッド並みに薄く、そのため媒体から遠い部分が強い
磁界では磁気飽和を起こし、電流を増加させても磁極先
端の磁界が強くならないためと考えられる。
【0033】これまで説明したのは、別々に用意したバ
ルクヘッドとMRヘッドを所定の配置で接合して複合ヘ
ッドを得る方法であった。別の実施例として、図3のよ
うなバルク型記録ヘッド集合体を基板とし、通常の薄膜
技術を用いてMRヘッドを図10と同様の方法で形成し
たのち巻線穴の充填材の一部を取り除いて巻線を通す方
法でもよい。このときにはABS面を形成するときに、
MRヘッドの膜はがれを防止するために、通常用いられ
ている20μm 程度の厚いアルミナ保護膜が必要であ
り、リード線はアルミナ膜を貫通して形成する方法が適
している。
【0034】(5)別の実施例:別の実施例として、バ
ルク型の垂直ヘッド集合ブロックにMRヘッドを接合す
る方法を説明する。この場合には、垂直ヘッド集合ブロ
ックの作成方法が異なるだけで、MRヘッド部分はこれ
まで説明したものと同じでよい。
【0035】垂直ヘッド集合ブロックは例えば次のよう
にして得られる。まず例えば図16のフェライトのブロ
ック41と非磁性絶縁体の接合体ブロック42を用意
し、高飽和磁束密度を持つ軟磁性膜43を積層し、さら
にSiO2 などの保護膜44を重ねる。次に所定のトラ
ック幅と配列ピッチを得るよう、公知の方法でパターン
エッチングをする。次に巻線溝45が施された非磁性ブ
ロック46(図17)を用意し公知の方法でガラス接合
し接合体Jを得る。このとき、巻線溝45がガラスで充
填されるようにするのは、前述と同様重要なポイントで
ある。あとは、この接合体JにMRヘッドウェーハを接
合しても良いし、このJを基板としてMRヘッドを薄膜
プロセスで形成してもよい。そして、あとで巻線溝45
内のガラス47を、本発明の形状に仕上げれば、垂直ヘ
ッド記録、MR再生の複合ヘッドが得られる。
【0036】狭トラック記録ヘッドが必要な場合には、
ABS面からトラック規制用の溝をエッチングなどで形
成しても良い。ABS面のこの凹みをなくしたならば、
ABS面にアルミナなどの非磁性絶縁膜をエッチング深
さより厚く形成し、あとでABS面を研磨して平坦にす
ればよい。
【0037】これまでの実施例では、主にウインチェス
タ型の複合ヘッドを作成する場合の例を説明してきた
が、本発明はウインチェスタ型のヘッドに限定されるも
のではなく、フロッピーヘッド、VTR用ヘッド、ある
いはポイントコンタクト型のヘッドにも適用できる。
【0038】(6)本発明の他の実施態様: (1)記録ヘッドのコアの再生ヘッドと隣接する側のポ
ール長さが、30μm以下であることを特徴とする磁気
ヘッド。 (2)記録ヘッドのコアの再生ヘッドと隣接する側のポ
ールの平均的な容易軸が、デプス深さ方向と実質的に直
角方向であることを特徴とする磁気ヘッド。 (3)再生ヘッドの信号取りだしリードは、再生素子が
形成された側から基板裏面まで、ウェーハを貫通して配
置され、外部回路との接続パッドは基板裏面に配置され
ていることを特徴とする磁気ヘッド。 (4)コイルはこの除去された穴を貫通し、コアBと再
生ヘッドの基板を取り巻いて巻かれていることを特徴と
する磁気ヘッド。
【0039】
【発明の効果】本発明の誘導型記録MR再生の複合ヘッ
ドにおいては、巻線の不良が減少し、信頼性が改善され
た。さらに高Bs磁性膜をコアとする記録ヘッド記録も
可能となり、また記録電流の最適値範囲が広がったの
で、記録電流を精密にコントロールする必要がなくなっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のピギーバック型ヘッドの実施例を示す
図である。
【図2】同記録ヘッド部分の製造段階を示す図である。
【図3】同記録ヘッド部分の完成ブロックCを示す図で
ある。
【図4】同MRヘッド部分の実施例を示す図である。
【図5】同MRヘッド部分の基板を示す図である。
【図6】同MRヘッド部分の製造段階を示す図である。
【図7】同MRヘッド部分の製造段階を示す図である。
【図8】同MRヘッド部分の製造段階を示す図である。
【図9】同MRヘッド部分の製造段階を示す図である。
【図10】同MRヘッド部分の製造段階を示す図であ
る。
【図11】同記録ヘッド部分とMRヘッド部分を接合し
て得たブロックDを示す図である。
【図12】ブロックDの加工方法を示す斜視図である。
【図13】ヘッドの巻線穴を示す斜視図である。
【図14】巻線穴を示す拡大断面図である。
【図15】巻線穴の形状のパルス幅依存性を示す図であ
る。
【図16】本発明の垂直記録用単磁極ヘッドの例を示す
図である。
【図17】本発明の垂直記録用単磁極ヘッドの例を示す
図である。
【図18】本発明のヘッドの入出力特性を示す図であ
る。
【図19】磁気抵抗効果素子の原理説明図である。
【図20】従来のピギーバック型ヘッドの構造図であ
る。
【図21】従来のMRヘッドの構造図である。
【図22】従来の巻線穴におけるガラス充填状況図であ
る。
【符号の説明】
1 非磁性基板 2、4 磁性薄膜 3 非磁性絶縁膜 7 巻線溝 8 非磁性絶縁材料(充填物) 10 巻線穴 11 基板 14a ボンディングパッド 51 MR素子 52、53 リード線

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘導型記録ヘッドと磁気抵抗効果型再生
    ヘッドとが積層されて成る複合型ヘッドにおいて、前記
    誘導型記録ヘッドの巻線が被覆導体線で構成され、巻線
    穴は入口が広く出口が狭い実質的に円錐台形の空孔で、
    出口/入口の孔端径の比が0.6〜0.8であり、出口
    及び入口の外方に夫々10μm 〜100μm の盛り上が
    り部が形成されていることを特徴とする磁気抵抗効果再
    生型複合磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 巻線溝を設けた磁気コアブロックA及び
    巻線溝を設けない磁気コアブロックBの突合せ部にギャ
    ップスペーサを介在させて、両コアブロックA及びBを
    接合して成る誘導型記録ヘッドコア組立体を用意する工
    程と、 前記巻線溝に非磁性絶縁材料を充填する工程と、 前記磁気コアブロックBの前記磁気コアブロックAに対
    接する厚さが30μm以下になるまで、前記磁気コアブ
    ロックBの背面を削り取る工程と、 別に用意した薄膜MRヘッドを、前記磁気コアブロック
    Bの背面に且つMRヘッドの読取素子部が前記誘導型記
    録ヘッドの記録ギャップと並行になるように、非磁性絶
    縁材料層及び磁気シールド膜を介して接合する工程と、 前記巻線溝に充填された非磁性絶縁材料に対して、前記
    材料を溶解しうるレーザ光を照射することにより、所望
    の円錐台形の空孔部分と出口及び入口における盛上り部
    分とを有する貫通孔を、前記記録ギャップと並行に設け
    る工程と、 前記広い入口から被覆導体線を挿入し、前記磁気コアブ
    ロックB及びその上に接合された前記MRヘッドを周回
    して、再び広い入口に戻るように巻付ける工程と、を含
    むことを特徴とする磁気抵抗効果再生型複合磁気ヘッド
    の製造方法。
JP5040995A 1993-03-02 1993-03-02 磁気抵抗効果再生型複合磁気ヘッドとその製造方法 Pending JPH06251324A (ja)

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