JPH0625055B2 - 持続性錠剤 - Google Patents

持続性錠剤

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JPH0625055B2
JPH0625055B2 JP60052358A JP5235885A JPH0625055B2 JP H0625055 B2 JPH0625055 B2 JP H0625055B2 JP 60052358 A JP60052358 A JP 60052358A JP 5235885 A JP5235885 A JP 5235885A JP H0625055 B2 JPH0625055 B2 JP H0625055B2
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sustained
release tablet
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polymer base
drug
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善行 吉田
誠次 近藤
平之▲じよう▼ 山坂
平一 岡沢
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Nippon Chemiphar Co Ltd
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Nippon Chemiphar Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は塩基性の水溶性薬物を含有する持続性錠剤に関
するものである。
持続性製剤は、薬剤の投与回数の削減、副作用の低減、
有効血中濃度の維持など医薬上多くの利点を有してい
る。このため、従来から持続性製剤は種々開発されてお
り、たとえば胃または腸内において崩壊し難い物質を多
量に配合した製剤、薬物の顆粒や錠剤を撥水性物質でコ
ーテングした製剤、半透性膜で薬剤を被覆した製剤、難
溶性あるいは親水性の高分子化合物を薬物と混合又は吸
着、結合させて薬物を徐々に放出するようにした製剤な
どが提案されている。
しかしながら、製剤に含まれる薬物はその性質によって
消化管内における溶解性、吸収部位などが異なる。一般
的に塩基性薬物はpHが酸性側では溶解性が増すが、逆
にアルカリ性側では酸性側に比べて溶解性は低下すると
いう性質を有している。すなわち、消化管において、胃
では酸性のため薬物の放出が早く、腸では中性〜弱アル
カリ性のため薬物の放出が早く、腸では中性〜弱アルカ
リ性のため薬物の放出が低下する。
そこで本発明者らは、胃及び腸においても、錠剤から一
定の速度で薬物の放出が行われ、そして一定の吸収が行
われるような錠剤の開発を試みたところ、胃腸液のpH
とは無関係に適切かつ緩徐な溶出が得られる持続性錠剤
を完成した。
即ち、本発明は、塩基性の水溶性薬物を含有する持続性
錠剤において、高分子マトリックス物質として、粒径
が、50μm以下の超微粉末の腸溶性高分子基材を使用
し、また溶出調整剤として硬化油を使用することを特徴
とする持続性錠剤を提供することにある。
本発明は塩酸ジルチアゼム、塩酸トリメタジジン、塩酸
ジラゼブ等の、塩基性の水溶性薬物に適用される。すな
わち、本発明はこれらの薬物を含有する錠剤が、所望の
速度で溶出するように設計されたマトリックス錠におい
て、高分子マトリックス物質として超微粉末の腸溶性高
分子基材を使用し、また溶出調整剤として硬化油を使用
することにある。
本発明に使用される腸溶性高分子基材としては、ヒドロ
キシプロピルメチルセルロースフタレート、セルロース
アセテートフタレートまたはカルボキシメチルエチルセ
ルロースがあり、その粒径は50μ以下特に20μ以下
が適当である。又腸溶性高分子基材は全錠剤重量に対し
て3.5〜22W/W%の範囲が好適である。
なお、超微粉末の腸溶性高分子基材を得るにはアトマイ
ザー(不二パウダル:EIIW−7.5型)、ジェットミ
ル(パウレック:100型)等の粉砕機を使用すること
により容易に可能である。
超微粉末の腸溶性高分子基材を使用する理由は均一なマ
トリックス錠を作ることにある。例えば、本発明との比
較のために粒子径が425μ〜180μ及び180μ〜
75μの2種類を用いて実験を行った所、比較例はいず
れも2時間で溶出が完了し持効化は図れなかった。さら
に各時間毎の溶出のバラツキも非常に大きく、製剤とし
て問題があることがわかった。(表2,表3) しかし、本発明による20μ以下の超微粉末を使用した
ものは良好な持効化を示し、また各時間毎の溶出のバラ
ツキも極めて小さかった。(表1) 一方、薬物の放出速度を所望のレベルに制御するため
に、溶出調整剤として硬化油を使用する。適切な硬化油
としては、水素添加植物油(例えば水素添加ナタネ油、
水素添加ヒマシ油など)がある。調整剤の量は全錠剤重
量に対して7〜33W/W%の範囲が好適である。
腸溶性高分子基材と溶出調整剤の配合比率は1:0.5
〜5特に1:1〜3が好ましい。
本発明の製剤を製造するには、薬物、超微粉末の腸溶性
高分子基材、硬化油の他に、賦形剤、結合剤、着色剤を
任意に併用してもよく、これらの混合物を水又はアルコ
ール等で練合し、造粒、乾燥、整粒を行ったのち滑沢剤
を加えて製錠することにより本発明剤が得られる。
また、このようにして得られた錠剤はそのまま製品とし
てもよく、フイルムコーテングまたは糖衣を施してもよ
い。
次に本発明を以下の実施例により具体的に説明する。
実施例1 次に示す処方で得た組成物を8φ、ARの杆で打錠し、
溶出を測定した。
処方(1錠中) 塩酸ジルチアゼム 30 mgヒドロキシプロピルメチルセルロ -ス フタレート(粒径は、20μm以下) 9.3mg 硬化油 18.5mg 乳 糖 125.2mg ステアリン酸マグネシウム 2 mg 溶出は日本薬局方溶出試験法第2法(パドル法)、100r
pm,pH1.2で試験した。錠剤6個の3時間にわたる
溶出%を表1に示した。この結果は良好な持効化を示
し、また各時間毎の溶出のバラツキも極めて小さいこと
がわかる。
また比較のために、上記処方のヒドロキシプロピルメチ
ルセルロースフタレートの粒子径の範囲が425μ〜1
80μ(40〜80メッシュ)及び180μ〜75μ
(80〜200メッシュ)の2種類を用いて同様の実験
を行った。これらの結果を表2,表3に示した。
比較例はいずれも2時間で溶出が完了し持効化は図れな
かつた。さらに各時間の溶出のバラツキも非常に大きか
った。
実施例2 次に示す処方(a),(b),(c)で得た組成物を8φ、AR
で打錠し、溶出を測定した。また比較のため、処方
(1),(2)についても同様の実験を行った。
溶出試験の結果は図1(溶出液:pH1.2)、図2(溶出
液:pH6.8)に示した。処方(a),(b),(c)はいずれも良
好な持効化を示した。また溶出液pH1.2及び6.8 で
は、同様の溶出性を示した。
実施例3 実施例2の処方(a),(b),(c)で腸溶性高分子基材に
は、セルロースアセテートフタレートを使用した。溶出
試験の結果は図3(溶出液:pH1.2)に示した。
実施例4 実施例2の処方(a),(b),(c)で腸溶性高分子基材に
は、カルボキシメチルエチルセルロースを使用した。溶
出試験の結果は図4(溶出液:pH1.2)に示した。
実施例5 次に示す処方で得た組成物を7.5φ、ARの杆で打錠
し、溶出試験を実施した。
処方(1錠中) 塩酸トリメタジジン 6 mgヒドロキシプロピルメチルセルロ -ス フタレート 15 mg 硬 化 油 22.5mg 乳 糖 105 mg ステアリン酸マグネシウム 1.5mg 溶出試験の結果は図5(溶出液:pH1.2)に示した。
実施例6 次に示す処方で得た組成物を8φ、ARの杆で打錠し、
溶出試験を実施した。
処方(1錠中) 塩酸ジラゼブ 50 mgヒドロキシプロピルメチルセルロ -ス フタレート 9.5mg 硬 化 油 15.2mg 乳 糖 113.2mg ステアリン酸マグネシウム 2 mg 溶出試験の結果は図6(溶出液:pH1.2)に示した。
【図面の簡単な説明】
図1,2は実施例2の処方(a),(b),(c)から得られた
本発明の持続性錠剤及び実施例2の比較例の処方(1),
(2)から得られた錠剤に関し、溶出液のpHがそれぞれ
1.2及び6.8における溶出試験結果を示す図であ
る。 図3,4,5及び6は、それぞれ実施例3,4,5及び
6の処方から得られた本発明の持続性錠剤の溶出試験結
果(溶出液:pH1.2)を示す図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩基性の水溶性薬物を含有する持続性錠剤
    において、高分子マトリックス物質として、粒径が、5
    0μm以下の超微粉末の腸溶性高分子基材を使用し、ま
    た溶出調整剤として硬化油を使用することを特徴とする
    持続性錠剤。
  2. 【請求項2】腸溶性高分子基材が、ヒドロキシプロピル
    メチルセルロースフタレート、セルロースアセテートフ
    タレートまたはカルボキシメチルエチルセルロースであ
    る特許請求の範囲第1項記載の持続性錠剤。
  3. 【請求項3】腸溶性高分子基材が全錠剤重量に対して
    3.5〜22 W/W %含有されている特許請求の範囲第
    1項または第2項記載の持続性錠剤。
  4. 【請求項4】使用する腸溶性高分子基材の粒径が20μ
    m以下の超微粉末である特許請求の範囲第1項から第3
    項のいずれか1項に記載の持続性錠剤。
  5. 【請求項5】硬化油が、全錠剤重量に対して7〜33 W
    /W %含有されている特許請求の範囲第1項から第4項
    のいずれか1項に記載の持続性錠剤。
  6. 【請求項6】薬物が、塩酸ジルチアゼム、塩酸トリメタ
    ジジン、または塩酸ジラゼプである特許請求の範囲第1
    項から第5項のいずれか1項に記載の持続性錠剤。
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