JPH0624976U - 筆 穂 - Google Patents

筆 穂

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JPH0624976U
JPH0624976U JP6907492U JP6907492U JPH0624976U JP H0624976 U JPH0624976 U JP H0624976U JP 6907492 U JP6907492 U JP 6907492U JP 6907492 U JP6907492 U JP 6907492U JP H0624976 U JPH0624976 U JP H0624976U
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京弥 大橋
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Pentel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 筆穂の穂先のまとまり、墨液の保持性、筆記
時のタッチの向上。 【構成】 先端をテーパー化したポリアミド、ポリエス
テルといった合成樹脂製筆毛よりなり、前記筆毛は、直
径が2〜12ミルの範囲より選択された異なった径の2
種のストレートな筆毛10〜60重量%と、直径が2〜
5ミルのクリンプを有する筆毛5〜60重量%と、直径
が2〜5ミルの断面が異形な筆毛5〜60重量%とより
なる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、画筆、書道用毛筆、筆ペンなどの筆穂に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、画筆、書道用毛筆、筆ペンなどの筆穂は、馬、豚、鹿、鼬、狸、テン、 羊などの獣毛を使用しており、使用目的、使用者の好みなどによって筆の硬さ、 太さなどを調整するために、上記獣毛の種類や組み合わせ方を変えて製品として いる。一般的には、筆毛のテーパー形状が長くその表面状態が繊細で、且つ、腰 の強い、弾性力及び復元力に富む獣毛のみで作った毛筆の品質が良いとされてい る。特に、鼬毛、狸毛、テン毛がその代表である。しかし、獣毛は天然物である ため、品質が一定なものが得難いとか、任意の寸法形状のものとすることが困難 であるとか、耐摩耗性が低いとかといった問題があり、更には、鼬、狸、テンの 収穫量の減少による高価格化といった問題がある。
【0003】 そこで、筆穂を形成する獣毛の代わりに合成樹脂製筆毛を用いることが行われ ている。合成樹脂製繊維の先端をテーパー化し、獣毛のような合成樹脂製筆毛と なすためには、合成樹脂繊維を溶解または分解する処理液に接触させる方法など が提案されている(例えば、特公昭49−6159号公報、特公昭60−305 56号公報など)。
【0004】 ところで、先端をテーパー化した合成樹脂製筆毛を用いた筆穂は、墨液など液 の保持力が低いという問題を有している。これを解決するために、獣毛と先端を テーパー化した合成樹脂製筆毛とを混毛してなる筆穂(特公昭63−10299 8号公報)や、波状に皺曲(クリンプ)して、その波長が各々相違する多数の合 成樹脂製筆毛よりなる筆穂(実開昭62−114781号公報)や、ポリエステ ル繊維を加水分解による加工法により得た4種のテーパー繊維を、テーパーの長 い繊維を命毛に用い、その次にテーパーの長い繊維を喉に用い、テーパーの長さ の中位の繊維を腹に用い、テーパーの短い繊維を腰に用いてなる筆穂(実開昭5 6−83073号公報)などが提案されている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、上記、獣毛と先端をテーパー化した合成樹脂製筆毛とを混毛し たものの場合、獣毛ゆえの欠点を合わせ持たざるを得ず、又、クリンプの波長が 各々相違する多数の合成樹脂製筆毛よりなるものの場合、筆毛同志のズレが発生 し易いことより、穂先のまとまりが劣る、筆記時のタッチが悪いといった問題を 有していた。更に、4種のテーパーを有するポリエステル繊維よりなる筆穂は、 全てストレートであって先端をテーパー化した繊維を用いるため穂先のまとまり は良いが、テーパー表面が多少粗面であるものの液の保持性においては未だ問題 が残されていた。 よって本考案は、上記問題、即ち、穂先のまとまり、液の保持性、筆記時のタ ッチの問題を解決することを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本考案は、先端をテーパー化した合成樹脂製の筆毛よりなる筆穂であって、こ の筆穂が、径の異なる2種のストレートな筆毛と、クリンプを有する筆毛と、断 面が異形な筆毛とを少なくとも混毛してなる筆穂を第1の要旨とし、第1の要旨 において、ストレートな筆毛が10〜60重量%、クリンプを有する筆毛が5〜 60重量%、断面が異形な筆毛が5〜60重量%である筆穂を第2の要旨とする ものである。
【0007】 以下、詳述する。 本考案の筆穂1は、先端をテーパー化した合成樹脂製の筆毛よりなるものであ って、筆毛として、径の異なる2種のストレートな筆毛2、3と、クリンプを有 する筆毛4と、断面が異形な筆毛5とを少なくとも用いている。
【0008】 筆毛の材料である合成樹脂は、ポリアミド(6,6−ナイロン、6−ナイロン 、12−ナイロン、6,10−ナイロン、6,12−ナイロンなど)、ポリオレ フィン(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリエステル(ポリエチレンテ レフタレート、ポリブチレンテレフタレートなど)、ポリウレタン、ポリアクリ ロニトリル、アクリロニトリル−スチレン共重合物、アクリロニトリル−ブタジ エン−スチレン共重合物などといったものが挙げられるが、各筆毛の材料は同一 であっても異なっていても良い。
【0009】 上記合成樹脂製繊維の先端をテーパー化し筆毛となすには、前記したように、 処理液による方法が好ましく、具体的一例としては、ポリアミドに対してメタク レゾールと塩化カルシウム−メタノール溶液との混和液、ポリエステルに対して 水酸化ナトリウム水溶液などの組み合わせが挙げられる。但し、必ずしもこの方 法に限定されるものではなく、例えば、合成樹脂製繊維に熱延伸を与えてテーパ ー状に引き伸ばしたり、グラインダー研磨など機械的にテーパー化するなどの他 の方法を採用したり、これら他の方法と前記方法とを併用したりしても良い。又 、各筆毛に形成するテーパー形状は、全て同一のテーパーであっても、全て異な るテーパーであっても、部分的に異なるテーパーであっても良い。
【0010】 本考案にいう筆毛の径(直径)とは、テーパー加工されていない部分の径を指 称し、又、断面が異形な筆毛の場合には、テーパー加工されていない部分であっ て、描き得る外接円の径を指称する。
【0011】 径の異なる2種のストレートな筆毛の使用目的は、大径のストレートな筆毛2 は筆記時の腰安定の目的のため使用するもので、又、小径のストレートな筆毛2 は穂先のまとまりの目的のため使用するものである。その直径としては、大径の 筆毛2は8〜14ミル程度が好ましく、小径の筆毛3は2〜4ミル程度が好まし い。その理由は、大径の筆毛2の直径が8ミルに満たないと腰が弱く筆記時に腰 砕けすることがあり、大径の筆毛2の直径が14ミルを超えると筆記時に筆穂側 面から筆毛がはみ出したりすることがあるからであり、又、小径の筆毛2の直径 が2ミルに満たないとテーパー加工上テーパーが形成されていない、粗い毛が混 入することがあり、小径の筆毛2の直径が4ミルを超えると筆記時に筆穂が穂先 割れすることがあるからである。尚、大径の筆毛2は他の筆毛に比し最大の径と なることが好ましい。その理由は、筆穂の腰を安定化し、書き味を良くするため である。 又、筆穂1に占める使用割合としては、大径のストレートな筆毛2は5〜30 重量%が好ましく、又、小径のストレートな筆毛3は5〜30重量%が好ましい 。その理由は、大径のストレートな筆毛2が5重量%に満たないと腰が弱く筆記 時に腰砕けすることがあり、大径のストレートな筆毛2が30重量%を超えると 腰が強すぎ、筆記時に筆穂側面から筆毛がはみ出したりすることがあり、小径の ストレートな筆毛3が5重量%に満たないと穂先のまとまりを悪くすることがあ り、小径のストレートな筆毛3が30重量%を超えると筆記後の筆穂の復元性が 低下することがあるからである。
【0012】 クリンプを有する筆毛4は、穂先の開き及び液の保持性向上の目的のため使用 するものであって、そのクリンプ状態としては種々のものが採用できる。その直 径は2〜5ミル程度が好ましい。その理由は、直径が2ミルに満たないとテーパ ー加工上テーパーが形成されていない、粗い毛が混入することがあり、直径が5 ミルを超えると穂先がバラケたり割れたりすることがあるからである。 又、筆穂1に占める割合としては、5〜60重量%が好ましい。その理由は、 5重量%に満たないと液の保持性が低下することがあり、60重量%を超えると 筆記時に穂先がバラケたり割れたりすることがあるからである。
【0013】 断面が異形な筆毛5の断面形状としては、略十字状、略Y字状、クローバ状や 、半円形、棒形などの異形繊維、例えば、タイネックスNC410−0920H A(材料:ナイロン、断面形状:略十字状、米国デュポン社製)、カシミロンT ABR(材料:ポリアクリロニトリル、断面形状:略三角形、旭化成工業(株)製 ))などといったものを用いることができるが、特に、図3に示すような略十字 状や図4に示すようなクローバ状といった放射状形状のもののほうがより顕著な 効果を示すので好ましい。 この断面が異形な筆毛5の直径は2〜5ミル程度が好ましい。その理由は、直 径が2ミルに満たないとテーパー加工上テーパーが形成されていない、粗い毛が 混入することがあり、直径が5ミルを超えると液の保持性が低下することがある からである。 尚、筆穂1に占める割合としては、5〜60重量%が好ましい。その理由は、 5重量%に満たないと液の保持性を悪くし、毛管力が低下し、穂先割れすること があり、60重量%を超えると筆記後の筆穂の復元性を悪くすることがあるから である。
【0014】 本考案の筆穂は、上記4種類の筆毛を必須要件とするものであるが、必要に応 じこれら筆毛に他の種類の合成樹脂製筆毛を加えたり、獣毛を加えたりすること もできる。 筆穂を製造するに当たっては、上記4種類の筆毛を各々異なる長さとするか、 同種の筆毛において長さを異ならしめるかし、上記配合で十分混毛し、後端を溶 着、接着又は、後部を糸などで縛って筆毛の脱落を防止して筆穂となすものであ る。
【0015】
【実施例】
先端をテーパー化し、直径が3ミルであり、長さが35〜65mmのストレ ートな6,12−ナイロン製の筆毛を混毛したもの17重量%と、先端をテーパ ー化し、直径が12ミルであり、長さが35〜65mmのストレートな6,12 −ナイロン製の筆毛を混毛したもの17重量%と、先端をテーパー化し、直径が 3ミルであり、クリンプ状態が平均3.5個/1cmであり、長さが35〜65 mmである6,12−ナイロン製のクリンプを有する筆毛を混毛したもの33重 量%と、先端をテーパー化し、直径が2.5ミルであり、長さが35〜65mm の断面が異形(十字状)の6,12−ナイロン製の筆毛を混毛したもの33重量 %とを十分に混毛した後、その後端を熱で溶着して束となし、長さ65mm、太 さ(筆穂を挿入する軸筒8の口部内径に相当する太さ)10.5mmφの筆穂を 得た。 尚、この筆穂は、図1に示すように固定管6及び前軸7で固定し、軸筒8の前 端に挿入固定することにより筆となした。
【0016】
【考案の効果】
本考案に係る筆穂は、径の異なる2種のストレートな筆毛と、クリンプを有す る筆毛と、断面が異形な筆毛とを少なくとも混毛してなるので、ストレートな大 径の筆毛が筆穂に適度な弾性を付与し、ストレートな小径の筆毛と断面が異形な 筆毛とによって筆毛同志のズレの発生を防止し、更に、ストレートな小径の筆毛 と、クリンプを有する筆毛と、断面が異形な筆毛との間に強い毛細管力を生じさ せる隙間が形成されるので、穂先のまとまりが良く、墨液など液の保持性が良好 で、なめらかなタッチが得られ、筆記性能に優れた筆穂が得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例の筆穂を装着した筆の要部斜
視図である。
【図2】各筆毛の模式図である。
【図3】断面が異形な筆毛のテーパー加工されていない
部分の断面を拡大した実施例の模式図である。
【図4】断面が異形な筆毛のテーパー加工されていない
部分の断面を拡大した他の実施例の模式図である。
【符号の説明】
1 筆穂 2 ストレートな大径の筆毛 3 ストレートな小径の筆毛 4 クリンプを有する筆毛 5 断面が異形な筆毛 6 固定管 7 前軸 8 軸筒

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端をテーパー化した合成樹脂製の筆毛
    よりなる筆穂であって、この筆穂が、径の異なる2種の
    ストレートな筆毛と、クリンプを有する筆毛と、断面が
    異形な筆毛とを少なくとも混毛してなる筆穂。
  2. 【請求項2】 ストレートな筆毛が10〜60重量%、
    クリンプを有する筆毛が5〜60重量%、断面が異形な
    筆毛が5〜60重量%である請求項1記載の筆穂。
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JP2001260585A (ja) * 2000-03-16 2001-09-25 Mitsubishi Pencil Co Ltd 筆穂及びこの筆穂を用いた筆記具、塗布具
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